JP2945943B2 - 双晶α−アルミナ粒子を用いた研磨材 - Google Patents

双晶α−アルミナ粒子を用いた研磨材

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靖雄 芝崎
雄史 福田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、双晶α−アルミナ粒子
(双晶状α−Al23粒子)を研磨砥粒として用いた研
磨材などに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光学、エレクトロニクスなどの産
業の進展に伴い、磁気ディスク、半導体基板や単結晶材
料などの加工に対する要求は非常に厳しくなってきてい
る。特に、電子関係部品の仕上げ加工では、研磨フィル
ムが使用され始めてきている。このフィルムは、一般
に、厚さ25〜100μm程度のポリエステルフィルム
基材上にサブミクロンから数十ミクロン(μm)の研磨
砥粒を接着剤により塗布されている。研磨砥粒は、硬脆
材料を破砕する研削加工メカニズムからすると、高品位
な仕上げ面を得るためには、より微細な砥粒が要求され
る。しかし、砥粒の粒径を細かくしていくと、加工面は
滑らかになるが、砥粒の脱落がはやくなったり、研磨屑
や脱落粒子が詰まったりして、連続的に効率的に高品位
の仕上げ加工ができなくなる。
【0003】現在、研磨材に使用される砥粒としては、
ダイヤモンド、アルミナ、シリカ、酸化セリウム、酸化
ジルコニウム、酸化クロムなど知られている。なかでも
アルミナは、硬度が高く優れた研磨性能を有し、入手し
やすいため、広く使用されてきた。しかし、これらの砥
粒は、塊状や粒状の粒子を使用するのものであり、研磨
面から脱落しやすく、連続的に効率的に高品位の仕上げ
加工を行うには、問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした実
情の下に砥粒が研磨材から脱落し難く、連続的かつ効率
的に高品位の仕上げ加工を可能とする研磨材を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、研磨砥粒として平板状をしたアルミナが貫入型
に、すなわち、板状の結晶の端面又は両面に別の結晶が
交差型に成長した形状をもつ双晶状α−アルミナ粒子を
利用することによって上記の課題を解決し得ることを知
見し、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明は、アルミナ粒子が接合
された研磨材において、前記アルミナ粒子として双晶状
α−アルミナ粒子を用いたことを特徴とする研磨材を要
旨とするものであり、該研磨材を用い適宜形状に成形し
た一般研磨砥石あるいはフィルム形態で利用した研磨フ
ィルムも本発明に包含する。
【0007】本発明に使用する双晶状α−アルミナと
は、板状の結晶が貫入型に交差して成長した状態のもの
で、図1に模式的に説明するように略X字状、略T字状
あるいは略L字状などがある。また、これらの結晶粒子
が互いに接合されたものも含むものである。
【0008】本発明の研磨材は、上記の形状特性を有す
る双晶状α−アルミナを研磨砥粒として使用したことに
よりバインダー中にアンカーを下ろしたような効果を示
すことができ、そのため研磨作業中に砥粒が脱落しにく
く、実質的に一定の研磨性能を維持することができる。
また本発明に使用する双晶状α−アルミナはエッジ部分
が多く、しかも後述するように双晶構造の少なくとも一
つの平板部分が被加工面に向かう状態となるので、被加
工物の研磨速度にも優れている。
【0009】このような双晶粒子は、サブミクロンオー
ダーに粘度調整された水酸化アルミニウム又はアルミナ
水和物を原料とし(原料)/(水)の比(重量)が1〜
10で水熱処理することにより製造するのが好ましい。
【0010】このようにして合成された原料粉体には双
晶粒子とともに単晶粒子が含まれる場合もある。この場
合には、本発明においては、これらの混合体から双晶粒
子を分離して原料粉末として使用してもよいし、また分
離せずに混合状態でも原料粉末として使用することがで
きる。この場合には双晶粒子がおよそ5%以上含有され
ていることが必要であり、好ましくは20%以上、より
好ましくは50%以上含有されていることが望ましい。
