JP2929424B2 - 流体濾過装置 - Google Patents

流体濾過装置

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JP2929424B2 JP6336750A JP33675094A JP2929424B2 JP 2929424 B2 JP2929424 B2 JP 2929424B2 JP 6336750 A JP6336750 A JP 6336750A JP 33675094 A JP33675094 A JP 33675094A JP 2929424 B2 JP2929424 B2 JP 2929424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロール巻きティッシュ
ーエレメントによる深層貫通平行濾過方式の濾過機にポ
ンプから圧送される流体を通過させることにより流体中
の夾雑物を濾別する流体濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】経済と環境は互いに補強し合うべきもの
であり、従って環境技術も例外ではなく、各種産業分野
で利用されている内燃機関におけるエンジンオイルのフ
ィルター機能を向上することは、エンジンオイルの燃焼
を防止してマフラーから排出される微粒子状ダストはも
とより、二酸化炭素や窒素酸化物などの有害排気ガスの
発生を抑制するだけでなく、エンジンの効率を向上して
省エネルギーにもつながり、更にはフィルターエレメン
トの長寿命化によって省資源となる面も期待されてい
る。
【0003】内燃機関用のオイルフィルターとして旧来
より使用されている一般的なひだ折りプリーテッド濾紙
による円筒形フィルターエレメントを使用した濾過機で
は、円筒形フィルターエレメントの外周から径方向に中
心へ向かってエンジンオイルを通過させる所謂シャント
(SHUNT)方式のものであり、この方式の濾過機は
構造的に濾過面積が充分ではなく、オイル交換サイクル
も比較的短くなると共に、よほど大きなフィルター容量
にしない限り比較的短い期間で目詰まりを生じてフィル
ターエレメントの頻繁な交換を余儀なくされ、従って汚
染廃油や使い捨てフィルターエレメントなどの廃棄物が
山積み状態に増加することが避けられなかった。
【0004】また、この方式の濾過機は、構造的に汚染
物質を吸着収納する形式ではないことから、フィルター
圧力が上昇した場合にバイパス流路が開くと殆どの流れ
がバイパス流路を流れるのでフィルター上の汚染物質が
濾過済オイルに混入してエンジン側に再び流出してしま
い、しかもバイパス流路の開閉を行うバイパス弁の開閉
に伴う圧力変動巾が大きいことからオイル中に気泡を発
生することが多く、その結果、オイルの循環が阻害され
て流速が低下するので、オイルがエンジン内で燃焼しや
すくなり、エンジン排気中の二酸化炭素濃度が上昇する
という欠点があった。
【0005】このようなシャント方式の濾過機のもつ欠
点を解消するひとつの方式として、特公昭57−148
89号公報には、旧来のひだ折りプリーテッド濾紙によ
る円筒形フィルターエレメントの外周から中心へ向かっ
てエンジンオイルを通過させる方式に替わって、ロール
巻きティッシューエレメントを用い、ロール巻きティシ
ュー層の一端面から他端面へ軸方向にオイルを貫流させ
る深層貫通濾過(DEPTH)方式を採用した効率の良
い濾過機が開示されている。
【0006】旧来のシャント方式の濾過機からデプス方
式の濾過機への切り替えによってフィルター機能と寿命
の延長が可能となり、全流(Full−Flow)式フ
ィルターとしてライフサイクルが大幅に延長された。こ
のデプス方式の採用は、長年続いたオイルフィルタの概
念を変えるところに目的があり、従ってこのデプス方式
濾過機は、使用済みオイルの再生を可能にし、使用済み
オイルの投棄または廃棄物としての処理量を低減して環
境汚染の防止に寄与するために、高密度の濾過体にポン
プから圧送される流体を通過させることにより流体中の
サブミクロン微粒子夾雑物を濾別する高精度濾過機とし
て開発されたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な課題
は、廃油汚染や使用済みフィルターエレメント廃棄物の
山積みの原因となるフィルター寿命を更に延長し、比較
的大容量でしかも高精度の濾過を行うことのできる深層
貫通平行濾過方式の濾過機を用いた流体濾過装置を提供
することにある。
【0008】また、本発明の別の課題は、特に内燃機関
におけるメンテナンスフリーの流れに沿って、オイル交
換の頻度およびフィルターエレメントの交換の頻度を少
なくすることができ、オイルフィルターとしても、その
機能を流体理論的にベルヌーイの定理、パスカルの定
理、オリフィスの原理に即して最適化することにより通
過流体のソリトン波圧縮パルスによって流体に対する加
速性を保ちながら濾過速度を高め、深層貫通濾過方式の
濾過機の濾過能力を大容量化すると共に夾雑物の捕捉能
力を向上することのできる流体濾過装置を提供すること
である。
【0009】本発明の更に別の課題は、濾過機内での気
泡の発生を抑制して内燃機関内部でのオイルの燃焼を起
こしにくくし、それによる二酸化炭素ガスの発生を防止
することのできる大気汚染防止対策としても寄与し得る
流体濾過装置を提供することである。
