JP2960903B2 - 養殖魚類用の飼料添加剤組成物、それを用いた養殖魚類の成長促進方法及び飼料 - Google Patents
養殖魚類用の飼料添加剤組成物、それを用いた養殖魚類の成長促進方法及び飼料Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
- Y02A40/818—Alternative feeds for fish, e.g. in aquacultures
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、海産魚類または淡
水魚類養殖に際して飼料に添加して魚類に投与すること
によって、魚類の成長を促進させるとともに飼料の効率
を高めて排泄物を減少させることによって環境汚染を最
小化させることが可能であり、かつ、魚類及び人体に無
害である魚類の飼料に添加するための生薬剤組成物に関
する。
水魚類養殖に際して飼料に添加して魚類に投与すること
によって、魚類の成長を促進させるとともに飼料の効率
を高めて排泄物を減少させることによって環境汚染を最
小化させることが可能であり、かつ、魚類及び人体に無
害である魚類の飼料に添加するための生薬剤組成物に関
する。
【０００２】
【従来の技術】無分別な捕獲などに起因して水産資源が
次第に枯渇しつつあることから、最近では養殖産業が注
目されるようになってきた。しかしながら、海産魚類の
養殖の場合においては、沿岸漁場自体の汚染と赤潮被害
などにより生産性が大きく脅かされており、また、淡水
魚類の養殖の場合においては、排泄物や飼料滓に起因す
る上水源の汚染が問題化している。このような養殖産業
と環境との摩擦に鑑みると、新たな養殖漁場の開発を伴
うことなく生産量を大幅に増大させることは困難な状況
にある。
次第に枯渇しつつあることから、最近では養殖産業が注
目されるようになってきた。しかしながら、海産魚類の
養殖の場合においては、沿岸漁場自体の汚染と赤潮被害
などにより生産性が大きく脅かされており、また、淡水
魚類の養殖の場合においては、排泄物や飼料滓に起因す
る上水源の汚染が問題化している。このような養殖産業
と環境との摩擦に鑑みると、新たな養殖漁場の開発を伴
うことなく生産量を大幅に増大させることは困難な状況
にある。
【０００３】しかしながら、現時点において新たな養殖
漁場の開発は困難であることから、養殖魚類の成長を促
進させて生産性を高める方法の開発が必要となった。そ
して、従来では、このように養殖魚の成長を促進させる
ための方法として動物成長ホルモンを魚類用飼料に添加
して投与する方法が行われていた。しかし、この従来の
方法は、ホルモンを投与された魚類を人体が摂取した場
合に人体に悪影響を及ぼすという問題と、魚類に摂取さ
れず残されたホルモンを含む飼料滓によって海や河川が
汚染されるという問題があった。
漁場の開発は困難であることから、養殖魚類の成長を促
進させて生産性を高める方法の開発が必要となった。そ
して、従来では、このように養殖魚の成長を促進させる
ための方法として動物成長ホルモンを魚類用飼料に添加
して投与する方法が行われていた。しかし、この従来の
方法は、ホルモンを投与された魚類を人体が摂取した場
合に人体に悪影響を及ぼすという問題と、魚類に摂取さ
れず残されたホルモンを含む飼料滓によって海や河川が
汚染されるという問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従って、養殖魚類に与
えられる飼料の効率を高めて対象魚類の成長を促進させ
るとともに海や河川などに放流される排泄物などを減ら
すことによって環境汚染を低減させることができ、さら
に、魚類及び人体に無害な方法の開発が望まれていた。
えられる飼料の効率を高めて対象魚類の成長を促進させ
るとともに海や河川などに放流される排泄物などを減ら
すことによって環境汚染を低減させることができ、さら
に、魚類及び人体に無害な方法の開発が望まれていた。
【０００５】従って、本発明は前述の状況に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、養殖魚類の飼料に添加
して投与することにより魚類の消化及び吸収機能を高め
て排泄物を最小化させることによって環境汚染を低減す
るとともに魚類の成長を促進して生産性を向上させるこ
とができ、しかも魚類及びこれを摂取する人体にも無害
である魚類用飼料添加剤組成物を提供することにある。
れたものであって、その目的は、養殖魚類の飼料に添加
して投与することにより魚類の消化及び吸収機能を高め
て排泄物を最小化させることによって環境汚染を低減す
るとともに魚類の成長を促進して生産性を向上させるこ
とができ、しかも魚類及びこれを摂取する人体にも無害
である魚類用飼料添加剤組成物を提供することにある。
【０００６】本発明の他の目的は、前記のような組成物
を用いて養殖魚類の成長を促進させる方法を提供するこ
とにある。
を用いて養殖魚類の成長を促進させる方法を提供するこ
とにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による養殖魚類の成長促進のための飼料添加
剤組成物は、生薬粉末を含むことを特徴とする。
に、本発明による養殖魚類の成長促進のための飼料添加
剤組成物は、生薬粉末を含むことを特徴とする。
【０００８】また、本発明による養殖魚類の成長促進方
法は、生薬粉末を含む飼料添加剤組成物を飼料に添加し
て養殖魚類に投与することを含む。
法は、生薬粉末を含む飼料添加剤組成物を飼料に添加し
て養殖魚類に投与することを含む。
【０００９】本発明の飼料添加剤組成物に使われる生薬
としては、
としては、
【表１】 を含み、ここに
【表２】 またはこれらの混合物がさらに添加されるのが望まし
い。
い。
【００１０】
【発明の実施の形態】本発明は、養殖魚類の成長を促進
するとともに水質汚染の原因となる養殖魚類の排泄物を
減らすために、古くから使用されて安全性が確認されて
いる生薬を主成分とする一種の漢方栄養剤組成物を魚類
養殖用飼料に添加して使用することを特徴とする。本発
明の飼料添加用生薬組成物に含有させる生薬として、山
