JP2927804B2 - 三弗化窒素含有排ガスの処理方法 - Google Patents

三弗化窒素含有排ガスの処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は三弗化窒素(NF3)含有排ガスを放電プラズ
マにより無害化処理する方法に関する。更に詳しくは、
真空を利用した半導体の製造において、例えばCVD(Che
mical Vapor Deposition)チャンバーやドライエッチン
グチャンバーから排出されるNF3含有排ガスを、真空減
圧下において放電プラズマにより無害化する方法に関す
る。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] NF3ガスは常温において物理的、化学的に安定であり
取扱いが容易であることから、半導体製造時において、
上記CVDチャンバーのクリーニングガスやドライエッチ
ングガス等として需要の大幅な伸びが予想されている。
しかして、CVDチャンバーのクリーニングガスや半導
体のドライエッチングガスとして使用されたNF3ガス
は、必ずしも全量消費されず未反応のNF3ガスがそのま
ま真空ポンプから排出される場合がある。この未反応の
NF3ガスを含有したガス(排ガス)をそのまま大気中に
放出することは、環境汚染や爆発等の災害の原因となる
ので、無害化処理しなければならない。
従来、半導体製造装置から排出されるNF3含有排ガス
を無害化する方法としては、1)大過剰の不活性ガスに
よる希釈、2)NF3含有排ガスを分解炉に導入し、いっ
たん窒素(N2)ガスと弗素(F2)ガスに分解し、この分
解ガスを更に水あるいはアルカリ水溶液のスクラバーに
導入して除害する方法、3)NF3含有排ガスを銅、鉄等
の金属と反応させる方法(Naval Surface Weapons Cent
er,“Nitrogen Trifluoride:Its Chemistry Toxicity a
nd Safe Handling",12 Nov.1976,P31)、4)NF3含有排
ガスを炭素と反応させる方法、5)NF3含有排ガスをケ
イ素やタングステン等のように、その弗化物がガス状で
ある物質と反応させる方法等がある。
しかしながら、1)の方法は本質的にNF3を無害化す
る方法ではないので上記問題の完全解決にはならず、ま
た、大量の不活性ガスを必要とする。2)の方法では分
解炉の損傷が激しい等の問題があると共に、分解して生
成したF3ガスを除去するための装置が必要である。
3)、4)及び5)の方法は何れも高温で反応を行わせ
るため、反応制御のための付帯設備が必要となること、
真空ポンプ排出後の常圧下において除害が行なわれるの
で、このため装置コストや運転コストが高いという欠点
を有しており、更には、CVDチャンバーあるいはドライ
エッチングチャンバーの出口より真空ポンプまでの設備
を含む排ガス処理系のメインテナンスへの留意に欠ける
と、安定性を確保できないという重大な問題点も含んで
いる。
更に、4)の方法では銅や鉄の弗化物、窒素(N2)ガ
スの他に二弗化二窒素(N2F2)、四弗化二窒素(N2F4
等の弗化物が生成するので、このN2F2等の弗化物を無害
化するための装置が必要である。5)の方法においても
ケイ素やタングステン等の弗化物が生成するが、これら
の弗化物はガス状であるので、これを除去するための装
置が必要である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、CVDチャンバーやドライエッチングチ
ャンバーから排出される排ガスの無害化のための処理装
置として、プラズマ放電を利用した装置を開発し、特願
昭62−301439号及び特願昭63−12614号として出願した
が、上記の排ガス処理装置が、本発明で対象とするNF3
含有排ガスの無害化処理に適用できれば好都合である点
に着目し検討した。
しかし、上記の排ガスの処理装置を使用してNF3含有
排ガスを処理した場合、NF3ガスが効率よく分解可能で
