JP2961081B2 - ベーン式流体回転機械 - Google Patents

ベーン式流体回転機械

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諭 田原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電プラント
や原子力発電プラント等に使用されている内径の小さな
配管類の検査・補修装置のモータやポンプとして利用可
能な小型のベーン式流体回転機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のベーン式流体回転機械のロータ部
の構成を図6に示す。図6に示すように、ロータ93の
外周に軸方向に切り込んで設けた複数の溝94(94a
〜94d)にベーン96(96a〜96d)が径方向に
摺動するように組み込まれている。また、上記溝94の
軸方向の中央部分に設けられた穴97(97a〜97
d)には、ベーン96をケーシング内筒面に押しつける
ためにコイルばね95(95a〜95d)が各々設けら
れている。従って、図7に示すように、ロータ93の外
周面,ケーシング91の内周面と側面,ベーン96によ
り、所定の体積を持った気室98(98a〜98d)が
ベーン96の枚数と同数、ロータとケーシング間に形成
され、この複数の気室98の体積がロータ93の回転に
よって変化する構造になっている。
【0003】図7に基づきベーン式流体回転機械の動作
原理を説明する。加圧された作動流体が流入ポート10
0に供給されると、ロータ93外周面とケーシング91
内面、及び、ばね95により押し出されたベーン96
a,96dによって構成される気室98dの空間内に作
動流体が導入される。この気室98dに導入された作動
流体の圧力が、2枚のベーン96a,96dに作用する
が、流入ポート100付近では、2枚のベーン96a,
96dの突き出し量が異なることから、突き出し量の長
いベーン96aが突き出し量の短いベーン96dに比べ
て大きな力を受ける。この力の差が回転力となってロー
タ93を時計回りに回転させ、ロータ93と同心に取り
つけられた軸92が回転し、モータとして機能する。
【0004】一方、作動流体を、流入ポート100から
ロータ93外周面とケーシング91内面、及び、ばね9
5により押し出されたベーン96a,96dによって構
成される気室98dに導入した状態で、回転軸92を外
部から回転させると、該回転軸92に取りつけられたロ
ータ93が回転し、気室内の作動流体を流入ポート10
0から流出ポート101に送り出し、ポンプとして機能
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ベーン式流体回転機械において、ベーン96をケーシン
グ内円筒に押しつけるためにコイルばね95を利用した
構成の場合、図6に示したようにベーン押し出し用のコ
イルばね95が設けられる穴97の軸方向の位置が全て
のベーン96に対して同一であるため、穴97の深さ
は、図7に示すものより深くすることが困難であった。
【0006】また、大きな出力を得る一つの方法とし
て、ベーン96の摺動するストロークを長くすることに
よって、ベーン96の受圧面積を大きくし、この面積と
気室間の差圧の積で得られる出力トルクを向上させる方
法が用いられるが、ベーン96のストロークを長くする
ためには、長いコイルばねが必要になる。この時、収縮
したときのばねの長さに対して、ばねを収納する穴の深
さが短くなるため、これを補うために、図8に示すよう
に、ベーン96側にも、ばねを収納するための切り欠き
99を作る必要が生じる。この結果、図8に示すよう
に、ベーン96の切り欠き部99に流体漏れが発生し、
ベーン96に作用する圧力が減少するため、出力が減少
するという問題点があった。
【0007】また、従来の構造では、気室間の気密性を
確保するために、コイルばね95の収縮時の長さとベー
ン96のロータ径方向の長さの和を、ロータ半径よりも
短くする必要があるが、装置を小型化するためにロータ
径を小さくすると、コイルばね95の収縮時の長さとベ
ーンの長さの和が、ロータ半径よりも長くなり、各ベー
ン用の複数の穴がロータ中心部で導通して流体の気室間
の漏れ要因となり極端な出力低下につながるため、従来
の構造では小型化が困難であるという問題があった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解消す
るために成されたもので、より小型化が可能で出力効率
が従来に比べて良好なベーン式流体回転機械を提供する
ことを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するベーン式流体回転機械は、以下の構成により特定
