JP2937139B2 - 論理回路の遅延検証方法 - Google Patents

論理回路の遅延検証方法

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JP2937139B2 JP8268365A JP26836596A JP2937139B2 JP 2937139 B2 JP2937139 B2 JP 2937139B2 JP 8268365 A JP8268365 A JP 8268365A JP 26836596 A JP26836596 A JP 26836596A JP 2937139 B2 JP2937139 B2 JP 2937139B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は論理回路の遅延検証
方法に関し、特に、各基本ブロックの遅延情報ライブラ
リを参照して論理回路内の各信号パスの伝搬遅延時間を
計算する、論理回路の遅延検証方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マスタスライス方式あるいはスタンダー
ドセル方式などの論理LSI設計・製造方法において
は、基本ブロックとして回路部品データを予めライブラ
リとして登録しておき、必要に応じてそれら基本ブロッ
クの形状データを組み合わせ、それらを配線するパター
ンを施してフォトレジストパターンマスクを作成し、論
理LSIを製造する。そのため開発期間の短縮、開発費
用の低減が実現される。その設計・製造課程において、
論理LSIが全体として所望の動作速度で正しく動作す
るかどうかを検証するために、基本ブロックの持つ信号
遅延や様々な制約時間の情報をライブラリから取り出し
て計算が行われる。以下この検証を遅延検証という。遅
延検証は、製造された論理LSIが誤動作したり所望の
性能が得られなかったりするのを防ぐために重要であ
る。ここでの遅延検証とは、論理動作が正しいかどうか
の論理検証を含む動的遅延検証、及び、論理検証を含ま
ない静的遅延検証の両方に関連する。
【0003】コンピュータ、通信などの発展により、そ
れらの分野に使用される論理LSIには高い処理能力が
要求されており、その要求はますます厳しくなってい
る。回路構成は大規模・複雑化し、動作速度は高速化し
ている。そのため、各基本ブロックの持っている性能を
無駄なく引き出す必要があり、上述した遅延検証にも高
い計算精度が必要である。
【0004】大規模な論理LSIの設計において、回路
の遅延検証の計算は専用のソフトウェア・プログラムに
よって行われている。その際、計算に要する時間を短縮
する為に、ひとつひとつの基本ブロックの出力遅延時間
や様々な制約時間の振る舞いを簡単化したモデルで表し
計算する。例えば、典型的なCMOSインバータの出力
遅延時間は、出力端子に接続された負荷容量が大きいほ
ど大きくなり、簡単には、出力負荷容量の一次式で表現
される。
【0005】図5は、この従来の論理回路の遅延検証方
法を示すデータ流れ図である。この従来の論理回路の遅
延検証方法は、主に、遅延計算するステップ21,制約
時間違反を判定するステップ22とを含んでいる。
【0006】ステップ21は、論理回路を構成する各基
本ブロックの出力遅延時間などを含む遅延情報ライブラ
リを参照して、論理回路内の各信号パスの伝搬遅延時間
を計算し、且つ、各基本ブロックが入力信号間の入力時
間差に制約時間をもつとき前記各伝搬遅延時間から各入
力時間差を計算する。また、ステップ22は、各基本ブ
ロックの各入力時間差を制約時間と比較し、その制約時
間違反の有無を判定する。
【0007】基本ブロックが図2(A)に示すフリップ
フロップ1である場合、図2(B)に示すように、フリ
ップフロップ1の出力遅延時間Tpdは、クロック信号
Cの立ち上がり波形が入力されてから、出力信号Qに信
号が出力されるまでの時間間隔である。
【0008】フリップフロップ1が正常に動作するため
の条件として、入力信号Dが入力される時刻から、クロ
