JP2918349B2 - 航空機用空気入りバイアスプライタイヤ - Google Patents

航空機用空気入りバイアスプライタイヤ

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JP2918349B2
JP2918349B2 JP3081139A JP8113991A JP2918349B2 JP 2918349 B2 JP2918349 B2 JP 2918349B2 JP 3081139 A JP3081139 A JP 3081139A JP 8113991 A JP8113991 A JP 8113991A JP 2918349 B2 JP2918349 B2 JP 2918349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は航空機用に好適な空気入
りバイアスプライタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤ技術分野における通念として、航
空機向け用途に適するタイヤは自動車、バス、トラック
といった類似の地上走行車両用のものに比べて、超高速
かつ大荷重使用条件に耐え得ることが要求される。地上
走行車に用いられるタイヤは相対的に狭い範囲の荷重の
下に耐用期間中数多くの屈曲(回転)を被る。航空機用
タイヤは離陸時に高遠心力と大荷重を、着陸時には(高
重力加速度を含む)急激な高衝撃応力を受ける。航空機
用タイヤが耐用期間中に被る屈曲は(地上走行タイヤに
比較して)相対的に少ない。本明細書およびクレームに
用いるタイヤとは「航空機用に適するもの」であって、
そのタイヤは「タイヤおよびリム協会年鑑」、「欧州タ
イヤおよびリム技術機構年鑑」または現行の米軍規格
「MIL−T−5041」のいずれかに指定された大き
さと荷重範囲またはプライ等級を有するタイヤに限定す
る。
【0003】先行技術において航空機用タイヤは評価
要件を満たすために、強化材としてマルチフィラメント
コードの高EPI打込み数を有する多数のカーカスプラ
とブレーカプライを用いて製造された。マルチフィ
ラメント強化コードを使用の理由は明らかにフィラメ
ント支持材としてコットンが合成材料に置換された際、
当時使用の天然繊維の外見を複写することが求められ、
マルチフィラメントの直径を有するモノフィラメントの
コードが硬過ぎ、したがってマルチフィラメントのコー
ドより疲れ破断をより起こしやすいと考えられたことに
よるのは明らかである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】航空機用タイヤを製造
する際に大径で偏平なモノフィラメントのコードを使用
することは、約17%繊維が少なく、約46%のゴムコ
ンパウンドの使用が少ない、航空機用仕様に合致するタ
イヤの供給が理論的に可能となる。
【0005】1989年7月25日グプタ(Gupt
a)に下りた米国特許4,850,412号に記載され
ているように、類似構造のモノフィラメントがラジアル
プライタイヤに用いられてきた。
【0006】モノフィラメントコードを用いて作ったバ
イアスプライ複合材の高剛性により、このモノフィラメ
ントがバイアスプライ航空機用タイヤに特に好適である
ことがわかっており、これは明らかに航空機用タイヤが
高荷重で比較的少ない屈曲を受けるという理由によるも
のである。
【0007】本発明のタイヤが驚くほど高い破裂強さを
有していることも発見されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本タイヤは少なくとも一
対の軸方向に間隔を隔てた実質的に伸びないビードと、
前記ビード上に巻き付けバイアスを掛けたカーカスプラ
イと、タイヤのクラウン部分のカーカスプライの半径方
向外方に配設されたブレーカプライを含み、前記カーカ
スプライおよび/または前記ブレーカプライは少なくと
も6g/デニールの靱性と、5%以下の収縮率を有する
実質的に並行なナイロンモノフィラメントコードを含
み、前記モノフィラメントコードは長軸がこれに直角の
短軸の2ないし5倍である長楕円形断面を有し、前記モ