あるか、分解生成物が安全な物質に分解されているか、
NF3ガスの強い酸化性により該処理装置が損傷する惧れ
はないか、NF3含有排ガスの処理が長時間にわたり安定
的に運転可能か、排ガス処理装置のメインテナンスは容
易か、等は検討されていない。また、NF3含有排ガスの
処理条件も検討されていない。
本発明者等はかかる状況に鑑み、上記の排ガス処理装
置を使用してNF3含有排ガスを処理する方法について鋭
意検討を行なった結果、前記従来の問題を解決し、NF3
含有排ガス中のNF3を効率よく分解し無害化できること
を見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち本発明によれば、排ガス導入口と排ガス導出口を
具備する管状容器内に陰極と陽極からなる少なくとも一
対の電極を設けて構成した放電管と、該電極と接続され
る直流または交流電源と、および該放電管内に形成され
た排ガス流路とを含む排ガス放電処理装置であって、該
排ガス流路とほぼ平行にステンレス鋼製又は炭素製の少
なくとも一対の陰極を対向させて陰極対とし、該陰極対
により形成される空間の一端は該排ガス導入口と、かつ
他端は該排ガス導出口と連結させられ、該空間内に該陰
極とほぼ直角方向にステンレス鋼製又は炭素製の少なく
とも一対の陽極を該陰極と接触することなく対向させて
設け、管状容器の内壁と陰極及び陽極との間を絶縁物で
遮蔽もしくは充填し、更に該陰極対と該陽極対により形
成される空間内に、該陰極と接触することなく一以上の
補助陽極を配設せしめると共に、または補助陽極を配設
せしめることなく、該陰極の対向方向に直流または交流
磁界を形成する磁界印加装置を該放電管に設けた排ガス
処理装置の排ガス導入口に、三弗化窒素含有排ガスを圧
力が0.1mTorr〜10Torrの範囲で通気させてプラズマ放電
することを特徴とする三弗化窒素含有排ガスの処理方法
が提供される。
〔発明の詳細な説明〕
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で対象とするNF3含有排ガスは、CVDチャンバー
のクリーニング時または半導体のドライエッチング時等
において、CVDチャンバーまたはドライエッチングチャ
ンバーから排出される、減圧状態で未反応のNF3を含有
するガスである。
このNF3含有排ガスは、He、N2等の不活性ガスで希釈
された状態であっても構わないが、本発明で使用する排
ガス処理装置に導入する時の圧力が、0.1mTorr〜10Torr
である必要がある。
上記圧力が0.1mTorr未満または10Torrを越える場合に
は、プラズマ放電が不良となり、NF3ガスの分解率が大
きく低下するので不都合である。
尚、半導体製造時において、NF3ガスをCVDチャンバー
のクリーニングガスやドライエッチングガスとして使用
する際の圧力は上記圧力範囲内であるので、本発明で使
用する排ガス処理装置を、CVDチャンバーやドライエッ
チングチャンバー出口と真空ポンプを接続する配管中に
挿入すれば、NF3含有排ガスの無害化処理の際に上記圧
力の調節を特別に行なう必要がないので、この点でも本
発明の方法は好都合である。
以下、図面を参照しつつ、本発明で使用される排ガス
処理装置(以下、該装置を単に本装置と略記する)の好
ましい実施態様を説明する。
本装置の主たる電極構成の一例を第1図及び第3図に
示すが、第1図は補助陽極を配設しない場合の正面断面
図であり、第3図は補助陽極を配設した場合の正面断面
図である。第2図(イ)は第1図におけるA−A′矢視
断面図であり、第4図(イ)は第3図におけるA−A′
矢視断面図である。
一般に放電装置では陰極と陽極が対向した構造を成す
ものが多いが、このような陰陽対向構造ではプラズマ陽
光柱内に電子密度の分布が生じ、小型で均一かつ強度の
強いプラズマを形成することは容易でない。これに対
し、本装置においては、少なくとも一対の陰極を対向さ
せて陰極対とするものであり、このように陰極を対向さ
