JP2934894B2 - 機能性シートの製造方法 - Google Patents

機能性シートの製造方法

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JP2934894B2 JP2024016A JP2401690A JP2934894B2 JP 2934894 B2 JP2934894 B2 JP 2934894B2 JP 2024016 A JP2024016 A JP 2024016A JP 2401690 A JP2401690 A JP 2401690A JP 2934894 B2 JP2934894 B2 JP 2934894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《発明の目的》 〈産業上の利用分野〉 本発明は、脱臭等の機能を有するシートの製造方法に
関する。
〈発明の背景〉 近年除湿紙、脱臭紙、芳香紙、防虫紙など、機能成分
を紙などのシートに担持させた製品が種々開発されてい
るが、機能性粉体をシートに担持させて機能性シートを
製造する場合には、多量の機能性粉体を担持させること
が困難であるため、製品自体必ずしも十分な機能を有し
ないという問題があった。そこで本発明者は機能性粉体
を水溶性アルギン酸塩水溶液中に混合して混合液とし、
この混合液を多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液、
酸あるいはアルコールのいずれかに連続的にまたは非連
続的に分散して得られる少なくとも表面が不溶化したゲ
ル状生成物を乾燥して固形粒剤とし、この固形粒剤をシ
ート状の基材に担持させるという新たな技術を開発し
た。しかし、この方法ではゲル状生成物を乾燥する際に
多量のエネルギーと時間とを費やさなければならない。
その一方において、固形粒剤をシート状の基材に担持さ
せる手法として、例えば不織布の製造法であるサーマル
ボンド法などのように加熱処理を必要とする場合も多い
が、従来これらの加熱工程はあくまで別途独立的なもの
として捉えられており、同じ加熱工程であってもこれら
を有機的合理的に組み合わせる試みはなされていない。
〈開発を試みた技術的事項〉 本発明はこのような背景に鑑みなされたものであっ
て、本発明者が開発した技術を改良してゲル状生成物を
乾燥して固形粒剤とする工程を省くことにより省エネ化
を図ると共に、機能性ゲル物質を直接シートに担持させ
るという新たな発想のもとに機能性シートの製造方法の
開発を試みたものである。
《発明の構成》 〈目的達成の手段〉 即ち、本出願に係る第一の発明たる機能性シートの製
造方法は、機能性ゲル物質と繊維とを分散媒に分散さ
せ、機能性ゲル物質と繊維とを一緒に抄いた後、このも
のを乾燥したことを特徴として成るものである。
また本出願に係る第二の発明たる機能性シートの製造
方法は、機能性ゲル物質をシート状の基材に分散し、そ
の上から機能性ゲル物質を覆うように被覆層を設け、こ
の被覆層と前記シート状の基材とを結合させて機能性ゲ
ル物質をシート素材に担持する担持工程と、前記機能性
ゲル物質を乾燥するための乾燥工程とを設けたことを特
徴として成るものである。
更に本出願に係る第三の発明たる機能性シートの製造
方法は、前記要件に加えて前記担持工程には加熱処理工
程を含み、前記機能性ゲル物質の乾燥をこの加熱処理工
程で一緒に行なうことを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第四の発明たる機能性シートの
製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は、
機能性粉体を水溶性アルギン酸塩水溶液中に混合して混
合液とし、この混合液を多価金属イオンとなり得る金属
塩水溶液、酸あるいはアルコールのいずれかに連続的に
または非連続的に分散して得られる少なくとも表面が不
溶化したゲル状生成物であることを特徴として成るもの
である。
また更に本出願に係る第五の発明たる機能性シートの
製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は、
機能性粉体を多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液、
酸あるいはアルコールのいずれかに混合して混合液と
し、この混合液を水溶性アルギン酸塩水溶液中に連続的
にまたは非連続的に分散して得られる少なくとも表面が
不溶化したゲル状生成物であることを特徴として成るも
のである。
また更に本出願に係る第六の発明たる機能性シートの
製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は、
機能性粉体を水溶性アルギン酸塩水溶液に混合した混合
液を酸に対して連続的に又は非連続的に分散して粒状の
アルギン酸ゲルとした後、このアルギン酸ゲルの水素イ
オンをアルカリ金属以外の金属に置換したものであるこ
とを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第七の発明たる機能性シートの
製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は、
