JP2955338B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射装置

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JP2955338B2
JP2955338B2 JP2236155A JP23615590A JP2955338B2 JP 2955338 B2 JP2955338 B2 JP 2955338B2 JP 2236155 A JP2236155 A JP 2236155A JP 23615590 A JP23615590 A JP 23615590A JP 2955338 B2 JP2955338 B2 JP 2955338B2
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、燃料噴射ポンプと燃料噴射弁との間に、加
圧された燃料を蓄える蓄圧室を有するディーゼルエンジ
ン用の燃料噴射装置に関する。
[従来の技術] ディーゼルエンジンに用いられる燃料噴射装置は、適
量の燃料を加圧するプランジャ形の燃料噴射ポンプと、
この加圧された燃料をエンジンの燃焼室内に噴射する燃
料噴射弁を備えている。
上記燃料噴射ポンプは、ポンプハウジングのシリンダ
内にプランジャを軸方向に摺動可能に収容して構成さ
れ、このプランジャの先端とシリンダの終端との間に、
燃料を吸入・圧縮するためのポンプ室が形成されてい
る。そして、このポンプ室の吐出口には、加圧された燃
料を上記燃料噴射弁に導く燃料噴射管が接続されてい
る。
ところで、この種の燃料噴射装置において、従来、燃
料噴射弁に供給される燃料圧力を均一化したり、燃料噴
射ポンプが吸入行程にある時期でも燃料噴射を行うこと
を目的として、上記燃料噴射管の途中に、加圧された燃
料を蓄える大容量の蓄圧室を設けたものが知られてい
る。この蓄圧室は、燃料噴射ポンプのポンプハウジング
とは別体をなすタンク内に形成され、上記ポンプ室から
離れた位置に設けられていた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、この構成によると、燃料噴射管の途中
に蓄圧用のタンクが位置するので、このタンクを始めと
して、タンクと燃料噴射管とを液密に接続する管継手が
必要となり、配管構造が複雑化する不具合がある。
しかも、ポンプ室の吐出口は、細い燃料噴射管に連な
るので、この吐出口から蓄圧室までの容量が少なくな
り、流路抵抗が大きくなる。このため、プランジャが圧
縮行程に至った際に、プランジャを押し戻そうとする抵
抗力が増大し、その分、プランジャの駆動トルクが大き
くなって、エンジンのロス馬力は多くなるといった問題
もある。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもの
で、プランジャの駆動トルクを少なくでき、しかも、蓄
圧室に蓄えられる燃料の圧力を均一化しつつ、この蓄圧
室内で燃料を濾過することができ、より安定した燃料噴
射が可能となるとともに、ポンプ室よりも下流側の燃料
の流れ経路を簡略化することができるディーゼルエンジ
ンの燃料噴射装置の提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明に係るディーゼルエ
ンジンの燃料噴射装置は、 シリンダを有するポンプハウジングと; このポンプハウジングのシリンダに軸方向に摺動可能
に収容されたプランジャと、このプランジャの先端とシ
リンダの終端との間に形成され、上記プランジャで加圧
された燃料を吐き出す吐出口を有するポンプ室と、を含
む燃料噴射ポンプと; 上記ポンプハウジングに形成され、上記吐出口から吐
き出される加熱燃料を蓄える蓄圧室と; この蓄圧室に接続され、蓄圧室に蓄えられた加圧燃料
を燃料噴射弁に導く燃料通路と;を具備し、 上記蓄圧室に、この蓄圧室の内部を上流室と下流室と
に区画する燃料フィルタを配置し、この蓄圧室の上流室
に上記ポンプ室の吐出口を連通させるとともに、上記蓄
圧室の下流室に上記燃料通路を接続し、 また、上記上流室と吐出口との連通部分に、上記上流
室内に突出されて、その突出端に上記吐出口に連なる開
口部を有するガイド体を設置したことを特徴としてい
