JP2955739B2 - 精練性向上剤 - Google Patents

精練性向上剤

Info

Publication number
JP2955739B2
JP2955739B2 JP20904095A JP20904095A JP2955739B2 JP 2955739 B2 JP2955739 B2 JP 2955739B2 JP 20904095 A JP20904095 A JP 20904095A JP 20904095 A JP20904095 A JP 20904095A JP 2955739 B2 JP2955739 B2 JP 2955739B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
polymerization
parts
chain transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20904095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0931126A (ja
Inventor
靖之 加々良
太香雄 斉藤
伸夫 久田
聖二 山下
好美 位田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP20904095A priority Critical patent/JP2955739B2/ja
Publication of JPH0931126A publication Critical patent/JPH0931126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2955739B2 publication Critical patent/JP2955739B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維の精練性向上剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維の精練はアルカリ剤と界面活
性剤との併用による方法で広く行われている。該精練
は、繊維の有する脂肪質、ロウ質、紡糸油剤、紡績油
剤、サイジング剤又は機械油などの撥水性物質を除去し
て繊維に湿潤性と吸水性を与え、その後の工程である漂
白、染色、仕上げ加工などを効率よく実施できるように
する前工程である。しかしながら、アルカリ剤と界面活
性剤との併用による精練方法では、精練時に使用される
水の硬度が高い場合、油脂成分がアルカリ剤で加水分解
され、生成した脂肪酸が水の硬度成分と結合し、金属石
鹸が生成し、繊維上に沈着する。該金属石鹸は精練に用
いられる通常の界面活性剤では容易に乳化、分散できな
いため、精練工程後も撥水性が残り、十分な湿潤性及び
吸水性が得られず、後工程である漂白、染色、仕上げ加
工などを効率よくできないという問題がある。また同じ
問題は漂白、染色工程でも発生する。この問題を解決す
る精練性向上剤として(メタ)アクリル酸重合体の塩な
どが知られている(例えば特開昭59−187669号
公報)。これは漂白、染色工程における漂白性向上剤、
染色性向上剤としても用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
ラジカル重合により得られる前記重合体の分子量分布は
比較的広いものであり、これらの精練性向上剤は精練後
の繊維の湿潤性及び吸水性において未だ満足すべきもの
ではなく、また添加使用量が多いという問題点を有す
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の連
鎖移動剤を用い、ラジカル重合により得られた分子量分
布の狭い特定重合体が前記問題点を解消することを見出
し本発明に到達した。すなわち本発明は、α,β−不飽
和カルボン酸(塩)を構成単位として、ラジカル重合開
始剤及び下記一般式(1)で表されるラジカル重合用連
鎖移動剤を使用して重合して得られる(共)重合体から
なる繊維用精練性向上剤である。 一般式 式中、Qはn価の多価有機基、Xはカルボニル基また
は−CONH−、A、Aは炭素数1〜8のアルキレ
ン基、Xは酸素原子、硫黄原子またはNH基、ZはS
H、SR、SSR、CX(Rは炭素数1〜20のアル
キル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリーロキ
シまたはシクロアルキル基で、ハロゲン原子、アルキル
基、シアノ基もしくはニトロ基で置換されていてもよ
い。Xは塩素原子または臭素原子。)からなる群から選
ばれる連鎖移動基、p、q、r、xはそれぞれ0または
1、mは1〜50の整数、nは2〜100の整数を表
し、[]内および、mが2〜50の場合の{}内はそれ
ぞれ同一でも異なっていても良い。
【0005】本発明において、α,β−不飽和カルボン
酸(塩)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水
イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸などの
α,β−不飽和カルボン酸もしくはその無水物;並びに
これらα,β−不飽和カルボン酸のアルカリ金属(リチ
ウム、ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金
属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム
塩、有機アミン(アルカノールアミン、低級アルキルア
ミンなど)塩、これらの2種以上の併用などが挙げられ
る。これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、これらのアル
