JP2957147B2 - 炭化水素油の製造方法 - Google Patents

炭化水素油の製造方法

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素油および
その製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本
発明は、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹
脂等の合成樹脂廃棄物(廃プラスチック)等の合成樹脂
から、ワックス状物質を経由して炭化水素油を低コスト
で製造する方法、並びに、その製造方法によって得られ
る炭化水素油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自治体においては、産業廃棄物を
廃棄する埋め立て処分地の確保が困難となっており、そ
れゆえ、産業廃棄物の処理方法が種々検討されている。
該処理方法としては、従来より、省資源化や産業廃棄物
の再資源化、つまり、産業廃棄物を減少させると共に該
産業廃棄物のリサイクルを図ることによって環境問題を
解決するために、産業廃棄物である合成樹脂廃棄物等の
合成樹脂を熱分解して、炭化水素油を製造する方法が種
々実施されている。
【0003】合成樹脂から炭化水素油を製造する上記従
来の方法としては、例えば、合成樹脂を耐熱・耐圧容器
に密封して加熱することにより熱分解して炭化水素油を
製造する、いわゆる乾留方法、或いは、流動層による熱
分解方法が知られている。これら方法においては、合成
樹脂を液化(油化)して直接、炭化水素油を製造してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、外部から加熱することにより合成樹脂を
熱分解して、炭化水素油を製造している。このため、該
熱分解によって炭化水素油を製造するには、多量の熱エ
ネルギ、例えば、重油を燃焼して得られる火力や電力を
必要とする。つまり、上記従来の方法では、炭化水素油
を製造するのに多量の熱エネルギを外部から供給しなけ
ればならない。具体的には、上記従来の方法では、得ら
れる炭化水素油の販売価格に対して、5倍程度の処理費
(コスト)が掛かってしまうので、合成樹脂を安価に処
理することができない。このように、上記従来の方法
は、採算性に劣っており、炭化水素油を低コストで製造
することができないという問題点を有している。それゆ
え、産業廃棄物である合成樹脂廃棄物等の合成樹脂を低
コストで処理する方法(採算性に優れた処理方法)、即
ち、炭化水素油を低コストで製造することができる方法
が求められている。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、例えば、ポリエチレン樹脂
やポリプロピレン樹脂等の合成樹脂廃棄物(廃プラスチ
ック)等の合成樹脂から、ワックス状物質を経由して炭
化水素油を低コストで製造する方法を提供することにあ
る。また、他の目的は、該製造方法によって得られる炭
化水素油を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の炭
化水素油の製造方法は、上記の課題を解決するために、
原料物質である合成樹脂を燃焼用バスケットに投入し、
該合成樹脂の一部を燃焼させることで残りを溶融させる
と共に、その一部を熱分解させることで低分子化して液
化し、それらの混合物である溶融物を酸欠状態の触媒槽
に滴下させることにより、溶融物における熱分解されて
いない合成樹脂や熱分解の不充分な合成樹脂を熱分解
し、低分子化してワックス状物質を得る一方、溶融状態
となっているワックス状物質の一部が気化して発生した
可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バスケットで燃焼させる
ことにより、燃焼用バスケット内の温度を所定温度に制
御してワックス状物質を得ると共に、上記ワックス状物
質を受け溜める受溜用タンクから該ワックス状物質の一
部を抜き出して、高熱ガスを上記燃焼用バスケットで燃
焼させて得られた熱エネルギを用いて加熱し、酸欠状態
で熱分解して液化することにより、常温で液状の炭化水
素油を得ることを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明の炭化水素油の製造方
法は、上記の課題を解決するために、原料物質である合
成樹脂を燃焼用バスケットに投入し、該合成樹脂の一部
を燃焼させることで残りを溶融させると共に、その一部
を熱分解させることで低分子化して液化し、それらの混
