JP2921063B2 - 高品質ダイヤモンドの気相合成方法 - Google Patents
高品質ダイヤモンドの気相合成方法Info
- Publication number
- JP2921063B2 JP2921063B2 JP22226290A JP22226290A JP2921063B2 JP 2921063 B2 JP2921063 B2 JP 2921063B2 JP 22226290 A JP22226290 A JP 22226290A JP 22226290 A JP22226290 A JP 22226290A JP 2921063 B2 JP2921063 B2 JP 2921063B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- diamond
- concentration
- oxygen
- carbon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
のであり、詳しくは、アモルファスカーボン及びグラフ
ァイト等の非ダイヤモンド炭素を殆ど含まない高品質な
ダイヤモンドの合成方法に関するものである。
率が小さく、絶縁体でありながら熱伝導度が非常に高
い。また、屈折率が高く、光学的(紫外・可視・赤外)
に透明であって、耐薬品性などという優れた特性を同時
に備えた物質である。また、音波の伝播速度に優れ、さ
らに特定の不純物をドープすることにより半導体特性を
与えることができる。このため各種分野でダイヤモンド
の応用が考えられており、現代の産業界において必要不
可欠な物質となっている。
トCVD法をはじめとする各種のCVD法により、気相からの
ダイヤモンド合成が実現されており、ダイヤモンドが有
している優れた特性を膜状にして、あるいは他の材料表
面に被覆して利用できるようになり、その応用範囲が更
に拡大されつつある。
般にはメタンと水素の混合ガスであるが、炭素源として
はアセチレン、ベンゼン、エタノール、アセトン等含炭
素化合物であればいずれも使用可能である。また、反応
ガス中に酸素、一酸化炭素、二酸化炭素等の酸素原子を
含むガスを微量添加することにより、合成されるダイヤ
モンドの品質の向上が図れることが知られている。
組合せによりダイヤモンドの合成が可能であることが知
られている。しかしながら、アモルファスカーボン及び
グラファイト等の非ダイヤモンド炭素を殆ど含まない高
品質なダイヤモンドを合成するために必要な条件とし
て、反応ガス中に含まれる元素である水素、炭素、酸素
の三者の定量的な関係については明確な定義がなされて
いない。また、いかにダイヤモンド合成のための反応系
を完全なものに近づけたとしても、空気中に多量に存在
する窒素の混入を避けることは難しい。
水素、炭素、酸素の三者に加え、さらにはその系に窒素
を含んで場合にまで拡張し高品質ダイヤモンド合成に必
要なガス組成の関係を明確にすることを目的とするもの
である。
た結果、高品質ダイヤモンドを合成するために必要なガ
ス組成として、水素、炭素、酸素及び窒素の四者の間に
明確な関係式が成り立つことを見い出し、この発明に至
ったものである。
を合成するに際し、反応ガス中に含まれる元素のうち、
水素ガスに対する炭素原子の濃度をA(%)、また、該
反応ガス全体に対する窒素ガスの濃度をB(ppm)と
し、さらに含酸素化合物が該反応ガス中に含まれる場合
の水素ガスに対する酸素原子の濃度をC(%)としたと
き、反応ガス組成 (但し、α≦13、または、B≦20)なる関係を満たす領
域内で合成することを特徴とする高品質ダイヤモンドの
気相合成方法を提供するものである。
イヤモンド炭素の検出に有効なラマン分光法を用いて評
価した結果、それらを殆ど含まない高品質なものである
ことがわかった。
6N)の混合ガスまたはこの混合ガスに窒素ガスを微量添
加したものを使用し、公知のマイクロ波プラズマCVD法
を用いてダイヤモンドの合成を行なった。窒素ガスは積
極的に添加を行なわない場合にも反応室内に導入される
際には僅かではあるが混入していた。ガスクロマトグラ
フにより精密に測定したところその濃度は全反応ガスに
対し最大でも4ppm以下であった。
に対する窒素ガスの濃度を変化させダイヤモンドの合成
を行なった。そのときの条件を第1表に示す。表中のα
の値はB>20のときのみ表示したが、比較のためB=20
の場合も()内にその値を表示した。また合成条件にお
いて積極的に窒素ガスを添加していない場合には窒素ガ
ス濃度を「<4ppm」とした。合成されたダイヤモンドの
膜質の評価には非ダイヤモンド炭素の検出に有効なラマ
ン分光法を用いた。第1表中の膜質の評価の欄に記載さ
れている記号「◎」、「○」、「●」の定義は以下の通
りである。
る非ダイヤモンド炭素のブロードなピークの最大高さを
1333cm-1付近のダイヤモンドのピーク高さで除したと
き、その得られた値によって下記のように区分した。
合、反応ガス中に含まれる窒素ガスの濃度を増加させて
いくと、合成されるダイヤモンドの品質が急激に劣化
し、目視でも明らかに黒色を呈する膜となった(膜質評
価「●」)。逆に反応ガス中の窒素ガス濃度が高い場合
にはメタンガスの濃度を下げてダイヤモンドの合成を行
なうことにより、その品質の劣化を防ぐことができるこ
とがわかった。また、窒素ガスの影響についてはその濃
度が20ppm以下の場合には、試料No.29に見られるように
αの値が13を越えても膜質の急激な劣化は認められなか
った。即ち、反応ガス中の窒素ガスはその濃度が20ppm
以下であれば膜質には影響を及ぼさないことがわかっ
た。
ドの合成を行ない、そのときの品質をラマン分光分析に
より評価した。生成条件を第2表、第3表に示す。前者
は酸素ガスを水素ガスに対し0.5%添加した場合であ
り、後者は2.0%添加したものである。実施例1と同様
に反応ガス中の窒素ガス濃度の増加がダイヤモンドの膜