するものである。 (1)コイルばねが設けられる穴のロータ外周上の軸方
向の位置が、隣接もしくは対向する穴に対して不等な構
造とすると共に、コイルばねの穴と少なくとも片側の気
室間との通路を塞ぐ構造とするものである。 ()コイルばねが設けられる穴のロータ外周上の軸方
向の位置が、隣接もしくは対向する穴に対して不等な構
造で、且つ、コイルばねの穴と少なくとも片側の気室間
との通路を塞ぐ構造とするものである。 ()コイルばねが設けられる穴の位置をロータの回転
方向に移動し、コイルばねが設けられる穴とベーンの両
側の気室の内、片側の気室との通路を塞ぐ構造とするも
のである。 ()ベーンにコイルばねが設けられる穴を塞ぐ構造部
材を設けたものである。 ()ロータにコイルばねが設けられる穴を塞ぐ構造部
材を設けたものである。 ここで、本発明でいう回転機械とは、例えばモータ,ポ
ンプ等を意味し、作動流体としては、例えば気体,液体
等を使用することができる。
【0010】本発明の請求項1記載のベーン式流体回転
機械は、ケーシングに回転可能に支持された回転軸と、
この回転軸と同軸に連結されたロータと、ロータ外周に
放射状に設けた溝の径方向に摺動する複数のベーンと、
ベーンをロータから押し出すためのコイルばねと、ケー
シングに作動流体の流入ポートと流出ポートを有するベ
ーン式回転機械であって、且つ、コイルばねが設けられ
る穴のロータ外周上の軸方向の位置が、隣接もしくは対
向するベーンに対して不等な構造を有すると共に、上記
ロータ外周に放射状に設けられたベーン溝の回転方向の
幅に対して、ベーン押し出し用のコイルばねが設けられ
る穴の直径が大きいときに、コイルばねの穴に対して少
なくとも片側の気室間との通路を塞ぐ構造部材を有する
ことを特徴とするものである。
【0011】
【0012】本発明の請求項記載のベーン式液体回転
機械は、上記ベーン式流体回転機械において、上記コイ
ルばねが設けられる穴のロータ外周上の軸方向の位置
が、隣接もしくは対向するベーンに対して不等な構造を
有し、且つ、ロータ外周に放射状に設けられたベーン溝
の回転方向の幅に対して、ベーン押し出し用のコイルば
ねが設けられる穴の直径が大きいときに、コイルばねの
穴に対して少なくとも片側の気室間との通路を塞ぐ構造
部材を有することを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項記載のベーン式液体回転
機械は、上記ベーン式流体回転機械において、ロータ外
周に放射状に設けられたベーン溝の回転方向の幅に対し
て、ベーン押し出し用のコイルばねが設けられる穴の直
径が大きいときに、コイルばねが設けられる穴の位置を
ロータの回転方向に移動し、コイルばねが設けられる穴
とベーンの両側の気室の内、片側の気室との流路を塞ぐ
構造部材を有することを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項記載のベーン式液体回転
機械は、上記ベーン式流体回転機械において、ロータ外
周に放射状に設けられたベーン溝の回転方向の幅に対し
て、ベーン押し出し用のコイルばねが設けられる穴の直
径が大きいときに、ベーンにコイルばねが設けられる穴
と気室間の流路を塞ぐ構造部材を持つことを特徴とする
ものである。
【0015】本発明の請求項記載のベーン式液体回転
機械は、上記ベーン式流体回転機械において、ロータ外
周に放射状に設けられたベーン溝の回転方向の幅に対し
て、ベーン押し出し用のコイルばねが設けられる穴の直
径が大きいときに、ロータにコイルばねが設けられる穴
と気室間の流路を塞ぐ構造部材を持つことを特徴とする
ものである。
【0016】本発明の請求項記載のベーン式液体回転
機械は、上記のベーン式流体回転機械において、上記ロ
ータが直径1mmから20mm、長さ1mmから40m
mであることを特徴とするものである。
【0017】〔作用〕図3に基づき本発明の作用を説明
する。加圧された作動流体を流入ポート12に供給し
て、ベーン式流体回転機械をモータとして使用した場
合、給気行程にある圧力の高い気室Aから既に排気行程
に入って圧力の低くなっているベーン6aで仕切られた
気室Bへの作動流体の漏れが問題となるが、本発明の構
造によれば、従来の方法に比べて気室間の作動流体の漏
れを減少させ、ベーンに作用する流体の圧力を大きくす
ることができるため、出力トルク、最高回転数、効率が
向上する。
【0018】また、作動流体を流入ポート12に接続
し、回転軸を外部から回転させてベーン式流体回転機械
をポンプとして使用した場合、流出ポート13付近の圧
力が高くなった気室から隣の圧力の低い気室への作動流
体の漏れが出力低下の要因となり問題となるが、本発明
の構造によれば、従来の方法に比べて気室間の作動流体
