JP2953022B2 - 振動板の製造方法 - Google Patents

振動板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は音響機器などに使用される炭素質の振動板に
関し、詳しくはスピーカ,マイクロホンなどに最適な特
性を有する振動板の製造方法に関するものである。
従来の技術 近年、音響機器はほとんどデジタル化され、音質の飛
躍的な向上が図られてきており、これ以来、スピーカに
おける振動板に対する要求性能はますます厳しくなって
いる。このような振動板には、外力による変形が少なく
て音の歪みが小さい事,再生音域が広くて明瞭な音質を
出す事が求められており、そのためには、軽くしてしか
も弾性率,剛性にすぐれている事が要求されている。こ
の事を具体的な物性値の条件としてまとめると、 ヤング率(E)が大きい事。
密度(ρ)が小さい事。
音速(音波の伝搬速度V)が大きい事。
振動の内部損失(tanδ)が適当である事。
などである。ただし、V,E,ρの間には の関係がある。もちろん、これらの条件以外に、加工の
容易性,はんだ付け性,錆びにくさ,熱や湿度などの外
部条件に対して安定である事なども大切である事は言う
までもない。
さて、このような振動板材料としては、従来、紙,プ
ラスチック,アルミニウム,チタニウム,マグネシウ
ム,ベリリウム,ボロン,シリカ等がその素材として用
いられてきた。これらは単独に、あるいはガラス繊維や
炭素繊維などとの複合体として、さらには金属合金など
どとして多用な形で使用されてきた。しかしながら、紙
やプラスチックはヤング率や密度,音速などの特性が振
動板として十分でなく、特に高周波数帯域での周波数特
性は著しく劣るものであって、これらの材料からツイー
タなどの振動板として明瞭な音質を得ることは困難であ
った。また、アルミニウム,マグネシウム,チタニウム
などは音速はかなり優れているものの、振動の内部損失
が小さいため、高周波共振現象などが生じ、これもまた
高周波用振動板としては不十分な特性しか得られていな
かった。一方、ボロン,ベリリウムなどは上記の素材に
比べ優れた物性値を有しているため、振動板として良好
な音質を発揮することができる。しかしながら、ボロン
やベリリウムは極めて高価でしかも著しく加工性が劣っ
ているという欠点を有している。
以上述べたような従来の振動板材料のもつ欠点を克服
し、すぐれた高周波特性を有し、かつ良質の音色の再現
を目ざして、炭素材料を用いた振動板の開発が行われて
いる。これは、炭素および黒鉛(グラファイト)のもつ
優れた物性値を生かして、これを振動板として使用する
ものである。このような手法には、 (1) 黒鉛粉末と高分子樹脂とから成る複合型。
(2) 黒鉛粉末と高分子樹脂とから成る複合材さらに
焼結した黒鉛/炭素複合型。
(3) 高分子フィルムを単独で炭化・黒鉛化する方
法。
などがある。
これらのうち、(1)の方法の代表的なものとして、
ポリ塩化ビニル樹脂をマトリックスとして、これに黒鉛
粉末を複合させた振動板がある。これは優れた性質を有
する振動板として知られているが、湿度,温度特性が劣
り、30℃以上ではその振動特性は著しく劣化してしま
う。
(2)の方法としては、原油分解ピッチの液晶成分に
黒鉛粉末を混合させ、しかる後に熱処理し炭化する方法
や、黒鉛粉末にこれを結合する炭化バインダーの原料と
して熱硬化性樹脂のモノマーまたは初期重合物と加熱時
に分解して相互に反応して架橋硬化する官能基を有する
熱可塑性樹脂を用いて熱処理し炭化する方法などが知ら
れている。これらの方法は有機材料としての炭素収率を
高めて熱処理時における収縮,変形を防止することを目
的として開発されたものであって、優れた特性の振動板
を得ることができる。しかし、これらは製造工程が複雑
であるため、工業的な量産には著しく不利なものであっ
た。さらにこの方法によって得られた振動板は、従来に
ない極めて優れた特性を有しているとはいうものの、そ
の特性は現在最高特性であると言われているベリリウム
よりはわずかに劣り、また黒鉛単結晶の理論弾性率1020
GPaには、はるかにおよばないものであった。
(3)の方法としては、いくつかの高分子フィルムが
検討されている。しかし、いずれも難黒鉛化材料てある
ため、当初予想したほどの特性は得られず、しかも用い
られたプラスチック材の炭素収率が低いため、熱処理時
の寸法収縮が大きく、これにより、変性,ひび割れなど
がしばしば生じてしまうという欠点があった。
そこで本発明者らは難黒鉛化材料に対し、易黒鉛化材