機能性粉体を水溶性アルギン酸塩水溶液中に混合した混
合液と他の機能成分の溶液とをそれぞれ多重ノズルの各
ノズルから連続的にまたは非連続的に流出して、多価金
属イオンとなり得る金属塩水溶液、酸あるいはアルコー
ルのいずれかに分散して得られる少なくとも表面が不溶
化したゲル状生成物であることを特徴として成るもので
ある。
また更に本出願に係る第八の発明たる機能性シートの
製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は、
機能性粉体を多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液、
酸あるいはアルコールのいずれかに混合した混合液と他
の機能成分の溶液とをそれぞれ多重ノズルの各ノズルか
ら連続的にまたは非連続的に流出して、水溶性アルギン
酸塩水溶液中に分散して得られる少なくとも表面が不溶
化したゲル状生成物であることを特徴として成るもので
ある。
また更に本出願に係る第九の発明たる機能性シートの
製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は脱
臭機能を有することを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第十の発明たる機能性シートの
製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は芳
香機能を有することを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第十一の発明たる機能性シート
の製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は
防虫機能を有することを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第十二の発明たる機能性シート
の製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は
殺虫機能を有することを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第十三の発明たる機能性シート
の製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は
誘虫機能を有することを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第十四の発明たる機能性シート
の製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は
嫌虫機能を有することを特徴として成るものである。
また更に本出願に係る第十五の発明たる機能性シート
の製造方法は、前記要件に加えて前記機能性ゲル物質は
吸湿機能を有することを特徴として成るものである。
これら発明により前記目的を達成しようとするものであ
る。
以下、上記発明の構成要素について具体的に説明す
る。まず機能性ゲル物質としては一例としてそれぞれゲ
ル状態の脱臭剤、芳香剤、防虫剤、殺虫剤、誘虫剤、嫌
虫剤、吸湿剤がある。尚、脱臭剤等が粉体乃至液体であ
る場合には例えばカラギーナンに含ませることにより機
能性ゲル物質として使用してもよい。また本発明者は、
そのままの状態ではシートに担持しにくい機能性粉体を
粒剤化する技術を開発したが、ここではこのような機能
性固形粒剤の製造方法について説明すると共に、その製
造途中で得られる機能性ゲル物質を利用して機能性シー
トを製造する方法について説明する。まず機能性固形粒
剤の製造法について説明すると、機能性粉体を水溶性ア
ルギン酸塩水溶液中に混合して混合液とし、この混合液
を多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液、酸あるいは
アルコールのいずれかに連続的にまたは非連続的に分散
して得られる少なくとも表面が不溶化したゲル状生成物
を乾燥するというものである。まずこの製造方法の構成
要素について説明する。機能性粉体としては粉末状の脱
臭剤、芳香剤、防虫剤、殺虫剤、誘虫剤、嫌虫剤、吸湿
剤をそれぞれ適用することができる。脱臭剤としては活
性炭の他、ゼオライト、クリストバライト、アミヨン、
オルソリン酸アルミニウム、酸化亜鉛と二酸化チタンと
水分子とが緊密に結合した粒子の集合体(特開昭63−54
935号を参照)、アニコ、植物抽出物などがある。ゼオ
ライトは、活性炭が比較的低分子物質を吸着しにくいの
に対して、水やアンモニアなどの極性分子や硫化水素な
どの硫黄系ガスをよく吸着する。また活性炭が低温度で
優れた吸着能を示すのに対して、ゼオライトは比較的高
温度、低濃度で吸着能力が高い。このものは比較的水分
の少ない用途では、湿気と臭気とを同時に吸着するので
脱臭剤と後述する吸湿剤との併用効果が期待できる。ク
リストバライトは藻類の一種である珪藻が長い間に珪藻
土となり、更に火山のマグマに焼かれてできた珪酸鉱物
の一種であり、主成分は二酸化珪素である。アンモニア
の吸着率は高いが硫化水素はやや低い。アミヨンは天然
の無機質から成る粉末であり、土中の生物的な作用によ
る脱臭と岩石や鉱物類の物理的、化学的作用による脱臭