合物である溶融物を酸欠状態の触媒槽に滴下させること
により、溶融物における熱分解されていない合成樹脂や
熱分解の不充分な合成樹脂を熱分解し、低分子化してワ
ックス状物質を得る一方、溶融状態となっているワック
ス状物質の一部が気化して発生した可燃性の高熱ガスを
上記燃焼用バスケットで燃焼させることにより、燃焼用
バスケット内の温度を所定温度に制御するという方法に
よって得られるワックス状物質を、燃焼用バスケットの
外周に沿って流通させて加熱し、酸欠状態で熱分解して
液化することにより、常温で液状の炭化水素油を得るこ
とを特徴としている。
【0008】上記の方法によれば、例えば、ポリエチレ
ン樹脂やポリプロピレン樹脂等の合成樹脂廃棄物(廃プ
ラスチック)等の合成樹脂を酸欠状態で熱分解して液化
することによってワックス状物質を一旦、製造した後、
該ワックス状物質を酸欠状態で熱分解して液化(油化)
することにより、常温で液状の炭化水素油を製造する。
上記合成樹脂並びにワックス状物質の熱分解に必要な熱
エネルギは、溶融状態となっているワックス状物質の一
部が気化して発生した可燃性の高熱ガスを燃焼させるこ
とによって得ることができる。つまり、上記の方法によ
れば、炭化水素油を製造するに際し、多量の熱エネルギ
を外部から供給する必要が無いので、従来の方法と比較
して処理費(コスト)が掛からず、それゆえ、合成樹脂
を安価に処理することができる。従って、多量の熱エネ
ルギを外部から供給する従来の方法と比較して、合成樹
脂、或いは、該合成樹脂から製造されたワックス状物質
から、炭化水素油を簡単にかつ低コストで製造すること
ができる。これにより、産業廃棄物である合成樹脂廃棄
物等の合成樹脂を低コストで処理する方法(採算性に優
れた処理方法)、即ち、炭化水素油を低コストで製造す
ることができる方法を提供することができる。
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0012】本実施の形態にかかる炭化水素油の製造方
法は、原料物質である合成樹脂を燃焼用バスケットに投
入し、該合成樹脂の一部を燃焼させることで残りを溶融
させると共に、その一部を熱分解させることで低分子化
して液化し、それらの混合物である溶融物を酸欠状態の
触媒槽に滴下させることにより、溶融物における熱分解
されていない合成樹脂や熱分解の不充分な合成樹脂を熱
分解し、低分子化してワックス状物質を得る一方、溶融
状態となっているワックス状物質の一部が気化して発生
した可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バスケットで燃焼さ
せることにより、燃焼用バスケット内の温度を所定温度
に制御してワックス状物質を得ると共に、上記ワックス
状物質を受け溜める受溜用タンクから該ワックス状物質
の一部を抜き出して酸欠状態で熱分解して液化(油化)
することにより、常温で液状の炭化水素油を得る方法で
ある。また、本実施の形態にかかる炭化水素油の製造方
法は、上記方法によって得られるワックス状物質を、酸
欠状態で熱分解して液化(油化)することにより、常温
で液状の炭化水素油を得る方法である。上記のワックス
状物質は、常温・常圧でワックス状を呈する物質であ
り、加熱溶融させた原料物質である合成樹脂を熱分解反
応させることにより得られる。尚、合成樹脂がポリオレ
フィンである場合には、ワックス状物質は、主成分が飽
和鎖式炭化水素の混合物である。
【0013】上記の合成樹脂としては、例えば、無架橋
や低架橋、或いは高架橋のポリエチレン樹脂(LDP
E、HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)等のポリ
オレフィンや、ポリスチレン樹脂(PS)等が挙げられ
るが、特に限定されるものではなく、熱分解反応させる
ことによりワックス状物質を得ることが可能な樹脂であ
ればよい。例えば、ワックス状物質は、ポリエチレン樹
脂やポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の合成樹
脂廃棄物から低コストで製造可能である。
【0014】次に、炭化水素油の製造方法について、一
例を挙げて以下に説明する。炭化水素油の製造装置は、
図1に示すように、ワックス状物質製造装置10、熱分
解用タンク11、冷却装置12、および受油槽13等か
ら構成されている。ワックス状物質製造装置10は、合
成樹脂を熱分解反応させることによってワックス状物質
を製造する。
【0015】ワックス状物質製造装置10は、図2に示
すように、ワックス状物質Cを受け溜める受溜用タンク
1を備えている。この受溜用タンク1は、支脚1a…に