ノフィラメントを用いて作ったサンプルバイアスプライ
複合材料がマルチフィラメントプライを用いて作った類
似の複合材料より10〜90%剛性が大であることを特
徴とする。
【0009】好ましい実施例において、本発明のタイヤ
は一対の第1ビードとこの一対の第1ビードの半径方向
外方に配設された一対の第2ビードを有するビード部
と、前記一対の第1ビード間に伸長する少なくとも一対
の上向きカーカスプライであって、一対の第1ビードに
軸方向および半径方向外方に折り込まれているカーカス
プライと、前記一対の第2ビード間に伸長する少なくと
も一対の上向きカーカスプライであって、一対のビード
の各ビードに対して軸方向および半径方向外方に折り込
まれている上向きカーカスプライと、ビード部間に伸長
しかつ上向きカーカスプライとビード総てに対して少な
くとも部分的に半径方向および軸方向に折り込まれた一
対の下向きカーカスと、タイヤのクラウン部分において
前記上向きおよび下向きカーカスの全体に半径方向外方
に配設された少なくとも一対のブレーカプライを含む。
バイアスプライのモノフィラメントコードはタイヤの赤
道面に対して24度ないし44度に配向され、ブレーカ
のモノフィラメントコードはタイヤの赤道面に対して1
8度ないし35度に配向される。
【0010】好ましい実施例において、モノフィラメン
トコードは約4000デニールであり、約8g/デニー
ルの靱性と、約50g/デニールの初期弾性率と、約1
8%の破断点伸びと、約4%の収縮率を有する。
【0011】
【実施例】クレーム中に用いられている用語の意味は下
記のとおりである。
【0012】「オブラウンド」とは幅が高さより大であ
り、鋭い角を有せず(例えば、楕円)一般に類似の丸み
を帯びた形を含む断面形をいう。
【0013】「軸方向」ないし「軸方向に」とはタイヤ
の回転軸に並行な方向をいう。
【0014】「半径方向」ないし「半径方向に」とはタ
イヤの回転軸に直角な方向をいう。「ビード」とはプラ
イコードに包まれ、他の強化要素の存在いかんに拘ら
ず、設計されたタイヤリムに嵌合する形を有する環状引
張部材よりなるタイヤ部分をいう。
【0015】「カーカス」とはベルト構造、トレッド、
下部トレッドおよび側壁ゴム以外であるがビードを含む
(カーカスプライはビード周辺に巻き付けられる)タイ
ヤ構造いをいう。
【0016】「赤道面」とはタイヤの回転軸に直角かつ
タイヤトレッドの中心を通過する面をいう。
【0017】「ブレーカプライ」とは縦方向強化部材を
有すると共に(本実施例において)その角度がタイヤの
赤道面に対して(バイアス)カーカスプライにおける上
記強化部材の角度より約5度少ない、タイヤのクラウン
領域における環状強化部材をいう。
【0018】「クラウン」とはトレッドが配設されるタ
イヤの円周の実質的に外方をいう。「リベット」とは2
つの隣接コード間の間隙量をいう。
【0019】「靱性」とは歪を与えていない試料の単位
直線密度当たりの力で表わされる応力(gm/texま
たはgm/デニール)をいう。(通常織物に用いる。)
【0020】「弾性率」とは歪変化に対する応力の変化
率をいう。
【0021】図1および図2(a)を参照し、好ましい
実施例である空気入りタイヤ10を説明するが、本タイ
ヤは一般にビード部15、カーカスプライ16、側壁2
6、内部ライナー30、ブレーカ22および(タイヤの
クラウン部24における)トレッド28よりなる。前記
具体的実施例におけるビード部15は一対の第1ビード
12,12aおよびビード12と12aに各々軸方向外
方に配設された一対の第2ビード14,14aよりな
る。上向きカーカスプライ17は一対の第1ビード1
2,12aの周囲に巻き付けられ、次いでビード12と
14(およびビード12aと14a)間を通過する。同
様に、上向きカーカスプライ18は一対の第2ビード1
4,14aの周囲に巻き付けられ、まずビード12と1
4(およびビード12aと14a)間を通過する。最後
に、下向きカーカスプライ20は上向きカーカスプライ
18上に載置され、タイヤのビード部15における両ビ
ード上、12,12aおよび14,14aに巻き付けら
れる。