の漏れを減少させることができるため、作動流体の吐出
量、吐出圧力、効率が向上する。
【0019】上記本発明にかかるベーン式流体回転機械
を、例えば内径50mm程度の配管内検査・補修装置の
動力装置として用いるためには、ロータの直径は20m
m以下が望ましいが、1mm以下の場合は事実上、製作
が困難となるため、1mmから20mmが好ましい。同
様にロータの長さは、最小曲率半径100mm程度の配
管の曲がり部を通過するためには、40mm以下が望ま
しいが、1mm以下の場合は事実上、製作が困難となる
ため1mmから40mmが好ましい。
【0020】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。
【0021】[第1の実施の形態] [構成]図1に、ベーン押し出し用コイルばねが設けら
れる穴のロータ外周上の軸方向の位置が4つのベーンに
対して、それぞれ異なるベーン式流体回転機械の構成を
示す。図2はそのロータ部を拡大した斜視図であり、図
3は、その断面図である。
【0022】これらの図面に示すように、ベーン式流体
回転機械は、ケーシング1に回転可能に支持された回転
軸2と、この回転軸と同軸に連結されたロータ3と、ロ
ータ外周に放射状に設けた溝4の径方向に摺動する複数
のベーン6と、ベーン6をロータ3から押し出すための
コイルばね5と、ケーシング1に作動流体の流入ポート
12と流出ポート13を有するベーン式回転機械におい
て、コイルばね5が設けられる穴7のロータ外周上の軸
方向の位置が、隣接もしくは対向するベーン6に対して
不等な構造を有するものである。
【0023】すなわち、円筒状の内面を持つケーシング
1は、軸方向に3分割されて、第1のケーシング1a,
第2のケーシング1b及び第3のケーシング1cからな
り、これらは固定用ボルト11(11a〜11c)によ
り締結されている。このケーシング内には、回転軸2が
ベアリング9を介して偏心させて固定され、回転軸2と
一体加工された直径8mm、長さ16mmの円筒状のロ
ータ3がケーシング1内で自由に回転するようになって
いる。
【0024】上記ケーシング1の円筒内側面とロータ側
面には、クリアランスをとり、ロータ回転時のロータ側
面とケーシングとの摩擦を防止する構造としている。こ
のクリアランスとロータ両側面とのバランスを調整をす
るために、ロータ3と該ロータ3を支持するベアリング
9(9a,9b)がケーシング1内で軸方向に移動でき
るように、ベアリング両端にネジ8とプリロード用のス
プリングワッシャ10とを設けて調整機構としてある。
【0025】ロータ外周には、放射状に溝4(4a〜4
d)を設け、この溝4にベーン6(6a〜6d)がロー
タ3の半径方向に摺動するように納められている。ま
た、このベーン6をケーシング内周面に押しつけて気室
の気密性を確保するためにコイルばね5(5a〜5d)
がロータ外周にあけられた穴7(7a〜7d)に設けら
れるようになっている。
【0026】コイルばね5は、ベーン1枚に対して1本
用いられるが、図2に示すように、穴7の軸方向の位置
は、それぞれのコイルばね5毎に軸の端部からの穿孔位
置を各々変えてある。これにより、図3に示すように、
コイルばね5が設けられる穴7がロータ中心部において
干渉せず、従来より深い穴があけられるようにしてい
る。
【0027】さらにコイルばね5が設けられる穴7の中
心を溝4の中心に対してロータ6の回転方向(本実施の
形態では図3中右側に回転している。)にずらし、穴7
が片側の気室Bとだけ接するようにしてある。
【0028】図1に示したケーシング1の側面には、外
部から気室に流体が入る流入ポート12と流体が出る流
出ポート13とが設けられており、上記流入ポート12
に圧力をかけた流体を供給すると、ベーン6が回転力を
受けロータ3と軸2を回転させてベーン式モータとして
機能する。一方、外部から回転力を供給して軸2とロー
タ3を回転させると、流体を流入ポート12から流出ポ
ート13に押し出すため、ベーン式ポンプとして機能す
る。
【0029】[作用・効果]ロータ3のコイルばね5の
穴7を従来の方式に比べ、軸の回転方向及び軸方向に各
々オフセットして、図3に示すように深く加工できるた
め、従来のように、ベーン6にコイル収納用の切り欠き
を加工する必要が無くなり、ベーン6とベーン溝4との
すき間によって生じる流体の漏れが減少する。さらに従
来のように図8に示したようなコイルばね用の穴による
流体漏れを低減できることから、これらの相乗効果によ
り出力が著しく向上する。また、コイルばね7の深さに
よる設計上の制約が緩和されることから、ロータ直径を
5mmから10mm程度に小さくできるため、全体の構
造を小型化することが可能となる。
【0030】この結果、例えば、直径14mm、長さ2
8mmと小型な上、出力3W(給気圧5kgf/cm2 )と出