【0010】本発明の更に別の課題は、従来の使い捨て
フィルターエレメントに代替え可能で、それよりもはる
かに使用寿命の長い低抵抗大容量の改良されたフィルタ
ーエレメントを使用して、各種油圧装置の作動油系及び
内燃機関潤滑系における流体流れを倍速循環でき、しか
も循環流体をフィルター内で質量として流すことがで
き、摩擦や摩耗等の機械的損傷を少なくして油圧装置お
よび被潤滑機械装置の用途を拡大すると共にそれらの寿
命を延長することのできる流体濾過装置を提供すること
である。
【0011】本発明の更に別の目的は、濾過機内で生じ
る流体流れの余剰エネルギーを機械出力として有効に回
収でき、それによって例えばオイルクーラのファンの駆
動、あるいは冷却装置を初めとする種々の目的の第三の
動力の回収を実現可能とする流体濾過装置を提供するこ
とである。
【0012】本発明の更に別の目的は、内燃機関用の濾
過装置として、期間の始動時やコールドスタート時など
のエンジン摩耗損傷の率の高い運転モードの変化に応じ
て濾過特性を最適に追従変化させ、急激な流量変化や油
圧変動をするオイル流れに対しても安定した最適なフィ
ルター特性を維持するように濾過能力の可変制御を可能
とする流体濾過装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ロー
ル巻きティッシューエレメントによる深層貫通平行濾過
方式の濾過機にポンプから圧送される流体を通過させる
ことにより流体中の夾雑物を濾別する流体濾過装置を提
供するものであり、この場合、前記濾過機は、大小の穴
が縦横に配列形成された吸収性濾紙を中心パイプの外周
に円筒形に密に巻回してなるフィルターエレメントと、
前記中心パイプの内部に形成された一端の閉じた軸方向
吐出流路と、前記フィルターエレメントの一方の端面に
圧送流体を導く第1流路手段と、前記フィルターエレメ
ントを貫流して濾過された流体を該フィルターエレメン
トの他方の端面から前記吐出流路内の前記閉鎖端側に導
入する第2流路手段と、前記吐出流路の吐出口へ通じる
他端側の開放端近傍位置に前記第1流路手段と連通でき
るように設けられたバイパス孔と、前記フィルターエレ
メント前後の流体の差圧が予め定められた値を超えた時
のみ前記バイパス孔を前記吐出流路に連通させるリリー
フ弁機構と、前記フィルターエレメントを貫流する流体
を貫流路の途中から予め定められた圧力設定値での圧力
感応動作により前記吐出流路に選択的に分流させる作動
弁とを備え、それにより前述の課題を達成するものであ
る。
【0014】請求項2の発明では、請求項1に記載の流
体濾過装置において、前記作動弁は前記貫流路の途中の
位置で前記中心パイプに設けられた連通孔をそれぞれバ
ネによって前記吐出流路の上流側および下流側から向か
い合わせに衝合することにより閉鎖する一組の対向環状
弁体を備え、各弁体のバネ付勢力の設定によって前記フ
ィルターエレメントを貫流する流体の流れに予め定めら
れた圧力脈動波形を維持することによりソリトン波効果
をもたらすようにしたことを特徴とするものである。
【0015】請求項3の発明では、請求項2に記載の流
体濾過装置において、前記対向環状弁体にバネ付勢力を
与えるバネが予め定められた作動温度をもつ形状記憶合
金からなることを特徴とするものである。
【0016】請求項4の発明では、請求項2または3に
記載の流体濾過装置において、前記対向環状弁体が前記
吐出流路内における流体の下流側への流れを受け止めて
開閉作動力を得るための流体抵抗面を備えていることを
特徴とするものである。
【0017】請求項5の発明では、請求項1または4に
記載の流体濾過装置において、前記第2流路手段は前記
フィルターエレメントからの流体を前記吐出流路内の下
流側へ向けて加速噴出させるエジェクターノズル手段を
備えていることを特徴とするものである。
【0018】請求項6の発明では、請求項1または5に
記載の流体濾過装置において、前記吐出流路内を下流の
吐出口へ向かって流れる流体によって回転するロータが
中心パイプ内に設けられ、ロータの回転力が機械的出力
として外部に取り出されるように構成されていることを
特徴とするものである。
【0019】請求項7の発明では、請求項1〜6のいず
れか1項に記載の流体濾過装置において、複数の前記濾
過機と、これら複数の濾過機の選択接続及び並列台数を
切り替えるための電磁弁装置手段と、前記ポンプ及び/
又は該ポンプを駆動する機関の動作パラメータ及び/又
は前記流体の物理パラメータを検出する検出手段と、フ
ァジー推論の手法によって前記検出手段による検出結果
及び予め与えられた前記流体の固有の特性値を解析し、
予め設定されたフィルター運転条件に適合するように前
記電磁弁装置による濾過機の選択接続動作を制御する制
御コンピュータ手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0020】
【作用】本発明の流体濾過装置における濾過機は、従来
のプリーテッド濾紙をラジアル方向に貫流させるシャン
ト方式に代えて、高密度ロール巻きティッシューエレメ
ントによる深層貫通平行濾過方式を採用し、しかも高密
度の濾過エレメントを貫流する流体の流れを、解明公表
されたことのない流体力学理論を応用して極力最適状態
に維持するように、フィルター圧力に応じた流路切換に
よって可変調整するものである。この場合、本発明に用
