JP2936356B2 - 暖房便座 - Google Patents

暖房便座

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JP2936356B2
JP2936356B2 JP5610791A JP5610791A JP2936356B2 JP 2936356 B2 JP2936356 B2 JP 2936356B2 JP 5610791 A JP5610791 A JP 5610791A JP 5610791 A JP5610791 A JP 5610791A JP 2936356 B2 JP2936356 B2 JP 2936356B2
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史朗 齋藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、暖房便座に係るもの
であり、特に、便座と便器間の電気的接続を排除可能と
した暖房便座に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冬季に便座が冷却されることによ
り、用便者に不快感を与えることを防止するため、図3
に示すように、便座1内に電熱線2を波形に引き回し、
図示しない給電器からコネクタ線3を介して電流を電熱
線2へ供給して、便座1を暖めるようにした暖房便座が
提供されている。コネクタ線3及び便座1の温度を検出
する温度センサ5のリード線4等は、便座1と図示しな
い便器とを接続するヒンジ部6内等に挿通されており、
これらは外部の給電器やコントローラへ接続されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
便器は湿気の多い環境に置かれるものであり、また、清
掃時には多量の水を使用することが多い。このため、前
記従来例では、電熱線2を完全に便座1内に埋設して防
水を施してある。ところが、前記従来例では、ヒンジ部
6に水分が侵入すると、コネクタ線3やリード線4に水
分が付着することがあり、この絶縁皮膜に傷があると、
ショートや感電等の原因となる場合が考えられる。ま
た、清潔のため、便座1を便器から取り外して清掃可能
であることが要求されるが、前記のようにヒンジ部6に
電線が挿通されているため、一般人には便座1を便器か
ら取り外すことは困難であった。このため、ヒンジ部6
に汚れが溜まり易く、不潔感を招いていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に係る暖房便座は、便座のボックス部内に設
けられた誘電体からなる加熱体と、該加熱体に接続され
て便座本体内に引き回された熱伝導体からなる放熱体
と、便器側に設けられ、交流電流の供給により交流磁界
を発生して前記加熱体を電磁誘導により加熱する電磁コ
イルとを具備するものである。また、便座のボックス部
内に設けられた誘電体からなる加熱体と、該加熱体上に
設けられ、液体を封入した熱伝導体からなるタンクと、
該タンクの上部から便座本体内を引き回されて、タンク
の下部へ至るように閉ループ状に形成された熱伝導体か
らなる放熱管と、便器側に設けられ、交流電流の供給に
より交流磁界を発生して前記加熱体を電磁誘導により加
熱する電磁コイルとを具備する構成とすることも好適で
ある。
【0005】
【作用】前記電磁コイルに交流電流を供給すると、電磁
誘導によって電気的な接続無しに便座内の加熱体は誘導
電流により加熱される。この加熱体に生じた熱は、放熱
体に伝わり便座全体を暖める。また、便座と便器間に
は、電気的接続部材が存在しないため、水洗い時にショ
ートや感電の虞れは無い。請求項2のものは、電磁誘導
により加熱された加熱体の熱によって、タンク内の液体
が加熱される。加熱された液体には対流が発生し、この
対流により便座内に引き回された放熱管内を加熱された
液体が放熱しつつ循環する。そして、液体の放熱により
便座全体が暖められる。
【0006】
【実施例】以下、本発明に係る暖房便座の実施例を図面
を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例の概略
構成を示す側面図である。同図に示すように、本実施例
の暖房便座11は、洋式便器10の上に敷設され、便座
本体13の形状は、図3に示した従来例と同様に、便器
10の上面に沿って形成された卵型の環形に形成されて
いる。便座本体13は図示しないヒンジ部を介してボッ
クス部12に開閉可能に取付けられ、ボックス部12は
図示しない垂下状の棒材等を便器10に差し込むことに
より取り外し可能に便器10に取付けられている。この