よって支持されている。受溜用タンク1のタンク上端開
口部1bには、筒状の燃焼用バスケット2が一体的に載
架して固設されている。そして、燃焼用バスケット2の
側壁には、無数の空気導入孔2b…が穿設されている。
また、燃焼用バスケット2の上端開口部2cは、開放状
態となっている。上記燃焼用バスケット2内の下部に
は、燃焼用バスケット2の下端開口部2aを上方から塞
ぐようにして、凸状の原料受け皿であるロストル3が設
置されている。ロストル3には多数のロストル孔部3a
…が穿設されている。そして、ロストル3上に原料A
(後述する)が載置される。
【0016】また、燃焼用バスケット2の下部には、上
記の下端開口部2aを下方から塞ぐようにして、閉塞し
た箱状の触媒槽4が取り付けられている。触媒槽4は、
その全壁が網目状部4aを有している。上記の触媒槽4
内には、溶融物B(後述する)の熱分解反応を促進する
触媒、例えば白金や銅等の金属からなる線状触媒4bが
充填されている。そして、上記の溶融物Bは、線状触媒
4b間を通過する。
【0017】燃焼用バスケット2の外周には、燃焼用バ
スケット2に供給すべき空気量を調節するために、筒状
のエアーバランサー5が設置されている。このエアーバ
ランサー5は、燃焼用バスケット2から所定の間隔を置
いて設置されている。また、エアーバランサー5の下部
には、空気を導入するための開口部5aが設けられてい
る。上記のエアーバランサー5の上部は開放状態となっ
ている。
【0018】また、受溜用タンク1と燃焼用バスケット
2との間には、図示しない連通管が複数設置されてい
る。これら連通管は、受溜用タンク1にて発生するガス
を燃焼用バスケット2に送り出すためのポンプ(図示せ
ず)に接続されている。
【0019】そして、受溜用タンク1の内底部1cに
は、溶融しているワックス状物質Cの温度を上昇させる
ために、パイプ状のヒーター6が設置されている。ヒー
ター6は、ワックス状物質Cを例えばガス加熱や電気加
熱、高周波加熱等の方法を用いて加熱する。また、受溜
用タンク1の内部には、ワックス状物質Cの温度を検出
する例えばバイメタルや熱電対等の温度センサ7が設置
されている。ヒーター6は、制御手段8により、ON/
OFF制御若しくは比例制御される。制御手段8は、上
記の温度センサ7からの信号に基づいて、ワックス状物
質Cを所定温度に保つようにヒーター6を制御する。
【0020】また、受溜用タンク1における、触媒槽4
が取り付けられている位置よりも下側の所定位置には、
図1に示すように、該受溜用タンク1内のワックス状物
質Cの一部を溶融状態および/または気化状態で熱分解
用タンク11に連続的に抜き出すためのパイプ10aが
接続されている。パイプ10aには、該パイプ10a内
を流通する溶融状態および/または気化状態のワックス
状物質Cを所定温度に保つためのリボンヒーター等のヒ
ーター(図示せず)、或いは保温材等が巻装されてい
る。
【0021】図1に示すように、熱分解用タンク11
は、パイプ10aを介して受溜用タンク1に接続されて
いる。該熱分解用タンク11には、溶融状態および/ま
たは気化状態のワックス状物質Cを所定温度に保つため
のヒーター(図示せず)が設置されている。該ヒーター
は、ワックス状物質Cが溶融状態および/または気化状
態を維持することができるように、つまり、該ワックス
状物質Cを保温するように、熱エネルギを供給する。ま
た、熱分解用タンク11の内部には、ワックス状物質C
の温度を検出するバイメタルや熱電対等の温度センサ
(図示せず)が設置されている。熱分解用タンク11
は、受溜用タンク1から抜き出されたワックス状物質C
の一部を酸欠状態で連続的に熱分解して液化し、常温・
常圧で液状の炭化水素油に変換する。つまり、熱分解用
タンク11は、合成樹脂を熱分解してなるワックス状物
質Cの一部を、酸欠状態で連続的にさらに熱分解し、よ
り一層低分子化して常温・常圧で液状の炭化水素油に変
換する。熱分解用タンク11の出口側は、冷却装置12
に接続されている。尚、パイプ10aは受溜用タンク1
の内底部1cに接続されておらず、熱分解用タンク11
には、ワックス状物質Cの一部が抜き出されるだけであ
る。それゆえ、受溜用タンク1が空になることはない。
【0022】冷却装置12は、熱分解用タンク11の出
口側に接続されており、該熱分解用タンク11と受油槽
13とを連結するパイプ12aと、該パイプ12aを水
没させて冷却するための水槽12bとからなっている。
冷却装置12は、パイプ12a内を流通する高温の炭化
水素油を冷却し、凝縮させて液状にする。
【0023】受油槽13は、冷却装置12のパイプ12
aの先端部に設けられており、冷却装置12にて冷却・