【0011】また、本発明に使用する双晶状α−アルミ
ナ粒子は、粒子径が0.1〜100μm 、好ましくは
0.5〜50μm、更に好ましくは0.5〜10μm
で、またそのアスペクト比(=粒径/厚み)は、5〜5
0、好ましくは10〜50である。
【0012】本発明は、研磨研削層中に研磨砥粒として
双晶状α−アルミナ粒子を使用することが重要であり、
基材やバインダー樹脂などその他の技術的事項はとくに
制限はなく、それ自体は公知の技術が適用できる。
【0013】例えば、前記の研磨砥粒を結着させ、基体
上に研磨層を形成するために、あるいは成形用材料を形
成するために使用するバインダー材としては、2液硬化
性ウレタン樹脂、1液硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが好
ましく、又、用途によっては熱可塑性樹脂も使用するこ
とができる。また、アルミナ砥粒研磨を担持する基材と
してはフィルム、テープ、シート、ディスクなどの形態
で使用することができ、またこれらはポリエチレンテレ
フタレート、ポリイミド、ポリカーボネートなど及びそ
れらを表面処理したもの、その他合成紙、不織布などの
材質で構成することができる。
【0014】研磨層中における研磨砥粒濃度は、30%
未満であると研磨能率が悪いものとなり、90%を越え
るとバインダー樹脂の割合が少なくなり、研磨中に砥粒
の脱落が早くなり、砥粒濃度としては30〜90%の範
囲が適当であり、好ましくは50〜90%の範囲であ
る。
【0015】次に本発明の研磨材を用いて研磨砥石を製
造する方法について述べる。本発明の研磨砥石は、フィ
ルム形態の砥石も含んでいる。
【0016】図2は、本発明の研磨フィルム及び非フィ
ルム状研磨砥石の概略製造工程を示すフローチャートで
ある。研磨フィルムの場合には該フローチャート(a)
に示す工程にしたがい、ロールから供給され、接着剤塗
布などの予備処理も施されたポリエステルなどの基材フ
ィルム上にバインダー樹脂とブレンドされた双晶状α−
アルミナ粒子をロールコーティングして研磨層を形成
し、次いで加熱乾燥する。最後に得られた研磨フィルム
はロールに巻き取られる。
【0017】本発明の研磨フィルムは、また別の方法に
より製造することができる。たとえば、フェノール系樹
脂などの接着剤を下引き塗装したポリエステルなどの基
材フィルム上に双晶状α−アルミナ粒子を静電塗装法に
よりあるいは重力法により散布し、次いで、上引き接着
剤を塗布し、加熱硬化させて研磨層を形成する。静電塗
装の場合には、電荷を与えることによって砥粒が長手方
向にフィルムに突き刺さった状態となるため、切れ刃先
端部が作業面に突出する理想的な切れ刃状態となる。こ
の切れ刃状態は、上記ロールコーティング法でも双晶の
形状特性により同様に形成される。
【0018】また、非フィルム状研磨抵石は、図2
(b)のフローチャートにしたがって製造される。この
場合の結合剤としては前記の合成樹脂バインダーの他、
焼成する場合には長石、粘土、陶石、フリット、それら
の混合物が使用される。フローチャートで示されるよう
に成形後、1200〜1600℃で焼成することにより
アルミナ粒子間を焼結することができる。焼結によりア
ルミナ砥石は一層強固となり、研磨能力が向上する。ま
た、この場合には研磨層中のバインダー樹脂が焼失し、
そのためにアルミナ質砥石は多孔質となるが、この空隙
は研磨の際に発生する研磨くずを保持することができ、
目詰りの防止に寄与することができる。また、使用によ
り摩滅した砥粒は研磨層から脱離することが望ましい
が、多孔質構造はその脱離を容易にする。
【0019】実施例1 双晶状セラミック粒子の製造 ボールミルにて中心径0.7μmに粒度調整した水酸化
アルミニウム10gに純水5gを加えたスラリーを10
0ccのオートクーブに充填し、600℃、100気圧
にて3時間水熱処理を行った。処理後の生成物を水洗、
瀘過、乾燥してアルミナ粉末を得た。上記粉末を粉末X
線回折により測定した結果を図3に示す。得られた結晶
は同定の結果α−アルミナであることが確認される。
【0020】研磨フィルムの製造 得られた双晶状アルミナ粒子を研磨砥粒として使用す
る。上記方法で得られたアルミナ粒子は、粒径0.6μ
mであり、粒径がそろっているので、分級などの整粒は
要しない。この砥粒に対してバインダーとしてウレタン