いる濾過機の濾過エレメントは、大小の穴が縦横に配列
形成された吸収性濾紙を中心パイプの外周に円筒形に密
に巻回してなる高密度ロール巻きティッシューエレメン
トである。
【0021】従来のシャント方式の濾過機では、濾過の
目的で流体の流れを濾紙面に直交するように向けて強制
圧送することで夾雑物粒子を補足したが、本発明では流
れを100%遮断するのではなく、流速と脈動とを自由
に連係させることにより、ソリトン波による流れに干渉
と妨げを生じることなく、また流れに伸びを生じること
なく圧縮パルス流を維持し、ソリトン波の波動理論にし
たがって流れに固有の性質と条件を選定することによ
り、例えば内燃機関の潤滑系では機関の運転操作量に対
して機械的機能の作動と非圧縮性流体の固有の性質とが
必ずしも一致して連動しない状況下でも急激で大幅な油
圧変動のない安定したオイル流れで機関を加速できるよ
う機能するようにしてある。
【0022】即ち、一般的な内燃機関の潤滑系では、機
関の運転条件と機械的駆動力とが連動しているオイルポ
ンプに対し、オイルフィルターの作動が非線形抵抗によ
って必ずしもオイル循環系の流体に固有の流れの状況と
同じトーンで一致して一定の圧力関係を維持したまま行
われるとは限らない。一方、例えば自動車におけるドラ
イブ感性に合った運転条件には、圧縮流体の乱れのない
最適条件を引き出して機動性を向上するために、潤滑系
に一定の安定化油圧を維持することが要求される。
【0023】本発明の流体濾過装置では、濾過機の稼働
個数を選択できるので、例えば図7にその発想の原点と
基本概念を示すように、運転条件と潤滑系ポンプの機械
的駆動条件および非圧縮性流体であるオイルの流動条件
を油圧と流量変動との関係についてファジー推論により
プログラム化し、このプログラムに基づく電子検知複合
制御システムで濾過機の選択及び並列接続台数などの条
件を自動制御することにより、運転条件に対応して常に
最適なフィルタリング動作を行わせるようにすることが
できる。かかる理念によるオイル濾過システムでは、実
質的にほぼ半永久的といえるほどの長期にわたってオイ
ル交換を不要にすることができる。この場合、フィルタ
リング動作は濾過機における圧力の急変で循環系内のオ
イルに気泡が生じないように制御されるべきであり、こ
れにより機関におけるオイルの燃焼を抑制して排気中の
二酸化炭素濃度を低下することができ、しかも高密度フ
ィルターエレメントは大きなフィルター容量の可変巾に
即応する高性能を発揮するだけでなく、捕捉した夾雑物
粒子や水分を瞬間的なバイパス流の発生時にも再び流れ
に返すことがないので、オイル寿命およびフィルターエ
レメントの使用寿命も長くなり、したがって廃油や廃棄
物の量も従前に比べて大幅に減少でき、一方でオイルの
再生に寄与すると共に、他方では環境汚染の要因の多く
を解消することができるのである。
【0024】内燃機関の稼働に伴って常にオイルの減損
が生じ、その補充を行うことは周知の通りである。本
来、係るオイルの減損は、機関内部を巡る潤滑系におけ
るオイルが機関内で燃焼することに因るものであり、こ
のオイルの燃焼はオイル内に気泡が混入することにより
更に助長され、機関からの排気に含まれる二酸化炭素の
濃度を増加させるので、大気汚染と地球温暖化の一因と
してその対策が望まれている。
【0025】本発明では、前述のように、潤滑系におけ
るオイルの流れを従来の気泡搬送流から質量流れに変換
することができ、所要の油圧を維持した加速性の高い循
環により冷却の相乗効果を得ることもでき、オイルに可
燃の余裕を与えずに実質的なオイル燃焼の防止策として
有効である。一方、気泡はオイル中の夾雑物を運ぶ搬送
手段にはならず、従って汚れは濾過前にオイル中の混在
水分と結合して核を形成し、例えばメタルジャーナル、
カムシャフト、オイル循環系キャピラリー、あるいはオ
イルパン等の各部に亙って沈殿する。
【0026】オイルの減損は、機関内でのオイルの燃焼
を最小限に抑制することにより防止できるものであり、
従って本発明では、オイル循環系内での高速還流による
圧力の急変を抑制して気泡発生の原因を絶ち、それによ
りオイルの燃焼を防いで排気中の二酸化炭素濃度の上昇
を抑え、また燃焼生成物の微粒子の発生も抑制するもの
である。
【0027】本発明においては、機関の作動条件に応じ
て生じる恐れのあるオイル循環系における流体及び油圧
ハンマー現象等の発生を防止するために、循環系にセン
サーを配置して気泡の存在や温度あるいは圧力を検出
し、予めプログラムされた制御システムにより電磁方向
切換弁を介して系内の濾過機を単独もしくは複数並列に
動作させるように選択制御を行うことが可能である。
【0028】また、本発明の流体濾過装置では、フィル
ターエレメントを貫流する流体を貫流路の途中から予め
定められた圧力設定値での圧力感応動作により吐出流路
に選択的に分流させる作動弁が設けられていることか
ら、作動弁の開閉によりフィルターエレメントの途中か
ら分流を生じさせることができ、これにより濾過機前後
の圧力差の上限を抑制してバイパス方向への流れを高速
応答で制限可能になるので充分な濾過流量を確保するこ
とができる。即ち、内燃機関における機械的摩耗及び損
耗の80%程度は始動時またはコールドスタート時に生
じ、このときに従来の濾過装置では気泡が発生すると共
に充分なフィルター流量を確保することができず、これ
