JP2923063B2 - 多視点ステレオ画像計測方法 - Google Patents

多視点ステレオ画像計測方法

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JP2923063B2 JP3045404A JP4540491A JP2923063B2 JP 2923063 B2 JP2923063 B2 JP 2923063B2 JP 3045404 A JP3045404 A JP 3045404A JP 4540491 A JP4540491 A JP 4540491A JP 2923063 B2 JP2923063 B2 JP 2923063B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステレオ画像処理によ
って物体の位置を計測する方法に関し、特に複数の視点
からの計測結果に統計処理を施して物体の位置を計測す
る多視点ステレオ画像計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場における自動検査、測量などの分野
において、3次元空間を視点に設けられた左右の2台の
カメラによって2次元平面に投影し、2台のカメラ間の
視差により物体の位置を計測するステレオ画像計測方法
が用いられている。まず、このステレオ画像計測方法に
ついて図3により説明する。3次元空間を表す座標とし
てx,y,zを用い、この3次元空間を左右の2台のカメ
ラによって投影した2次元の画像面2、3上の位置を表
す座標としてu,vを用いる。x軸とu軸、z軸とv軸
はそれぞれ平行であり、y軸はカメラの光軸1に平行で
あるとする。また、測量などの場合と同様に、xy平面
は地平面と平行に水平であると仮定する。水準器などを
用いれば、水平面を0.1mradの精度で容易に設定でき
るから、この仮定は妥当なものである。視点を3次元空
間座標系(xyz座標系)の原点Oとし、左右のカメラ
の投影中心Fl,Frの中点を前記原点Oと一致させる。
左右のカメラ間の距離を2aとすると、投影中心Fl,F
rの3次元空間内の座標はぞれぞれ(-a,0,0),(a,0,0)と
なる。なお、現実のカメラの場合には、画像面はカメラ
の投影中心に関して計測対象の反対側にあり画像は倒立
像となるが、図3では説明を容易にするため、画像面を
計測対象と同じ側の、投影中心に関して対称の位置に
し、画像が正立像となるようにしてある。このとき投影
中心Fl,Frと画像面との距離をfとすると、左右のカ
メラの画像面2、3における画像原点Ol,Orの3次元
空間座標はそれぞれ(-a,f,0),(a,f,0)で表される。以
下、左、右の画像をそれぞれ添字l,rで表す。
【0003】3次元空間内の点Pが、左右の画像面2、
3上の点Il(ul,vl),Ir(ur,vr)にそれぞれ投影された
とする。ステレオ画像計測方法では、画像面上で点Il,
rを計測し、三角測量の原理によって点Pの3次元空
間座標(x,y,z)を算出する。ここでは、2台のカメラの
光軸1が水平面内にあり、かつx軸とu軸とが平行であ
るから、vlとvrとは同じ値となり、以下両者を区別せ
ずvで表す。直線FllとFrrが点Pで交わるという
条件から点P(x,y,z)は、 x = a(ul+ur)/(ul−ur) …(1) y = 2af/(ul−ur) …(2) z = 2av/(ul−ur) …(3) と求められる。
【0004】このようなステレオ画像計測を行うための
装置の一例の構成を図4に示す。この装置はデジタル画
像処理によるものであり、左右の2台のテレビカメラ4
で撮像された画像は、それぞれ走査線ごとに走査されて
時間的に連続した画像信号に変換される。この画像信号
は、各テレビカメラ4ごとに設けられたデジタイザ5に
入力し、デジタイザ5内のサンプラによって、碁盤の目
のように2次元に配列された縦横それぞれ数百個の画素
に標本化され、さらにデジタイザ5内のA/D変換器に
よって、各画素に入射した光量に対応した数百階調に量
子化される。このように左右の画像はそれぞれデジタル
画像に変換され、各デジタイザ5ごとに設けられた画像
メモリ6のそれぞれに記憶される。そして計算機(CP
U)7により、記憶されたデジタル画像に微分処理を施