カリ金属塩もしくはアンモニウム塩およびこれらの2種
以上の併用である。
【0006】本発明の効果を害しない範囲で、共重合可
能な他の単量体との共重合体とさせることもできる。共
重合可能な他の単量体としては、例えば(a)芳香族エ
チレン性不飽和単量体:スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン等のスチレン類、ビニルナフタレン
類、ジクロルスチレン等のスチレン類のハロゲン置換体
など;(b)脂肪族エチレン性不飽和単量体:エチレ
ン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘ
プテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタ
デセン、ブタジエン、イソプレンなど;(c)脂環式エ
チレン性不飽和単量体:シクロペンタジエン、ピネン、
リモネン、インデン、ビシクロペンタジエン、エチリデ
ンノルボルネンなど;(d)炭素数1〜50のアルキル
基を有するアルキル(メタ)アクリレート:メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシ
ル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリ
レート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシ
ル(メタ)アクリレートなど;(e)ヒドロキシル基含
有(メタ)アクリレート:ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
などが挙げられる。
【0007】共重合体において、α,β−不飽和カルボ
ン酸(塩)以外の単量体の含有量は、重量基準で、通常
0〜60%、好ましくは0〜30%である。
【0008】一般式(1)において、Qとしては多価ア
ルコールまたは多価フェノールからOHを除いた残基、
多価カルボン酸からCOOHを除いた残基等があげられ
る。多価アルコールとしては、炭素数2〜8のアルキレ
ングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど)、
環状基を有する炭素数5〜10のジオールなどの2価ア
ルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ヘキサントリオールなどの炭素数3
〜12の3価アルコール;ペンタエリスリトール、メチ
ルグリコシド、ジグリセリンなどの炭素数4〜20の4
価アルコール;および更に高い官能基数を有するアルコ
ール類、たとえばペンチトール(アドニトール、アラビ
トール、キシリトールなど)、ヘキシトール(ソルビト
ール、マンニトール、イジトール、タリトール、ズルシ
トールなど)、糖類[ショ糖、単糖類(グルコース、マ
ンノース、フラクトース、ソルボースなど)、少糖類
(クレハロース、ラクトース、ラフィノースなど)な
ど];グルコシド[たとえばポリオール(グリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ールなどのアルカンポリオール)のグルコシド];ポリ
アルカンポリオール[たとえばトリグリセリン、テトラ
グリセリンなどのポリグリセリン];ポリペンタエリス
リトール(ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトールなど);シクロアルカンポリオール[テトラキ
ス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノールなど]など
が挙げられる。また、重合度100までのポリビニルア
ルコールをあげることができる。
【0009】さらに、ジ−およびトリエタノールアミ
ン;炭素数2〜20のアルキルアミン類、炭素数2〜6
のアルキレンジアミンたとえばエチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリアルキ
レンポリアミンたとえばジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミンなどの脂肪族アミン類、アニリン、フ
ェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシリレンジア
ミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミ
ンなどの芳香族アミン類、イソホロンジアミン、シクロ
ヘキシレンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン
などの脂環式アミン類、アミノエチルピペラジン等のア
ルキレンオキサイド付加物があげられる。
【0010】多価フェノールとしてはピロガロール、ハ
イドロキノン、フロログルシンなどの単環多価フェノー
ル;ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンなど
のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドと
の縮合物(ノボラック)、ポリフェノールなどが挙げら
れる。
【0011】多価カルボン酸としては、2価カルボン酸
[(1)炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(マレイ
ン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン
酸、グルタコン酸など);(2)炭素数8〜20の脂環
式ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸、メチル
メジック酸など);(3)炭素数8〜20の芳香族ジカ
ルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ト
ルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸など);
(4)側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアル
キルもしくはアルケニルコハク酸(イソドデセニルコハ
ク酸、n−ドデセニルコハク酸など)]、3価以上のカ
ルボン酸類[(1)炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボ
ン酸(1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5
−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−
2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ
(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オ
クタンテトラカルボン酸など);(2)炭素数9〜20
の脂環式ポリカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサン
トリカルボン酸など);(3)炭素数9〜20の芳香族
ポリカルボン酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7
−ナフタレントリカルボン酸および1,2,4−ナフタ
レントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸など)]等があげられる。さらに重合
度100までの不飽和ポリカルボン酸の重合物があげら
れる。
【0012】一般式(1)において、ZとしてはSH、
SR、SSR、CX(Rは炭素数1〜20のアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリーロキシ
またはシクロアルキル基で、ハロゲン原子、アルキル
基、シアノ基、ニトロ基で置換されていても良い。Xは
塩素原子、臭素原子。)があげられる。これらのうち、
好ましいものはSHである。
【0013】一般式(1)において、Qが多価アルコー
ルまたは多価フェノールの残基の場合pは0であり、多
価カルボン酸残基の場合pは1である。pが0の場合、
xおよびqはそれぞれ0または1、rは0である。pが
1の場合、xは0であり、qおよびrはそれぞれ0また
は1である。
【0014】一般式(1)において、nは2〜8、mは
1〜30が好ましい。
【0015】一般式(1)で表される連鎖移動剤は、Z
がSHの場合例えば次のような方法で製造することが出
来る。 連鎖移動剤1(pが0、xが0、qが0、rが0の場
合) ω−メルカプト−アルキルアルコールに環状エーテルを
付加した後、多価アルコールとエーテル化する。あるい
は多価アルコールに環状エーテルを付加し、末端をチオ
ニルクロライド等で塩素化した後、水硫化アルカリと反
応させる。具体的な連鎖移動剤としては、ポリオキシエ
チレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテル
等があげられる。
【0016】連鎖移動剤2(pが1、xが0、qが0、
rが0の場合) ω−メルカプト−アルキルアルコールに環状エーテル
(環状サルファイド、環状イミン)を付加した後、多価
カルボン酸とエステル化する。
【0017】連鎖移動剤3(pが0、xが1、qが1、
rが0の場合) 多価アルコールに環状ラクトン(環状ラクタム)を付加
した後、ω−メルカプト−カルボン酸でエステル化(ア
ミド化)する。具体的な連鎖移動剤としてはトリエタノ
ールアミン−ε−カプロラクトン付加物−トリ−3−メ
ルカプトプロピオン酸エステル等があげられる。
【0018】連鎖移動剤4(pが0、xが1、qが0、
rが0の場合) 多価アルコールに環状ラクトン(環状ラクタム)を付加
した後、ω−メルカプト−ハロゲナイドでエーテル化
(アミノ化)する。具体的な連鎖移動剤としてはトリエ
タノールアミン−ε−カプロラクトン付加物−トリ−2
−メルカプトエチルエーテル等があげられる。
【0019】連鎖移動剤5(pが0、xが0、qが1、
rが0の場合) 多価アルコールに環状エーテル(環状サルファイド、環
状イミン)を付加した後、ω−メルカプト−カルボン酸
でエステル化(チオエステル化、アミド化)する。この
方法で製造できる具体的な連鎖移動剤としては、次のも
のがあげられる。 (1)アルキレングリコール(エチレングリコール、プ
ロピレングリコール等)にアルキレンオキサイド(エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等)を1〜10
0モル付加し、末端を3−メルカプトプロピオン酸でジ
エステルとしたもの。ポリオキシエチレングリコール
(数平均分子量630)ジ−3−メルカプトプロピオン
酸エステル、ポリオキシプロピレングリコール(数平均
分子量600)ジ−3−メルカプトプロピオン酸エステ
ル等。 (2)3価以上の多価アルコール(グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ショ等等)にアルキレンオキサイドを
1〜150モル付加し、末端を3−メルカプトプロピオ
ン酸でジエステルとしたもの。ペンタエリスリトールエ
チレンオキサイド20モル付加物のテトラ−3−メルカ
プトプロピオン酸エステル等。 (3)ポリ酢酸ビニル(重量平均分子量50,000、
鹸化度10%)を2−メルカプト酢酸でエステル化した
もの。
【0020】連鎖移動剤6(pが1、xが0、qが1、
rが0の場合) 多価カルボン酸に環状エーテル(環状サルファイド、環