能力がある。オルソリン酸アルミニウムはアンモニア、
アミン類をよく吸着する。酸化亜鉛と二酸化チタンと水
分子とが緊密に結合した粒子の集合体は、粒径がミクロ
ンないしサブミクロンオーダーの微粉末状の脱臭剤であ
り、活性炭が黒色であるのに対し白色であるため衛生的
な場所に使用する場合には適している。またこの種の脱
臭剤としてこの他にも、酸化亜鉛と酸化アルミニウムと
酸化珪素の結合体(特開昭63−246167号を参照)、酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム
の結合体(特開昭63−18544号及び特開昭63−183065号
を参照)がある。アニコは硫酸第一鉄を主成分とし、L
−アスコルビン酸を酸化抑制剤とするもので緑青色の液
体である。植物抽出物には例えば茶に代表されるツバキ
科植物から抽出されたフラバノール、フラボノール類や
針葉樹、広葉樹の抽出物などがある。これら各種の脱臭
剤のうち活性炭、デオライト、クリストバライト、アミ
ヨン、オルソリン酸アルミニウム、酸化亜鉛と二酸化チ
タンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体は、いず
れも粉体であるからそのまま機能性粉体として利用でき
るが、液体であるアニコ、植物抽出物の場合にも適宜の
粉体に吸収させて適用することができる。
芳香剤としては、香料を乳化させたものを噴霧乾燥し
て粉末化した粉末香料の他、天然香料、合成香料、調合
香料などをそのまま使用するか、適宜の粉末体に吸収さ
せたものを使用してもよい。
防虫剤としてはパラジクロルベンゼン、アレスニンと
ピペロニールブトキサイドの併用、エミコンなどを適宜
の粉末体に吸収させたものを使用することができる。
殺虫剤としては例えばダニ用としてフェニトロチオ
ン、フェンチオンなどの有機燐酸や天然ピレトリンと合
成ピレトリン類化合物を総称したピレスロイド系のもの
があり、これらを適宜の粉末体に吸収させたものを使用
することができる。
誘虫剤は昆虫の嗅覚に作用して誘因する臭い物質であ
って、昆虫フェロモンやその他天然に存在する植物等に
含まれる誘因性を示す成分が知られている。ここで昆虫
フェロモンとは、昆虫の体内で生産され、対外に排出さ
れて同種の他の個体に特異な行動を引き起こす物質であ
り、例えば同種異性間を引き付ける性フェロモンや同種
間を集合させる集合フェロモンや危険信号に匹敵する警
報フェロモンがある。
嫌虫剤は誘虫剤とは逆の作用を示すものであって、例
えば熱帯シマカに対して強い忌避作用を示すN,N−ジメ
チル−m−トルアミドなどがある。
吸湿剤としては、塩化カルシウム2水塩、シリカゲ
ル、生石灰などを用いることができる。
次に水溶性アルギン酸塩について説明する。このもの
は具体的にはアルギン酸ナトリウムに代表されるもので
あり、他にもアルギン酸アンモニウムなどを使用するこ
とができる。ここでは代表してアルギン酸ナトリウムに
ついて説明する。このアルギン酸ナトリウムは、コン
ブ、カジメ、アラメなどの褐藻類の細胞膜を形成する物
質であり、乳化安定剤、粘強剤、型剥離剤などとして用
いられる。この物質は極めて高粘性のコロイド物質で親
水性が強く、冷水、温水、いずれにも良く溶解し、非常
に粘稠均一な溶液となる性質を有する。また、この溶液
にアルミニウム、バリウム、カルシウム、銅、鉄、鉛、
亜鉛、ニッケルなどの金属塩を加えると、水に不溶性の
アルギン酸塩となる。
また、多価金属イオンとなり得る金属は、具体的に
は、アルミニウム、バリウム、カルシウム、銅、鉄、
鉛、亜鉛、ニッケルなどがある。即ち、要はアルギン酸
と結合したときに水に不溶乃至は難溶となるような金属
を選定する。
更に、酸は、塩酸、硫酸、硝酸などに代表される強酸
の他、弱酸(アルギン酸よりも強い酸に限る)を含むも
のである。
更にまたアルコールとは、鎖式または脂環式炭化水素
の水素原子、または芳香族炭化水素の側鎖の水素原子を
水酸基で置換した構造をもつ化合物をいい、例えばメタ
ノール、エタノールなどがある。
また請求項6で定義されるアルカリ金属以外の金属と
しては、アルギン酸と結合したときに水に不溶となるよ
うにアルカリ金属以外の金属を選択する。実際には、こ
れら金属の水溶性金属塩を使用するものであって、その
例としては硝酸銀、硝酸銅、硝酸鉄、硝酸ニッケル、硝
酸アルミニウム、硝酸カルシウム等の硝酸塩類、または
硫酸銅、硫酸鉄、硫酸アルミニウム等の硫酸塩類、更に
塩化白金(IV)酸六水和物、塩化金(III)酸四水和
物、塩化パラジウム(II)酸性溶液等の貴金属化合物が
挙げられる。
次に機能性固形粒剤の製造方法について説明する。ま
ず機能性粉体を水溶性アルギン酸塩水溶液内に混合し、
ポンプを使用して毎秒一定量の混合液を吸い上げてチュ
ーブ内に送る。尚、水溶性アルギン酸塩水溶液は濃度が
高いと粘度が上がるため、ポンプの吸引能力を考慮する
とその濃度は2%以下とすることが好ましい。また、一
例として機能性粉体として脱臭剤たる酸化亜鉛と二酸化
チタンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体を用
い、水溶性アルギン酸塩としてアルギン酸ナトリウムを
用いた場合には、機能性粉体と水溶性アルギン酸塩との
重量比は90:10乃至95:5とすることが好ましい。次に、