る。
[作用] この構成によれば、ポンプ室の吐出口は、ポンプハウ
ジング内において容量の大きな蓄圧室に直接開口するの
で、ポンプ室から蓄圧室までの燃料の流れ経路が短くな
り、ポンプ室で加圧された燃料は、吐出口を通じて速や
かに蓄圧室に流出する。このため、吐出口よりも下流側
の流路抵抗が少なく抑えられ、その分、プランジャの駆
動トルクを低減することができる。
また、蓄圧室がポンプ室に隣接したポンプハウジング
内に形成されるので、この蓄圧室と吐出口とを結ぶ外部
配管や管継手類が不要となる。このため、従来に比べて
配管構造を簡略化することができ、燃料噴射装置のコス
トを低減することができる。
しかも、蓄圧室には燃料フィルタが存在するので、ポ
ンプ室から蓄圧室に供給された燃料は、燃料通路に導か
れる過程で燃料フィルタにより濾過され、燃料中に含ま
れる異物が除去される。それとともに、燃料フィルタ
は、容量の大きな蓄圧室に収められているので、燃料通
路の途中に燃料フィルタを設置する必要はなく、ポンプ
室から燃料噴射弁に至る燃料の流れ経路に燃料の濾過機
能を付加したにも拘わらず、燃料通路の構成を簡略化す
ることができる。
加えて、ポンプ室の吐出口から引き出される燃料は、
ガイド体の開口部を介して蓄圧室の上流室に供給される
が、この上流室への燃料の供給端となる開口部は、上流
室内に突出されているので、開口部から上流室に供給さ
れた燃料は、直ちに上流室の広い範囲に亘って拡散され
る。このため、プランジャの作動に伴う燃料の脈動を吸
収できるとともに、蓄圧室に蓄えられる燃料の圧力を均
一化することができ、燃料通路を介して燃料噴射弁に導
かれる燃料の圧力変動を確実に防止することができる。
[実施例] 以下本発明を、図面に示す一実施例にもとづいて説明
する。
第1図ないし第4図は、燃料噴射装置1を示してお
り、この燃料噴射装置1は、ケーシング2を備えてい
る。ケーシング2内には、駆動軸3が支持されており、
この駆動軸3は、ディーゼルエンジン4のクランク軸5
によって回転駆動される。駆動軸3は、ケーシング2内
のロータリー式フィードポンプ6を回転駆動している。
このフィードポンプ6は、燃料タンク7内の燃料を吸い
上げた後、この燃料をケーシング2内の低圧燃料室8に
供給するようになっている。
駆動軸3の一端には、カップリング9を介してカムプ
レート10が連結されている。カムプレート10の一端面に
は、エンジン4の気筒数に対応した複数のフェイスカム
11が形成され、これらフェイスカム11は、複数のローラ
12に接している。ローラ12は、リング状のローラホルダ
13を介してケーシング2に支持されている。
したがって、駆動軸3が回転すると、カムプレート10
のフェイスカム11がローラ12に順次接触していくので、
このカムプレート10は、一回転する間にエンジン4の気
筒数に対応した数だけ駆動軸3の軸方向に往復動され
る。
ケーシング2には、ポンプハウジング14が連結されて
いる。ポンプハウジング14は、カムプレート10に対向し
ており、このポンプハウジング14内には、プランジャ形
の燃料噴射ポンプ15が設けられている。燃料噴射ポンプ
15は、低圧燃料室8に開口するシリンダ16を備えてい
る。シリンダ16内には、プランジャ17が軸方向に摺動可
能に装着されている。プランジャ17の一端は、カムプレ
ート10に同軸状に連結されており、このプランジャ17
は、カムプレート10と一体に回転しつつ軸方向に往復動
される。
プランジャ17とシリンダ16の終端との間には、ポンプ
室18が形成されている。ポンプ室18の周面には、低圧燃
料室8に連なる吸入通路19が開口されている。吸入通路
19のポンプ室18への開口端は、プランジャ17がシリンダ
16から引き出された際に、ポンプ室18に連通する構成と
なっており、この連通により低圧燃料室8内の燃料がポ
ンプ室18に吸入される。
ポンプハウジング14の側面には、凹部20が形成されて
いる。凹部20は、ポンプハウジング14にボルト締めした
チャンバケース21によって覆われており、このチャンバ
ケース21と凹部20との間には、大容量の蓄圧室22が形成
されている。この蓄圧室22は、ポンプ室18に隣接した状
態でポンプハウジング14内に一体に設けられている。ま
