JP2961228B2 - 固体高分子電解質膜を用いる水電解槽 - Google Patents

固体高分子電解質膜を用いる水電解槽

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JP2961228B2 JP10057661A JP5766198A JP2961228B2 JP 2961228 B2 JP2961228 B2 JP 2961228B2 JP 10057661 A JP10057661 A JP 10057661A JP 5766198 A JP5766198 A JP 5766198A JP 2961228 B2 JP2961228 B2 JP 2961228B2
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ion exchange
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近 稲住
雅芳 近藤
浩志 梶山
啓介 小黒
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Hitachi Zosen Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質膜を
用いる水素および酸素製造のための水電解槽に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】従来、高分子電解質膜を用いて水電解に
よって水素および酸素を製造する場合のフィルタープレ
ス式水電解槽としては、特開平７−２５２６８２に開示
されたものが知られている。この水電解槽は、図３およ
び図４に示すように、両端に配された陽極主電極(1) お
よび陰極主電極(2) と、これら主電極(1) (2) の間に直
列に配された複数の単位セルと、これらを一体化する各
４本の締め付けボルトおよびナットとから主として構成
され、１つのセルは、チタン合金製の複極板(9)の陽極
側と、陽極給電体(7) と、固体高分子電解質膜(3) と、
陰極給電体(8) と、隣の複極板(9) の陰極側からなり、
固体高分子電解質膜(3) は、イオン交換膜(4) とその両
面に設けられた触媒電極層(5) (6) とからなる。単位セ
ルの個数は、商業規模の電解槽では、８０から６００で
ある。同図において、(21)はフランジ、(22)はノズルプ
レート、(23)は絶縁パッキン、(24)はＯリングガスケッ
ト、(25)は多孔質スペーサー、(26)はシールガスケット
をそれぞれ示す。
【０００３】上記構成の水電解槽によると、先ず電解槽
下部の給水ヘッダー(10)から供給された水は、多孔質の
陽極給電体(7) を通って、固体高分子電解質膜(3) の陽
極側触媒電極層(5) に達する。ここで付加された電力に
より水の電気分解反応が起こり、酸素が発生する。発生
した酸素は陽極給電体(7) を通り、複極板(9) の陽極側
に設けられた垂直流路内を未反応の水とともに上昇し、
複極板(9) の酸素ヘッダー(11)の外周に設けられた多孔
質スペーサー(25)を通って酸素ヘッダー(11)に排出され
る。一方、固体高分子電解質膜(3) の陰極側触媒電極層
(6) 表面で発生した水素とイオン交換膜(4) を透過した
水は、陰極給電体(8) を通り、複極板(9) の陰極側に設
けられた垂直流路内を上昇し、複極板(9) の水素ヘッダ
ー(12)の外周に設けられた多孔質スペーサー(25)を通っ
て水素ヘッダー(12)に排出される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電解槽で
は、図４に示すように、複極板(9) の周縁部とイオン交
換膜(4) の周縁部との間にＯリングガスケット（シール
部材）(24)が介在されており、イオン交換膜(4) のＯリ
ングガスケット(24)より外側の部分は、乾燥しているの
に対して、イオン交換膜(4) のＯリングガスケット(24)
より内側の部分は、電解液により湿潤状態とされ、乾燥
状態よりも１０〜１５％膨張している。そのため、Ｏリ
ングガスケット(24)の近傍では、大きい応力が生じ、イ
オン交換膜(4) の破損が頻繁に起こるという問題があっ
た。
【０００５】本発明は、上記のような問題点を解決すべ
く工夫されたもので、イオン交換膜の破損の問題を解消
した電解槽を提供することをその目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この発明による水電解槽
は、両端に配された陽極主電極(1) および陰極主電極
(2) と、これら主電極(1) (2) の間に直列に配された複
数の単位セルと、これらを一体化する締め付け具とを具
備し、１つのセルは、チタン合金製の複極板(9)の陽極
側と、陽極給電体(7) と、電解用イオン交換膜(4) およ
びその両面に設けられた触媒電極層(5) (6) からなる固
体高分子電解質膜(3) と、陰極給電体(8)と、隣の複極
板(9) の陰極側からなり、複極板(9) の周縁部とイオン
交換膜(4)の周縁部との間にシール部材(24)が介在され
ている水電解槽において、イオン交換膜(4) のシール部
材(24)に接する部分に補強イオン交換膜層(39)が圧着さ
れていることを特徴とするものである。
【０００７】このようなイオン交換膜(4) を得るには、
平坦なイオン交換膜の周縁部に枠状の補強用イオン交換
膜を圧着すればよい。また、枠状の補強用イオン交換膜
を一度に圧着する代わりに、帯状の補強用イオン交換膜
を平坦なイオン交換膜の周縁部に沿って順次圧着してい
くようにしてもよい。補強用イオン交換膜は、平坦なイ
オン交換膜と同材質であってもよいし、補強材が内蔵さ
れたものでもよい。
【０００８】また、固体高分子電解質膜(3) が、イオン