多価金属イオンとなり得る金属の金属塩水溶液、酸もし
くはアルコールのうち、いずれかを入れた容器をチュー
ブの先端側に用意しておき、ポンプ圧によってチューブ
内の混合液を少しづつ送りだすことにより、混合液を容
器中に滴下する。これにより混合液を分散させる分散媒
の種類により、それぞれ分散滴が化学的あるいは物理的
変化を生じ、少なくとも表面が不溶化したゲル状生成物
を生じる。尚、分散媒として多価金属イオンとなり得る
金属の金属塩水溶液を使用した場合には、混合液を分散
するにつれて、次第に水溶液中の多価金属イオンの濃度
が低下していくため、製造能率を考慮して金属水水溶液
の濃度を比較的高濃度としておくことが好ましいが、そ
の一方、金属塩水溶液の濃度が高すぎると、滴下された
混合液の比重との関係から滴下液が水溶液上に浮いて球
になりにくい。従って、金属塩水溶液の濃度は、0.1乃
至10%程度とすることが好ましい。また、混合液を分散
媒に分散させる方法としては、滴下する方法の他に、例
えばノズルをチューブの先端に取り付けて、このノズル
を分散媒中に入れ、ポンプ圧で混合液を水溶液中に押し
出すようにして繊維状のゲル状生成物を形成するように
してもよい。尚、本明細書中で使用する「粒」という語
は、小さな球体という意味の他に、円柱や線体を適宜の
大きさに切断した形状等の種々の形状を含む概念であ
る。次に、このようにして得られたゲル状生成物を水溶
液中から取り出した後、高温度下に放置したり、乾燥機
を使用するなどの方法により乾燥して固形粒剤を得る。
またゲル状生成物が繊維状の場合には、このものを適当
な長さに切ることにより固形粒剤とする。尚、機能性粉
体として、脱臭剤たる酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子
とが緊密に結合した粒子の集合体を使用した場合には、
乾燥時に100℃を越えると変色するため、これ以下の温
度で乾燥するようにする。
また以上の製造工程を更に応用して金属を担持するこ
ともできる。その製造方法について説明すると、機能性
粉体を水溶性アルギン酸塩水溶液に混合して混合液を作
る。次にこの混合液を酸に滴下して分散させる。これに
より水溶性アルギン酸塩たる例えばアルギン酸ナトリウ
ムのナトリウムイオンが水素イオンに置換されて、機能
性粉体を含む粒状のアルギン酸ゲルが沈澱する。このよ
うにして沈澱したアルギン酸ゲルを塩酸から取り出し、
蒸留水で洗浄した後に、このアルギン酸ゲルを前記アル
カリ金属以外の金属塩水溶液に浸漬する。これにより少
なくとも表面のアルギン酸の水素イオンと金属塩の金属
とが置換して、アルギン酸に金属が担持された状態とな
る。尚、このように一旦酸の中でアルギン酸ゲルの状態
とし、このものを金属とイオン交換させる方法は、特に
貴金属をアルギン酸に担持する場合には経済的な方法で
ある。即ち、前記方法のように機能性粉体と水溶性アル
ギン酸塩水溶液との混合液を直接に前記アルカリ金属以
外の金属塩水溶液に分散させても、アルギン酸に金属を
担持させることは可能であるが、この方法では比較的多
量の分散媒が必要となり、貴金属を担持させる方法とし
ては必ずしも経済的な方法とは言えないが、本製造方法
では、アルギン酸ゲルを浸すことができるだけの少量の
貴金属塩水溶液があれば十分なのである。尚、この製造
方法においては、必ずしも粒状のアルギン酸ゲルに直ち
に金属を担持させる必要はなく、一旦粒状のアルギン酸
ゲルの状態で保存しておき、必要に応じて適宜の量のア
ルギン酸ゲルに適宜の金属を担持するようにすることも
可能である。このようにして金属が担持された粒状の機
能性ゲル物質たるアルギン酸ゲルを蒸留水で洗浄し、こ
れを乾燥することにより金属を担持した機能性固形粒剤
を得る。
次に、機能性固形粒剤の他の製造方法について説明す
る。この方法は、いわば前記方法における分散滴と分散
媒とを逆にしたものであって、まず機能性粉体を塩化カ
ルシウムなどの多価金属イオンとなり得る金属の金属塩
水溶液あるいは酸またはアルコールに混合し、この混合
液を水溶性アルギン酸塩水溶液中に連続的に又は非連続
的に分散し、これにより得られる表面が不溶化したゲル
状生成物を乾燥して固形粒剤を製造する。
次に多機能を有する固形粒剤について説明する。多機
能な固形粒剤の構造の種類としては第1図(a)〜
(f)に示すように種々の形態を採り得るものである。
即ちまず第1図(a)に示すものは機能性粉体2と機能
成分3とが固形粒剤中に混在したものである。因みにこ
のような構造の固形粒剤を造るには、第2図(a)に示
すように機能性粉体2を分散させた混合液と機能成分3
の液とを混合して一つのノズルから滴下させればよい。
また第1図(b)に示すものは、二層構造の固形粒剤1
であって、一例として外側の層には機能性粉体2が分散
し、一方内側の層は機能成分3により構成されるもので
ある。因みにこのような構造の固形粒剤を造るには、第
2図(b)に示すように二重ノズルの外側のノズルと内
側のノズルとから、それぞれ機能性粉体2を分散させた
混合液と機能成分3の液とを滴下すればよい。更に第1
図(c)に示すものは、三重構造の固形粒剤1であっ
て、一例として最も外側の層には機能性粉体2が分散
し、一方中間の層は機能成分3aにより構成され、更に最
も内側の層は中間の層とは異なる機能成分3bにより構成