力の大きいエアモータが実現できるため、内径25mm
程度の配管内の検査・補修に適用が可能となる。
【0031】なお、ベーン押し出し用のコイルばねを複
数使用したときも同様な作用・効果を得ることができ
る。また、本実施の形態ではベーン6を4枚としたが本
発明はこれに限定されるものではない。
【0032】[第2の実施の形態] [構成]図4に第1実施の形態とは次の点が異なるベー
ン式流体回転機械を第2実施の形態として示す。
【0033】本実施の形態では、ロータ外周に設けられ
たコイルばね用の穴27の位置は従来の技術で示した図
6と同様に軸端部から全て同じ位置に穴27を設けてい
るが、この穴27を塞ぐ構造部材をベーン26(26a
〜26d)に設けたベーン式流体回転機械である。
【0034】ベーン26には、コイルばね25の穴に対
応する箇所に穴27と略同径の円筒部28(28a〜2
8d)の構造部材を設け、ベーン26で仕切られた気室
間の気密性を向上させる構成となっている。
【0035】[作用・効果]気室間の流体漏れの流路と
なるコイルばね用の穴27をベーン26に設けた円筒部
28で塞ぎ、気室間の気密性を向上させていることによ
り、気室間の流体の漏れを著しく減少させることができ
るため、気室間の圧力損失が減少し出力が向上する。ま
た、ベーン26の円筒部28とコイルばね用の穴25
が、ベーンの往復運動のガイドとなるため、ベーンの回
転運動、軸方向の運動が拘束されてケーシング内側面と
の摩擦抵抗の低減に寄与し、ベーンの寿命を延ばす効果
がある。
【0036】この結果、例えば直径14mm,長さ28
mmと小型な上、出力3W(給気圧6kgf/cm2 )と出力
の大きいエアモータが実現できる。
【0037】なお、ベーン1枚に対してコイルばねを複
数使用し、ベーンにこれに対応した同数の円筒部を設け
たり、ロータ側に穴を塞ぐ構造部材を設けた場合も同様
の作用・効果を得ることができる。
【0038】[第3の実施の形態] [構成]図5に、第1実施の形態とは次の点が異なるベ
ーン式流体回転機械を第3の実施の形態として示す。
【0039】第1の実施の形態では、ロータ外周に設け
られたコイルばね用の穴37の位置をロータ36の軸方
向と周方向にずらした構造としたが、本実施の形態で
は、ロータ外周に設けられたコイルばね用の穴の位置が
ロータ中心部で干渉せずに深い穴があけられるように、
4個ある穴の位置を軸端部からの穴37の穿孔位置を軸
方向にのみ変えた構成としてある。
【0040】[作用・効果]ベーン36にコイルばね3
5を収納するための切り欠きを作る必要が無くなるた
め、気室間の流体の漏れを著しく減少させることがで
き、気室間の圧力損失が減少し出力が向上する。また
は、コイルばね35が設けられる穴37の深さが深くで
きることから、ベーン36のストロークを長くし、受圧
面積を大きくできるため大きな出力が得られる。
【0041】なお、コイルばね用の穴の位置を変えず
に、ロータ側に穴を塞ぐ構造部材を設けても同様な作用
・効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上、本発明の実施の形態と共に説明し
たように、本発明によれば以下の効果を奏するものとな
る。
【0043】(1)コイルばね用の穴がロータの中心部
で干渉しない構造となるため、ロータのコイルばねの穴
を深く加工でき、ベーンにコイル収納用の切り欠きを加
工する必要が無くなり、切り欠きによって生じていた流
体の漏れが減少し出力が向上する。また、コイルばねの
深さによる設計上の制限が緩和されることから、ロータ
直径を小さくできるため、全体の構造を小型化すること
が可能となる。
【0044】(2)コイルばね用の穴によって生じてい
た気室間の流体の漏れを著しく減少させることができる
ため、気室間の圧力損失が減少し出力が向上する。
【0045】(3)コイルばね用の穴がロータの中心部
で干渉しない構造となると同時に、コイルばね用の穴に
よって生じていた気室間の流体の漏れを著しく減少させ
ることができるため、上記(1)と上記(2)の相乗効
果により、より小型で出力の大きいベーン式流体回転機
械を得ることができる。
【0046】(4)コイルばね用の穴をロータの回転方
向に移動するという簡便な方法により容易に上記(2)
の効果を奏することができる。
【0047】(5)ベーンにコイルばね用の穴を塞ぐ円
筒状の構造部材を持たせることにより、上記(2)に加
え、ベーンの円筒部材とコイルばね用の穴が、ベーンの
往復運動のガイドとなるため、ベーンの回転運動、軸方
向の運動が拘束されてケーシング内側面との摩擦抵抗の
低減の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す組み立て説
明図である。