【0022】類似のタイヤ構造が3ないし4本のタイヤ
ビードを用いたタイヤに使用可能であることも当業者に
了承されよう。
【0023】タイヤ10に対する半径方向支持をさらに
取り付けるため、ブレーカプライ22がタイヤのクラウ
ン部24におけるカーカスプライ20の上に載置され
る。タイヤの成形時において、側壁26がタイヤの側部
におけるカーカスプライ20の上に載置され、トレッド
ゴム28がタイヤのクラウン部24のブレーカプライ2
2の上に載置される。
【0024】カーカスプライとブレーカプライは、この
分野で周知のごとく、ほぼ並行な縦方向の強化部材で強
化される。本発明は特にナイロンモノフィラメントによ
り強化されたバイアスカーカスプライおよび/またはブ
レーカプライを有するバイアスプライ空気入りタイヤに
関するものである。カーカスおよび/またはブレーカプ
ライに用いられるナイロンモノフィラメントは楕円(長
方形)断面(偏平)を有し、少なくとも2000デニー
ルであって、少なくとも6g/デニールの靱性と、少な
くとも30g/デニール、望ましくは少なくとも40g
/デニールの初期弾性率と、少なくとも17%の破断点
伸びと、最大5%の収縮率を有する。このようなモノフ
ィラメント強化部材を使用することにより、理論的にタ
イヤの重量を減らして、より少ないゴムを用いたタイヤ
の製造が可能となる。
【0025】一般に判明していることは、2000デニ
ールのモノフィラメントが乗用車用タイヤに、4000
デニールのモノフィラメントが航空機用タイヤに、60
00デニールのモノフィラメントがトラック用バイアス
タイヤおよび土木機械に使用可能である。
【0026】ナイロンのモノフィラメント、特に本発明
を実施するのに適しているのは「ハイテン」の商標名の
下に米国デルウエア州、ウイルミントン市、イー.ア
イ.デュポン デ ニモアス アンド コンパニーから
販売されているものである。
【0027】本実施例において、高い破裂特性および耐
久性を有するタイヤは約8〜24EPI密度におけるナ
イロンモノフィラメントを含むカーカスプライを用いて
構成可能であることが判明している。6〜16EPI、
好ましくは10〜12EPIの密度におけるモノフィラ
メント強化材を用いるブレーカまたはベルトプライもタ
イヤの破裂強さ、耐久性および横方向安定性に寄与する
ことが可能である。本発明により作られたタイヤも優れ
た寸法上の安定性と低い発熱性を示すものと考えられ
る。
【0028】前記特性の多く、特に横方向安定性、寸法
上の安定性および低発熱性は、モノフィラメント強化コ
ードを用いて作った複合材の剛性に直接起因するものと
考えられる。4000デニールナイロンモノフィラメン
トを用いて作った試料複合材において、剛性が1260
/2および840/2マルチフィラメントナイロンコー
ドを用いて作った比肩試料複合材で観察された剛性より
約30%の増加が見られた。試料マルチフィラメント複
合材が約20N/mmの剛性を示したのに対して、(マ
ルチフィラメント強化コードで作った類似試料の剛性よ
り10〜90%から20〜50%大なる)類似試料にお
ける22〜38N/mm(望ましくは24〜30N/m
m)の剛性を示すものを使用した航空機用タイヤは、マ
ルチフィラメント強化コードを用いて作った航空機用タ
イヤに比べて著しく向上するものと考えられる。
【0029】さて図2(b)に示すごとく、本発明のタ
イヤに用いたカーカスプライ32はバイアスプライであ
って、この中には多数の並行モノフィラメントコード1
1を用いてプライに縦方向の強度を与えている。パイル
コード13を用いて取り扱い中にコード11を一括保持
してもよいが、タイヤ構造におけるこれらの保留性は任
意なものと見なされる。パイルコードは従来周知である
ようにカーカスプライの調製中に破断することもある。
【0030】本発明のバイアスプライタイヤ10におい
ては、カーカスバイアスプライがビード12,12aお
よび14,14aを覆ったモノフィラメントコード11
がタイヤの赤道面に対して約28度と40度間、好まし
くは34度の角度を有するように巻き付けられる。定義
するところにより、ブレーカプライの強化部材はカーカ
