JP2925875B2 - メチルジアルコキシシランの安定化剤および安定化方法 - Google Patents
メチルジアルコキシシランの安定化剤および安定化方法Info
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- JP2925875B2 JP2925875B2 JP809193A JP809193A JP2925875B2 JP 2925875 B2 JP2925875 B2 JP 2925875B2 JP 809193 A JP809193 A JP 809193A JP 809193 A JP809193 A JP 809193A JP 2925875 B2 JP2925875 B2 JP 2925875B2
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- methyldialkoxysilane
- methyldimethoxysilane
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メチルジアルコキシシ
ランの保存あるいは輸送時などの安全化を図るための安
定化剤および安定化方法に関する。
ランの保存あるいは輸送時などの安全化を図るための安
定化剤および安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メチルジアルコキシシランは有用な化合
物で、各種有機ケイ素化合物やケイ素官能性ポリマーの
製造中間体としてしばしば用いられている。メチルジア
ルコキシシランは分子中にSi−H結合およびアルコキ
シ基を有しており非常に反応性に富む。例えば不均化反
応で容易にメチルシラン、メチルトリアルコキシシラン
に変わる。空気中の水分と脱水素反応を起こして水素や
メチルトリアルコキシシランを生成することもある。こ
うした反応は保存あるいは輸送中などに保存容器の内圧
を異常に上昇させるおそれがあり、メチルジアルコキシ
シランはこれまでも危険性が懸念されていた。
物で、各種有機ケイ素化合物やケイ素官能性ポリマーの
製造中間体としてしばしば用いられている。メチルジア
ルコキシシランは分子中にSi−H結合およびアルコキ
シ基を有しており非常に反応性に富む。例えば不均化反
応で容易にメチルシラン、メチルトリアルコキシシラン
に変わる。空気中の水分と脱水素反応を起こして水素や
メチルトリアルコキシシランを生成することもある。こ
うした反応は保存あるいは輸送中などに保存容器の内圧
を異常に上昇させるおそれがあり、メチルジアルコキシ
シランはこれまでも危険性が懸念されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、メチルジアルコキシシラ
ンを容器などで保存あるいは輸送している際などに生じ
るおそれのある異常反応を予防し、その安全性を図るメ
チルジアルコキシシランの安定化方法を提供することを
目的とする。
解決するためなされたもので、メチルジアルコキシシラ
ンを容器などで保存あるいは輸送している際などに生じ
るおそれのある異常反応を予防し、その安全性を図るメ
チルジアルコキシシランの安定化方法を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明のメチルジアルコキシシランの安定
化方法は、メチルジアルコキシシランにエポキシド類を
共存させる。共存させるエポキシド類としては例えば、
メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、
1,2−エポキシ−3−フェニルプロパン、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテ
ル、シクロヘキセンオキシド、シクロヘキサジエンジオ
キシド等が挙げられ、中でもフェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルまたはシ
クロヘキサジエンジオキシドが好ましく、特にフェニル
グリシジルエーテルまたはエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルが好ましい。これらは単独で用いられても
よく、組み合わされて用いられてもよい。
めになされた本発明のメチルジアルコキシシランの安定
化方法は、メチルジアルコキシシランにエポキシド類を
共存させる。共存させるエポキシド類としては例えば、
メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、
1,2−エポキシ−3−フェニルプロパン、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテ
ル、シクロヘキセンオキシド、シクロヘキサジエンジオ
キシド等が挙げられ、中でもフェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルまたはシ
クロヘキサジエンジオキシドが好ましく、特にフェニル
グリシジルエーテルまたはエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルが好ましい。これらは単独で用いられても
よく、組み合わされて用いられてもよい。
【0005】エポキシド類によって安定化されるメチル
ジアルコキシシランとしてはメチルジメトキシシラン、
メチルジエトキシシランが挙げられる。そのほかにも例
えばメチルジイソプロポキシシランが挙げられる。安定
化にあたってのメチルジアルコキシシランとのエポキシ
ド類の共存量は、メチルジアルコキシシラン100重量
部に対し1.0×10-3重量部〜10重量部、好ましく
は1.0×10-2重量部〜5重量部が望ましい。
ジアルコキシシランとしてはメチルジメトキシシラン、
メチルジエトキシシランが挙げられる。そのほかにも例
えばメチルジイソプロポキシシランが挙げられる。安定
化にあたってのメチルジアルコキシシランとのエポキシ
ド類の共存量は、メチルジアルコキシシラン100重量
部に対し1.0×10-3重量部〜10重量部、好ましく