査子、甘草、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、酸棗
仁、カッコウ、麦芽、シンギク、陳皮、厚朴、砂仁、ビ
ャクズク、ソウズク、益智仁、金銀花、五加皮、連翹、
荊芥、ビャクシ、山薬及び蓮子肉などがある。これらの
生薬の生理活性及び機能を見てみると、山査子は動物性
飼料の消化剤としての役割を果たし、甘草は薬性を調和
させて解毒作用を果たし、枳殻、桔梗、青皮、木香、香
附子は活動性を強化させ、酸棗仁は神経を安定させてス
トレスを解消し、砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智
仁、麦芽、シンギク、カッコウ、陳皮及び厚朴は消化を
促進し、金銀花、五加皮、連翹、荊芥及びビャクシは皮
膚の抵抗性を強化して皮膚疾患を予防し、山薬及び蓮子
肉は筋肉に弾力性を与える作用を果たす。
するとともに水質汚染の原因となる養殖魚類の排泄物を
減らすために、古くから使用されて安全性が確認されて
いる生薬を主成分とする一種の漢方栄養剤組成物を魚類
養殖用飼料に添加して使用することを特徴とする。本発
明の飼料添加用生薬組成物に含有させる生薬として、山
査子、甘草、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、酸棗
仁、カッコウ、麦芽、シンギク、陳皮、厚朴、砂仁、ビ
ャクズク、ソウズク、益智仁、金銀花、五加皮、連翹、
荊芥、ビャクシ、山薬及び蓮子肉などがある。これらの
生薬の生理活性及び機能を見てみると、山査子は動物性
飼料の消化剤としての役割を果たし、甘草は薬性を調和
させて解毒作用を果たし、枳殻、桔梗、青皮、木香、香
附子は活動性を強化させ、酸棗仁は神経を安定させてス
トレスを解消し、砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智
仁、麦芽、シンギク、カッコウ、陳皮及び厚朴は消化を
促進し、金銀花、五加皮、連翹、荊芥及びビャクシは皮
膚の抵抗性を強化して皮膚疾患を予防し、山薬及び蓮子
肉は筋肉に弾力性を与える作用を果たす。
【００１１】本発明の養殖魚類用飼料添加剤として使用
される生薬組成物は、望ましくは、（ａ）山査子、甘
草、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、麦
芽、シンギク、酸棗仁、砂仁及び益智仁を含み、さらに
望ましくは、前記（ａ）の成分に加えてビャクズク、ソ
ウズク、金銀花、五加皮、連翹、荊芥、ビャクシ、山
薬、蓮子肉、陳皮、厚朴またはこれらの混合物を含む。
特に、前記（ａ）の成分に加えてビャクズク、ソウズ
ク、金銀花、五加皮、連翹、荊芥及びビャクシがさらに
添加されたもの、または、前記（ａ）の成分に加えてビ
ャクズク、ソウズク、金銀花、五加皮、連翹、荊芥、ビ
ャクシ、山薬及び蓮子肉がさらに添加されたもの、また
は、前記（ａ）の成分に加えて陳皮、厚朴、山薬及び蓮
子肉がさらに添加されたものが好ましい。
される生薬組成物は、望ましくは、（ａ）山査子、甘
草、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、麦
芽、シンギク、酸棗仁、砂仁及び益智仁を含み、さらに
望ましくは、前記（ａ）の成分に加えてビャクズク、ソ
ウズク、金銀花、五加皮、連翹、荊芥、ビャクシ、山
薬、蓮子肉、陳皮、厚朴またはこれらの混合物を含む。
特に、前記（ａ）の成分に加えてビャクズク、ソウズ
ク、金銀花、五加皮、連翹、荊芥及びビャクシがさらに
添加されたもの、または、前記（ａ）の成分に加えてビ
ャクズク、ソウズク、金銀花、五加皮、連翹、荊芥、ビ
ャクシ、山薬及び蓮子肉がさらに添加されたもの、また
は、前記（ａ）の成分に加えて陳皮、厚朴、山薬及び蓮
子肉がさらに添加されたものが好ましい。
【００１２】特に好ましい本発明の生薬組成物は、次の
ように配合される。
ように配合される。
【００１３】
【表３】 （１）山査子： ２４重量部 甘草： ２０重量部 枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子及びカッコウ： 各１８重量部 麦芽、シンギク及び酸棗仁： 各１２重量部 砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智仁、五加皮、連翹、荊芥： 各８重量部 金銀花： １０重量部 ビャクシ： ６重量部 （２）山査子： ２４重量部 甘草： ２０重量部 枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、山薬、蓮子肉： 各１８重量部 麦芽、シンギク、酸棗仁： 各１２重量部 砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智仁、金銀花： 各８重量部 五加皮、連翹、荊芥： 各６重量部 ビャクシ： ５重量部 （３）山査子、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、麦芽、 シンギク、酸棗仁、砂仁、陳皮、厚朴、益智仁： 各３重量部 山薬、蓮子肉、甘草： 各４重量部 前記（１）の組成物は、特にひらめ子魚で発生しやすい
皮膚病を予防するとともに消化力を強化させ健康な魚体
とする作用を果たし、前記（２）の組成物は、特に肉食
性の魚類の消化力を高めて餌料係数を向上させて成長率
を高め、前記（３）の組成物は、植物性飼料を食う魚類
の消化力を強化させるとともに神経を安定化させて成長
率を高め餌料係数を向上させる役割を果たす。
皮膚病を予防するとともに消化力を強化させ健康な魚体
とする作用を果たし、前記（２）の組成物は、特に肉食
性の魚類の消化力を高めて餌料係数を向上させて成長率
を高め、前記（３）の組成物は、植物性飼料を食う魚類
の消化力を強化させるとともに神経を安定化させて成長
率を高め餌料係数を向上させる役割を果たす。
【００１４】なお、本発明による養殖魚類用飼料添加剤
としての生薬組成物は、魚類の飼料１ｋｇ当たり１ない
し１０ｇ（すなわち、０．１ないし１．０重量％）の比