せると、特に磁界が重畳された場合には電子旋回半径が
小さくなることも作用して、極めて強度が強く、陰極間
に閉じ込められたプラズマを形成することができるので
ある。
即ち、本装置はかかる発想に基づくもので、排ガス導
入口5と排ガス導出口6を具備する管状容器内に陰極と
陽極からなる少なくとも一対の電極を設けて構成した放
電管8と、該電極と接続される直流または交流電源と、
および該放電管8内に形成された排ガス流路とを含む排
ガス放電処理装置であって、該排ガス流路とほぼ平行に
ステンレス鋼製又は炭素製の少なくとも一対の陰極を対
向させて陰極対1とし、該陰極対1により形成される空
間の一端は該排ガス導入口5と、かつ他端は該排ガス導
出口6と連結させられるようにし、該空間内に該陰極と
ほぼ直角方向にステンレス鋼製又は炭素製の少なくとも
一対の陽極を該陰極と接触することなく対向させて設
け、更に該陰極対1と陽極対2とにより囲まれて形成
(すなわち郭定)される放電管8内部の空間内に、該陰
極と接触することなくステンレス鋼製又は炭素製の少な
くとも一以上の補助陽極2′を配設させると共に、また
は補助陽極2′を配設させることなく、該陰極の対向方
向に直流または交流磁界を形成する磁界印加装置3を放
電管8に設けるものである。尚、補助陽極2′について
は、第4図(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、第7図、
第8図等に明確に示されている。
第1図及び第3図においては、排ガス導入口5と排ガ
ス導出口6を結ぶ排ガス流路とほぼ平行に長方形の陰極
を対向させて陰極対1とし、該陰極の両背面に磁界印加
装置3、例えば永久磁石をN/S対向するごとく放電管8
に設置して陰極対向方向に直流磁界を印加するようにな
っている。尚、9はヨークである。
しかして、磁界の強さは距離の平方に逆比例するた
め、該陰極対1の対向距離は小さいことが好ましく、ま
た、容積当りの電力密度を増大させるために該距離は小
さいことが望まれる。陰極対1の対向距離の至適値は負
荷圧力及び排ガス組成により異なりうるが、好ましくは
5mm乃至80mm、より好ましくは10mm乃至40mm程度であ
る。
尚、陰極対1とほぼ直角方向に、好ましくは排ガス流
路とほぼ平行に、陰極と接触することなしに陽極を一対
対向させ陽極対2とする。また、該陰極対1と該陽極対
2とからなる放電空間8内に該陰極と接触することなし
に、一以上の補助陽極2′を設ける。そして、陰極及び
陽極と電源とを接続し、該電極間に電界を形成せしめる
と、陰極対1と陽極対2とで囲まれた空間にプラズマが
発生するのである。
本装置において、該陽極対間の距離は該プラズマ空間
での電子密度を高めて排ガスの分解速度、即ち単位容積
・単位時間当りの処理量を高めるために、陰極対間の距
離に対し2倍以上の長さを有することが好ましく、より
好ましくは2乃至40倍である。尚、管状容器の内壁と陰
極もしくは陽極との接触による電流短絡を防止するた
め、該内壁と陰極及び陽極との間をポリテトラフルオロ
エチレンの如き絶縁物4で遮蔽もしくは充填することが
好ましい。
陰極対1、陽極対2及び補助陽極2′の排ガス流路方
向の長さは、それぞれ10cm〜80cm程度が好ましく、15cm
〜40cm程度がより好ましい。この長さが短すぎるとプラ
ズマ処理容積が小さくなって処理効率が低くなり、ま
た、長すぎると電極長さ方向でのプラズマ均一性を保持
することが難しいのみならず、下流位置では処理効率が
著しく低下して仕舞う。
陰極の大きさはNF3含有排ガスの流通する空間内にお
いて可能な限り大きいことが、排ガス中のNF3を効果的
に分解処理する上で好ましい。尚、補助陽極2′を、陰
極対1と陽極対2により形成される空間内に配設置させ
ることにより、直流は勿論、特に陰極と陽極とが一定の
周期をもって反転を繰り返す交流電源等において、長期
間安定したプラズマを得ることができるのである。即
ち、場合によっては、運転を続けているうちに、陰極と
陽極の近接した部分・箇所においてスパークやアーク放