交換膜(4) に白金層とイリジウム層からなる無電解メッ
キを施すことにより形成されていることが好ましい。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【００１０】この発明の固体高分子電解質膜を用いる水
電解槽は、図３および図４に示した従来のものと固体高
分子電解質膜(3) の構成のみが異なっている。すなわ
ち、この固体高分子電解質膜(3) は、図１および図２に
示すように、周縁部が増厚された電解用イオン交換膜
(4) と、その両面に設けられた触媒電極層(5) (6) とか
らなるものである。イオン交換膜(4) は、平坦なイオン
交換膜本体(4a)に枠状の補強イオン交換膜(39)が圧着さ
れることにより得られたものである。
【００１１】上記構成によると、イオン交換膜(4) のう
ちＯリングガスケット(24)に接触する部分が補強されて
いるので、イオン交換膜(4) のＯリングガスケット(24)
より外側の部分が乾燥状態、同内側の部分が膨潤状態と
なって、イオン交換膜(4) の周縁部に大きい応力が生じ
ても、イオン交換膜(4) の破損が起こらない。給電体
(7)(8)に接触して電流が流れる部分は、従来と同じ厚さ
のままであるから、電気抵抗は大きくなっておらず、従
来のものに比べると、電解特性は不変で、イオン交換膜
(4) の強度だけを上げることができる。
【００１２】実施例イオン（カチオン）交換膜本体(4a)
を、縦１２５０ｍｍ，横３５０ｍｍ、厚み０．１ｍｍと
し、その周縁部分を、幅２５ｍｍ、厚み０．２ｍｍの同
種のカチオン交換膜(39)により補強し、カチオン交換膜
本体(4a)の中央部分（縦９１０ｍｍ，横２３０ｍｍ）を
ブラスト処理し、これに公知の方法（特公平２−２０７
０９号公報参照）により、白金・イリジウムメッキを行
って、固体高分子電解質膜(3) を形成し、こうして得ら
れた固体高分子電解質膜(3) を備えた構成で１０組のセ
ル電解槽モジュールに組み立てたところ、イオン交換膜
(4) の破損は全く起こらなかった。
【００１３】
【発明の効果】本発明の水電解槽によると、イオン交換
膜のうちシール部材に接触する部分が、補強イオン交換
膜層が圧着されることにより補強されているので、イオ
ン交換膜のシール部材より外側の部分が乾燥状態、同内
側の部分が膨潤状態となって、イオン交換膜の周縁部に
大きい応力が生じても、イオン交換膜の破損が起こらな
い。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明のフィルタープレス式水電解槽の要部
の断面図である。
【図２】同分解斜視図である。
【図３】従来のフィルタープレス式水電解槽の分解状態
を示す分解斜視図である。
【図４】同要部の断面図である。
【符号の説明】
１：陽極主電極 ２：陰極主電極 ３：電極接合体膜 ４：イオン交換膜 4a：イオン交換膜本体 ５：陽極側触媒電極層 ６：陰極側触媒電極層 ７：陽極給電体 ８：陰極給電体 ９：複極板 ２４：Ｏリングガスケット（シール部材） ３９：補強イオン交換膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (74)上記１名の指定代理人 工業技術院大阪工業技術研 究所長 （外５名） (72)発明者 稲住 近 東京都港区西新橋２丁目８番11号 第７ 東洋海事ビル 財団法人地球環境産業技 術研究機構 ＣＯ２ 固定化等プロジェ クト室内 (72)発明者 近藤 雅芳 東京都港区西新橋２丁目８番11号 第７ 東洋海事ビル 財団法人地球環境産業技 術研究機構 ＣＯ２ 固定化等プロジェ クト室内 (72)発明者 梶山 浩志 東京都港区西新橋２丁目８番11号 第７ 東洋海事ビル 財団法人地球環境産業技 術研究機構 ＣＯ２ 固定化等プロジェ クト室内 (72)発明者 小黒 啓介 大阪府池田市緑丘１丁目８番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 審査官 廣野 知子 (56)参考文献 特開 平８−260177（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−157877（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−25585（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C25B 1/00 - 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 両端に配された陽極主電極(1) および陰
    極主電極(2) と、これら主電極(1) (2) の間に直列に配
    された複数の単位セルと、これらを一体化する締め付け
    具とを具備し、１つのセルは、チタン合金製の複極板
    (9) の陽極側と、陽極給電体(7) と、電解用イオン交換
    膜(4) およびその両面に設けられた触媒電極層(5) (6)
    からなる固体高分子電解質膜(3) と、陰極給電体(8)
    と、隣の複極板(9) の陰極側からなり、複極板(9) の周
    縁部とイオン交換膜(4) の周縁部との間にシール部材(2
    4)が介在されている水電解槽において、イオン交換膜
    (4) のシール部材(24)に接する部分に補強イオン交換膜
    層(39)が圧着されていることを特徴とする、固体高分子
    電解質膜を用いる水電解槽。
  2. 【請求項２】 固体高分子電解質膜(3) が、イオン交換
    膜(4) に白金層とイリジウム層からなる無電解メッキを
    施すことにより形成されている請求項１記載の固体高分
    子電解質膜を用いる水電解槽。
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