ボックス部12の内部には加熱体14が収容され、加熱
体14は、鉄やアルミニウム等の誘電体で形成されてお
り、その形状は、円形や角形等、特に限定されるもので
は無く適宜形状に形成される。
【0007】便座本体13内には、例えば、銅やステン
レス等の熱伝導率の高い材料からなる放熱体15が便座
本体13内全体に均等に引き回されている。放熱体15
は、図3の従来例における電熱線2のように波形に引き
回しても良いし、便座本体13の幅より若干狭い幅の平
板状のものを便座本体13の形状に対応する環状にして
引き回しても良い。後者の方が、熱が全体に伝導される
速度が速いので前者よりも好適である。さらに、放熱体
15の外面には、垂直にフィン16が立設されている。
このフィン16は、やはり熱伝導率の高い材料からな
り、適宜間隔をおいて放熱体15全域に設けられてい
る。加熱体14と放熱体15及びフィン16は、水分の
侵入を防止するため、合成樹脂製の暖房便座11内に完
全に封止されている。
【0008】また、便器10側には、ボックス部12の
直下かつボックス部12に近接した位置に、電磁コイル
18が内装されている。この電磁コイル18は、外部に
設けられたコントローラ19から商用周波数の交流電流
が供給されることにより、交流磁界を発生するものであ
る。コントローラ19は、プラグ20を介して、商用電
力を入力して電磁コイル18へ供給する。コントローラ
19には、図示は省略するが、電磁コイル18への交流
電流の供給の開始と停止を指示するスイッチや、電流量
を調節するボリューム又は切替えスイッチ等の各種操作
スイッチ類が設けられている。
【0009】次に、本実施例の作用を説明する。コント
ローラ19から電磁コイル18へ交流電流(50Hz又
は60Hz)が供給されると、電磁コイル18に交流磁
界が発生する。この交流磁界が、加熱体14を透過する
ことによって加熱体14に電磁誘導による誘導電流が発
生する。この誘導電流によって加熱体14はジュール熱
を発生して温度が上昇する。これは、いわゆる誘導加熱
の原理を利用しているものである。加熱体14が加熱さ
れると、この発生熱は、放熱体15に伝わり、フィン1
6によって便座本体13全体を暖める。また、清掃時に
は、暖房便座11を便器10側から容易に取り外すこと
ができるため、便器10上面等に汚れが溜まることが無
い。しかも、加熱体14と放熱体15及びフィン16
は、暖房便座11内に完全に封止されているため、暖房
便座11を水で丸洗いすることが可能であり、洗浄作業
が簡易に行える。本実施例においては、便座本体13の
温度調節は、コントローラ19に設けられている温度調
節用ボリューム又は温度切替えスイッチの操作により、
電磁コイル18へ供給する交流電流量を調節することに
よって行う。
【0010】次に、図2に示す本発明の第2実施例につ
いて説明する。本実施例の暖房便座21は、第1実施例
の暖房便座11と同様に、図1に示したものと同様の洋
式便器10上に取付けられている。そして、便器10上
に取り外し可能に取付けられるボックス部22内には、
第1実施例における加熱体14と同様の材質からなる加
熱体24が収容されている。この加熱体24上に密着す
るように液体(水や油等の気化点の高いもの)36が封
入されたタンク31が固着されている。そして、便座本
体23内には、タンク31の上部から便座本体23内を
引き回されて、タンク31の下部へ至るように閉ループ
状に形成された放熱管25が収容されている。この放熱
管25は、第1実施例における放熱体15と同様の材質
からなり、その外面に、放熱用のフィン26が適宜間隔
をおいて多数立設されている。
【0011】そして、放熱管25は、便座本体23の形
状に対応する環状に形成されているとともに、放熱管2
5の一端はタンク31の上部に設けられた流出口32に
接続され、他端はタンク31の下部に設けられた流入口
33に接続されている。この放熱管25内にも液体36
が満たされている。さらに、放熱管25の途中、好まし
くは図2に示すように、流出口32の近傍において、異
なる温度で作動する2つの開閉弁34,35が介在され
ている。一方の開閉弁34は、適温(例えば、36℃)
で開弁し、この温度以下では閉弁しているものである。
他方の開閉弁35は、高温(例えば、42℃)で閉弁
し、この温度以下では開弁しているものである。これら
の開閉弁34,35は、例えば、決められた温度で変形
する形状記憶合金の変形力により弁体を開閉させる構造
のものや、バイメタルを用いて、このバイメタルの変形
力を利用して弁体を開閉させる構造のものなど、温度変
化によって外部操作によらずに弁の開閉が可能なもので
ある。