が摩耗及び損耗の主原因となっていたが、本発明ではフ
ィルター内の圧力が上昇すると高速応答で作動弁が開
き、貫流路の途中から分流を生じるので、機関スタート
時の初期における油圧ハンマーの解消と共に瞬間的な最
大流量を充分に確保することができる。
【0029】勿論、このような圧力上昇に伴うフィルタ
ー流量の確保は、個々の濾過機の独特な構造的機構自体
の最適化によって達成できるだけでなく、前述のプログ
ラム制御によって適合する特性の濾過機の選択接続や接
続台数を自動制御することによって達成することもで
き、あるいは両者の組み合わせでも達成可能である。こ
の場合、循環系の流体圧力をセンサーで検出監視し、油
圧変動幅、動的上昇圧、降下型静止圧の抵抗係数を演算
し、機関の運転操作量との関係をファジー推論の適用に
よってマイクロコンピュータにプログラムしておき、セ
ンサーからの圧力検出信号によって電磁方向切換弁を介
して濾過機の接続台数を選択制御すればよい。
【0030】更に本発明では、吐出流路内を下流の吐出
口へ向かって流れる流体によって回転するロータを中心
パイプ内に設けることにより、ロータの回転力を機械的
出力として外部に取り出すことができるので、この機械
的出力を利用して例えばオイルクーラーのファンを回転
させる等、余剰エネルギーを周辺機器の駆動のための動
力源として有効利用することも可能である。
【0031】
【実施例】図1および図2に本発明の要部をなす濾過機
のユニット構造を示す。図において、1は濾過機本体
で、外周面に一定の間隔をおいて外方向に突出した放熱
翼板2を設け、底面内部には中央に短尺筒体3を形成
し、この筒体3の外周にはねじ部4を設けてある。筒体
3には、一定の間隔をおいて縦に割った切割5を2〜4
箇所設けると共に、本体1の内部底面上にキャビティを
形成するように放射状のリブ6と環状枠7を形成し、リ
ブ6には凹部8を設けて各扇形キャビティ間の連通路と
し、このように形成した環状枠7の上に、中央に筒体3
の貫通孔10を有する底網9を載置する。
【0032】筒体3のねじ部4には、濾過済の油の吐出
流路を形成する中心パイプ11が下端内面のねじ部12
で螺合して起立され、この場合、本体1の内部底面上の
各扇形キャビティに対して中心パイプ11内は前記切割
5を介して連通している。また中心パイプ11は、その
上端が本体1の上部開口よりも外方に突出する長さを有
しており、中心パイプ11の周壁には、その上端に偏っ
た位置においてバイパス用の透孔13が周方向に等間隔
で設けられ、また筒体3よりも上方の中間位置において
分流用の透孔44が周方向に等間隔で設けられ、これら
の透孔13および44には例えばメッシュ状の濾過体が
それぞれ配置されている。
【0033】筒体3の内部は、図1に示すように軸受付
きプラグ41で閉鎖されており、プラグ41には回転軸
42が貫通されて軸受され、回転軸42の上端には中心
パイプ11内で吐出流により回転される羽根付ロータ4
3が取りつけられ、ロータ43の回転が機械的出力とし
て回転軸42により外部に取り出されるようになってい
る。
【0034】前記透孔44はロータ43と筒体3とのほ
ぼ中間位置にあり、この透孔43を中心パイプ11の内
周面上で開閉するための一対の環状作動弁45a,45
bがパイプ内周面上でバネ46a,46bにより対向し
て当接するように摺動可能に配置されている。即ち、バ
ネ46aは上端で中心パイプ11に固定され、バネ46
bは下端で中心パイプ11に固定され、作動弁45aは
バネ46aの下端により下方へ付勢され、作動弁45b
はバネ46bの上端で上方へ付勢され、これら作動弁4
5a,45bにはパイプ11内を上方へ流れるオイルの
流体力を受けるように下面側に凹面が形成されている。
即ち、例えばこの流体力が急増した時には作動弁45b
が45aと共にパイプ11の上端方向へ瞬時に移動する
ので透孔4が作動弁45bにより閉鎖され、流体力がも
とに復帰すれば作動弁45a,bも復帰するので透孔4
4は再び作動弁45a,b間のキャビティに開くことに
なる。またこのキャビティは、平時には両作動弁が互い
に当接した状態になっているのでパイプ11内の吐出流
路から遮断されており、透孔44から作用する分流によ
ってキャビティ内圧力がパイプ11の内圧よりもバネ4
6a,46bで定まる或る圧力よりも高くなると、両作
動弁がそれぞれバネ付勢力に抗して軸方向上下に離反移
動することによりキャビティがパイプ11内に開かれ、
これにより透孔44が瞬間的にパイプ11内に連通され
るので、随時発生するおそれのある油圧ハンマー現象の
解消が果たされる。
【0035】中心パイプ11の外周と本体内周との間の
ドーナツ状空間にはフィルターエレメント14が挿入さ
れ、このフィルターエレメント14は、図3に示すよう
に、大小の穴14aが縦横に配列形成されたクレープ状
の皺付き吸収性濾紙14bを円筒形に密に巻回してなる
高密度ロール巻きティッシューエレメントであり、吸水
性も有するものである。
【0036】この濾過体14の上面には、下端周縁に鍔
状部15を有した円錐筒16の形状をなす帽子状の網体
17が載置され、その上から蓋18が取付けられてい
る。この蓋18の内部には、内周面から中心へ向かって
複数のオイル渦流防止板19が放射状に形成されてお
り、各防止板19の内端縁は、前記帽子状の網体17の
円錐筒16の外周斜面に沿えるように傾斜面20となっ
ている。