ック信号Cの立ち上がり波形の入力される時刻までの入
力時間差Tdcを、ある制約時間より長くする必要があ
る。この制約時間がセットアップタイムである。入力時
間差Tdcがセットアップタイムより短い場合、入力信
号Dの値は出力信号Qへ正しく伝わらない。その出力遅
延時間Tpdと入力時間差Tdcの関係を図に表したも
のが図6である。従来の遅延計算モデルにおいては、フ
リップフロップの出力遅延時間Tpdは入力時間差Td
cには依存しない。制約時間がセットアップタイムTs
uである場合、入力時間差Tdcがこれより小さいと出
力は不定となるため、対応する出力遅延時間Tpdは存
在しない、または無限大となる。
【0009】これら各制約時間の違反有無をチェック
し、論理LSIが全体として所望の動作速度で正しく動
作するかどうかを検証することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】高性能な論理LSIの
設計を容易にするためには、基本ブロックの出力遅延時
間が小さいこと、信号の変化を禁止する制約時間が小さ
いこと、同時に、それら遅延時間と制約時間の計算精度
が高いことが重要である。したがって、簡単化したモデ
ルでは、実際の回路の振る舞いを表現しきれず、誤差が
生じる。誤差が大きくなると、特により高性能な論理L
SIの設計を行おうとした場合、製造後の実際の回路で
期待通りの動作をしなかったり、あるいはそういった誤
動作をしないよう設計に余裕を持たせる必要が生じるた
めに実際の回路の性能を引き出しきれなかったりすると
いう問題が起こり得る。
【0011】現実には、一般的にフリップフロップの出
力遅延時間Tpdと入力時間差Tdcの関係は図6のよ
うになっている。たとえば、入力時間差Tdcがある値
(図6のTdc2)より短くなってくると、出力遅延時
間Tpdが徐々に増加し始める。これは、フリップフロ
ップの内部で入力信号Dの値が完全には確定しないうち
にクロック信号Cが入力されて、内部信号の伝搬を阻害
し始め、出力信号Qの値の確定に余分な時間がかかるよ
うになるためである。入力時間差Tdcが更に短くなる
と(図6のTdc1)、内部信号の伝搬は完全に阻害さ
れ、入力信号は出力に伝わらなくなる(Tpdが無限大
となる)。図6における実際の数値は、トランジスタの
性能やフリップフロップの回路構成にもよるが、入力時
間差Tdc1とTdc2の差は200ps〜800p
s、出力遅延時間Tpdの増加量は100ps〜400
psである。
【0012】より精度の高い遅延検証を行う上では、上
述のどの時点の入力時間差Tdcをセットアップタイム
(Tsu)に設定するかが問題である。仮に、入力信号
が出力に伝わらなくなる直前の入力時間差Tdc(図6
のTdc1)をセットアップタイムにすると、実際のフ
リップフロップの出力遅延時間が回路設計段階で計算に
用いた値より大きくなる可能性がある。たとえば、図3
に示すような回路において、フリップフロップ10の出
力Q1が遅れることにより(図7のTpd(F))、次
のフリップフロップ11の入力D2が遅れセットアップ
タイム(図7のTsu)が違反となり、回路の誤動作の
可能性につながる(図7)。
【0013】このとき、誤動作を起こさないようにする
には、なるべく出力遅延時間の増加が起こらないような
入力時間差Tdc(図6のTdc2)をセットアップタ
イムと設定するか、あるいは出力遅延時間の増加を想定
した最悪の場合の遅延検証を行う必要がある。前者で
は、制約時間であるセットアップタイムが実際の素子の
実力より大きな値となる。そのため、設計上の制約が大
きくなり高性能な回路の設計が困難になる。また、後者
では、ほとんどの場合において、実際にはいつも起こる
わけではない出力遅延時間の増加分だけ、素子の実力を
無駄にすることとなる。更に、通常はセットアップタイ
ムだけでなくホールドタイムという別の制約時間を同時
に考慮する必要があるので、出力遅延時間Tpdが増加
しない場合の遅延検証も併せて行う必要があり、回路設
計が非常に難しくなるうえに、検証に要する時間と手間
