JP2947115B2 - 広帯域低周波水中送波器およびその駆動方法 - Google Patents

広帯域低周波水中送波器およびその駆動方法

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JP2947115B2 JP7507295A JP7507295A JP2947115B2 JP 2947115 B2 JP2947115 B2 JP 2947115B2 JP 7507295 A JP7507295 A JP 7507295A JP 7507295 A JP7507295 A JP 7507295A JP 2947115 B2 JP2947115 B2 JP 2947115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海洋開発調査等に使用
される低周波水中送波器、特に従来の低周波送波器に比
べて著しく広帯域特性をもつ圧電型送波器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】水中において強力超音波を送波するトラ
ンスジューサとしては、ボルト締めランジュバン型トラ
ンスジューサがよく知られている。しかし、このトラン
スジューサは、主に3kHz〜数十kHzで駆動して使
用するのが一般的である。このトランスジューサを3k
Hz以下の低周波で動作させようとするならば、必然的
にその重量,寸法は大きくならざるを得ず、実用には供
しない。
【0003】そこで、従来の低周波送波器と呼ばれるも
のには、例えばジャーナル・オブ・アコースティカル・
ソサイアティー・オブ・アメリカ(J.Acoust.
Soc.Am.,vol.68,No.4,pp104
6〜1052(1980.10)に記載されているよう
に、図2に示す楕円形シェルを用いたフレックステンシ
ョナル型、あるいは特開昭61−133883号に記載
されているように、ヒンジとレバーにより圧電磁気の変
位を拡大させて音響放射体に伝える図3に示すような低
周波送波器がある。この他、いくつかの低周波帯で動作
する送波器があるが、これら従来の低周波送波器はいず
れも共振振動モードを利用したものである。
【0004】図2に示す従来の低周波送波器は、短軸2
aと長軸2bをもつ楕円形シェルをなす圧電磁気柱状体
21内に圧電アクティブエレメント20を内装した構成
となっている。また図3に示す低周波送波器は、圧電磁
気を用いたアクティブ柱状体31と、アクティブ柱状体
31に沿って配置された非アクティブ柱状体32と、2
種の柱状体31,32の両端部と接続するヒンジ33と
レバー34からなる変位拡大機構と、変位拡大機構と連
結棒35を介して連結する音響放射体36とを有してい
る。37はOリング,38はキャビネットである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】海洋開発調査用の送波
器には、多数の情報データの収集,伝達を行うという目
的のため、広帯域特性をもつことが要求される。しか
し、従来技術記載の送波器のような共振振動を利用した
送波器においては、その帯域特性を広帯域なものにしよ
うとした場合、放射面積を大きくする必要があり、その
ため送波器寸法が大型化してしまうという問題があっ
た。従来送波器では、このような理由により小型化が優
先され、広帯域化には限界があり、水中において得られ
る比帯域幅はせいぜい30%と狭帯域であった。
【0006】本発明の目的は、音響放射能力および効率
を高く保ったまま、さらに広帯域な特性をもつ広帯域低
周波水中送波器およびその駆動方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る広帯域低周波水中送波器は、筐体と、
圧電アクティブエレメントと、音響放射板とを有する広
帯域低周波水中送波器であって、筐体は、板状をなす剛
体からなり、その表裏両面に凹部を設けたものであり、
圧電アクティブエレメントは、圧電d定数の大きな圧電
材料の積層構造体からなり、その積層方向に伸縮するも
のであって、前記筐体の凹部に複数設けられ、その一端
が前記筐体に定着されたものであり、音響放射板は、前
記筐体の表裏面側にそれぞれ位置して前記圧電アクティ
ブエレメントに定着され、圧電アクティブエレメントの
振動に伴う音波を放射するものである。
【0008】また前記圧電アクティブエレメントは、圧
電d定数の大きな圧電材料に代えて、歪の大きなリラク
サー系の電歪材料を用いたものである。
【0009】また前記筐体は、水の音響インピーダンス
の少なくとも9倍以上大きな材料からなるものである。
【0010】また本発明に係る広帯域低周波水中送波器
の駆動方法は、圧電アクティブエレメントを振動させ
て、音響放射板から音波を放射させる広帯域低周波水中