た、このポンプ室18の終端に、加圧された燃料を吐き出
す吐出口23が形成されている。この吐出口23は、ポンプ
ハウジング14内で蓄圧室22に開口されている。
このため、プランジャ17がシリンダ16内に押し込まれ
ると、ポンプ室18に吸入された燃料が加圧されて、吐出
口23から蓄圧室22に吐出され、この蓄圧室22に蓄えられ
るようになっている。
吐出口23と蓄圧室22との連通部分には、ポンプ室18か
ら蓄圧室22に向かう燃料の流れのみを許容する送出し弁
24は、ガイド体としての筒状のバルブボデー26を備えて
いる。このバルブボデー26の内部には、吐出口23を開閉
する弁体25が保持されており、この弁体25は、常に吐出
口23を閉じる方向に付勢されている。バルブボデー26
は、蓄圧室22の内部に突出しており、このバルブボデー
26の突出端には、吐出口23に連なる開口部27が形成され
ている。このため、燃料噴射ポンプ15で加圧された燃料
は、吐出口23から開口部27を通じて蓄圧室23に供給され
るようになっている。
ポンプハウジング14とチャンバケース21との間には、
燃料フィルタ30が挾み込まれている。燃料フィルタ30
は、蓄圧室22に収容されて、この蓄圧室22を上流室22a
と下流室22bとに区画しており、この上流室22内に上記
バルブボデー26が突出されている。そして、チャンバケ
ース21には、蓄圧室22に蓄えられた燃料を燃料噴射弁32
に供給する燃料通路31が接続されており、この燃料通路
31は、上記下流室22bに連なっている。
なお、上記燃料噴射弁32は、例えば「特開平2−1088
48号公報」に開示されているように、そのバルブボデー
32a内に電磁弁で開閉される燃料蓄圧室を有する蓄圧式
のものである。そして、この燃料噴射弁32は、電磁弁を
所定のタイミングでコンピュータ制御することで、燃料
を噴射するとともに、この燃料噴射期間は、アイドリン
グを含む全回転域に亘って、略一定のクランク角の範囲
内に規定されている。
一方、ポンプハウジング14の上面には、凹陥部35が形
成されている。凹陥部35には、圧力可変装置36が取り付
けられている。圧力可変装置36は、凹陥部35に嵌合され
たハウジング37を有している。ハウジング37の中央部に
は、第1のシリン38が形成されており、このシリンダ38
は、ハウジング37の上面に開口されている。そして、ハ
ウジング37は、凹陥部35にねじ込んだ円筒状のナット39
によって、ポンプハウジング14に抜け止め固定されてい
る。第1のシリンダ38は、ハウジング37の底面およびポ
ンプハウジング14に形成した導入路40を介して蓄圧室22
の上流室22aに連なっており、この第1のシンリンダ38
内には、上記プランジャ17で加圧された燃料の一部が導
入される。
ポンプハウジング14の上面には、ピストンケース42が
取り付けられている。ピストンケース42は、上記ハウジ
ング37やナット39を覆い隠しており、このピストンケー
ス42の内部には、ピストンケース42の下面に開口する第
2のシリンダ43が形成されている。第2のシリンダ43
は、第1のシリンダ38と同軸状に配置されており、しか
も、この第1のシリンダ38よりも格段に大径に形成され
ている。この第2のシリンダ38内には、ピストン44が軸
方向に摺動可能に嵌合されている。ピストン44の下面中
央部には、小径部45が同軸状に突設されている。小径部
45は、第1のシリンダ38に軸方向に摺動可能に嵌合され
ており、この小径部45の先端と第1のシリンダ38の底面
との間には、上記導入路40が開口する下部化圧室46が形
成されている。
ピストン44の上面には、略全面に亘る大きさの凹部47
が形成されている。この凹部47と第2のシリンダ43の上
端面との間には、下部加圧室46よりも容量の大きな上部
加圧室48が形成されている。凹部47の底面には、小径部
45内に延びる縦通路49が形成されている。この縦通路49
は、小径部45の先端面に開口する連通口50に連なってお
り、これら縦通路49と連通口50により、下部加圧室46と
上部加圧室48とが互いに連通されている。そして、下部
加圧室46には、上記蓄圧室22から上部加圧室48に向かう
燃料の流れのみを許容するボール弁51が設けられてい