スプライに強化部材の角度より少なくとも5度少ない角
度を有し、したがってブレーカプライの強化部材はタイ
ヤの赤道面に対して23度と35度間、好ましくは29
度の角度を有する。
【0031】タイヤの各ビード部分15において、上向
きカーカスプライの各々はビードコアの1つの周りに軸
方向半径方向外方に折り曲げられ、下向きカーカスプラ
イ20は少なくとも一部がビードコアおよび上向きカー
カスプライ17と18の各々の周りに半径方向軸方向内
方に折り曲げられる。下向きカーカスプライ20は前記
下向きプライの各縁が各ビード部において軸方向内端ビ
ードコア12,12aの軸方向中点の軸方向内方に位置
する程度までビードコアの周囲に折り曲げる。本発明の
好ましい実施例において、バイアスプライとブレーカプ
ライ双方は、ここで述べたモノフィラメントコードで強
化される。しかし、当業者が認める如く、タイヤは本発
明により以下の通り作ってもよい;即ち、(重量を減じ
たタイヤの製造を可能ならしめるため)モノフィラメン
トコードで強化し、一方強度を増すかまたは他の望まし
い特性を付与するため)ブレーカプライを鋼あるいは他
の種類の強化材で補強する。同様に、本発明にしたがい
バイアスカーカスプライに従来材料を、ブレカープライ
にモノフィラメントコードを用いてタイヤを作ることも
できる。
【0032】図3、図4および図5に本発明を実施する
のに特に適したナイロンモノフィラメントの断面図を示
す。ほぼ長楕円の断面を有する若干偏平化したフィラメ
ント(図3参照)、丸みを帯びた端縁(図4参照)また
は中央部収縮(図5参照)を有する強く偏平化したフィ
ラメントは、寸法上の利点を供すると共に従来の円形断
面のフィラメントより任意のコード密度(EPI)に対
して少ないリベット領域を有する。好ましくは、ナイロ
ンフィラメントはできるだけ大きな長軸、即ち幅を有
し、前記幅に直角な短軸、即ち厚さの2ないし5倍を有
すべきである。したがって、これらはよりコンパクトな
タイヤの製造を可能とし、さらにこれによりタイヤは横
方向安定性をもつことになる。フィラメントのゴムに対
する接着を向上するため、断面加工をしたフィラメント
が有利であり、これは鋭い縁または角を有するフィラメ
ント断面が隣接したゴムに亀裂発生を起こさせるからで
ある。フィラメントを適当な接着剤、例えば、従来のR
FL接着剤で被覆してゴムのモノフィラメントに対する
接着を促進するのが本発明を実施するのに有利でもあ
る。
【0033】カーカスプライのすべての強化要素は実質
的に同一であり、各々は少なくとも2000、望ましく
は約4000と6000間のデニールのナイロンのモノ
フィラメントよりなる。モノフィラメントは定義では1
つのフィラメントよりなるコードである。4000デニ
ールおよびこれ以上のモノフィラメントを用いる場合、
各プライにおけるモノフィラメントは約8から1EP
I(インチ当たり端部)、望ましくは10から14EP
Iの密度で配設されて、タイヤカーカスの所望の機械的
特性を生じさせる。
【0034】当業者が認めるように強度と伸び特性の大
きな素材は、これにより作った航空機用タイヤの性能を
向上させることが可能である。前記データは本発明にし
たがってバイアスプライタイヤを製造するのに必要なモ
ノフィラメント強化材料の最小限度の必要条件を示すも
のである。この種の素材の最大靱性は約10g/デニー
ル、最大初期弾性率は約70g/デニール、最大破断点
伸びは約24%と予測される。
【0035】概略以下の特性を有する偏平の4000デ
ニールのナイロンモノフィラメントを用いて好ましい
実施例によるタイヤが製造されてきた。 断面高さ: 0.4mm 断面幅: 1.2mm 靱性: 9g/デニール 初期弾性率: 50g/デニール 破断点伸び: 19% 収縮率: 3.7%種々 の強度測定を標準引張試験機、収縮測定をテストラ
イト(Testrite) 収縮試験機を用いて行った。収縮率と
は、所定の長さのモノフィラメントを所定温度で所定時
間加熱後冷却した後の長さを、始めの長さと比較したと
きの減少割合である。
【0036】ナイロン6:6モノフィラメント強化部材
を有するバイアスカーカスプライを用いて作ったタイヤ