状イミン)を付加した後、ω−メルカプト−カルボン酸
でエステル化(チオエステル化、アミド化)する。具体
的な連鎖移動剤としては、アジピン酸プロピレンオキサ
イド4モル付加物−ジ−2−メルカプト酢酸エステル等
があげられる。
【0021】連鎖移動剤7(pが1、xが0、qが0、
rが1の場合) 多価カルボン酸に環状ラクトン(環状ラクタム)を付加
した後、ω−メルカプト−アルコールでエステル化す
る。
【0022】これら連鎖移動剤のうち、好ましいものは
連鎖移動剤1〜4であり、さらに好ましいものは連鎖移
動剤1、2であり、特に好ましいものは連鎖移動剤1で
ある。
【0023】上記化合物の製造において、例えば環状エ
ーテルと環状ラクトンを共付加することも可能であり、
共付加する場合ランダム共付加、ブロック共付加のいず
れでも良い。上記化合物において、環状エーテルとして
はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド、エピクロルヒドリン、スチレンオキサイ
ド等があげられ、環状チオエーテルとしてはエピサルフ
ァイド等があげられ、環状イミンとしてはエチレンイミ
ン等があげられる。これらは共付加することも可能であ
り、共付加する場合ランダム共付加、ブロック共付加の
いずれでも良い。これらのうち、好ましいものは環状エ
ーテルであり、さらに好ましいものはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドおよびこれらの混合物であ
る。
【0024】上記化合物において、環状ラクトンとして
はε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等があげら
れ、環状ラクタムとしてはε−カプロラクタム等があげ
られる。これらは共付加することも可能であり、共付加
する場合ランダム共付加、ブロック共付加のいずれでも
良い。
【0025】該連鎖移動剤の本旨は、複数の連鎖移動基
が、相互に少なくとも4個の官能基(エーテル、エステ
ル、アミド等)を隔てて存在することにあり、このこと
により初めて分子量分布の狭い重合体の製造を可能なら
しめたものである。
【0026】上記条件を満足するものであれば、求める
重合体の性状により、任意にその構造を選択することが
できる。例えば上記化合物1で言えば付加する環状エー
テルは、(メタ)アクリル酸(塩)重合体を得るために
はエチレンオキサイドが好ましく、(メタ)アクリル酸
エステル重合体やスチレン重合体を得るためにはプロピ
レンオキサイドが好ましい。
【0027】本発明の繊維用精練性向上剤(以下、精練
性向上剤と言う。)の製造法において使用する連鎖移動
剤の量は、単量体に対し通常0.001〜50重量%、
好ましくは0.01〜30重量%、特に好ましくは0.
1〜15重量%である。
【0028】ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生
成して重合を開始させるタイプのもの、例えば2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’
−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメ
チル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイ
ト)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)
プロピオニトリル]、1,1’−アゾビス(1−アセト
キシ−1−フェニルエタン)などのアゾ化合物;ジベン
ゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、過コハク酸などの有機過酸化物;過硫酸塩、
過ホウ酸塩等の無機過酸化物などが使用できる。過酸化
水素やレドックス系開始剤等を使用することができる。
これらは2種以上を併用してもよい。ラジカル重合開始
剤の量は単量体に対して、通常0.01〜10重量%、
好ましくは0.05〜5重量%である。
【0029】重合方法としては、溶液重合、乳化重合、
懸濁および塊状重合のいずれでも良いが、分子量分布の
狭い重合体を得るためには溶液重合が好ましい。溶液重
合の場合の溶剤としては、水、アルコール類(メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等)、ケトン類(ア
セトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(テ
トラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、
ヘプタン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン
等)、ハロゲン系溶剤(エチレンジクロライド等)およ
びこれらの混合物等があげられる。
【0030】重合温度としては、通常50〜200℃、
好ましくは60〜150℃である。常圧下重合溶液の沸
点以下の温度、常圧下重合溶液の沸点、および加圧下重
合溶液の沸点以上の温度等があげられる。より分子量分
布を狭くするためには加圧下重合溶液の沸点以上で重合
することが好ましい。また分散媒、乳化剤、分散剤等を
使用する場合は特に制限がなく公知のものが使用でき
る。
【0031】(共)重合体の重量平均分子量は通常1,
000〜20,000、好ましくは3,000〜15,
000である。重量平均分子量が1,000未満の場合
には精練性向上効果がなく、また20,000を越える
場合にも精練性向上効果が低下する。(共)重合体の分
子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は通常1.