【0037】蓋18は濾過機本体1の上部開口の取付け
られ、図2に示すように、その上面21の外周寄り位置
には全周を巡る環状凹溝26が形成されており、エンジ
ンの潤滑系へ通じる図示しないポートのフランジとの連
結面に際してシールと達成するために、この凹溝26内
には図1に示したように環状パッキン26aが配置され
ている。
【0038】蓋18の上面21の環状凹溝26よりも内
側の領域には本体底面側に若干低くなった環状平面22
が形成され、そこには周方向に一定間隔をおいて複数の
オイル流入孔23が設けられ、さらに環状平面22の中
央部には中央孔24が開けられている。この中央孔24
には、本体1に蓋18を取付けたときに本体1の中心パ
イプ11の上端が入り込み、この中心パイプ11の上端
部内面に設けられたねじ部35に締着筒体25が螺合し
て締めつけられることにより、蓋18が本体1に締着固
定される。
【0039】締着筒体25は、上端に角型のフランジ2
7を有する実質的な円筒体29からなるもので、中心孔
は中心パイプ11の内部と連通してオイル吐出孔28を
形成し、フランジ27の直下部における円筒体29の外
周面には中心パイプ11のねじ部35と螺合するねじ部
30が設けられ、その下部では円筒体29の外周が縮径
されて小径筒31とされ、この小径筒31の外周面には
下端が固定されたばね34により常に上向きに付勢され
たバルブリング33が摺動可能に嵌められており、小径
筒31の周壁に穿たれた透孔32をバルブリング33に
よって平時は閉鎖し、本体1内から透孔13を介してバ
ルブリング33に作用するオイルの圧力によってバルブ
リング33がばね34に抗して下方に移動したときに
は、透孔32を開いて透孔13から吐出孔28へ至るバ
イパス路が形成されるようになっている。
【0040】締着筒体(ナット)25の小径筒31の下
端内部には、図4に示すように両側に楕円軸54を突き
出した円形の逆流防止円板53が小径筒31の開口いっ
ぱいに嵌められており、その両側の楕円軸54は、小径
筒31の直径を通る横断軸線上で小径筒31の周壁を貫
通して円板53を回動可能に軸受されている。これら両
側の楕円軸54は小径筒31の外側に突出して前記ばね
34を支持し、したがってばね34のばね力で円板53
は常に小径筒31の開口を閉鎖する方向に付勢されてい
るので、中心パイプ11の内部から圧力をもったオイル
が吐出孔28へ向かって流れるときには流体圧力により
円板53がばね力に抗して斜めになってオイルを通過さ
せるが、内部からのオイルの圧力が停止状態まで低下す
ると楕円軸54に作用するばね34の力によって円板5
3が直ちに水平状態になって小径筒31の開口を閉鎖
し、これによって吐出孔28側から濾過機内部へ流入使
用とするオイルの逆流を防止するようになっている。こ
の円板53はまた、急激な圧力変動から生じるキャビテ
ーションを抑制し、気泡の発生を防止する機能をも果た
すことができる。尚、円板53に穿たれたパイロットホ
ールPは円板の回動時の流体抵抗を低減するための小孔
であり、このホールPの口径と数は、円板53の動作に
要求される応答性とオイル逆流の阻止の双方の観点から
設計によって定められる。
【0041】さて、エンジン潤滑系からの汚れたオイル
は蓋18の流入孔23から濾過機本体1に入り、濾過さ
れたオイルは濾過機本体から蓋18の吐出孔28を介し
て潤滑系へ送り出される。潤滑系のオイルポンプ(図示
しない)による圧力で蓋18の流入孔23を介して本体
内に入ったオイルは、蓋18内のキャビティ中で渦流を
生じようとする。この渦流の発生は、オイルの流れに連
続的な衝撃波動を起こす原因となるが、本実施例では、
蓋内に設けられたオイル渦流防止板19によりこのよう
なオイルの渦流の発生が有効に阻止され、また網体17
も渦流発生防止に寄与する。
【0042】濃縮乳状態になったオイルは、網体17を
通過するときに破裂と分裂を微細に起こし、これにより
オイル中の不純物と金属微粉末および粘着物質化したカ
ーボンが濾過分離され、いわゆる一次濾過が果たされ
る。網体17を通過したオイルは次いでフィルターエレ
メント14による二次濾過を受けるが、このフィルター
エレメント14は、図3に示すように大小の孔を開けた
クレープ状濾紙を外部からの圧力と衝撃に耐えるように
密に巻回してなる深層貫通濾過方式用のロール巻きティ
ッシューエレメントであるので、巻回の層間における大
小の孔の間隙に微細な粒子まで大容量で捕捉し、通過流
量も大容量である。
【0043】フィルターエレメント14を徐々に通過し
て下降するオイルは、そのフィルターエレメント中の貫
流路の途中で透孔44により圧力監視され、この圧力が
中心パイプ11内の圧力とばね46a,46bのばね量
とで定まる設定値を越えると作動弁45a,45bが開
き、貫流路の途中からオイルが透孔44を介して中心パ
イプ11内の吐出流路へ分流される。
【0044】フィルターエレメント14を貫流して底部
まで下降したオイルは、本体底面の網9を通過して本体
1の底部に集まり、そこから切割5を介して中心パイプ
11内に流入するが、このとき切割5にはオイルの流速
を加速するノズル形状が与えられているので、オリフィ
ス理論によるオイル自身のエジェクター効果によりフィ
ルターエレメント14の底面側に負圧が生じ、したがっ
てフィルターエレメント14にオイルの吸引(サクショ
ン)作用が働くので、この深層貫流濾過(デプス)方式