る。
したがって、蓄圧室22内の燃料の一部は、下部加圧室
46と上部加圧室48の双方に導入されるが、この際、上部
加圧室48に臨むピストン44は、下部加圧室46に臨む小径
部45よりも大径で、燃料の受圧面積が大きいため、ピス
トン44を上向きに押圧する力よりも、下向きに押圧する
力の方が大きくなる。このことから、ピストン44は、小
径部45を介してボール弁51を導入路40の開口部に押し付
けてあり、蓄圧室22と下部加圧室46との連通を遮断して
いる。
第3図に示すように、ピストンケース42の側面には、
圧力センサ55が取り付けられている。圧力センサ55は、
ピストンケース42に設けた圧力導入路56を介して上部加
圧室48に臨んでおり、この上部加圧室48内の燃料圧力を
検出するようになっている。
また、ピストンケース42の上面には、装着凹部57が形
成されている。装着凹部57の底面には、上部加圧室48に
連なる燃料逃し孔58が形成されている。装着凹部57内に
は、ホルダ59が嵌合され、ナット60によって抜け止め固
定されている。ホルダ59は、上面が閉塞された円筒状を
なしており、このホルダ59内には、第2図に示すよう
に、燃料逃し孔58を開閉する電磁式の開閉弁61が収容さ
れている。開閉弁61は、上記燃料噴射弁32に供給される
燃料圧力を、エンジン運転状況に応じて変化させるため
のもので、上記装着凹部57内に位置するベース62を備え
ている。ベース62には、燃料逃し孔58に連なる弁孔63が
形成されており、この弁孔63のホルダ59内への開口端に
は、弁孔63を開閉するボール形の弁体64が設けられてい
る。
ホルダ59内には、開閉弁61の駆動部となる電磁石65が
収容されている。電磁石65は、コア66と、このコア66の
外周に巻回されたコイル67と、このコイル67やコア66の
周囲を覆うヨーク68とで構成され、そのコア66がベース
62の上方に位置されている。ヨーク68の下端部は、ベー
ス62の外周にねじ込まれており、このヨーク68とホルダ
59との間には、燃料流通用の間隙69が形成されている。
コア66とベース62との間の空間70には、弁体64を開閉
するためのアーマチュア71が配置されている。アーマチ
ュア71は、コア66の中心部を貫通するガイド軸72を備え
ており、このガイド軸72の先端部が線状のばね部材73に
よって下向きに押圧されている。この押圧により、アー
マチュア71は、弁体64を弁孔63の開口縁部に押し付けて
おり、この弁孔63が閉じられている。
さらに、ヨーク68には、上記空間70と間隙69とを連通
させる連通口74が形成されている。この連通口74は、間
隙69を介してホルダ59の上部の燃料戻し口75に連なって
いる。この燃料戻し口75は、燃料戻し管76を介して燃料
タンク7に接続されている。
したがって、本実施例の場合は、蓄圧室22に連なる導
入路40からホルダ59の燃料戻し口75までの各種の孔や通
路および隙間等によって、プランジャ17で加圧された燃
料の一部を燃料タンク7に戻す燃料戻し通路77が構成さ
れている。
また、上記ポンプハウジング14には、ポンプ室18の周
面に開口する燃料逃し通路80が形成されている。燃料逃
し通路80には、上記燃料戻し管76に接続されている。燃
料逃し通路80の途中には、ここを開閉する電磁弁81が設
けられており、この電磁弁81は、ディーゼルエンジン4
の始動時とこのエンジン4か最大トルクを発生させる回
転数に至った際に、閉じられるようになっている。
ところで、このような構成の燃料噴射装置1は、上記
燃料噴射弁32の噴射期間が略一定であることから、開閉
弁61の電磁石65を励磁させることで、燃料噴射弁32に供
給する燃料圧力を変化させ、燃料の実質的な噴射量をエ
ンジンの運転状況に応じて制御している。
すなわち、電磁石65が励磁されると、アーマチュア71
がコア66に吸引されるので、弁体64の押圧が解除され、
この弁体64が弁孔63内の燃料の圧力を受けて弁孔63から
離脱する。すると、弁孔63が開放され、上部加圧室48内
の燃料が燃料戻し管76に流出する。
このため、ピストン44を下向きに押圧する力が消失す
るので、このピストン44は、小径部45に加わる燃料圧力