では、耐久性と耐摩耗性の増加となって表われた。また
偏平なナイロンコードの剛性もタイヤ構造を安定させ、
牽引波、内部プライ剪断歪および発熱性を低下させた。
【0037】本発明を次の例により詳説する。
【0038】例1 本例は4000dハイテン/NR複合材の曲げ剛性と8
40/2および1260/2ナイロン/NR複合材とを
比較するものである。
【0039】曲げ剛性比較用に構成した実験複合材は、
4000dハイテン(HYTEN)(登録商標)、84
0/2マルチフィラメントナイロンコードと1260/
2マルチフィラメントナイロンコードおよび天然ゴム
(NR)カーカス組成物を用いて航空機用タイヤ(18
×5.7−8)用のバイアスプライを模擬するようにし
たものである。試験複合材の構成は以下の通りである。
各試料に同一のゴム配合を用いた。試験用カーカス配合
物は通常当業者が用いる天然ゴム、45phrカーボン
ブラック、2phr燐、希釈油、酸化亜鉛充填材および
促進剤よりなる。(これは商用航空機、例えば、ボーイ
ング747タイヤ)に用いられる配合表である。強化コ
ードの所期硬化EPIとキュアードアングルは構成され
る模擬プライ総てに適用した。
【0040】
【表1】
【0041】4000dハイテン/NR、840/2ナ
イロン/NRおよび1260/2ナイロン/NRバンド
を各複合材に対して最適EPIで調製した。バンドを
(強化コードに並行に)正しい角度で切断しタイヤのク
ラウン部を模擬するべくプライ層形成を行った。試験試
料を2つ(大きさ−1×4インチ)裁断し試験用とし
た。本試料を3点折り曲げ具に載置し、0から5mmの
たわみ間で3回サイクルを反復し、第4サイクルから剛
性を測定した。
【0042】ハイテンおよびマルチフィラメントナイロ
ン強化コードを用いた複合材の剛性は各々26と20N
/mmであった。本ハイテン複合材はマルチフィラメン
トコード複合材より剛性が約30%高い。
【0043】例2 以下の表は従来の840/2マルチフィラメントナイロ
ン強化コードをカーカスに、1260/2マルチフィラ
メントナイロン強化コードをブレーカプライ(表2)に
用いて作った航空機用タイヤ構成と、その他ハイテンを
カーカスプライに、従来のマルチフィラメントナイロン
強化コードをブレーカに(表3)用いて作った類似の航
空機用タイヤ構成と、さらにナイロンモノフィラメント
(ハイテン)強化コードをカーカスプライとブレーカに
(表4)用いて作った実質的に類似の航空機用タイヤ構
成を示す。
【0044】本データはハイテン強化カーカスプライを
使用したタイヤが、マルチフィラメント強化コードを用
いて作ったタイヤよりも破裂強さが向上したことを
し、またハイテンコードによりカーカスプライとブレー
カプライの両方を強化したタイヤの破裂強さが、さらに
増加したことを示す。各場合におけるカーカスプライの
寸法は0.028インチで、表2と3の場合のブレーカ
プライの寸法は0.036インチ、表4は0.030イ
ンチであった。
【0045】
【表2】マルチフィラメント構成#866 重量15.
7ポンド 破裂=1310ポンド
【0046】
【表3】ハイテン構成#346 重量16.8ポンド
破裂=1600ポンド
【0047】
【表4】ハイテン構成#345 重量16.9ポンド
破裂=1660ポンド 破裂試験において、タイヤをまず定格圧力まで水を満
たしその時点で十分時間を保持してタイヤが破壊に耐え
るかどうか決定の上、予想破裂圧まで静水圧で膨張さ
せ、その時点で十分な時間保持して以後破壊に耐えるか
どうかを決定し、その後タイヤが破裂するまで膨らまし
て、破壊時の水圧を測定する。
【0048】17EPIのハイテンをカーカスプライに
用いて作ったタイヤは(明らかにモノフィラメント間に
十分なゴムが無いゆえに)動力試験機上で破壊すること
がわかったが、バイアスプライタイヤにハイテン強化コ
ードを用いると破裂強度を向上する実行可能性のあるこ
とが実験では示された。
【0049】例3 4000デニールナイロンモノフィラメントをカーカス
プライおよびブレーカに以下の表5の如く用いて本発明
によりタイヤを製造した。カーカスプライの寸法は0.