すなどして明るさの変化する場所としての物体の境界を
検出する。このような処理を左右の画像について行うこ
とにより、それぞれの画像面上の対応点Il(ul,vl),Ir
(ur,vr)が求められる。そののち上記式(1)〜(3)によっ
て点P(x,y,z)を求めればよい。
【0005】次に、ステレオ画像計測における誤差の性
質について説明する。ステレオ画像計測を満足するよう
な位置精度でカメラを設定することは可能であり、ステ
レオ画像計測における誤差は、主として画像面上での投
影点の位置計測精度に起因する。ここでは、画像面上で
の投影点の位置計測精度と3次元空間内での位置決定精
度との関係について考察する。簡単のため、ul,ur,v
の計測誤差は統計的に同じ性質を有し、それらの標準偏
差がσであるとする。誤差の伝播法則から、式(1)〜(3)
により求められるx,y,zの標準偏差σxyzは、
【数1】 のように表される。
【0006】通常、カメラの標準的な全視野角は50°
程度以下であり、計測対象は主に地表面近くにあること
から、y≫x>zとなる。よって、視点と計測対象まで
の距離(x2+y2+z21/2はyで近似できる。したが
って、式(4)〜(6)より、x軸方向およびz軸方向すなわ
ち左右および上下方向では誤差が距離に比例して大きく
なるのに対し、y軸方向すなわち奥行き方向では誤差が
距離の2乗に比例して大きくなることがわかる。このた
めにステレオ画像計測では、視点から計測対象までの距
離の増加とともに特に奥行き方向での計測誤差が著しく
低下するという問題がある。
【0007】このような問題を解決し精度の高い計測を
行う方法として、従来、2種類のものがあった。第1の
方法は、式(4)〜(6)におけるσを小さくするすなわち画
像面上の投影点の座標ul,ur,vを精度よく計測するこ
とによりσxyzを減少させる方法である。特にデ
ジタル画像処理を行う場合には、画像をせいぜい縦横そ
れぞれ数百個の画素に標本化するため空間分解能が低
く、画像面上の座標を決定するさいの誤差が大きい。そ
こで特願昭63-196007に示されるように、標本化された
データを補間して画像面上の座標を精度よく求める方法
が提案されている。データの補間を行うことによりある
程度精度は向上するが、視点と計測対象との距離の増加
とともにその増加をはるかに上回る誤差が生じてしま
う。
【0008】第2の方法は、相対的な位置関係が既知で
ある複数の視点から計測した多数のデータを統合するこ
とにより精度を向上させる方法である。なお、前記第1
の方法とこの第2の方法とは独立のものであるから、併
用することにより両者の利点を活かすことができる。こ
の第2の方法は、奥行き方法の誤差が視点から計測対象
までの距離の2乗に比例することに注目し、各視点から
得られた計測データに距離の2乗に逆比例する重みをつ
け、重み付き平均を求めて真の座標を推定する方法であ
る(浅田 稔,"センサ情報の統合と理解による移動ロボ
ットのための世界モデルの構築",日本ロボット学会誌,
8巻,2号,160〜170頁)。
【0009】この第2の方法について図5を用いて説明
する。図5では簡単のため、2次元で表示し、記号 ̄を
付加することにより各座標軸を表示してある。第1の視
点を原点とする座標系(第1の視点座標系)を基準座標
系とし、第iの視点を原点とする座標系(第iの視点座
標系)においてPi(xi,yi,zi)で現される点の第1の視
点座標系での表示をi1(ix1,iy1,iz1)とする。ここで
i=1,2,…,nであり、nは計測に用いた視点の総数であ
る。さらに計測値と推定値とをそれぞれ
【外1】 で区別する。この方法では、複数の視点から得られたデ
ータに対し、各視点からの距離の2乗に逆比例した重み
iを用いて、
【数2】 により計測対象の座標
【外2】 を推定するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の複数の視点を用
い距離の2乗に逆比例した重みを用いて重み付き平均を
求める方法では、誤差の異方性を考慮していないため、
計測対象の位置の正しい推定値が得られないという問題
点がある。以下、その理由について図6を用いて説明す
る。図6では簡単のため2次元計測の場合を考える。