電が発生する場合があるが、かかる現象が発生すると、
排ガスの分解効率が著しく低下し、もはや運転を継続す
ることができず操作を停止せざるを得なくなるなる場合
がある。これに対し補助陽極2′を放電空間内に配設せ
しめることにより、かかる現象の発生を効果的に防止す
ることができ、長期間の安定した操作を確保することが
できるのである。補助陽極2′を設置する場合の基準と
しては、陰極の投影面積に対し、陽極及び補助陽極2′
の投影面積和が近似した値となるようにすることが好ま
しい。尚、本装置において電極の投影面積とは、電極上
の電位が同一である点すべてで囲まれる面積と定義され
る。
また、陰極に空隙部を有すこと、例えばメッシュ状、
多孔板状あるいはスリット板状とすることが、かかる投
影面積を維持しつつ実質的な陰極面積を小さくして陰極
電流密度を高め、高い排ガス処理速度を少ない供給電力
で実現することができるため有効な手段である。一方、
陽極は電子の捕集の役割を果たせればよく、平板のみな
らず、メッシュ状、多孔板状あるいはスリット板状の如
き空隙を有する形状、もしくは棒状や針状であってもな
んら差し支えない。
かかる形状の電極を具備した本装置を示すと、第8図
〜第13図の各図が挙げられる。
本装置において陰極対1、陽極対2及び補助陽極2′
の数は、上記した至適な陰極間距離が確保されている限
り特に制限はなく、例えば、第2図(イ)〜(ニ)及び
第4図(イ)〜(ニ)に示すが如き態様が取られ得るの
である。尚、第2図(イ)〜(ニ)は補助陽極を配設し
ない場合の図であり、第4図(イ)〜(ニ)は補助陽極
2′を配設した場合の図である。そして、第2図(イ)
〜(ニ)と第4図(イ)〜(ニ)は、それぞれ補助電極
2′を配設しない場合と配設した場合の対応図である。
また、NF3含有排ガスが流れる流路は、当然のことな
がら、プラズマ空間を通過することのなく排出されるガ
スの流れを存在させないことが、排ガス処理を効果的に
行うために重要であり、陰極対1から構成される空間の
一端を本装置の排ガス導入口5と、かつ他端を排ガス導
出口6と連結させることが必要である。また、排ガス流
路中の該排ガスの流通方向は、鉛直線に対し平行方向も
しくは鉛直方向を含む任意の角度を採用できる。しか
し、排ガス中のNF3と電極とが反応して生成する弗化物
が常温で固体である金属等を電極として使用する場合に
は、該生成した固体弗化物を電極面から自由落下させて
除くことを勘案し、鉛直方向に設定されることが望まし
い。
更に、かくの如き寸法および構成の少なくとも一対の
陰極を対向させてなる陰極対1と、同じく少なくとも一
対の陽極を対向させてなる陽極対2とから電極組を構成
し、該電極組を排ガスの流通方向に複数組直列に配置し
て電極組列とし、このような電極組列の一端を排ガス導
入口とかつ他端は排ガス導出口と連結させることが、排
ガスの処理効率の向上に極めて有効であり、処理排ガス
量が多量なる場合に特に効果的である。第5図及び第6
図(イ)、(ロ)はかかる電極組を二組直列に結合した
例を示すもので、第5図はその正面断面図、第6図
(イ)、(ロ)は第5図におけるA−A′矢視断面図で
ある。ここで第6図(イ)は補助陽極2′を配設しない
場合の図であり、第6図(ロ)は補助陽極2′を配設し
た場合の図である。
しかして、電極組列の数は、処理量、圧力、供給電力
により任意に設定すればよい。各電極組により形成(郭
定)される空間内を、第5図に示したように、排ガスが
下降流、上昇流と順次流通する構成は、本装置の最も好
ましい実施形態の一つである。なお、このとき、直列に
配置された電極組と電極組の間に、各々のプラズマの独
立性を確保し、一つのプラズマが他方に回り込むことの
ないように、放電を遮断する隔離壁7を存在せしめるこ
とが、放電間の相互作用を回避する上で非常に有効な手
段である。隔離壁7はポリテトラフルオロエチレンのご
とき絶縁物を使用することが好ましいが、電極組の構成
によっては必ずしもこの限りではない。
