JP2922641B2 - 医学的薬剤による治療法 - Google Patents

医学的薬剤による治療法

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願の相互参照 本出願は、1989年8月2日出願の同時係属出願第07/3
88,684号の一部継続出願である。
発明の分野 本発明は短期の有益な効果、およびその他の特に長期
の副作用を有する医学的薬剤または治療分子による患者
の治療に関する。
発明の背景 多くの医学的薬剤は、一種またはそれ以上の組織で所
望の生物学的効果を得るために患者に投与される。しば
しば、投与物質の治療効果は毒性作用を伴なう。毒性作
用は即時もしくは遅延、急性もしくは慢性、またはこれ
らの任意の組合せであり得る。毒性作用には、放射線被
曝、その物質に対する免疫化、正常な代謝スキームの変
化、特定組織の損傷、およびその他の多様な徴候および
/または特異体質の徴候が包含され得るが、それらに限
定されない。
医学的薬剤はまた、病気を診断する目的でも投与され
る。その薬剤がこの目的に有効である期間はしばしば限
定される。診断剤として投与された薬剤の相対的な有効
性もまた身体中の特定の組織に対するその薬剤の標的ね
らいの相対的な特異性により限定されうる。投与された
物質の除去により、しばしばその物質の有効性が増強さ
れうる。
本発明は、治療目的または診断目的のための多種の医
学的薬剤による患者の治療方法を開示する。本発明の範
囲内に包含される医学的薬剤群を限定する共通の要素
は、それら全てが種々の理由で、初期の治療後丁度良い
時期に或る点に達し、そこで患者の体内におけるそれら
の継続した存在が最早所望されず一般に有害であること
である。或る場合には、循環する医学的薬剤が身体に有
毒である。他の状況においては、医学的薬剤そのものは
有毒ではないが、その薬剤を排泄させる身体スキームが
その身体に有害である可能性がある。多くの場合、薬剤
は体内の或る種の組織中でその薬剤の循環濃度と平衡し
て蓄積しよう。これらの場合、薬剤毒性がこれらの組織
に局剤化される。
本発明の方法は、医学的薬剤による患者の治療および
患者の身体からのその薬剤のその後の選択的な体外除去
を包含する。患者からの薬剤の体外除去は既知操作であ
るが、一体化された治療スキーム内でのその組合せは従
来記載されていない。
本発明方法に若干関係する治療スキームに於いて、患
者体内への外来タンパク質の導入で始まる操作が記載さ
れている。これらの外来タンパク質即ち外因性タンパク
質は、患者の体内の望ましからぬ要素を免疫的に攻撃す
るために患者に導入される免疫毒素であり得る。そのう
ちに、外因性タンパク質の存在により、患者の免疫系を
介して、外因性タンパク質に対する抗体が生成される。
抗体の存在により、外因性タンパク質の有益な効果が効
果的に中和されよう。
Balint,Jr.らの米国特許第4,865,841号および同第4,8
01,449号並びにTermanらの米国特許第4,215,688号はそ
れぞれ治療操作を記載しており、それによれば内因的に
生産された抗体が選択的な体外治療により患者から除去
される。これらの場合のそれぞれに於いて、血漿から内
因性タンパク質を選択的に固定化するであろう物質を共
有結合することにより免疫吸着カラムが調製される。除
去すべき内因性タンパク質は最初に投与された外因性タ
ンパク質に対する抗体であるので、選択的免疫吸着は外
因性タンパク質をカラム物質に結合させることにより達
成できる。本発明とBalint,Jr.およびTermanにより記載
された操作との間の決定的な相異は、これらの操作にお
いては患者から選択的に体外除去される薬剤またはタン
パク質が、患者を治療するのと同じ薬剤ではなく、その
外因性医学的薬剤に応答して身体に生成された内因的に
生産された物質であることである。関連する系に関して
はEdelsonらの米国特許第4,838,852号も参照されたい。
Strahilevitzの米国特許第4,375,414号、同第4,620,9
77号、同第4,834,973号および同第4,813,924号には、血
流からの精神活性薬物の体外除去に関する操作が記載さ
れている。ここでもまた、標的薬物を血流から体外様式
で選択的に除去する免疫吸着カラムが記載されている。
この操作は患者からの外因性物質の体外除去を伴うが、
それはいずれにしても一体化された治療または診断方法
の一部ではない。これらの方法は潜在的に有害な量のこ
れらの非治療性および非診断性薬物を受けた患者の救助
に関するものと思われる。
Skurkovichらの米国特許第4,824,432号、同第4,605,3
94号および同第4,362,155号は、免疫系を破壊するイン
ターフェロンの生産と関連する病的症状の治療方法を記
載している。一つの態様では、内因的に生産されたイン
ターフェロンが患者の血液の体外灌流により除去され
る。ここでもこれらの開示は医学的薬剤が治療目的また
は診断目的で患者に投与され、次に、外因性薬剤の長期
の存在によりひき起こされる患者への有害な作用を阻止
するために選択的な体外手段により患者から除去される
一体化された治療に関するものではない。Mannickらの
米国特許第4,925,920号をも参照されたい。
Yangの米国特許第4,800,016号明細書には、血液の治
療用の体外システムが記載されている。Yang特許の発明