質に影響を及ぼすことがわかった。しかしながら、酸素
ガスを添加した場合には添加しない場合に比べて膜質の
劣化が起こる炭素ガス濃度が高く、さらにそれは酸素ガ
スの濃度が高いほど大きくなることがわかった。また、
酸素ガス添加の場合も同様に窒素ガス濃度が20ppm以下
の条件下ではラマン分光分析およびSEM観察の結果にお
いて差異は認められなかった。
に必要なガス組成αとしては、水素、炭素、酸素及び窒
素の四者の間に次の関係式が成り立つことがわかった。
(ppm) C:水素ガスに対する酸素原子の濃度(%)) また、第1表〜第3表に示した条件下で合成したとき
の膜質の結果を横軸を 縦軸をAとしてプロットしたところ第1〜3図が得られ
た。ここで、図中の「◎」、「○」、「●」の記号は膜
質の評価で示したものと同様であり、また図中に実線で
示した曲線および直線はそれぞれ (C=0,1.0,4.0)、B=20である。このように高品質
ダイヤモンドを合成するためには反応ガスの組成として
少なくとも水素、炭素、酸素及び窒素の四者の間に上記
関係式が成り立つことが明らかである。
ール、アセトンを、酸素源として酸素、一酸化炭素、二
酸化炭素を用い、その組合せおよび濃度(窒素ガスの添
加濃度も含め)を任意に設定し、実施例1、2と同様に
ダイヤモンドの合成を行ない膜質を評価した。その結果
を第4表に示した。炭素源および酸素源としていずれを
用いた場合にも またはB≦20を満たした領域内では合成されたダイヤモ
ンドの品質は良好となった。
合成において反応ガス中に含まれる元素として水素、炭
素、酸素に加え、さらにその系に窒素を含んだ場合まで
拡張して高品質ダイヤモンド合成に必要なガス組成比の
関係を初めて明確なものとしたものである。即ち、炭素
源、酸素源としていかなる原料を使用しても、あるいは
希ガス、ハロゲン等、他のガス成分が含まれる場合でも
この発明の効果は変わらない。以上の反応ガスの組合わ
せをいかに複雑化した場合でも高品質ダイヤモンドの合
成に必要なガス組成比を決定することができるようにな
った。また、反応系に窒素を含む場合あるいは反応系内
にどうしても窒素の混入が避けられない場合でも特許請
求の範囲を満足するようにガス組成を決めることにより
高品質ダイヤモンドの合成が可能となる。このような高
品質のダイヤモンド膜は熱伝導性、耐摩耗性、光学的特
性に優れており広くダイヤモンドの応用分野に適用する
ことができるのである。
ダイヤモンド膜質の評価を水素ガスに対する炭素の濃度
A(%)と全ガス量に対する窒素ガス濃度Bの平方根 との関係において示した線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】気相合成技術を用いてダイヤモンドを合成
するに際し、反応ガス中に含まれる元素のうち、水素ガ
スに対する炭素原子の濃度をA(%)、また、該反応ガ
ス全体に対する窒素ガスの濃度をB(ppm)とし、さら
に含酸素化合物が該反応ガス中に含まれる場合の水素ガ
スに対する酸素原子の濃度をC(%)としたとき、反応
ガス組成 (但しα≦13、または、B≦20)の式を満たす領域内で
合成することを特徴とする高品質ダイヤモンドの気相合
成方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22226290A JP2921063B2 (ja) | 1990-08-22 | 1990-08-22 | 高品質ダイヤモンドの気相合成方法 |
EP19910113034 EP0469626B1 (en) | 1990-08-03 | 1991-08-02 | Chemical vapor deposition method of high quality diamond |
DE1991629314 DE69129314T2 (de) | 1990-08-03 | 1991-08-02 | CVD-Verfahren zur Herstellung von Diamant |
US08/115,783 US6162412A (en) | 1990-08-03 | 1993-09-03 | Chemical vapor deposition method of high quality diamond |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22226290A JP2921063B2 (ja) | 1990-08-22 | 1990-08-22 | 高品質ダイヤモンドの気相合成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04104992A JPH04104992A (ja) | 1992-04-07 |
JP2921063B2 true JP2921063B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=16779634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22226290A Expired - Lifetime JP2921063B2 (ja) | 1990-08-03 | 1990-08-22 | 高品質ダイヤモンドの気相合成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2921063B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7115241B2 (en) * | 2003-07-14 | 2006-10-03 | Carnegie Institution Of Washington | Ultrahard diamonds and method of making thereof |
US20100126406A1 (en) * | 2008-11-25 | 2010-05-27 | Yan Chih-Shiue | Production of Single Crystal CVD Diamond at Rapid Growth Rate |