本装置において使用する電源は、直流、交流、高周波
の何れでもよいが、位相整合の不要な直流及び交流が好
ましく、アーク放電の持続防止のため交流電源がより好
ましい。もっとも、負荷範囲によっては必ずしもこの限
りではない。更に、本装置におけるプラズマは概して定
電圧と見なせる電流〜電圧特性を呈するが故に、排ガス
の連続的かつ安定的な処理を実施するためには、定出力
電源もしくは定電流電源を採用することが便利である。
本装置においては、陰極対向方向に磁界を形成するた
めの磁界印加装置3を放電管8に設ける。ここで陰極対
向方向に磁界を形成するとは、陰極面に垂直に磁力線が
交わる場合を基本とし、この、±45゜程度の範囲で交わ
る場合をも包含するものとする。磁界は直流、交流磁界
の何れでもよいが、プラズマ反応を連続的に実施する見
地及び廉価かつ簡便であることから、該磁界印加装置3
としては、永久磁石を用いた直流磁界が好ましい。永久
磁石としては、焼結型磁石や樹脂中に混合成形されたプ
ラスチック磁石でよく、磁束密度を高めるためには、ネ
オジウム−鉄−ほう素等の希土類磁石の使用が効果的で
ある。印加する表面磁束密度は数ガウス以上、好ましく
は100〜10,000ガウス程度である。実際の排ガス処理に
おいては、上記した如き構成を有する本装置の排ガス放
電処理装置に於いて、排ガス導入口5から排ガスを陰極
対1、陽極対2及び磁界印加装置3からなる磁界を重畳
されたプラズマ空間に導入する。導入されたNF3含有排
ガスは所定の滞留時間の間プラズマ反応により無害化処
理された後に、排ガス導出口6から排出され、真空ポン
プを経て大気中に放出される。無論、真空ポンプから排
出後の該排ガスは、化学的処理等の従来処理技術と組合
せて、更に処理を徹底化させることに何ら支障はない。
本発明においては、本装置の電極にステンレス鋼を用
いた場合は、排ガス中のNF3とステンレス鋼が反応して
電極の表面に弗化物を形成するが、この弗化物はプラズ
マ放電中に剥離して落下し、電極の表面は常に殆ど新し
い表面を露出している。従って、排ガス中のNF3はプラ
ズマ反応により良好に分解されるので、NF3が未分解あ
るいは異なる形態の窒素弗化物として系外へ排出される
ことは殆どないのである。
本装置の電極にタングステン、モリブデン等の如き、
NF3と電極材とが反応してガス状の弗化物を生成するも
のを電極材として使用すると、本装置により処理された
排ガスを水あるいはアルカリ水溶液と接触させて、含有
するガス状の弗化物を除去する必要が生ずるので好まし
くない。
しかし炭素を電極材に使用した場合には、生成するガ
ス状の弗化物が無害な四弗化炭素(CF4)のみであるの
で、上記の如きガス状の弗化物を除去する必要はない。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
尚、以下において%は特記しない限り容量基準とする。
実施例1〜3 第3図(すなわち第4図(イ))に示した構成の装置
を使用した。
即ち、排ガス導入口5及び排ガス導出口6の口径が50
mmで、内容積が2のステンレス鋼製の放電管8内に、
幅20cm、長さ30cm、厚み2mmのステンレス鋼製の板一対
を3cmの間隔で対向させて陰極対1とし、該陰極対1で
形成される空間内に、陰極と直角方向に、絶縁物4とし
てポリテトラフルオロエチレン(商標名テフロン)を介
して陰極と接触することなしに、幅2cm、長さ30cm、厚
み2mmのステンレス鋼製の板を対向させて陽極対2とし
た。また、陰極対1と陽極対2とからなる空間部内に、
該陽極とほぼ平行に陽極と同寸法のステンレス鋼製の板
からなる補助陽極2′を、陰極と接触することなく等間
隔で4枚設置した。陰極の両背面に上記と同様の絶縁物
4を介して表面磁束密度500ガウスのフェライト磁石3
を対向させ、ヨーク9により陰極対向方向に直流磁界を
形成させた。
陰極対1と陽極対2とを交流電源に接続し、排ガス導
入口5より100%のNF3ガスを第1表に示す圧力及び量で
導入してプラズマを発生させ、排ガス導出口6よりメカ