においてオイルは確実に濾過体を通過して流れることに
なる。
【0045】一方、バイパス路については、オイルの流
体力の一部がフィルターエレメント14による抵抗によ
り透孔13からバルブリング33の上に作用するとバル
ブリング33がばね34に抗して下降するので透孔32
が開くが、この時オイルは透孔32による絞り効果で速
度を減じ、従って透孔32を通過して吐出孔28へ流れ
るバイパス流れの流量は透孔32の面積に応じて制限さ
れる。この透孔32による絞りの作用によりベルヌーイ
の定理に基づいてフィルターエレメント14の上端にか
かる圧力が上昇し、濾過機内の圧力がパスカルの原理に
よってその分だけ上昇するので、フィルターエレメント
14に対する加圧濾過の効果を生み出すことになる。こ
の場合、図5A〜Cに示すように、締着筒体25のねじ
部30の下端斜面Wとバルブリング33の上端面Vの断
面形状を種々の形状から選定することにより、バイパス
流れの流体力を有効にバルブリング33に作用させるよ
うにすることが好ましい。
【0046】オイルの流れはフィルターエレメント14
の全断面積に亙って流れるが、バイパスバルブの透孔3
2の断面積よりもフィルターエレメント14の上端にお
けるオイル流路面積は数倍大きいので、フィルターエレ
メント側の流体抵抗係数(例えば0.3程度)を差し引
いても、フィルターエレメント側に流れる流量のほうが
多くなり、結果的にフィルターエレメント14の下端面
から本体1の底部に流出するオイル流量が多くなる。エ
ンジンの回転が高速になるほど透孔32から余剰圧力が
迅速に排出され、透孔13の入口圧力と透孔32の出口
圧力とが同圧になる周期が短くなり、バルブリング33
の移動ストロークも小さくなるので、毎周期の透孔32
の余圧も少なく開度も小さくなり、前述ベルヌーイの定
理による圧力増加分だけ流速が遅くなることにより、瞬
時的にはバイパス流量は微小流量に制限されることにな
る。
【00047】バルブリング33の瞬間的な動作は、一
方でフィルターエレメント14の下端における切割5に
よるオリフィスに瞬間的な背圧の増加を与え、それによ
って瞬間的に流速の増加したオイルのオリフィス通過流
量Qはその流速Vの二乗に比例して瞬間的に増加する。
切割5のオリフィスを通過するオイルの流れは中心パイ
プ11内の吐出流路で圧力が速度に変換されることによ
りエジェクター効果を生じるので、これによりフィルタ
ーエレメント14から吐出流路にオイルが吸い込まれ、
これは前記瞬間的な流速増加時にも生じる。尚、切割5
から吐出流路内に流入してくるオイルの流体力により凹
面部45cに受ける抵抗が、透孔44に受ける外圧より
も小さい時のみ、両作動弁45a,45bが互いに接し
たまま一体的にパイプ11の軸方向上方へスライド移動
されるので透孔44が作動弁45bによりダイヤフラム
して閉鎖され、オイルは安定した油圧でパイプ11内を
流れる。一方、透孔44は、中心パイプ外周とフィルタ
ーエレメント間に形成される流体回路を介して伝達され
る機関の初期アイドリング時の初圧及びハンマー油圧の
解消のほか、瞬間高速循環においても伸びのない流体パ
ルスのソリトン波効果を維持する目的で設けられている
が、前記のような透孔44の開閉によって、ハンマー油
圧の高速圧抜きを始め、高速流体循環及び作動弁45
a,45bのスライド移動によってダイヤフラムとして
適切な作動を行うことにより流れを高速且つ質量流れと
して運ぶことが可能になるので、両面で量的流量を得る
ことができる。同様に、逆流防止円板53よりも上部に
おいて小径筒31に設けられた小孔36(図1)とバル
ブリング33に設けられた小孔39とにより、バルブリ
ング33に対しても均等圧を回復させてバルブリング3
3の作動周期の遅れを極力短くしている。
【0048】このようにして、過度状態において圧力上
昇が生じると吐出流量が流速の二乗に比例して急速に増
加し、これが急速に減じて回復するので、慣性により減
圧時に強い吸引効果が起こり、その結果、フィルターエ
レメント14の下面には瞬間的に強い吸引(吸い込み)
が生じ、フィルターエレメント14内を流れるオイルは
バルブリング33の作動に応じて断続的に強く吸引され
て吐出流路に送られ、フィルター通過流量が増加され
る。
【0049】本実施例において、バルブリング33の作
動行程は濾過機内圧の上昇には無関係であり、前述の均
等圧によるバルブ鱗部33の行程距離により開度が定ま
る。バルブリングの移動幅は時間に反比例し、従って、
その開度はバルブリングの往復動による均等圧へのサイ
クル時間によって制御される。従って、エンジンの回転
数の上昇に比例してバルブリング33の開閉ストローク
は漸次小さくなり、また開閉周期も漸次短くなって実質
的に振動状態を呈するようになり、パイプ11をはさん
でその内圧と外圧が実質的に同期して振動した状態では
開度は実質的に零である。
【0050】エンジンの運転条件によって、例えば始動
時やダッシュ時に急激にエンジン回転数が上昇すると、
潤滑系の流れには瞬間的にハンマー圧が生じる。このよ
うなハンマー圧はオイルに気泡を発生する要因となるの
で、このような流れの乱れを防止するために、瞬時に油
圧のショックを吸収することが必要である。このために
は、本実施例に示したようにローター43によって流体
力を吸収して流れの伸びを防ぎ、透孔44を開閉する摺
