JP2929214B2 - 6―アミノ―6―デソキシフマギロールおよびその誘導体 - Google Patents

6―アミノ―6―デソキシフマギロールおよびその誘導体

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JP2929214B2 JP2051259A JP5125990A JP2929214B2 JP 2929214 B2 JP2929214 B2 JP 2929214B2 JP 2051259 A JP2051259 A JP 2051259A JP 5125990 A JP5125990 A JP 5125990A JP 2929214 B2 JP2929214 B2 JP 2929214B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血管新生抑制作用,細胞増殖抑制作用,免
疫抑制作用などを有し、各種炎症性疾患(リウマチ,乾
癬など),糖尿病性網膜症,動脈硬化,癌,臓器移植時
の拒否反応などの治療および予防作用を有する新規な6
−アミノ−6−デソキシフマギロールおよびその誘導体
またはその塩に関するものである。
[従来技術] 血管新生は、さまざまな疾病、たとえば各種炎症性疾
患(リウマチ,乾癬など),糖尿病性網膜症,癌などの
発症あるいは進行過程に深く関わっている。したがって
血管新生を抑制することがこれらの疾病の治療および予
防に結びつくであろうと考えられ、これまでに幾つかの
研究グループによって血管新生阻害物質の探索が行なわ
れた。たとえばテイラーらによるプロタミンの応用〔Ta
ylor,S.et al.,ネイチャー(Nature),297,307(198
2)〕,フォルクマンらによるヘパリンとコーチゾンの
併用〔Folkman,J.et al.,サイエンス(Science),221,
719(1983)〕などの研究がその例としてあげられ、さ
らにアスコルビン酸エーテルおよび関連化合物(特開昭
58−131978)や硫酸化多糖体DS4152(特開昭63−11950
0)などが血管新生抑制作用を示す化合物として特許出
願されている。しかしそれらの活性はまだ必ずしも十分
に満足できるものではなく、さらに優れた活性を有する
化合物の出現が望まれている。
また細胞増殖は、生物が成長あるいは生命を維持して
いくうえで欠くことの出来ない機能である。高等動物で
は多くの組織や臓器が各々独自の増殖機構を有してお
り、それらは様々な制御機構によって調節されている。
近年、生体内から数10種類の細胞増殖を正に制御する物
質、即ち“細胞増殖因子”が分離、精製されつつあり、
個体の形成、維持に重要な役割を果たしていることが明
らかにされている。一方、細胞増殖の異常、特に制御を
外れた増殖が各種の疾患と関係しているとの報告も多
い。例えば、癌や動脈硬化はその典型といえる。
また、免疫担当細胞特にリンパ球の活性化にも種々の
細胞増殖因子が関与していることが分かってきており、
自己免疫疾患あるいはアレルギー疾患の増殖因子の一つ
として、これら細胞増殖因子の過剰産生や過剰応答が考
えられている。従って、上記疾患に関与している細胞増
殖因子に対して選択的に阻害したり、応答を抑制し、免
疫抑制作用を示す薬物が開発されれば、これらの疾患に
対して有効な予防、治療手段となりうるし、臓器移植時
の拒否反応の抑制にも有効と思われる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は血管新生抑制作用,細胞増殖抑制作
用,免疫抑制作用などを有する新規化合物を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成すべく、種々の化合物
の探索と評価を行なった結果、従来抗菌剤及び抗原虫剤
として知られているフマギリン(fumagillin)から化学
的に誘導して合成した6−アミノ−6−デソキシフマギ
ロール並びに関連化合物に優れた血管新生抑制作用,細
胞増殖抑制作用,免疫抑制作用などがあることを見出し
本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式 〔式中、R1は2−メチル−1−プロペニル基またはイソ
ブチル基を、R2およびR3はそれぞれ水素原子,置換基を
有していてもよい炭化水素残基または置換基を有してい
てもよいアシル基を示し、またR2とR3とは隣接する窒素
原子と共に環を形成していてもよい。結合記号 はα結合またはβ結合を示す。〕で表わされる6−アミ
ノ−6−デソキシフマギロールおよびその誘導体または
それらの塩に関する。
上記R2,R3で示される置換基を有していてもよい炭化
水素残基の炭化水素残基としては、脂肪族炭化水素残基
(直鎖状もしくは分枝状のアルキル基,アルケニル基,
アルキニル基や環式脂肪族炭化水素残基など)や芳香族
炭化水素残基(アリール基など)が挙げられ、とりわけ
アルキル基またはアリール基が好ましい。
R2,R3で示される置換基を有していてもよいアシル基
のアシル基としては、カルボニル基やスルホニル基を介
する各種有機もしくは無機残基(例、アルカノイル基,
アロイル基,芳香族複素環カルボニル基,カルバモイル
基,ベンゼンスルホニル基,アルキルスルホニル基,チ
オカルバモイル基,アルコキシカルボニル,フェノキシ
カルボニル基など)が挙げられる。
とりわけ、R2として水素原子,置換基を有していても
よいアルキル基またはアリール基が好ましく、R3として
水素原子,上記置換基を有していてもよいアシル基もし
くはアルキル基が好ましい。
上記R2およびR3について好ましい態様を記載すると、
R3で示される置換基を有していてもよいアルカノイル基
としては、たとえばアミノ,低級アルキルアミノ(例、
メチルアミノ,エチルアミノ,イソプロピルアミノな
ど),ジ低級アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ,ジ
エチルアミノなど),ニトロ,ハロゲン(例、フッ素,
塩素,臭素,ヨウ素など),ヒドロキシル,低級アルコ
キシ(例、メトキシ,エトキシなど),シアノ,カルバ
モイル,カルボキシル,低級アルコキシカルボニル
(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニルな
ど),カルボキシ低級アルコキシ(例、カルボキシメト
キシ,2−カルボキシエトキシなど),置換基を有してい
てもよいフェニル,芳香族複素環基(好ましくは窒素、
酸素、硫黄等のヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員芳香
族複素環基、例、2−フリル,2−チエニル,4−チアゾリ
ル,4−イミダゾリル,4−ピリジルなど)などで、好まし
くは1〜3個置換されていてもよいアルカノイル基(好
ましくは炭素数2〜20、無置換のアルカノイル基として
は例えば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,イソプ
ロピオニル,ブチリル,ペンタノイル,ヘキサノイル,
ヘプタノイル,オクタノイル,ノナノイル,ラウロイ
ル,ウンデカノイル,ミリストイル,パルミトイル,ス
テアロイル,アラキノイル等)などがあげられる。なか
でもアセチル,ブチリル,オクタノイル,3−カルボキシ
プロピオニル,4−カルボキシブチリルなどが好ましい。
R3で示される置換基を有していてもよいアロイル基と