【0011】基準座標系として第1の視点座標系を使用
し、この座標系における物体の真の点をP1 0(x1 0,y1 0)
とし○で表す。また、第1の視点O1から点P1 0を計測
したときの計測値、第2の視点O2から点P1 0を計測し
たときの計測値のそれぞれを
【外3】 とし、それぞれ●で表す。また、 ̄を用いて各座標軸を
【外4】 のように表す。図6において、各視点座標系のyi方向
に長軸を有する楕円10が描かれているが、ステレオ計
測における等誤差面は奥行き方向に長軸が概ね向いてい
る楕円体となるので、この楕円10は等誤差面を表して
いる。計測されたxy座標値に単純に距離の2乗に逆比
例した重みを用いた場合には、2点
【外5】 を結ぶ直線上の内分点として△で表示されている推定点
【外6】 を求める。しかしステレオ画像計測における誤差の性質
を考えると、誤差が等方的ではないため、真の点P1 0
この直線上にあることは偶然であり、通常の場合は図6
に示したようにこの直線上にはなく、正しい推定が行わ
れないことになる。
【0012】本発明の目的は、複数の視点からの計測結
果に統計処理を施して物体の位置を計測する多視点ステ
レオ画像計測方法において、誤差の異方性を考慮した統
計処理を施すことにより、計測精度を向上させた方法を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の多視点ステレオ
画像計測方法は、n(ただしn≧2)の視点を用い、第
1の視点において前記物体を撮影し、撮影されたステレ
オ画像を演算処理して、前記第1の視点を基準点とする
第1の視点座標系により前記物体の座標を計測する第1
の工程と、前記第1の視点に既知量の並進操作および回
転操作を施して得た第i(ただし2≦i≦n)の視点の
それぞれにおいて前記物体を撮影し、撮影されたステレ
オ画像を処理して、前記第iの視点を基準点とする第i
の視点座標系により前記物体の座標を計測する第2の工
程と、前記各視点座標系間の相対位置関係に基づいて、
前記第1の工程および第2の工程で行なわれた各計測の
誤差の確率密度関数を合成し、前記物体の最尤推定位置
を求める第3の工程とを有する。
【0014】
【作用】複数の視点間の相対位置関係に基づいて、複数
の視点からの計測の誤差の確率密度関数を求め、確率密
度関数を合成して最尤推定位置を求めるので、誤差の異
方性が結果に反映され、最も確からしい座標を求めるこ
とができる。以下、本発明の作用について詳述する。
【0015】まず、本発明の作用を述べるに当たり、ス
テレオ画像計測における誤差の異方性の性質について説
明する。ステレオ画像計測では、上述したように物体が
投影された左右の画像面上の座標から上述の式(1)〜(3)
を用いて計測対象の物体の座標を求める。したがって、
3次元空間における位置の決定精度は、画像面上の座標
の計測精度に依存する。ここでは画像面上の座標の計測
誤差が標準偏差σの正規分布にしたがうと仮定する。ま
たこの計測には、垂直方向と水平方向との測定値の間の
相互干渉、さらには左右の画像の測定値間の相互干渉が
なく、それぞれの誤差が互いに影響を与えないとものと
する。水平方向と垂直方向の測定の標準偏差σuv
互いに異なる場合もありうるが、ここでは説明の簡単の
ためすべて同一とする。仮に標準偏差σuvが異なる
としても結論に大異はない。
【0016】この標準偏差σは、使用する測定系、すな
わち光学系や画像面座標の決定アルゴリズムによって決
定される固有の値である。画像面上の座標ul,ur,vの
計測誤差が独立であって、それぞれが同じ正規分布をす
るという仮定から、計測誤差dul,dur,dvが同時に
起こる確率密度関数Sは、
【数3】 で与えられる。標準偏差σが定数であることと指数関数
が単調増加関数であることから、誤差評価関数Eを E = dul 2+dur 2+dv2 …(11) とおけば、最も確からしい座標は、Sを最大すなわちE
を最小にする座標として求められる。
【0017】2次元の画像座標系で表されているEを次
のように3次元の空間座標系に変換する。式(1)〜(3)を
l,ur,vについて解くと、 ul = f(x+a)/y …(12) ur = f(x−a)/y …(13) v = fz/y …(14) が得られる。式(12)〜(14)の全微分をとると、