凝縮された常温・常圧で液状の炭化水素油を回収して貯
蔵する。
【0024】上記構成の製造装置を用いた炭化水素油の
製造方法について説明する。先ず、原料物質である例え
ばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等の合成樹脂
廃棄物(廃プラスチック)等の合成樹脂(以下、原料A
と記す)を、燃焼用バスケット2内に所定量投入する。
次に、原料Aに着火して燃焼させることで、つまり、合
成樹脂の一部を燃焼させることで残りを溶融させると共
に、その一部を熱分解させることで、低分子化して液化
する。そして、それらの混合物である溶融物Bをロスト
ル孔部3a…から滴下させ、触媒槽4の線状触媒4b間
を通過させて、受溜用タンク1に滴下させる。
【0025】このとき、触媒槽4内および受溜用タンク
1内の酸素は、溶融物Bと反応して速やかに消費され
る。このため、触媒槽4内および受溜用タンク1内は酸
欠状態となる。これにより、溶融物Bにおける熱分解さ
れていない樹脂や熱分解の不充分な樹脂は、主に触媒槽
4内で酸欠状態で熱分解し、低分子化してワックス状物
質Cとなる。ワックス状物質Cは、溶融状態で受溜用タ
ンク1に溜められる。
【0026】溶融状態となっているワックス状物質C
は、ヒーター6によって加熱されると共に、温度センサ
7および制御手段8によって制御されることにより、そ
の溶融温度が所定温度に維持される。従って、上記のワ
ックス状物質Cは、酸欠状態となっており、かつ、溶融
温度が安定しているため、ワックス状物質Cの一部が気
化した可燃性のエチレンガス等の高熱ガスGを安定的に
発生する。尚、ワックス状物質Cの溶融温度は、特に限
定されるものではないが、約500℃〜600℃となる
ように設定すればよい。
【0027】このように発生量が制御された高熱ガスG
は、触媒槽4およびロストル3を通って上昇することに
より、若しくは図示しない連通管およびポンプを介し
て、前記原料Aの燃焼場所である燃焼用バスケット2に
達する。そして、高熱ガスGは、各空気導入孔2b…か
ら導入される空気と混合されて燃焼する。このため、燃
焼用バスケット2内の温度は、所定温度に制御される。
これにより、燃焼用バスケット2に継続的に投入される
原料Aの溶融・分解が持続する。また、高熱ガスGが燃
焼用バスケット2に連続的に供給されることにより、該
燃焼用バスケット2内の酸素濃度が低くなる。このた
め、原料Aの燃焼炎が小さくなり、原料A、即ち、合成
樹脂の燃焼が或る程度に抑制されるので、原料Aがより
一層効率的に溶融・分解される。
【0028】尚、燃焼用バスケット2における内部温度
としては、1,100℃程度が望ましい。また、ワック
ス状物質Cから、高熱ガスGと共に微粒子状カーボンも
生成するが、生成した微粒子状カーボンは、燃焼用バス
ケット2内で全て燃焼される。このため、燃焼用バスケ
ット2内にカーボン煤が付着することはない。従って、
ワックス状物質Cにカーボン煤が混入することはない。
【0029】上記の方法により、ワックス状物質が、投
入した合成樹脂に対して、80重量%程度の収率で得ら
れる。つまり、投入した合成樹脂のうちの凡そ20重量
%は、合成樹脂並びにワックス状物質の熱分解に必要な
熱エネルギを得るために、高熱ガスG等の熱源として消
費される。ワックス状物質は、融解した状態で無臭であ
る。尚、ワックス状物質製造装置は、上記例示の製造装
置に限定されるものではなく、例えば、特許番号第21
14791号に開示されている製造装置等を好適に用い
ることができる。即ち、ワックス状物質は、上記例示の
製造装置によって製造されるものに限定されない。ま
た、例えば、ワックス状物質製造装置は、いわゆるスケ
ールアップを図るために、1つの受溜用タンクに対し
て、燃焼用バスケットや触媒槽が各々複数個備えられた
(組み合わされた)構成となっていてもよい。これによ
り、熱効率がより一層改善されるので、合成樹脂をさら
に一層効率的に溶融・分解することができる。
【0030】ここで、合成樹脂がポリオレフィンである
場合における、上記ワックス状物質が備えている諸物性
(物理的性質)等の一例について述べる。但し、ワック
ス状物質は、これら諸物性を備えている物質にのみ、限
定されるものではない。
【0031】ワックス状物質の元素分析を、以下に示す
方法により行った。即ち、炭素、水素、窒素および硫黄
の各重量%と、総クロム、カドミウムおよび鉛の各含有
量(μg/g)とを測定した。炭素、水素および窒素の
各重量%は、C,H,N計により測定した。硫黄の重量
%は、JIS K 2541に基づき、燃焼管式石英管
酸素法で燃焼後、比濁法により測定した。総クロム、カ