【0012】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例においても、第1実施例と同様の電磁コイル18が図
示しない便器側に設けられており、図1と同様のコント
ローラ19が電磁コイル18に接続されている。このコ
ントローラ19から電磁コイル18へ交流電流(50H
z又は60Hz)が供給されると、電磁コイル18に交
流磁界が発生し、この交流磁界が、加熱体24を透過す
ることによって誘導加熱の原理により加熱体24が加熱
される。加熱体24が加熱されると、この発生熱は、タ
ンク31に伝わり、タンク31内の液体36を加熱す
る。加熱された液体36は対流を起こし、温度の高くな
った一部の液体36が流出口32から放熱管25内に流
入する。このとき、放熱管25に流入した時、前記適温
以上かつ高温以下であれば、2つの開閉弁34,35が
共に開き、温度の高い液体が放熱管25内へ連続して流
入する。放熱管25は、流出口32から便座本体23の
先端までの間は、微小の上り勾配を有しており、温度の
高い液体はこの間を上昇しつつ流動して放熱する。便座
本体23の先端から流入口33までの間の放熱管25
は、微小の下り勾配を有しており、放熱して冷却された
液体は比重の上昇によって自重により下降して流入口3
3に至る。従って、液体36の対流は繰り返されて、こ
の対流の力によって、温度の高い液体が放熱管25内を
循環し、これにより便座本体23全体が暖められる。
【0013】液体36の温度が前記高温を越えると開閉
弁35が閉じて、液体36が放熱管25内に流入しなく
なる。これによって、便座本体23が必要以上に加熱さ
れることを防止でき、第1実施例に比して自動温度調節
機能を具備するものである。用便者は、第1実施例と同
様に、温度調節用ボリュームや温度切替えスイッチの操
作により、適温に調節することができる。
【0014】なお、前記実施例では、電磁コイル18に
低周波電流を供給するものを例示したが、これは、高周
波電流を供給する構成としても良く、この場合には、コ
ントローラ19内に高周波発振器を設ける必要がある。
【0015】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
便座のボックス部内に誘電体からなる加熱体を設け、便
器側に設けた電磁コイルから交流磁界を発生して、誘導
加熱の原理によって加熱体を加熱するとともに、この加
熱体の発生熱を便座内に引き回した放熱体に伝える構
成、または、前記加熱体上に液体を封入したタンクを設
けて、加熱体の発生熱により液体に対流を起こして、こ
の加熱された液体を便器内に引き回された放熱管内に循
環させる構成としたことによって、便座全体を暖めるこ
とができる。しかも、便座と便器間には、電気的接続部
材が存在しないため、水洗い時にショートや感電の虞れ
は無く、かつ、便座を丸洗いすることが可能となるた
め、清掃作業の簡易迅速化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る暖房便座の第1実施例の概略構成
を示す側面図である。
【図2】本発明の第2実施例の概略構成を示す便座の側
面図である。
【図3】従来の暖房便座の斜視図である。
【符号の説明】
11,21 便座 12,22 ボックス部 13,23 便座本体 14,24 加熱体 15 放熱体 16,26 フィン 18 電磁コイル 19 コントローラ 25 放熱管 31 タンク

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便座内部に発熱体を内蔵することによっ
    て便座を暖めるようにした暖房便座において、 便座のボックス部内に設けられた誘電体からなる加熱体
    と、 該加熱体に接続されて便座本体内に引回された熱伝導体
    からなる放熱体と、 便器側に設けられ、交流電流の供給により交流磁界を発
    生して前記加熱体を電磁誘導により加熱する電磁コイル
    とを具備することを特徴とする暖房便座。
  2. 【請求項2】 便座内部に発熱体を内蔵することによっ
    て便座を暖めるようにした暖房便座において、 便座のボックス部内に設けられた誘電体からなる加熱体
    と、 該加熱体上に設けられ、液体を封入した熱伝導体からな
    るタンクと、 該タンクの上部から便座本体内を引き回されて、タンク
    の下部へ至るように閉ループ状に形成された熱伝導体か
    らなる放熱管と、 便器側に設けられ、交流電流の供給により交流磁界を発
    生して前記加熱体を電磁誘導により加熱する電磁コイル
    とを具備することを特徴とする暖房便座。
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