しては、たとえばエチル,プロピルなどの炭素数2〜6
の低級アルキル,アミノ,ハロゲン(例、フッ素,塩
素,臭素など),ヒドロキシル,低級アルコキシ(例、
メトキシ,エトキシなど),シアノ,カルバモイル,カ
ルボキシルなどで、好ましくは1〜3個置換されていて
もよいベンゾイル,1−ナフトイル,2−ナフトイルなどが
あげられる。なかでもベンゾイル,2−カルボキシベンゾ
イルが好ましい。
R3で示される置換基を有していてもよい芳香族複素環
カルボニル基における置換基としては、上記の置換基を
有するアロイル基の置換基と同様のものが用いられる。
芳香族複素環カルボニル基としては窒素,酸素,硫黄等
のヘテロ原子を1〜4個含んだ5ないし6員環のものが
用いられ、なかでも2−フロイル,2−テノイル,ニコチ
ノイル,イソニコチノイルなどが好ましい。
R3で示される置換基を有していてもよいカルバモイル
基はカルバモイル基,モノ置換カルバモイル基,ジ置換
カルバモイル基を含み、その置換基としては、たとえば
低級アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,ブチル
など),低級アルカノイル(好ましくは炭素数1〜6,
例、アセチル,プロピオニルなど),クロロアセチル,
トリクロロアセチル,低級アルコキシカルボニルメチル
(例、メトキシカルボニルメチル,エトキシカルボニル
メチルなど),カルボキシメチル,置換基を有していて
もよいフェニル,ナフチル,ベンゾイルおよびカルバモ
イル基の窒素原子と共に環状アミノ基(例、ピロリジ
ノ,ピペリジノ,モルフォリノ,ピペラジノ,4−メチル
ピペラジノ,4−フェニルピペラジノなど)を形成する置
換基などがあげられる。なかでもクロロアセチル,フェ
ニル,ベンゾイルなどが好ましい。
R2及びR3で示される置換基を有していてもよいアルキ
ル基としては、たとえば上記の置換基を有していてもよ
いアルカノイル基における置換基と同様な置換基で1〜
3個置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状,分枝
状のアルキル基があげられ、該アルキル基は任意の位置
でエポキシ化されていてもよい。なかでもメチル,エチ
ル,ベンジルなどが好ましい。
R3で示される置換基を有していてもよいベンゼンスル
ホニル基の置換基としては、たとえば低級アルキル
(例、メチル,エチルなど),ハロゲン(例、フッ素,
塩素,臭素など)などがあげられ、これらの置換基はベ
ンゼン環上の任意の位置に1〜3個置換されていてもよ
い。
R3で示される置換基を有していてもよいアルキルスル
ホニル基としては、たとえば上記の置換基を有していて
もよいアルカノイル基が有する置換基と同様な置換基を
1〜3個有していてもよい炭素数1〜6の低級アルキル
スルホニル基などがあげられる。なかでもメチルスルホ
ニル,エチルスルホニルが好ましい。
R3で示される置換基を有していてもよいチオカルバモ
イル基はチオカルバモイル基,モノ置換チオカルバモイ
ル基,ジ置換チオカルバモイル基を含み、その置換基と
しては、たとえば上記の置換基を有していてもよいカル
バモイル基が有する置換基と同様なものなどがあげられ
る。
R3で示される置換基を有していてもよいアルコキシカ
ルボニル基としては、たとえば上記の置換基を有するア
ルカノイル基が有する置換基と同様な置換基で1〜3個
置換されていてもよい直鎖状または分枝状の低級
(C1-6)アルコキシカルボニル基があげられる。なかで
もメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキ
シカルボニル,ブトキシカルボニル,イソブトキシカル
ボニル,1−クロロエトキシカルボニルなどが好ましい。
R3で示される置換基を有していてもよいフェノキシカ
ルボニル基の置換基としては、たとえば上記の置換基を
有していてもよいベンゼンスルホニル基における置換基
と同様なものがあげられ、これらの置換基はフェノキシ
基の任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。
R2で示される置換基を有していてもよいアリール基と
しては、たとえば上記の置換基を有していてもよいアロ
イル基における置換基と同様な置換基で1〜3個置換さ
れていてもよいフェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど
があげられる。
本明細書において、置換基を有していてもよいフェニ
ル基の置換基としては、たとえば低級アルキル(例、メ
チル,エチル,プロピル,ブチルなど),低級アルコキ
シ(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシなど),ハロ
ゲン(例、フッ素,塩素,臭素など),ハロゲン化アル
キル(例、トリフルオロメチル,クロロメチルなど),
ニトロなどがあげられ、これらの置換基はフェニル環上
の任意の位置に1〜5個置換されていてもよい。
また本明細書において、別段のことわりのない場合、
低級アルキル基とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝
状のアルキル基を意味し、低級アルコキシ基とは、炭素
数1〜6個のアルコキシ基を意味する。
本発明の化合物(I)が分子内に酸性置換基(例、カ
ルボキシルなど)あるいは塩基性置換基(例、アミノ,
低級アルキルアミノ,ジ低級アルキルアミノなど)を有
する場合には、薬理学的に受容される塩として用いるこ
ともできる。薬理学的に受容される塩としては、無機塩
基との塩,有機塩基との塩,無機酸との塩,有機酸との
塩,塩基性または酸性アミノ酸との塩などが用いられ
る。これらの塩類を生成させうる無機塩基としてはアル
カリ金属(例、ナトリウム,カリウムなど),アルカリ
土類金属(例、カルシウム,マグネシウムなど)など
が、有機塩基としては例えばトリメチルアミン,トリエ
チルアミン,ピリジン,ピコリン,N,N−ジベンジルエチ
レンジアミン,エタノールアミン,ジエタノールアミ
ン,トリスヒドロキシメチルアミノメタン,ジシクロヘ
キシルアミンなどが、無機酸としては例えば塩類,臭化
水素酸,硫酸,硝酸,リン酸などが、有機酸としては例
えばギ酸,酢酸,トリフルオロ酢酸,シュウ酸,酒石
酸,フマール酸,マレイン酸,メタンスルホン酸,ベン
ゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸などが、塩基性
または酸性アミノ酸としては例えばアルギニン,リジ
ン,オルニチン,アスパラギン酸,グルタミン酸などが
用いられる。これらの塩のうち塩基との塩(すなわち無
機塩基との塩,有機塩基との塩,塩基性アミノ酸との
塩)は化合物(I)の置換基中のカルボキシル基と、ま
た酸との塩(すなわち無機酸との塩,有機酸との塩,酸
性アミノ酸との塩)は化合物(I)の置換基中のアミノ
基,低級アルキルアミノ基,ジ低級アルキルアミノ基な
どと形成しうる塩を意味する。
一般式(I)において、R1が2−メチル−1−プロペ
ニル基,R2及びR3が共に水素原子で表わされる6−アミ
ノ−6−デソキシフマギロールは、微生物の生産するフ
マギリン(fumagillin)の加水分解産物フマギロール
(fumagillol)〔Tarbell,D.S.et al.,ジャーナル オ
ブ アメリカン ケミカル ソサイエティ(J.Am.Chem.
