JP2942271B2 - 漏電探査器 - Google Patents

漏電探査器

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JP2942271B2
JP2942271B2 JP1055691A JP5569189A JP2942271B2 JP 2942271 B2 JP2942271 B2 JP 2942271B2 JP 1055691 A JP1055691 A JP 1055691A JP 5569189 A JP5569189 A JP 5569189A JP 2942271 B2 JP2942271 B2 JP 2942271B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低圧配電線からの電力供給区域に発生した
漏電箇所を探査する漏電探査器に関する。
〔従来の技術〕
通常、配電用変圧器(以下、柱上変圧器という)の二
次側から延設された低圧配電線は、単相二線式、単相三
線式、三相三線式、三相四線式の各種配電方式が用いら
れているが、いずれの方式においても混触時の低圧側電
圧上昇を抑制する目的で、一線(または中性点)が柱上
変圧器設置場所で接地されている。そして、この接地線
の接地抵抗を所定値に保つために、複数の柱上変圧器の
接地線を並列に接続することが多い(以下、接地線を並
列に接続する線を中性線という)。この中性線を設けた
配電線に発生した漏電を探査するものとして、例えば、
上記中性線に結合した変流器によって検出した漏れ電流
を矩形波に波形整形した電流検出信号の位相と、上記中
性線と大地に接続したリード線を介して検出した対地電
圧を矩形波に波形整形した電圧検出信号の位相とを比較
し、両位相が同相の期間は正、逆相の期間は負とした矩
形波信号を平滑してメータに印加し、メータの指針を目
盛の中央を中心として入力信号の極性および大きさに比
例して左右に振らせ、この指針の振れ方向と漏電方向と
を一致させることにより漏電方向がわかるようにしたも
のが提案されている(特公昭53−39579号参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述のように構成した場合、電流検出
信号と電圧検出信号との位相を比較したアナログ信号で
メータの指針を振らせるようにしているため、上記両検
出信号の位相差が0度または180度のときは、同相また
は逆相の期間が最大となって指針が大きく振れるので漏
電方向の判別が比較的容易であるが、漏れ電流が流れる
回路の回路定数のインダクタンスまたは静電容量の割合
が大きくなると上記位相差が90度に近づくため、同相と
逆相の期間の差が小さくなって、指針の振れがわずかと
なり、的確に漏電方向の判別ができないという問題を有
していた。
また、中性線の対地電圧と漏れ電流の位相比較によっ
て漏電方向を探査するようになっているので、例えば需
要家の引込線等における漏電探査のように、漏れ電流の
みによる検出を行うことはできず、この探査には漏れ電
流のみを検出するようにした別の漏電探査器が必要とな
り、漏電探査が煩雑となって手間を要するという問題を
有していた。
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、漏電方向を
明確に検出・表示することはもちろん、漏れ電流のみの
検出・表示も可能にして、的確な漏電探査を効率的に行
うことのできる漏電探査器を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するため、中性線に流れる
漏れ電流を検出して矩形波の電流検出信号を出力する電
流検出回路と、中性線の対地電圧を検出して矩形波の電
圧検出信号を出力する電圧検出回路のいずれか一方に移
相回路を設けると共に、少なくとも上記両検出回路の一
方に矩形波の検出信号からパルス信号を出力する矩形波
検出回路を設けて、このパルス信号と他方の検出回路の
矩形波信号とを位相比較回路に入力させて両検出信号の
位相を比較し、この位相比較回路の出力信号により漏電
方向を表示すると共に、上記電流検出信号によって漏れ
電流の有無を表示するようにしたものである。
〔作用〕
検出した漏れ電流と対地電圧のいずれか一方の位相を
移相させ、矩形波に整形した電流・電圧両検出信号は、
そのいずれか一方の信号により発生させたパルス信号と
他方の検出信号との論理積によって位相比較され、この
比較信号で検出点における漏電方向を表示させると共
に、上記電流検出信号により漏れ電流の有無を独立して
表示させる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図によって説明する。第1図
において、1は漏電探査器で、電池等からなる直流電源
2と、この直流電源2を切換えて出力する切換回路3
と、漏れ電流を検出し移相してパルス信号を発生させ、
これを電流検出信号として出力する電流検出回路4と、
対地電圧を検出して矩形波の電圧検出信号を出力する電
圧検出回路5と、上記電流・電圧両検出回路4、5の出
力の位相を比較する位相比較回路6と、これの出力を保