2〜2.0、好ましくは1.2〜1.8である。分子量
分布が2.0を超える場合は向上剤の使用量を多く必要
とするとともに、精練性向上効果が低下する。
【0032】本発明の精練性向上剤は、非イオン界面活
性剤やアニオン界面活性剤からなる精練剤と、ビルダー
(苛性ソーダ,ソーダ灰,アンモニア,トリポリリン酸
ソーダなどのアルカリビルダー,EDTA,NTA)を
通常、併用する。また親水性溶剤(メタノール,エタノ
ール,イソプロピルアルコール,エチレングリコールな
ど)、消泡剤(シリコーン系消泡剤,プロロニック系消
泡剤,鉱物油系消泡剤など)などを混合または併用して
もよい。
【0033】本発明において、繊維は、天然繊維,化合
繊繊維およびこれらの混紡交編織繊維に適用できる。天
然繊維としては、木綿,麻,羊毛など、化合繊繊維とし
てはレーヨン,アセテートなどの再生セルロース繊維,
ポリエステル,ポリアミド繊維,アクリル,スパンデッ
クスなどの合成繊維があげられる。これらの混紡交編織
繊維としては、木綿や麻と他の繊維(羊毛,ポリエステ
ル,ポリアミド,アクリルなど)、羊毛と他の繊維(ポ
リエステル,ポリアミド,アクリルなど)、ポリエステ
ル繊維と他の繊維(レーヨン,アセテート,ポリアミ
ド,アクリル,スパンデックスなど)、ポリアミド繊維
と他の繊維(レーヨン,アセテート,アクリル,スパン
デックスなど)があげられる。
【0034】本発明の精練性向上剤の使用量は、通常、
固形分当たり0.02〜5g/l、好ましくは0.05
〜2g/lである。0.02g/l未満では精練効果が
不十分であり、5g/lを超えても効果は変わらない。
精練剤は通常、固形分当たり0.05〜10g/l、必
要によりアルカリビルダーを通常、0.2〜5g/l使
用する。繊維形態は通常糸か編織物である。
【0035】本発明の精練性向上剤を用いて精練する場
合、精練方法に特に制限はなく、通常の方法(ウインス
や液流染色機によるバッチ処理,連続精練装置による連
続処理など)が使用できる。バッチ処理の場合、浴比は
特に限定されないが通常1:4〜1:40,好ましくは
1:6〜1:30である。
【0036】精練温度は適用する繊維の種類によって任
意に選択できるが、通常5〜140℃であり、好ましく
は30〜130℃である。本発明の精練性向上剤は、精
練工程以外の糊抜工程,漂白工程、染色工程においても
使用できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものでは
ない。なお、実施例、比較例中の%および部は重量%お
よび重量部を表す。GPCによる重量平均分子量および
分子量分布の測定法は次の通り。 機 種 :Waters600(日本ウオーターズ・リミテッド製) カラム :TSK gel G5000pwXL(東ソー製) TSK gel G3000pwXL(東ソー製) カラム温度:40℃ 検出器 :RI 溶 媒 :0.5%酢酸ソーダ・水/メタノール(体積比70/30) 試料濃度 :0.25重量% 注入量 :200μl 標準 :ポリオキシエチレングリコール
【0038】
【実施例】
(連鎖移動剤の製造) 製造例1 耐圧反応容器にエチレングリコール620部、水酸化カ
リウム3部を仕込み、窒素置換後130℃に昇温した。
130〜160℃でエチレンオキサイド5,740部を
5時間かけて仕込み反応させた。同温度で1時間熟成
後、50〜70℃に冷却し、水160部、合成ケイ酸マ
グネシウム60部を加え2時間攪拌後、濾過した。その
後脱水して、数平均分子量630のポリオキシエチレン
グリコール6,000部を得た。ついで、このポリオキ
シエチレングリコール630部を反応容器に仕込み、攪
拌しながら80℃で塩化チオニル260部を2時間かけ
て滴下した。同温度を1時間保持した後、30%水硫化
ナトリウム水溶液500部を3時間かけて滴下した。同
温度で1時間保持した後室温に戻し、分液して本発明の
連鎖移動剤であるポリオキシエチレングリコール−ジ−
2−メルカプトエチルエーテル600部を得た。これを
連鎖移動剤Aとする。
【0039】製造例2 耐圧反応容器にペンタエリスリトール680部、水酸化
カリウム60部を仕込み、窒素置換後130℃に昇温し
た。130〜160℃でエチレンオキサイド4,450
部を5時間かけて仕込み反応させた。同温度で1時間熟
成後、50〜70℃に冷却し、水160部、合成ケイ酸
マグネシウム60部を加え2時間攪拌後、濾過した。そ
の後脱水して、ペンタエリスリトールのエチレンオキシ
ド20モル付加物5,000部を得た。ついで、この付
加物510部を反応容器に仕込み、攪拌しながら80℃
で塩化チオニル260部を2時間かけて滴下した。同温
度を1時間保持した後、30%水硫化ナトリウム水溶液
500部を3時間かけて滴下した。同温度で1時間保持
した後室温に戻し、分液して本発明の連鎖移動剤である
ペンタエリスリトールのエチレンオキシド20モル付加
物のテトラ−2−メルカプトエチルエーテル580部を
得た。これを連鎖移動剤Bとする。
【0040】実施例1 耐圧反応容器にイソプロピルアルコール260部、水8
5部を仕込み、窒素置換後密閉し、100℃に昇温し
た。攪拌下アクリル酸の80%水溶液380部と連鎖移
動剤A18部の均一混合物と、過硫酸ナトリウム4%水
溶液80部とを別々の容器から同時に、4時間かけて滴
下した。同温度で2時間保持した後、水酸化ナトリウム
48%水溶液350部で中和し、ポリアクリル酸ナトリ
ウム溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウムの重量平均
分子量8,000、分子量分布1.6であった。
【0041】比較例1 連鎖移動剤Aを使用しない以外は、実施例1と同様にし
てポリアクリル酸ナトリウム溶液を得た。ポリアクリル