されるものである。因みにこのような構造の固形粒剤を
造るには、目的に応じて各種の機能成分や同じ種類の機
能成分であっても効能の異なるものを適宜用意し、第2
図(c)に示すような多重ノズルの各ノズルから各機能
成分を含む液が流出するようにすればよい。尚、第1図
(c)に示す構造を更に発展させて、四重構造以上の多
重構造とすることもできる。また更に第1図(d)に示
すものは、固形粒剤中に二つの大きな核を有する構造で
あり、この二つの核は一例としてそれぞれ異なる機能成
分3a、3bにより構成され、一方これらの核を取り巻く部
分には機能性粉体2を分散させたものである。因みにこ
のような構造の固形粒剤を造るには、第2図(d)に示
すような一つのノズルの中に、それより小さな二つのノ
ズルを設けた多重ノズルを用いて、外側のノズルからは
機能性粉体を分散させた混合液を流出させ、また内側の
二つのノズルからは各々異なる機能成分を流出させれば
よい。また更に第1図(e)に示すものは、全体として
は二重構造であるが、内側の層には更に粒状の部分が分
散して点在する構造であり、一例として外側の層には機
能性粉体2が分散し、一方内側の層は機能成分3aにより
構成されると共に、粒状の部分はまた別の機能成分3bに
より構成されるものである。因みにこのような構造の固
形粒剤を造るには、例えば第1図(b)に示すような固
形粒剤の製造方法において、あらかじめ一つの機能成分
中に他の機能成分となるべき物質を分散させておき、こ
の分散液を内側のノズルから流出させればよい。また更
に第1図(f)に示すものは、やはり全体としては二重
構造であるが、外側の層には更に粒状の部分が分散して
点在する構造であり、一例として外側の層には機能性粉
体2と機能成分3aとが分散し、一方内側の層はまた別の
機能成分3bにより構成されるものである。因みにこのよ
うな構造の固形粒剤を造るには、例えば第1図(b)に
示すような固形粒剤の製造方法において、あらかじめ機
能性粉体2を分散した混合液中に機能成分となるべき物
質を分散させておき、この混合液を外側のノズルから流
出させ、一方機能成分の液を内側のノズルから流出させ
ればよい。尚、以上の各構造のうち二種類以上の機能成
分を含むものは、その機能成分の組み合わせは目的によ
り自由である。また全体が三重以上の構造の場合にも、
第1図(d)、第1図(e)、第1図(f)のような各
構造をその一部又は全部の層に適用することができる。
このような多機能の固形粒剤を造るにあたっても製造原
理は前記方法と同様であり、製造途中においてゲル状生
成物ができる。
以上が機能性固形粒剤の製造方法であるが、これら方
法の工程の途中で得られるゲル状生成物の性状はゲル状
態であって、このものは機能性粉体を含むことから機能
性ゲル物質として利用することができる。即ち、機能性
粉体として脱臭剤、芳香剤、防虫剤、殺虫剤、誘虫剤、
嫌虫剤、吸湿剤を選択すれば、それぞれ脱臭機能、芳香
機能、防虫機能、殺虫機能、誘虫機能、嫌虫機能、吸湿
機能を有する機能性ゲル物質を得る。またゲル状生成物
の乾燥工程を省き、ゲル状生成物をそのままシート状の
基材に担持させることは本発明の特徴的構成であって、
これによりゲル状生成物の乾燥に要するエネルギーと時
間及びその手間を省くことができる。尚、ゲル状生成物
の乾燥については後述する。
次に機能性ゲル物質をシート状の基材に担持させる方
法について説明する。ここで説明する機能性シートの製
造方法は、一例として不織布の製造方法を適用したもの
であるが、もちろんこの方法に限定するのではなく、紙
の製造工程を利用して機能性ゲル物質を担持させたり、
紙その他のシート類に機能性ゲル物質を公知の方法で担
持させても構わない。尚、不織布の製造方法には湿式法
と乾式法とがあり、更に乾式法には接着剤法、スパンレ
ース法、スパンボンド法、メルトブローン法、ニードル
パンチ法、ステッチボンド法などがあるが、これら方法
のいずれをも適用することができる。
以下機能性シートの製造方法を具体的に説明する。ま
ず第一の実施例として紡糸型不織布の製造方法を適用し
た機能性シートの製造方法について説明する。この製造
工程はシート状の基材と、機能性ゲル物質を覆う被覆層
とを結合させて機能性ゲル物質をシート素材に担持する
担持工程と、機能性ゲル物質を乾燥するための乾燥工程
とを設けて成る。即ち、まず担持工程は第3図に示すよ
うに、ウエブ成形機5によりシート状の基材となるウエ
ブ6を成形し、その上に前記機能性ゲル物質7を均一に
分散する。次に溶融したポリスチレン等の合成樹脂を圧
搾空気や高圧蒸気でノズルから空気中に噴出させて短繊
維8とし、この短繊維8を噴出させた結合剤の中を通る
ようにして前記ウエブ6の上から機能性ゲル物質7を覆
うように吹き付ける。尚、この短繊維8は被覆層を構成
するものであり、この短繊維8が基材たるウエブ6と結
合することにより機能性ゲル物質7が基材に担持され
る。次にこのようにして機能性ゲル物質7が保持された
ものを乾燥工程に送り、機能性ゲル物質7を乾燥、固化
することにより機能シートが得られる。また紡糸型不織
布の製造方法を適用した機能性シートの製造方法として
は上述したような短繊維法の他、紡糸したフィラメント
に捲縮を与え、静電気や乱気流によって単繊維をランダ
ムに配列させ、接着剤で結合させるスパンボンド法や、
