JP2955520B2 - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2955520B2
JP2955520B2 JP27764496A JP27764496A JP2955520B2 JP 2955520 B2 JP2955520 B2 JP 2955520B2 JP 27764496 A JP27764496 A JP 27764496A JP 27764496 A JP27764496 A JP 27764496A JP 2955520 B2 JP2955520 B2 JP 2955520B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速応答に対応す
る電磁弁に関し、さらに詳細には、主として選別機のエ
ジェクタに使用される電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、穀物等中に含まれている石や
泥、不良穀物等の異物をセンサにて識別し、その異物を
選別する選別機のエジェクタとして、電磁弁が使用され
ている。そこで、この選別機の動作原理について図6を
参照して説明する。選別機は、穀物等を貯蔵し、フィー
ダに穀物等を送り込むホッパ100と、穀物等をシュー
タに供給するフィーダ101と、センサ部に穀物等を送
るシュート102と、石や泥等の異物を識別するセンサ
103と、そのセンサからの信号を基にエジェクタを作
動させる制御部と、異物をエアで吹き飛ばすエジェクタ
104と、から構成されている。
【0003】まず、ホッパ100からフィーダ101に
よって送り出された穀物等は、シュート102に供給さ
れる。シュート102に供給された穀物等は、シュート
102上で、センサ103の検出位置S及びエジェクタ
のエア排出口Rに対応するように配列される。そして、
シュート102が斜めに設置されているので、前記のよ
うに配列された穀物等は、その状態を保ったまま順次セ
ンサの検出位置S及びエジェクタのエア排出口R上に供
給される。センサ検出位置Sにおいて、石や泥等の異物
を検出すると、その検出信号が制御部に送られ、制御部
が検出信号に基づいて、エジェクタ104へ作動信号を
送る。その作動信号によってエジェクタ104が作動
し、石や泥等の異物をエアで吹き飛ばし異物を選別す
る。一方、穀物等はセンサの検出位置S及びエジェクタ
のエア排出口R上を素通りして、収納容器Pに収まる。
このようにして、穀物等中に含まれる石や泥等の異物を
選別している。
【0004】ここで、エジェクタ104として使用され
ている電磁弁について図5を参照にして説明する。図5
は電磁弁のソレノイド部50の断面を示している。ソレ
ノイド部50には両端部にフランジを有する中空円筒状
のコイルボビンの胴部に導線が巻かれたコイル53があ
り、コイルボビン孔内の図中上端に固定鉄心54が中央
付近まで挿入され固定されている。一方、コイルボビン
孔内の図中下端には、摺動可能に嵌合された可動鉄心5
1が保持されている。また、可動鉄心51の端部には、
弁座(図示せず)と当接する部分に弁シート52が埋め
込まれている。
【0005】一方、図示は省略するが、電磁弁の弁部に
は、入力ポートと出力ポートが形成され、可動鉄心51
の下端と弁シート52が収納される弁室と、入力ポート
と出力ポートとを連通させる弁座とが設けられている。
【0006】次に、上記構成を有する電磁弁の動作につ
いて説明する。図5はコイル53に通電されていない状
態を示す。この状態においては、入力ポートからエアが
弁室内に供給されているので、そのエア圧により弁シー
ト52及び可動鉄心51が下方に付勢され弁シート52
が弁座に当接している。よって、このとき入力ポートと
出力ポートとは連通していない。ここで、コイル53に
通電すると、固定鉄心54の上下方向に磁界が発生し、
固定鉄心54と可動鉄心51により磁気回路が形成さ
れ、固定鉄心54は電磁石となり可動鉄心51を吸引す
る。この吸引力は、弁シート52及び可動鉄心51を下
方へ付勢しているエア圧よりも強いので、可動鉄心51
が固定鉄心54に当接するまで上方に移動する。可動鉄
心51の移動に伴い弁シート52も移動するので、弁シ
ート52が弁座から離間し、入力ポートと出力ポートと