酸ナトリウムの重量平均分子量9,000、分子量分布
2.2であった。
【0042】実施例2 耐圧反応容器にイソプロピルアルコール100部、水3
3部、連鎖移動剤B20部、アクリル酸の80%水溶液
38部、過硫酸ナトリウム10%水溶液10部を仕込
み、窒素置換後密閉した。ついで攪拌下105℃に昇温
し、同温度で2時間反応した後、水酸化ナトリウム48
%水溶液35部で中和し、ポリアクリル酸ナトリウム溶
液を得た。ポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量
9,000、分子量分布1.7であった。
【0043】比較例2 連鎖移動剤Bを使用しない以外は、実施例2と同様にし
てポリアクリル酸ナトリウム溶液を得た。ポリアクリル
酸ナトリウムの重量平均分子量10,000、分子量分
布2.3であった。
【0044】実施例3 耐圧反応容器にイソプロピルアルコール260部、水8
5部を仕込み、窒素置換後密閉し、100℃に昇温し
た。攪拌下メタアクリル酸300部と連鎖移動剤A20
部の均一混合物と、過硫酸ナトリウム4%水溶液80部
とを別々の容器から同時に、4時間かけて滴下した。同
温度で1時間保持した後、水酸化ナトリウム48%水溶
液350部で中和し、ポリメタアクリル酸ナトリウム溶
液を得た。ポリメタアクリル酸ナトリウムの重量平均分
子量11,000、分子量分布1.6であった。
【0045】比較例3 連鎖移動剤Aを使用しない以外は、実施例3と同様にし
てポリメタアクリル酸ナトリウム溶液を得た。ポリメタ
アクリル酸ナトリウムの重量平均分子量11,000、
分子量分布2.3であった。
【0046】試験例1 綿メリヤスを下記条件で精練し、その精練後の湿潤性を
調べた。結果を表1に示す。 精練条件:カセイソーダフレーク10g/l、グランア
ップCS−500(三洋化成工業製精練剤)2g/l、
精練性向上剤(実施例1〜3、比較例1〜3)2g/l
の精練浴に綿メリヤスの生機をいれステンレスビーカー
中で、浴比1:15、95℃,20分間精練した。湯洗
(60℃,2分間)を2回,流水洗2分行い、脱水,乾
燥した。 評価:精練処理したサンプルをパイレック法による30
秒間の吸水高さを測定し、湿潤性の尺度とした。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の精練性向上剤は、良好な精練性
を示し、精練後の繊維の湿潤性に優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 位田 好美 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三 洋化成工業株式会社内 審査官 川上 美秀 (56)参考文献 特開 昭59−187669(JP,A) 特開 昭59−192770(JP,A) 特開 昭60−146074(JP,A) 特開 昭61−266665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 20/04 - 20/06 C08F 22/02,2/38 C08F 220/04 - 220/06 C08F 222/02 C08F 120/04 - 120/06 C08F 122/02 D06L 1/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−不飽和カルボン酸(塩)を構成
    単位として、ラジカル重合開始剤及び下記一般式(1)
    で表されるラジカル重合用連鎖移動剤を使用して重合し
    て得られる(共)重合体からなる繊維用精練性向上剤。 一般式 式中、p、q、r、xはそれぞれ0または1、mは1〜
    50の整数、nは2〜100の整数を表す。Qはn価の
    多価有機基であって、p=0のときは多価アルコールま
    たは多価フェノールからOHを除いた残基、p=1のと
    きは多価カルボン酸からCOOHを除いた残基を表し、
    はカルボニル基または−CONH−であり、A
    は炭素数1〜8のアルキレン基であり、Xは酸素
    原子、硫黄原子またはNH基であり、ZはSH、SR、
    SSR、CX(Rは炭素数1〜20のアルキル、アリ
    ール、アラルキル、アルコキシ、アリーロキシまたはシ
    クロアルキル基で、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ
    基もしくはニトロ基で置換されていてもよい。Xは塩素
    原子または臭素原子。)からなる群から選ばれる連鎖移
    動基であり、[]内および、mが2〜50の場合の{}
    内はそれぞれ同一でも異なっていても良い。
  2. 【請求項2】 α,β−不飽和カルボン酸(塩)が(メ
    タ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸お
    よびこれらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請
    求項1記載の向上剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、ZがSHである
    請求項1又は2記載の向上剤。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、p、q、r、x
    がそれぞれ0、Xが酸素原子である請求項1〜3のい
    ずれか記載の向上剤。
  5. 【請求項5】 重合を、溶液重合で行うことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか記載の向上剤。
  6. 【請求項6】 非イオン界面活性剤またはアニオン界面