料となる高分子材料に着目して検討を重ねた結果、400
μm以下の厚さを有するポリオキサジアゾール,ポリベ
ンゾチアゾール,ポリベンゾビスチアゾール,ポリベン
ゾオキサゾール,ポリベンゾビスオキサゾール,芳香族
ポリイミド,芳香族ポリアミド、ポリフェニレンベンゾ
イミタゾール,ポリフェニレンベンゾビスイミタゾー
ル,ポリチアゾール,ポリパラフェニレンビニレンの高
分子フィルムが特定の温度で熱処理されるとき、従来よ
り知られているどのような高分子材料よりも容易にグラ
ファイト化率の高いグラファイトを得ることができるこ
とを確認した。このことによって、優れた特性を有する
炭素質およびグラファイト質の振動板を得ることがで
き、しかも短時間で製造できるということが明らかにな
ってきた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、前述した特殊な高分子フィルムによ
り、炭素質およびグラファイト質の振動板を得る方法は
容易で非常に優れた方法であるが、この方法にもその後
いろいろな検討を加えた結果、次のような問題点がある
ことが明らかになった。
その問題点とは、第一に高分子フィルムを熱処理する
ことによって生じる歪、あるいは表面の不均一性であ
る。この歪や表面の不均一性は、熱処理によって得られ
る優れた特性を悪化させるだけでなく、外観を損なわせ
る。また、歪が大きいものになると、振動板の表面が発
泡し、さらには破壊に至るものもある。
またその問題点の第二は高分子フィルムの音響特性が
そのフィルムの厚さなどのファクターにより大きく変化
することである。
本発明は、このような従来の振動板の持つ問題点を改
良するもので、圧力印加の大きさ、印加の温度領域を限
定することにより優れた音響振動板としての特性を有す
る炭素質およびグラファイト質の振動板の製造方法を提
供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明の振動板の製造方
法は、400μm以下の厚さを有する高分子フィルムを真
空中または不活性ガス中で1600℃以上の温度領域でフィ
ルムの厚さ方向に圧力を印加しながら熱処理する方法で
あって、この印加する圧力を25μm以下の厚さの高分子
フィルム1枚あたりでは、0.02kg/cm2から0.2kg/cm2
あり、25μmから100μmまでの厚さの高分子フィルム
1枚あたりでは0.2kg/cm2から1.0kg/cm2であり、100μ
mから400μmまでの厚さの高分子フィルム1枚あたり
では1.0kg/cm2から50kg/cm2としたものである。
作用 上記製造方法によれば、従来の方法によって作成され
た振動板よりもはるかに優れた音響特性を有する振動板
を容易に製造することができるものである。
実施例 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
本発明者らは、理想の炭素質およびグラファイト質の
振動板を得る目的で、高分子フィルムの炭化,グラファ
イト化を試みた。その結果、1600℃以上の温度範囲での
み特定の最適圧力範囲の圧力を印加することにより、優
れた音速特性を実現させることができることを見い出し
た。また、このときに印加する圧力は高分子フィルムの
厚さに密接に関係していることが明らかになった。その
圧力の大きさは25μm以下の厚さの高分子フィルム1枚
あたりでは0.02kg/cm2から0.2kg/cm2であり、25μmか
ら100μmまでの厚さの高分子フィルム1枚あたりでは
0.2kg/cm2から1.0kg/cm2であり、100μmから400μmま
での厚さの高分子フィルム1枚あたりでは1.0kg/cm2
ら50kg/cm2である。
また本発明に使用される高分子フィルムは、400μm
以下の厚さを有するポリオキサジアゾール,ポリベンゾ
チアゾール,ポリベンゾビスチアゾール,ポリベンゾオ
キサゾール,ポリベンゾビスオキサゾール,芳香族ポリ
イミド,芳香族ポリアミド,ポリフェニレンベンゾイミ
タゾール,ポリフェニレンベンゾビスイミタゾール,ポ
リチアゾール,ポリパラフェニレンビニレンのうちから
選択される。ここで各種芳香族ポリイミドとは下記の一
般式で示されるポリイミドである。
ただし、R1 R2 である。
また、各種芳香族ポリアミドとは下記の一般式で示さ
れるポリアミドである。
ただし、R3R4である。
以下に具体的な実施例によって本発明を説明するが、
本発明がこれらに限定されるものではないことは言うま
でもない。
(実施例1) 25μmの厚さを有するデュポン社製のポリイミドフィ