持して送出する記憶回路7と、これの出力を上記切換回
路3の出力により表示する表示回路8と、切換回路3の
出力により上記記憶回路7を初期化する復帰回路9とか
ら構成されている。そして、切換回路3は、2回路4接
点のロータリスイッチ等で形成された切換スイッチから
なり、この切換スイッチの可動接点a1,a2は連動して、
それぞれに対応する固定接点b11,b12,b13,b14および
b21,b22,b23,b24を順次切換えるようになっている。上
記可動接点a1は直流電源2の正極に接続し、固定接点b
11は遊び接点として、b12,b13,b14は可動接点a2に接続
している。また固定接点b21,b24は遊び接点とし、b22
復帰回路9の入力端に、固定接点b23は表示回路8の入
力端に接続している。そして、上記切換スイッチの可動
接点a1,a2が固定接点b11,b21に切換接続されたときは、
漏電探査器1の各回路への電源供給を停止し、可動接点
a1,a2が固定接点b12,b22に切換接続したときは、直流電
源2を、表示回路8を除いた他の回路へ供給し、(電源
供給線は第1図に図示した以外は図示省略)、このとき
記憶回路7を初期化するようになっている。可動接点
a1,a2が固定接点b13,b23に切換接続したときは、直流電
源2を、復帰回路9の入力端を除いた他の回路へ供給し
て漏電検出動作を行うようになっている。可動接点a1,a
2が固定接点b14,b24に切換接続したときは、直流電源2
を、表示回路8および復帰回路9の入力端を除いた他の
回路へ供給して漏電検出動作を行うようになっている。
電流検出回路4について説明する。10は漏れ電流検出
部で、環状鉄心を分割して拡開可能に形成してこれに2
次巻線を巻装し、この環状鉄心に通電状態にある配電線
(中性線)、引込線等を貫通させるようにした漏れ電流
検出用の変流器CTと、これの2次出力端子間に挿入した
抵抗R1とからなり、この抵抗R1の端子間から、漏れ電流
を電圧に変換して出力するようになっている。11は移相
回路で、上記電流検出回路4の出力端子間にコンデンサ
C1と抵抗R2とを直列に挿入して微分回路を形成し、上記
抵抗R2の端子間から入力信号の位相を例えば60度進めて
出力するようになっている。12は増幅回路で、演算増幅
器OP1の反転入力端子に上記位相回路11のコンデンサC1
と抵抗R2の接続点を入力抵抗R3を介して接続すると共
に、負帰還回路に抵抗R4を接続し、非反転入力端子に上
記抵抗R2の他端を接続して、入力信号を反転増幅して出
力するようになっている。そして、この増幅回路12の増
幅度R4/R3は、検出レベル(例えば10mA)以上の漏れ電
流が上記漏れ電流検出部10に入力したとき、立上りが急
峻で波高値がほぼ電源電圧に等しい矩形波となるように
設定されている。13は矩形波検出回路で、上記増幅回路
12の出力端とアース間に、コンデンサC2と抵抗R5とを直
列に接続して時定数C2・R5の小さい微分回路とし、抵抗
R5の両端にダイオードD1を逆方向に接続して、入力の立
上りで上記コンデンサC2と抵抗R5の接続点に正のパルス
を発生させると共に、上記パルスのレベルがノット回路
N1のしきい値を越えたとき、その出力端からLレベルの
出力信号を送出するようになっている。14は遅延回路
で、上記切換回路3の切換スイッチの可動接点a2とアー
ス間に、抵抗R6とコンデンサC3を直列に接続して時定数
R6・C3の積分回路とし、抵抗R6とコンデンサC3の接続点
を、該接続点にアノードを接続したダイオードD2を介し
て上記矩形波検出回路13のノット回路N1の出力端に接続
すると共に、ノット回路N2に接続し、このノット回路N2
の出力端とアース間に、抵抗R7とコンデンサC4を直列に
接続して時定数R7・C4の積分回路を設け、上記抵抗R7
両端にはダイオードD3を逆方向に接続して、上記抵抗R7
とコンデンサC4の接続点(出力端)から出力するように
なっている。上記時定数R6・C3は、上記遅延回路14への
入力信号の周期T(第4図eのT)の時間にコンデンサ
C3が抵抗R6を介して直流電源2から充電されてもノット
回路N2のしきい値に達せず、上記周期T×2の充電時間
でしきい値に達するように設定されている。また、上記
時定数R7・C4は、上記周期T×4以上の時間、コンデン
サC4が抵抗R7を介してノット回路N2から充電されると、
アンド回路A1のしきい値に達するように設定されてい
る。そして、上記矩形波検出回路13のコンデンサC2と抵
抗R5の接続点と、遅延回路14の出力端とをアンド回路A1
に接続し、このアンド回路A1の出力端から電流検出信号
を送出するようになっている。
次に、電圧検出回路5について説明する。16は電圧検
出部で、一端に着脱可能な接続金具をつけた図示しない
接続線の他端をそれぞれ接続するようにした端子15a,15
b間に抵抗R8,R9を直列に挿入し、抵抗R9の端子間から入
力を分圧して出力するようになっており、上記図示しな
い接続線を介して、上記端子15aを中性線に、また、端
子15bを大地に着脱可能に接続して対地電圧を入力させ
るようになっている。17は増幅回路で、上記増幅回路12
と同様、演算増幅器OP2の反転入力端子に入力抵抗R10
介して上記電圧検出部16の抵抗R8とR9の接続点を接続す
ると共に、負帰還回路に抵抗R11を接続し、非反転入力
端子を上記端子15bに接続して、演算増幅器OP2の出力端
から反転増幅した出力信号を送出するようになってお
り、この増幅回路17の増幅度R11/R10は、検出レベル
(例えば1V)以上の対地電圧が電圧検出部16に入力した
とき、立上りが急峻で波高値がほぼ電源電圧に等しい矩
形波となるように設定している。18は矩形波検出回路
で、上記矩形波検出回路13と同様、増幅回路17の出力端
とアース間にコンデンサC5と抵抗R12とを直列に接続し
て時定数C5・R12の小さい微分回路とし、抵抗R12の両端
にダイオードD4を逆方向に接続して、入力の立上りで正
のパルスを発生させ、このレベルがノット回路N3のしき
い値を越えたとき、その出力端からLレベルの信号を送
出するようになっている。19は遅延回路で、上記遅延回
路14と同様、上記切換回路3の切換スイッチの可動接点
a2とアース間に、抵抗R13とコンデンサC6を直列に接続
して時定数R13・C6の積分回路とし、抵抗R13とコンデン
サC6の接続点を、該接続点にアノードを接続したダイオ
ードD5を介して上記矩形波検出回路18のノット回路N3
出力端に接続すると共に、ノット回路N4に接続し、この
ノット回路N4の出力端とアース間に、抵抗R14とコンデ
ンサC7を直列に接続して時定数R14・C7の積分回路を設
け、上記抵抗R14の両端にはダイオードD6を逆方向に接
続して、上記抵抗R14とコンデンサC7の接続点(出力
端)から出力するようになっている。上記時定数R13・C
6および時定数R14・C7は、上述した遅延回路14の時定数
R6・C3および時定数R7・C4にそれぞれ対応して同様に設
定されている。そして、上記増幅回路17と遅延回路19の
出力端から電圧検出信号をそれぞれ送出するようになっ
ている。
位相比較回路6は、電流検出回路4のアンド回路A1
出力端と電圧検出回路5の遅延回路19の出力端とから接
続されたアンド回路A2と、このアンド回路A2の出力端と
電圧検出回路5の増幅回路17の出力端とから接続された
アンド回路A4と、上記アンド回路A2の出力端と上記増幅
回路17の出力端に接続されたノット回路N5の出力端とか
ら接続されたアンド回路A3とから形成され、上記アンド
回路A3とA4の出力端からパルス信号をそれぞれ出力する
ようになっている。
記憶回路7について説明する。SR1,SR2,SR3は、例え
ば8個以上のパルスが入力したとき、Hレベルの信号を
保持して出力するようにした例えば8ビットのシフトレ
ジスタである。このシフトレジスタSR1,SR2,SR3のデー
タ端子Dは、上記切換回路3の切換スイッチの可動接点
a2に接続して、漏電検出を行うときにはHレベルとなる
ようにしている。シフトレジスタSR1のクロック端子CK
に上記電流検出回路4のアンド回路A1の出力端を、ま
た、シフトレジスタSR2,SR3のクロック端子CKに上記位
相比較回路6のアンド回路A3とA4の出力端をそれぞれ接
続している。シフトレジスタSR1のリセット端子Rを復
帰回路9の出力端に接続し、シフトレジスタSR2,SR3
リセット端子RをそれぞれダイオードD7,D8を介して復
帰回路9の出力端に接続して、復帰回路9がリセット信
号(Lレベル)を送出したとき、シフトレジスタSR1,SR
2,SR3が初期化するようになっている。また、シフトレ
ジスタSR2,SR3のリセット端子Rはそれぞれ高抵抗の抵
抗R15,R16を介して上記切換スイッチの可動接点a2に接
続し、漏電検出を行うときにはHレベルとなるようにし
ている。シフトレジスタSR1,SR2,SR3の出力端Qにはそ
れぞれノット回路N6,N7,N8を接続し、漏電検出時に上記
出力端Qから送出されるHレベルの出力信号を反転して
出力すると共に、シフトレジスタSR2のリセット端子R
をダイオードD9を介してノット回路N8の出力端に、ま
た、シフトレジスタSR3のリセット端子RをダイオードD
10を介してノット回路N7の出力端にそれぞれ接続して、
シフトレジスタSR2(またはSR3)が漏電検出信号(Hレ
ベル)を出力したとき、シフトレジスタSR3(またはS
R2)のリセット端子RをLレベルにして、両方から同時
に漏電検出信号を出力しないようになっている。
表示回路8は、上記記憶回路7のノット回路N6,N7,N8
の出力端に制限抵抗R17,R18,R19を介して発光ダイオー
ドLD1,LD2,LD3のカソードをそれぞれ接続し、この発光
ダイオードLD1,LD2,LD3のアノードは切換回路3の切換
スイッチの固定接点b23に接続して、上記切換スイッチ
の可動接点a2が固定接点b23に切換接続された状態で、
上記シフトレジスタSR1,SR2,SR3からノット回路N6,N7,N
8を介してLレベルの出力信号を受けたとき、発光ダイ
オードLD1,LD2,LD3を点灯して表示するようになってい
る。そして、発光ダイオードLD1,LD2,LD3は第2図に示