    活性剤に請求項1〜5のいずれか記載の向上剤を含有さ
    せてなる組成物。
  7. 【請求項7】 さらにビルダーを含有させてなる請求項
    6記載の組成物。
JP20904095A 1995-07-24 1995-07-24 精練性向上剤 Expired - Fee Related JP2955739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20904095A JP2955739B2 (ja) 1995-07-24 1995-07-24 精練性向上剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20904095A JP2955739B2 (ja) 1995-07-24 1995-07-24 精練性向上剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0931126A JPH0931126A (ja) 1997-02-04
JP2955739B2 true JP2955739B2 (ja) 1999-10-04

Family

ID=16566267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20904095A Expired - Fee Related JP2955739B2 (ja) 1995-07-24 1995-07-24 精練性向上剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2955739B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5945896B2 (ja) * 2011-09-30 2016-07-05 日油株式会社 分岐型ヘテロ多官能性ポリオキシアルキレン化合物、及びその中間体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0931126A (ja) 1997-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5223592A (en) Process for polymerization of itaconic acid
US4559159A (en) Copolymers, their preparation and their use as assistants in detergents and cleansing agents
US5650473A (en) Methods for making styrene copolymers and uses thereof
US7429558B2 (en) Azetidinium modified polymers and fabric treatment composition
JP4938937B2 (ja) 両親媒性ポリマー
KR960700281A (ko) 생물학적 분해성 공중합체, 이를 제조하는 방법 및 그 용도(biodegradable copolymers, method of producing them and their use)
JPH01185398A (ja) 洗剤組成物
CA2038332A1 (en) Preparation of homopolymers and copolymers of monoethylenically unsaturated dicarboxylic acids and use thereof
US8859484B2 (en) Detergent compositions comprising graft polymers having broad polarity distributions
CA2055479A1 (en) Copolymerizates formed by polymerization of monomers containing polyalkylene oxide blocks, their preparation and use
JPS63265998A (ja) ポリエステル系グラフト重合体を有効成分とする洗濯用灰色化防止剤及びこれを含有する洗剤
US4980088A (en) Detergent compositions with copolymers of 1,2-dialkoxyethylenes and monoethylenically unsaturated dicarboxylic anhydrides
JP2955739B2 (ja) 精練性向上剤
US5503767A (en) Anti-static rinse added fabric softener
US20060123559A1 (en) Fabric care composition
JP2955740B2 (ja) 精練性向上剤
JP2001087640A (ja) 分散剤
JP2000198809A (ja) α,β―不飽和カルボン酸(塩)(共)重合体の製造方法
CA2266264A1 (en) Graft sizes containing anhydride-based graft copolymers
JP3364608B2 (ja) 洗浄剤用ビルダーおよび洗浄剤
JPH09100302A (ja) 分散剤
JP2003105383A (ja) 洗浄剤
JP2020122054A (ja) 共重合体、衣料洗浄剤用再汚染防止剤、及び共重合体の製造方法
JPS61275466A (ja) セルロ−ス系繊維の精練性向上剤
JP2000169654A (ja) 分散剤

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees