JP2941419B2 - ボーリング工具の刃先径補正方法 - Google Patents

ボーリング工具の刃先径補正方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は微細な補正と段替えを同一の送り手段によっ
て行なうボーリング工具の刃先径補正方法に関するもの
である。
(従来の技術) 中ぐり盤等の切削装置では、刃具の刃先径を可変と
し、刃先の摩耗に対して刃先径を修正したり、加工径が
異なるワークに対して刃先径を段替えしたりするため
に、刃先径補正装置が設けてある。
この刃先径補正装置は、刃具が取り付けられる主軸内
に刃先径補正ロッドを軸方向に摺動可能に設け、この刃
先径補正ロッドに複数段の刃先径補正用傾斜面からなる
傾斜カムを形成して、前記刃先径補正ロッドを手動で進
退させることにより、傾斜カムに刃具の後端を摺接させ
て、刃先径を微細に又は段階的に変更できるようになっ
ている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記刃先径補正装置の傾斜カムの各段
の傾斜面は、所定の傾斜を目標にして一定の許容範囲内
に入るように加工されるので、微視的には各段ごとに異
なった傾斜を有している。
このため、刃先径補正ロッドの軸方向の移動量と刃先
の突出量すなわち刃先径の変化量との関係は、各段毎に
異なる。そこで、各段における刃先径の微細な補正にあ
たっては、各段毎に刃先径補正ロッドの移動量を修正す
る必要がある。
従来のこのような刃先径の補正や段替え作業は、前記
刃先径補正ロッドを手動で移動させるようにしていたた
め、前記各段毎の補正に長時間を要していた。また、こ
の補正を正確に行なうことが非常に困難で、加工精度の
向上が望めなかった。特に、多軸型の場合は、各軸毎に
軸振れが異なるため、これをも考慮しなければならず、
このような補正作業が極めて煩雑であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、刃先
径の補正を正確かつ迅速に行なうことができる刃先径補
正方法を提供することを目的とし、さらに多軸型におけ
る軸振れ修正を容易に行なうことができる刃先径補正方
法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、第1発明は、高さの異なる
傾斜面を軸方向に複数段列設した傾斜カムを有する刃先
径補正ロッドを、単一の補正送り手段によって軸方向に
移動させて、前記傾斜カムの各傾斜面において刃具の刃
先位置を微細に補正し、あるいはその各傾斜面に刃具を
段階的に乗せ替えるようにしたボーリング工具の刃先径
補正方法において、 補正指令手段による入力値、又は段替指令手段により
選定される段替位置に基づいて刃具の刃先位置補正量を
補正データ設定器又は段替データ設定器に設定し、 前記段替指令手段により選定される段替位置における
傾斜面の傾斜の実測値と理論値との差に基づく単位変位
当たりの修正率を補正修正率設定器に設定し、 データ演算器で、前記刃先位置補正量と傾斜カムの傾
斜の理論値とに基づいて傾斜カムの変位補正量を演算す
るとともに、前記修正率と前記変位補正量とに基づいて
変位修正量を求め、さらに該変位修正量を前記変位補正
量に加減して傾斜カムの修正変位補正量を求める一方、
段替えに必要な傾斜カムの段替変位量を演算し、これに
前記修正変位補正量を加算して総修正変位量を求めた
後、 補正送り手段を駆動して傾斜カムを移動させる一方、
移動量検出手段により傾斜カムの現在移動量を検出し、 該現在移動量と前記総修正変位量とを比較器で演算し
て偏差値を求め、 該偏差値が無くなるまで補正送り手段を駆動するよう
にしたものである。
第2発明は、前記第1発明において、前記ボーリング
工具が多軸であり、各軸の固有の軸振れに応じた振れ修
正固定データをもつ振れ修正固定データ設定器の設定値
を軸振れ修正指令手段によって選定し、この設定値を前
記各データ演算器に刃先位置補正量として入力するもの
である。