【数4】 となることから、式(15)〜(17)を式(11)に代入すると、
【数5】 が導かれる。式(18)はdx,dy,dzとEの関係、すな
わちdx,dy,dzと確率密度関数Sとの関係を表して
いる。
【0018】通常、実際のステレオ画像計測では、図3
に示したxy平面は水準器などを用いてmrad以下に水平
を保って実施されるため、以下では視点間の相対位置関
係として鉛直軸まわりの回転と水平面内での平行移動を
考える。さらに、説明を簡単にするために平板測量など
の2次元の計測を考え、v軸については考慮しないもの
とする。しかし、以下の議論は3次元に容易に拡張でき
る。
【0019】式(10)に対応する2次元計測の確率密度関
数Sは、
【数6】 であり、これより得られる誤差評価関数Eは
【数7】 となる。すなわち、式(10),(11)において、dv=0と
し、(2π)3/2σ3を2πσ2で置き換えたものにな
る。式(20)は適当な直交変換によって次の標準方程式(2
1)に変形できる。 E/2f2 = λ1ξ2+λ2η2+ρ …(21) ここで、λ12は、式(20)の特性方程式
【数8】 の2根である。式(22)の根と係数との関係から、2根の
積λ1λ2および和λ1+λ2はそれぞれ λ1λ2 = (y2+x2+a2)/y4 > 0 …(23) λ1+λ2 = a2/y2 > 0 …(24) となり、 λ1>0、λ2>0 …(25) が導かれる。したがって式(19)で示された確率密度関数
Sの等誤差面は楕円であることが明らかになった。
【0020】次に、本発明の特徴である最尤推定座標の
求め方について説明する。n個の視点から同一物体をス
テレオ計測し、n個の計測結果を統合することにより計
測精度の向上を図る。ここでは各視点間の相対的な位置
関係、すなわち座標変換パラメータは既知であるとす
る。第i番目の視点における計測誤差を与える確率密度
関数をSi(i=1,2,…,n)とすると、最尤推定座標は
【数9】 を最大とする座標として与えられる。すなわち、
【数10】 を最小とする座標として求められる。ここで、dul,i,
dur,iは第i番目の視点における画像面上の投影座標
l,i,ur,iに含まれる誤差を表す。後で証明するよう
に、式(26)で表される各視点での誤差の確率密度関数、
あるいは式(27)で表される誤差楕円を合成すると、合成
後の等誤差面の形状が楕円となることから、この合成誤
差楕円の中心座標が最大確率を与えることになる。以
下、その求め方をを具体的に述べる。
【0021】図8に示すように、第iの視点における空
間座標系(第iの視点座標系)をxii座標で表し、第
1の視点座標系を基準座標系とする。x11座標系とx
ii座標系との関係は既知であり、その関係を次のよう
に表す。 xi = x1cosθi+y1sinθi−txi …(28) yi = −x1sinθi+y1cosθi−tyi …(29) すなわちxii座標系は、x11座標系を、x11平面
に直交しO1を通る軸のまわりにθだけ回転し、そのの
ち回転後の座標軸に沿ってtx,tyだけ平行移動したも
のであるとする。
【0022】今、第iの視点座標系において座標P
i 0(xi 0,yi 0)にある物体を計測して得られた計測座標
【外7】 で表す。すなわち真の座標に添え字0を、また計測され
た座標に記号を用いて区別する。このとき、実空間内
における計測誤差dxi,dyiは、
【数11】 で表される。式(15),(16)においてx,yを
【外8】 と、またdx,dyをdxi,dyiとみなすことにより、
dul,i,dur,iが近似的に得られる。これらのdxi,
dyiを計算するのに必要な第iの視点座標系における
真の座標(xi 0,yi 0)を、式(28),(29)を用いて第1の視
点座標系での座標(x1 0,y1 0)で記述する。これらの結
果を式(27)に代入することにより、合成確率密度関数の
等誤差面の方程式は、x1 0,y1 0と各視点での計測座標
【外9】 を用いて、
【数12】 と書ける。ここで係数c1i〜c6iは、
【数13】 である。
【0023】次に、第1の視点における最尤推定座標
を、式(32)の合成誤差評価関数すなわち合成楕円の中心