すように、この漏電探査器1の外部から目視可能に配置
され、変流器の配電線貫通部の一方の側面に例えば符号
「A」,他方の側面に例えば符号「B」を付しておい
て、漏電検出動作により、発光ダイオードLD1の点灯で
漏れ電流検出を表示すると共に、発光ダイオードLD2
点灯すればA側方向、発光ダイオードLD3が点灯すれば
B側方向に漏電箇所があることを表示するようになって
いる。
復帰回路9は、入力端を、上記切換回路3のスイッチ
の固定接点b22に接続すると共に、アース間に抵抗R20
挿入し、ノット回路N9を介して記憶回路7へ出力するよ
うになっている。
このように構成された漏電探査器1は、第2図に示す
ように、通称クランプ形電流計と呼ばれている計測器と
同様、内部に上記回路を収納配置した凾状の本体部40
と、この本体部40内に図示しない枢着部を有して突出し
た上記電流検出部10の変流器CTの拡開可能に2分割され
た環状鉄心部41と、本体部40から出没可能に常時突出し
た操作釦42とを備え、上記操作釦42を押し込むことによ
り、上記環状鉄心部41を拡開させて開口端から中性線27
を挿入し、押し込みの解除により、上記拡開を復帰させ
て環状鉄心部41に中性線27を貫通装着するようになって
いる。また、上記本体部40には図示しないフック金具を
備えた適当な長さの取付紐を具備させて、このフック金
具を装着近傍の部材に掛けて吊り支持ができるようにな
っている。
次に、漏電探査器1の動作を、第3図に示す単相三線
式低圧配電線に適用した例で説明する。
第3図において、21,22,23は柱上変圧器であり、この
柱上変圧器21,22,23の二次巻線の中性点をそれぞれ接地
線24,25,26にて接地し、この接地線24,25,26を中性線27
で相互に接続している。また、上記接地線24,25,26はそ
れぞれ接地抵抗28,29,30を有している。上記柱上変圧器
21,22,23の二次巻線の両端部から接続された電圧線を上
記中性線27と共に柱上変圧器毎の供給区域に延設して、
電力が単相三線式配電方式で図示しない負荷に供給され
ている。上記供給区域は境界点31,32で分離されてい
て、この境界点31,32の中性線27には負荷電流は流れな
いようになっている。
上記配電線で、柱上変圧器22の供給区域の電圧線のP
点で漏電が生じた場合、漏れ電流の経路は、第3図に矢
印で示したように、漏れ電流はP点より大地を介して、
接地線24,25,26に分流して中性線27を通り、柱上変圧器
22を経てP点に帰る経路で流れる。このとき、漏れ電流
が接地線24,25,26の接地抵抗28,29,30を流れることによ
り中性線27には対地電圧が生じる。また、境界点31,32
の中性線27には、第3図に示すように、漏れ電流だけが
互いに逆方向に流れる。
漏電探査器1を上記中性線27に取付ける際は、先ず、
切換回路3の切換スイッチの可動接点a1,a2を固定接点b
11,b21から固定接点b12,b22へ切換えると、直流電源2
は表示回路8以外の各回路に供給される。これをうけた
復帰回路9の入力端がHレベルとなり、ノット回路N9
出力端から記憶回路7へLレベルのリセット信号を送出
する。これをうけたシフトレジスタSR1のリセット端子
RはLレベルとなり、また、シフトレジスタSR2,SR3
リセット端子RはそれぞれダイオードD7,D8の導通によ
りLレベルとなって、シフトレジスタSR1,SR2,SR3は初
期化される。
次に、可動接点a1,a2を固定接点b13,b23に切換接続す
ると、復帰回路9の入力端を除いて、各回路に直流電源
2が供給され、復帰回路9のノット回路N9は、その入力
端が抵抗R20を介してアースされるので出力信号はHレ
ベルに反転する。このため、シフトレジスタSR2,SR3
リセット端子Rは、ダイオードD7,D8が不導通となるの
で、それぞれ高抵抗の抵抗R15,R16を介して直流電源2
をうけてHレベルに反転し、シフトレジスタSR2,SR3はS
R1と共に動作待機の状態となり、漏電検出・記憶・表示
の動作が可能となる。
この際、漏電探査器1を探査のために長時間取付け・
放置しておく場合は、切換スイッチの可動接点a1,a2
固定接点b14,b24に切換接続して、表示回路8への電源
供給を停止の状態にしておけば、漏電検出動作時の表示
回路8の発光ダイオードLD1,LD2,LD3の点灯による直流
電源2の消耗が軽減される。
(イ)漏電方向の探査. 上記の状態にした複数の漏電探査器1を、探査しよう
とする複数個所の境界点(本例では31,32)の中性線27
に、例えば、第2図に示した操作釦42の位置を、第3図
において手前側にして(即ち、符号「A」を右側にし
て)、柱上において貫通装着する。次に、電圧検出回路
5の端子15aと15bを、図示しない接続金具を有した接続
線を介して中性線27と大地にそれぞれ接続する。
漏電が発生していない場合. 電流検出回路4および電圧検出回路5への入力信号は
無く、位相比較回路6と記憶回路7の入・出力信号も無
いので、シフトレジスタSR1,SR2,SR3の出力端子Qはす
べてLレベルであり、ノット回路N6,N7,N8を介した発光
ダイオードLD1,LD2,LD3のカソードはすべてHレベルに