(実施例) 次に、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
第1図は第1発明,第2発明に係る方法を適用する多
軸型の可変径切削装置を示す。ベース1上には3台のボ
ーリングヘッド2が載置されている。各ボーリングヘッ
ド2には、主軸3が軸受4,5によって回転自在に支持さ
れている。この主軸3の後端にはプーリ6が固着され、
該プーリ6に掛けられたベルト7を介して図示しない駆
動手段によって回転駆動可能になっている。主軸3の前
端触に一体回転可能に取り付けたボーリングバー3aに
は、先端にインサートチップ8を有する刃具9が軸と直
角方向に摺動可能に突設されている。この刃具9はスプ
リング10によってボーリングバー3a内に没入する方向に
付勢されている。
また、主軸3及びボーリングバー3aの中心には貫通孔
11が設けられ、この貫通孔11に刃先径補正ロッド12が軸
方向に摺動可能に収容されている。この刃先径補正ロッ
ド12の前端部分には、3段の刃先径補正用傾斜面A,B,C
からなる傾斜カム13が形成されている。そして、この傾
斜カム13の傾斜面A,B,Cに前記刃具9の段部14がスプリ
ング10の付勢力により圧接している。
前記ボーリングヘッド2の後方には、可動台15がベッ
ド1に設けたガイドレール16上に載置され、前記主軸3
と同軸線上を前後に摺動可能になっている。この可動台
15の前端部には、前記刃先径補正ロッド12の後端を回転
自在に支持する軸受17が設けられている。また、可動台
15の後端部には、補正マスターねじ18がねじ込まれ、該
補正マスターねじ18の後端はガイドレール16上に軸受19
で回転可能に支持されるとともに、ガイドレール16に取
り付けられたステッピングモータ20の駆動軸に一体回転
可能に連結されている。ステッピングモータ20の駆動軸
の後端には当該ステッピングモータ20の回転量、すなわ
ち刃先径補正ロッド12の前端部の傾斜カム13の移動量を
検出するポテンショメータ21が取り付けられている。
なお、他の2台のボーリングヘッド2についても前記
同様の構成であるため、説明を省略する。
このように構成された多軸型可変径切削装置では、ス
テッピングモータ20を正転させると、補正マスターねじ
18が回転して可動台15が後退する結果、軸受17を介して
刃先径補正ロッド12が主軸3内を摺動して後退し、傾斜
カム13が移動する。これにより、刃具9の段部14が傾斜
カム13の傾斜面と摺接しつつ、刃具9が突出して、刃先
径が増大する方向に補正される。
また、ステッピングモータ20を逆転させれば、補正マ
スターねじ18が逆転して刃先径補正ロッド12が前進し、
前記とは逆に刃具9が引き込まれて、刃先径が減少する
方向に補正される。
さらに、ステッピングモータ20の回転量を増加すれ
ば、傾斜カム13が大幅に移動して傾斜カム13の傾斜面A,
B,Cのうち所望の面が刃具9の段部14と圧接する位置に
位置決めされ、刃具9の刃先径が段替される。
この多軸型可変切削装置は、各軸毎に、刃具9の刃先
径の段替えや補正を行なうステッピングモータ20を制御
する制御装置31を備えている。
前記制御装置31は、第1図に示すように、要求される
刃具9の刃先位置補正量をキー入力することによって補
正を指令する補正指令手段32と、 該補正指令手段32によって入力された刃先位置補正量
を格納する補正データ設定器33と、 搬送されてくるワークの種別に対応した必要な段替位
置を数値又は文字でキー入力することによって段替を指
令する段替指令手段34と、 該段替指令手段34によって入力された段替位置データ
及び後述する現在値記憶器41からの現在値に基づいてそ
の段替時の刃先位置補正量を設定してこれを格納する段
替データ設定器35と、 前記段替指令手段34からの段替指令によって、選定さ
れる段替位置における傾斜面の傾斜の実測値と理論値と
の差に基づく単位変位当りの修正率を設定する補正修正
率設定器44と、 前記両設定器33,35に格納されている刃先位置補正量
に基づいて傾斜カム13の変位補正量を演算しするととも
に、前記補正修正率設定器44の修正率と前記変位補正量