が連通する。
【0007】そして、上記電磁弁は、横に並べてマニホ
ールド化し、選別機のエジェクタとして使用されてい
る。このエジェクタの大きさにより選別機の大きさが決
定してしまう。また、選別機においても、他の産業機器
と同様に、小型化が市場から要求されている。このた
め、エジェクタとして使用されている電磁弁の幅自体を
短く(幅10mm以下)できるように、電磁弁を小型化
する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エジェクタとして使用されている電磁弁では、幅10m
m以下で設計しようとしても、10mm幅内で可動鉄心
51とコイル53の設置スペースの配分が決まっている
ために、所定の性能を出することができない。すなわ
ち、必要以上の吸引力を発生させることができなかっ
た。そこで、従来より15mm幅以上の電磁弁を使用し
性能を確保しているため、エジェクタの小型化、すなわ
ち選別機を現状より小型化することができなかった。
【0009】また、従来の電磁弁において、電磁弁を高
速作動させるために比較的高い電圧を印加しているこ
と、及び弁シートを含めた可動鉄心の自重が軽減できな
いことにより、可動鉄心が固定鉄心に衝突するときの衝
撃力が大きいため、摩耗してしまい耐久性に問題があっ
た。
【0010】そこで、本発明は上記した問題点を解決す
るためになされたものであり、小型化が可能であり、し
かも耐久性及び応答性を向上させることができる電磁弁
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1の発明によれば、コイルボビンの胴部に
導線が巻かれてなるコイルと、コイルボビン孔に固定的
に設けられた固定鉄心と、コイル通電時に固定鉄心に発
生される電磁力により固定鉄心側に吸着される可動鉄心
と、固定鉄心に吸着される可動鉄心の動きに連動して開
閉動作を行なう弁機構と、を有する電磁弁において、前
記コイルボビンの両側に、前記固定鉄心の両端に連結さ
れた磁性体鉄板を設け磁気枠を形成して、前記コイルボ
ビン孔の開口方向と、前記可動鉄心の摺動方向とが直交
するように前記コイルを配置したことを特徴とする。
【0012】コイルボビンの両側に、固定鉄心の両端に
接合される磁性体鉄板を設け、コイルボビン孔の開口方
向と、可動鉄心の摺動方向とが直交するようにコイルを
配置することにより、固定鉄心と磁性体鉄板により構成
される電磁枠と、可動鉄心とにより磁気回路が形成さ
れ、磁気を効率よく取り込むことができるので、現状の
性能を保ちつつ、幅を10mm以下にすることが可能と
なった。従って、請求項1に記載する電磁弁を使用しエ
ジェクタを構成して、このエジェクタを使用することに
よって選別機を小型化することができる。
【0013】請求項2の発明によれば上記問題点を解決
するために、請求項1に記載する電磁弁において、前記
可動鉄心が平板状の構造を有することを特徴とする。
【0014】可動鉄心を平板状にしたことと、小型にし
たことにより、従来の可動鉄心に比べて、大幅に自重を
軽減することができたので、慣性重量が低減する。従っ
て、応答時間の向上、さらには固定鉄心との衝突による
衝撃力が低減されるので、可動鉄心の摩耗が減り、電磁
弁の耐久性が向上する。さらに、可動鉄心を固定鉄心に
当接させずに、磁性体鉄板に当接させているので、衝突
時の接触面積が増大し、片当り等による可動鉄心の偏摩
耗を防止することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電磁弁につい
て、具体化した実施の形態を挙げ、図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る電磁弁
の正面方向の断面を示し、図2は側面方向の断面を示
し、図3は図1に示すA−A断面の矢視図であり、図4
はソレノイド部の断面を示している。
【0016】図1に示すように、電磁弁1は上半分のソ
レノイド部10と下半分の弁部20により構成されてい
る。ソレノイド部10と弁部20は、所定の固定ネジ
(図示せず)により連結され固定されている。また、連
結面からエアが洩れないように、弁部に設けたガスケッ
ト溝2a(図3参照)にシールガスケット2が装着され
ている。弁部20の構成は従来の電磁弁と同じであり、