保持されて、これらのアノードに電源を供給しても漏電
検出表示はしない。
検出レベルに達しない微小な漏電が第3図P点に発
生した場合. 電流検出回路4の漏れ電流検出部10で微小電流を検出
し、移相回路11を経て増幅回路12により増幅して出力す
ることになるが、入力レベルが小さいため、出力波形は
立上がりが急峻な矩形波とならず、これが矩形波検出回
路13に入力しても、ノット回路N1およびアンド回路A1
しきい値を越えるパルスは発生しないため、ノット回路
N1の出力信号はHレベル、アンド回路A1の出力信号はL
レベルのままである。
一方、電圧検出回路5は、電圧検出部16で微小電圧を
検出することになるが、上述同様、増幅回路17の出力波
形は立上がりが急峻な矩形波とならないので、矩形波検
出回路18はノット回路N3のしきい値を越えるパルスを出
力しないため、ノット回路N3の出力信号はHレベル、遅
延回路19の出力信号はLレベルのままである。このと
き、増幅回路17の出力信号が位相比較回路6のノット回
路N5とアンド回路A4に送出されるが、アンド回路A3,A4
の一方の入力端はアンド回路A2からLレベルの出力信号
を受けているので、位相比較回路6の出力信号はLレベ
ルのままである。従って、上述の漏電が発生していない
場合と同様、発光ダイオードLD1,LD2,LD3に電源を供給
しても漏電検出表示はしない。
検出レベル以上の漏電が第3図P点に発生した場
合. 境界点31に取付けた漏電探査器1は、このときの漏れ
電流を漏れ電流検出部10で検出し(第4図a,第5図
d)、これを移相回路11によって例えば60度移相(進
相)させる(第4図b)。これをうけた増幅回路12は、
反転増幅して、立上りが急峻で波高値が電源電圧にほぼ
等しい矩形波の信号を送出する(第4図c,第5図e)。
これをうけた矩形波検出回路13は入力の立上りでパルス
を発生させ(第4図d)、これをアンド回路A1へ送出す
ると共に、ノット回路N1を介して反転した出力信号を遅
延回路14に送出する(第4図e)。これをうけた遅延回
路14は、入力信号の立下がりでダイオードD2が導通し
て、コンデンサC3は、直流電源2により抵抗R6を介して
充電されていた電荷を瞬時に放電し、入力信号の立上り
でダイオードD2が不導通となると、コンデンサC3は抵抗
R6を介して充電される、充放電動作を繰り返す。この充
放電動作におけるコンデンサC3はその充電電圧がノット
回路N2のしきい値に達する前に放電される動作を繰り返
すため、ノット回路N2の出力信号はHレベルに保持され
る。これにより、コンデンサC4が抵抗R7を介して時定数
C4・R7で充電され、その充電電圧は、上記矩形波検出回
路13からパルス信号が連続して例えば5個入力したとき
(即ち、上記入力信号の周期T×4の充電時間で)、ア
ンド回路A1のしきい値に達し、遅延回路14がHレベルの
出力信号を送出する(第4図f)。これをうけたアンド
回路A1は、上記矩形波検出回路13の出力パルスと同位相
のパルス信号を電流検出回路4の電流検出信号として、
位相比較回路6のアンド回路A2と記憶回路7のシフトレ
ジスタSR1とに出力する(第4図g,第5図f)。これを
クロック端子CKにうけた上記シフトレジスタSR1は、入
力パルスの立上がり毎にセットして1ビットづつシフト
させ、このシフトレジスタSR1が例えば8ビットであれ
ば、8個のパルス信号が入力すると出力端子QはHレベ
ルに反転して(第4図h)、ノット回路N6を介して表示
回路8の発光ダイオードLD1のカソード側をLレベルと
し、漏れ電流が消滅しても、リセット信号が入力するま
でシフトレジスタSR1はこれを保持(記憶)する。
他方、電圧検出回路5の電圧検出部16は、中性線27の
対地電圧を検出し(第5図a)、これをうけた増幅回路
17は反転増幅して、立上がりが急峻な矩形波の信号を送
出する(第5図b)。これをうけた矩形波検出回路18
は、上述した矩形波検出回路13と同様、入力の立上がり
でパルス信号を発生させ、これをノット回路N3を介して
出力する。これをうけた遅延回路19は、上述した遅延回
路14と同様、コンデンサC6は、ノット回路N4のしきい値
に達しない充電電圧で充放電動作を繰り返して、ノット
回路N4の出力信号をHレベルに保持し、コンデンサC7
抵抗R14を介して時定数C7・R14で充電させ、その充電電
圧は、パルス信号が連続して例えば5個入力したとき
(即ち、入力信号の周期T×4の充電時間で)、出力信
号がHレベルとなる。これをうけた位相比較回路6のア
ンド回路A2は、上記電流検出回路4のアンド回路A1の出
力信号との論理積を出力する。すなわち、アンド回路A2
は、アンド回路A1の出力信号と同位相のパルス信号(第
5図f)をアンド回路A3とA4に出力する。これをうけた
アンド回路A3とA4は、入力端の他方に電圧検出回路5の
増幅回路17の矩形波の出力信号(第5図b)を、アンド
回路A3はノット回路N5を介して(第5図c)、またアン
ド回路A4は直接に、それぞれ入力させているので、いず
れか一方(本例ではアンド回路A2)のみパルス信号を位