ルム(商品名カプトンHフィルム)をグラファイト板に
はさんで、窒素ガス中において、毎分5℃の速度で昇温
させ、1000℃で1時間熱処理した。こうして得られた熱
処理フィルムを黒鉛基板でサンドイッチし、アルゴンガ
スの気流中で室温より毎分10℃の速度で昇温させ、そし
て3000℃で1時間処理し、毎分20℃の速度で降温させ
た。その際、2500℃以上でのみ0.05kg/cm2の圧力の印加
を行った。そして室温まで冷却した後、試料を取り出し
た。その特性は、音速18.1km/sec,内部損失0.16であっ
た。
(実施例2) 100μmの厚さを有するデュポン社製のポリイミドフ
ィルム(商品名カプトンHフィルム)を直径90mmにカッ
トし、圧力を0.1kg/cm2として実施例1と同様の熱処理
を行ったところ、表面の所々にしわがみられ、音速値は
3km/secという低い値であった。そこで、圧力を1kg/cm2
に変えて同様の熱処理を行ったところ、表面性が著しく
向上し、音速は10.4km/secであった。
なお、上記実施例においては、熱処理を窒素ガス,ア
ルゴンガスなどの不活性ガス中において行うものについ
て説明したが、真空中で熱処理を行ってもよいものであ
る。
発明の効果 上記実施例の説明から明らかなように、本発明の振動
板の製造方法は、400μm以下の厚さを有する高分子フ
ィルムを真空中または不活性ガス中で1600℃以上の温度
領域でフィルムの厚さ方向に圧力を印加しながら熱処理
する方法であって、印加される圧力は、25μm以下の厚
さの高分子フィルム1枚あたりでは、0.02kg/cm2から0.
2kg/cm2であり、25μmから100μmまでの厚さの高分子
フィルム1枚あたりでは0.2kg/cm2から1.0kg/cm2であ
り、100μmから400μmまでの厚さの高分子フィルム1
枚あたりでは1.0kg/cm2から50kg/cm2としているため、
従来の方法によって作成された振動板よりもはるかに優
れた音響特性を有する振動板を容易に製造することがで
き、かつこの製造方法によって得られた振動板はスピー
カ,マイクロホンなどの音響機器に最適となるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 睦明 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (72)発明者 渡辺 和廣 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−73021(JP,A) 特開 平1−11499(JP,A) 特開 平1−11498(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04R 7/02 H04R 31/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】400μm以下の厚さを有する高分子フィル
    ムを真空中または不活性ガス中において、1600℃以上の
    温度領域でフィルムの厚さ方向に圧力を印加しながら熱
    処理する方法であって、この印加される圧力は、25μm
    以下の厚さの高分子フィルム1枚あたりでは、0.02kg/c
    m2から0.2kg/cm2であり、25μmから100μmまでの厚さ
    の高分子フィルム1枚あたりでは0.2kg/cm2から1.0kg/c
    m2であり、100μmから400μmまでの厚さの高分子フィ
    ルム1枚あたりでは1.0kg/cm2から50kg/cm2であること
    を特徴とする振動板の製造方法。
  2. 【請求項2】高分子フィルムが、ポリオキサジアゾー
    ル、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾー
    ル、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾ
    ール、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリフェ
    ニレンベンゾイミタゾール、ポリフェニレンベンゾビス
    イミタゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビ
    ニレンのうちから選ばれた少なくとも一種類である請求
    項1記載の振動板の製造方法。
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