が多くかかる。
【0014】これらの問題は、図8のような従来の遅延
計算モデルの表し方に起因するものである。
【0015】したがって、本発明の目的は、素子の持つ
性能を引き出した高性能の論理LSIの設計を可能とす
ることである。
【0016】また、本発明の他の目的は、論理LSIの
タイミング設計に自由度を持たせ設計を容易にすること
である。
【0017】さらに、本発明の他の目的は、計算時間の
増大を抑えて計算精度を上げた遅延検証方法を提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、論
理回路を構成する各基本ブロックの出力遅延時間などを
含む遅延情報ライブラリを参照して前記論理回路の回路
接続情報に基づき前記論理回路内の各信号パスの伝搬遅
延時間を計算し且つこれら各伝搬遅延時間から前記各基
本ブロック入力信号間の入力時間差計算し、これら
各入力時間差に対し予め設定された制約時間と比較し、
制約時間違反の有無を判定する、論理回路の遅延検証方
法において、前記制約時間として大小の第1,第2の基
準を予め設定し、第1,第2の基準と前記各入力時間差
とを比較し第1の基準を満たす場合制約時間違反無しと
判定し第2の基準を満たさない場合制約時間違反有りと
判定する判定処理を行い、第1,第2の基準間に前記各
入力時間差が在る場合この入力時間差に対応した基本ブ
ロックの出力遅延時間の増加分を前記遅延情報ライブラ
リの参照により計算し、前記増加分に対応して変更とな
る基本ブロックの入力時間差を再計算し、再計算された
入力時間差に対して前記判定処理を繰り返している。
【0019】
【0020】
【0021】さらに、前記第1,第2の基準の間で、前
記入力時間差に対する前記出力遅延時間の変化率が1〜
2である。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は、本発明の論理回路の遅延検証方
法の実施形態1を示すデータ流れ図である。図1を参照
すると、本実施形態の論理回路の遅延検証方法は、従来
の論理回路の遅延検証方法と同く、遅延計算するステッ
プ21を含み、論理回路を構成する各基本ブロックの出
力遅延時間などを含む遅延情報ライブラリを参照して、
論理回路内の各信号パスの伝搬遅延時間を計算し、且
つ、各基本ブロックが入力信号間の入力時間差に制約時
間をもつとき各伝搬遅延時間から各入力時間差を計算し
ている。さらに、制約時間の判定ステップであるステッ
プ23,24と、入力時間差の再計算ステップであるス
テップ25と、を含んでいる。遅延計算するステップ1
およびその入出力データは従来の論理回路の遅延検証方
法と同じであるので重複説明を省略する。
【0023】まず、ステップ23,24で参照される入
力時間差の範囲を設定する基準A,基準Bと、ステップ
25で参照される遅延情報ライブラリとについて説明す
る。図2は、これらを説明するためにフリップフロップ
を例にした説明図である。図2(A)に示すフリップフ
ロップの遅延時間情報として、図2(C)に示すよう
に、出力負荷容量や入力波形の傾き等によって決まる出
力遅延時間Tpd2の他に、信号の入力時間差Tdcに
依存した出力遅延時間Tpdの変化量3を持つ。出力遅
延時間Tpd2は、入力信号Dの変化とクロック信号C
の変化の時間間隔(図2(B)のTdc)が十分大きい
ときの出力遅延時間Tpdとする。
【0024】入力時間差Tdcを短くしていったとき出
力遅延時間Tpdが増加し始めるときの入力時間差Td
c4を制約の基準Aとする。このときの出力遅延時間の
増加量は、遅延検証で許容される計算誤差、または計算
に用いられる最小の単位時間である。入力時間差Tdc
の真の制約時間(セットアップタイム等)は、フリップ
フロップが正常に動作する範囲で値を小さく設定する。
このときの入力時間差Tdc5を制約の基準Bとする。
好ましい基準Bの決定基準は、出力遅延時間Tpdの変
化量と入力時間差Tdcの変化量の比が、ほぼ1対1か
ら2対1になるときの入力時間差Tdcである。その理