ドミウムおよび鉛の各含有量は、原子吸光法により測定
した。各測定は、試験室温19℃の条件下で行った。そ
の結果、炭素、水素および窒素は、この順に84.5重
量%、14.3重量%および0.2重量%であった。硫
黄は、0.02重量%未満であった。総クロム、カドミ
ウムおよび鉛の各含有量は、それぞれ検出限界以下であ
った。
【0032】また、ワックス状物質の分子量および分子
量分布を、以下に示す方法により測定した。即ち、GP
C法により数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(M
w)とを測定した。測定条件は、カラム:AD80M/
S,移動相:o−ジクロロベンゼン,検出器:IR
(3.42μm),温度:140℃,流量:1.0ml
/min,試料濃度:2.0mg/mlとした。測定
は、試験室温22℃の条件下で行った。その結果、数平
均分子量は、6.1×103 であり、重量平均分子量
は、2.8×104 であった。尚、図示しないが、分子
量分布曲線のピークは、低分子量側に若干偏っていた。
【0033】さらに、ワックス状物質の融点、比重、お
よび溶融開始温度を、以下に示す方法により測定した。
即ち、JIS K 7122に基づき、DSC法により
融解ピーク温度 (℃) を測定した。試験機は、セイコー
電子工業株式会社製・DSS−220Cを使用した。測
定条件は、昇温速度:10℃/minとした。測定は、
試験室温21℃の条件下で行った。その結果、融解ピー
ク温度は、109℃であった。また、JIS K 71
12に基づき、水中置換法により比重を測定した。測定
は、試験室温21℃の条件下で行った。その結果、比重
は、0.931であった。さらに、JIS K 721
0に基づき、高化式フローテスターを使用して、昇温試
験により溶融開始温度 (℃) を測定した。測定条件は、
ダイ径:1mm,試験荷重:10kgf,昇温速度:3
℃/minとした。測定は、試験室温21℃の条件下で
行った。その結果、溶融開始温度は、97℃であった。
【0034】次いで、上記の方法によって得られるワッ
クス状物質は、その一部が溶融状態および/または気化
状態で受溜用タンク1から熱分解用タンク11に抜き出
され、該熱分解用タンク11内で酸欠状態で連続的に熱
分解して液化される。この際、ワックス状物質の熱分解
には、溶融状態および/または気化状態となっているワ
ックス状物質自体が有する熱エネルギの一部が用いられ
る。従って、熱分解用タンク11に設置されているヒー
ターは、該熱分解用タンク11内におけるワックス状物
質が所定温度、具体的には約450℃〜550℃を維持
することができるように、該ワックス状物質に上記熱分
解に消費された熱エネルギに見合う熱エネルギを供給す
る。熱分解用タンク11におけるワックス状物質の滞留
時間は、特に限定されるものではないが、3分間程度で
充分である。
【0035】以上の方法により、常温・常圧で液状の炭
化水素油が、投入した合成樹脂に対して、80重量%程
度の収率で連続的に得られる。該炭化水素油は、冷却装
置12にて常温にまで冷却されることにより、凝縮して
液状となり、受油槽13に回収・貯蔵される。尚、得ら
れた炭化水素油が例えば茶褐色を帯びている場合には、
必要に応じて、該炭化水素油をガス化した後、冷却する
という精製工程を適宜繰り返せばよい。これにより、殆
ど無色の炭化水素油を得ることができる。
【0036】炭化水素油の製造装置は、図1に示される
構成にのみ限定されるものではない。例えば、熱分解用
タンク11、並びに、受溜用タンク1と熱分解用タンク
11とを接続するパイプ10aを設ける代わりに、図3
に示すように、受溜用タンク1と冷却装置12とを接続
するパイプ10bを設けることにより、炭化水素油の製
造装置を構成することもできる。該パイプ10bは、受
溜用タンク1内のワックス状物質Cの一部を溶融状態お
よび/または気化状態で連続的に抜き出す。
【0037】この場合、上記のパイプ10bは、受溜用
タンク1における、触媒槽4が取り付けられている位置
よりも下側の所定位置(つまり、パイプ10aと同様の
位置)にその入口側を接続すると共に、パイプ10bの
大部分を、燃焼用バスケット2の外周、即ち、燃焼用バ
スケット2とエアーバランサー5との隙間部分に巻装す
ればよい。そして、パイプ10bにおける燃焼用バスケ
ット2の外周に巻装されていない部分には、該パイプ1
0b内を流通する溶融状態および/または気化状態のワ
ックス状物質Cを所定温度に保つためのリボンヒーター
等のヒーター(図示せず)、或いは保温材等を巻装すれ
ばよい。上記の構成により、パイプ10b内を流通する