を受けて上昇する。このピストン44の上昇により、ボー
ル弁51も導入路40内の燃料圧力を受けて導入路40の開口
端から離脱するので、蓄圧室22内の燃料の一部がボール
弁51や縦通路49を経て上部加圧室48に流出する。
したがって、この燃料の流出分だけ、蓄圧室22内の燃
料圧力が低くなるので、燃料噴射弁32に供給される燃料
圧力も低くなる。そして、この場合、電磁石65に印加さ
れる電圧の大きさによって、アーマチュア71を吸引する
力が変化するので、この電圧が高ければ、アーマチュア
71を吸引する力が大きくなって、弁孔63から弁体64が大
きく離間し、燃料の流出量が多くなる。
これに対し、電磁石65に印加される電圧が低いと、ア
ーマチュア71を吸引する力が弱くなるので、逆に弁孔63
の開度が小さくなり、燃料の流出量が減少する。このこ
とから、電磁石65の印加される電圧の大きさによって、
燃料の流出量、ひいては燃料噴射弁32に供給される燃料
圧力が変化することになる。
一方、電磁石65の励磁を解除すると、アーマチュア71
がばね部材73によって下方に押圧され、弁体64が弁孔63
を閉じるので、上部加圧室48の圧力が上昇し、ピストン
44が再び下向きに押圧される。この押圧により、下部加
圧室46と蓄圧室22との連通が遮断されるので、蓄圧室22
の燃料の流出が停止され、燃料噴射弁32に供給される燃
料圧力が高くなる。
そして、このように電磁石65に印加される電圧は、エ
ンジン運転中、マイクロコンピュータ82から出力される
信号によって制御される。
すなわち、マイクロコンピュータ82には、エンジン運
転中、エンジンの運転状況を示すデータとして、エンジ
ン回転数およびアクセル開度に対応したエンジン負荷
と、上記圧力センサ55からの燃料圧力を示す信号が入力
される。そして、マイクロコンピュータ82は、これら信
号にもとづいてエンジン運転状況を判断し、電磁石65に
印加すべき電圧を決定する。
この電圧を決定するに際して、マイクロコンピュータ
82には、上記エンジン回転数およびエンジン負荷を基準
として、その時のエンジン運転状況に最適な電磁石65の
印加電圧を導くためのマップが予め記憶されている。
第5図は、電磁石65の印加電圧を導くためのマップの
一例を示しており、第6図は、エンジン回転数およびエ
ンジン負荷を基準として、その時のエンジン運転状況に
最適な燃料圧力を導くマップの一例を示している。
これらマップから分かるように、基準電圧は、0.47
(V)〜4.8(V)の範囲内で変化し、この基準電圧の
変化に応じて、燃料噴射弁32に供給される燃料圧力は、
83.5(kg/cm2)〜300(kg/cm2)の範囲内で変化するよ
うに規定されている。
ここで、上記マイクロコンピュータ82が行う処理内容
について、第7図を加えて説明する。
まず、マイクロコンピュータ82は、圧力センサ55から
送られてくる燃料圧力を電圧V1に変換する。それととも
に、このマイクロコンピュータ82は、検出された実際の
エンジン回転数およびエンジン負荷にもとづいて、上記
マップ上から電磁石65に印加すべき電圧、つまり、基準
電圧V2を検索し、この基準電圧V2と上記実際の燃料圧力
を示す電圧V1とを比較する。
この比較により、実際の検出電圧V1が基準電圧V2を上
回っていると判断すると、マイクロコンピュータ82は、
電磁石65にこれを励磁させる駆動パルスを送出する。
すなわち、第8図は、プランジャ17の動きと上部加圧
室48(蓄圧室22)の燃料圧力との関係を示すもので、圧
力センサ55から送られてくる圧力信号は、電圧V1と比例
関係にある。ここで、第8図中(a)は、燃料圧力を制
御しない場合のプランジャ17の動きと電圧V1との関係を
示し、第8図中(b)は、燃料圧力を制御する場合のプ
ランジャ17の動きと電圧V1との関係を示している。
この第8図中(b)に示すように、上部加圧室48の燃
料圧力を示す電圧V1が、その時の運転状況に最適な基準
電圧V2を上回ると、マイクロコンピュータ82から駆動パ
ルスが送出され、電磁石65が励磁される。この電磁石65
の励磁により、開閉弁61が開操作され、蓄圧室22や上部
加圧室48の燃料が燃料戻し管76に逃されるので、蓄圧室
22や上部加圧室48の燃料圧力が低下する。このため、電