は、血液が人工腎臓または人工心肺装置の如き体外装置
中で処置され、かつ血液がヘパリン処理されて体外装置
の管路内の凝血を阻止する医療操作において用いられ
る。伝統的に、ヘパリン含有血液がかかる体外装置中で
処理された後、体内へのその再導入に先立ちプロタミン
が血液に添加されてヘプリンの抗凝固作用が打ち消され
る。Yangの方法では、ヘパリンは共有結合されたプロタ
ミンを含有する支持体に血流を通すことにより血流から
選択的に排除される。この手段により、ヘパリンは、そ
の作用が打ち消されるよりもむしろ血流から実際に除去
される。
Yangは、ヘパリンが患者に投与されるのではなく、単
に患者の血液の体外処置の一部にすぎないという点で本
発明と異なる。このヘパリンは患者に治療または診断の
利益を与えず、ただすでに体外にある血液供給処置を促
進する作用する。類似方法がBernsteinらの米国特許第
4,863,611号に記載されており、この方法ではアガロー
スビーズに固定化されたヘパリナーゼが、血液を患者に
再導入するに先立ち血液からヘパリンを除去するのに使
用される。
選択的な分離操作に使用するための免疫化学物質の固
定化はよく知られている。共有結合された分子、例えば
抗体を含有するセルロース支持体またはアガロース支持
体の調製方法は商業的に利用し得る。これらの固定化さ
れた物質は、血漿からの特定の物質の除去に体外システ
ムにおいて時おり使用されてきた。例えば、Freedらの
米国特許第4,846,786号を参照されたい。
関連技術がLeesの米国特許第4,877,599号に記載され
ている。Leesは、接合体診断試薬を患者に投与すること
による血管疾患の検出方法を記載している。この接合体
試薬は、標的探索性生物活性分子および体外検出のため
の標識手段を含む。その方法には投与された試薬の体外
除去が包含されない。
同様にスキームに於いて、Goodwinらの米国特許第4,8
63,713号は、診断または治療剤を内部標的部位に局在化
させるためのシステムを記載している。このシステムに
は、エピトープ化合物、この化合物を方向づける結合タ
ンパク質、および患者の血液から容易に排出されるタン
パク質集合物を形成するであろう排出剤が包含される。
体液の治療のための体外システムはよく知られてい
る。一般に、血液が患者からとり出されそして血漿およ
び血液濃縮流に分離される。体外治療は、血漿流を治療
する場合は殆ど常により効果的である。化学的な改変ま
たは処置が行なわれた後に、血液が患者に戻される。
治療または診断操作のための医学的薬剤を用いる患者
の最適処置に人工または体外の救助が包含される幾つか
の場合が存在する。殆ど全ての投与された医学的薬剤は
最終的に生体から排出される。一般に、化合物は肝臓、
脾臓および腎臓並びに細網内皮系の機能により排出され
る。しかしながら、クリアランスはまた免疫学的な固定
化および分解をも伴ない得る。或種の医学的薬剤はまた
比較的長期間にわたって体内の特定の組織中に蓄積しよ
う。本発明はかかる薬剤が正常な状況下で生体により排
出される前に、このような薬剤を生体から除去し、また
はその量を劇的に減少させることが望ましい場合の、治
療剤または診断剤での処置を包含する。
好適な医学的薬剤系の一例は、腫瘍を診断する目的
で、および/または腫瘍の治療的処置のために、放射性
標識された抗体を癌患者に投与することである。この処
置は、主として腫瘍細胞に限定された分子に対して結合
特異性を有する放射性標識されたモノクローナル抗腫瘍
抗体の注射を必要とする。
通常の照射治療は、癌の治療に於いて高度に有効な方
法である。この操作の厳しい制限の一つは、照射に対す
る正常組織の許容度である。特に、骨髄毒性が線量を決
定する際の制限因子である。近年、131Iの如き放射性物
質で標識される腫瘍特異的抗体または腫瘍関連抗体を設
計および生成させることが今や可能である程に、進歩し
てきた。例えば、Manersら、Annals of Clinical and L
aboratory Science,1988,18巻、53〜57頁を参照された
い。
幾つかの131I標識抗体が、腫瘍部位に於ける放射性物
質の局在を最大にする試みで調製されている。明らか
に、この操作は治療目的および診断目的の両方に価値が
ありうる。
いずれの目的に関しても、放射性標識された抗体によ
る癌患者の処置は幾つかの問題に悩まされてきた。これ
らの問題の中で、腫瘍に対する抗体の特異性の欠如が最
も重要である。かなりの量のモノクローナル抗体が腫瘍
細胞に局在化されるが、局在化されたモノクローナル抗
体の量は、通常、総投与量のごく小さい比率(%)であ
る。それ故、多量のモノクローナル抗体が自然のメカニ
ズムにより排泄されるまで肺、肝臓、脾臓および膀胱、
ならびにその他の器々に局在化するかまたは循環系中に
存在しよう。
改良された局在化は、下記の二つの理由よりモノクロ
ーナツ抗体による癌の治療を大幅に改良しよう、すなわ
ち1)それは改良されたシグナル対ノイズ比を可能に
し、それにより幾つかの腫瘍のより良い像形成および以
前には検出されなかった腫瘍の認識ができよう;および
2)それは全身照射の減少および/または特定の器官の
照射(これは未結合モノクローナル抗体または循環モノ
クローナル抗体の望ましくない結果として起こる)の減
少を可能にしよう。
腫瘍部位局在化は、“循環”モノクローナル抗体を正