溶融状態および/または気化状態のワックス状物質に、
燃焼用バスケット2にて発生する熱エネルギが供給され
る。従って、該パイプ10bが熱分解用タンクとしての
機能を果たすことになる。つまり、燃焼用バスケット2
にて発生する熱エネルギを用いて、より一層効率的にワ
ックス状物質を熱分解させることができる。
【0038】さらに、炭化水素油の製造装置は、例え
ば、図1に示される構成と図3に示される構成とを組み
合わせた構成であってもよい。即ち、受溜用タンク1と
熱分解用タンク11とを接続するパイプ10aを設ける
代わりに、図4に示すように、受溜用タンク1と熱分解
用タンク11とを接続するパイプ10bを設けることに
より、炭化水素油の製造装置を構成することもできる。
上記の構成により、パイプ10b並びに熱分解用タンク
11の両方でワックス状物質を熱分解させることができ
る。つまり、さらに一層効率的にワックス状物質を熱分
解させることができる。
【0039】原料として用いた合成樹脂がポリオレフィ
ンである場合には、ヘキサンやオクタン等の直鎖状炭化
水素を主成分とする炭化水素油が得られる。また、原料
として用いた合成樹脂がポリスチレン樹脂である場合に
は、スチレンやトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素を主成分とする炭化水素油が得られる。
【0040】例えば、合成樹脂としてポリオレフィンを
用いて得られる炭化水素油は、黄色ないしは褐色であ
り、その炭素含有量、水素含有量および窒素含有量は、
この順に87.64重量%〜89.44重量%、9.0
8重量%〜11.68重量%、および0.01重量%で
ある。また、硫黄分は、痕跡程度である。さらに、該炭
化水素油の比重は0.8446〜0.9196であり、
引火点は34℃〜40℃である。また、炭化水素油の発
熱量は、総発熱量が10,190kcal/kg〜1
0,670kcal/kgであり、真発熱量が9,70
0kcal/kg〜10,040kcal/kgであ
る。それゆえ、上記の炭化水素油は、例えば燃料として
好適に用いることができる。
【0041】尚、上記の方法においては、ワックス状物
質製造装置10で得られたワックス状物質を熱分解用タ
ンク11に直ちに供給して熱分解させる場合を例に挙げ
て説明したが、例えば、ワックス状物質製造装置10を
用いてワックス状物質を予め製造した後、該ワックス状
物質を溶融状態および/または気化状態で熱分解用タン
ク11に供給して熱分解させることもできる。この場
合、ワックス状物質を溶融状態および/または気化状態
にするのに必要な熱エネルギは、例えば、ワックス状物
質製造装置10を用いて新たに別のワックス状物質を製
造する際に発生する熱エネルギを用いればよい。これに
より、従来の製造方法のように、炭化水素油を製造する
のに多量のエネルギを供給する必要が無いので、炭化水
素油を低コストで製造することができる。
【0042】本実施の形態にかかる炭化水素油の製造方
法は、以上のように、原料物質である合成樹脂を燃焼用
バスケットに投入し、該合成樹脂の一部を燃焼させるこ
とで残りを溶融させると共に、その一部を熱分解させる
ことで低分子化して液化し、それらの混合物である溶融
物を酸欠状態の触媒槽に滴下させることにより、溶融物
における熱分解されていない合成樹脂や熱分解の不充分
な合成樹脂を熱分解し、低分子化してワックス状物質を
得る一方、溶融状態となっているワックス状物質の一部
が気化して発生した可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バス
ケットで燃焼させることにより、燃焼用バスケット内の
温度を所定温度に制御してワックス状物質を得ると共
に、上記ワックス状物質を受け溜める受溜用タンクから
該ワックス状物質の一部を抜き出して酸欠状態で熱分解
して液化(油化)することにより、常温で液状の炭化水
素油を得る方法である。また、本実施の形態にかかる炭
化水素油の製造方法は、以上のように、上記方法によっ
て得られるワックス状物質を、酸欠状態で熱分解して液
化(油化)することにより、常温で液状の炭化水素油を
得る方法である。
【0043】上記の方法によれば、例えば、ポリエチレ
ン樹脂やポリプロピレン樹脂等の合成樹脂廃棄物(廃プ
ラスチック)等の合成樹脂を酸欠状態で熱分解して液化
することによってワックス状物質を一旦、製造した後、
該ワックス状物質を酸欠状態で熱分解して液化(油化)
することにより、常温で液状の炭化水素油を製造する。
上記合成樹脂並びにワックス状物質の熱分解に必要な熱
エネルギは、溶融状態となっているワックス状物質の一
