JP2937842B2 - 蛋白繊維品及び羽毛の耐久的形状安定化法 - Google Patents

蛋白繊維品及び羽毛の耐久的形状安定化法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料等の蛋白繊維
品及び寝具等に用いられる羽毛の耐久的形状安定化法に
関する。更に詳しくは、蛋白繊維品や羽毛が圧縮された
場合や水蒸気に曝された場合でも蛋白繊維品や羽毛に一
旦付与した形状を安定して保持することができ、かつ繊
維品表面や羽毛表面を平滑に風合い良く仕上げる耐久的
形状安定化法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛋白繊維品である羊毛繊維品に折り目或
いは平面的な形状を永久的に付与する従来のセット方法
では、チオール化合物を含むセット剤の存在下で羊毛繊
維品を加熱し、羊毛繊維内におけるジサルファイド結合
を開裂させ、同時に所定の形状に固定した状態でジサル
ファイド結合を再結合させている。またこの種の従来の
セット法として、システイン又はシステイン誘導体等の
アミノ酸系チオール化合物を含むセット剤を使用する方
法も提案されている。
【0003】また蛋白繊維品をセットするに際して、蛋
白繊維におけるジサルファイド結合を再結合可能な状態
で開裂するシステイン及びシステイン誘導体と、蛋白繊
維における活性水素と結合可能なオキシラン化合物とを
併用するか、或いはオキシラン化合物と蛋白質加水分解
生成物を主成分とする耐久的形状固定剤を使用すること
が知られている。更に羽毛の嵩高加工においては、羽
毛、特にダウンにグルタルアルデヒド溶液を噴霧し、噴
霧液を羽枝或いは小羽枝に付着させた後、乾燥する方法
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の蛋白繊維品の耐
久的形状安定化処理では、その加工効果が十分でなかっ
たり、蛋白繊維品の平滑性の不足、形状安定性に一部欠
けるところがあった。また従来のグルタルアルデヒドを
用いた羽毛の嵩高加工においては、臭気の問題や十分な
耐久性が得られず、特に湿気を得ると回復力が著しく低
下してしまう不具合があった。本発明の目的は、加工後
の蛋白繊維品及び羽毛の表面平滑性、風合いがより一層
優れ、かつ湯気や水蒸気に曝された場合でも嵩高な形状
を安定に維持し得る蛋白繊維品及び羽毛の耐久的形状安
定化法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明
は、平均分子量が5万〜40万であってアセチル基含有
量が35〜65モルパーセントのキトサンと、システイ
ン及びシステイン誘導体とをシステイン/キトサン=5
〜40の重量比で混合してpHを3.5〜9.0に調整
した溶液を用意し、蛋白繊維品にこの溶液を純分で0.
15〜6.5重量%付着させ、この溶液が付着した蛋白
繊維品を乾燥することを特徴とする蛋白繊維製品の耐久
的形状安定化法である。上記溶液の成分であるシステイ
ン及びシステイン誘導体は、蛋白繊維におけるジサルフ
ァイド結合を再結合可能な状態で開裂する。また上記溶
液の他の成分であるキトサンは、蛋白繊維における活性
水素と結合する。これらにより蛋白繊維品の形状が耐久
的に安定化する。
【0006】本願請求項2に係る発明は、エチレン又は
ポリエチレングリコールジグリシジールエーテル型誘導
体或いはプロピレン又はポリプロピレングリコールジグ
リシジールエーテル型誘導体等のポリオキシラン型誘導
体、エポキシ変性シリコーン、及びアクリル酸エステル
誘導体を主成分とするフッ素系高分子化合物からなる群
より選ばれた1種又は2種以上の高分子樹脂化合物と請
求項1記載の溶液とを混合してプレポリマー化した溶液
を用意し、蛋白繊維品にこのプレポリマー化した溶液を
純分で0.15〜7.0重量%付着させ、この溶液が付
着した蛋白繊維品を乾燥することを特徴とする蛋白繊維
製品の耐久的形状安定化法である。上記溶液の成分であ
るポリオキシラン型誘導体、シリコーン樹脂化合物、フ
ッ素樹脂化合物などの高分子樹脂化合物は、キトサンと
架橋して、蛋白繊維品の耐湿性、撥水性を更に向上させ
る。この使用量は少量でよいが、蛋白繊維品の用途に応
じて異なる。
【0007】本願請求項3に係る発明は、平均分子量が
5万〜40万であってアセチル基含有量が35〜65モ
ルパーセントのキトサンと、システイン及びシステイン