Soc.)83,3096(1961)〕から導びかれる化合物であ
り、式(II)及び(III)で示される様に6α−アミノ
−6−デソキシフマギロールと6β−アミノ−6−デソ
キシフマギロールの2種の化合物として存在する。これ
ら2種の化合物は6位アミノ基の絶対構造が異なってい
て、式(II)で示される6α−アミノ−6−デソキシフ
マギロールの6位アミノ基が、フマギロールの6位水酸
基と同じ絶対構造を有している。本願目的化合物(I)
は式(II)及び(III)で表わされる化合物並びにそれ
らの関連化合物を包含するものである。
また化合物(I)は、その分子内に上記の6位以外に
3位,4位,5位及び4位側鎖上の1′位,2′位などにも不
斉中心を有するが、その絶対構造は原料のフマギロール
に基づくものであり、フマギロールの絶対構造と一致す
るものを意味する。
6α−アミノ−6−デソキシフマギロール(II)は、
フマギロールを特開昭62−476に記載された方法で酸化
して6−オキソ−6−デソキシフマギロール(6−デヒ
ドロフマギロール)に変換し、次いで酢酸アンモニウム
の存在下、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの金属ハ
イドライドで還元することによって得られる。また酢酸
アンモニウムのかわりに一級アミンを使用し、反応液の
pHを中性から弱酸性に保って還元すると化合物(II)の
N−モノ置換誘導体に直接導びくことができる。一方金
属ハイドライドによる還元法に変えて、パラジウム炭素
などを触媒とする触媒還元法を用いると、4位側鎖上の
二重結合も同時に還元され、化合物(II)の4′,5′−
ジヒドロ体を得ることができる。
6β−アミノ−6−デソキシフマギロール(III)
は、フマギロールをジエチルアゾジカルボキシレートと
トリフェニルホスフィンおよびフタルイミドやコハク酸
イミドを用いる光延反応[Mitsunobu,O.,シンテーシス
(Synthesis)1981年,1頁]に付して6β−イミド体に
変換し、次いでヒドラジンやメチルヒドラジンなどを反
応させた後、酸で処理することによって得られる。
一般式(I)において、R1がイソブチル基,R2及びR3
が共に水素原子で表わされる化合物の製造は、フマギロ
ールを通常の条件下で接触還元(たとえばメタノール溶
液中5%パラジウム炭素を使用)することにより得られ
る4′,5′−ジヒドロ体を上記方法と同様に反応させる
ことによって達成される。
一般式(I)において、R2またはR3が同時に、または
一方だけ水素原子以外の置換基で表わされる化合物は、
化合物(II)またはそのN−モノ置換体,化合物(II
I),並びにそれらの4′,5′−ジヒドロ体などを原料
として、たとえば下記に示す方法によりアシル化,カル
バモイル化,チオカルバモイル化,アルキル化またはス
ルホニル化することによって、或いはそれらの反応の中
間体を単離することによって製造することができる。ま
たR2やR3が接触還元により変化しない基である場合に
は、6−(N−置換アミノ)−6−デソキシフマギロー
ル類を接触還元することにより、6−(N−置換アミ
ノ)−4′,5′−ジヒドロ−6−デソキシフマギロール
類に変換することもできる。アシル化剤,カルバモイル
化剤,チオカルバモイル化剤,アルキル化剤,スルホニ
ル化剤などにアミノ,ヒドロキシル,カルボキシルなど
の置換基が存在する場合にはこれらの置換基は保護され
ていることが好ましく、生成物の安定性に応じて適当な
保護基が選択される。好ましい保護基の例としては、ア
ミノの場合にはたとえば4−ニトロベンジルオキシカル
ボニル,2−トリメチルシリルエトキシカルボニルなどが
あげられ、ヒドロキシルの場合にはたとえば4−ニトロ
ベンジル,t−ブチルジメチルシリルなどがあげられ、ま
たカルボキシルの場合にはたとえば4−ニトロベンジル
などがあげられる。脱保護法としては接触還元や、フル
オライドイオンを反応させる通常の方法が採用され得
る。なおカルバモイル化反応およびアルキル化反応の場
合には、カルボキシル基の保護基としてメチル基,エチ
ル基などの低級アルキル基を使用し、反応後緩和なアル
カリ性条件下で加水分解することにより脱保護すること
も可能である。
1)アシル化反応 該アシル化反応は、6−アミノ−6−デソキシフマギ
ロール,6−アミノ−4′,5′−ジヒドロ−6−デソキシ
フマギロールまたはそれらのN−モノアルキル或いはN
−モノアリール置換体(以下原料アミンと略称)にたと
えば酸無水物,酸ハライド,活性アミド,活性エステ
ル,活性チオエステルなどの活性化されたカルボン酸の
反応性誘導体などを反応させることにより行なわれる。
すなわち、通常下式で示される反応により行なわれ
る。
(式中、R5はR3の定義の置換基を有していてもよいアル
カノイル基、置換基を有していてもよいアロイル基、ま
たは置換基を有していてもよい芳香族複素環カルボニル
基を示す。) このような反応性誘導体を具体的に述べると次のとお
りである。
1)酸ハライド: たとえば酸クロリド,酸ブロミドなどが用いられる。
2)酸無水物: たとえばモノ低級アルキル炭酸混合酸無水物などが用
いられる。
3)活性アミド: たとえばピラゾール,イミダゾール,4−置換イミダゾ
ール,ジメチルピラゾール,ベンゾトリアゾールなどと
のアミドが用いられる。
4)活性エステル: たとえばメトキシメチルエステル,ベンゾトリアゾー
ルエステル,4−ニトロフェニルエステル,2,4−ジニトロ
フェニルエステル,トリクロロフェニルエステル,ペン
タクロロフェニルエステルなどのエステルのほか、1−
ヒドロキシ−1H−2−ピリドン,N−ヒドロキシサクシン
イミド,N−ヒドロキシフタルイミドなどとのエステルな
どが用いられる。
5)活性チオエステル: たとえば2−ピリジルチオール,2−ベンゾチアゾリル
チオールなどの複素環チオールなどとのチオエステルな
どが用いられる。
該カルボン酸の反応性誘導体は、原料アミン1モルに
対し通常約1モルから10倍モル量好ましくは1〜5倍モ
ル量用いられる。また該カルボン酸を遊離のまま使用す
る場合には、縮合剤の存在下に反応を行なうのが好まし
い。縮合剤としてはたとえばN,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド,N−シクロヘキシル−N′−モルホリノ
エチルカルボジイミド,N−シクロヘキシル−N′−(4
−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド,N−
エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミドなどが用いられる。
本反応は、通常、塩基の存在下で行なわれる。該塩基
としては、ジイソプロピルエチルアミン,トリブチルア
ミン,トリエチルアミン,ピリジン,ピコリン,N,N−ジ
メチルアミノピリジン,N−メチルモルホリン,N−メチル
ピペリジン等の三級アミン,炭酸水素ナトリウム,炭酸
水素カリウム等など炭酸水素アルカリ金属類、炭酸カリ
ウム,炭酸ナトリウムなどの炭酸アルカリ金属類、水素
化ナトリウム,水素化カリウムなどの水素化アルカリ金
属類、ブチルリチウム,リチウムジイソプロピルアミド
などの有機金属類などが用いられ、その添加量は通常、
原料アミン1モルに対して約1モルから10倍モル量であ
る。
本反応は通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行なわ
れる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えば、
ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミドなどのア
ミド類、ジクロロメタン,クロロホルム,1,2−ジクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエーテル
類、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸イソブチル,プロピ
オン酸メチルなどのエステル類、アセトニトリル、プロ
ピオニトリルなどのニトリル類、ニトロメタン,ニトロ
エタンなどのニトロ化合物、アセトン,メチルエチルケ
トンなどのケトン類、ベンゼン,トルエンなどの芳香族
炭化水素類などが用いられ、これらは一種又は二種以上
適宜の割合で混合して用いてもよい。また、塩基として
用いた三級アミンをそのまま溶媒として用いてもよい。
反応温度は、カルボン酸誘導体、塩基、溶媒の量,種
類等によって異なるが−80から100℃、好ましくは0℃
から室温(ここで室温とは、約20〜35℃程度を意味す