部が気化して発生した可燃性の高熱ガスを燃焼させるこ
とによって得ることができる。つまり、上記の方法によ
れば、炭化水素油を製造するに際し、多量の熱エネルギ
を外部から供給する必要が無いので、従来の方法と比較
して処理費(コスト)が掛からず、それゆえ、合成樹脂
を安価に処理することができる。従って、多量の熱エネ
ルギを外部から供給する従来の方法と比較して、合成樹
脂、或いは、該合成樹脂から製造されたワックス状物質
から、炭化水素油を簡単にかつ低コストで製造すること
ができる。これにより、産業廃棄物である合成樹脂廃棄
物等の合成樹脂を低コストで処理する方法(採算性に優
れた処理方法)、即ち、炭化水素油を低コストで製造す
ることができる方法を提供することができる。また、産
業廃棄物である合成樹脂廃棄物等の合成樹脂、或いは、
該合成樹脂から製造されたワックス状物質から、低コス
トで製造された炭化水素油を提供することができる。該
炭化水素油は、例えば燃料として好適に用いることがで
きる。
【0044】ここで、図2に示される構成のワックス状
物質製造装置10を用いた、より具体的なワックス状物
質の製造方法を、一例を挙げて説明する。尚、以下に説
明する具体例においては、図5に示すように、ワックス
状物質製造装置10における燃焼用バスケット2の上端
開口部2cの上部に、余剰の熱エネルギを水を加熱する
ことによって回収する温水器15を設置すると共に、該
温水器15の上部に、排出ガス中の塵を除去する洗浄集
塵器16を設置した。そして、燃焼用バスケット2の大
きさを、直径300mm、高さ200mmとし、温水器
15の容量を90Lとした。また、燃焼用バスケット2
に供給する空気比を2.80とした。
【0045】合成樹脂として高架橋のポリエチレン樹脂
(HDPE)を用い、該樹脂を燃焼用バスケット2に連
続的に供給することにより、ワックス状物質の製造を開
始した。そして、受溜用タンク1内に所定量のワックス
状物質が溜まることにより、装置が定常状態となった時
点で、上記の樹脂を供給量10kg/hで燃焼用バスケ
ット2に供給したところ、ワックス状物質が8kg/h
で得られた(粗収率80重量%)。受溜用タンク1内の
平均温度は320℃であり、排出ガスの温度は300℃
であり、温水器15の水温は1時間で15℃から85℃
に昇温した。また、排出ガス量は、66m3 /hであ
り、その組成は、N2 が78.38%、O2 が13.4
5%、CO2 が4.23%、COが0.0%、H2 Oが
3.94%であった。該排出ガスの組成から、ポリエチ
レン樹脂の燃焼率が17.4%であり、ワックス状物質
の収率が82.6%であることが判った。
【0046】また、排出ガス中の塵の濃度は0.06g
/m3 (O2 %換算値)であり、硫黄酸化物の濃度は1
3ppmであり、窒素酸化物の濃度は5ppm(O2
換算値)であった。尚、乾燥状態の上記排出ガス量は、
63m3 /hであり、その組成は、N2 が81.6%、
2 が14.0%、CO2 が4.4%、COが0.0%
であった。
【0047】一方、燃焼用バスケット2等で発生した熱
量は、ポリエチレン樹脂の20重量%が燃焼しており、
該樹脂の発熱量が11,040kcal/kgであるこ
とから、22,080kcal/hであることが判る。
これに対し、温水器15にて回収された熱量は6,30
0kcal/hであり、排出ガスと共に排出された熱量
(顕熱)は、乾燥状態の排出ガスの比熱を0.33kc
al/m3 ℃として、凡そ6,200kcal/hであ
った。また、ワックス状物質が有する熱量は、平均比熱
を1kcal/kg℃として、凡そ2,500kcal
/hであった。従って、ポリエチレン樹脂をワックス状
物質に熱分解するのに要した熱量と、損失した熱量との
合計は、凡そ7,000kcal/hであることが判っ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の炭化水素油の製
造方法は、以上のように、原料物質である合成樹脂を燃
焼用バスケットに投入し、該合成樹脂の一部を燃焼させ
ることで残りを溶融させると共に、その一部を熱分解さ
せることで低分子化して液化し、それらの混合物である
溶融物を酸欠状態の触媒槽に滴下させることにより、溶
融物における熱分解されていない合成樹脂や熱分解の不
充分な合成樹脂を熱分解し、低分子化してワックス状物
質を得る一方、溶融状態となっているワックス状物質の
一部が気化して発生した可燃性の高熱ガスを上記燃焼用
バスケットで燃焼させることにより、燃焼用バスケット
内の温度を所定温度に制御してワックス状物質を得ると
共に、上記ワックス状物質を受け溜める受溜用タンクか
ら該ワックス状物質の一部を抜き出して、高熱ガスを上