常なクリアランスに先立ち患者から排除する操作により
人工的に改良できた。放射性標識された放出剤の開発
は、その薬剤がその所望の位置に達するに充分な時間が
与えられることを確実にするために、患者における薬剤
の寿命を延ばすことにしばしば集中してきた。循環半減
期が大幅に延長された操作薬剤に於いて、その薬剤を血
流から除去する能力は更に決定的に重要でさえある。
注射された標識モノクローナル抗体の腫瘍局在化を改
良するための種々の戦略が試みられている。Sharkey
ら、Cancer Research,1988,48巻、2005〜2009頁に於い
て、著者らは次のように述べている。
「放射性標識された抗体は、外部シンチグラフィー像
形成による癌の早期検出に於けるそれらの有用性を実証
した。……しかしながら、放射性標識された免疫検出の
主要な問題は、腫瘍における特異的抗体付着物を同定す
ることの困難さを増大することになる高レベルの、血液
中にプールされた放射能の残留である。」 この問題を解決する試みが、例えば、下記文献に記載
されている、すなわちWahlら、Nucl.Med.Biol.1987,Vo
l.14,pp.661-615;Wahlら、Cancer Immunol.Immuno.The
r.,1988,Vol.26,pp.187-201;Begentら、The Lance,1982
年10月2日;Spiesら、Seminars in Nuclear Med.,1987,
Vol.17,pp.267-272;Paganelliら、Int.J.Cander:Supple
ment 2,1988,pp.121-125;Meekerら、Blood,1985,Vo.l6
5,pp.1349-1363;Vaccaら、Cancer,1988,Vol.61,pp.58-6
7;およびMunzら、J.Nucl.Med.,1986,Vol.27,pp.1739-17
45。
癌治療に於ける放射性標識モノクローナル抗体の治療
上および診断上の使用は、正常な生体クリアランスプロ
セスよりも迅速に循環レベルの医学的薬剤を排除するこ
とが所望される場合の医学的薬剤治療のまさに一例であ
る。医学的薬剤の存在が患者に直接害を生じる必要はな
いが、医学的薬剤から得られることが期待される治療上
または診断上の利益またはその他の関係もしくは無関係
の治療上もしくは診断上の操作の利益を最大にすること
も所望されよう。本発明は、これらの要求の全てに対処
するための魅力があり、しかも有用な方法を提供する。
発明の要約 本発明は、医学的薬剤を含有する患者の体液を、その
体液から該薬剤を選択的に除去する装置に体外で通すこ
とにより、先に投与された医学的薬剤を患者から除去す
る方法に関する。次に薬剤が実質的に涸渇した処置体液
が患者に戻される。
本発明の好ましい態様に於いては、体外処置はバッチ
または巨丸剤の処置法としてよりむしろ、連続的なオン
ライン操作で行なわれる。かかる連続処置はより迅速で
あり、液体平衡問題を排除し、しかも生体組織中に濃縮
されるがその薬剤の循環レベルと平衡している医学的薬
剤の排除を提供する。
この方法は、医学的薬剤の投与およびそれに続く、投
与後の予定された時間に於ける医学的薬剤の選択的な体
外排除を含めた全処置操作を組み入れる。
本発明の一態様に於いては、医学的薬剤は患者の体内
で腫瘍細胞またはその付近に局在化するように設計され
た放射性標識物質である。この処置は、治療目的または
診断目的で行ない得る。治療操作に使用される場合、放
射性標識された物質は、関連する腫瘍細胞を照射して腫
瘍を破壊もしくはその増殖を阻止しよう。診断操作に使
用される場合、放射性標識された物質は、腫瘍像形成に
使用できる。
放射性標識された物質の投与後の所定の時間で、また
は所定の血液レベル濃度で、患者の血漿が支持体物質上
または中を体外で通される。支持体物質は、放射性標識
された物質を吸着し、固定化し、複合体形成し、または
何らかのその他の方法で支持体物質の通過を阻止する作
用をする或種の物質が支持体に共有結合されるように処
理される。処置された血漿は次に放射性標識された物質
がかなり減少されて患者に戻される。一般に、体外処置
は放射性標識された物質の投与後、そして腫瘍へのその
物質の実質的な局在化が起こった後に開始されよう。
好ましい態様に於いては、放射性標識された物質は抗
腫瘍モノクローナル抗体である。そこで体外処置は、抗
体に対する抗原を含有するように処理された支持体に患
者の血清を通すことを必要としよう。この態様の一つの
別法に於いては、支持体はその支持体物質に共有結合さ
れた抗一種抗体を有しようしそしてモノクローナル抗体
は抗原として作用して支持体床に固定化されよう。
本発明の別の態様に於いては、医学的薬剤は治療目的
または診断目的のために投与される酸素またはサイトカ
インの如き天然に存在する化合物である。別の態様に於
いては、医学的薬剤は治療または診断目的で投与される
天然に存在しない化合物または薬物である。本発明の各
態様の中心となるものは生体系によるその薬剤の自然ク
リアランスにより起こるよりも迅速に循環レベルの医学
的薬剤を減少されることにより得ることができる治療ま
たは診断操作の効力または安全性の改良である。得られ
る安全性の利益は、例えば、循環レベルの医学的薬剤が
有害ではないが、クリアランスが排除に関与する組織、
例えば腎臓または肝臓に対して有害である場合に、正常
なクリアランスに対する要求を軽減する能力にあり得