ニカルブースターポンプとロータリーポンプの併用によ
って真空排気を行なった。一定の電力を陰極に供給し
て、排ガス導出口6における残留NF3ガス濃度を四重極
質量分析装置により測定した。
その結果を第1表に示すが、何れの条件においても、
NF3ガスは効率よく分解されることが分かる。また、排
ガス導出口6における排ガス中に、N2F2、N4F4の如き窒
素弗化物ガスやその他の弗化物ガス及びF2ガスは検出さ
れなかった。
実施例4〜7 第12図(イ)(ロ)に示した構成の装置を使用した。
即ち、実施例1で使用した装置において、4枚の補助
陽極2′に代えて2枚の陽極間に直径6mm、長さ20cmの
炭素棒からなる補助陽極2′を6本等間隔にガスの流通
方向に対して水平方向に、かつ陰極及び陽極と接触する
ことなく設置した。
以下第2表に示す条件以外は実施例1〜3と同一の方
法で、100%のNF3ガスのプラズマ放電による分解を行な
った。
その結果を第2表に示すが、実施例1〜3と同様に何
れの条件においても、NF3ガスは効率よく分解されるこ
とが分かる。尚、排ガス導出口6における排ガス中に
は、補助陽極2′に炭素棒を使用しているのでCF4の存
在が認められた。
実施例8〜11 第13図(イ)(ロ)に示した構成の装置を使用した。
即ち、実施例1で使用した装置において、陰極及び陽
極を直径6mm、長さ30cmの炭素棒に代えた。陰極及び陽
極はガスの流通方向に対して平行に、かつ、絶縁物4表
面のほぼ中央に各1対設置した。尚、補助陽極は配設し
なかった。
以下第3表に示す条件以外は実施例1〜3と同一の方
法で、100%のNF3ガスのプラズマ放電による分解を行な
った。
その結果を第3表に示すが、実施例1〜3と同様に何
れの条件においても、NF3ガスは効率よく分解されるこ
とが分かる。尚、排ガス導出口6における排ガス中に
は、陰極及び陽極に炭素棒を使用しているのでCF4の存
在が認められた。
[発明の効果] 以上詳細に説明した如く、本発明は半導体の製造時に
CVDチャンバーのクリーニングガスやドライエッチング
ガスとして使用された、NF3含有排ガスを、放電プラズ
マを利用した装置を使用して減圧下で無害化処理すると
いう方法である。
本発明の方法によりNF3含有排ガスは効率よく無害化
され、しかも、本発明で使用する排ガス処理装置は小型
であるので、CVDチャンバーやドライエッチングチャン
バーの出口に上記装置を挿入して使用することができ
る。
また、CVDチャンバーやドライエッチングチャンバー
の排ガスの圧力は、本発明でNF3含有排ガスを無害化す
る際の圧力の範囲内にあるので、本発明を実施するのに
特に圧力を調節する必要がないことも好都合である。
従って本発明の方法は、従来の方法である化学的に処
理して無害化する方法に比べて、装置が小型であること
もあって設備の建設費が少なく、かつ無害化処理の際の
処理費用が少なくてすむのである。また、従来の方法は
真空ポンプ以後において常圧の状態で無害化処理がなさ
れるが、これに対し本発明の方法では、上記の通りCVD
チャンバー等の出口に排ガス処理装置を挿入することが
できるので、有害なNF3含有排ガスの漏洩時の安全対策
はCVDチャンバー等及び本発明で使用する排ガス処理装
置まで施されてあれば、保安上も十分である。
以上のように本発明の方法は、半導体製造業界におい
て多大の貢献をなすものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図は、本発明に使用する排ガス処理装置
の構成の一例を示す正面断面図であり、第1図は補助陽
極を配設しない場合の図、第3図は補助陽極を配設した
場合の図である。 第2図(イ)〜第2図(ニ)及び第4図(イ)〜第4図
(ニ)は、本発明における電極の構成例を示す断面図で
あり、第2図(イ)は第1図におけるA−A′矢視断面
図、第4図(イ)は第1図におけるA−A′矢視断面図
である。 第5図及び第6図(イ)、(ロ)は本発明における電極
組を直列に配置して電極組列とする電極の構成例を示す