る。別段のことわりのない限り以下同様)である。反応
時間は30分から5日間程度である。
2)アルキル化反応 該アルキル化反応は、原料アミンに式R6Y〔式中、R6
はR3の定義のうち置換されていてもよいアルキル基を意
味し、Yは脱離基(例、ハロゲン(塩素,臭素,沃素な
ど))を示す。〕で表わされるアルキルハライド、ジア
ルキル硫酸(例、ジメチル硫酸,ジエチル硫酸など)な
どのアルキル化剤を反応させることにより行なわれる。
該アルキル化剤は、原料アミン1モルに対し通常約1モ
ルから5倍モル量用いられる。
本反応は、通常、塩基の存在下で行なわれる。該塩基
としては、前述の炭酸水素アルカリ金属類、炭酸アルカ
リ金属類、水素化アルカリ金属類、有機金属類等が用い
られ、その添加量は通常、原料アミン1モルに対して約
1モルから5倍モル量である。
本反応は通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行なわ
れる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、前述のア
ミド類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル
類、ニトリル類、ニトロ化合物、ケトン類、芳香族炭化
水素類が用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割
合で混合して用いてもよい。
反応温度は、アルキル化剤、塩基、溶媒の量,種類等
によって異なるが−80から100℃、好ましくは0℃から
室温である。反応時間は、20分から5日間程度である。
アルキル化剤として、ジハロゲン化アルキルを用いる
場合には、6−(サイクリックアミノ)−6−デソキシ
フマギロール類を得ることができる。また該生成物に更
にアルキルハライドを反応させてアンモニウム型誘導体
に導びくこともできる(実施例20を参照)。
該アルキル化反応は、6−アミノ−6−デソキシフマ
ギロール或いはその4′,5′−ジヒドロ体にケトン若し
くはアルデヒド類を還元条件下に反応させることによっ
ても行われる。還元条件としては、接触還元が用いられ
得る。そのための触媒としては、パラジウム炭素,パラ
ジウムブラック,ラネーニッケルなどが好ましい。反応
はアルコール類(例、メタノール,エタノールなど)、
エーテル類(例、テトラヒドロフラン,ジメトキシエタ
ンなど)、またはこれらと水との混合液中、水素ガス存
在下に、氷冷下ないし約80℃、好ましくは室温付近の温
度で行なうのがよい。
還元条件として、金属ハイドライドによる還元を行な
ってもよい。金属ハイドライドとしては、水素化ホウ素
ナトリウム,水素化シアノホウ素ナトリウムが好まし
い。
反応はアルコール類(例、メタノール,エタノー
ル)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン,ジメトキ
シエタン)、ニトリル類(例、アセトニトリル)又は、
これらと水との混液などの溶媒中で行なうのがよいが、
更に反応液のpHを中性から弱酸性(pH約3〜6)に保ち
つつ行なうのがよく、液性の調節のため緩衝液または鉱
酸(例、塩酸)、有機酸(例、酢酸)、それらの水溶液
等を加えるのがよい。
金属ハイドライドの使用量は原料、用いるカルボニル
化合物の種類により異なるが、理論量のやや過剰量から
約100倍程度、好ましくはやや過剰から約10倍程度用い
るのがよく、反応の進行を見て適宜追加するのがよい。
反応温度は約−20℃〜80℃、好ましくは約0℃〜30℃
である。
3)カルバモイル化反応 モノ置換カルバモイル基を導入するためのカルバモイ
ル化反応は、通常、原料アミンにイソシアナートを反応
させることにより行なわれる。例えば、下式で示される
反応により製造される。
(式中、R7は低級アルキル,低級アルカノイル,クロロ
アセチル等前記したR3で表わされる置換基を有していて
もよいカルバモイルの置換基を表す。)該イソシアナー
トは、原料アミン1モルに対し通常約1モルから5倍モ
ル量用いる。
本反応は、通常、塩基の存在下で行なわれる。該塩基
としては、前述の三級アミン、炭酸水素アルカリ金属
類、炭酸アルカリ金属類、水素化アルカリ金属類、有機
金属類等が用いられ、その添加量は通常、原料アミン1
モルに対して約1モルから5倍モル量である。
本反応は通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行なわ
れる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、前述のア
ミド類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル
類、ニトリル類、ニトロ化合物、ケトン類、芳香族炭化
水素類が用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割
合で混合して用いてもよい。また塩基として用いた三級
アミンをそのまま溶媒として用いてもよい。
反応温度は、イソシアナート、塩基、溶媒の量,種類
によって異なるが通常、約−80から100℃、好ましくは
0℃から室温である。反応時間は、1時間から5日間程
度である。
このようにして得られたモノ置換カルバモイル基を有
する化合物のなかで、たとえばクロロアセチルカルバモ
イル,トリクロロアセチルカルバモイルなどを有する化
合物は通常の方法(たとえば、塩基性条件下で室温ない
し加温)でクロロアセチル基やトリクロロアセチル基を
除去してカルバモイル基を有する化合物に変換すること
もできる。
また、該カルバモイル化反応は、原料アミンにカルバ
モイルハライドを反応させることによっても行なわれ
る。
該カルバモイルハライドは、原料アミン1モルに対
し、通常約1モルから5倍モル量用いる。本反応は、通
常、塩基の存在下で行なわれる。該塩基としては、前述
の三級アミン,炭酸水素アルカリ金属類、炭酸アルカリ
金属類、水素化アルカリ金属類、有機アルカリ金属類な
どが用いられ、その添加量は通常、原料アミン1モルに
対して約1モルから5倍モル量である。
本反応は、通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行な
われる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、前述の
アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステ
ル類、ニトリル類、ニトロ化合物、ケトン類、芳香族炭
化水素類が用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の
割合で混合して用いてもよい。また、塩基として用いた
三級アミンをそのまま溶媒として用いてもよい。
反応温度は、カルバモイルハライド、塩基、溶媒の
量,種類によって異なるが約0℃の温度から反応媒質の
略還流温度の温度、好ましくは約25℃から還流温度で行
なわれる。
また、該カルバモイル化反応は、原料アミンにクロロ
ギ酸エステル(例、クロロギ酸フェニル,クロロギ酸エ
チル,クロロギ酸イソブチル,クロロギ酸1−クロロ−
エチルなど)や1,1′−カルボニルジイミダゾールを反
応させて、活性エステルにした後、一級又は二級アミン
類と反応させることによっても行なわれる。該クロロギ
酸エステル類や1,1′−カルボニルジイミダゾール及び
アミン類は原料アミン1モルに対し、通常1モルから5
倍モル量用いられる。
本反応において、原料アミンとクロロギ酸エステルの
反応は通常、塩基の存在下で行なわれる。該塩基として
は、前述の三級アミン,炭酸水素アルカリ金属類、炭酸
アルカリ金属類、水素化アルカリ金属類、有機アルカリ
金属類などが用いられ、その添加量は通常、原料アミン
1モルに対して約1モルから5倍モル量である。
本反応は通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行なわ
れる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、前述のア
ミド類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル
類、ニトリル類、ニトロ化合物、ケトン類、芳香族炭化
水素類が用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割
合で混合して用いてもよい。反応温度は、クロロギ酸エ
ステル、塩基、アミン類、溶媒の量、種類などによって
異なるが、−20℃から反応媒質の還流温度、好ましくは