由は、基準Bをあまり小さくしても、入力時間差Tdc
がわずかに変わったときに出力遅延時間Tpdの変化量
が大きいようでは、結果として、わずかな計算誤差が増
幅される形となるからである。
【0025】入力時間差Tdcが基準Aと基準Bの間の
ときの出力遅延時間Tpdを求めると、図2(C)の曲
線6のような特性を得る。この特性曲線6の出力遅延時
間Tpd2からの変化量3を、入力時間差Tdcを変数
として表現し、計算式を作成する。変化量3を求めると
きの出力負荷容量や入力波形の傾き等のパラメータは、
設計する論理LSIで使用される最も標準的な値に固定
しておけばよい。これは、パラメータを変えても出力遅
延時間Tpdの変化量3は大きく変わらないため、通常
は、十分な精度が得られるためである。出力遅延時間T
pdの変化量3の好ましい計算式は、入力時間差Tdc
を幾つかの区間に区切って、その区間内で出力遅延時間
を直線近似する方法である。計算が単純で、いろいろな
特性曲線の形に対し汎用性が高いからである。入力時間
差Tdcを区切る区間の数や大きさに制限はない。区間
が細かいほど誤差は小さいが、計算が複雑になる。4〜
6個の区間に区切るのが適切である。
【0026】上記の出力遅延時間Tpdの変化量3を表
す計算式を、出力負荷容量や入力波形の傾き等の条件に
よって決まる出力遅延時間Tpd2の計算式に加える。
その計算式を各基本ブロックごとに遅延情報ライブラリ
として登録する。
【0027】この遅延情報ライブラリを参照して信号の
入力時間差Tdcに依存した出力遅延時間Tpdを計算
するときは、論理LSI全体の信号の入力側から順に各
伝搬遅延時間を計算し、その基本ブロックへの入力信号
となる信号の伝搬遅延時間および入力時間差Tdcを求
め、この入力時間差Tdcを与えることにより出力遅延
時間Tpdの変化量3を計算し、真の出力遅延時間Tp
dを求めればよい。出力遅延時間Tpdの変化量3を計
算するのは、信号の入力時間差Tdcが基準A以下のと
きだけであり、それ以外は、仮の出力遅延時間Tpd2
がそのまま出力遅延時間として用いられる。
【0028】次に、図1の本実施形態の論理回路の遅延
検証方法について動作を説明する。
【0029】ステップ21において、遅延情報ライブラ
リを参照して、各基本ブロックへの入力信号となる信号
の伝搬遅延時間および入力時間差Tdcを求める。これ
は、最初の遅延計算であり、入力時間差Tdcが十分大
きいと仮定した場合の通常の出力遅延時間Tpd2のみ
を用いて計算を行う。
【0030】ステップ23において、全ての制約時間
(ここではセットアップタイム)の基準Aを満たしてい
れば、遅延検証結果は「エラーなし」となる。基準Aを
満たさないときステップ24に進む。
【0031】ステップ24において、制約時間の基準B
をひとつでも違反していれば、遅延検証結果は「エラー
あり」となる。基準Aを違反してしているが、基準Bを
満たしているときステップ25に進む。
【0032】ステップ25において、先に説明した手順
で作成した遅延情報ライブラリを参照し出力遅延時間T
pdの再計算を行う。信号,クロック信号の入力の時間
差Tdcからフリップフロップの出力遅延時間Tpdの
増加分を計算する。その増加分を、先のステップ1で
遅延計算した結果に加えることで、詳細な遅延時間情報
を得て、もう一度、ステップ23に戻る。このとき、前
回の判定結果を保持しておき、ステップ25の遅延計算
における変更部分のみを比較にかけることで、二回目以
降の計算量を減らすことができる。
【0033】上記の過程を数回繰り返すうちに、検証結
果は「エラーなし」または「エラーあり」の何れかで終
了する。この繰り返しの回数を多くしないためには、基
準Aと基準Bの差を必要以上に大きくしないようにすれ
ばよい。
【0034】以上の遅延検証方法を、たとえば、図3の
ような一般的回路構成に適用した場合について説明す
る。図3のロジック11の構成が複雑である等の理由の
ために、図4(A)に示すようにフリップフロップ10
の出力遅延時間41とロジック11の出力遅延時間42