フィラメントを揃えてループを与え接着剤液中に浸漬し
て接合させるウブタン法を同様にして適用してもよい。
尚、この第一の実施例では担持工程中に加熱処理の工程
を有しないため別に機能性ゲル物質を乾燥するための乾
燥工程を設けた。しかし担持工程中に加熱処理工程を有
することがある場合には、その加熱を利用して機能性ゲ
ル物質の乾燥を同時に行なうことができる。尚、担持工
程中に加熱処理工程を有することがあるとは、ウエブの
結合工程で加熱処理を必要とするものの他、製造工程中
で水を使用するため、その乾燥のために加熱処理を必要
とする場合や、あるいは本来その製造工程自体は加熱処
理を必要としないが、例えば後工程で補強のために接着
剤を噴霧し、その乾燥のために加熱処理を必要とする場
合なども含めたものである。以下このような実施例につ
いて説明する。
第二の実施例は湿式法を適用し、担持工程中に加熱処
理工程を含んだ製造方法である。この方法は紙を抄く方
法である抄紙法と同様なものであり、分散媒たる液体中
に前記機能性ゲル物質と比較的短い繊維とを分散させ
て、これらを一緒に抄き、このようにして抄いたものを
加熱乾燥するという方法である。この方法によれば、機
能性ゲル物質が繊維が互いに絡まった間に保持される。
また湿式法では抄いたものを乾燥させるための加熱処理
工程を有するが、この加熱処理工程においては機能性ゲ
ル物質の乾燥が行なわれ、乾燥物たる機能性固形粒剤と
なる。このように加熱処理工程を経ることにより機能性
シートが得られる。尚、湿式法を適用する場合には、抄
紙工程で機能性ゲル物質の保持率を高めるために、前記
機能性ゲル物質を製造するにあたって、ノズルから前記
混合液を塩化カルシウム中に連続的に流出することによ
り得られる糸状のゲル状生成物をそのまま用いるように
してもよい。また本実施例は繊維の絡み合わせにより繊
維を結合したものであるが、低軟化点の繊維を混用して
熱接着するという方法をとることもでき、このような方
法をとった場合には加熱処理工程たる熱接着の時点で同
時に機能性ゲル物質の乾燥を行なうようにしてもよい。
次に第三の実施例である接着剤法を適用した機能性シ
ートの製造方法について説明する。接着剤法には、繊維
を接着剤で結合するケミカルボンド法、繊維の自己接着
性や接着繊維を混合しておくサーマルボンド法、空気と
バインダーとでパルプを接着するエアレイ法などがある
が、ここではケミカルボンド法とサーマルボンド法を適
用した製造法について説明する。ケミカルボンド法を適
用した製造法としては、第4図に示すように、まずウエ
ブ成形機5を用いて機能性ゲル物質を担持するためのシ
ート状の基材たるウエブ6を成形する。次にこのウエブ
6の上に前記機能性ゲル物質7を均一に分散する。そし
てその上から更に被覆層たるウエブ6をかぶせるように
のせて機能性ゲル物質7をサンドイッチ状に挟み込む。
このような状態でウエブを変形させないようにスクリー
ンコンベアにのせ接着剤液の中に浸漬して引き揚げる。
尚、これらの一連の作業はサチュレーター等により行な
う。また接着剤を付ける方法としては、上記浸漬接着法
の他、プリント接着法、噴霧接着法、粉末法などを適用
してもよい。更に接着剤の種類としてはポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、NBRなどの
乳化型接着剤を適用することができるが、機能性ゲル物
質の機能が十分発揮できるような接着剤を適宜選択して
使用する。次に引き揚げられたウエブ6は、加熱処理工
程において熱風ジェット型乾燥機、カレンダーロール乾
燥機、赤外線乾燥機等を用いて乾燥される。これにより
接着剤によるウエブの結合がなされると共に、機能性ゲ
ル物質が乾燥固化する。このようにして機能性固形粒剤
がそれぞれ基材と被覆層となる二枚のウエブ6の間に担
持された機能性シートができる。またサーマルボンド法
を適用した製造法について説明すると、前記ケミカルボ
ンド法において、基材と被覆層となる二枚のウエブ6中
にあらかじめアセテートやビニヨンなどの低融点の熱可
塑性合成繊維を接着用として混入しておき、機能性ゲル
物質7をウエブ6に挟み込んだ後、加熱処理工程におい
て熱ローラでプレスしながら熱を加えて、ウエブ中の低
融点の熱可塑性合成繊維を溶融接着させると共に、機能
性ゲル物質7を乾燥固化する。尚、このように熱ローラ
でプレスする圧熱法を採用する場合には、機能性ゲル物
質が潰れた状態で担持される。因みにこのように一旦機
能性ゲル物質が担持された後に機能性ゲル物質が潰れる
ことは、機能性ゲル物質の機能が一層発揮される状態に
なるという点でむしろ好ましいことであるから、他の製
造方法で製造する場合にも、機能性ゲル物質もしくはそ
の乾燥物を潰すためのプレス工程を設けてもよい。
またニードルパンチ法は、とげのある針で繊維ウエブ
を突き刺して繊維を絡合させて不織布を造る製法である
ため、この方法を適用する場合には全体がゲル状態であ
る機能性ゲル物質を用いることが好ましい。因みに全体
がゲル状態の機能性ゲル物質を造る場合には、請求項4
に記載される方法を適用するとよい。尚、ニードルパン
チ法は加熱処理工程を必ずしも必要としないが、このよ
うに本来加熱処理を必要としない製造法でも、例えば表
面の毛羽を伏せたり、抗張力を増加させたりする目的で
湿式法や噴霧法で接着剤を使用する場合もあり、この接