誘導体とをシステイン/キトサン=5〜30の重量比で
混合してpHを3.5〜9.0に調整した溶液を用意
し、羽毛にこの溶液を純分で0.8〜6.5重量%付着
させ、この溶液が付着した羽毛を乾燥することを特徴と
する羽毛の耐久的形状安定化法である。上記溶液の成分
であるシステイン及びシステイン誘導体は、羽毛におけ
るジサルファイド結合を再結合可能な状態で開裂する。
また上記溶液の他の成分であるキトサンは、羽毛におけ
る活性水素と結合する。これらにより羽毛の形状が耐久
的に安定化する。
【0008】本願請求項4に係る発明は、エチレン又は
ポリエチレングリコールジグリシジールエーテル型誘導
体或いはプロピレン又はポリプロピレングリコールジグ
リシジールエーテル型誘導体等のポリオキシラン型誘導
体、エポキシ変性シリコーン、及びアクリル酸エステル
誘導体を主成分とするフッ素系高分子化合物からなる群
より選ばれた1種又は2種以上の高分子樹脂化合物のう
ち1種又は2種以上と請求項3記載の溶液とを混合して
プレポリマー化した溶液を用意し、羽毛にこのプレポリ
マー化した溶液を純分で1.1〜7.0重量%付着さ
せ、この溶液が付着した羽毛を乾燥することを特徴とす
る羽毛の耐久的形状安定化法である。上記溶液の成分で
あるポリオキシラン型誘導体、シリコーン樹脂化合物、
フッ素樹脂化合物などの高分子樹脂化合物は、キトサン
と架橋して、羽毛の耐湿性、撥水性を更に向上させる。
この使用量は少量でよいが、羽毛の用途に応じて異な
る。
【0009】本発明によって、蛋白繊維品又は羽毛に一
旦付与された形状は湯気や水蒸気中に曝された場合で
も、安定に形状を保持することができ、表面が平滑な風
合いの良いものが得られる。そして形状固定時及び形状
固定後等における悪臭、蛋白繊維の脆化を引き起こすこ
とがなく、染料に対する影響もなく繊維製品の色相に変
化を与えない。
【0010】特に羽毛に対する効果は大きく、羽毛表面
に噴霧されたシステイン及びシステイン誘導体とキトサ
ンの混合溶液は、主に羽毛の羽枝或いは小羽枝に付着し
ており、それらが羽毛の蛋白質と反応し結合を作ること
により羽枝或いは小羽枝の屈曲するのを妨げることにな
り、それが腰の強さとなって現れる。即ち、嵩高性も増
大し、更に耐久性も発揮する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の蛋白繊維品は、羊毛、モ
ヘヤ、カシミヤ、絹等からなる織物、編物、不織布等の
布帛である。またこれらの繊維のみからなる布帛に限ら
ず、他の繊維、例えばポリエステル繊維、セルロース繊
維、アクリル繊維等との混紡、交編繊、交撚したものか
らなる布帛も含む。更に本発明の羽毛は、グース、ダッ
クアイダーなどの水鳥の羽毛や、鶏や七面鳥などの陸鳥
の羽毛などの様々な種類の羽毛を含む。水鳥の羽毛に
は、ダウンとフェザーとがあるが、陸鳥はフェザーだけ
である。羽毛の主要蛋白はβ−ケラチンで、非常に多く
の分子内S−S結合が含まれている。羽毛の各部分のア
ミノ酸組成は異なるが、セリン、グリシン、シスチン、
プロリン残基が最も多く含まれている。本発明で用いる
システインには、D−システイン、L−システイン、こ
れらのラセミ体がある。またシステイン誘導体には、N
−アセチル−L−システイン、N−カプロイル−L−シ
ステイン等のN−アシルシステイン又はこれらの塩、及
びエステル類がある。
【0012】また蛋白繊維又は羽毛における活性水素と
結合可能な脱アセチル化キトサンは、平均分子量が5万
〜40万、好ましくは15万〜30万であって、アセチ
ル基含有量が40〜60モルパーセントである。このキ
トサンとシステイン及びシステイン誘導体との混合溶液
はpHが3.5〜9.0、好ましくは6.0〜8.0の
水溶液である。キトサンの平均分子量が5万未満の場
合、蛋白繊維品や羽毛の嵩高性や形態安定性が悪く、平
均分子量が40万を越えると分子量が大きすぎて蛋白繊
維品や羽毛の風合いが悪くなる。更に、3.5〜9.0
のpH領域において使用することにより、キトサン水溶
液は安定となり、かつ蛋白繊維品の形状が安定して固定
される。
【0013】本発明では耐久的形状安定化剤としてシス
テイン及びシステイン誘導体とキトサンを使用する。こ
の耐久的形状安定化量の蛋白繊維品又は羽毛への付着量
は、システイン及びシステイン誘導体に関しては1.2
×10-1重量%owf以上6.0重量%owf以下に