0℃から50℃で行なわれる。尚中間体として得られる活
性エステル類もまた本願の目的物である化合物(I)に
含まれる。
4)チオカルバモイル化反応 上記カルバモイル化反応において、イソシアナートの
かわりにイソチオシアナートを用いて同様に反応させる
ことにより、モノ置換チオカルバモイル基が導入された
誘導体を合成することができる。該反応は例えば下式で
示される。
〔式中、R8はR3の定義のうち置換基を有していてもよい
チオカルバモイル基の置換基を表す。〕 5)スルホニル化反応 スルホニル化反応は、原料アミンにたとえばスルホン
酸無水物,スルホン酸ハライド(例、スルホニルクロラ
イド,スルホニルブロマイドなど)などの活性化された
スルホン酸誘導体を反応させることにより行なわれる。
すなわち、下式のように反応させることにより行なわ
れる。
(但し、R9はR3の定義のうち置換基を有していてもよい
ベンゼンスルホニル基,または置換基を有していてもよ
いアルキルスルホニル基を示す。) 該スルホン酸の反応性誘導体は、原料アミン1モルに
対し通常約1モルから5倍モル量用いられる。
本反応は、通常、塩基の存在下で行なわれる。該塩基
としては、前述の三級アミン、炭酸水素アルカリ金属
類、炭酸アルカリ金属類、水素化アルカリ金属類、有機
金属類などが用いられ、その添加量は通常、フマギロー
ル1モルに対して約1モルから10倍モル量である。
本反応は通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行なわ
れる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、前述のア
ミド類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル
類、ニトリル類、ニトロ化合物、ケトン類、芳香族炭化
水素類が用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割
合で混合して用いてもよい。また塩基として用いた三級
アミンをそのまま溶媒として用いてもよい。
反応温度は、スルホン酸誘導体、塩基、溶媒の量,種
類によって異なるが、−80から100℃、好ましくは0℃
から室温である。反応時間は、1時間から5日間程度で
ある。
かくして製造される6−アミノ−6−デソキシフマギ
ロール並びに関連化合物(I)は、自体公知の分離,精
製手段(例、クロマトグラフィー,結晶化法)などによ
り単離することができる。
本発明の化合物は、血管新生抑制作用,細胞増殖抑制
作用,免疫抑制作用などを示し各種炎症性疾患(リウマ
チ,乾癬),糖尿病性網膜症,動脈硬化,癌,臓器移植
時の拒否反応などの治療および予防剤として有用であ
り、そのままもしくは自体公知の薬学的に許容される担
体,賦形剤などと混合した医薬組成物〔例、錠剤,カプ
セル剤(ソフトカプセル,マイクロカプセルを含む),
液剤,注射剤,坐剤〕として経口的もしくは非経口的に
安全に投与することができる。投与量は投与対象,投与
ルート,症状などによっても異なるが、たとえば、成人
には1日あたり通常0.1mg/kg〜40mg/kg体重程度,好ま
しくは0.5mg/kg〜20mg/kg体重程度である。
[作用] 実験例1 下記の実施例で得られた目的化合物(I)につき、血
管新生抑制作用をラット角膜マイクロポケット法により
測定して表1にまとめた。
測定方法 Gimbroneら〔ジャーナル オブ ナショナル キャン
サー インスティチュート J.National Cancer Instit
ute 52:413−419(1974)〕の方法にほぼ準じて以下の
ように行った。スプラーグ ドーレイ(Sprague−Dawle
y)系成熟雄性ラット(11−16週齢)をネンブタール麻
酔し、キシロカイン点眼液を眼球に滴下して局所麻酔し
た。角膜の辺縁部から約2mm内側の角膜中に、注射針で
約2mmの切開を加え、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF,
ウシ脳由来精製品,R&D社)および検体の徐放性ペレッ
トを、bFGFペレットが角膜の中心側になるように、二つ
並べて挿入する。対照群のラット角膜にはbFGFペレット
および検体を含まないペレットを挿入した。10日後、実
体顕微鏡下に角膜を観察し、検体投与により、bFGFによ
る血管新生が遅延あるいは弱められた場合に抑制活性あ
りと判定した。
徐放性ペレットは以下の方法で作成した。エチレン−
ビニルアセテイト共重合体(武田薬品)が8%になるよ
うにジクロルメタンに溶解し、その3μlをガラス製シ
ャーレの上で風乾し、bFGF水溶液(250ng)を採取して
風乾し、3μlの上記エチレン−ビニルアセテイト共重
合体溶液を上のせして風乾し、bFGFのサンドイッチ状シ
ートを作った。このサンドイッチ状シートを丸めてbFGF
ペレットとした。検体のペレットは検体を20μg/2μl
になるようにエタノールに溶解し、6μlのエチレン−
ビニルアセテイト共重合体溶液と混合した後ガラスシャ
ーレ上で風乾し、生じたシートを丸めて作成した。
尚、下記の第1表中、抑制率は試験ラット数に対する
血管新生抑制効果が認められたラット数を意味する。
実験例2〔ヒト臍帯静脈血管内皮細胞の細胞増殖阻害の
検定〕 ヒト血管内皮細胞はヒト臍帯静脈より、トリプシン酵
素溶液による灌流法により得られ、GIT培地(大五栄養
化学)に、2.5%ウシ胎児血清および2.0ng/mlのヒト組
み替え線維芽細胞増殖因子(以下、rFGFと略す。当社生
物工学研究所において作製)を添加した培養液にて継代
維持されたものを使用した。
2×103個のヒト血管内皮細胞の懸濁液、100μlを、
96穴培養皿(Nunc,1−67008)に播種し、ガス制御恒温
槽で培養する。翌日、終濃度2ng/mlになるようなrFGF
と、種々の濃度の検体を含む培地、100μlを加えた。
検体はジメチルスルホキシド(以下、DMSO)溶液に溶解
し、DMSO終濃度が0.25%以下になるように培養液にて希
釈した。5日間培養の後、検体を含む培養液を吸引除去
し、1mg/mlのMTT溶液(3−(4,5−ジメチル−2−チア
ゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロ
マイドを培養液に溶解)を100μl加え、4時間保温し
た。その後、100μlの10%SDS溶液(ソジウムドデシル
スルフェート水溶液)を加えて5−6時間保温して、細
胞およびMTT色素を可溶化し、分光光度計にてOD590値を
測定した。検体を加えない対照群のOD値を100%とし、5
0%のOD値を与える化合物濃度、IC50値により各検体
の、内皮細胞増殖阻害活性を表2に示した。
[実施例] 以下、実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
以下の実施例のカラムクロマトグラフィ(かっこ内は
溶出溶媒を示す。)における溶出はTLC(Thin Layer Ch
romatography,薄層クロマトグラフィ)による観察下に
行なわれた。TLC観察においては、TLCプレートとして
(Merck)社製のキーゼルゲル60F250(70〜230メッシ
ュ)を、展開溶媒としてはカラムクロマトグラフィで溶
出溶媒として用いられた溶媒を、検出法としてUV検出
器、リンモリブデン酸による発色法等を採用した。カラ
ム用シリカゲルは同じくメルク社製のキーゼルゲル60
(70〜230メッシュ)を用いた。NMRスペクトルはプロト
ンNMR(1H−NMR)を示し、内部または外部基準としてテ
トラメチルシランを用いてバリアン(VARIAN)社製ジエ
ミニ200で測定し、δ値をppmで示した。
尚、実施例で用いる略号は、次のような意義を有す
る。
s:シングレット,br:ブロード(幅広い),d:ダブレッ
ト,dd:ダブルダブレット,ddd:ダブレットダブレットダ
ブレット,t:トリプレット,q:クワルテット,m:マルチプ
レット,ABq:ABクワルテット,J:カップリング定数,Hz:ヘ
ルツ,CDCl3:重クロロホルム,d6−DMSO:重ジメチルス
ルホキシド,%:重量% また以下の実施例において室温とあるのは約15〜25℃
を意味する。融点及び温度はすべてセッ氏で示した。
実施例1 6α−アミノ−デソキシフマギロール(1) 6−オキソ−6−デソキシフマギロール(4−(1,2
−エポキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル)−5−
メトキシ−1−オキサスピロ[2,5]オクタン−6−オ
ン:0.50g)と酢酸アンモニウム(1.4g)をメタノール
(15ml)に溶解し、シアノ水素化ほう素ナトリウム(0.
