JP2945677B2 - 反響打ち消し装置 - Google Patents

反響打ち消し装置

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JP2945677B2 JP1021477A JP2147789A JP2945677B2 JP 2945677 B2 JP2945677 B2 JP 2945677B2 JP 1021477 A JP1021477 A JP 1021477A JP 2147789 A JP2147789 A JP 2147789A JP 2945677 B2 JP2945677 B2 JP 2945677B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は反響打ち消し装置に関するのである。
(従来の技術) 64KbPs程度の回線を用いた狭帯域テレコンファレンス
ではステレオ音声の場合、左右2チャンネル必要となる
ため不利である。一方、話者識別、臨場感の点からは、
ステレオ音声の方が望ましい。そのため、ローコストで
ステレオ音声の伝達を可能にする方式として、モノラル
音声に50〜100bps程度の付加情報を加えるだけで、ステ
レオ音声の伝送を可能にする方式が提案されている。
第3図はこのような擬似ステレオ音声伝送システムの
概略構成を示す図であり、送信側101と受信側103とが伝
送路105、107によって接続されている。
送信側101はマイクロホン109、111および伝達関数G
(w)推定装置113を有し、受信側103は近似伝達関数
(w)合成装置115、スピーカ117、119を有している。
発言者の音声X(w)は室内の音響特性と、発言者の
位置によって決まる伝達関数HR(w)、HL(w)によ
り、左右のマイク109、111に入力されてマイク入力信号
YR(w)、YL(w)となる。伝達関数G(w)推定装置
113は、左右チャネル間の伝達関数G(w)を G(w)=YL(w)/YR(w) =HL(w)・w/HR(w)・w =HL(w)/HR(w) …(1) を求め、その近似伝達関数(w)を求める。
伝送路105には右マイク入力信号YR(w)が伝送さ
れ、伝送路107には近似伝達関数(w)が送られ、近
似伝達関数(w)合成装置115により左チャネル音声
信号(w)が合成される。
(w)=(w)・YR(w) …(2) YL(w)に替えて、(w)を送るのは、非定常な音
声であるYL(w)を送るよりも、発言者が変らない限り
定常な(w)を送る方が情報圧縮の点で有利だからで
ある。
第4図は前述した反響打ち消し装置の伝達関数G
(w)推定装置113および近似伝達関数(w)合成装
置115の具体的な構成を示したブロック図である。
同図に示されるように伝達関数G(w)推定装置113
は、加算器121と遅延測定器123からなる。
近似伝達関数(w)合成装置115は、遅延減衰算出
器125および遅延減衰付与部127、129からなる。
この反響打ち消し装置では、左右マイク入力信号より
直接音の遅延量τ、減水量lを測定し、これらをコード
化した200bps程度の付加情報τlと、左右マイク入力信
号の和である32〜64kbps程度の主情報xを伝送すること
により実現される。
しかしながら、このような反響打ち消し装置を遠隔会
議を行う場合、発言者の位置が変わると反響路特性も変
化するが、従来の反響打ち消し装置では打消量を一定に
しているので、発言者が変わった場合等には打消量の劣
化が生ずる。
(発明が解決しようとする課題) このように従来の反響打ち消し装置では、反響路特性
が変化すると打消量の劣化が生ずるという問題があっ
た。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは反響路特性が変化してもこれに
対応できる反響打ち消し装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するために第一の本発明は、受信側の
モノラル信号に、受信側の少なくとも音源位置を示すL
種類(ただしLは自然数)の第一の制御情報τにより
設定される利得、遅延の少なくとも一方を与え、スピー
カで放送して疑似ステレオ信号を再生する疑似ステレオ
再生手段と、送信側のマイクロフォンの出力信号に、送
信側の少なくとも音源位置を示すM種類(ただしMは自
然数)の第二の制御情報τにより設定される利得、遅
延の少なくとも一方を与え、加算して信号を生成するマ
イクロフォン手段と、前記第一および第二の制御情報に
対応した、N個(ただしNはN=L×Mであり、LとM
は同時に1とはならない)の疑似反響路特性を記憶する
メモリと、前記第一および第二の制御情報に基づいて、
前記メモリに記憶された前記N個の疑似反響路特性のう
ち、最適な一つの疑似反響路特性を選択する選択手段
と、この選択手段により選択された疑似反響路特性と、
後記減算手段の出力信号と、前記受信側のモノラル信号
とから疑似反響信号を生成する手段と、前記送信側のマ
イクロフォン手段の出力信号から前記疑似反響信号を差
し引く減算手段とを具備することを特徴とする。
また、第二の本発明は、受信側の少なくとも音源位置
を示すL種類(ただしLは自然数)の第一の制御情報τ
に基づいて、受信側のモノラル信号をスピーカのうち
少なくとも一つに選択入力して、前記スピーカで放音す
ることにより疑似ステレオ信号を再生する疑似ステレオ