動式の作動弁45a,45bを設けて、瞬間的な油圧上
昇に際して作動弁によって透孔44を開き、これにより
瞬間的な油圧ショックを吸収することができる。また、
干渉されることなく、乱れのないソリトン波脈動の高速
循環が可能となる。
【0051】即ち、この場合、フィルターエレメント1
4,14’を貫流して底面から切割5を介して吐出流路
に送られたオイルは、作動弁45a,45bの下面側の
受圧凹面に流体力を作用させ、これによる力と形状記憶
合金製ばね46a,46b間における平衡が崩れると作
動弁が上方へ変位する。一方、エンジンの運転状態によ
るオイル温度は形状記憶合金製ばね46a,46bのば
ね特性を変化させ、これにより作動弁45a,45bが
ダイヤフラムとして機能して初期アイドリングおよびハ
ンマー圧の解消と高密度フィルターエレメント14への
オイル浸透の促進が果たされる。このような作動弁の動
作はエンジン回転数が急上昇する最も過酷な運転領域に
て機能するように設定され、またその場合に油温によっ
て作動特性が最適に対応するように形状記憶合金製ばね
46a,46bの特性が定められる。これに対して、バ
ルブリング33によるバイパス動作は、例えば高速走行
時などの一定の安定した運転状態において達成されるよ
うにばね34とバルブリング33の受圧面積および透孔
32の口径により流れの速度と圧力の関数で設定され
る。
【0052】図6は、本実施例にかかる濾過機を3台使
用してエンジンの潤滑系を運転条件に応じてダイナミッ
クに制御するようにした濾過システムの一例の構成をブ
ロック図形式で示している。エンジン61は図示しない
操作機(スロットル)により回転制御され、エンジンの
回転に応じてオイルポンプ62が潤滑オイルを潤滑系に
送り出している。潤滑系の途中には各種センサーによる
検知システム63が設けられ、これには点火装置の周期
から点火タイミングを検知するイグナイターセンサー6
3a、油温を検出する温度センサー63b、オイル中の
気泡の存在を検知する気泡センサー63c、潤滑系の油
圧を検知する圧力センサー63dが含まれ、それぞれの
センサーからの検知信号はファジー推論ロジックプログ
ラム64で動作するマイクロコンピュータ65によって
判断される。
【0053】潤滑系はまたアクチュエータ機能作動部6
6を介して電磁方向切換弁71,72,73により選択
的に3台の濾過機81,82,83に接続されており、
これらの電磁方向切換弁は前記マイクロコンピュータ6
5により制御されるリレー装置91,92,93によっ
て選択的に切り替えられ、これによりマイクロコンピュ
ータ65によってセンサー出力に応じて濾過機81,8
3,83の並列台数がダイナミックに選択制御できるよ
うになっている。各濾過機は図1及び図2に示した通り
の構成を備え、それらのローター43の回転軸42によ
る余剰回収動力源は、オイルクーラ67の冷却ファンの
駆動軸やその他の燃料系統の動力に利用されている。
【0054】本実施例の濾過機81,82,83は、前
述したようにソリトン波効果を利用したフィルター系で
あり、その構造特性とオイル流れの油圧変動係数との関
係を予め測定して最適なダイナミック制御が得られるよ
うにファジー推論ロジックプログラムを作成しておき、
これをマイクロコンピュータ65に組み込んで、各セン
サーからの検知信号により電磁方向切換弁71,72,
73の制御を行うことにより、エンジンの操作系および
機械系の作動及び温度条件に応じて潤滑系における油圧
変動関数およびソリトン波持続のためのフィルター条件
を気泡発生による流れの乱れに妨害されることなく高速
循環および大流量に向けて制御する。
【0055】例えば、エンジン始動またはコールドスタ
ート時や停止・発進等の運転条件の急変時には、潤滑系
に気泡が生じないように、また、過剰な供給による逆流
防止等、エネルギー損失の防止を含め、適切なフィルタ
ー循環流量が確保されるようにマイクロコンピュータ6
5による制御で電磁方向切換弁71,72,73を切換
えて濾過機81,82,83を最適の選択接続及び並列
台数で系に接続することにより、エンジンの運転条件お
よび潤滑系の変動に応じた濾過機能力の選択を行い、常
に安定した油圧脈動でオイルを高速循環させるものであ
る。
【0056】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明はエンジン
オイルをはじめとする各種流体の濾過において氾濫する
廃油や汚染エレメント等の廃棄物の発生を極力低減する
ことのできる濾過装置を提供するものであり、機能面に
おいても従来のものより一層現実的で実用性の高い濾過
装置を提供するものである。また、大流量で汚染物質の
捕捉容量の大きな濾過機を実現し、しかもそれを使用し
て潤滑系の動作条件の変動に即応して気泡発生を防止す
る濾過システムを組むことができるので、内燃機関向け
潤滑系におけるオイルの燃焼を抑制し、排気中の煤煙
(HC)及び二酸化炭素濃度を低減する効果も達成する
ことができる。更に、本発明による流体濾過装置を特に
内燃機関の潤滑系のためのフィルターシステムに利用す
る場合には、長年使用されてきた従来品に全面代替可能
な濾過装置を提供することができ、環境問題に配慮した
今後のフィルターの在り方を提示するだけでなく、従来
品に対する数多くの整備指針を大幅に削減し得る環境保