記燃焼用バスケットで燃焼させて得られた熱エネルギを
用いて加熱し、酸欠状態で熱分解して液化することによ
り、常温で液状の炭化水素油を得る方法である。
【0049】本発明の請求項2記載の炭化水素油の製造
方法は、以上のように、原料物質である合成樹脂を燃焼
用バスケットに投入し、該合成樹脂の一部を燃焼させる
ことで残りを溶融させると共に、その一部を熱分解させ
ることで低分子化して液化し、それらの混合物である溶
融物を酸欠状態の触媒槽に滴下させることにより、溶融
物における熱分解されていない合成樹脂や熱分解の不充
分な合成樹脂を熱分解し、低分子化してワックス状物質
を得る一方、溶融状態となっているワックス状物質の一
部が気化して発生した可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バ
スケットで燃焼させることにより、燃焼用バスケット内
の温度を所定温度に制御するという方法によって得られ
るワックス状物質を、燃焼用バスケットの外周に沿って
流通させて加熱し、酸欠状態で熱分解して液化すること
により、常温で液状の炭化水素油を得る方法である。
【0050】これにより、産業廃棄物である合成樹脂廃
棄物等の合成樹脂を低コストで処理する方法(採算性に
優れた処理方法)、即ち、炭化水素油を低コストで製造
することができる方法を提供することができるという効
果を奏する。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる炭化水素油の製
造装置を示す概略の構成図である。
【図2】上記炭化水素油の製造装置が備えるワックス状
物質製造装置の概略の構成を示す断面図である。
【図3】上記炭化水素油の製造装置の変形例を示す概略
の構成図である。
【図4】上記炭化水素油の製造装置の他の変形例を示す
概略の構成図である。
【図5】図3の炭化水素油の製造装置が備えるワックス
状物質製造装置の変形例を示す概略の構成図である。
【符号の説明】
1 受溜用タンク 2 燃焼用バスケット 4 触媒槽 10 ワックス状物質製造装置 10a パイプ 10b パイプ 11 熱分解用タンク 12 冷却装置 13 受油槽 A 原料(合成樹脂) B 溶融物 C ワックス状物質 G 高熱ガス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料物質である合成樹脂を燃焼用バスケッ
    トに投入し、該合成樹脂の一部を燃焼させることで残り
    を溶融させると共に、その一部を熱分解させることで低
    分子化して液化し、それらの混合物である溶融物を酸欠
    状態の触媒槽に滴下させることにより、溶融物における
    熱分解されていない合成樹脂や熱分解の不充分な合成樹
    脂を熱分解し、低分子化してワックス状物質を得る一
    方、溶融状態となっているワックス状物質の一部が気化
    して発生した可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バスケット
    で燃焼させることにより、燃焼用バスケット内の温度を
    所定温度に制御してワックス状物質を得ると共に、 上記ワックス状物質を受け溜める受溜用タンクから該ワ
    ックス状物質の一部を抜き出して、高熱ガスを上記燃焼
    用バスケットで燃焼させて得られた熱エネルギを用いて
    加熱し、酸欠状態で熱分解して液化することにより、常
    温で液状の炭化水素油を得ることを特徴とする炭化水素
    油の製造方法。
  2. 【請求項2】原料物質である合成樹脂を燃焼用バスケッ
    トに投入し、該合成樹脂の一部を燃焼させることで残り
    を溶融させると共に、その一部を熱分解させることで低
    分子化して液化し、それらの混合物である溶融物を酸欠
    状態の触媒槽に滴下させることにより、溶融物における
    熱分解されていない合成樹脂や熱分解の不充分な合成樹
    脂を熱分解し、低分子化してワックス状物質を得る一
    方、溶融状態となっているワックス状物質の一部が気化
    して発生した可燃性の高熱ガスを上記燃焼用バスケット
    で燃焼させることにより、燃焼用バスケット内の温度を
    所定温度に制御するという方法によって得られるワック
    ス状物質を、 燃焼用バスケットの外周に沿って流通させて加熱し、酸
    欠状態で熱分解して液化することにより、常温で液状の
    炭化水素油を得ることを特徴とする炭化水素油の製造方
    法。
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