は1.0×10-2重量部〜5重量部が望ましい。
【0006】このような安定化方法によると、メチルジ
アルコキシシランを常温下でも、また50℃というかな
り高温下でも安定的に保管することができる。
アルコキシシランを常温下でも、また50℃というかな
り高温下でも安定的に保管することができる。
【0007】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明のメ
チルジアルコキシシランの安定化剤を使用した安定化方
法によれば、メチルジアルコキシシランを常温下でも、
また50℃というかなり高温下でも化学的に安定的に保
管できる。保存あるいは輸送中、保存容器の内圧が異常
に上昇するおそれはほとんどない。メチルジアルコキシ
シランの取扱時の危険性が大幅に解消されることにな
る。
チルジアルコキシシランの安定化剤を使用した安定化方
法によれば、メチルジアルコキシシランを常温下でも、
また50℃というかなり高温下でも化学的に安定的に保
管できる。保存あるいは輸送中、保存容器の内圧が異常
に上昇するおそれはほとんどない。メチルジアルコキシ
シランの取扱時の危険性が大幅に解消されることにな
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0009】実施例1 メチルジメトキシシラン10gに対して0.01gのフ
ェニルグリシジルエーテルを添加し、20ミリリットル
のガラスサンプルびん中に22日間、25℃下で保存し
た。保存期間経過後、サンプルびん中のメチルジメトキ
シシランの残存量とメチルトリメトキシシランの生成量
をガスクロマトグラフィーによって調べた。結果を表1
に示す。
ェニルグリシジルエーテルを添加し、20ミリリットル
のガラスサンプルびん中に22日間、25℃下で保存し
た。保存期間経過後、サンプルびん中のメチルジメトキ
シシランの残存量とメチルトリメトキシシランの生成量
をガスクロマトグラフィーによって調べた。結果を表1
に示す。
【0010】
【表1】
【0011】実施例2、3 実施例1と同様にしたが、フェニルグリシジルエーテル
を使用しない代わりにエチレングリコールジグリシジル
エーテルまたはシクロヘキセンオキシドを使用した。結
果を表1に示す。
を使用しない代わりにエチレングリコールジグリシジル
エーテルまたはシクロヘキセンオキシドを使用した。結
果を表1に示す。
【0012】比較例1 フェニルグリシジルエーテルなどのエポキシド類を添加
することなく、メチルジメトキシシラン10gを20ミ
リリットルのガラスサンプルびん中で22日間、25℃
下で保存した。保存期間経過後、サンプルびん中のメチ
ルジメトキシシランの残存量とメチルトリメトキシシラ
ンの生成量をガスクロマトグラフィーによって調べた。
結果を表1に示す。
することなく、メチルジメトキシシラン10gを20ミ
リリットルのガラスサンプルびん中で22日間、25℃
下で保存した。保存期間経過後、サンプルびん中のメチ
ルジメトキシシランの残存量とメチルトリメトキシシラ
ンの生成量をガスクロマトグラフィーによって調べた。
結果を表1に示す。
【0013】実施例1〜3、比較例1の結果から、メチ
ルジメトキシシランに対しフェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルにはいづ
れも優れた保存安定性効果のあることが分かった。シク
ロヘキセンオキシドにも保存安定性効果のあることが分
かった。
ルジメトキシシランに対しフェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルにはいづ
れも優れた保存安定性効果のあることが分かった。シク
ロヘキセンオキシドにも保存安定性効果のあることが分
かった。
【0014】実施例4 メチルジメトキシシラン20gに対して0.2gのフェ
ニルグリシジルエーテルを添加し、50℃の油浴で24
時間加熱した。その後、油浴中のメチルジメトキシシラ
ンの残存量とメチルトリメトキシシランの生成量をガス
クロマトグラフィーによって調べた。結果を表2に示
す。
ニルグリシジルエーテルを添加し、50℃の油浴で24
時間加熱した。その後、油浴中のメチルジメトキシシラ
ンの残存量とメチルトリメトキシシランの生成量をガス
クロマトグラフィーによって調べた。結果を表2に示
す。
【0015】
【表2】
【0016】実施例5、6 実施例4と同様にしたが、フェニルグリシジルエーテル
を使用しない代わりにエチレングリコールジグリシジル
エーテルまたはシクロヘキセンオキシドを使用した。結
果を表2に示す。
を使用しない代わりにエチレングリコールジグリシジル
エーテルまたはシクロヘキセンオキシドを使用した。結
果を表2に示す。
【0017】比較例2 フェニルグリシジルエーテルなどのエポキシド類を添加
することなく、メチルジメトキシシラン20gを50℃
の油浴で24時間加熱した。その後、油浴中のメチルジ
メトキシシランの残存量とメチルトリメトキシシランの
生成量をガスクロマトグラフィーによって調べた。結果
を表2に示す。
することなく、メチルジメトキシシラン20gを50℃
の油浴で24時間加熱した。その後、油浴中のメチルジ
メトキシシランの残存量とメチルトリメトキシシランの
生成量をガスクロマトグラフィーによって調べた。結果
を表2に示す。
【0018】実施例4〜6、比較例2の結果から、メチ
ルジメトキシシランに対し、フェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルにはいづ
れも優れた熱安定性効果のあることが分かった。シクロ
ヘキセンオキシドにも熱安定性効果のあることが分かっ
た。
ルジメトキシシランに対し、フェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルにはいづ
れも優れた熱安定性効果のあることが分かった。シクロ
ヘキセンオキシドにも熱安定性効果のあることが分かっ
た。
【0019】実施例7〜9、比較例3 メチルジメトキシシランをメチルジエトキシシランに変
えた以外は実施例1〜3、比較例1と同様に実施し、メ
