JP2956272B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2956272B2 JP13086491A JP13086491A JP2956272B2 JP 2956272 B2 JP2956272 B2 JP 2956272B2 JP 13086491 A JP13086491 A JP 13086491A JP 13086491 A JP13086491 A JP 13086491A JP 2956272 B2 JP2956272 B2 JP 2956272B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録におけるインクの粘
度は温度変化に伴い大きく変化するため、印字ヘッドの
ノズル面に付着するインクの量やインク乾燥時間に影響
を及ぼし記録品質に乱れを生じさせる。その一方でイン
クジェット記録装置の使用温度は一般に0℃〜40℃と
広範囲にわたっているため、印字ヘッドの非稼働時には
印字ヘッドのノズル面に密着するキャップ機構を設けて
いる。
【0003】このキャップ機構は、ノズル面の過度の乾
燥を防止するキャップ動作や、ノズル面に付着したイン
クや増粘したヘッド内部のインクを吸引、除去するため
のクリーニング動作に使用され、インクジェット記録装
置の均一な記録品質を保証している。
【0004】また、連続印字状態がある規定時間以上続
いた場合には、使用頻度の少ないノズル内で増粘したイ
ンクを排出するために、例えば印字領域外などの印字に
関与しないところでノズルからインク滴を吐出するフラ
ッシング動作により、ヘッドノズル内部のインク粘度を
一定に保持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにインクジェ
ット記録装置では、キャップ機構及びフラッシング動作
は重要なものであるが、印字時にはキャップ内表面は外
気に対して解放された状態で待機しているため、印字が
長時間にわたる場合は、キャップ内部の水分は蒸発し続
け、キャップは著しい乾燥状態におかれる。その結果キ
ャップに残留していたインクは増粘し、次のキャップ動
作により増粘したインクがノズル面に付着して、記録品
質の低下や最悪の場合にはノズルの目詰まりの原因とな
る。
【0006】本発明の目的は、上述の欠点を除去し、耐
環境性を改善したインクジェット記録装置を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるインクジェ
ット記録装置は、印字指令に応じてノズルからインク滴
を噴射する印字ヘッドと、この印字ヘッドに対し当接・
離脱を可能としたキャップ機構と、を有するインクジェ
ット記録装置において、キャップ機構の外側に第1の温
度検出手段を設ける一方、キャップ機構の内側に、第2
の温度検出手段と該第2の温度検出手段と密着する吸水
材を設けた上、第1の温度検出手段の検出する温度と、
第2の温度検出手段の検出する温度との差により、フラ
ッシング動作を制御する手段を備えたものである。ま
た、キャップ機構に向かってフラッシング動作を行うも
のである。さらに、フラッシング動作回数を変えるもの
である。その上、第1および第2の温度検出周期は、フ
ラッシング動作の周期より大きいものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、第1の温度検出手段と第2の
温度検出手段の検出する温度差に応じて、フラッシング
動作におけるインク吐出量を変化させることが可能とな
り、キャップ内部の乾燥を防止し、残留インクの増粘や
増粘したインクがノズル面に再付着することを回避でき
る。
【0009】
【実施例】以下図示の実施例について説明する。
【0010】図1は本実施例におけるキャップ機構の構
成を示している。印字ヘッド100は、A方向に移動可
能である。キャップ3は、キャップフレーム5の先端部
に取り付けられており、インク吸収口13が開いてい
る。インク吸収口13は、キャップフレーム5の後端部
に接続されたインク排出チューブ10と連通している。
クリーニング動作時にはキャップ3は印字ヘッド100
のノズル面に密着し、インク吸収口13から吸引された
インクはインク排出チューブ10から排出される。キャ
ップフレーム5は片歯車7を有し、キャップフレーム取
付軸9によりキャップフレーム支持体6に取り付けられ
る。
【0011】片歯車7がキャップ開閉モータ8の回転を
うけることにより、キャップフレーム5はキャップフレ
ーム取付軸9を中心とした円運動をする。これによりキ
ャップの開閉動作が行なわれる。なお、印字ヘッド10
0とキャップ3の密着性を高めるため、キャップ3の材
質にはゴム材のような弾性を有するものを使用してい
る。
【0012】第1のサーミスタ1はキャップフレーム5
の上部に取り付けられ、キャップ3近傍の外気の温度検
出手段として用いられる。第1の端子11にはキャップ
3近傍の温度に応じた第1のサーミスタ1の抵抗値が出
力される。
【0013】吸水材4はキャップ3の内表面全体を均一
の厚さで覆うように取り付けられている。第2のサーミ
スタ2は吸水材4とキャップ3の内表面との間に密に置
かれ、吸水材4表面の温度検出手段として用いられる。
第2の端子12には吸水材4表面の温度に応じた第2の
サーミスタ2の抵抗値が出力される。
【0014】ここで、第1および第2の温度検出手段
は、サーミスタに限定されないことはもちろんであり、
熱電対等でも構わない。
【0015】以下図2、図3に基づき本実施例の動作を
説明する。
【0016】図2はフラッシング動作の制御を示すブロ
ック図である。第1の端子11と第2の端子12は、各
々第1のデータ変換部14、第2のデータ変換部15に
接続される。第1のデータ変換部14では、第1の端子
11にあらわれた第1のサーミスタ1の抵抗値に応じた
第1の温度データ16(t1)を出力する。
【0017】同様に、第2のデータ変換部15では、第
2の端子12にあらわれた第2のサーミスタ2の抵抗値
に応じた第2の温度データ17(t2)を出力する。こ
のとき、t1はキャップ3近傍の外気温度、t2は吸水材
4表面の温度を示している。
【0018】印字実行中はキャップ3は外気に対して解
放されているため、吸水材4の表面からはインクに含ま
れる水分が蒸発し、t2はt1に対して低い値を取る。こ
のようにt1、t2は乾湿計における乾球温度、湿球温度
にそれぞれ相当するため、t1及びt1とt2の温度差に