もので、第5図は正面断面図、第6図(イ)、(ロ)は
第5図におけるA−A′矢視断面図であり、6図(イ)
は補助陽極を配設しない場合の図、第6図(ロ)は補助
陽極を配設した場合の図である。 第7図は、閉回路磁界を採用した例を示す断面図であ
る。 第8図(イ)、第9図(イ)、第10図(イ)、第11図
(イ)、第12図(イ)、第13図(イ)は、棒状電極で構
成した例を示す側面断面図であり、第8図(ロ)、第9
図(ロ)、第10図(ロ)、第11図(ロ)、第12図
(ロ)、第13図(ロ)は、それぞれのA−A′矢視断面
図である。 図において、 1……陰極対、2……陽極対、 2′……補助陽極、3……磁界印加装置、 4……絶縁物、5……排ガス導入口、 6……排ガス導出口、7……隔離壁、 8……放電管、9……ヨーク、 を示す。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排ガス導入口と排ガス導出口を具備する管
    状容器内に陰極と陽極からなる少なくとも一対の電極を
    設けて構成した放電管と、該電極と接続される直流また
    は交流電源と、および該放電管内に形成された排ガス流
    路とを含む排ガス放電処理装置であって、該排ガス流路
    とほぼ平行に少なくとも一対のステンレス鋼製又は炭素
    製の陰極を対向させて陰極対とし、該陰極対により形成
    される空間の一端は該排ガス導入口と、かつ他端は該排
    ガス導出口と連結させられ、該空間内に該陰極とほぼ直
    角方向に少なくとも一対のステンレス鋼製又は炭素製の
    陽極を該陰極と接触することなく対向させて設け、管状
    容器の内壁と陰極及び陽極との間を絶縁物で遮蔽もしく
    は充填し、該陰極の対向方向に直流または交流磁界を形
    成する磁界印加装置を該放電管に設けた排ガス処理装置
    の排ガス導入口に、三弗化窒素含有排ガスを圧力が0.1m
    Torr〜10Torrの範囲で通気させてプラズマ放電すること
    を特徴とする三弗化窒素含有排ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】陰極対と陽極対により形成される空間内
    に、該陰極と接触することなく一以上のステンレス鋼製
    又は炭素製補助陽極を配設せしめた請求項1項に記載の
    排ガス処理装置を使用する三弗化窒素含有排ガスの処理
    方法。
  3. 【請求項3】少なくとも一対の陰極を対向させてなる陰
    極対と少なくとも一対の陽極を対向させてなる陽極対と
    から電極組を構成し、該電極組を複数組直列に配置して
    電極組列とし、さらに、直列に配置された電極組と電極
    組との間に各々の放電を遮断する隔離壁を設け、該電極
    組列の一端は排ガス導入口とかつ他端は排ガス導出口と
    連結させた請求項第1項に記載の排ガス処理装置を使用
    する三弗化窒素含有排ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】少なくとも一対の陰極を対向させてなる陰
    極対と少なくとも一対の陽極を対向させてなる陽極対と
    一以上の補助陽極とから電極組を構成し、該電極組を複
    数組直列に配置して電極組列とし、さらに、直列に配置
    された電極組と電極組との間に各々の放電を遮断する隔
    離壁を設け、該電極組列の一端は排ガス導入口とかつ他
    端は排ガス導出口と連結させた請求項第2項に記載の排
    ガス処理装置を使用する三弗化窒素含有排ガスの処理方
    法。
  5. 【請求項5】直列に配置された電極組と電極組との間に
    各々の放電を遮断する隔離壁を設けた請求項第3項又は
    第4項に記載の排ガス処理装置を使用する三弗化窒素含
    有排ガスの処理方法。
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