028インチ、ブレーカプライの寸法は0.030イン
チであった。
【0050】
【表5】ハイテン構成#344 タイヤ重量16.0ポ
ンド 破裂=1440ポンド 本データは、14EPIのハイテンモノフィラメント
カーカスプライと12EPIブレーカプライを用いた作
ったタイヤが、35EPIマルチフィラメント強化材を
カーカスに、18EPIマルチフィラメント強化材をブ
レーカに用いて(例2参照)作ったタイヤに重量におい
て比肩しうると共に、破裂強さにおいて約10%向上し
たことを示す。
【0051】例4 本例は1260/2マルチフィラメントナイロンで強化
した8つのカーカスプライと4つのブレーカプライより
なるタイヤ構成(687−8)と、ナイロンモノフィラ
メント(ハイテン)強化した8つのカーカスプライと4
つのブレーカプライおよび840/2ナイロンマルチフ
ィラメントで強化した2つの追加ブレーカプライよりな
るタイヤ構成(697−3)との動力試験機による比較
試験結果を示す。
【0052】 タイヤサイズ: 25.5×80−14 プライ等級: 20 定格荷重: 16200ポンド 定格膨脹: 310 PSI
【0053】
【表6】 本データは2つのブレーカプライを追加使用したとはい
え、マルチフィラメントを用いて作った類似のタイヤよ
り軽いタイヤを、モノフィラメントを用いて製造可能な
ことを示している。
【0054】例5 本例は例2のマルチフィラメント強化タイヤ構成と、例
3のモノフィラメント強化タイヤ構成とを動力試験機を
用いて比較した試験結果を示す。
【0055】タイヤサイズ: 18×5.7−8 プライ等級: 20 定格荷重: 9350ポンド 定格膨脹: 327 PSI
【0056】
【表7】 離陸中断サイクルとは動力試験機上の最も厳しい条件
(最高速とこれに続く急ブレーキ)を指す。開発準備段
階では総てのタイヤがこのような条件では合格しないと
予想される。これら実験はハイテン構成がマルチフィラ
メント構成に少なくとも比肩する動的特性を備えている
ことを示す。
【0057】本発明の具体的実施例を図示記述したが、
本発明はその精神より逸脱することなく修正および実行
できることは当業者によって了承されよう。本発明は前
記のクレームによってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例によるタイヤの回転軸を含む
面についてのタイヤの断面図である。
【図2】(a)はタイヤのビード部分の拡大図である。 (b)は偏平強化モノフィラメントを用いた強化プライ
の部分図である。
【図3】本発明の用途に適した長楕円形モノフィラメン
トコードの拡大断面図である。
【図4】丸みを付けた端縁を有する代替モノフィラメン
トコードの拡大断面図である。
【図5】しわ付きまたは偏平モノフィラメントコードの
拡大断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りバイアスプライタイヤ 11 モノフィラメントコード 12,12a 第1ビード 13 パイルコード 14,14a 第2ビード 15 ビード部 16 カーカスプライ 17 上向きカーカスプライ 18 上向きカーカスプライ 20 下向きカーカスプライ 22 ブレーカ 24 クラウン部 26 側壁 28 トレッド 30 内部ライナー 32 カーカスプライ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D07B 1/06 D07B 1/06 A // D02G 3/48 D02G 3/48 (73)特許権者 590002976 1144 East Market Str eet,Akron,Ohio 44316 −0001,U.S.A. (72)発明者 ルイス ティモシー ルキッチ アメリカ合衆国 44313 オハイオ州 アクロン ウエスト マーケット スト リート 1025 (72)発明者 ジョアン エリザベス ショウ アメリカ合衆国 44223 オハイオ州 ケホゲ フォールズ 17 ストリート 2023 (56)参考文献 特開 平2−303904(JP,A) 特開 平2−175910(JP,A) 特開 平1−148828(JP,A) 特開 昭47−2351(JP,A) 実開 平2−141502(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D07B 1/00 - 9/00 D02G 1/00 - 3/48 B60C 9/00 - 9/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機用空気入りバイアスプライタイヤ