の和が大きく、5.4nsであったとき、フリップフロ
ップ12のセットアップタイム44の0.9nsに割り
込んでいる場合、要求されるクロックサイクル49の
6.0nsに対しこの回路は動作しないと判定される。
この場合の動作可能なクロックサイクルは6.4ns程
度である。
【0035】ここで、ロジック13の出力遅延時間が比
較的小さく、フリップフロップ14のセットアップタイ
ムまで0.4ns程度以上の余裕がある場合には、本実
施形態の遅延検証方法を適用すると、この回路が動作す
ることが明らかになる場合がある。フリップフロップ1
2のセットアップタイム44を図4(B)のセットアッ
プタイム54の0.5nsまで許容した結果、フリップ
フロップ10の出力遅延時間41とロジック11の出力
遅延時間42はセットアップタイム54を満たす。一
方、フリップフロップ12の出力遅延時間45が1.0
nsから増加し、新たな出力遅延時間55の1.3ns
になったとしても、ロジック13の出力遅延時間46は
ロジック13の出力遅延時間に許容される時間57より
小さく、フリップフロップ14のセットアップタイム4
8を満たすので、この回路は正しく動作することがわか
る。
【0036】次に、本発明の論理回路の遅延検証方法の
実施形態2について説明する。
【0037】本実施形態の論理回路の遅延検証方法は、
図1に示した実施形態1の論理回路の遅延検証方法と同
じステップ21,23,24,25を含む。実施形態1
との相違点はステップ25における出力遅延時間Tpd
の変化量3の計算方法のみにあり、他の重複説明は省略
する。
【0038】すなわち、ステップ25において、実施形
態1では、図2(C)の出力遅延時間Tpdの変化量3
を求めるときに、出力負荷容量や入力波形の傾き等の条
件は固定としているが、本実施形態では、特に高い精度
が要求される場合は、出力遅延時間Tpdの特性曲線を
求めるときにも、出力遅延時間Tpd2と同じように、
パラメータを変えて求める。出力遅延時間Tpdの変化
量3の計算式には、これらのパラメータが含まれる。入
力時間差Tdcを幾つかの区間に区切って、その区間内
で出力遅延時間Tpdを直線近似する方法を用いるなら
ば、区間の区切りの入力時間差Tdcでの出力遅延時間
Tpdの変化量3を、出力遅延時間Tpd2を出力負荷
容量や入力波形の傾き等のパラメータから求めるのと同
じ計算式で表現することにより、任意の入力時間差Td
cでの変化量3を計算することができる。この実施形態
では、より正確な出力遅延時間Tpdの表現が可能とな
る。
【0039】なお、上述の遅延検証方法は、回路設計後
の遅延検証だけでなく、基本ブロックを配置した後の遅
延検証、基本ブロック間の配線を施した後の遅延検証に
おいても同様に適用できる。
【0040】また、上述の遅延情報ライブラリと遅延検
証方法は、フリップフロップに限らず、二つの信号が入
力される時間間隔に依存して出力出力遅延時間が変化す
る全ての回路部品に適用できる。特にクロックにより信
号をラッチする回路構成を持つ回路部品に適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明による論理回路の
遅延検証方法は、制約時間の基準を二つ設け、なお且
つ、そのときの出力遅延時間を正確に表現することによ
り、出力遅延時間の増加による誤動作を起こすことな
く、制約時間を小さく設定することが可能となる。それ
によって、特にフリップフロップなど順序回路の回路部
品の持つ性能を引き出すことが可能となり、論理LSI
回路設計において、より高速な論理LSIの設計が可能
となる。
【0042】同時に、出力遅延時間を正確に表現するこ
とによる計算時間増大を回避できるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の論理回路の遅延検証方法の実施形態1
を示すデータ流れ図である。
【図2】論理回路の遅延検証方法を説明するためフリッ
プフロップを例示した説明図である。
【図3】論理回路の遅延検証方法を説明するため一般的
