JP2919864B2 - No▲下2▼センサ及びその製造方法 - Google Patents

No▲下2▼センサ及びその製造方法

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JP2919864B2
JP2919864B2 JP24321789A JP24321789A JP2919864B2 JP 2919864 B2 JP2919864 B2 JP 2919864B2 JP 24321789 A JP24321789 A JP 24321789A JP 24321789 A JP24321789 A JP 24321789A JP 2919864 B2 JP2919864 B2 JP 2919864B2
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sensor
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芳彦 定岡
アルウィン ジョーンズ ティー
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] この発明は、鉛フタロシアニン錯体の電気抵抗値の変
化を用いたNO2センサと、その製造方法とに関する。
[従来技術] 有機半導体であるフタロシアニンにより微量のNO2
検出することを、発明者は検討してきた。この場合の問
題は、室温での応答が極端に遅く、また応答が不可逆な
ため、センサを150℃以上に加熱して用いなければなら
ない点にある。150℃以上に加熱した場合でも、センサ
の応答は速くはなく、特にNO2との接触後の回復速度が
遅い。更に150℃以上に加熱した場合でも、センサ特性
にはドリフトが存在する。満足すべきNO2センサを得る
には、センサの室温駆動を可能にし、かつNO2への応答
速度を改善し、更にセンサ特性のドリフトを除去する必
要が有る。
[発明の課題] この発明の課題は、以下の点に有る。
(1)NO2センサを室温でも作動するようにすること、 (2)センサのNO2への応答速度、即ちNO2との接触時の
応答速度とNO2を除いた後の応答速度とを、改善するこ
と、 (3)センサ特性のドリフトを除去すること、 (4)上記の課題(1)〜(3)を充たすNO2センサの
製造方法を得ること。
[発明の構成] この発明では、絶縁基板上に設けた平均結晶子径0.2
μm以下のPbフタロシアニン錯体の薄膜と、この薄膜に
接続した一対の電極とからNO2センサを構成する。
このようなセンサの製造には、例えば絶縁基板上に鉛
フタロシアニン錯体の薄膜を真空下で真空蒸着等により
形成し、次いで薄膜を酸素含有雰囲気中、例えば空気中
で熱処理して、薄膜中の不定形相を昇華させる共に、鉛
フタロシアニン錯体の平均結晶子径を0.2μm以下に変
化させるようにする。
[発明の効果] この発明では、 (1)室温でのNO2検出を可能にし、センサの応用範囲
を拡大する、 (2)NO2への応答速度を改善し、高速検出を可能にす
る、 (3)センサ特性のドリフトを防止する、 (4)このようなセンサの製造が可能になる、との効果
が得られる。
[実施例] センサの調製 Pbフタロシアニン錯体を調製し、真空蒸着によって薄
膜を形成した。基板にはガラスやアルミナやサファイア
を用い、蒸着源の鉛フタロシアニン錯体は石英るつぼに
収容し、るつぼ温度を450℃として蒸着した。蒸着の間
基板温度は50℃以下とした。得られたPbフタロシアニン
錯体の薄膜は、膜厚が1.8〜2μmで無秩序相と平均結
晶子径が0.2μm以下の微細結晶が混在したものであっ
た。なお薄膜の形態はSEM(走査型電子顕微鏡)で観察
した。
薄膜を、空気中で熱処理(以下この処理を前処理とい
う)した。前処理の前後での結合エネルギー等の変化
は、XPS(X線フォトンスペクトロメトリー)で観察し
た。前処理により薄膜中の無秩序相が失われると共に、
平均結晶子径も変化する。例えば300℃空気中1時間の
前処理により、薄膜の平均結晶子径は最大値(約5μ
m)に達する。前処理時間を更に延ばすと平均結晶子径
は減少し、空気中300℃5時間の前処理では平均結晶子
径は約0.2μmとなる。NO2センサとして最適の特性は、
空気中300℃5時間の前処理により得られた。
なお前処理雰囲気は空気に代えて、純酸素等の酸素含
有雰囲気に代えても良く、処理温度を数十℃低下させる