し、キトサンに関しては1.2×10-2重量%owf以
上0.8重量%owf以下にする。システイン及びシス
テイン誘導体の付着量が1.2×10-1重量%owfに
満たない場合、総合的に十分な耐久的形状安定性能が得
られず、また付着量が6.0重量%owfを越える場
合、処理後にシスチンが析出し、白い粉が発生するおそ
れがある。キトサンの付着量が1.2×10-2重量%o
wf未満では十分な耐久的形状安定が得られず、また
0.8重量%owfを越えると風合いが固くなる。
【0014】本願請求項2又は4に係るポリオキシラン
型誘導体は、次式(1)に示されるエチレン又はポリエ
チレングリコールジグリシジールエーテル型誘導体、或
いは次式(2)に示されるプロピレン又はポリプロピレ
ングリコールジグリシジールエーテル型誘導体であり、
これらはエチレングリコール又はプロピレングリコール
の付加モル数がそれぞれ1〜4の範囲にあり、水溶率が
90重量%以上である。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】本願請求項2又は4に係るシリコーン樹脂
化合物は、次式(3)に示されるような脂環式のエポキ
シ基を側鎖に2個以上有するもので、反応性に富んだエ
ポキシ変性シリコーンである。
【0018】
【化3】
【0019】また本願請求項2又は4に係るフッ素樹脂
化合物は、炭素原子を3〜20個有するフルオロアルキ
ル基、及び水酸基を有する化合物と、アクリル酸、メタ
クリル酸等をエステル化させて作ったアクリル酸エステ
ル誘導体(パーフルオロモノマー)を主成分とする共重
合体である。共重合成分としては、アルキル(メタ)ア
クリレート、塩化ビニルなどのモノマー、それに2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリ
ルアミドなどの架橋性モノマーが併用される。その一例
を次式(4)に示す。
【0020】
【化4】
【0021】上記耐久的形状安定剤は含浸、塗布、或い
は噴霧といった従来より知られた手法により蛋白繊維品
又は羽毛に付与され、更にこの耐久的形状安定剤に湿潤
剤、膨潤剤としてPOEアルキルエーテル系ノニオン活
性剤やスルホコハク酸エステル塩等のアニオン活性剤な
どの界面活性剤を添加することにより蛋白繊維又は羽毛
への吸尽性は一層向上し、低濃度で十分な耐久的形状安
定性能が得られる。
【0022】
【実施例】
<処理液の調製> −SH/−SS−交換反応剤 N−アセチル−L−システイン6重量%とL−システイ
ン3重量%とL−システイン塩酸塩−水和物1重量%の
L−システイン類のみからなる触媒を計10重量%含む
水溶液を調製した。 50%アセチル化キトサン1%水溶液 焼津水産(株)製キトサンCLHを洗浄、除タンパク処
理し、アセチル化度が50%となるようにアセチル化剤
を添加し、最終的にアセチル化度が51%の1%水溶液
を調製した。上記アセチル化度は酸に溶解する指標であ
る。 エポキシ変性シリコーンは、エポキシ当量が3.8
×103(g/eqlv.)、平均分子量6万5千程度の第一工
業製薬(株)製エラスガードM1045を用いた。 フッ素樹脂化合物として、平均分子量1万〜2万の
パーフルオロアクリレート(旭硝子(株)製アサヒガー
ドLS−317)を使用した。 浸透剤(界面活性剤)として、旭硝子(株)製の商
品名サーフロンSA−100のパーフルオロアルキルエ
チレンオキサイド付加物を用いた。
【0023】本発明による評価は次の方法による。 (a) 5%伸張固定率 先ず試験布に対して経方向及び緯方向にそれぞれ20c
m間隔でマーキングを施す。次いでこの試験布に試験処
理液を含浸した後、処理液のピックアップ率が60%と
なるように試験布に絞り、マーキング間の長さを基準に
して、経方向及び緯方向にそれぞれ5%伸張した長さを
測定する(以下、この長さをL5Wとする)。この状態で
100℃で10分間乾燥する。乾燥後固定状態を解除し
た試験布を、0.1%の非イオン界面活性剤を含有する
25℃の水溶液に30分間浸漬した後、試験布を取出し
水を軽く除去した後、温度25℃、関係湿度65%の状
態で24時間放置後、マーキング間の長さを測定する
(以下、この長さをL5Dとする)。次式より5%伸張固
定率を求める。 5%伸張固定率(%)=L5D/L5W×100(%) (b) 形状固定率 上記(a)のL5Dを測定した時点の試験布の外観を、I.