送波器の駆動方法であって、圧電アクティブエレメント
は、圧電d定数の大きな圧電材料からなり、板状をなす
筐体の表裏両面に取付けられたものであり、筐体両面の
圧電アクティブエレメントを、固有の共振周波数より低
い周波数で、しかも筐体両面側において同相で非共振駆
動するものである。
【0011】また 圧電アクティブエレメントを振動さ
せて、音響放射板から音波を放射させる広帯域低周波水
中送波器の駆動方法であって、圧電アクティブエレメン
トは、歪の大きなリラクサー系の電歪材料からなり、板
状をなす筐体の表裏両面に取付けられたものであり、筐
体両面の圧電アクティブエレメントを、直流バイアス電
界を印加して交流で駆動するものである。
【0012】
【作用】図1は、本発明に係る広帯域低周波送波器の一
例を示したものである。本発明に係る広帯域低周波送波
器は、圧電アクティブエレメント11を圧電d定数が大
きい圧電セラミック材料から構成しており、圧電アクテ
ィブエレメント11は、上記セラミック材料を積層セラ
ミック技術により積層したもの、或いはリング状,円板
状、又は角板状の薄い圧電板を接着積層した積層構造体
となっている。このようにして得られた圧電アクティブ
エレメント11は、低電圧で駆動しても大きな出力変位
を得ることができる。
【0013】また筐体13は、金属のような剛体からな
る板状体であって、その表裏両面に凹部13aを設けた
ものであり、その凹部13a内に圧電アクティブエレメ
ント11を複数個配列している。また筐体13は、圧電
アクティブエレメント11および音響放射板12を側面
方向から振動を阻害しないように、かつ側面方向からの
音響放射をできるだけ小さくするために、負荷である水
の音響インピーダンスの少なくとも9倍以上大きな材料
から構成してある。
【0014】さらに圧電アクティブエレメント11に
は、軽量で剛性の高い材料、例えばC−FRP,アルミ
ナからなる音響放射板12を強固に接着一体化してあ
る。
【0015】圧電アクティブエレメント1を駆動するに
は、固有の共振周波数(音響放射板の質量と複数の圧電
アクティブエレメントのコンプライアンスでほぼ決定さ
れる)より低い周波数でもって筐体13の両面側におい
て同相で非共振駆動を行うことを特徴としている。な
お、筐体13の外縁と音響放射板12の外縁との間に
は、ピストン振動する音響放射板12ののピストン運動
を妨げることなく、筐体13と音響放射板12との滑ら
かな接触を得るようにゴム樹脂14を適宜設けている。
【0016】図1に記載の本発明に係る広帯域低周波送
波器において、筐体13は、側面方向の影響を低減する
ばかりではなく、凹部13aの側壁13bの立上り高さ
hを、音響放射板12の中間点すなわち圧電アクティブ
エレメント11のノード点に相当する長さにすることに
より、筐体13の両面側における音響放射板12のピス
トン振動を分離し、筐体13の両面側における音響放射
板12相互間での影響を及ぼさないようにし、音響放射
板12のピストン振動を円滑化に行わせるようになって
いる。
【0017】また、筐体13の部分で支持固定すること
により、音響放射板12のピストン振動を阻害すること
なく、送波器全体の支持が容易に行えるようになってい
る。
【0018】また本発明に係る広帯域低周波送波器にお
いて、圧電アクティブエレメント11は、圧電d定数の
大きい材料に代えて、リラクサー系の電歪材料(例えば
Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3セラミック
ス:PMN−PT系セラミックス)から構成し、強力な
直流バイアス電界を印加して交流で駆動することも可能
である。リラクサー系電歪材料は、その発生歪みが10
-3(1000ppm)程度で、従来のジルコンチタン酸
鉛系材料に比べて、5〜10倍程度発生歪みが大きく、
非共振駆動で利用した場合でもハイパワー送波が十分可
能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明す
る。図1において、圧電アクティブエレメント11に
は、円板状のソフト系ジルコンチタン酸鉛系圧電磁器を
積層したものを用い、音響放射板12には、軽量でかつ
高剛性のC−FRP(炭素繊維強化樹脂)を用い、筐体
13には、水の音響インピーダンスより約20倍ほどの
音響インピーダンスをもつアルミニウム合金からなる板
状体を用いている。そして図1に示すように筐体13の
凹部13aの中央部分に1個の圧電アクティブエレメン
ト11を配し、その周囲に4個の圧電アクティブエレメ
ント11を配し、エレメント11と金属板13及び音響
放射板12との間を強力接着剤にて接合一体化する。ま
た音響放射板12と凹状金属板13の間にはゴム樹脂1
4を介装し、また送波器全体は水密保持のため、肉厚約
3mmのウレタン樹脂でモールドを施してある。送波器