る。効力改良例は、診断操作が循環レベルの医学的薬剤
の排除により増強されるような状況である。循環レベル
の薬剤の排除が非特異的な毒性を低下させ、それによ
り、有益な医学的薬剤のより多量の投与が可能となる場
合にも治療操作における効能が見られうる。
図面の簡単な説明 図は本発明の方法の利用に関する経路の略図である。
好ましい態様の説明 本発明の現在好ましい態様について詳細に説明する
が、これらの態様は下記実施例と共に、本発明の原理を
説明するのに役立てられる。
本発明は、治療剤または診断剤を生物体に投与し、次
にその薬剤を選択的に固定化するのに適合する化学物質
に体液を通すことにより前記薬剤の一部またはその誘導
体を体外で除去することを包含する治療方法に関する。
「体外」という用語は処置される生物体の外部で起こ
る過程を指す。勿論、本明細書に記載されるように体液
を処置することが可能である程度に、生体内に物理的に
保持された装置内で「医学的薬剤を固定化すること」も
また本発明の範囲内である。
本発明の体外処置は、体液の連続的なオンライン処
置、または体液の一つまたはそれ以上のバッチもしくは
巨丸部分の処置であることができる。本発明の好ましい
態様に於いては、その処置は、以下に記載されるような
連続方式またはオンライン方式で行なわれよう。
治療剤および診断剤はここでは総称的に医学的薬剤と
呼ばれる。治療剤は、患者の健康状態に関して活性な有
益な効果を得るため、あるいは疾患、傷害、外からの侵
入または他の医学的薬剤の投与の有害な作用を遅延また
は排除するために、患者に投与される医学的薬剤であ
る。診断剤は、医学上の異常の程度を同定または量化す
るため、あるいは患者の全体的もしくは特定の身体的形
質の現況または特定の生体組織もしくは器官の状態の現
況を評価するために使用される医学的薬剤である。
本発明の医学的薬剤は、単独で投与されてもよく、あ
るいは多部分の治療もしくは診断操作の一部として投与
されてもよい。医学的薬剤は、使用される操作の治療上
もしくは診断上の利益を直接生ずる医学的薬剤である必
要はない。
本発明の好ましい態様に於いては、その方法は脊椎動
物に対して行なわれるべきである。更に好ましい態様に
於いては、本発明の生物体は哺乳類であり、最も好まし
い態様に於いては本発明の方法により処置すべき生物体
は人間である。本明細書全体にわたり、「患者」なる用
語は生物体と互換可能に使用される。
本発明の範囲内に含まれ、その範囲内にあると考えら
れる体液は、限定を伴うことなしに、血液、血漿、脳脊
髄液、および腹水液である。好ましい態様に於いて、体
外処置される体液は血液である。本発明の最も好ましい
態様に於いては、患者の血液は静脈穿刺により患者の体
から取り出され、血漿が分離され、そして血漿が、医学
的薬剤を血清から選択的に排除し得る化学物質または支
持体に通される。血漿は一般に血漿および血液濃縮流へ
の血液の膜分離または遠心分離を伴なう慣用操作により
単離できる。もう一つの好ましい態様に於いては、全血
を、医学的薬剤を血液から排除する支持体物質上に、ま
たはその支持体物質に近接して通すことができる。
医学的薬剤と選択的に反応するように適合された化学
物質も本明細書中で支持体または膜と呼ばれる。この目
的に使用し得る多くの物質が利用できる。代表的には、
支持体は、医学的薬剤と複合体形成するか、反応する
か、または固定化する化学的化合物を支持体の物質に共
有結合することによる修飾される。
殆どの場合、支持体物質は多孔質ゲルまたは多孔質膜
であろう。セルロース物質およびアガロース物質がこれ
らの目的で共通して利用しうる。例えば、酸化されたア
ミン反応性セルロースのように、予め活性化されたアミ
ン反応性セルロースが市販されている。支持体用に使用
でき、且つ化学修飾を受け易いその他の物質はポリアク
リロニトリル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリビニ
ルアルコール、ポリ塩化ビニルおよびナイロン66(Immn
uodyne,(PALL))である。
特定の化合物に対する特異性は、生物学的に誘導され
た物質の使用により通常得ることができる。例えば、抗
体がその特異的な抗原に対して有する特異性は一般にそ
の他の手段により複製し得ない。それ故、本発明の好ま
しい対応に於いては、血漿からの医学的薬剤の選択的な
体外除去は抗体/抗原メカニズムを利用するものであ
る。代表的には、医学的薬剤に対する抗体が支持体物質
に共有結合され、そして医学的薬剤を含有する血漿をそ
の支持体に通すことは医学的薬剤のかなりの部分お血漿
から除去するのに役立つであろう。勿論、医学的薬剤が
抗体でありそして支持体に結合された物質が抗原である
場合には、その方法も同様に良く作用する。アガロース
支持体に固定化された或種の抗体は市販されている。
(例えば、Sigma Chemical Co.(St.Louis.Mo.から)。
本発明により注射されそして選択的に除去される物質
は抗体でけでなく、抗体フラグメント、所望の抗体部分
に基づく構造を含む作出されたペプチド、およびその他
の治療もしくは診断剤、またはそれらの誘導体(代謝産
物および複合体)であることができる。
その他の生物学的に基づく選択的な除去メカニズムも
また可能であり、本発明の範囲内にあると考えられる。
例えば、支持体に結合されうるものは抗体フラグメン