とに基づいて変位修正量を演算し、これを前記変位補正
量に加減して修正変位補正量を求める一方、段替に必要
な傾斜カムの段替変位量を演算し、これに前記修正変位
補正量を加算して総修正変位量を求めるデータ演算器36
と、 該データ演算器36からの駆動信号に基づいてパルス信
号を出力してステッピングモータ20を駆動し、刃先径補
正ロッド12を進退させるパルス発生器37とを備えてい
る。
さらに、制御装置31は、ポテンショメータ21で検出さ
れるステッピングモータ20の回転量すなわち傾斜カム13
の現在移動量をデジタル変換するAD変換器40と、 該AD変換器40の出力値を現在値として記憶する現在値
記憶器41と、 該現在記憶器41からの現在移動量と前記データ演算器
36からの総修正変位量を比較する比較器42と、 該比較器42における両比較値が一致した旨の信号を受
けて前記パルス発生器37に動作終了の信号を発する補正
完了記憶器43とを備えている。
さらに、この切削装置は、各軸に共通する軸振れ修正
指令手段52と軸振れ修正固定データ設定器53とからなる
共通制御装置51を備えている。軸振れ修正指令手段52は
刃具変換時等において、軸振れ修正を行なう必要がある
軸をキー入力によって指令するようになっている。軸振
れ修正固定データ設定器53は、各軸毎の軸振れデータを
有し、前記軸振れ修正指令手段52によって指令がかかる
と、その軸に対応する軸振れデータを設定し、指令がか
かった軸の制御装置31のデータ演算器35に発信するよう
になっている。
次に、以上の構成からなる切削装置の制御装置31及び
共通制御装置51による刃先径補正の動作を場合を分けて
説明する。
段替が無い場合の刃先径補正 前述のように、傾斜カム13の各傾斜面A,B,Cは、ある
許容誤差範囲内で加工されているので、その傾斜の実測
値は理論値から外れるとともに、各傾斜面毎に異なって
いる。従って、第2図に示すように、傾斜カム変位に対
する刃先位置の変化は各傾斜面A,B,C毎に異なった傾き
の直線で表わされる。
いま、第3図に示すように、刃先及び傾斜カム13がそ
れぞれ傾斜面Aの原点よりP,Xの位置にあり、加工径が
φAのワークの加工を終えた時点で、刃具9の摩耗によ
り加工後の寸法か許容誤差内に入らず、刃先位置をα
(10μ)だけ補正する必要が生じたとする。傾斜カム13
の傾斜の理論値に基づいて変位補正量lを求め、この変
位補正量lだけ移動させたとしても、傾斜の実測値は理
論値と異なっているため、実際の補正量はα′となり、
所望の補正量αは得られない。そこで、実際の変位補正
量lをΔlだけ修正しなければならない。
この修正は制御装置31の動作により行なわれる。
補正指令手段32によりα(10μ)の刃先位置補正量が
入力され、補正データ設定器33に格納されると、データ
演算器36は、刃具9が当接している傾斜カム13の傾斜の
理論値に基づいて傾斜カム13の変位補正量(l)を演算
するとともに、補正修正率設定器44の修正率と前記変位
補正量(l)に基づいて変位修正量(Δl)を演算して
修正変位補正量(l+Δl)を求める。この場合、段替
がないので段替変位量(S)は零であり、総修正変位量
は(l+Δl)となる。
そして、データ演算器36は、総修正変位量(l+Δ
l)を比較器42に出力するとともにパルス発生器39に駆
動信号を出力する。パルス発生器37はこの駆動信号に基
づいてパルス信号をステッピングモータ20に出力する。
これにより、傾斜カム13が移動し、この移動中、ポテ
ンショメータ21がステッピングモータ20の回転量すなわ
ち傾斜カム13の現在移動量(l*)をアナログ値で検出
する。この現在移動量(l*)はAD変換器40によりデジ
タル値に変換され、現在値記憶器41にメモリされる。比
較器42はデータ演算器36からの総修正変位量(l+Δ
l)と現在値記憶器41からの現在移動量(l*)とを比
較し、一致しなければパルス発生器37に駆動信号で出力
し、一致すれば補正完了記憶器43を介してパルス発生器
37に停止信号を出力する。
このように、傾斜カム13の現在移動量(l*)をその