【外10】 として求める。式(32)について、
【外11】 が原点になるような座標原点の平行移動
【数14】 を考える。式(39),(40)を式(32)に代入すると、式(32)
は E = C11 2+C21 2+2C311+2C41+2C51+C6 …(41) となる。ただし、C1〜C6はそれぞれ
【数15】 である。合成楕円の中心を原点としたことから、X1
1の係数すなわち式(45),(46)で表されるC4とC5はそ
れぞれ0でなければならない。この条件から得られる連
立方程式を解くことによって、最尤推定座標
【外12】 は、次のように求められる。
【数16】
【0024】次に、合成確率密度関数の等誤差面、すな
わち誤差楕円を合成した結果が楕円になることを証明す
る。第1、第2の視点から計測して得られた計測結果の
不確実性を示す誤差楕円をそれぞれ第1、第2の誤差楕
円とする。これら誤差楕円は、適当な大きさの誤差に対
応する等誤差面を構成する楕円である。図7に示すよう
に、第1の誤差楕円11の中心を原点Q1とし、この楕
円の主軸と一致するように座標軸ξ1軸,η1軸をとり
(第1の視点座標系)、これら各軸方向の半径をそれぞ
れrξ1,rη1とする。また第2の誤差楕円12につい
ても同様にその中心を原点Q2とし、主軸と一致するよ
うにξ2軸,η2軸をとり(第2の視点座標系)、これら
各軸方向の半径をそれぞれrξ1,rη1とする。ここで
は、rη1,rη2をそれぞれ長軸とし、rξ1,rξ2を短
軸とするように座標軸をとるものとする。
【0025】ところで、誤差評価関数Eとして、各視点
における計測の等誤差面の方程式
【数17】 を考える。なお図7の誤差楕円11、12は式(50)、(5
1)で表される誤差評価関数E1,E2の値がそれぞれ1と
なる場合の等誤差面を示したものである。ξ1η1座標系
とξ2η2座標系との関係は既知であり、その関係を次の
ように表す。 ξ2 = ξ1cosθ + η1sinθ − tξ …(52) η2 = −ξ1sinθ + η1cosθ − tη …(53) すなわちξ2η2座標系は、ξ1η1座標系を、ξ1η1平面
に直交しQ1を通る軸のまわりにθだけ回転し、そのの
ち回転後の座標軸に沿ってtξ,tηだけ平行移動した
ものであるとする。
【0026】第1の視点と第2の視点からの計測結果を
統合するために、それぞれの視点における誤差評価関数
を合成する。式(20)に示すように合成誤差評価関数Eは
2つの視点における誤差評価関数E1,E2の和として求
められるので、式(50)〜(53)より E = E1 + E2 = c1ξ1 2+c2η1 2+2c3ξ1η1+2c4ξ1+2c5η1+c6 …(54) となる。ただし、係数c1〜c6は、
【数18】 である。式(54)は適当な直交変換により標準方程式(61)
に変換できる。 E = λ1'ξ'2+λ2'η'2+2c4'ξ'+2c5'η'+c6 …(61) ここで、λ1',λ2'は λ2−(c1+c2)λ+(c12−c3 2)=0 …(62) の2根である。式(62)の根と係数の関係から、2根の積
λ12'は、
【数19】 となり、積λ12'の符号は常に正である。また2根の
和λ1'+λ2'も、
【数20】 となり、その符号は正である。2根の積、和の両者とも
正であることから、λ1'>0、λ2'>0すなわち2根と
も正であることがわかる。
【0027】ところで式(61)は、
【数21】 と変形できる。式(65)はξ'=−c4'/λ1'、η'=−c
5'/λ2'で最小値Emin、 Emin =c6−c4'2/λ1'−c5'2/λ2' …(66) をとる。この最小値Eminより例えば1だけ大きい値E
min+1をとる点の軌跡を考えると、その軌跡の方程式
【数22】 で表される。λ1'>0、λ2'>0であることより式(67)
は楕円を表す。以上の結果から、等誤差面の形状が楕円
である計測結果を合成すると、合成誤差評価関数Eの表
す等誤差面も楕円となることが明らかになった。
【0028】次に、多視点画像計測の統合の原理による
精度の向上の効果について検討する。
【0029】計測誤差を誤差楕円の面積で評価する。第
1、第2の視点における誤差楕円および合成誤差楕円の
面積をそれぞれA1,A2,Acとすると、A1,A2,Acはそ