ト、一本鎖抗体、分子インプリンティング(Ekbergら、
Trends in Biotechnology,1989,7巻,92頁を参照)、分
子認識単位、H鎖可変領域遺伝子抗体(Wardら、Natur
e,1989,341巻,544頁)、コンピューター設計アフィニテ
ィータンパク質、ペプチドまたは炭水化物、並びに基質
および基質類縁体である(例えば、医学的薬剤をヘパリ
ンで標識すること、および支持体にヘパリナーゼまたは
プロタミンを含浸すること)。
本発明の一態様に於いては、選択的除去メカニズムは
ハプテン/ハプテン抗体系を利用するものである。この
態様においては、医学的薬剤はハプテンまたはハプテン
抗体のいずれかで標識でき、そして支持体はそれぞれハ
プテン抗体またはハプテンを含有しよう。
本発明のさらに別の態様に於いては、選択的除去メカ
ニズムはリガンド/レセプター系を利用するものであ
る。一例は、支持体物質上のアビジンの固定化およびビ
オチンによる医学的薬剤の標識化である。本明細書全体
にわたり使用されている標識化なる用語は、治療または
診断処置を助けるか(例えば、像形成および照射のため
131I)もしくは化合物の選択除去を助けるかまたはそ
の両方を助ける医学的薬剤部分への共有結合またはリガ
ンドによる結合を指す。
本発明のさらに別の態様に於いては、医学的薬剤は酵
素、毒素、薬物または放射性元素で標識化し得る。使用
される個々の選択的除去スキームは、使用される医学的
薬剤の性質に依存し、そして種々のスキームのうちのど
れかが適切であるかを決めるのは当業者の技能範囲内で
ある。
勿論、本発明の医学的薬剤は、処置を助ける目的また
は選択的除去操作を助ける目的のために標識される必要
はない。例えば、医学的薬剤は抗体、ハプテン、リガン
ドまたは人工リガンド、酵素、または標識化することな
く溶液から選択的に除去し得る或種の他の化合物である
ことができる。
本発明により意図される種類の幾つかの選択的分離シ
ステムの説明が下記の引用文献に記載されており、その
文献のそれぞれがこの参考文献として本明細書にとり込
まれる。Balint,Jr.らの米国特許第4,865,841号;Feedら
の同第4,846,786号;Skurkovichらの同第4,824,432号;St
rahilevitzの同第4,813,924号;Yangの同第4,800,016号;
Yamamotoらの同第4,725,355号;Taniらの同第4,576,928
号;およびTermanらの同第4,215,688号。
本発明の別の態様に於いては、利用される選択的分離
システムは医学的薬剤の物理化学的性質に基づくもので
ある。かかるメカニズムは、サイズ吸蔵、疎水性、化学
的反応性、およびイオン特性を含み得る。これらの選択
法は、一般に生物学的に誘導されるメカニズムよりも選
択的ではないが、或種の態様においては有益であること
ができそして本発明の範囲内にあると考えられる。
本発明の医学的薬剤は、薬物、薬物/ハプテン複合
体、前記方法で標識された薬物、酵素、炭水化物、抗
体、サイトカイン、生物学的応答改変因子、糖タンパク
質、脂質/糖脂質、プロテオリピド、ホルモンおよびタ
ンパク質のような可溶性物質を包含し得る。部分的に可
溶性である物質例えば大きなタンパク質複合体、リポソ
ーム、炭水化物複合体、および無機複合体も医学的薬剤
であることができる。これらの化合物のいずれも除去目
的または治療/診断目的のため標識できるしまたは付加
的に標識することなくそれらの本来の状態で使用でき
る。
本発明によれば、医学的薬剤は患者に投与され、次に
生体からの薬剤の正常なクリアランスに先立ち体外で除
去される。医学的薬剤からの早期の「救助」が必要とさ
れるのには、二つの一般的な理由がある。第一に、医学
的薬剤は体内の特定の組織に有益であるが正常な体組織
に有害であることである。これは急性または慢性の危険
であることができそして短期または長期のものであり得
る。この有害な作用はクリアランス過程と関連しうるし
または薬剤の高い循環レベルと関連する可能性もある。
第二に、体液中に医学的薬剤が継続して存在すること
は、その医学的薬剤の他の処置もしくは診断作用、また
はその他の関連するかもしくは無関連の治療もしくは診
断操作を妨害するかまたは効力を低下させる可能性があ
る。この例は、医学的薬剤が像形成目的で放射性標識を
包含する場合である。腫瘍特異的物質が腫瘍組織または
その付近に一旦蓄積すると、循環する薬剤を血流から除
去してバックグラウンドの減少により像を明瞭にするこ
とを助けることができる。これらの物質の治療上の用途
にとっては、血流からの薬剤の除去により全身的毒性を
低下させることができ、そして次にこのことがより多量
の医学的薬剤の使用および処置のより高い効力を可能に
する。本発明の方法はまた、患者が他の個人との関連で
早期に許容照射限界内に入ることを可能にしよう。
本発明方法は、その他の潜在的な処置スキームに比較
して多数の利点を有する。体外処置は密閉回路中で行な
うことができ、従って液体平衡の問題がなかろう。多く
のシステムに関する薬剤選択性は一般に優れていること
がわかった。実施例1に記載されているシステムでは、
カラムは3倍容の血漿の処置後で医学的薬剤の80%を除
去でき、そして6倍容の血漿の処置後で90%を除去でき
る(1倍容の血漿は約0.5〜1.5時間で処理できる)。こ
こでもまた、実施例1記載のシステムを用いると、体外