ままフィードバックしたものが、予め修正された変位補
正量が加味された総修正変位量になった時点で補正モー
タを停止するので、傾斜カム13の移動量は自動的に修正
される。
段替時の刃先径補正 加工径φAのワークの加工を終えた時点で、第4図に
示すように、傾斜面Aにおいて刃先位置がQ位置(100
μ)にあり、加工径φBのワークが後続しているとす
る。この加工径φBのワークを加工する前に、傾斜カム
13を一定ピッチだけ移動させて傾斜面Bに段替え行なう
と、第4図に示すように、傾斜カム13は傾斜面Bにおけ
る原点から同じ位置(Y)に来るが、傾斜面AとBの傾
斜の相違により、刃先位置はQではなくQ′(80μ)と
なる。従って、この段替時には、刃先位置をQ−Q′=
β(20μ)だけ補正する必要が生じる。この補正は制御
装置31の動作により行なわれる。
段替指令手段34により段替位置Bが入力されると、段
替データ設定器35は、入力された段替位置Bを格納する
とともに、段替え前の傾斜面(A)及び段替後の傾斜面
(B)の各々の傾斜の実測値と、現在位置(Y)とに基
づいて段替え時の刃先位置補正量(β)を設定し、これ
を格納する。
データ演算器36は、段替え後の傾斜面(B)の傾斜の
理論値に基づいて前記刃先位置補正量(β)の補正に必
要な傾斜カム13の変位補正量(m)を演算するととも
に、補正修率正設定器44の修正率と前記変位補正量
(m)に基づいて変位修正楼(Δm)を演算して修正変
位補正量(m+Δm)を求める。さらに、データ演算器
36は、この段替に必要な傾斜カム13の段替変位量(S)
を演算して、これに前記修正変位補正量(m+Δm)を
加算して総修正変位量(S+m+Δm)を求める。
以降は、前記段替無しの刃先径補正の場合と同様であ
る。すなわち、パルス発生器37によりステッピングモー
タ20が駆動して傾斜カム13が移動すると同時に、ポテン
ショメータ21が現在移動量(m*)を検出する。この現
在移動量(m*)はAD変換器40及び現在値記憶器41を介
して比較器42にフィードバックされる。ここで、比較器
42は現在移動量(m*)が総修正変位量(S+m+Δ
m)に一致しなければパルス発生器37に駆動信号を出力
し、一致すれば停止信号を出力する。
これにより、段替え時に必要な刃先径補正が自動的に
行なわれる。
軸振れ修正 刃先が摩耗して寿命となった場合、傾斜カム13を補正
原点に戻した後、刃具9を交換する。交換した刃具9の
刃先はセッティングゲージを用いてボーリングバー3aの
外周面より一定量突出するように調整する。多軸型の場
合、各軸には特有の軸振れがあり、加工寸法はそれぞれ
固有の値となる。そこで、刃先の調整を終えた軸は、そ
の軸固有の振れ修正データによって刃先位置を修正し、
全ての軸の加工寸法を同一にする必要がある。ここで、
さらにこの軸振れ修正に際し、前記刃先補正と同様、第
5図に示すように、傾斜の理論値と実測値の相違に基づ
く変位修正の必要性が生じる。この軸振れ修正は制御装
置31及び共通制御装置51の動作により行なわれる。
段替位置Bにおいて刃具9が交換され、共通制御装置
51の軸振れ修正指令手段52により、例えば第1軸の軸振
れ修正指令がなされると、振れ修正固定データ設定器53
は当該第1軸の固有の軸振れ修正量(γ)を設定し、こ
れを第1軸の制御装置31のデータ演算器36に出力する。
データ演算器36は、第5図に示すように、現在の段替位
置(B)の傾斜の理論値に基づいて傾斜カム13の変位補
正量(n)を演算し、さらに修正変位補正量(n+Δ
n)を演算する。この場合も、段替がないので段替変位
量(S)は零であり、総修正変位量は(n+Δn)であ
る。
以降は、前記段替無し時や段替時の刃先径補正と全く
同様に、傾斜カム13が移動し、ポテンショメータ21から
の現在移動量(n*)が比較器42にフィードバックさ
れ、総修正変位量(n+Δn)と現在移動量(n*)が
一致した時点で軸振れ修正が完了する。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明