よりキャップ3のおかれている外気の湿度が測定でき
る。
【0019】CPU18はt1とt2をもとに、本インク
ジェット記録装置のおかれている環境の湿度を測定し、
求められた湿度環境でキャップ3が適度な水分を保持す
るのに必要なだけのフラッシングパルス数19をノズル
制御部21に出力する。印字状態が規定時間以上連続し
た場合、CPU18はフラッシング実行命令20を出力
する。これを受けてヘッド制御部22は印字動作を中断
し、ヘッドをキャップ3の正面位置に移動する。一方ノ
ズル制御部21はヘッド100がキャップ3正面に移動
した後、フラッシングパルス数19だけ全ノズル噴射を
行なう。このフラッシング動作により、キャップ3はイ
ンクを補給され、適度な水分を維持することができる。
【0020】図3はt1とt2から求められる湿度環境に
応じたフラッシングパルス数を示す図である。簡単のた
め湿度領域を3つに分け、各々の湿度環境においてキャ
ップ3が適度な水分を保持するのに必要な一定時間当り
のフラッシングパルス数19を設定してある。TL ,T
H は本インクジェット記録装置の動作保証温度の下限、
上限を示す。Δtはt1とt2の温度差を示す。また、H
L ,HH は領域境界湿度を表わす。湿度領域はI、I
I、IIIの順に湿度が低い、即ち乾燥していることを
示す。
【0021】第1のサーミスタ1がある温度t1の値を
取ったときのΔtの値がΔtIIIであった場合、湿度
領域はIIIであるため環境湿度は高いものと判断し、
フラッシングパルス数19は最も少ない10パルス/3
0秒の値を取る。同様に、Δtの値がΔtII、ΔtI
であった場合は、湿度領域は各々II、Iとなり、フラ
ッシングパルス数19は各々の環境湿度にあった20パ
ルス/30秒、40パルス/30秒の値を取る。
【0022】この例においてはある湿度において吸水材
4から時間当りに蒸発する水分量を一定とし、キャップ
3が適度な水分を保持するのに必要なフラッシングパル
ス数19を30秒当りに換算して表現している。先に述
べたように、フラッシング動作は印字状態がある規定時
間以上連続した場合に実行されるため、規定時間当りに
換算しなければならない。この規定時間を30秒に設定
すればパルス数はそのままフラッシングパルス数19と
して使用できる。
【0023】このようなt1とt2からフラッシングパル
ス数19を決定する機能は、ソフトウェア(例えばt1
とt2に基づく演算、あるいはデータテーブルのアクセ
ス等)によっても、論理回路などのハードウェアによっ
ても実現は可能である。
【0024】以上のように環境湿度が高ければ少なめ
に、低ければ多めにフラッシングパルス数19は変化す
るため、キャップ3は解放状態においても適度な水分を
保持することが可能となる。そのため、キャップ内部に
残留したインクがあっても乾燥によるインクの増粘や増
粘したインクがノズル面に再付着することはなくなる。
乾燥によるキャップ自身の硬化も防止できるため、長期
間にわたってキャップの機能を保証できる。また、環境
湿度における必要最小限のインク消費ですむため、フラ
ッシング動作によるインク消費の割合も低減できる。
【0025】環境湿度は急激に変化することは少ないた
め、t1,t2の測定及びフラッシングパルス数19を求
める操作は頻繁に行なう必要はない。この操作はフラッ
シング動作が終了した後、次のフラッシング動作のため
に行なうだけで十分であり、実用上は何回かのフラッシ
ング動作の後でも差し支えないため、インクジェット記
録装置のスループットにはほとんど影響しない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット記録装置のキャップ機構及びフラッシング動作によ
れば、フラッシング時のインク吐出量が使用環境の湿度
に応じて変化し、キャップは解放時においても常に適度
な水分が供給されるため、キャップ内部に残留したイン
クの増粘や増粘したインクがノズル面に再付着すること
はなくなり、インクジェット記録装置の耐環境性を向上
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置のキャップ機
構の構成の一実施例を示す斜視図である。
【図2】二つの温度データによるフラッシング動作の制
御を示すブロック図である。
【図3】二つの温度データから湿度環境に応じたフラッ
シングパルス数を求める事を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 第1のサーミスタ 2 第2のサーミスタ 3 キャップ 4 吸水材 5 キャップフレーム 6 キャップフレーム支持体 7 片歯車 8 キャップ開閉モータ 9 キャップフレーム取付軸 10 インク排出チューブ 11 第1の端子 12 第2の端子 13 インク吸入口 14 データ変換部 15 データ変換部 16 温度データ(t1) 17 温度データ(t2) 18 CPU 19 フラッシングパルス数 20 フラッシング実行命令 21 ノズル制御部 22 ヘッド制御部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字指令に応じてノズルからインク滴を
    噴射する印字ヘッドと、該印字ヘッドに対し当接・離脱
    を可能としたキャップ機構と、を有するインクジェット
    記録装置において、 前記キャップ機構の外側に第1の温度検出手段を設ける
    一方、前記キャップ機構の内側に第2の温度検出手段
    と該第2の温度検出手段と密着する吸水材を設けた上、 前記第1の温度検出手段の検出する温度と、前記第2の
    温度検出手段の検出する温度との差により、フラッシン
    グ動作を制御する手段を備えたことを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 上記キャップ機構に向かって上記フラッ
    シング動作を行うことを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 上記フラッシング動作回数を変えること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 上記第1および第2の温度検出周期は、
    上記フラッシング動作の周期より大きいことを特徴とす
    る請求項1記載のインクジェット記録装置。
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