れぞれ
【数23】 で与えられる。式(102)〜(104)より明らかに A1>Ac,A2>Ac …(71) であり、合成誤差楕円の面積は、もとの2つの誤差楕円
の面積のいずれよりも小さい。
【0030】ここで、もとの2つの誤差楕円の面積の幾
何平均に対する合成誤差楕円の面積の縮小効率ηA
【数24】 で定義する。式(68)〜(70)を式(72)に代入すると、
【数25】 が得られる。rξ1,rξ2を短軸、rη1,rη2を長軸と
していることから、
【数26】 であり、この結果
【数27】 が導ける。したがって2つの誤差楕円の長径、短径の大
小とは無関係に、θ=π/2,3π/2のときすなわち
第1、第2の誤差楕円の長軸が直交する場合に、合成誤
差楕円の縮小効果が最大すなわち誤差分布が最小となる
ことがわかる。
【0031】次に、誤差の異方性すなわち誤差楕円の径
の大きさの違い、および第1と第2の誤差楕円の長径の
なす角度θの違いが合成誤差楕円に与える影響について
調べる。第1、第2の誤差楕円の長径および短径はそれ
ぞれ等しくrξ1=rξ2,rη1=rη2であるとし、長
径と短径の比をk(=rη1/rξ1=rη2/rξ2)であ
るとする。kをそれぞれ1,2,4,8,16とし、θをそれぞれ
0,π/8,π/4,3π/8,π/2としたときの合成誤差楕円の形
状を求めた結果を図9に示す。さらに上記各kの値に対
し、0≦θ≦π/2の範囲でθを連続的に変化させたと
きに式(73)より算出されるηAの値の変化の様子を図1
0に示す。図9、図10より、誤差の異方性が大きけれ
ば大きいほど、第1と第2の誤差楕円の長軸のなす角度
θが0より少し大きいだけでも、合成誤差楕円の縮小効
果が著しくなることがわかる。また、前述したように第
1、第2の誤差楕円の長軸が直交する場合に縮小効果が
最大となることから、異なる2視点から物体を計測する
場合、その物体上において視線が直交するように前記2
つの視点の位置関係を選べば、より精度よく計測が行な
えることがわかる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の多視点ステレオ画像計測方法
の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発
明の一実施例の多視点ステレオ画像計測方法における視
点と計測対象の物体の配置を説明する説明図、図2は図
1を計測対象の物体付近で拡大した説明図である。な
お、図2において、x1軸とy1軸の交点の座標は(-1,3
5)である。
【0033】計測は第1の工程から第3の工程までの3
工程からなっている。図1に示すように、視点の数は2
つであり、カメラ間隔(2a)を1mとし、各カメラには焦
点距離すなわち投影中心と画像面との距離が16.1m
mのレンズを装着して計測を行なった。以下、特に断ら
ない限り、座標値はm単位で記述されているものとす
る。図1において○で示すように第1の視点と第2の視
点を設定し、●で表される計測対象の物体の座標を計測
した。第2の視点座標系O2の原点を第1の基準座標系
で記述すると(28.03,36.23)となり、第1の視点座標系
から第2の視点座標系への回転角度は87.4°であ
る。回転角度を90°に近くしたのは、上述したよう
に、2つの誤差楕円の長軸が直交するときに精度の向上
が最大になるためである。また、計測対象の物体の真の
座標Pi 0は既知であって、第1の視点座標系によりその
値を表すと(-2.30,36.76)である。
【0034】まず第1の工程として、第1の視点におい
て計測対象の物体をカメラで撮影し、撮影されたステレ
オ画像を演算処理し、第1の視点座標系により表された
計測対象の座標
【外13】 を求めた。その結果、(-2.49,36.02)が得られた。この
第1の視点からの計測結果の座標を図1、図2において
+で表す。
【0035】次に第2の工程として、第2の視点におい
て計測対象の物体をカメラ撮影し、撮影されたステレオ
画像を演算処理し、第2の視点座標系により表された計
測対象の座標
【外14】 を求めた。その結果、(-0.87,29.67)が得られた。この
第2の視点座標系で表された座標値を第1の視点座標系
における値
【外15】 に変換すると、(-1.65,36.69)となる。第2の視点から