11g)を加えて1時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し
たのち得られた残渣を酢酸エチル(100ml)に溶解し、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタ
ノール−濃アンモニア水=20:1:0.1)にて精製して、6
α−アミノ−6−デソキシフマギロール(0.20g)を得
た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.05(1H,m),1.24
(3H,s),1.66(3H,s),1.75(3H,s),1.80(1H,m),1.
97(1H,d,10Hz),2.08〜2.47(3H,m),2.51(1H,d,4H
z),2.59(1H,t,6Hz),2.90(1H,d,4Hz),3.44(3H,
s),3.60(1H,dd,3Hz,10Hz),3.66(1H,m),5.21(1H,
m). 実施例2 6α−フェニルアミノ−6−デソキシフマギロール
2) 6−オキソ−6−デソキシフマギロール(0.30gとア
ニリン(0.11ml)および酢酸(0.12ml)をメタノール
(10ml)に溶解し、モレキュラーシーブ3A(0.20g)に
加えたのちシアノ水素化ほう素ナトリウム(67mg)を加
えて1時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去したのち得ら
れた残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒
を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:9)に
て精製して、6α−フェニルアミノ−6−デソキシフマ
ギロール(0.20g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.25(1H,m),1.31
(3H,s),1.66(3H,s),1.75(3H,s),1.80〜2.47(6H,
m),2.55(1H,d,4Hz),2.66(1H,t,6Hz),2.88(1H,d,4
Hz),3.34(3H,s),3.78(1H,dd,3Hz,10Hz),4.02(1H,
m),5.21(1H,m),6.73(3H,m),7.19(2H,m). 実施例3 6α−(アセチル)メチルアミノ−6−デソキシフマギ
ロール(3) 6−オキソ−6−デソキシフマギロール(0.30g)と
メチルアミン(40%メタノール溶液:1.4ml)および酢酸
(1.1ml)をメタノール(15ml)に溶解し、シアノ水素
化ほう素ナトリウム(0.11g)を加えて2時間撹拌し
た。減圧下で溶媒を留去したのち得られた残渣をクロロ
ホルム(50ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
で溶媒を留去し、得られた残渣をジクロロメタン(2m
l)に溶解した。ピリジン(0.26ml)および無水酢酸
(0.30ml)を加えて20分撹拌したのち酢酸エチル(30m
l)を加えて希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を
留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:酢酸エチル)にて精製して、6α−
(アセチル)メチルアミノ−6−デソキシフマギロール
(0.34g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.28(1H,m),1.52
(3H,s),1.65(3H,s),1.73(3H,s),1.50〜1.90(3H,
m),2.00〜2.86(7H,m),2.95(0.9H,s),3.01(2.1H,
s),3.20〜3.30(4H,m),4.20(0.3H,m),4.68(0.7H,
m),5.08〜5.30(1H,m). 実施例4 6α−(N−アセチル−3−メチルチオプロピルアミ
ノ)−6−デソキシフマギロール(4) 実施例3と同様にして化合物4を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.28(1H,m),1.50
(1.5H,s),1.51(1.5H,s),1.65(3H,s),1.73(3H,
s),1.60〜1.90(3H,m),2.00〜2.86(14H,m),3.25(3
H,s),3.19〜3.65(3H,m),4.20(0.5H,m),4.68(0.5
H,m),5.08〜5.30(1H,m). 実施例5 6α−アセチルアミノ−6−デソキシフマギロール
5) 6−オキソ−6−デソキシフマギロール(0.30g)と
酢酸アンモニウム(0.8g)をメタノール(10ml)に溶解
し、シアノ水素化ほう素ナトリウム(67mg)を加えて1
時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去したのち得られた残
渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留
去し得られた残渣をジクロロメタン(2ml)に溶解し
た。ピリジン(0.26ml)および無水酢酸(0.30ml)を加
えて30分撹拌したのち酢酸エチル(50ml)を加えて希釈
し、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、さらにもう一度飽和塩化ナトリウム水溶液で
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶
媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール−濃
アンモニア水=30:1:0.1)にて精製して、6α−アセチ
ルアミノ−6−デソキシフマギロール(0.31g)を得
た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.28(3H,s),1.32
(1H,m),1.66(3H,s),1.74(3H,s),1.60〜1.90(3H,
m),2.00(3H,s),2.00〜2.47(3H,m),2.54(1H,d,4H
z),2.66(1H,t,6Hz),2.85(1H,d,4Hz),3.84(3H,
s),3.70(1H,dd,4Hz,9Hz),4.46(1H,m),5.20(1H,
m),5.79(1H,m). 実施例6 6α−(p−トルエンスルホニルアミノ)−6−デソキ
シフマギロール(6) 6−オキソ−6−デソキシフマギロール(0.20g)と
酢酸アンモニウム(0.6g)をメタノール(10ml)に溶解
し、シアノ水素化ほう素ナトリウム(45mg)を加えて1
時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去したのち得られた残
渣をクロロホルム(2ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液(1ml)を加えた。これにp−トルエンス
ルホニルクロリド(93mg)を加えて30分撹拌したのち、
水を加えて反応を停止した。生成物をクロロホルムで抽
出し、抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:2)にて精製
して、6α−(p−トルエンスルホニルアミノ)−6−
デソキシフマギロール(0.19g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.17(3H,s),1.18
(1H,m),1.65(3H,s),1.75(3H,s),1.60〜1.80(3H,
m),2.00〜2.47(3H,m),2.44(3H,s),2.53(1H,d,4H
z),2.55(1H,t,6Hz),2.86(1H,d,4Hz),3.92(3H,
s),3.50(1H,dd,4Hz,10Hz),3.62(1H,m),4.83(1H,
m),5.27(1H,m),7.33(2H,d,8Hz),7.79(2H,d,8H
z). 実施例7 6α−(イソブチルオキシスルボニルアミノ)−6−デ
ソキシフマギロール(7) 実施例6と同様にして化合物7を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):0.91(3H,s),0.95
(3H,s),1.29(3H,s),1.32(1H,m),1.66(3H,s),1.