圧V1が低下するとともに、燃料噴射弁32に供給される燃
料圧力も低くなる。
この燃料の流出により、電圧V1が基準電圧V2を下回る
と、電磁石65への通電が停止され、電磁石65の励磁が解
除される。すると、開閉弁61が閉操作され、蓄圧室22や
上部加圧室48からの燃料の流出が停止されるので、これ
ら蓄圧室22や上部加圧室48の燃料圧力が再び上昇する。
このため、電圧V1が上昇するとともに、燃料噴射弁32に
供給される燃料圧力が高くなる。
電圧V1の上昇により、この電圧V1が基準電圧V2を上回
ると、再び電磁石65に駆動パルスが出力され、以降、開
閉弁65は、電圧V1が基準電圧V2に一致するように開閉動
作を繰り返すことになる。
したがって、実際に燃料噴射弁32に供給される燃料圧
力は、予め決定されたエンジン運転状況に最適な燃料圧
力に合致するように制御されることになる。
ところで、上記構成の燃料噴射装置1においては、ポ
ンプハウジング14内に、燃料噴射ポンプ15のポンプ室18
に隣接して、プランジャ17で加圧された燃料を蓄える蓄
圧室22を設け、この蓄圧室22にポンプ室18の吐出口23を
開口させたので、ポンプ室18で加圧された燃料は、吐出
口23から蓄圧室22に直接流れ込むことになり、ポンプ室
18から蓄圧室22までの燃料の流れ経路が短くなる。
このため、吐出口23よりも下流側の流路抵抗が少なく
抑えられ、プランジャ17で圧縮された燃料は、速やかに
吐出口23から吐出されることになる。よって、その分、
プランジャ17の駆動トルクを低減することができ、エン
ジン4のロス馬力が少なくなる。
その上、蓄圧室22がポンプ室18と共にポンプハウジン
グ14内に形成されるので、これら蓄圧室22とポンプ室18
との間を結ぶ格別な外部配管や管継手が不要となる。し
たがって、蓄圧室22を燃料噴射装置1と別体とする従来
に比べて、高圧な燃料を燃料噴射弁32に導くための配管
構造を簡略化することができ、燃料噴射装置1のコスト
を低減できる。
しかも、上記構成によると、蓄圧室22に燃料フィルタ
30を設置したことにより、ポンプ室18から上流室22aに
供給された燃料は、燃料フィルタ30を通過して下流室22
bに流入し、ここから燃料通路31を介して燃料噴射弁32
に導かれる。このため、燃料は、燃料噴射弁32に導かれ
る以前に燃料フィルタ30により濾過されるので、この燃
料中に含まれる異物を除去することができ、燃料噴射弁
32の目詰まりを防止することができる。
それとともに、燃料フィルタ30は、容量の大きな蓄圧
室22に収められているので、燃料通路31の途中に格別な
燃料フィルタを設置する必要はなく、ポンプ室18から燃
料噴射弁32に至る燃料の流れ通路に燃料の濾過機能を付
加したにも拘わらず、燃料通路31の構成を簡略化するこ
とができる。
加えて、ポンプ室18の吐出口23から引き出される燃料
は、バルブボデー26の開口部27を介して蓄圧室22の上流
室22aに供給されるので、この開口部27が上流室22aへの
燃料の供給端となる。この際、開口部27が形成されたバ
ルブボデー26の先端は、上流室22a内に大きく突出され
ているので、開口部27から上流室22aに供給された燃料
は、直ちに上流室22aの広い範囲に亘って拡散される。
このため、プランジャ17の作動に伴う燃料の脈動を上
流室22aで吸収できるとともに、蓄圧室22全体として見
た時に、この蓄圧室22に蓄えられる燃料の圧力を均一化
することができる。よって、燃料通路31を介して燃料噴
射弁32に導かれる燃料の圧力変動を防止することがで
き、燃料の噴射量をより安定して制御することができ
る。
また、本実施例では、大容量の蓄圧室22から燃料を抜
くことで、燃料噴射弁32に供給される燃料圧力を変化さ
せているので、燃料圧力を下げるために、開閉弁61を開
いた時に、この蓄圧室22が、燃料分配管31内の燃料圧力
の急激な変動を抑える一種の緩衝室として作用する。
このため、燃料噴射弁32からの燃料噴射量が一時的に
大きくばらつくのを防止でき、燃料噴射量の制御を精度
良く行うことができる。
なお、上記実施例では、開閉弁やこの開閉弁によって
作動される圧力可変装置を、燃料噴射装置のポンプハウ
ジングに一体的に設けたが、本発明にこれに限らず、開