【図2】第1の実施の形態を示すロータ部を拡大した斜
視図である。
【図3】第1の実施の形態を示す断面図である。
【図4】第2の実施の形態のロータ部を拡大した斜視図
である。
【図5】第3の実施の形態のロータ部を拡大した斜視図
である。
【図6】従来例のロータ部を拡大した斜視図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【図8】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 回転軸 3 ロータ 4 溝 5 コイルばね 6 ベーン 7 コイルばね用穴 8 ねじ 9 ベアリング 10 スプリングワッシャ 11 ボルト 12 流入ポート 13 流出ポート 22 回転軸 23 ロータ 24 溝 25 コイルばね 26 ベーン 27 コイルばね用穴 28 ベーン円筒部 32 回転軸 33 ロータ 34 溝 35 コイルばね 36 ベーン 37 コイルばね用穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 2/30 - 2/352

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングに回転可能に支持された回転
    軸と、この回転軸と同軸に連結されたロータと、ロータ
    外周に放射状に設けた溝の径方向に摺動する複数のベー
    ンと、該ベーンをロータから押し出すためのコイルばね
    と、ケーシングに作動流体の流入ポートと流出ポートと
    を有するベーン式回転機械において、 上記コイルばねが設けられる穴のロータ外周上の軸方向
    の位置が、隣接もしくは対向するベーンに対して不等な
    構造を有すると共に、 上記ロータ外周に放射状に設けられたベーン溝の回転方
    向の幅に対して、ベーン押し出し用のコイルばねが設け
    られる穴の直径が大きいときに、コイルばねの穴に対し
    て少なくとも片側の気室間との通路を塞ぐ構造部材を有
    することを特徴とするベーン式流体回転機械。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベーン式流体回転機械に
    おいて、 上記コイルばねが設けられる穴のロータ外周上の軸方向
    の位置が、隣接もしくは対向するベーンに対して不等な
    構造を有し、 且つ、ロータ外周に放射状に設けられたベーン溝の回転
    方向の幅に対して、ベーン押し出し用のコイルばねが設
    けられる穴の直径が大きいときに、コイルばねの穴に対
    して少なくとも片側の気室間との通路を塞ぐ構造部材を
    有することを特徴とするベーン式流体回転機械。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のベーン式流体回転
    機械において、 ロータ外周に放射状に設けられたベーン溝の回転方向の
    幅に対して、ベーン押し出し用のコイルばねが設けられ
    る穴の直径が大きいときに、コイルばねが設けられる穴
    の位置をロータの回転方向に移動し、コイルばねが設け
    られる穴とベーンの両側の気室の内、片側の気室との流
    路を塞ぐ構造部材を有することを特徴とするベーン式流
    体回転機械。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のいずれか一項の
    ーン式流体回転機械において、 ロータ外周に放射状に設けられたベーン溝の回転方向の
    幅に対して、ベーン押し出し用のコイルばねが設けられ
    る穴の直径が大きいときに、ベーンにコイルばねが設け
    られる穴と気室間の流路を塞ぐ構造部材を持つことを特
    徴とするベーン式流体回転機械。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載のいずれか一項の
    ーン式流体回転機械において、 ロータ外周に放射状に設けられたベーン溝の回転方向の
    幅に対して、ベーン押し出し用のコイルばねが設けられ
    る穴の直径が大きいときに、ロータにコイルばねが設け
    られる穴と気室間の流路を塞ぐ構造部材を持つことを特
    徴とするベーン式流体回転機械。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4記載のいずれか一項の
    ーン式流体回転機械において、 上記ロータが直径1mmから20mm、長さ1mmから
    40mmであることを特徴とするベーン式流体回転機
    械。
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