74(3H,s),1.60〜2.00(4H,m),2.00〜2.47(3H,m),
2.54(1H,d,4Hz),2.65(1H,t,6Hz),2.84(1H,d,4H
z),3.40(3H,s),3.68(1H,dd,4Hz,9Hz),3.84(2H,d,
7Hz),4.22(1H,m),5.04(1H,m),5.20(1H,m). 実施例8 6α−ベンゾイルアミノ−6−デソキシフマギロール
8) 実施例6と同様にして化合物8を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.35(3H,s),1.51
(1H,m),1.66(3H,s),1.75(3H,s),1.60〜1.80(3H,
m),2.10〜2.47(3H,m),2.57(1H,d,4Hz),2.74(1H,
t,6Hz),2.85(1H,d,4Hz),3.41(3H,s),3.79(1H,dd,
4Hz,8Hz),4.63(1H,m),4.83(1H,m),5.22(1H,m),
6.44(1H,m),7.45(2H,d,8Hz),7.78(2H,d,8Hz). 実施例9 6α−(N′−クロロアセチルウレイド)−6−デソキ
シフマギロール(9) 6−オキソ−6−デソキシフマギロール(0.50g)と
酢酸アンモニウム(1.4g)をメタノール(15ml)に溶解
し、シアノ水素化ほう素ナトリウム(0.11mg)を加えて
1時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去したのち得られた
残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留
去し得られた残渣をジクロロメタン(5ml)に溶解し
た。0℃にてクロロアセチルイソシアネート(0.3ml)
を滴下した。そのままの温度で30分撹拌したのち酢酸エ
チル(50ml)を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:1)にて精製し
て、6α−(N′−クロロアセチルウレイド)−6−デ
ソキシフマギロール(0.42g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.31(3H,s),1.32
(1H,m),1.45〜2.00(4H,m),1.66(3H,s),1.75(3H,
s),2.10〜2.47(2H,m),2.55(1H,d,4Hz),2.68(1H,
t,6Hz),2.84(1H,d,4Hz),3.43(3H,s),3.63(1H,dd,
4Hz,8Hz),4.12(2H,s),4.57(1H,m),5.20(1H,m). 実施例10 6α−{N′−(1−ナフチル)チオウレイド}−6−
デソキシフマギロール(10) 実施例9と同様にして化合物10を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.20(1H,m),1.41
(3H,s),1.38(1H,d,2Hz),1.55〜1.75(1H,m),1.65
(3H,s),1.74(3H,s),1.85〜2.50(4H,m),2.42(1H,
d,5Hz),2.47(1H,d,5Hz),2.83(1H,t,6Hz),2.93(3
H,s),3.52(1H,m),4.76(1H,m),5.20(1H,m),6.10
(1H,m),7.42〜7.65(4H,m),7.80〜8.05(4H,m). 実施例11 6α−{N′−(1−ナフチル)ウレイド}−6−デソ
キシフマギロール(11) 実施例9と同様にして化合物11を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.26(3H,s),1.30〜
1.85(4H,m),1.63(3H,s),1.73(3H,s),2.00〜2.47
(3H,m),2.48(1H,d,4Hz),2.61(1H,t,6Hz),2.73(1
H,d,4Hz),3.27(3H,s),3.65(1H,dd,4Hz,8Hz),4.43
(1H,m),5.17(1H,m),5.39(1H,m),7.02(1H,m),7.
50(3H,m),7.71(2H,m),7.87(1H,m),8.04(1H,
m). 実施例12 6α−{N′−(2−クロロエチル)ウレイド}−6−
デソキシフマギロール(12) 実施例9と同様にして化合物12を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.20(1H,m),1.28
(3H,s),1.65(3H,s),1.74(3H,s),1.60〜1.98(3H,
m),2.10〜2.45(3H,m),2.53(1H,d,4Hz),2.54(1H,
t,6Hz),2.84(1H,d,4Hz),3.37(3H,s),3.40〜3.70
(4H,m),3.72(1H,dd,4Hz,10Hz),4.31(1H,m),5.10
〜5.42(3H,m). 実施例13 6α−ウレイド−6−デソキシフマギロール(13) 化合物9(0.17g)をテトラヒドロフラン(THF,2ml)
に溶解し、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム
(0.11g)を加えて15分撹拌した。反応液に酢酸エチル
(30ml)を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液および一度飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:クロロホルム−メタノール−濃アンモニア
水=20:1:0.1)にて精製し、ベンゼンにて再結晶して6
α−ウレイド−6−デソキシフマギロール(86mg)を得
た。
融点:124〜125℃ NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.23(1H,m),1.26
(3H,s),1.65(3H,s),1.78(3H,s),1.65〜1.96(3H,
m),2.10〜2.45(3H,m),2.54(1H,d,4Hz),2.59(1H,
t,6Hz),2.85(1H,d,4Hz),3.93(3H,s),3.71(1H,dd,
4Hz,10Hz),4.32(1H,m),4.58(2H,m),5.19(2H,
m). 実施例14 6α−(N′−クロロアセチルウレイド)−4′,5′−
ジヒドロ−6−デソキシフマギロール(14) 化合物9(0.30g)をメタノール(10ml)に溶解し、10
%パラジウム炭素(30mg)を加えて水素雰囲気下にて1
時間撹拌した。接触を別したのち減圧下で溶媒を留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1.2)にて精製
して、6α−(N′−クロロアセチルウレイド)−
4′,5′−ジヒドロ−6−デソキシフマギロール(0.19
g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):0.89(3H,s),0.82
(3H,s),1.30(3H,s),1.20〜1.70(11H,m),1.93(2
H,m),2.59(1H,d,4Hz),2.65(1H,dd,5Hz,7Hz),2.75
(1H,d,4Hz),3.43(3H,s),3.63(1H,dd,4Hz,8Hz),4.
12(2Hz),4.54(1H,m). 実施例15 6β−フタールイミド−6−デソキシフマギロール(1
5) フマギロール(1.0g)、トリフェニルホスフィン(1.
22g)およびフタールイミド(0.57mg)をテトラヒドロ
フラン(THF,30ml)に溶解し、ジエチルアゾジカルボキ
シレート(0.88g)のTHF(5ml)溶液を滴下した。30分
撹拌後、反応液に酢酸エチル(100ml)を加えて希釈
し、飽和塩化ナトリウム水溶液、続いて飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、さらにもう一度飽和塩化ナトリウム水
溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=
1:3)にて精製して、6β−フタールイミド−6−デソ
キシフマギロール(0.99g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.27(1H,m),1.32
(3H,s),1.65〜2.70(7H,m),1.67(3H,s),1.73(3H,
m),2.58(1H,d,4Hz),2.99(1H,d,4Hz),3.33(3H,
s),4.36(1H,m),4.71(1H,t,10Hz),5.23(1H,m),7.
73(2H,m),7.88(2H,m). 実施例16 6β−アミノ−6−デソキシフマギロール(16) 化合物15(2.0g)をメタノール(40ml)に溶解し、ヒ
ドラジン一水和物(1.4g)を加えて20分撹拌した。減圧
下で溶媒を留去したのちさらにエタノールで共沸して過
剰量のヒドラジン一水和物を除き、得られた残渣を水
(20ml)に溶解し、酢酸(1.5ml)を加えて一夜撹拌し
た。沈澱物を去し、濃アンモニア水(4ml)を加えて
のち、生成物をクロロホルムにて抽出した。抽出液を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:クロロホルム−メタノール−濃アンモニア
水=30:1:0.03)にて精製して、6β−アミノ−6−デ
ソキシフマギロール(0.90g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.17(1H,m),1.29
(3H,s),1.50〜1.95(4H,m),1.66(3H,s),1.79(3H,
m),2.27(1H,m),2.37(1H,m),2.52(1H,d,4Hz),2.5
5(1H,t,6Hz),2.90(1H,m),2.92(1H,d,4Hz),3.47
(1H,dd,9Hz,11Hz),3.56(3H,s),5.22(1H,m). 実施例17 6β−ベンジルオキシカルボニルアミノ−6−デソキシ
フマギロール(17) 化合物16(0.50g)およびトリエチルアミン(0.74m
l)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃にてベン
ジルオキシカルボニルクロリド(0.51ml)を滴下した。
そのままの温度で1時間撹拌したのち、反応液に酢酸エ
チル(50ml)を加えて希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶
液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:
2)にて精製して6β−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−6−デソキシフマギロール(0.06g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.19(1H,m),1.26
(3H,s),1.45〜1.95(3H,m),1.65(3H,s),1.75(3H,
m),2.17(1H,m),2.37(1H,m),2.55(1H,d,4Hz),2.5
7(2H,t,6Hz),2.95(1H,d,4Hz),3.37(3H,s),3.60〜
3.90(2H,m),5.13(2H,s),5.21(1H,m). 実施例18 6β−(N′−クロロアセチルウレイド)−6−デソキ
シフマギロール(18) 化合物16(0.28g)をジクロロメタン(3ml)に溶解
し、0℃にてクロロアセチルイソシアネート(0.10ml)
を滴下した。そのままの温度で15分撹拌したのち、反応
液に酢酸エチル(50ml)を加えて希釈し、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液で
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶
媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン=1:1)
にて精製し、さらにイソプロピルエーテルにて結晶化し
て6β−(N′−クロロアセチルウレイド)−6−デソ
キシフマギロール(0.18g)を得た。
融点:130〜131℃ NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.20(1H,m),1.28
(3H,s),1.55〜2.00(3H,m),1.66(3H,s),1.75(3H,
m),2.17(2H,m),2.37(1H,m),2.52(1H,d,4Hz),2.5
8(1H,t,6Hz),2.97(1H,d,4Hz),3.44(3H,s),3.79
(1H,t,10Hz),4.03(1H,m),4.14(2H,s),5.21(1H,
m). 実施例19 6β−ピロリジノ−6−デソキシフマギロール(19) 化合物16(0.43g)をジメチルホルムアミド(2ml)に
溶解し、無水炭酸カリウム(0.52g)続いて1,4−ジブロ
モブタン(0.32ml)を加えた。7時間撹拌したのち反応
液にエーテル(50ml)を加えて希釈し、水、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、さらに飽和塩化ナトリウム水溶液
で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で
溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール−
濃アンモニア水=30:1:0.03)にて精製して6β−ピロ
リジノ−6−デソキシフマギロール(0.23g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.27(1H,m),1.29
(3H,s),1.50〜2.00(7H,m),1.57(1H,d,10Hz),1.66
(3H,s),1.75(3H,m),2.17(1H,m),2.37(1H,m),2.