全型の改良された濾過装置として顕著な効果を奏するこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する濾過機の実施例を示す断面図
である。
【図2】実施例にかかる濾過機の組立を示す分解斜視図
である。
【図3】フィルターエレメントの実施例を示す斜視図で
ある。
【図4】逆流防止円板の斜視図である。
【図5】バイパス路のバルブリング周辺の種々の構成例
を示す部分図である。
【図6】複数の濾過機を使用した濾過装置の実施例の構
成を示すブロック図である。
【図7】本発明に従って構成されるエンジンオイル濾過
システムの発想の原点と基本概念を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1:濾過機本体、5:切割、9:網、11:中心パイ
プ、13:透孔、14:フィルターエレメント、17:
網体、18:蓋、19:渦流防止板、23:オイル流入
孔、24:中央孔、25:締着筒体、28:吐出孔、3
2:透孔、33:バルブリング、42:回転軸、43:
ローター、44:透孔、45a,45b:作動弁、46
a,46b:形状記憶合金製ばね、53:逆流防止円
板、54:楕円軸。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール巻きティッシューエレメントによ
    る深層貫通濾過方式の濾過機にポンプから圧送される流
    体を加圧状態で通過させることにより流体中の夾雑物を
    濾別する流体濾過装置において、前記濾過機は、大小の
    穴が縦横に配列形成された吸収性濾紙を中心パイプの外
    周に円筒形に密に巻回してなるフィルターエレメント
    と、前記中心パイプの内部に形成された一端の閉じた軸
    方向吐出流路と、前記フィルターエレメントの一方の端
    面に前記圧送流体を導く第1流路手段と、前記フィルタ
    ーエレメントを貫流して濾過された流体を該フィルター
    エレメントの他方の端面から前記吐出流路内の前記閉鎖
    端側に導入する第2流路手段と、前記吐出流路の吐出口
    へ通じる他端側の開放端近傍位置に前記第1流路手段と
    連通できるように設けられたバイパス孔と、前記フィル
    ターエレメント前後の流体の差圧が予め定められた値を
    超えた時のみ前記バイパス孔を前記吐出流路に連通させ
    るリリーフ弁機構と、前記フィルターエレメントを貫流
    する流体を貫流路の途中から予め定められた圧力設定値
    での圧力感応動作により前記吐出流路に選択的に分流さ
    せる作動弁とを備えたことを特徴とする流体濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記作動弁は前記貫流路の途中の位置で
    前記中心パイプに設けられた連通孔をそれぞれバネによ
    って前記吐出流路の上流側および下流側から向かい合わ
    せに衝合することにより閉鎖する一組の対向環状弁体を
    備え、各弁体のバネ付勢力の設定によって前記フィルタ
    ーエレメントを貫流する流体の流れに予め定められた圧
    力脈動波形を維持することによりソリトン波効果をもた
    らすようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体
    濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記対向環状弁体にバネ付勢力を与える
    バネが予め定められた作動温度をもつ形状記憶合金から
    なることを特徴とする請求項2に記載の流体濾過装置。
  4. 【請求項4】 前記対向環状弁体が前記吐出流路内にお
    ける流体の下流側への流れを受け止めて開閉作動力を得
    るための流体抵抗面を備えていることを特徴とする請求
    項2または3に記載の流体濾過装置。
  5. 【請求項5】 前記第2流路手段は前記フィルターエレ
    メントからの流体を前記吐出流路内の下流側へ向けて加
    速噴出させるエジェクターノズル手段を備えていること
    を特徴とする請求項1または4に記載の流体濾過装置。
  6. 【請求項6】 前記吐出流路内を下流の吐出口へ向かっ
    て流れる流体によって回転するロータが中心パイプ内に
    設けられ、ロータの回転力が機械的出力として外部に取
    り出されるように構成されていることを特徴とする請求
    項1または5に記載の流体濾過装置。
  7. 【請求項7】 複数の前記濾過機と、これら複数の濾過
    機の選択接続及び並列台数を切り替えるための電磁弁装
    置手段と、前記ポンプ及び/又は該ポンプを駆動する機
    関の動作パラメータ及び/又は前記流体の物理パラメー
    タを検出する検出手段と、ファジー推論の手法によって
    前記検出手段による検出結果及び予め与えられた前記流
    体の固有の特性値を解析し、予め設定されたフィルター
    運転条件に適合するように前記電磁弁装置による濾過機
    の選択接続動作を制御する制御コンピュータ手段とを備
    えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の流体濾過装置。
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