再生手段と、送信側のマイクロフォンの出力信号に、送
信側の少なくとも音源位置を示すM種類(ただしMは自
然数)の第二の制御情報τにより設定される利得、遅
延の少なくとも一方を与え、加算して信号を生成するマ
イクロフォン手段と、前記第一および第二の制御情報に
対応した、N個(ただしNはN=L×Mであり、LとM
は同時に1とはならない)の疑似反響路特性を記憶する
メモリと、前記第一および第二の制御情報に基づいて、
前記メモリに記憶された前記N個の疑似反響路特性のう
ち、最適な一つ疑似反響路特性を選択する選択手段と、
この選択手段により選択された疑似反響路特性と、後記
減算手段の出力信号と、前記受信側のモノラル信号とか
ら疑似反響信号を生成する手段と、前記送信側のマイク
ロフォン手段の出力信号から前記疑似反響信号を差し引
く減算手段とを具備することを特徴とする。
(作 用) 本発明では、遅延量および減水量が変化することによ
り発生する反響路変動に対応するため、遅延量、減衰量
の組合せが複数組ある場合、複数組の反響路特性を記憶
しておき、付加情報に対応して選択して用いることによ
り、前記反響路特性変化による打消量劣化を防ぐ。
また、マイクロホン側で発言者位置に対応してマイク
ロホンアンプの利得を変化させる場合にも、この利得の
組合せ及び、擬似ステレオのの付加情報に応じて反響路
特性を記憶しておけば、マイクロホン利得の変化による
反響路特性の変化に対応できる。
(実施例) 以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例に係る反響打ち消し装置の
構成を示すブロック図である。
同図に示されるようにこの反響打ち消し装置は、損失
テーブル1、アンプ3、5、スピーカ7、9、メモリ1
1、スイッチ13、適応フィルタ(AF)15、選択テーブル1
7、マイクロホン19、21、アンプ23、25、加算器27、発
言者検出回路29、減算器31とを有し、伝送路33、35、3
7、39により相手側の反響打ち消し装置に接続される。
損失テーブル1はアンプ3、5の利得を制御する複数
の値を記憶しており、相手側から送られてくる発言者位
置を示す第1の付加情報τに応じてアンプ3、5に適
当な損失量が与えられる。
アンプ3、5は伝送路33を介して相手側から送られて
くるモノラル音声信号Xに損失を与える。すなわち、モ
ノラル音声信号Xにアンプ3、5で異なる損失が与えら
れることにより、発言者の位置に応じた音像が得られ
る。
スピーカ7、9はそれぞれ電気信号を音声に変換す
る。
メモリ11は複数の擬似反響路特性からを有し
ている。このNは第1の識別情報τの種類がL種類、
第2の識別情報τの種類がM種の時、 N=L・M で決まる。
スイッチ13は選択テーブル17の出力に応じてメモリ11
内に記憶されている擬似反響路特性からまでの
うち、適当なものを選択して適応フィルタ15に送る。
適応フィルタ15はスイッチ13を介して送られてくる擬
似反響路特性とモノラル音声信号Xにより擬似反響
路特性の推定を行い、それに応じた擬似反響路特性信号
を減算器31に送る。
選択テーブル17は第1の識別情報τと第2識別用法
τTに応じてスイッチ13を切替える情報を記憶してい
る。
マイクロホン19、21は話者の発言を集音し、電気信号
に変換してアンプ23、25に送る。また、これらの信号は
発言者検出回路29に送られ、発言者検出回路29はこれら
の信号から発言者の位置を検出して発言者の位置を示す
第2の情報τを伝送路39を介して相手側に送出すると
ともに、選択テーブル17に送る。さらに、この第2の情
報τに応じてアンプ23、25の利得が制御される。
アンプ23、25によって増幅された信号は加算器27で加
算される。減算器31は加算器27の出力信号から適応フィ
ルタ15から送られる擬似反響路特性信号を差引いて伝送
路37を介して相手側に送る。
次に本実施例の概略動作について述べる。
本実施例では相手側から送られてくる第1の付加情報
τと相手側に送る第2の付加情報τの組合わせに応
じて選択テーブル17の値が読み取られこの値に応じた擬
似反響路特性がをスイッチ13が選択する。メモリ11
から最適な擬似反響路特性が選択されて適応フィルタ1
5、減算器31によってこの擬似反響路特性信号(擬似エ
コー)が差引かれる。
このように本実施例では、メモリ11に複数の擬似反響
路特性を記憶させておき、第1の付加情報および第2の
付加情報に応じて適切な擬似反響路特性信号を選択して
いるので、発言者等の位置が変わり反響路特性が変わっ
ても、減算器31の打消量の劣化を防止することができ
る。
第2図は本発明の他の実施例を示すもので、反響打ち
消し装置のスピーカ部を示したものである。この実施例
においては、複数のスピーカ41−1、41−i、41−M、
スイッチ43、制御テーブル45を有している。
制御テーブル45は相手側から送られてくる第1の付加
情報τに応じた最適のスピーカ41−iの番号を記憶し
ており、この番号に応じて、スイッチ43が切替わる。ス
ピーカ41−1から41−Mはそれぞれ異なる場所に配置さ
れており、スイッチ43を介して入力されるモノラル音声
信号Xが適当なスピーカから出力される。
本実施例では、相手側から送られてくる付加情報に応
じて音像位置が切替わる。
なお、第2の実施例において、スピーカ打以外の構成