-
1990
- 1990-08-22 JP JP22226290A patent/JP2921063B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04104992A (ja) | 1992-04-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH04305096A (ja) | 高品質気相合成ダイヤモンドの低温形成法 | |
Okabe | Photochemistry of acetylene at 1849 Å | |
US6162412A (en) | Chemical vapor deposition method of high quality diamond | |
Hudgins et al. | Infrared spectroscopy of matrix-isolated polycyclic aromatic hydrocarbon cations. 3. The polyacenes anthracene, tetracene, and pentacene | |
Zhu et al. | Carbon nanotube growth on carbon fibers | |
Lossing et al. | Free Radicals by Mass Spectrometry. I. The Measurement of Methyl Radical Concentrations | |
Johnson et al. | Efficiency of methane and acetylene in forming diamond by microwave plasma assisted chemical vapor deposition | |
KR960017936A (ko) | 불소 처리된 실리콘 산화물의 제조 방법 | |
Vandevelde et al. | Correlation between the OES plasma composition and the diamond film properties during microwave PA-CVD with nitrogen addition | |
US5201986A (en) | Diamond synthesizing method | |
JP2921063B2 (ja) | 高品質ダイヤモンドの気相合成方法 | |
US3842113A (en) | Catalyst for reducing carbon dioxide | |
Busby et al. | Discandium and dititanium, their synthesis and optical spectra in low temperature argon matrices | |
CZ20011675A3 (cs) | Způsob výroby karbidů wolframu nauhličováním v plynné fázi | |
Ruan et al. | Oxygen‐related centers in chemical vapor deposition of diamond | |
Milligan et al. | Matrix‐Isolation Study of the Vacuum‐Ultraviolet Photolysis of Difluorosilane. The Infrared and Ultraviolet Spectra of the Free Radical SiF2 | |
JP2008110891A (ja) | ダイヤモンド単結晶及びその製造方法 | |
Leeds et al. | Molecular beam mass spectrometry studies of nitrogen additions to the gas phase during microwave-plasma-assisted chemical vapour deposition of diamond | |
King | Eliminations of neutral metal fluoride and hydrogen fluoride fragments in the mass spectra of transition-metal fluorocarbon complexes | |
Lum et al. | Thermochemistry of alkylarsine compounds used as arsenic precursors in metalorganic vapor phase epitaxy | |
EP0469626B1 (en) | Chemical vapor deposition method of high quality diamond | |
Yu et al. | Effect of gas pressure on the synthesis of carbon nitride films during plasma-enhanced chemical vapor deposition | |
Mick et al. | Shock Tube study of Silicon atom oxidation by CO and CO2 | |
Conte et al. | Synthesis and characterization of tri-block fluorinated-n-alkanes | |
JP3071854B2 (ja) | ダイヤモンド膜作製方法およびその評価方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430 |