入力ポートPと出力ポートRと、可動鉄心11を収納す
る弁室21、弁室21内にあって入力ポートPと出力ポ
ートRとを連通させる弁座22とが設けられている。図
3に示すように、弁室21は、可動鉄心11のより少し
大きめに形成され、可動鉄心11のガイドにもなってい
る。弁座22は、可動鉄心11と同軸上に形成され、可
動鉄心11が当接する位置に配置されている。また、入
力ポートPと出力ポートRには、ワンタッチ形継手3が
装着されており、配管チューブ等の脱着を容易に行なう
ことができるようになっている。
【0017】一方、本発明の特徴部分であるソレノイド
部10は、中空円筒状のコイルボビン12の胴部に導線
が巻かれたコイル13が中央部に、コイルボビン孔の開
口方向と、可動鉄心11の摺動方向とが直交するように
配置している。また、コイルボビン孔には、磁性体金属
である固定鉄心14が挿入され固定されている。さら
に、コイルボビン12の両側には、磁性体鉄板15が配
置され固定鉄心14に連結されている。すなわち、コイ
ル13の外周に馬蹄形(図4に示すように断面ではH形
となる)の磁気枠18が形成されている。そして、コイ
ル13及び磁気枠18はガイド16により位置決めさ
れ、ソレノイド部10の外面は樹脂17により全体が一
体化するようにモールド固定されている。
【0018】コイル13をコイルボビン孔の開口方向
と、可動鉄心11の摺動方向とが直交するように配置す
ることにより、電磁弁幅を小さくすることができた。具
体的には、従来の電磁弁では15mm以上あったのが、
本実施の形態では電磁弁では10mmとなった。この幅
方向の縮小により、電磁弁をマニホールド化して構成す
るエジェクタを小型化することができ、その結果として
選別機を小型化することが可能となる。
【0019】また、可動鉄心11は、従来のように円柱
形状ではなく平板状の直方体形状の磁性体金属、例えば
SUS410系等である。この可動鉄心11は従来の弁
シートも兼用している。ここで、可動鉄心は直方体に限
られるわけではなく、丸型や異形体等の形状でもよい。
これにより、従来の可動鉄心及び弁シートの総重量約
1.5〜3.0gに対して、本実施の形態では1g以下
となり、重量を40%以上軽減することができた。この
重量軽減により、可動鉄心11の摺動時の慣性重量が大
幅に低減するので、応答性が向上、さらには磁性体鉄板
15との衝突時の衝撃力が小さくなるため、可動鉄心1
1の摩耗が減り、耐久性が向上する。さらに、コイル通
電時に、この可動鉄心11は従来の電磁弁のように直接
固定鉄心14とは当接せずに、磁性体鉄板15の下端部
に当接する。従って、接触面積が増すこと、及び可動鉄
心11の自重低減により、可動鉄心11の摩耗が大幅に
低減する。
【0020】次に、上記構成を有する電磁弁1の動作に
ついて説明する。図1はコイル13に通電されていない
状態を示す。この状態においては、入力ポートPから加
圧エア(通常は約2〜4kgf/cm2 )が弁室21内
に供給されている。一方、出力ポートRは大気開放とな
っているので、そのエア圧により可動鉄心11が下方に
付勢され弁座22に当接している。よって、このとき入
力ポートPと出力ポートRとは遮断されている。
【0021】ここで、コイル13に通電すると磁界が発
生し、この磁界は固定鉄心14と磁性体鉄板15により
構成される磁気枠18と、可動鉄心11とにより磁気回
路が形成される。よって、磁気枠18が電磁石となり可
動鉄心11を吸引する。この吸引力は、可動鉄心11を
下方へ付勢しているエア圧よりも強いので、可動鉄心1
1が磁性体鉄板15の下端部に当接するまで上方に移動
する。よって可動鉄心11が弁座22から離間し、入力
ポートPと出力ポートRとが連通する。
【0022】すなわち、エジェクタとして電磁弁を使用
するときは、図6に示すように、センサ検出位置Sにお
いて、石や泥等の異物を検出すると、その検出信号が制
御部に送られ、制御部が検出信号に基づいて、エジェク
タ104、すなわち電磁弁1へ作動信号を送る。その作
動信号によって電磁弁1のコイル13に通電され、入力
ポートPと出力ポートRとが連通して、出力ポートRか
ら加圧エアが排出されて、石や泥等の異物をエアで吹き
飛ばし異物を選別している。
【0023】このときの電磁弁1の応答時間を調べたと