率で混合して魚類に投与するのが好ましい。
としての生薬組成物は、魚類の飼料１ｋｇ当たり１ない
し１０ｇ（すなわち、０．１ないし１．０重量％）の比
率で混合して魚類に投与するのが好ましい。
【００１５】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、下記の実施例は本発明の例示に過ぎず、
本発明はこれに限定されることはない。
明する。なお、下記の実施例は本発明の例示に過ぎず、
本発明はこれに限定されることはない。
【００１６】
【表４】 （１）処方（１）の生薬組成物の製造 山査子：２４ｇ 甘草：２０ｇ 枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ：各１８ｇ 麦芽、シンギク、酸棗仁：各１２ｇ 砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智仁、五加皮、連翹、荊芥：各８ｇ 金銀花：１０ｇ ビャクシ ：６ｇ 前記生薬のうち山査子、酸棗仁、砂仁、ビャクズク、ソ
ウズク及び益智仁は表面が浅黒くなるほどに煎り、残り
の生薬は粉砕しやすい程に乾燥させ、混ぜ合わせてから
グラインダーで微細に粉砕して製造した。
ウズク及び益智仁は表面が浅黒くなるほどに煎り、残り
の生薬は粉砕しやすい程に乾燥させ、混ぜ合わせてから
グラインダーで微細に粉砕して製造した。
【００１７】
【表５】 （２）処方（２）の生薬組成物の製造 山査子：２４ｇ 甘草：２０ｇ 枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、山薬、蓮子肉：各１８ｇ 麦芽、シンギク、酸棗仁：各１２ｇ 砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智仁、金銀花：各８ｇ 五加皮、連翹、荊芥：各６ｇ ビャクシ：５ｇ 前記生薬のうち山査子、酸棗仁、砂仁、ビャクズク、ソ
ウズク及び益智仁は表面が浅黒くなるほどに煎り、残り
の生薬は粉砕しやすい程に乾燥させ、混ぜ合わせてから
グラインダーで微細に粉砕して製造した。
ウズク及び益智仁は表面が浅黒くなるほどに煎り、残り
の生薬は粉砕しやすい程に乾燥させ、混ぜ合わせてから
グラインダーで微細に粉砕して製造した。
【００１８】
【表６】 （３）処方（３）の生薬組成物の製造 山査子、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、麦芽、シンギク、 酸棗仁、砂仁、陳皮、厚朴、益智仁：各３ｇ 山薬、蓮子肉、甘草：各４ｇ 前記生薬のうち山査子、酸棗仁、砂仁及び益智仁は表面
が浅黒くなるほどに煎り、残りの生薬は粉砕しやすい程
に乾燥させ、混ぜ合わせてからグラインダーで微細に粉
砕して製造した。
が浅黒くなるほどに煎り、残りの生薬は粉砕しやすい程
に乾燥させ、混ぜ合わせてからグラインダーで微細に粉
砕して製造した。
【００１９】１．淡水魚に対する効果試験 （ア）生薬組成物の添加量によるナイルティラピア子魚
の成長比較 淡水魚養殖において本発明の生薬組成物の適正投与量を
評価するためにナイルティラピア（Oreochromis niloti
cus）の子魚を対象として実験した。
の成長比較 淡水魚養殖において本発明の生薬組成物の適正投与量を
評価するためにナイルティラピア（Oreochromis niloti
cus）の子魚を対象として実験した。
【００２０】人工孵化を通して生産されたナイルティラ
ピアの孵化子魚を五群に分離し、初餌を食い始めてから
３週間までは濾過槽が設けられた１５０リットル容量の
水槽に小型の５つの檻を設けてそれぞれ４５匹ずつ収容
し、３週間以後７週目までは循環濾過された飼育水が供
給される１５０リットル容量の四角ガラス水槽に分離収
容して養殖した。実験期間の間、水温は２８±２℃、溶
存酸素は４．７〜６．８ｍｇ／リットルに保った。
ピアの孵化子魚を五群に分離し、初餌を食い始めてから
３週間までは濾過槽が設けられた１５０リットル容量の
水槽に小型の５つの檻を設けてそれぞれ４５匹ずつ収容
し、３週間以後７週目までは循環濾過された飼育水が供
給される１５０リットル容量の四角ガラス水槽に分離収
容して養殖した。実験期間の間、水温は２８±２℃、溶
存酸素は４．７〜６．８ｍｇ／リットルに保った。
【００２１】実験飼料は市販の鰻用飼料（粗蛋白５５．
０％以上、粗脂肪３．０％以上、粗繊維３．０％以上、
粗灰分１９．０％以上、Ｃａ２．０％以上、Ｐ２．７％
以上、栄養剤及びその他７．８％以上）に上記のように
製造した生薬組成物（３）をそれぞれ０％（対照群）、
０．２５％、０．５％、１．０％及び２．０％の比率で
添加した固練飼料を１日６〜９回満腹となるまで投与し
た。
０％以上、粗脂肪３．０％以上、粗繊維３．０％以上、
粗灰分１９．０％以上、Ｃａ２．０％以上、Ｐ２．７％
以上、栄養剤及びその他７．８％以上）に上記のように
製造した生薬組成物（３）をそれぞれ０％（対照群）、
０．２５％、０．５％、１．０％及び２．０％の比率で
添加した固練飼料を１日６〜９回満腹となるまで投与し
た。
【００２２】実験開始時と３、５及び７週目に魚の体重
を１ｍｇ単位まで測定し、また魚の全長をバーニアキャ
リパスを使用して１／１００ｍｍまで測定した。魚体測
定後増育率（percent weight gain）、日間成長率（spe
cific growth rate）、餌料係数（feed coefficienc
y）、肥満度（condition factor）を調べ、One-way ANO
VAを施して実験結果の有意牲を検定した。
を１ｍｇ単位まで測定し、また魚の全長をバーニアキャ
リパスを使用して１／１００ｍｍまで測定した。魚体測
定後増育率（percent weight gain）、日間成長率（spe
cific growth rate）、餌料係数（feed coefficienc
y）、肥満度（condition factor）を調べ、One-way ANO
VAを施して実験結果の有意牲を検定した。
【００２３】その実験結果を表Ｉに示す。表Ｉからわか
るように、対照群と生薬組成物処理群の成長は、実験３
週目に有意の差が現れ（ｐ＜０．０５）、２．０％処理