処置後には血液の乱れは殆ど見られない。血液のCBCお
よび化学パネルは未変化のままであり、そしてヒト血漿
タンパク質の0.08%未満が非特異的に除去された。
本発明は、医学的薬剤が特定の体組織中で濃縮し、そ
してその体組織中におけるその存在が有毒である状況で
有用であり得る。その組織における薬剤が体液中の薬剤
と平衡状態にある場合、体液の処置によりその薬剤を組
織を組織物質の外へ「追い出す」ことができる。
本発明のもう一つの態様に於いては、医学的薬剤は酵
素またはカタラーゼ抗体であることができ、これらは治
療ビヒクルまたは診断ビヒクルとして作用する薬剤を体
内に生成させる目的で患者に投与される。触媒抗体はIv
ersonら、1989、Science,243巻,1184〜1187頁に記載さ
れている。
本発明の一つの好ましい態様に於いては、医学的薬剤
は放射性標識された抗腫瘍物質である。抗腫瘍物質は治
療目的または診断目的で投与できる。いずれの様式で
も、薬剤は生体の残部に比較して生体中の腫瘍に隣接す
る領域に選択的に富化するように設計される。治療上使
用される場合、近位の放射性リガンドは腫瘍を破壊する
かまたはその増殖を妨げる傾向があろう。腫瘍付近の薬
剤の濃度勾配により、腫瘍の像形成が可能となる。かか
る抗腫瘍剤は放射性標識される必要がない。例えば、抗
腫瘍剤は関連する腫瘍細胞を破壊するであろう細胞溶解
因子を含有できるしまたはそれらは別々に投与された医
学的薬剤を結合する二特異的抗体であることもできよ
う。
本発明の好ましい態様に於いては、放射性標識された
抗腫瘍剤はモノクローナル抗体である。種々のかかる放
射性標識されたモノクローナル抗体の記載が下記の引用
文献に見られ、これらそれぞれは参考文献として本明細
書にとり込まれる。Manersら、1988 Annals of Clinica
l and Laboratory Science,Vol.18,53-57;Ranade,1988
J.Clinical Pharmacol.,Vol.29,873-884;Sands,1990 Ca
ncer Research(Suppl.)Vol.50,809s-813s。
好ましい分離メカニズムは、使用された標識された抗
腫瘍モノクローナル抗体を固定化する抗種抗体を包含し
うる。例えば、実施例1および2に示されるように、そ
のモノクローナル抗体抗体は131Iでラベルされたマウス
HMFG(ヒト乳脂肪グロブリン)であり、そしてヤギ抗マ
ウス抗体がセルロース支持体物質に共有結合される。
本明細書の別の好ましい実施態様に於いては、Morris
onら、Important Advances in Oncology,1990,pp.3−1
8;Colcherら、Cancer Research,1989,Vol.49,pp.1738-4
5(これらの文献は参考文献として本明細書にとり込ま
れる)に記載されるような放射性標識されたヒト化キメ
ラ抗体が医学的薬剤である。実施例3に見られるよう
に、抗イディオタイプ抗体がセルロースウエハに固定化
され、そして体外処置が行なわれる。
さらに別の態様に於いては、免疫吸着カラムがハプテ
ン、ベンジルジエチレントリアミンペンタ酢酸ジアミノ
エタンによる処理により調製され、そして放射性標識さ
れた抗腫瘍抗ハプテン2価ヒト化キメラ抗体が医学的薬
剤である。
本発明は広い範囲を有しておりそして多種の適用を包
含する。本明細書の開示および当業者の知識に基づい
て、本発明は、本明細書に記載された人工クリアランス
により益を得る医学的薬剤を用いる殆どあらゆる処置操
作に適用し得る。
本明細書の教示に従い、本発明の方法は、選択された
医学的薬剤に関して適切である選択的分離メカニズムの
同定を包含する。その分離メカニズムは、医学的薬剤そ
のものを吸収するか、それと反応するかまたは複合体形
成しよう薬剤の使用を包含し得る。しかしながら、医学
的薬剤を体液からの医学的薬剤の除去を促進するであろ
う標識に結合させることも更に適切であろう。
殆どの場合、有効な処置時間および生体クリアランス
速度の力学により医学的薬剤の体外除去または人工クリ
アランスがその医学的薬剤の投与後短時間で開始されよ
うことが指示される。医学的薬剤の有益な作用および有
害な作用の時間/投与量/応答分析が一般的に利用でき
るかまたは不当な実験をすることなく得ることができ
る。この情報に基づいて、選択的体外除去の開始のタイ
ミングは容易に確認できる。
図は、医学的薬剤の体外分離を本発明の好ましい態様
で除去する方法を示す。血液が導管12を介して患者10か
ら取り出される。血液ポンプ14(一般に、ぜん動ポンプ
が使用される)は、血液の除去およびそれ以降の処置を
促進する。血液は血漿セパレーター16に流入し、そこで
血液が血漿および原形質流に分離される。原形質流は導
管18を経由して、支持体含有ユニット20に流入し通過す
る。接合点22で、血漿および血液濃縮物流が再混合さ
れ、導管24を経由して患者に戻る。これは連続的オンラ
イン体外除去システムの例である。
以下の実施例により、特許請求される本発明の現在好
ましい種々の態様を説明する。以下の実施例中に引用さ
れる論文および文献は、参考文献として本明細書に詳細
にとり込まれる。
実施例1 血漿から131Iで標識されたHMFG(ヒト乳脂肪グロブリ
ン)マウス抗体を除去するためのカラムを、以下のよう
にして調製する。各ディスクが厚さ約3mm、直径約60m