変わりに時間を延長しても、あるいは逆に処理温度を上
げて時間を短縮しても同じである。
得られたNO2センサの構造を、第1図に示す。図にお
いて、1は基板、2は鉛フタロシアニン錯体の薄膜、3,
4は一対のPt電極、5,6はこれらに接続したPtワイヤであ
る。このセンサは、NO2との接触による抵抗値の減少か
ら、NO2を検出する。そこで電極3,4に直流電圧を加え、
抵抗値を測定する。
センサ特性 空気中において室温で直流2端子法で測定した、セン
サ特性を第2図〜第5図に示す。なお第2図,第3図の
縦軸は、リニアスケールでの任意目盛りである。また第
2図〜第4図において用いたNO2は10ppmである。
第2図は空気中300℃での前処理による応答特性への
影響を示すものであり、用いた基板はガラスである。図
の抵抗値の減少はNO2との接触によるものであり、その
後の抵抗値の回復はNO2を雰囲気から除いたことによる
ものである(以下第3図も同じ)。曲線aは未処理での
結果を、bは3時間の前処理での結果を、cは5時間の
前処理での結果を表す。前処理により、NO2への応答は
接触時の応答、NO2除去後の応答とも著しく速やかにな
る。
第3図は、アルミナ基板を用い、空気中300℃で前処
理した際の結果を示す。図の曲線aは無処理での結果、
bは1時間の前処理、cは3時間の前処理、dは5時間
の前処理である。傾向は第2図の場合と同様であり、前
処理、特に5時間の前処理により応答速度が改善され
る。
第4図は、10ppmのNO2との接触時間による回復応答速
度(NO2除去時の応答速度)の変化を示す。センサは、
空気中(曲線a)または窒素中(曲線b)において、30
0℃で5時間前処理したものである。用いた基板は、ア
ルミナである。この結果は、窒素中の前処理と酸素中の
前処理との差を表している。
第5図は、空気中300℃で5時間前処理したセンサに
ついて、NO2濃度と電気伝導度との関係を示す。基板は
アルミナである。
参考のため、表1に前処理条件と抵抗値との関係を示
す。
最後にドリフトについて検討すると、前処理を行わな
い場合、センサを150℃以上に加熱して用いることが必
要である。そしてこの温度では、鉛フタロシアニン錯体
の相転移、粒子形態の変化、錯体の昇華、更にはNO2
よる酸化等により、センサ特性はドリフトする。これに
対して前処理を施したセンサでは、このようなドリフト
は僅かであった。これは、センサを室温で駆動し得るこ
とや、相転移や粒子形態の変化、昇華等のドリフト要因
を前処理で飽和させたこと、あるいは結晶子径が小さい
こと等によるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のNO2センサの平面図、 第2図〜第5図は実施例のNO2センサの特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−243260(JP,A) 特開 平1−311259(JP,A) 特開 平1−148953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に設けた、平均結晶子径0.2μ
    m以下のPbフタロシアニン錯体の薄膜と、この薄膜に接
    続した一対の電極とからなるNO2センサ。
  2. 【請求項2】絶縁基板上に鉛フタロシアニン錯体の薄膜
    を真空下で形成する工程と、 この薄膜を酸素含有雰囲気中で熱処理して、薄膜中の不
    定形相を昇華させると共に、鉛フタロシアニン錯体の平
    均結晶子径を0.2μm以下に変化させる工程、 及びこの薄膜に一対の電極を接続する工程とからなる、
    NO2センサの製造方法。
JP24321789A 1989-09-18 1989-09-18 No▲下2▼センサ及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2919864B2 (ja)

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KR960029785A (ko) * 1995-01-24 1996-08-17 구자홍 가스센서
KR101699592B1 (ko) * 2014-12-29 2017-01-24 정진주 조립식 의자 및 이를 이용한 증강현실 시스템

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