着剤を乾燥するための加熱処理工程で同時に機能性ゲル
物質の乾燥固化を行なうようにすることもできる。
〈発明の作用〉 まず本発明に使用できる機能性ゲル物質を製造する際
の作用について説明すると、それぞれ混合液を分散させ
る分散媒の種類により、以下のような化学的ないし物理
的現象によりゲル状生成物を生じる。
即ち多価金属イオンとなり得る金属の金属塩水溶液を
分散媒とする場合には、水溶性アルギン酸塩たる例えば
アルギン酸ナトリウムのナトリウムイオンが、多価金属
イオンたる例えばカルシウムイオンに置換して、水に不
溶なアルギン酸カルシウムの層を少なくとも表面に形成
したゲル状生成物を生ずる。
また酸を分散媒とする場合には、水溶性アルギン酸塩
たる例えばアルギン酸ナトリウムのナトリウムイオンが
水素イオンに置換して、水に不溶なゲル状のアルギン酸
の層を少なくとも表面に形成したゲル状生成物を生ず
る。
更にアルコールを分散媒とする場合には、水溶性アル
ギン酸塩と水和状態にある水分子が、アルコールの脱水
作用により脱水されるため、水溶性アルギン酸塩自体が
水に不溶となってゲル状生成物を生ずる。
また本発明たる機能性シートの製造方法では、担持工
程中に加熱処理工程を有することがある場合には、その
工程を利用して機能性ゲル物質の乾燥を同時に行なうこ
とができる。
〈実施例〉 以下実施例を説明する。まず機能性ゲル物質を製造す
る工程について説明すると、水396gにアルギン酸ナトリ
ウム4gを溶解して1%のアルギン酸ナトリウム水溶液と
し、このアルギン酸ナトリウム5部に対し、機能性粉体
たる酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合し
た粒子の集合体95部を入れてスクリュー撹拌により酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子の
集合体を混合させて混合液とする。一方、大きめの容器
に10%塩化カルシウム水溶液を調製する。更に機能成分
となる芳香剤としてオレンジエッセンスをカラギーナン
に含ませたものを用いる。そして酸化亜鉛と二酸化チタ
ンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体をアルギン
酸ナトリウム水溶液中に混合した混合液と前記オレンジ
エッセンスをカラギーナンに含ませたものを加熱して液
化したものとをそれぞれ多重ノズルの外ノズルと内ノズ
ルとから塩化カルシウム水溶液中に滴下させることによ
りゲル状生成物を得る。尚、機能性粉体として芳香剤、
防虫剤、殺虫剤、誘虫剤、嫌虫剤、吸湿剤を使用する場
合、また機能成分として防虫剤、殺虫剤、誘虫剤、嫌虫
剤、吸湿剤を使用する場合にも上記と同様な方法を採れ
ばよい。その場合には、それぞれ芳香剤としてオレンジ
エッセンス、防虫剤としてパラジクロルベンゼン、殺虫
剤としてフェニトロチオン、誘虫剤として昆虫フェロモ
ン、嫌虫剤としてN,N−ジメチル−m−トルアミド、吸
湿剤としてシリカゲルをそれぞれ一例として使用するこ
とができる。
次にこのようにしてできたゲル状生成物をシート状の
基材に担持させる工程について説明する。まずウエブ成
形機を用いてウエブを成形し、このウエブの上に前記ゲ
ル状生成物を均一に分散する。そしてその上から更にウ
エブをかぶせるようにのせてゲル状生成物をサンドイッ
チ状に挟み込む。このような状態でサチュレーターを使
用してウエブを変形させないようにスクリーンコンベア
にのせ、接着剤中に浸漬する。尚、接着剤はNBR(ブタ
ジエン・アクリロニトリル共重合体)を使用し、このも
のに架橋材としてメラミンを混合し、更に分散剤、マイ
グレーション防止剤、粘度調整剤、老化防止剤、促進剤
を適宜混合したものを使用する。ウエブを接着剤から引
き揚げたら、熱風ジェット型乾燥機を用いて乾燥する。
また乾燥したウエブを更にベーキングして接着剤の結合
を完全にして機能性シートを得る。
《発明の効果》 本発明にあっては、機能性固形粒剤を製造する過程で
得られる機能性ゲル物質たるゲル状生成物を乾燥させず
にそのままシート状の基材に担持させると共に、不織布
製造工程中の加熱処理工程においてゲル状生成物の乾燥
を同時に行なうから、ゲル状生成物を乾燥して機能性固
形粒剤としてからシート状の基材に担持させる場合と比
べて、エネルギーを効率的に利用でき、しかも時間の短
縮と労力の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により製造した機能性シートに含まれる
機能性粒剤の種々の態様を示す断面図、第2図は前記各
機能性粒剤に対応する機能性粒剤の製造方法を示す縦断
面図、第3図は本発明の機能性シートの製造方法を骨格
的に示す説明図、第4図は同上他の実施例を示す説明図
である。 1;固形粒剤 2;機能性粉体 3、3a,3b;機能成分 5;ウエブ成形機 6;ウエブ 7;機能性ゲル物質 8;短繊維
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 9/00 A61K 9/70 A01N 25/34 B01D 53/34

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機能性ゲル物質と繊維とを分散媒に分散さ