によれば、設定された刃先位置補正量に基づいて求めた
傾斜カムの変位補正量に予め変位修正量を加味して修正
変位補正量を求め、さらにこの修正変位補正量を段替に
必要な段替変位量に加算した総修正変位量と、検出され
た傾斜カムの現在移動量をそのままフィードバックした
ものとを比較して、両者が一致した時点で傾斜カムの移
動を停止するので、刃先補正時や段替え時の刃先径補正
が高精度で正確に、かつ、迅速に自動的に行なわれる。
また、請求項2に係る発明によれば、軸振れ指令によ
り設定された各軸固有の軸振れ修正量に、請求項1に係
る発明と同様にして傾斜カムの傾斜の理論値と実測値と
の差異による変位修正が加えられるので、軸振れ修正が
自動的に容易に行なわれ、刃物交換時の各軸間の軸振れ
の影響による加工寸法のばらつきが解消され、加工精度
が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1発明,第2発明に係る方法を適用する可変
径切削装置及びその刃先径補正制御装置のブロック図、
第2図は傾斜カム変位に対する刃先位置の変化を示す
図、第3図は段替え無しの刃先径補正時の補正量の説明
図、第4図は段替え時の補正量の説明図、第5図は軸振
れ修正時の補正量の説明図である。 9……刃具、12……刃先径補正ロッド、 13……傾斜カム、 23……ステッピングモータ(補正送り手段)、 25……ポテンショメータ(移動量検出手段)、 32……補正指令手段、33……補正データ設定器、 34……段替指令手段、35……段替データ設定器、 36……データ演算器、42……比較器、 44……補正修正率設定器、 52……軸振れ修正指令手段、 53……振れ修正固有データ設定器。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23B 39/00 B23B 29/034

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高さの異なる傾斜面を軸方向に複数段列設
    した傾斜カムを有する刃先径補正ロッドを、単一の補正
    送り手段によって軸方向に移動させて、前記傾斜カムの
    各傾斜面において刃具の刃先位置を微細に補正し、ある
    いはその各傾斜面に刃具を段階的に乗せ替えるようにし
    たボーリング工具の刃先径補正方法において、 補正指令手段による入力値、又は段替指令手段により選
    定される段替位置に基づいて刃具の刃先位置補正量を補
    正データ設定器又は段替データ設定器に設定し、 前記段替指令手段により選定される段替位置における傾
    斜面の傾斜の実測値と理論値との差に基づく単位変位当
    たりの修正率を補正修正率設定器に設定し、 データ演算器で、前記刃先位置補正量と傾斜カムの傾斜
    の理論値とに基づいて傾斜カムの変位補正量を演算する
    とともに、前記修正率と前記変位補正量とに基づいて変
    位修正量を求め、さらに該変位修正量を前記変位補正量
    に加減して傾斜カムの修正変位補正量を求める一方、段
    替えに必要な傾斜カムの段替変位量を演算し、これに前
    記修正変位補正量を加算して総修正変位量を求めた後、 補正送り手段を駆動して傾斜カムを移動させる一方、移
    動量検出手段により傾斜カムの現在移動量を検出し、 該現在移動量と前記総修正変位量とを比較器で演算して
    偏差値を求め、 該偏差値が無くなるまで補正送り手段を駆動するように
    したことを特徴とするボーリング工具の刃先径補正方
    法。
  2. 【請求項2】前記ボーリング工具が多軸であり、各軸の
    固有の軸振れに応じた振れ修正固定データをもつ振れ修
    正固定データ設定器の設定値を軸振れ修正指令手段によ
    って選定し、この設定値を前記各データ演算器に刃先位
    置補正量として入力することを特徴とする請求項1に記
    載のボーリング工具の刃先径補正方法。
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