群は他の処理群に比べて成長、増育率及び日間成長率が
低く現れた（ｐ＜０．０５）。
るように、対照群と生薬組成物処理群の成長は、実験３
週目に有意の差が現れ（ｐ＜０．０５）、２．０％処理
群は他の処理群に比べて成長、増育率及び日間成長率が
低く現れた（ｐ＜０．０５）。
【００２４】７週目の実験結果によれば、成長率は生薬
組成物０．５％処理群で最高となり（ｐ＜０．０５）、
餌料係数は０．２５％処理群で最高となり、肥満度は
１．０％処理群で最高となった。
組成物０．５％処理群で最高となり（ｐ＜０．０５）、
餌料係数は０．２５％処理群で最高となり、肥満度は
１．０％処理群で最高となった。
【００２５】
【表７】 （イ）生薬組成物添加によるナイルティラピア育成魚の
成長比較 魚体重２００〜２５０ｇのナイルティラピアを循環濾過
された飼育水が供給される５トン容量のコンクリ−ト円
形水槽に２つの群に分けて収容して３０日間飼育した。
実験期間の間、水温は２７．０〜３０．０℃、溶存酸素
２．０〜４．５ｍｇ／リットルに保った。各実験群にお
いて死亡した個体が発生した場合は同一の魚体重を有す
るものに代えて収容して実験を続けた。
成長比較 魚体重２００〜２５０ｇのナイルティラピアを循環濾過
された飼育水が供給される５トン容量のコンクリ−ト円
形水槽に２つの群に分けて収容して３０日間飼育した。
実験期間の間、水温は２７．０〜３０．０℃、溶存酸素
２．０〜４．５ｍｇ／リットルに保った。各実験群にお
いて死亡した個体が発生した場合は同一の魚体重を有す
るものに代えて収容して実験を続けた。
【００２６】実験飼料は市販のティラピア飼料（粗蛋白
３４．０％以上、粗脂肪４．０％以上、粗繊維４．０％
以上、粗灰分１８．０％以上、Ｃａ１０％以上、Ｐ１．
８％以上、栄養剤及びその他２．８％以上）に前記のよ
うに製造した生薬組成物（３）をそれぞれ０％（対照
群）、０．３％（処理群）の比率で吸着させてから陰乾
して１日４回満腹となるまで供給した。
３４．０％以上、粗脂肪４．０％以上、粗繊維４．０％
以上、粗灰分１８．０％以上、Ｃａ１０％以上、Ｐ１．
８％以上、栄養剤及びその他２．８％以上）に前記のよ
うに製造した生薬組成物（３）をそれぞれ０％（対照
群）、０．３％（処理群）の比率で吸着させてから陰乾
して１日４回満腹となるまで供給した。
【００２７】実験開始後１５日間隔で２回にわたって魚
体重を測定し、増育率、日間成長率及び餌料係数を測定
した。また、各実験水槽毎に６匹を無作為に抽出して筋
肉と肝を対象とした体組成分析を施し、ＡＯＡＣ（１９
９０）の方法に従って水分は常圧加熱乾燥法、粗蛋白質
はケルダール（Kjeldahl）窒素定量法、粗脂肪はソック
スレー（soxhlet）抽出法、粗灰分は直接灰化法で分析
した。Student's t-testを施して実験結果の有意性を検
定した。
体重を測定し、増育率、日間成長率及び餌料係数を測定
した。また、各実験水槽毎に６匹を無作為に抽出して筋
肉と肝を対象とした体組成分析を施し、ＡＯＡＣ（１９
９０）の方法に従って水分は常圧加熱乾燥法、粗蛋白質
はケルダール（Kjeldahl）窒素定量法、粗脂肪はソック
スレー（soxhlet）抽出法、粗灰分は直接灰化法で分析
した。Student's t-testを施して実験結果の有意性を検
定した。
【００２８】対照群と生薬組成物０．３％処理群の成長
比較結果を表ＩＩに示す。表ＩＩから分かるように、生
薬組成物処理群は対照群に比べて有意的に成長が早いこ
とが現れ（ｐ＜０．０５）、増育率、日間成長率及び餌
料係数においても対照群と有意的な差を示した（ｐ＜
０．０５）。
比較結果を表ＩＩに示す。表ＩＩから分かるように、生
薬組成物処理群は対照群に比べて有意的に成長が早いこ
とが現れ（ｐ＜０．０５）、増育率、日間成長率及び餌
料係数においても対照群と有意的な差を示した（ｐ＜
０．０５）。
【００２９】対照群と生薬組成物０．３％処理群の体成
長比較結果を表ＩＩＩに示す。表ＩＩＩから分かるよう
に、背筋肉の水分、蛋白質、脂肪及び灰分分析結果は対
照群と生薬組成物処理群との間に有意的な差がなく（ｐ
＞０．０５）、肝分析結果でも同じ傾向を示した。した
がって、本発明の生薬組成物の添加によるティラピア魚
体成分の変化がないものと見られる。
長比較結果を表ＩＩＩに示す。表ＩＩＩから分かるよう
に、背筋肉の水分、蛋白質、脂肪及び灰分分析結果は対
照群と生薬組成物処理群との間に有意的な差がなく（ｐ
＞０．０５）、肝分析結果でも同じ傾向を示した。した
がって、本発明の生薬組成物の添加によるティラピア魚
体成分の変化がないものと見られる。
【００３０】
【表８】
【表９】 （ウ）生薬組成物添加によるナイルティラピア成魚の成
長比較 魚体重４９８．０〜５１０．０ｇのナイルティラピア成
魚を循環濾過された飼育水が供給される５８トン容量の
コンクリ−ト円形水槽に２つの群に分けて収容して１７
５日間飼育した。実験期間の間、水温は２３．０〜２
５．０℃，溶存酸素は２．５〜４．０ｍｇ／リットルに
保った。
長比較 魚体重４９８．０〜５１０．０ｇのナイルティラピア成
魚を循環濾過された飼育水が供給される５８トン容量の
コンクリ−ト円形水槽に２つの群に分けて収容して１７
５日間飼育した。実験期間の間、水温は２３．０〜２
５．０℃，溶存酸素は２．５〜４．０ｍｇ／リットルに
保った。
【００３１】実験飼料は市販のティラピア飼料に前記の
ように製造した生薬組成物（３）をそれぞれ０％（対照
群）、０．３％（処理群）混合してから自動要求フィー
ダ（automatic demand feeder）に供給した。
ように製造した生薬組成物（３）をそれぞれ０％（対照
群）、０．３％（処理群）混合してから自動要求フィー
ダ（automatic demand feeder）に供給した。
【００３２】実験終了後全ての実験群について魚体重、
増育率、日間成長率及び餌料係数を測定し、One-way AN
OVAを施して実験結果の有意性を検定した。
増育率、日間成長率及び餌料係数を測定し、One-way AN
OVAを施して実験結果の有意性を検定した。
【００３３】実験期間の間各実験群の死亡率は１．５２
〜２．４８％と現れ、生薬組成物処理群（１．７９±