の計測結果を図1、図2において□で表す。
【0036】次に第3の工程として、計測対象の最尤推
定位置を求めた。上述した手順に従い、第1、第2の各
視点からの計測結果を上記式(33)〜(38),(48),(49)に代
入した。その結果、第1の視点座標系で表した最尤推定
座標
【外16】 は(-2.56,36.71)となり、真の位置からのずれは0.2
6mであった。この最尤推定座標を図2において△で表
す。一方、従来の重み付き平均法で得られる推定座標は
(-1.99,36.42)であり、その真の位置からのずれは0.
45mである。この従来法による推定座標を図2におい
て×で表す。以上の結果から、本実施例の測定結果は従
来例に比べ約2倍の精度を有し、本発明の多視点ステレ
オ画像計測方法によって高精度の計測が行なえることが
わかった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、複数の視
点間の相対位置関係に基づいて、複数の視点からの計測
の誤差の確率密度関数を求め、確率密度関数を合成して
最尤推定位置を求めることにより、誤差の異方性が結果
に反映され、従来の方法に比べ、(1)計測精度を向上で
き、(2)計測精度をよくするための視点の位置を決定す
ることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の多視点ステレオ画像計測方
法における視点と計測対象の物体の配置を説明する説明
図である。
【図2】図2は図1の計測対象の物体付近を拡大した説
明図である。
【図3】ステレオ画像計測の原理を説明する図である。
【図4】ステレオ画像計測に用いられる装置の構成を示
すブロック図である。
【図5】視点座標系間の関係を示す説明図である。
【図6】従来の多視点ステレオ画像計測方法の測定原理
を説明する図である。
【図7】誤差楕円間の位置関係を説明する図である。
【図8】各視点座標系間の関係を示す説明図である。
【図9】誤差の異方性と合成誤差楕円の形状との関係を
示す図である。
【図10】誤差楕円の長軸間の角度と誤差楕円の縮小効
率との関係を示した特性図である。
【符号の説明】
1 光軸 2 左カメラの画像面 3 右カメラの画像面 4 テレビカメラ 5 デジタイザ 6 画像メモリ 7 計算機 10 楕円 11 第1の誤差楕円 12 第2の誤差楕円
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井手 敦志 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−326029(JP,A) 特開 平5−256613(JP,A) 特開 平4−286905(JP,A) 特開 平3−6780(JP,A) 特開 昭60−173403(JP,A) 特開 昭60−171410(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G01C 3/06 G06T 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n(ただしn≧2)個の視点からの計測
    結果に統計処理を施して物体の位置を計測する多視点ス
    テレオ画像計測方法であって、第1の視点において前記
    物体を撮影し、撮影されたステレオ画像を演算処理し
    て、前記第1の視点を基準点とする第1の視点座標系に
    より前記物体の座標を計測する第1の工程と、前記第1
    の視点に既知量の並進操作および回転操作を施して得た
    第i(ただし2≦i≦n)の視点のそれぞれにおいて前
    記物体を撮影し、撮影されたステレオ画像を処理して、
    前記第iの視点を基準点とする第iの視点座標系により
    前記物体の座標を計測する第2の工程と、前記各視点座
    標系間の相対位置関係に基づいて、前記第1の工程およ
    び第2の工程で行なわれた各計測の誤差の確率密度関数
    を合成し、前記物体の最尤推定位置を求める第3の工程
    とを有する多視点ステレオ画像計測方法。
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