樹脂を混合物全体の20重量%混合した。基材フィルム
には、ポリエステルフィルムを用いて、このフィルム上
にロールコーティング法により厚さ10μmで塗布して
研磨層を形成した。フィルムは乾燥後ロール状に巻き取
った。
【0021】図4は、この研磨フィルムの断面形状を模
式的に示したものである。図に示されているように、こ
の研磨フィルムの研磨層は双晶状アルミナを用いている
ため切れ刃が被加工物に向かう理想的な研磨構造となっ
ており、研磨・切削性に優れる上、アンカー効果により
砥粒が脱落しにくく、長寿命となる。また、脱落した粒
子が研磨層と被加工物との間に入り込みチッピングを起
こすことが減少する。
【0022】比較用研磨フィルムの製造 比較のため、上記の双晶状アルミナと粒径が同じで形状
が粒状のアルミナを砥粒として用いる以外は上記実施例
1と同様にして研磨フィルムを形成した。この砥粒はボ
ーキサイトを原料として電気溶融後徐冷して得られる褐
色溶融アルミナを粉砕し、粉砕物を分級して得られたも
のである。上記のようにして得られた実施例と比較例の
研磨フィルムを以下の条件でその研磨特性を評価した。
【0023】図5に示すように150rpmで回転する
ターンテーブル上に被加工物としてガラスを載置固定
し、このガラスに接して送り速度55mm/minにて
巾150mmの研磨フィルムを供給し、ガラスの研磨を
行った。その結果、実施例の研磨フィルムは比較例の研
磨フィルムに比べて研磨速度において120%優れてい
ることが判明した。しかも、実施例の研磨フィルムでは
砥粒の脱落は殆ど起こらなかったが、比較例の研磨フィ
ルムでは約8%の砥粒が脱落した。
【0024】実施例2 図2bの工程にしたがい、非フィルム状の研磨砥石を製
造した。実施例1で使用したのと同一の双晶状α−アル
ミナを使用し、これを潤滑剤でよく湿らせた後、結合剤
と混合した。結合剤にはフェノール樹脂を混合物全体の
15重量%で使用した。この混合物を成形して生砥石と
し、これを150〜180℃で乾燥し、仕上げ加工後1
250℃で焼成した。このようにして得られた本発明の
砥石は、双晶状α−アルミナに代えて粒状アルミナを用
いる以外は同様にして製造した比較用砥石とくらべて研
削速度が115%大きいものであった。また、実施例の
砥石では砥粒の脱落も殆どなかったが、比較砥石のもの
は6%脱落した。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の研磨材
は、双晶状α−アルミナを砥粒として使用したことによ
り切れ刃が被加工物に向かうこととなり、研磨・研削速
度が向上し、また双晶の形状特性によるアンカー効果で
砥粒の脱落が少なく、使用中、安定した研磨性能を保持
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨材の砥粒として使用する双晶状α
−アルミナの模式的形状説明図。
【図2】本発明の研磨材を使用した砥石の製造工程を示
すフローチャートで、(a)は研磨フィルムの製造工
程、(b)は非フィルム状砥石の製造工程である。
【図3】双晶状α−アルミナの粉末X線回折図。
【図4】本発明の研磨フィルムの断面模式的説明図。
【図5】研磨特性の評価に使用した試験装置の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 横溝 顕範 (56)参考文献 特開 平7−206435(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24D 3/00 320 C09K 3/14 550

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ粒子が接合された研磨材におい
    て、前記アルミナ粒子として双晶α−アルミナ粒子を用
    いたことを特徴とする研磨材。
  2. 【請求項2】 双晶α−アルミナ粒子の粒径が0.5〜
    10μmである請求項1記載の研磨材。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の研磨材を基材フィルム上
    に有することを特徴とする研磨フィルム。
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