m、平均細孔サイズ20ミクロンを有するセルロース繊維
製の3個のディスク(3個の合計重量約5g)を、ウエハ
を収容するのに丁度良い大きさを有するサイズのポリプ
ロピレンハウジング中に取り付ける。このハウジングは
入口導管および出口導管並びにウエハカラムに隣接して
導管に連結した分配ゾーンおよび収集ゾーンを備えてい
る。ホリエステルスクリム片を収集ゾーンに最も近いセ
ルロース繊維製ディスクの上に置いて、ディスクから脱
離するセルロース片がカラム中に入ることを防止する。
次にハウジング中のセルロースを過ヨウ素酸ナトリウム
(10mM)、リン酸ナトリウム(緩衝用、0.015モル)お
よび塩化ナトリウム(0.15モル)の溶液(pH6.0に調
整)で4℃で30分間処理して、ウエハのセルロースに繊
維標識で結合したアルデヒド基を生成させる。
ウエハを次に、ヤギ抗マウス抗体(臨床等級、Medix
Biotech Incorporated,Foster City,California,カタロ
グ表示V−873-03Gとして販売;再循環の開始時で溶液1
ml当り抗体1mg)と塩化ナトリウム(0.15M)の再循環溶
液(pH7.6に調整)で室温で2時間処理する。その結果
は固相状イムノアフィニティカラムであり、カラム中で
抗体はそれらのタンパク質アミノ基を介してシッフ塩基
結合によりセルロース上のアルデヒド基に共有結合され
る。次にカラムを、貯蔵に耐え得るようにするため、pH
6.0に調整された5ミルモル溶液中における還元剤ホウ
水素化ナトリウムをカラムに室温で6時間にわたって通
すことにより処理して2価の共有結合を1価の共有結合
に代える。この時点で、カラムはヤギ抗マウス抗体約12
mgをそのセルロースに接合されて有する。
上記のマウス抗体10mgを、マウス抗体が特異的に結合
するある抗原で腫瘍を放射性標識するかまたは処置する
ため、患者に静脈内注射する。24時間後、血液を静脈穿
刺により取り出し、その中の血漿を膜セパレーター中で
分離し、そして血漿をカラムに送る。注射した抗体の約
半分が血液中を循環しそしてこの80%をカラム中で160
分内に除去され、他のタンパク質の損失は殆どない。こ
の実験に使用した血漿セパレーターは、COBE Instrumen
ts社により製造、販売されるCentury TPE(Therapeutis
Plasma Exchange)装置中に見られるものである。全液
体流は図面に示されるとおりである。
実施例2 この実施例に於いては、固体マトリックス用の出発物
質が市販の予め活性化されたセルロースカプセル〔これ
はタンパク質またはアミン含有分子(これはシッフ塩基
結合反応を行ない得る)をシッフ塩基共有結合により優
先的に固定化する〕である以外は、実施例1のようにし
て免疫吸着装置を構築する。このカプセルは、Cuno社か
ら“Zeta Affinity 60カプセル”の商標で市販されてい
る。ヤギ抗マウスヘテロ血清抗体を、このカプセル中に
含まれるセルロースウエハに固定化する方法は、製造業
者により刊行されている。Medix Biotech社から得られ
たヤギ抗マウス抗体を、その製造業者により供給された
説明書を用いてこのセルロースマトリックスに可動化す
る。ヤギ抗マウスヘテロ血清35mgをカプセルに適用し、
そしてヤギ抗マウスヘテロ血清約25mgを、この操作を用
いてセルロースマトリックスに共有結合で固定化する。
次にこのイムノアフィニティカラムを、人物中に注射
により先に投与された放射性標識抗体を除去するのに使
用するために、実施例1記載の体外回路に連結する。
マウスモノクローナル抗体(これは或種の腫瘍細胞の
表面に多く見られるタンパク質、即ちヒト乳脂肪グロブ
リン(HMFG)タンパク質に特異的に結合する)を、金属
キレート剤(例えば、米国特許第4,678,667号および同
ダイオード4,454,106号記載)で共有結合で標識し、そ
して更に、111In放射性ヌクレオチドを、抗体に接合さ
れたキレート剤にキレート化させる。次にこの抗体を、
生体内の腫瘍細胞の表面に主として見られる抗原部位に
局在化する目的で患者に静脈内注射し、生体から放出さ
れる111In放射性核種の崩壊光子を像形成することによ
り、その腫瘍のγ−カメラ像を形成可能にする。
次に、循環中に残存するモノクローナル抗体の部分
を、免疫吸着処置により一部除去する。患者の血液を大
腿静脈カテーテル法により体外回路に連結し、そして血
液を体外系機械を介して生体から外に出し血漿セパレー
ター中にポンプ輸送する。セパレーターを出る血液濃縮
物はセパレーターから生体に戻り、そしてセパレーター
を出る血漿はイムノアフェニティカプセルを通過し、更
に血液濃縮物と一緒になって患者の循環系に戻る。体外
回路中で生成された血漿がイムノアフィニティカラムを
通過する際に、モノクローナル抗体はセルロースマトリ
ックス表面に固定化されたヤギ抗マウス抗体により結合
される。2〜3容の患者血漿、代表的には血漿1容量当
り3lで、このようにして2〜3時間にわたって処置し、
15mgのモノクローナル抗体が処置の開始時に患者の血液
中に存在する場合、約12mgのモノクローナル抗体が除去
される。
実施例3 ヒト化キメラ抗体を、例えば、Lobuglioら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A.1989,86巻,4220〜4224頁に記載され