０．２３％）と対照群（２．１６±０．３５％）との間
で有意的な差はなかった（Student's t-test：ｐ＞０．
０５）。生薬組成物処理群と対照群の成長実験結果を表
ＩＶに示す。生薬組成物処理群は全体魚体重、増育率及
び日間成長率において、対照群に比べて有意的に高い結
果を示し（ｐ＜０．０５）、餌料係数は対照群に比べて
有意的に低かった。
〜２．４８％と現れ、生薬組成物処理群（１．７９±
０．２３％）と対照群（２．１６±０．３５％）との間
で有意的な差はなかった（Student's t-test：ｐ＞０．
０５）。生薬組成物処理群と対照群の成長実験結果を表
ＩＶに示す。生薬組成物処理群は全体魚体重、増育率及
び日間成長率において、対照群に比べて有意的に高い結
果を示し（ｐ＜０．０５）、餌料係数は対照群に比べて
有意的に低かった。
【００３４】
【表１０】 ２．海産魚に対する効果試験 （ア）生薬組成物添加量によるひらめ稚魚の成長比較 海産魚類養殖において、本発明の生薬組成物の適正な投
与量を評価するために、ひらめ（Paralichthys olivace
us）の稚魚を対象にして実験した。
与量を評価するために、ひらめ（Paralichthys olivace
us）の稚魚を対象にして実験した。
【００３５】ひらめの稚魚を４つの群に分類して、初餌
を食い始めてから６週間、実験飼料（粗蛋白４８．７％
以上，粗脂肪１２．６％以上、粗灰分１６．６％以上、
栄養剤及びその他１２％以上）に前記のように製造した
生薬組成物（１）をそれぞれ０％（対照群）、０．１５
％、０．３０％及び０．６０％の比率で添加した飼料を
満腹となるまで供給しながら、通常のひらめ養殖条件で
飼育した。
を食い始めてから６週間、実験飼料（粗蛋白４８．７％
以上，粗脂肪１２．６％以上、粗灰分１６．６％以上、
栄養剤及びその他１２％以上）に前記のように製造した
生薬組成物（１）をそれぞれ０％（対照群）、０．１５
％、０．３０％及び０．６０％の比率で添加した飼料を
満腹となるまで供給しながら、通常のひらめ養殖条件で
飼育した。
【００３６】それぞれの群について実験開始時及びそれ
以後２週間隔で平均魚体重、日間成長率、餌料係数及び
肥満度を測定し、その結果を表Ｖに示す。表Ｖに示すよ
うに、生薬組成物処理群は実験４週目に対照群と有意性
のある差が現れ、その中でも０．３％添加群が成長率、
日間成長率、餌料係数及び肥満度など全体的に望ましい
ことが分かった。
以後２週間隔で平均魚体重、日間成長率、餌料係数及び
肥満度を測定し、その結果を表Ｖに示す。表Ｖに示すよ
うに、生薬組成物処理群は実験４週目に対照群と有意性
のある差が現れ、その中でも０．３％添加群が成長率、
日間成長率、餌料係数及び肥満度など全体的に望ましい
ことが分かった。
【００３７】また、それぞれの群について生存率を調べ
た結果、対照群では８６．１１±４．３７％、生薬組成
物０．１５％処理群では９２．７８±２．０８％、生薬
組成物０．３０％処理群では９９．４４±０．７９％、
生薬組成物０．６０％処理群では９８．８９±０．７９
％であって、生薬組成物処理群が対照群より有意的に高
く、特に生薬組成物０．３０％処理群における生存率が
最も高かった。
た結果、対照群では８６．１１±４．３７％、生薬組成
物０．１５％処理群では９２．７８±２．０８％、生薬
組成物０．３０％処理群では９９．４４±０．７９％、
生薬組成物０．６０％処理群では９８．８９±０．７９
％であって、生薬組成物処理群が対照群より有意的に高
く、特に生薬組成物０．３０％処理群における生存率が
最も高かった。
【００３８】
【表１１】 （イ）生薬組成物の添加によるひらめ成長比較 ひらめの稚魚を２つに群に分けて、初餌を食い始めてか
ら４８週間、実験飼料（粗蛋白３１．６％以上、粗脂肪
５．０％以上、水分３５．２％）に前記のように製造さ
れた生薬組成物（２）をそれぞれ０％（対照群）、０．
３０％（処理群）の比率で添加して満腹となるまで供給
しながら、通常のひらめ養殖条件で飼育した。
ら４８週間、実験飼料（粗蛋白３１．６％以上、粗脂肪
５．０％以上、水分３５．２％）に前記のように製造さ
れた生薬組成物（２）をそれぞれ０％（対照群）、０．
３０％（処理群）の比率で添加して満腹となるまで供給
しながら、通常のひらめ養殖条件で飼育した。
【００３９】それぞれの群について実験開始時とそれ以
後４週間隔で平均魚体重、日間成長率、餌料係数及び肥
満度を測定した。実験開始時、２４週後及び４８週後の
結果を表ＶＩに示す。また、それぞれの群について生存
率を調べた結果、対照群では８０．８９±４．５３％で
あり、生薬組成物０．３０％処理群では９２．８９±
１．６６％であって、生薬組成物処理群が有意的に高か
った。
後４週間隔で平均魚体重、日間成長率、餌料係数及び肥
満度を測定した。実験開始時、２４週後及び４８週後の
結果を表ＶＩに示す。また、それぞれの群について生存
率を調べた結果、対照群では８０．８９±４．５３％で
あり、生薬組成物０．３０％処理群では９２．８９±
１．６６％であって、生薬組成物処理群が有意的に高か
った。
【００４０】
【表１２】 ３．肉質評価試験 本発明の生薬組成物を添加した飼料で飼育したひらめに
ついて官能検査、物性、呈味成分などを測定することに
より肉質評価試験を施した。
ついて官能検査、物性、呈味成分などを測定することに
より肉質評価試験を施した。
【００４１】金などの方法（Kim,D.S、,Y.B.Moon,C.H.Je
ong,B.S.Kim and Y.D.Lee, Production of All-Female
Diploid and Triploid Populations in Paralichthys o
livaceus,J.Aquaculture,７：１５９〜１６４（１９９
４））により生産された全雌ひらめに、混合飼料（冷凍
Horse mackerelとcommercial bind mealを５０％ず
つ混合）に前記のように製造された生薬組成物（２）を
０％（対照群）及び０．３％（処理群）の比率で添加し
た飼料で飼育した。試料魚類を延髄射殺により即死させ
たのち、３枚の脯にして早速背肉のみをもって実験に使
用した。