相比較回路6の出力信号として出力することになる。
このように、位相比較回路6は、漏れ電流と対地電圧
が共に検出レベル以上になったときのみ、アンド回路A2
がパルス信号を出力するようにしてあるので、両信号の
位相比較を的確に行うことが可能となる。しかも、位相
比較回路6には、上記漏れ電流と対地電圧のいずれか一
方(本例では漏れ電流)を移相させて、電流、電圧検出
信号を入力させるようにしているので、漏れ電流が流れ
る回路の定数により、例えば、漏れ電流が対地電圧より
少し進んだ位相関係にあると、上記パルス発生時におけ
る電圧波形のレベルはLとなり、また、これとは反対に
漏れ電流が対地電圧より少し遅れた位相関係にあると、
上記パルス発生時における電圧波形のレベルはHレベル
となって、両者の位相関係が同相的であっても判別する
ことができない、といったことが生ずることなく、両者
の位相関係を的確に判別した位相比較を行うことが可能
となる。
そして、上記位相比較回路6のアンド回路A3からパル
ス信号(第5図f)をうけた記憶回路7のシフトレジス
タSR2は、上述したシフトレジスタSR1と同様、例えば8
個のパルス信号が入力すると出力端子QはHレベルに反
転して(第5図g)、ノット回路N7を介して表示回路8
の発光ダイオードLD2のカソード側をLレベルとし、こ
れ以後、漏れ電流が消滅しても、リセット信号が入力す
るまでシフトレジスタSR2はこれを保持(記憶)する。
この際、上記シフトレジスタSR2の出力信号がHレベ
ルになったとき、ノット回路N7を介してダイオードD10
が導通し、シフトレジスタSR3のリセット端子Rの入力
をLレベルにするので、シフトレジスタSR3はリセット
される。また、上記遅延回路14の動作において、矩形波
検出回路13からパルス信号が連続して5個入力しなかっ
た(例えば電気機器の誤操作による瞬間的な漏電が発生
した)場合は、ダイオードD2が、上記パルス信号の周期
T×2以上不導通の間にコンデンサC3が抵抗R6を介して
Hレベルに充電され、これをうけたノット回路N2の出力
はLレベルとなってダイオードD3が導通して、コンデン
サC4はその充電電圧がHレベルに達する上記周期T×4
の充電時間の前に放電するので、これをうけたアンド回
路A1は、入力端がLレベルのままであり、パルス信号を
送出しないことになる。この動作は、遅延回路19におい
ても全く同様である。そして、上記遅延回路14,19は、
所定数(例えば5個)以上のパルス信号が連続的に入力
しないと(即ち、入力信号の周期T×4の時間充電しな
いと)Hレベルの出力信号を送出しないようにしている
ので、漏れ電流検出部10の変流器CTの残留磁気等に起因
する誘導電流が流れたり、あるいは電圧検出部16にノイ
ズが侵入したりしても誤動作することなく電流電圧両検
出信号を出力して、的確な漏電検出表示を行うことが可
能となる。
他方、境界点32に取付けた漏電探査器1は、第3図に
示すように、配電線の漏電箇所P点を挟む境界点31,32
の中性線27に流れる漏れ電流は互いに逆方向に流れるの
で、上記漏れ電流検出部10の変流器CTの2次巻線の極性
を同じ向きにして境界点31および32に取付けると、両者
の出力電流波形の位相差は180度となる。従って、両者
に共通となる中性線27の対地電圧の位相(第5図a)に
対して、上述の境界点31における漏れ電流の位相が同相
的(第5図d)であれば、境界点32において検出した漏
れ電流の位相は逆相的(第5図h)となる。そして、こ
れ以後の電流検出回路4の動作は、境界点31に取付けた
漏電探査器1の電流検出回路4とほぼ同様であるが位相
のみ180度異なる(第5図i,j)。一方、電圧検出回路5
の出力は、境界点31に取付けた漏電探査器1の電圧検出
回路5と全く同様である(第5図a,b,c)。そして、境
界点32に取付けた漏電探査器1の電流検出回路4の出力
信号(第5図j)と電流検出回路5の出力信号(第5図
b)は、位相比較回路6にて位相比較され、両信号の論
理積はアンド回路A4からパルス信号となって出力される
(第5図j)。これをうけた記憶回路7のシフトレジス
タSR3は、例えば8個のパルス信号が入力すると出力端
子QはHレベルに反転して(第5図k)、ノット回路N8
を介して表示回路8の発光ダイオードLD3のカソード側
をLレベルとし、これを保持(記憶)する。
この際、上記シフトレジスタSR3の出力信号がHレベ
ルになったとき、ノット回路N8を介してダイオードD9
導通し、シフトレジスタSR2のリセット端子Rの入力を
Lレベルにしてリセットさせる。
上述のように、シフトレジスタSR2が漏電検出動作す
るとシフトレジスタSR3をリセットし、また、シフトレ
ジスタSR3が漏電検出動作するとシフトレジスタSR2をリ
セットするようになっているので、例えば上記両シフト
レジスタSR2,SR3が同時に漏電検出信号を出力するよう
な誤動作は発生しない。
そして、上述の状態で切換回路3の可動接点a1,a2
固定接点b14,b24からb13,b23へ切換えると、表示回路8
の発光ダイオードLD1,LD2,LD3のアノードに直流電源2
の正極が接続されるので、境界点31に取付けた漏電探査