W.S.(国際羊毛事務局)発行の「紳士スーツ外観保持
性標準判定写真」集のバブリング判定基準に基づいて、
1〜5級(5級;最良、1級;不良)の判定によって実
施した。
【0024】(c) 羽毛の嵩高性(JIS L−190
3) 内径30cmのシリンダ内に50gの羽毛を入れ、12
0gの重量を有し直径29.5cmのドーナツ型をし中
央に通気性の良い生地を張り付けた荷重用円盤を上記羽
毛の上に載せる。この円盤が水平を保ちながらシリンダ
内を降下することができるように円盤は紐で吊り下げら
れる。円盤を羽毛上に降下させ支持紐の緩みを確認して
から1分間経過後の円盤の高さを読む。円盤を上げ筒内
の羽毛を撹拌した後、再度円盤を降下し前記と同様に円
盤の高さを読み、これを3回繰り返しその平均値を求め
る。
【0025】(d) 羽毛の耐久性 直径73mmのシリンダに2gの羽毛を入れ、通気性の
良い円盤を羽毛の上に載せ、更にその上に200gの重
りを載せる。30秒経過後、重りを取り除き、更に30
秒後また重りを載せる。この操作を10回繰り返し、最
後に重りを載せたまま30分放置して取り除いたときの
円盤の高さを読む。 (e) 羽毛の湿耐久性 羽毛2gを直径73mmのシリンダに入れ、関係湿度8
7%のボックス内に一晩放置した後、上記(d)と同様の
耐久性を計測する。 (f) 羽毛の回復性 上記(e)の処理の後、重りを取り除き羽毛をよくかき混
ぜ、100℃の乾燥機内で十分乾燥させる。その後、2
00gの荷重をかけ、30分間放置した後、重りを取り
除き、円盤の高さを読む。
【0026】<実施例1>2/72メートル番手(以
下、mNと称する)の梳毛糸を経糸にし、1/48mN
の梳毛糸を緯糸にし、経糸密度52本/cm、緯糸密度
32本/cmで2/3斜紋織に製織し、目付234g/
2のカシミヤ布を得た。このカシミヤ布に下記処理液
を含浸させ、2本ロールマングルのパッダーを用いてピ
ックアップ率60%にて均一に上記処理液をカシミヤ布
に付与した後、経方向及び緯方向にそれぞれ5%伸張固
定して100℃で10分間乾燥し、実施例1の処理布を
得た。
【0027】実施例1−(1)では50%アセチル化キ
トサン1%水溶液と−SH/−SS−交換反応剤を、実
施例1−(2)では実施例1−(1)にエポキシ変性シ
リコーンを混合し、また実施例1−(3)では実施例1
−(1)にフッ素樹脂化合物を混合した加工液を用い
た。更に実施例1−(4)では実施例1−(1)の溶液
にエポキシ変性シリコーンとフッ素樹脂化合物の両方を
混合した加工液を用いた。処方を表1に示す。
【0028】<比較例1>実施例1で得られた処理布と
比較するため、50%アセチル化キトサン水溶液のみで
処理した布(比較例1−(1))と、−SH/−SS−
交換反応剤のみで処理した布(比較例1−(2))、そ
して未処理の布(比較例1−(3))を実施例と同様の
方法で得た。
【0029】
【表1】
【0030】この処理布について前述した5%伸張固定
率及び形状固定率を評価した結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2から明らかなように、実施例1−
(1)で得られた試験布は、伸張固定率も良好で水に浸
した後もバブリングもなくフラットセット性が大きかっ
た。実施例1−(2)、(3)、(4)で得られた試験
布は、形状が安定していた。これに対して比較例1で得
られた試験布は、いずれもバブリングがひどく、特に比
較例1−(1)では未処理のまま水に浸して乾燥させた
ものよりも安定性が悪かった。
【0033】<実施例2>精練、乾燥したネオアイダー
種の羽毛に、表3の割合となるように処理溶液を均一に
噴霧、付着させ、100℃の乾燥機で30分間風乾す
る。処理後の羽毛について、嵩高性、耐久性、湿耐久性
及び回復性を測定した。その結果を表4に示す。ここで
用いたエポキシ変性シリコーン、フッ素樹脂化合物と浸
透剤は、実施例1で用いたものと同じである。
【0034】<比較例2>実施例2で得られた結果を比
較するため、精練、乾燥しただけの未処理の羽毛と、5
0%アセチル化キトサン1%水溶液を25重量%owf
の割合で付着しただけの羽毛と、−SH/−SS−交換
反応剤を6.7重量%owfの割合で付着した羽毛と、
更にグルタルアルデヒドを5重量%owfの割合で付着
した羽毛とを実施例と同様の方法で得た。表3にその詳
細な処方を示す。また処理後の羽毛の嵩高性、耐久性、