全体寸法は外径200mmφ,高さ70mmである。1
ロッドの圧電アクティブエレメント11は直径30m
m,高さ28mmである。また音響放射板12の肉厚は
有限要素法を用いた解析より、コンプライアンスと剛性
のバランスを考慮して10mmとした。尚、圧電アクテ
ィブエレメント11の個数は、5個に限られるものでは
ない。
【0020】次に本発明に係る広帯域低周波送波器を水
中に入れ、特性を測定したところ、駆動周波数1kHz
で送波レベル180dB re1μPa at1mを得
た。また帯域特性は非常に広帯域で、比帯域幅は120
%を越えるものとなった。
【0021】さらに、ソフト系ジルコンチタン酸鉛系セ
ラミックスの替わりにPMN−PT系セラミックスを用
い、直流バイアス電界1.5kV/mmを印加し、交流
を重畳することにより、送波器を駆動したが、全く同様
に1kHzにおいて送波レベル180dB re1μP
a at1m以上を容易に得ることができた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
電アクティブエレメントが非共振で駆動しても大きな変
位を得られることから、音響放射板にはもちろん大きな
体積速度が発生し、小型軽量でかつ従来の共振型送波器
では不可能な比帯域幅百%以上という広帯域特性を得る
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る広帯域低周波送波器の一
例を示すものであって、図1(b)のI−I’線断面
図、(b)は同平面図である。
【図2】従来の低周波送波器である楕円シェルを用いた
フレックステンショナル型送波器の断面図である。
【図3】従来の低周波送波器であるヒンジとレバーを用
いた変位拡大機構付き送波器の断面図である。
【符号の説明】
11 圧電アクティブエレメント 12 音響放射板 13 筐体 14 ゴム樹脂 21 圧電磁器柱状体 22 楕円シェル 31 アクティブ柱状体 32 非アクティブ柱状体 33 ヒンジ 34 レバー 35 連結棒 36 ピストン音響放射板 37 Oリング 38 キャビネット

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体と、圧電アクティブエレメントと、
    音響放射板とを有する広帯域低周波水中送波器であっ
    て、 筐体は、板状をなす剛体からなり、その表裏両面に凹部
    を設けたものであり、 圧電アクティブエレメントは、圧電d定数の大きな圧電
    材料の積層構造体からなり、その積層方向に伸縮するも
    のであって、前記筐体の凹部に複数設けられ、その一端
    が前記筐体に定着されたものであり、 音響放射板は、前記筐体の表裏面側にそれぞれ位置して
    前記圧電アクティブエレメントに定着され、圧電アクテ
    ィブエレメントの振動に伴う音波を放射するものである
    ことを特徴とする広帯域低周波水中送波器。
  2. 【請求項2】 前記圧電アクティブエレメントは、圧電
    d定数の大きな圧電材料に代えて、歪の大きなリラクサ
    ー系の電歪材料を用いたものであることを特徴とする請
    求項1に記載の広帯域低周波水中送波器。
  3. 【請求項3】 前記筐体は、水の音響インピーダンスの
    少なくとも9倍以上大きな材料からなるものであること
    を特徴とする請求項1に記載の広帯域低周波水中送波
    器。
  4. 【請求項4】 圧電アクティブエレメントを振動させ
    て、音響放射板から音波を放射させる広帯域低周波水中
    送波器の駆動方法であって、 圧電アクティブエレメントは、圧電d定数の大きな圧電
    材料からなり、板状をなす筐体の表裏両面に取付けられ
    たものであり、 筐体両面の圧電アクティブエレメントを、固有の共振周
    波数より低い周波数で、しかも筐体両面側において同相
    で非共振駆動することを特徴とする広帯域低周波水中送
    波器の駆動方法。
  5. 【請求項5】 圧電アクティブエレメントを振動させ
    て、音響放射板から音波を放射させる広帯域低周波水中
    送波器の駆動方法であって、 圧電アクティブエレメントは、歪の大きなリラクサー系
    の電歪材料からなり、板状をなす筐体の表裏両面に取付
    けられたものであり、 筐体両面の圧電アクティブエレメントを、直流バイアス
    電界を印加して交流で駆動することを特徴とする広帯域
    低周波水中送波器の駆動方法。
JP7507295A 1995-03-31 1995-03-31 広帯域低周波水中送波器およびその駆動方法 Expired - Lifetime JP2947115B2 (ja)

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