器1は、漏れ電流検出を表示する発光ダイオードLD1
漏電方向を表示する発光ダイオードLD2が点灯し、境界
点32に取付けた漏電探査器1は発光ダイオードLD1とLD3
が点灯する。このとき、第2図に示したように、発光ダ
イオードLD2はA方向、発光ダイオードLD3はB方向を表
示し、これはあらかじめ漏電方向と上記AまたはBによ
る方向表示とが一致するように電流検出部10の変流器CT
の極性を設定してあって、この漏電探査器1の中性線27
への取付向きは、前述したように、操作釦42を第3図に
おいて手前側にして取付けてあるので、上記Aは第3図
において右側,Bは左側に漏電箇所があることを表示する
ことになり、漏電箇所が境界点31と32の間の柱上変圧器
22の供給区域にあることが分かる。
なお、例えば、境界点32の漏電探査器1だけを上記の
向きと逆(操作釦42を第3図において向こう側、即ち、
本体40の側面の符号「A」および「B」を第3図におい
てそれぞれ左側および右側)にして中性線27に取付けた
場合には、前記電流検出回路4の出力パルスの位相は、
上記の場合と180度反転して出力されるので、発光ダイ
オードLD2が点灯しA方向、即ち、第3図において境界
点32の左側に漏電箇所があることを表示する。従って、
実際の使用においては、漏電探査器1の中性線27への取
付向きをどちらにしても問題ない。また、漏れ電流の有
無および漏電方向は記憶回路7に記憶されているので、
上記の表示をさせるための切換回路3のスイッチ切換操
作は、この漏電探査器1を配電線から取外してから操作
してもよい。
次に、切換回路3の可動接点a1,a2を固定接点b12,b22
に切換えると、復帰回路9から記憶回路7へリセット信
号が送出されるので、記憶回路7が初期状態に復帰する
と共に上記発光ダイオードは消灯する。そして、可動接
点a1,a2を固定接点b11,b21に切換えると、直流電源2の
供給を停止する。
以上の動作から理解されるように、本発明の漏電探査
器1を、漏電が発生していると推定される地域の低圧配
電線の境界点毎の中性線に取付けておけば、漏電が一時
的にでも発生すれば動作して漏電方向を記憶・表示する
ので、この漏電方向表示が互に内側を指している2つの
探査器に挟まれた柱上変圧器の供給区域内に漏電箇所が
あることがわかる。そしてその漏電箇所は、通常、上記
電力供給区域内の配電線から引込線によって供給を受け
ている需要家の負荷または配線にあるので、この需要家
を特定するには、引込線から漏れ電流を検出すればよい
ことになる。
(ロ)漏電箇所の探査. 次に、上記引込線の漏電探査について説明する。この
場合は、漏れ電流検出部10の変流器CTに引込線を貫通さ
せて取付け、電圧検出部16の端子15a,15bには対地電圧
を入力しない。そして、引込線は、通常2本または3本
の絶縁電線からなる撚り線であり、引込線の負荷側で漏
電が発生すると、この引込線に流れる電流が不平衝とな
り、この不平衝分の電流を上記漏れ電流検出部10が検出
し、上述したように、漏れ電流が検出レベル以上であれ
ば、電流検出回路4から記憶回路7のシフトレジスタSR
1に電流検出信号が送出され、シフトレジスタSR1の出力
がHレベルとなり、ノット回路N6を介して発光ダイオー
ドLD1のカソードをLレベルとしてこれを保持し、切換
回路3のスイッチ切換操作により発光ダイオードLD1
点灯し、これを取付けた引込線に漏れ電流が流れたこと
を表示する。そして、この引込線に接続された負荷また
は配線について、上述同様の探査を順次行って漏電電流
の有無の範囲をせばめていけば漏電箇所を探査(すなわ
ち発見)できることになる。
尚、上記実施例において、移相回路11は微分回路で形
成して移相を進めるように説明したが、電圧・電流両検
出信号の相対的な位相関係を比較すれば良いので、積分
回路にして位相を遅らせるようにしてもよく、また、位
相回路11は電流検出回路4にでなく、電圧検出回路5に
設けるように構成してもよい。また、実施例において、
矩形波の検出信号からパルス信号を出力する矩形波検出
回路を電流検出回路4に設け、他方の電圧検出回路5か
ら出力した矩形波との位相を比較するようにしたが、矩
形波の検出信号からパルス信号を出力する矩形波検出回
路を電圧検出回路5に設けて、電流検出回路4から矩形
波を出力させて位相を比較するようにしてもよい。この
際、漏電方向動作表示と実際の漏電方向とが一致するよ
うに上記変流器CTの極性を合せておく必要があることは
いうまでもない。
さらに、上記実施例では、漏電検出動作表示に発光ダ
イオードを用いたが、これに限らず他の表示素子を使用
してもよい。
実施例によれば、記憶回路7に例えば8ビットのシフ
トレジスタを用いているので、上記漏電方向の探査にお
いて、位相比較回路6にて漏れ電流と対地電圧の位相を
比較し、アンド回路A3またはA4から信号を出力している
ときに、漏電を発生している負荷の電源が切れたり、変
流器CTを中性線27から取外したり、電圧検出部16の端子
15a,15bにつないだ接続線を取外したりなどした瞬間、
電流検出回路4または電圧検出回路5の出力信号の一方