閉弁や圧力可変装置をポンプハウジングとは別体として
も良い。
[発明の効果] 以上詳述した本発明によれば、ポンプ室から蓄圧室ま
での燃料の流れ経路が短くなるので、吐出口よりも下流
側の流路抵抗が少なく抑えられる。このため、プランジ
ャで圧縮された燃料は、速やかに吐出口から吐出される
ので、その分、プランジャの駆動トルクを低減すること
ができ、エンジンのロス馬力が少なくなる。
その上、蓄圧室とポンプ室との間を結ぶ格別な外部配
管や管継手類が不要となるから、蓄圧室を燃料噴射装置
と別体とする従来に比べて、高圧な燃料を燃料噴射弁に
導くための配管構造を簡略化することができ、燃料噴射
装置のコストを低減できる。
また、上記構成によると、蓄圧室に供給された燃料
は、燃料噴射弁に導かれる以前に燃料フィルタにより濾
過されるので、この燃料中に含まれる異物を除去するこ
とができ、燃料噴射弁の不所望な目詰まりを防止でき
る。それとともに、燃料フィルタは、蓄圧室に収められ
ているので、燃料通路の途中に格別な燃料フィルタを設
置する必要はなく、ポンプ室から燃料噴射弁に至る燃料
の流れ経路に燃料の濾過機能を付加したにも拘わらず、
燃料通路の構成を簡略化することができる。
加えて、上流室への燃料の供給端となる開口部は、上
流室内に大きく突出されているので、開口部から上流室
に供給された燃料は、直ちに上流室の広い範囲に亘って
拡散され、この蓄圧室に蓄えられる燃料の圧力を均一化
することができる。このため、燃料通路を介して燃料噴
射弁に導かれる燃料の圧力変動を防止することができ、
燃料の噴射量をより安定して制御することができるとい
った利点がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、 第1図は、燃料噴射装置全体の断面図、 第2図は、圧力可変装置回りを拡大した断面図、 第3図は、第1図中III−III線に沿う断面図、 第4図は、燃料噴射装置の概略を示す構成図、 第5図は、エンジン回転数およびエンジン負荷を基準と
して、その時のエンジン運転状況に最適な電磁石の印加
電圧を説明するための図、 第6図は、エンジン回転数およびエンジン負荷を基準と
して、その時のエンジン運転状況に最適な燃料圧力を説
明するための図、 第7図は、マイクロコンピュータの処理内容を示すフロ
ーチャート、 第8図は、基準電圧と検知電圧との関係と、マイクロコ
ンピュータから出力される駆動パルスとの関係を示す図
である。 14……ポンプハウジング、15……燃料噴射ポンプ、16…
…シリンダ、17……プランジャ、18……ポンプ室、22…
…蓄圧室、22a……上流室、22b……下流室、23……吐出
口、26……ガイド体(バルブボデー)、27……開口部、
30……燃料フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 47/00 F02M 47/02 F02M 55/02 F02M 59/04 F02M 59/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダを有するポンプハウジングと; このポンプハウジングのシリンダに軸方向に摺動可能に
    収容されたプランジャと、このプランジャの先端とシリ
    ンダの終端との間に形成され、上記プランジャで加圧さ
    れた燃料を吐き出す吐出口を有するポンプ室と、を含む
    燃料噴射ポンプと; 上記ポンプハウジングに形成され、上記吐出口から吐き
    出される加圧燃料を蓄える蓄圧室と; この蓄圧室に接続され、蓄圧室に蓄えられた加圧燃料を
    燃料噴射弁に導く燃料通路と;を具備し、 上記蓄圧室に、この蓄圧室の内部を上流室と下流室とに
    区画する燃料フィルタを配置し、この蓄圧室の上流室に
    上記ポンプ室の吐出口を連通させるとともに、上記蓄圧
    室の下流室に上記燃料通路を接続し、 また、上記上流室と吐出口との連通部分に、上記上流室
    内に突出されて、その突出端に上記吐出口に連なる開口
    部を有するガイド体を設置したことを特徴とするディー
    ゼルエンジンの燃料噴射装置。
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