ころ次のような結果が得られた。ここで応答時間とは、
電磁弁の入力ポートに2kgf/cm2 の加圧エアを供
給した状態において、60Vの電圧を印加したとき、出
力ポートにおいて圧力が立ち上がるまでの時間をいう。
応答時間は従来の電磁弁では約0.8msecであった
のが、本実施の形態の電磁弁では0.6msecとな
り、約25%の応答時間の短縮ができた。この応答時間
の短縮により、エジェクタの選別精度が向上する。
【0024】以上本発明の実施の形態について説明した
が、本発明は上記実施の形態に限ることなく、色々な応
用が可能である。例えば本実施の形態では、選別機のエ
ジェクタとして使用される電磁弁について例示したが、
その他いろいろな産業用の機械設備に使用される電磁弁
にも適用することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の電磁弁によれば、コイルボビン
の外周に導線が巻かれてなるコイルと、コイルボビン孔
に固定的に設けられた固定鉄心と、コイル通電時に固定
鉄心に発生される電磁力により固定鉄心側に吸着される
可動鉄心と、固定鉄心に吸着される可動鉄心の動きに連
動して開閉動作を行なう弁機構と、を有する電磁弁にお
いて、前記コイルボビンの両側に、前記固定鉄心の両端
に接合される磁性体鉄板を設け磁気枠を形成して、前記
コイルボビン孔の開口方向と、前記可動鉄心の摺動方向
とが直交するように前記コイルを配置したことにより、
固定鉄心と磁性体鉄板により構成される電磁枠と、可動
鉄心とにより磁気回路が形成され、磁気を効率よく取り
込むことができ、現状の性能以上を保ちつつ、幅を10
mm以下にすることが可能となった。従って、本発明の
電磁弁を使用しエジェクタを構成して、このエジェクタ
を使用することによって選別機を小型化することができ
る。
【0026】さらに、可動鉄心を平板状の直方体形状に
したことにより、従来の可動鉄心に比べて、大幅に自重
を軽減することができたので、慣性重量が低減するた
め、応答時間の向上、さらには固定鉄心との衝突による
可動鉄心の摩耗が減り、電磁弁の耐久性が向上する。ま
た、可動鉄心を固定鉄心に当接させずに、磁性体鉄板に
当接させているので、衝突時の接触面積が増大し、片当
り等による可動鉄心の偏摩耗を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電磁弁の正面方向
における断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る電磁弁の側面方向
における断面図である。
【図3】図1に示すA−A方向からの矢視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る電磁弁のソレノイ
ド部の断面図である。
【図5】従来の電磁弁のソレノイド部の断面図である。
【図6】選別機の構成と作動原理を示した説明図であ
る。
【符号の説明】
1 電磁弁 10 ソレノイド部 11 可動鉄心(兼弁シート) 12 コイルボビン 13 コイル 14 固定鉄心 15 磁性体鉄板 18 磁気枠 20 弁部 21 弁室 22 弁座 P 入力ポート R 出力ポート

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルボビンの胴部に導線が巻かれてな
    るコイルと、 コイルボビン孔に固定的に設けられた固定鉄心と、 コイル通電時に固定鉄心に発生される電磁力により固定
    鉄心側に吸着される可動鉄心と、 固定鉄心に吸着される可動鉄心の動きに連動して開閉動
    作を行なう弁機構と、を有する電磁弁において、 前記コイルボビンの両側に、前記固定鉄心の両端に連結
    された磁性体鉄板を設け磁気枠を形成して、 前記コイルボビン孔の開口方向と、前記可動鉄心の摺動
    方向とが直交するように前記コイルを配置したことを特
    徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する電磁弁において、 前記可動鉄心が平板状の構造を有することを特徴とする
    電磁弁。
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