回路構成を例示した説明図である。
【図4】図3の一般的回路構成における出力遅延時間を
説明する説明図である。
【図5】従来の論理回路の遅延検証方法を示すデータ流
れ図である。
【図6】フリップフロップにおける出力遅延時間Tpd
と入力時間差Tdcの一般的関係を示す説明図である。
【図7】図3の一般的回路構成における動作を説明する
説明図である。
【図8】図5の遅延検証方法における出力遅延時間の遅
延計算モデルを示す説明図である。
【符号の説明】
1,10,12,14 フリップフロップ 2 基本となる出力遅延時間 3 出力遅延時間の増加分 4 基準A 5 基準B 6 出力遅延時間の特性曲線 11,13 任意のロジック回路 21〜25 処理ステップ 41 フリップフロップ10の出力遅延時間 42 任意のロジック回路11の出力遅延時間 43 出力遅延時間42に許容される時間 44 フリップフロップ12のセットアップタイム
(基準A) 45 フリップフロップ12の出力遅延時間 46 任意のロジック回路13の出力遅延時間 47 出力遅延時間46に許容される時間 48 フリップフロップ14のセットアップタイム
(基準A) 49 回路の動作に要求されるクロックサイクル 53 出力遅延時間42に許容される新たな時間 54 フリップフロップ12の新たなセットアップタ
イム 55 フリップフロップ12の新たな出力遅延時間 57 出力遅延時間46に許容される新たな時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−19998(JP,A) 特開 平2−15710(JP,A) 特開 平4−357569(JP,A) 特開 平8−221456(JP,A) 岡本卓爾、外1名、”NANDラッチ を対象としたメタステーブル動作の評 価”、電子情報通信学会論文誌、電子情 報通信学会、Vol.J68−D、No. 6、1985年、p.1210〜1217 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 17/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 論理回路を構成する各基本ブロックの出
    力遅延時間などを含む遅延情報ライブラリを参照して
    記論理回路の回路接続情報に基づき前記論理回路内の各
    信号パスの伝搬遅延時間を計算し且つこれら各伝搬遅延
    時間から前記各基本ブロック入力信号間の入力時間差
    計算し、これら各入力時間差に対し予め設定された制
    約時間と比較し、制約時間違反の有無を判定する、論理
    回路の遅延検証方法において、前記制約時間として大小の第1,第2の基準を予め設定
    し、 第1,第2の基準と前記各入力時間差とを比較し第1の
    基準を満たす場合制約時間違反無しと判定し第2の基準
    を満たさない場合制約時間違反有りと判定する判定処理
    を行い、 第1,第2の基準間に前記各入力時間差が在る場合この
    入力時間差に対応した基本ブロックの出力遅延時間の増
    加分を前記遅延情報ライブラリの参照により計算し、前
    記増加分に対応して変更となる基本ブロックの入力時間
    差を再計算し、再計算された入力時間差に対して前記判
    定処理を繰り返すことを特徴とする、 論理回路の遅延検
    証方法。
  2. 【請求項2】 第1,第2の基準の間で、前記入力時間
    差に対する前記出力遅延時間の変化率が1〜2である、
    請求項記載の論理回路の遅延検証方法 。
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岡本卓爾、外1名、"NANDラッチを対象としたメタステーブル動作の評価"、電子情報通信学会論文誌、電子情報通信学会、Vol.J68−D、No.6、1985年、p.1210〜1217

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