ong,B.S.Kim and Y.D.Lee, Production of All-Female
Diploid and Triploid Populations in Paralichthys o
livaceus,J.Aquaculture,７：１５９〜１６４（１９９
４））により生産された全雌ひらめに、混合飼料（冷凍
Horse mackerelとcommercial bind mealを５０％ず
つ混合）に前記のように製造された生薬組成物（２）を
０％（対照群）及び０．３％（処理群）の比率で添加し
た飼料で飼育した。試料魚類を延髄射殺により即死させ
たのち、３枚の脯にして早速背肉のみをもって実験に使
用した。
【００４２】（ア）官能検査 １５名の訓練された釜慶大学の養殖学科の学生を対象と
して好み検査と識別検査を行った。好み検査は試料を約
５ｍｍ厚さに切ったのち外観、匂い、質感、味、総合的
な選り好みについて行い、対照群を０として対照群より
極めて良ければ＋３、極めて悪ければ−３として７段階
尺度で評価した。識別検査は透明度、光沢、匂い、硬
度、弾力性など９つの項目について＋３から−３まで７
段階で評価した。
して好み検査と識別検査を行った。好み検査は試料を約
５ｍｍ厚さに切ったのち外観、匂い、質感、味、総合的
な選り好みについて行い、対照群を０として対照群より
極めて良ければ＋３、極めて悪ければ−３として７段階
尺度で評価した。識別検査は透明度、光沢、匂い、硬
度、弾力性など９つの項目について＋３から−３まで７
段階で評価した。
【００４３】図１は、本発明の生薬組成物を飼料に添加
して飼育した処理群と対照群の魚肉に対する官能検査結
果を示すグラフである。図１によれば、生薬剤組成物添
加飼料で飼育された処理群の魚肉が好み検査の全ての項
目で選り好まれ、識別検査では透明性、匂い及び付着性
を除いた全ての項目で有意的な差が現れた。すなわち、
処理群の肉質は対照群より特に光沢、硬度及び弾力性に
優れ、やや湿っぽく木目が細かいと評価され、食欲をそ
そる味（palatability）とともに総合的な選り好み度に
大幅に影響を与えたことが分かる。
して飼育した処理群と対照群の魚肉に対する官能検査結
果を示すグラフである。図１によれば、生薬剤組成物添
加飼料で飼育された処理群の魚肉が好み検査の全ての項
目で選り好まれ、識別検査では透明性、匂い及び付着性
を除いた全ての項目で有意的な差が現れた。すなわち、
処理群の肉質は対照群より特に光沢、硬度及び弾力性に
優れ、やや湿っぽく木目が細かいと評価され、食欲をそ
そる味（palatability）とともに総合的な選り好み度に
大幅に影響を与えたことが分かる。
【００４４】（イ）物性測定 （１５×１５×９）ｍｍに正確に切った試料の硬度、弾
力性、凝集性をSun Rheometer compact-100 を用いて評
価した。各群５匹について試料１匹当たり５回ずつ測定
した結果を表ＶＩＩに示す。表ＶＩＩに示すように、生
薬組成物添加飼料で飼育された処理群が対照群より硬
度、弾力性及び凝集性が有意的に高くて丈夫な肉質であ
ることが分かる。
力性、凝集性をSun Rheometer compact-100 を用いて評
価した。各群５匹について試料１匹当たり５回ずつ測定
した結果を表ＶＩＩに示す。表ＶＩＩに示すように、生
薬組成物添加飼料で飼育された処理群が対照群より硬
度、弾力性及び凝集性が有意的に高くて丈夫な肉質であ
ることが分かる。
【００４５】
【表１３】 （ウ）呈味成分の測定 試料約１０ｇを均質化してMooreの方法（Moore、S.,Bio
l.Chem..238、235（1963））により遊離アミノ酸を抽出
した後、Intelligent HPLC system（Jasco社）を使用し
て生体液分析条件によりＯＰＡ法による蛍光分析を施し
て遊離アミノ酸を分析した。分析条件は、ポンプＰＵ９
８０、コラム内部温度６０℃であり、ＡＳ−９５０−１
０オート・サンプラーにて１０μｌ注入して吸光３４８
ｎｍ、分光４５５ｎｍでJasco FP 920検出器で検量し
た。
l.Chem..238、235（1963））により遊離アミノ酸を抽出
した後、Intelligent HPLC system（Jasco社）を使用し
て生体液分析条件によりＯＰＡ法による蛍光分析を施し
て遊離アミノ酸を分析した。分析条件は、ポンプＰＵ９
８０、コラム内部温度６０℃であり、ＡＳ−９５０−１
０オート・サンプラーにて１０μｌ注入して吸光３４８
ｎｍ、分光４５５ｎｍでJasco FP 920検出器で検量し
た。
【００４６】試料約５ｇを細切、摩砕してＬｅｅなどの
方法（Lee,Eung-Ho,et al.,Bull, Korean Fish.Soc.17
(5)、368 〜372 （1984））により核酸関連物質を抽出し
てからGilson-805 HPLCで定量した。分析条件はμ-Bond
apak C18 （3.9 mm i.d. ×３０．０ｃｍ）コラムを使
用して、１％トリエチルアミン−燐酸（ｐＨ６．５）液
を移動相にして、流速２．０ｍｌ／分、ＵＶ検出器（２
５４ｎｍ）、温度４０℃で行った。
方法（Lee,Eung-Ho,et al.,Bull, Korean Fish.Soc.17
(5)、368 〜372 （1984））により核酸関連物質を抽出し
てからGilson-805 HPLCで定量した。分析条件はμ-Bond
apak C18 （3.9 mm i.d. ×３０．０ｃｍ）コラムを使
用して、１％トリエチルアミン−燐酸（ｐＨ６．５）液
を移動相にして、流速２．０ｍｌ／分、ＵＶ検出器（２
５４ｎｍ）、温度４０℃で行った。
【００４７】このように測定した遊離アミノ酸と核酸関
連物質の定量結果を表ＶＩＩＩ及び表ＩＸに示す。表Ｖ
ＩＩＩに示したように、本発明の生薬組成物添加飼料で
飼育した処理群では遊離アミノ酸の全量が対照群より高
く現れ、特にリシン（lysine）、アラニン（alanin
e）、アルギニン（arginine）が多量含有されているこ
とが分かった。表ＩＸによれば、核酸関連物質は処理群
ではＡＴＰが、対照群ではＩＭＰが高かったが、これは
動物が死んだ直後ＡＴＰの脱燐酸化が起こって腐敗する