    せ、機能性ゲル物質と繊維とを一緒に抄いた後、このも
    のを乾燥したことを特徴とする機能性シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】機能性ゲル物質をシート状の基材に分散
    し、その上から機能性ゲル物質を覆うように被覆層を設
    け、この被覆層と前記シート状の基材とを結合させて機
    能性ゲル物質をシート素材に担持する担持工程と、前記
    機能性ゲル物質を乾燥するための乾燥工程とを設けたこ
    とを特徴とする機能性シートの製造方法。
  3. 【請求項3】前記担持工程には加熱処理工程を含み、前
    記機能性ゲル物質の乾燥をこの加熱処理工程で一緒に行
    なうことを特徴とする請求項2記載の機能性シートの製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記機能性ゲル物質は、機能性粉体を水溶
    性アルギン酸塩水溶液中に混合して混合液とし、この混
    合液を多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液、酸ある
    いはアルコールのいずれかに連続的にまたは非連続的に
    分散して得られる少なくとも表面が不溶化したゲル状生
    成物であることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の機能性シートの製造方法。
  5. 【請求項5】前記機能性ゲル物質は、機能性粉体を多価
    金属イオンとなり得る金属塩水溶液、酸あるいはアルコ
    ールのいずれかに混合して混合液とし、この混合液を水
    溶性アルギン酸塩水溶液中に連続的にまたは非連続的に
    分散して得られる少なくとも表面が不溶化したゲル状生
    成物であることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の機能性シートの製造方法。
  6. 【請求項6】前記機能性ゲル物質は、機能性粉体を水溶
    性アルギン酸塩水溶液に混合した混合液を酸に対して連
    続的に又は非連続的に分散して粒状のアルギン酸ゲルと
    した後、このアルギン酸ゲルの水素イオンをアルカリ金
    属以外の金属に置換したものであることを特徴とする請
    求項1、2または3記載の機能性シートの製造方法。
  7. 【請求項7】前記機能性ゲル物質は、機能性粉体を水溶
    性アルギン酸塩水溶液中に混合した混合液と他の機能成
    分の溶液とをそれぞれ多重ノズルの各ノズルから連続的
    にまたは非連続的に流出して、多価金属イオンとなり得
    る金属塩水溶液、酸あるいはアルコールのいずれかに分
    散して得られる少なくとも表面が不溶化したゲル状生成
    物であることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    機能性シートの製造方法。
  8. 【請求項8】前記機能性ゲル物質は、機能性粉体を多価
    金属イオンとなり得る金属塩水溶液、酸あるいはアルコ
    ールのいずれかに混合した混合液と他の機能成分の溶液
    とをそれぞれ多重ノズルの各ノズルから連続的にまたは
    非連続的に流出して、水溶性アルギン酸塩水溶液中に分
    散して得られる少なくとも表面が不溶化したゲル状生成
    物であることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    機能性シートの製造方法。
  9. 【請求項9】前記機能性ゲル物質は脱臭機能を有するこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8記載の機能性シートの製造方法。
  10. 【請求項10】前記機能性ゲル物質は芳香機能を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載の機能性シートの製造方法。
  11. 【請求項11】前記機能性ゲル物質は防虫機能を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載の機能性シートの製造方法。
  12. 【請求項12】前記機能性ゲル物質は殺虫機能を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載の機能性シートの製造方法。
  13. 【請求項13】前記機能性ゲル物質は誘虫機能を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載の機能性シートの製造方法。
  14. 【請求項14】前記機能性ゲル物質は嫌虫機能を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載の機能性シートの製造方法。
  15. 【請求項15】前記機能性ゲル物質は吸湿機能を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載の機能性シートの製造方法。
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