    であって、 (a)少なくとも一対の軸方向に間隔をおいて設けられ
    た実質的に伸張性のないビードと、 (b)前記ビード上に巻き付けられたバイアスカーカス
    プライと、 (c)前記タイヤのクラウン部分のカーカスプライの半
    径方向外方に配設されたブレーカプライを含み、 前記カーカスプライおよび前記ブレーカプライが、少な
    くとも6g/デニールの靱性と、少なくとも30g/デ
    ニールの初期弾性率と、テストライト収縮試験機を用い
    て測定した5%以下の収縮率を有する実質的に並なナ
    イロンモノフィラメントコードを含み、 前記モノフィラメントコードは、長い方の長さがこれに
    直角な短い方の長さの2ないし5倍であるほぼ長楕円の
    断面を有し、 天然ゴムおよび前記モノフィラメントを強化コードとし
    て組み込んで作られたバイアスプライサンプル複合材
    が、マルチフィラメント強化コードを用いて作られた
    一構造のサンプル複合材より10〜90%剛性が大であ
    り、 前記ナイロンモノフィラメントが約9g/デニールの靱
    性と、約50g/デニールの初期弾性率と、少なくとも
    18%の破断伸びと、4%以下の収縮率とを有し、 前記カーカスプライのナイロンモノフィラメントが、タ
    イヤの赤道面に対して24度から44度に配向され、 前記ブレーカプライのナイロンモノフィラメントが、タ
    イヤの赤道面に対して18度から35度に配向された、
    航空機用空気入りバイアスプライタイヤ。
  2. 【請求項2】 航空機用に好適な空気入りバイアスプラ
    イタイヤであって、 (a)一対のビード部に配設された、軸方向に間隔をお
    いて設けられた実質的に伸張性のない第1の一対のビー
    ドと、 (b)前記第1の一対のビードのビード間に伸長され、
    前記第1の一対のビードのまわりに軸方向および半径方
    向外方に折り曲げられた、少なくとも一対の上へ折り返
    されたカーカスプライと、 (c)軸方向に間隔をおいて設けられ、前記第1の一対
    のビードの各ビードおよびこれに折り込まれた上へ折り
    返されたカーカスの軸方向外方に配設された、実質的に
    伸張性のない第2の一対のビードと、 (d)第2のひと組のビードのビード間に伸長し、前記
    第2の一対のビードの各ビードまわりに軸方向および半
    径方向に折り込まれた、少なくとも一対の上へ折り返さ
    れたカーカスプライと、 (e)前記ビード部に伸びている一対の下方へ折り返さ
    れたカーカスプライであって、前記下方へ折り返された
    カーカスプライは、半径方向および軸方向内方へ、少な
    くとも部分的に、前記上へ折り返されたカーカスプライ
    およびビードの全体の周りに折り曲げられており、 (f)タイヤのクラウン部において、前記上へ折り返さ
    れおよび下へ折り返されたカーカスプライの全体の半径
    方向外方に少なくとも一対のブレーカプライが配設さ
    れ、 前記上へ折り返されおよび下へ折り返されたカーカスプ
    ライの全体が、少なくとも6g/デニールの靱性と、少
    なくとも35g/デニールの初期弾性率と、テストライ
    ト収縮試験機を用いて測定した5%以下の収縮率を有
    し、そして長い方の長さがこれに直角な短い方の長さの
    2ないし5倍である長方形断面を有する、互いに並列す
    るナイロンモノフィラメントを含み、 そして天然ゴムおよび前記モノフィラメントを強化コー
    ドとして組み込んで作られた10プライのバイアスサン
    プル複合材が、マルチフィラメント強化コードを用いて
    作られた同一構造のサンプル複合材より10〜90%剛
    性が大である、航空機用空気入りバイアスプライタイ
    ヤ。
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