前までＩＭＰの形態で蓄積される点に鑑みると、核酸関
連物質の変化が処理群より対照群で早く起こるものと推
測される。
連物質の定量結果を表ＶＩＩＩ及び表ＩＸに示す。表Ｖ
ＩＩＩに示したように、本発明の生薬組成物添加飼料で
飼育した処理群では遊離アミノ酸の全量が対照群より高
く現れ、特にリシン（lysine）、アラニン（alanin
e）、アルギニン（arginine）が多量含有されているこ
とが分かった。表ＩＸによれば、核酸関連物質は処理群
ではＡＴＰが、対照群ではＩＭＰが高かったが、これは
動物が死んだ直後ＡＴＰの脱燐酸化が起こって腐敗する
前までＩＭＰの形態で蓄積される点に鑑みると、核酸関
連物質の変化が処理群より対照群で早く起こるものと推
測される。
【００４８】
【表１４】
【表１５】 図２は、本発明の生薬組成物を飼料に添加して飼育した
処理群と対照群の魚肉について味に関係する遊離アミノ
酸及び核酸関連物質の総量を比較したグラフである。
処理群と対照群の魚肉について味に関係する遊離アミノ
酸及び核酸関連物質の総量を比較したグラフである。
【００４９】図２によれば、魚肉の味と関連する遊離ア
ミノ酸のグルタミン酸、プロリン（proline）、グリシ
ン、アラニン、メチオニンなどの総量も処理群が１４．
０ｍｇ％であって、対照群の９．１ｍｇ％より高かっ
た。魚肉の味と関わるＡＴＰ、ＡＤＰ、ＡＭＰ、ＩＭＰ
の総量は処理群（９．３６μｍｏｌｅ／ｇ）が対照群
（８．３０μｍｏｌｅ／ｇ）より高かったが、さほど差
はなかった。
ミノ酸のグルタミン酸、プロリン（proline）、グリシ
ン、アラニン、メチオニンなどの総量も処理群が１４．
０ｍｇ％であって、対照群の９．１ｍｇ％より高かっ
た。魚肉の味と関わるＡＴＰ、ＡＤＰ、ＡＭＰ、ＩＭＰ
の総量は処理群（９．３６μｍｏｌｅ／ｇ）が対照群
（８．３０μｍｏｌｅ／ｇ）より高かったが、さほど差
はなかった。
【００５０】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による養殖魚
類飼料に添加するための生薬組成物は、海産魚類及び淡
水魚類において生存率を高めるとともに成長率を増加さ
せ、また、飼料の効率を高めるので、相対的に排泄物を
減らして環境汚染の防止に寄与することができる。従っ
て、淡水魚類及び海水魚類の養殖時の飼料費用や維持費
用などを低減させることができ、さらにこれを添加して
養殖した魚類は味と品質に優れているので、一般の養殖
魚よりも高い値段で販売でき、経済的な利益を得ること
ができる。さらに、従来の養殖産業において成長率を高
めるために成長ホルモンなどを投与したのと異なり、殆
ど毒性がないと知られている漢方生薬を原料としたの
で、魚類及び人体に無害である飼料を提供することがで
きる。
類飼料に添加するための生薬組成物は、海産魚類及び淡
水魚類において生存率を高めるとともに成長率を増加さ
せ、また、飼料の効率を高めるので、相対的に排泄物を
減らして環境汚染の防止に寄与することができる。従っ
て、淡水魚類及び海水魚類の養殖時の飼料費用や維持費
用などを低減させることができ、さらにこれを添加して
養殖した魚類は味と品質に優れているので、一般の養殖
魚よりも高い値段で販売でき、経済的な利益を得ること
ができる。さらに、従来の養殖産業において成長率を高
めるために成長ホルモンなどを投与したのと異なり、殆
ど毒性がないと知られている漢方生薬を原料としたの
で、魚類及び人体に無害である飼料を提供することがで
きる。
【図１】本発明の生薬組成物を飼料に添加して飼育した
処理群と対照群の魚肉に対する官能検査の結果を示すグ
ラフである。
処理群と対照群の魚肉に対する官能検査の結果を示すグ
ラフである。
【図２】本発明の生薬組成物を飼料に添加して飼育した
処理群と対照群の魚肉について味に関係する遊離アミノ
酸と核酸関連物質の総量を比較したグラフである。
処理群と対照群の魚肉について味に関係する遊離アミノ
酸と核酸関連物質の総量を比較したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A23K 1/00 - 1/18
Claims (11)
- 【請求項１】 養殖魚類の成長を促進させるために、生
薬成分として山査子、甘草、枳殻、桔梗、青皮、木香、
香附子、カッコウ、麦芽、シンギク、酸棗仁、砂仁及び
益智仁を含むことを特徴とする飼料添加剤組成物。 - 【請求項２】 生薬成分としてビャクズク、ソウズク、
金銀花、五加皮、連翹、荊芥、ビャクシ、山薬、蓮子
肉、陳皮、厚朴またはこれらの混合物がさらに添加され
たことを特徴とする請求項１に記載の組成物。 - 【請求項３】 生薬成分としてビャクズク、ソウズク、
金銀花、五加皮、連翹、荊芥及びビャクシがさらに添加
されたことを特徴とする請求項１に記載の組成物。 - 【請求項４】 山査子２４重量部と、甘草２０重量部
と、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子及びカッコウ各１
８重量部と、麦芽、シンギク及び酸棗仁各１２重量部
と、砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智仁、五加皮、連
翹及び荊芥各８重量部と、金銀花１０重量部と、ビャク
シ６重量部とから構成されたことを特徴とする請求項３
に記載の飼料添加剤組成物。 - 【請求項５】 生薬成分としてビャクズク、ソウズク、
金銀花、五加皮、連翹、荊芥、ビャクシ、山薬及び蓮子
肉がさらに添加されたことを特徴とする請求項１に記載
の飼料添加剤組成物。 - 【請求項６】 山査子２４重量部と、甘草２０重量部
と、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、山薬
及び蓮子肉各１８重量部と、麦芽、シンギク及び酸棗仁
各１２重量部と、砂仁、ビャクズク、ソウズク、益智仁
及び金銀花各８重量部と、五加皮、連翹及び荊芥各６重
量部と、ビャクシ５重量部とから構成されたことを特徴
とする請求項５に記載の飼料添加剤組成物。 - 【請求項７】 生薬成分として陳皮、厚朴、山薬及び蓮
子肉がさらに添加されたことを特徴とする請求項１に記