53(1H,d,4Hz),2.54(1H,t,6Hz),2.75(4H,m),2.83
(1H,m),2.92(1H,d,4Hz),3.55(3H,s),3.71(1H,t,
10Hz),5.21(1H,m). 実施例20 6β−ピロリジノ−6−デソキシフマギロール メチル
ヨージド(20) 化合物19(0.12g)をクロロホルム(1ml)に溶解し、
無水炭酸カリウム(49mg)続いてヨー化メチル(0.5m
l)を加えた。3時間半撹拌後、不溶物を別し減圧下
で溶媒を留去して得られた残渣をクロロホルム−エーテ
ルにて再沈澱して6β−ピロリジノ−6−デソキシフマ
ギロール メチルヨージド(0.10g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.35(3H,s),1.37
(1H,m),1.55〜2.45(10H,m),1.68(3H,s),1.76(3
H,m),2.65(1H,d,4Hz),2.72(1H,t,6Hz),2.99(1H,
d,4Hz),3.02(3H,s),3.40〜4.05(5H,m),3.57(3H,
s),4.29(1H,t,10Hz),5.26(1H,m). 実施例21 6β−ヘキシルアミノ−6−デソキシフマギロール(2
1) 化合物16(3.0g)、ヘキサナール(1.4ml)および酢
酸(1.5ml)をメタノール(60ml)に溶解し、シアノ水
素化ほう素ナトリウム(0.67g)を加えた。1時間撹拌
したのち反応液に酢酸エチル(100ml)を加えて希釈
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナト
リウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−
メタノール−濃アンモニア水=30:1:0.03)にて精製し
て6β−ヘキシルアミノ−6−デソキシフマギロール
(2.35g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):0.89(3H,m),1.10〜
2.35(12H,m),1.66(3H,s),1.74(3H,m),2.51(1H,
d,4Hz),2.92(1H,d,4Hz),3.50(3H,s),3.69(1H,dd,
9Hz,11Hz),5.22(1H,m). 実施例22 6β−(N−メタンスルホニル)ヘキシルアミノ−6−
デソキシフマギロール(22) 化合物21(0.50g)およびトリエチルアミン(0.38m
l)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、0℃にてメタン
スルホニルクロリド(0.13ml)を滴下した。そのままの
温度で15分撹拌したのち、反応液に酢酸エチル(50ml)
を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および
飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢
酸エチル−ヘキサン=1:3)にて精製して6β−(N−
メタンスルホニルヘキシルアミノ)−6−デソキシフマ
ギロール(0.12g)を得た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):0.85(3H,m),1.31
(12H,s),1.50〜2.00(6H,m),1.66(3H,s),1.75(3
H,m),2.17(1H,m),2.37(1H,m),2.56(1H,d,4Hz),
2.68(1H,t,6Hz),2.93(1H,d,4Hz),2.97(3H,s),3.1
9(2H,m),3.59(3H,s),5.21(1H,m). 実施例23 6β−フェノキシカルボニルアミノ−6−デソキシフマ
ギロール(23) 6−オキソ−6−デソキシフマギロール(0.51g)と
酢酸アンモニウム(1.43g)をメタノール(15ml)に溶
解し、シアノ水素化ほう素ナトリウム(0.12g)を加え
て1時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去したのち得られ
た残渣を酢酸エチル(70ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を
留去し得られた残渣をジクロロメタン(5ml)に溶解さ
せジメチルアミノピリジン(0.44g)を加えた。クロロ
ぎ酸フェニル(0.43g)を滴下して室温で1時間撹拌し
たのち酢酸エチル(70ml)を加えて希釈し、1Mクエン酸
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナト
リウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘ
キサン=1:4)にて精製して、6β−フェノキシカルボ
ニルアミノ−6−デソキシフマギロール(0.21g)を得
た。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値):1.31(3H,s),1.2〜
1.6(1H,m),1.66(3H,s),1.74(3H,s),1.6〜1.9(3
H,m),2.1〜2.45(3H,m),2.56(1H,d,4Hz),2.69(1H,
t,6Hz),2.85(1H,d,4Hz),3.44(3H,s),3.72(1H,dd,
9Hz,4Hz),4.32(1H,m),5.20(1H,m),5.45(1H,brd,4
Hz),7.1〜7.25(3H,m),7.3〜7.45(2H,m). [発明の効果] 本発明の化合物(I)は、血管新生抑制作用,細胞増
殖抑制作用,免疫抑制作用などを有し、医薬品等として
有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/00 637 A61K 31/00 637D 643 643B 31/335 601 31/335 601 31/40 606 31/40 606 C07D 405/14 209 C07D 405/14 209 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 303/36 C07D 405/14 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は2−メチル−1−プロペニル基またはイソ
    ブチル基を、R2およびR3はそれぞれ水素原子,置換基を
    有していてもよい炭化水素残基または置換基を有してい
    てもよいアシル基を示し、またR2とR3とは隣接する窒素
    原子と共に環を形成していてもよい。結合記号 はα結合またはβ結合を示す。〕で表される6−アミノ
    −6−デソキシフマギロールおよびその誘導体またはそ
    れらの塩。
  2. 【請求項2】R2が水素原子,置換基を有していてもよい
    アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基
    である請求項(1)記載の化合物。
  3. 【請求項3】R3が水素原子,置換基を有していてもよい
    アルキル基または置換基を有していてもよいアシル基で
    ある請求項(1)記載の化合物。
  4. 【請求項4】6α−アセチルアミノ−6−デソキシフマ
    ギロールまたはその塩である請求項(1)記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】6α−(N′−クロロアセチルウレイド)
    −6−デソキシフマギロールまたはその塩である請求項
    (1)記載の化合物。
  6. 【請求項6】6α−ウレイド−6−デソキシフマギロー
    ルまたはその塩である請求項(1)記載の化合物。
  7. 【請求項7】請求項(1)記載の化合物を含有すること
    を特徴とする炎症性疾患、糖尿病性網膜症、動脈硬化ま
    たは癌の予防・治療剤。
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