湿耐久性及び回復性の測定結果を表4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】表4から明らかなように、実施例2−
(1)により得られた羽毛の嵩高性は、未処理のものに
比して67%増加し、耐久性も未処理のものより42%
増加した。実施例2−(2)で得られた羽毛は、特に湿
耐久性に優れ、湿気を帯びていても嵩高な状態を保つこ
とができ、乾燥後も更に嵩高な状態になる。また実施例
2−(4)で得られた羽毛は、嵩高性、湿耐久性ともに
優れ、嵩高性については未処理の羽毛に比べ70%増加
している。特に、回復性が他の羽毛よりも大変良好で、
この方法で処理すれば湿気に曝されてももう一度乾燥さ
せれば、再び嵩高な羽毛を得ることができる。一方、グ
ルタルアルデヒドを処理した場合、処理中にアルデヒド
臭が不快に感じられ、処理後の羽毛にも臭いが残った。
嵩高性については40%増加したが、耐久性は実施例2
−(1)で得られた羽毛よりも2cm劣り、更に未処理
の羽毛よりも0.7cm減少した。更に湿気を帯びると
嵩高さはなくなりべとつきが感じられ、一度湿った羽毛
には回復力がなく、付与された形状が固定されていない
ことが判った。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば、蛋白繊維品又は羽毛に対し一旦付与された形状は特
に、耐温水、耐水蒸気性があり、また悪臭、変色、蛋白
繊維の脆化及び黄変も避けることができ、品質の安定に
寄与する。更に本発明の方法によれば、特に嵩高で耐久
性のある羽毛が得られ、また羽毛への付着量も従来の技
術より少量でその効果が顕著に現れ、未処理のものより
もグレードの高い羽毛を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 3/02 Z

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均分子量が5万〜40万であってアセ
    チル基含有量が35〜65モルパーセントのキトサン
    と、システイン及びシステイン誘導体とをシステイン/
    キトサン=5〜40の重量比で混合してpHを3.5〜
    9.0に調整した溶液を用意し、 蛋白繊維品に前記溶液を純分で0.15〜6.5重量%
    付着させ、 前記溶液が付着した蛋白繊維品を乾燥することを特徴と
    する蛋白繊維製品の耐久的形状安定化法。
  2. 【請求項2】 エチレン又はポリエチレングリコールジ
    グリシジールエーテル型誘導体或いはプロピレン又はポ
    リプロピレングリコールジグリシジールエーテル型誘導
    体等のポリオキシラン型誘導体、エポキシ変性シリコー
    ン、及びアクリル酸エステル誘導体を主成分とするフッ
    素系高分子化合物からなる群より選ばれた1種又は2種
    以上の高分子樹脂化合物と請求項1記載の溶液とを混合
    してプレポリマー化した溶液を用意し、 蛋白繊維品に前記プレポリマー化した溶液を純分で0.
    15〜7.0重量%付着させ、 前記溶液が付着した蛋白繊維品を乾燥することを特徴と
    する蛋白繊維製品の耐久的形状安定化法。
  3. 【請求項3】 平均分子量が5万〜40万であってアセ
    チル基含有量が35〜65モルパーセントのキトサン
    と、システイン及びシステイン誘導体とをシステイン/
    キトサン=5〜30の重量比で混合してpHを3.5〜
    9.0に調整した溶液を用意し、 羽毛に前記溶液を純分で0.8〜6.5重量%付着さ
    せ、 前記溶液が付着した羽毛を乾燥することを特徴とする羽
    毛の耐久的形状安定化法。
  4. 【請求項4】 エチレン又はポリエチレングリコールジ
    グリシジールエーテル型誘導体或いはプロピレン又はポ
    リプロピレングリコールジグリシジールエーテル型誘導
    体等のポリオキシラン型誘導体、エポキシ変性シリコー
    ン、及びアクリル酸エステル誘導体を主成分とするフッ
    素系高分子化合物からなる群より選ばれた1種又は2種
    以上の高分子樹脂化合物と請求項3記載の溶液とを混合
    してプレポリマー化した溶液を用意し、 羽毛に前記プレポリマー化した溶液を純分で1.1〜
    7.0重量%付着させ、 前記溶液が付着した羽毛を乾燥することを特徴とする羽
    毛の耐久的形状安定化法。
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