のみが先にとぎれて、例えばアンド回路A2がパルスを出
力したときに電圧検出回路5の増幅回路17からの矩形波
信号がHレベルからLレベルに反転して、位相関係が一
瞬逆転すると、それまでアンド回路A4からパルス信号を
出力していたのが、一瞬他方のアンド回路A4からパルス
を送出することになるが、シフトレジスタのクロック端
子CKに8個のパルスが入力しないと出力信号を送出しな
いようにしているので、上記のような瞬間的な信号が入
力しても誤った検出動作による表示をすることはない。
さらに、本実施例によれば、漏れ電流検出表示および
漏電方向表示は、小形かつ微小電力で動作する発光ダイ
オードLD1,LD2,LD3を使用しているため、従来の表示装
置(メータ)を使用した漏電探査器に比較して、容積お
よび電源容量を小形化できる。また、この漏電探査器1
を配電線に取付けておく際、切換回路3の可動接点a1,a
2を固定接点b14,b24の位置に切換接続しておけば、漏電
を検出・記憶しても発光ダイオードは点灯しないので、
点灯による電池の消耗がなく、また、各回路には消費電
力の小さな相補形MOSIC等の素子を使用することによ
り、小形・小容量の電池を使用しても、漏電探査器1を
配電線に長時間連続して取り付けておくことができる。
さらに、上記実施例では発光ダイオードを用いたが、
これに限らず他の表示素子を使用してもよい。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したように、検出した漏れ電流と対
地電圧のいずれか一方の位相を移相させ、矩形波に整形
した電流・電圧両検出信号は、そのいずれか一方の信号
により発生させたパルス信号と他方の検出信号との論理
積によって位相比較され、この比較信号より検出点にお
ける漏電方向を表示させると共に、漏れ電流を検出した
信号により上記漏れ電流の有無を上記漏電方向の表示と
は独立して個別に表示させるように構成したので、漏電
探査および漏電探査の状況を簡易に表示できるようにし
たので、漏電個所の検出を効率的に行うことができる。
しかも、漏れ電流の検出表示および漏電方向の表示は、
いずれも、小形かつ微小電力で動作する発光ダイオード
等を使用しているので、従来のメータを使用した漏電探
査器に比較し、容積(大きさ,重量)および電源容量を
小形化できるという利点がある。更に、上記したよう
に、本発明は1台の探査器で対地電圧と漏れ電流の位相
比較によって、漏電方向が明確に検出・表示でき、か
つ、上記漏電方向とは個別に漏れ電流のみの検出・表示
もできる等実用上幾多の優れた効果を有し、利便性に優
れた漏電探査器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す回路図、第2図は漏電探
査器1の構造についての説明図、第3図は漏電探査器を
適用する単相三線式配電線の説明図、第4図a〜hは漏
れ電流検出動作を示すタイムチャート、第5図a〜kは
漏電方向検出動作を示すタイムチャートである。 1;漏電探査器、4;電流検出回路 5;電圧検出回路、6;位相比較回路 8;表示回路、11;移相回路 21,22,23;柱上変圧器 24,25,26;接地線、27;中性線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−144721(JP,A) 特公 昭53−39579(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 31/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の低圧配電用変圧器の接地線を並列に
    接続した中性線に流れる漏れ電流を検出して矩形波の電
    流検出信号を出力する電流検出回路と、上記両中性線の
    対地電圧を検出して矩形波の電圧検出信号を出力する電
    圧検出回路と、上記検出信号の位相を比較する位相比較
    回路とを備えて、この位相比較回路の出力信号によって
    漏電方向を表示する漏電探査器において、上記電流検出
    回路と電圧検出回路にはそのいずれか一方に微分又は積
    分回路からなる移相回路を設けると共に、少なくとも、
    上記電圧および電流検出回路のいずれか一方に上記矩形
    波の検出信号からパルス信号を出力するように構成した
    矩形波検出回路を設け、上記検出した漏れ電流と対地電
    圧のいずれか一方の位相を移相させ、矩形波に整形した
    電流・電圧の両検出信号を上記位相比較回路に入力さ
    せ、この位相比較回路にて上記矩形波に整形された電流
    ・電圧の両信号のいずれか一方の信号により発生したパ
    ルス信号と他方の検出信号との論理積によって位相比較
    し、上記位相比較した比較信号により検出点における漏
    電方向を表示させ、かつ、上記電流検出信号により漏れ
    電流の有無を上記漏電方向の表示とは独立して表示する
    ように構成したことを特徴とする漏電探査器。
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