載の飼料添加剤組成物。 - 【請求項８】 山査子、枳殻、桔梗、青皮、木香、香附
子、カッコウ、麦芽、シンギク、酸棗仁、砂仁、陳皮、
厚朴及び益智仁各３重量部と、山薬、蓮子肉及び甘草各
４重量部とから構成されたことを特徴とする請求項７に
記載の飼料添加剤組成物。 - 【請求項９】 生薬成分として山査子、甘草、枳殻、桔
梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、麦芽、シンギク、
酸棗仁、砂仁及び益智仁を含む飼料添加剤組成物を飼料
に添加して養殖魚類に投与することを特徴とする養殖魚
類の成長促進方法。 - 【請求項１０】 前記組成物を養殖魚類の飼料に０．１
ないし１．０重量％の比率で添加することを特徴とする
請求項９に記載の方法。 - 【請求項１１】 生薬成分として山査子、甘草、枳殻、
桔梗、青皮、木香、香附子、カッコウ、麦芽、シンギ
ク、酸棗仁、砂仁及び益智仁を含む飼料添加剤組成物を
飼料に０．１ないし１．０重量％の比率で添加してなる
養殖魚類用の飼料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9326563A JP2960903B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 養殖魚類用の飼料添加剤組成物、それを用いた養殖魚類の成長促進方法及び飼料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9326563A JP2960903B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 養殖魚類用の飼料添加剤組成物、それを用いた養殖魚類の成長促進方法及び飼料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11169099A JPH11169099A (ja) | 1999-06-29 |
| JP2960903B2 true JP2960903B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=18189230
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9326563A Expired - Fee Related JP2960903B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 養殖魚類用の飼料添加剤組成物、それを用いた養殖魚類の成長促進方法及び飼料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2960903B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002045123A (ja) * | 2000-08-01 | 2002-02-12 | Nisshin Shiryo Kk | 動物用飼料添加剤 |
| KR100350093B1 (en) * | 2002-03-29 | 2002-08-24 | Jewoo Corp | Feed additive for increase of the physiological activity of bred fish and promotion of the growth thereof using effective microorganisms and medicinal herbs, and manufacturing method thereof |
| EP1819236B1 (en) * | 2004-07-14 | 2012-04-18 | RNL Life Science Ltd | Composition for promoting growth of animal comprising extracts of artemisia capillaris thunberg, acanthopanax and garlic and feed composition for promoting growth comprising the composition |
| JP2006271337A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Univ Kinki | 魚類用飼餌料添加物及びこれを含有する魚類用飼餌料 |
| JP2008297209A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Yomeishu Seizo Co Ltd | 脂質代謝改善組成物 |
| CN103445013A (zh) * | 2013-08-07 | 2013-12-18 | 利辛县心连心饲料有限责任公司 | 一种鲤鱼饲料及其制备方法 |
| CN103445014B (zh) * | 2013-08-07 | 2016-05-04 | 利辛县心连心饲料有限责任公司 | 一种草鱼饲料及其制备方法 |
| CN114468188A (zh) * | 2022-03-19 | 2022-05-13 | 中国水产科学研究院南海水产研究所 | 一种四指马鲅促生长饲料 |
| DE202023100017U1 (de) | 2023-01-03 | 2023-02-17 | Ravi Dhondiraj Barde | Neuartiges Arzneimittel zur Vorbeugung und Behandlung von bakteriellen Mischinfektionen bei Süßwasserfischen |
-
1997
- 1997-11-27 JP JP9326563A patent/JP2960903B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11169099A (ja) | 1999-06-29 |
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