JP2946846B2 - カード挿入口の構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、カード処理
装置のカード入口部に設けられて、不適合のカードの挿
入を防止するようなカード挿入口の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、磁気カードとしては厚さが約
０．７６mmの厚手カード（キャッシュカードなど）と、
厚さが約０．２２〜０．２８mmの薄手カード（プリペイ
ドカードなど）との２種類がある。

【０００３】従来、上述例の厚手カード用に設定された
カード挿入口において、上述の薄手カードの誤挿入を防
止する手段としては次のような構造が知られている。す
なわち、上述のカード挿入口の前部に挿入されるべき磁
気カードを挟持するレバーを設けると共に、カード厚さ
の差異をレバー比として検出し、この検出出力を電気量
に変換および増幅して検知するセンサを設け、このセン
サ出力に基づいてカード挿入口後部に配設されたシャッ
タを開閉制御すべく構成した構造である。

【０００４】この従来構造によれば、薄手カードの誤挿
入を正確に防止することができる利点がある反面、構造
が複雑で、しかも部品点数が多いため、コスト高となる
のは勿論のこと、小型化達成に支障をきたす問題点があ
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな厚さ検知機構、センサ、シャッタ等を何等必要とす
ることなく、簡単な構成により薄手カードの誤挿入を確
実に防止することができるカード挿入口の構造の提供を
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、所定長さに
設定されたカード通路の相対向する通路内壁の少なくと
も一方から付勢手段により上記カード通路内に出退可能
に突出するスライダを設け、上記スライダの通路外端側
には挿入を阻止する薄手カードのカード厚さより厚肉
で、かつ挿入を許容する厚手カードのカード厚さより薄
肉のリブを一体形成すると共に、上記リブの両側に凹部
を形成し、該凹部のカード挿入方向と直交する面を薄手
カードのストッパに設定したカード挿入口の構造である
ことを特徴とする。

【０００７】

【作用】この発明によれば、スライダに上述のリブおよ
び凹部を形成したので、挿入を許容する厚手カードの挿
入時には、この厚手カードで上述のリブが押圧され、こ
のためスライダは付勢手段に抗して通路内壁から後退す
るので、上述の厚手カードの挿入が許容される。

【０００８】一方、挿入を阻止する薄手カードの挿入時
には、この薄手カードの挿入端面はリブ端面を滑ってス
ライダの凹部に挿入され、この凹部のカード挿入方向と
直交する面で、同カードのそれ以上の挿入が阻止され
る。

【０００９】

【発明の効果】このため、従来のようなレバー比等によ
る厚さ検知機構、センサやシャッタなどの複雑な装置が
一切不要となり、簡単な構造により薄手カードの誤挿入
を確実に防止することができると共に、小型化達成を図
ることができる効果がある。

【００１０】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。

【００１１】図面はカード挿入口の構造を示し、図１、
図２、図３において、カード処理装置の接客部に配設さ
れるカード挿入口ハウジング１を設け、このカード挿入
口ハウジング１には所定高さＨで、かつ所定長さＬのカ
ード通路２を形成し、このカード通路２の相対向する通
路内壁３，４からリターンスプリング５，５のバネ力に
より上述のカード通路２内に出退可能に突出する左右一
対の常時突出タイプのスライダ６，６を設けている。

【００１２】上述のスライダ６は図４にも示す如く、カ
ード挿入口ハウジング１の円筒状ガイド溝１ａに案内さ
れる円柱部７と、上述の円筒状ガイド溝１ａの前後に連
通形成された角筒状ガイド溝１ｂ，１ｂに案内される角
柱部８，８と、上述のスプリング５を配設するロッド部
９と、上述の角柱部８，８の前後に形成された係止部１
０，１０と、ノーマル状態化において上述のカード通路
２内に突出する突出部１１とを備え、この突出部１１と
上述の角柱部８，８のうちの前側の角柱部８との間にお
けるカード通路２外端側には、平面から見て直角三角形
状のリブ１２を一体形成し、このリブ１２の上下両側に
凹部１３，１３を形成すると共に、これら上下の凹部１
３，１３のカード挿入方向（図１の矢印Ｂ方向）と直交
する面を薄手カードＸ（図１参照）のストッパ１４，１
４に設定している。

【００１３】ここで、上述のリブ１２の肉厚は、図１に
示す薄手カードＸのカード厚さより厚肉で、かつ図５に
示す厚手カードＹのカード厚さより薄肉に設定すると共
に、リブ１２の先端面は、上述の薄手カードＸが滑るよ
うに円弧面Ｒに形成している。

【００１４】このように構成したカード挿入口の構造の
作用を、次に説明する。

【００１５】挿入を許容すべき厚手カードＹの挿入時に
は、この厚手カードＹで左右一対のスライダ６，６にお
ける各リブ１２，１２が押圧され、これらスライダ６，
６は同カードＹの挿入力によりリターンスプリング５，
５に抗しながら図５に示すように通路内壁３，４から順
次後退するので、この厚手カードＹをカード通路２の内
奥方向に挿入することができる。

【００１６】一方、挿入を阻止すべき薄手カードＸの挿
入時には、図１に仮想線で示すように、この薄手カード
Ｘの挿入端面は上述のリブ１２，１２の先端の円弧面
Ｒ，Ｒを滑って、スライダ６，６の上下何れかの各凹部
１３，１３に挿入され、これら各凹部１３，１３のカー
ド挿入方向と直交する面のストッパ１４，１４で、同カ
ードＸのそれ以上の挿入が阻止される。

【００１７】このため、従来のようなレバー比等による
厚さ検知機構、センサやシャッタなどの複雑な装置が一
切不要となり、簡単な構造により薄手カードＸの誤挿入
を確実に防止することができると共に、カード挿入口部
分の大幅な小型化達成を図ることができる効果がある。

【００１８】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の付勢手段は、実施例のリターンス
プリング５に対応するも、この発明は、上述の実施例の
構成のみに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカード挿入口の構造を示す断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図。

【図３】カード挿入口の正面図。

【図４】スライダの斜視図。

【図５】厚手カード挿入許容時の説明図。

【符号の説明】

２…カード通路 ３，４…通路内壁 ５…リターンスプリング ６…スライダ １２…リブ １３…凹部 １４…ストッパ Ｘ…薄手カード Ｙ…厚手カード

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定長さに設定されたカード通路の相対向
   する通路内壁の少なくとも一方から付勢手段により上記
   カード通路内に出退可能に突出するスライダを設け、上
   記スライダの通路外端側には挿入を阻止する薄手カード
   のカード厚さより厚肉で、かつ挿入を許容する厚手カー
   ドのカード厚さより薄肉のリブを一体形成すると共に、
   上記リブの両側に凹部を形成し、該凹部のカード挿入方
   向と直交する面を薄手カードのストッパに設定したカー
   ド挿入口の構造。