るようにして生成させそして更に標準的な放射性標識化
操作で131Iで放射性標識する。ヒト化キメラの結合領域
に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体も例えば、Ro
senら、AIDS Res.and Human Retrovinces,1990,6巻,40
頁;およびHildrethら、Molecular Immunology,1989,26
巻,1155〜1167頁に記載の方法を用いて作製する。次に
抗イディオタイプ抗体を実施例2記載のようにしてセル
ロースウエハに固定化する。使用した方法および結果は
実施例2の場合と同じである。
実施例4 多孔質ナイロン66膜(PALL社から“Immunodyne"の商
標名で入手し得る)の直径60mmの円形ディスク〔これは
その表面へのアミンの共有結合による固定化を可能にす
るために表面処理されている〕を、上部と下部でエンド
キャップ〔これは、流体がエンドキャップに入り、層の
表面上に広がり、各層を逐次的に通過し、そして、他方
のエンドキャップ中を出て行くことを可能にする〕によ
り結合された60mm直径の円筒形ハウジング中で層間にナ
イロンメッシュペーサーをはさんで層状に一方のディス
クを他方のディスクの上に置くことにより、イムノアフ
ィニティカラムをつくる。この配置に於いて、ハプテン
であるベンジルエチレントリアミンペンタ酢酸ジアミノ
エタン10mgを膜に通し、そして膜製造業者の説明書を用
いて膜に共有結合させる。この方法で、固定化膜の各層
1平方cm当りハプテン1μgを固定化する。かかる装置
当り5層の膜に関して、ハプテン約140μgが固定化さ
れる。
Ledoussalら、Cancer Research,1990,50巻,3445〜345
3頁;および欧州特許出願第369576号、同第369566号に
記載されている放射性標識抗ハプテン、抗腫瘍、2価ヒ
ト化キメラ抗体5mgを、腫瘍部位に局在化させる目的で
患者に注射する。抗体注射24時間後に、上記のハプテン
固定化イムノアフィニティカラムを用いて、実施例2に
おけるようにして患者を免疫吸着し、そして3時間にわ
たって6血漿容量を処理して、抗ハプテン抗体の90%を
除去する。
特定の医学的薬剤および分離系への本発明の教示の適
用は、本明細書に含まれる教示に照らして当業者の能力
の範囲内にあることが理解されるべきである。従って、
種々の改変および変更を本発明の方法に於いてなし得る
ことは当業者に明らかであろう。本発明は、これらの改
変および変更が添付の請求の範囲およびそれらの均等物
の範囲内にあることを条件としてそれらを包含するとを
意図するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−297075(JP,A) 特開 平1−232974(JP,A) 特開 昭62−242628(JP,A) 特開 昭58−54961(JP,A) 特表 昭58−500354(JP,A) 米国特許4824432(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 1/00 - 1/36 WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】治療または診断のために生物体に医学的薬
    剤を投与し、該生物体から該医学的薬剤を早期に除去す
    るための装置であって、前記医学的薬剤は標識されてお
    り、この標識された医学的薬剤と吸着するか、複合体形
    成するか、反応するか、または固定化する物質が共有結
    合している支持体を含有するユニットを含んでなり、前
    記支持体に前記生物体から取り出された体液を通すこと
    により、前記体液から前記医学的薬剤を選択的に除去す
    ることが可能な装置。
  2. 【請求項2】体液が血液である、請求項1に記載の装
    置。
  3. 【請求項3】体液が血漿である、請求項1に記載の装
    置。
  4. 【請求項4】更に、血液から血漿を分離するための血漿
    セパレータを含む、請求項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】体液が腹水液である、請求項1に記載の装
    置。
  6. 【請求項6】体液が脳骨髄液である、請求項1に記載の
    装置。
  7. 【請求項7】前記医学的薬剤が放射性標識抗体であり、
    前記支持体が抗一種抗体を有する、請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の装置。
  8. 【請求項8】前記医学的薬剤が腫瘍細胞の局所的な治療
    的照射用の放射性薬剤である、請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の装置。
  9. 【請求項9】前記医学的薬剤が腫瘍の診断用の画像化薬
    剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 【請求項10】前記医学的薬剤がビオチン標識化され、
    前記支持体がアビジンを有する、請求項1〜6のいずれ
    か1項に記載の装置。
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