チルジエトキシシランの残存量とメチルトリエトキシシ
ランの生成量をガスクロマトグラフィーによって調べ
た。結果を表3に示す。
えた以外は実施例1〜3、比較例1と同様に実施し、メ
チルジエトキシシランの残存量とメチルトリエトキシシ
ランの生成量をガスクロマトグラフィーによって調べ
た。結果を表3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】実施例7〜9、比較例3の結果から、メチ
ルジエトキシシランに対し、フェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルにはいづ
れも優れた保存安定性効果のあることが分かった。シク
ロヘキセンオキシドにも保存安定性効果のあることが分
かった。
ルジエトキシシランに対し、フェニルグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテルにはいづ
れも優れた保存安定性効果のあることが分かった。シク
ロヘキセンオキシドにも保存安定性効果のあることが分
かった。
【0022】実施例10〜12、比較例4 メチルジメトキシシランをメチルジエトキシシランに変
えた以外は実施例4〜6、比較例2と同様に実施した。
メチルジエトキシシランの残存量とメチルトリエトキシ
シランの生成量をガスクロマトグラフィーによって調べ
た。結果を表4に示す。
えた以外は実施例4〜6、比較例2と同様に実施した。
メチルジエトキシシランの残存量とメチルトリエトキシ
シランの生成量をガスクロマトグラフィーによって調べ
た。結果を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】実施例10〜12、比較例4の結果から、
メチルジエトキシシランに対し、フェニルグリシジルエ
ーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルには
いづれも優れた熱安定性効果のあることが分かった。シ
クロヘキセンオキシドにも熱安定性効果のあることが分
かった。
メチルジエトキシシランに対し、フェニルグリシジルエ
ーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルには
いづれも優れた熱安定性効果のあることが分かった。シ
クロヘキセンオキシドにも熱安定性効果のあることが分
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幹夫 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社合成技術研 究所内 (56)参考文献 特開 昭61−1694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/18
Claims (2)
- 【請求項1】 メチルグリシジルエーテル、エチルグリ
シジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、スチレ
ンオキシド、1,2−エポキシ−3−フェニルプロパ
ン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリ
シジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、シクロヘキ
サジエンジオキシドの中から選択されるエポキシド類を
含むメチルジアルコキシシランの安定化剤。 - 【請求項2】 メチルジアルコキシシランにエポキシド
類を共存させることを特徴とするメチルジアルコキシシ
ランの安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP809193A JP2925875B2 (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | メチルジアルコキシシランの安定化剤および安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP809193A JP2925875B2 (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | メチルジアルコキシシランの安定化剤および安定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06220417A JPH06220417A (ja) | 1994-08-09 |
JP2925875B2 true JP2925875B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=11683657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP809193A Expired - Fee Related JP2925875B2 (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | メチルジアルコキシシランの安定化剤および安定化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2925875B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4397647B2 (ja) | 2003-07-30 | 2010-01-13 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | ヒドロアルコキシシランの安定化剤、安定化方法および安定化されたヒドロアルコキシシラン |
-
1993
- 1993-01-21 JP JP809193A patent/JP2925875B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06220417A (ja) | 1994-08-09 |
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