は第1の実施例と同様である。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように本発明によれば、反響路特
性が変化してもこれに対応できる反響打ち消し装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例に係る反響打ち消し装置
の構成を示すブロック図、第2図は他の実施例に係る反
響打ち消し装置の要部の構成を示すブロック図、第3図
および第4図は従来の擬似ステレオ音声伝送システムの
概略構成図である。 7、9……スピーカ 11……メモリ 13……スイッチ 15……適応フィルタ 17……選択テーブル 19、21……マイクロホン 29……発言者検出回路 31……減算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−24696(JP,A) 特開 昭62−203432(JP,A) 南重信、“疑似ステレオに適用する音 響用エコーキャンセラ”,電子情報通信 学会技術研究報告(CS86−165〜178) Vol.86,No.395(1987.3.25) P.15〜21 南重信、野田晃司、“テレコンファレ ンス音声系におけるディジタル信号処理 の応用”電子情報通信学会技術研究報告 (OS88−29)Vol.88,No.195 (1988.9.22)P.19〜25 南重信、岡田理、“サインアルゴリズ ムを用いた疑似ステレオ符号化方式" 1990年電子情報通信学会春季全国大会講 演論文集[分冊3](1990.3.5) P.3.301 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 3/20 - 3/23 H04S 5/00 H04M 1/58 - 1/60 H03H 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信側のモノラル信号に、受信側の少なく
    とも音源位置を示すL種類(ただしLは自然数)の第一
    の制御情報τにより設定される利得、遅延の少なくと
    も一方を与え、スピーカで放送して疑似ステレオ信号を
    再生する疑似ステレオ再生手段と、 送信側のマイクロフォンの出力信号に、送信側の少なく
    とも音源位置を示すM種類(ただしMは自然数)の第二
    の制御情報τにより設定される利得、遅延の少なくと
    も一方を与え、加算して信号を生成するマイクロフォン
    手段と、 前記第一および第二の制御情報に対応した、N個(ただ
    しNはN=L×Mであり、LとMは同時に1とはならな
    い)の疑似反響路特性を記憶するメモリと、 前記第一および第二の制御情報に基づいて、前記メモリ
    に記憶された前記N個の疑似反響路特性のうち、最適な
    一つの疑似反響路特性を選択する選択手段と、 この選択手段により選択された疑似反響路特性と、後記
    減算手段の出力信号と、前記受信側のモノラル信号とか
    ら疑似反響信号を生成する手段と、 前記送信側のマイクロフォン手段の出力信号から前記疑
    似反響信号を差し引く減算手段と を具備することを特徴とする反響打ち消し装置。
  2. 【請求項2】受信側の少なくとも音源位置を示すL種類
    (ただしLは自然数)の第一の制御情報τに基づい
    て、受信側のモノラル信号をスピーカのうち少なくとも
    一つに選択入力して、前記スピーカで放音することによ
    り疑似ステレオ信号を再生する疑似ステレオ再生手段
    と、 送信側のマイクロフォンの出力信号に、送信側の少なく
    とも音源位置を示すM種類(ただしMは自然数)の第二
    の制御情報τにより設定される利得、遅延の少なくと
    も一方を与え、加算して信号を生成するマイクロフォン
    アレイ手段と、 前記第一および第二の制御情報に対応した、N個(ただ
    しNはN=L×Mであり、LとMは同時に1とはならな
    い)の疑似反響路特性を記憶するメモリと、 前記第一および第二の制御情報に基づいて、前記メモリ
    に記憶された前記N個の疑似反響路特性のうち、最適な
    一つ疑似反響路特性を選択する選択手段と、 この選択手段により選択された疑似反響路特性と、後記
    減算手段の出力信号と、前記受信側のモノラル信号とか
    ら疑似反響信号を生成する手段と、 前記送信側のマイクロフォン手段の出力信号から前記疑
    似反響信号を差し引く減算手段と を具備することを特徴とする反響打ち消し装置。
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南重信、"疑似ステレオに適用する音響用エコーキャンセラ",電子情報通信学会技術研究報告(CS86−165〜178)Vol.86,No.395(1987.3.25)P.15〜21
南重信、岡田理、"サインアルゴリズムを用いた疑似ステレオ符号化方式"1990年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集[分冊3](1990.3.5)P.3.301
南重信、野田晃司、"テレコンファレンス音声系におけるディジタル信号処理の応用"電子情報通信学会技術研究報告(OS88−29)Vol.88,No.195(1988.9.22)P.19〜25

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