JP2916456B2 - 液晶表示装置の端子の形成方法 - Google Patents

液晶表示装置の端子の形成方法

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JP2916456B2
JP2916456B2 JP2568398A JP2568398A JP2916456B2 JP 2916456 B2 JP2916456 B2 JP 2916456B2 JP 2568398 A JP2568398 A JP 2568398A JP 2568398 A JP2568398 A JP 2568398A JP 2916456 B2 JP2916456 B2 JP 2916456B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はたとえば薄膜トラ
ンジスタと画素電極とを画素の一構成要素とするアクテ
ィブ・マトリックス方式のカラー液晶表示装置等の液晶
表示装置を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアクティブ・マトリックス方式の
液晶表示装置の製造方法においては、米国特許第382
4003号明細書に示されるように、ゲート絶縁膜とし
て使用される絶縁膜を形成したのちに、ドレイン端子を
形成している。
【0003】なお、ドレイン信号線をアルミニウムで形
成し、ドレイン端子をクロムで形成する構成は特開昭6
2−143028号公報で知られている。
【0004】また、ドレイン端子をクロム膜とクロム膜
を覆う透明電極とで形成する構成は特開昭62−356
69号公報で知られている。
【0005】また、ドレイン信号線をアルミニウムとク
ロムで形成し、ドレイン端子をクロム膜で形成し、ドレ
イン端子のクロム膜を透明電極で覆う構成は特開昭63
−316084号公報で知られている。
【0006】しかし、何れの先行技術にも、端子を第1
導電膜と第1導電膜上の第2導電膜の多層膜で形成し、
第1、第2導電膜を覆う絶縁膜形成後に第1導電膜上の
第2導電膜を除去する構成の記載はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような液
晶表示装置の製造方法においては、端子形成後に薄膜ト
ランジスタを覆う保護膜を形成するので、保護膜形成工
程で端子表面が汚染される可能性があり、端子の接続不
良を生じる可能性があった。
【0008】この発明は上述の問題を解決するためにな
されたもので、端子の表面が汚染されることがない液晶
表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明においては、液晶表示装置の一方のガラス
基板上に、信号線および該信号線に接続する端子となる
端子部を、第1導電膜と、該第1導電膜上に堆積され上
記第1導電膜に対し選択エッチング可能な第2導電膜と
の多層膜により形成する工程と、上記ガラス基板上に上
記信号線および上記端子部を覆う絶縁膜を形成する工程
と、上記絶縁膜上にレジストを設け、上記端子部上の上
記絶縁膜を除去する工程と、上記絶縁膜上に上記レジス
トを残した状態で、上記絶縁膜と同じレジストを用い
て、上記端子部の上記絶縁膜から露呈した上記第2導電
膜を除去する工程と、上記レジストを上記絶縁膜から除
去する工程と、上記端子部の上記第1導電膜の上記第2
導電膜が除去された部分に透明導電膜からなる第3導電
膜を形成する工程とよりなる液晶表示装置の端子の形成
方法とする。
【0010】さらに、上記第2導電膜はアルミニウムを
主成分とする導電膜からなることとする。
【0011】さらに、上記第1導電膜はクロムからなる
こととする。
【0012】また、上記絶縁膜を形成する工程はプラズ
マCVD装置により窒化シリコン膜を形成し、上記第2
導電膜はアルミニウム−パラジウム、アルミニウム−シ
リコン、アルミニウム−シリコン−チタンまたはアルミ
ニウム−シリコン−銅の中から選ばれる導電膜からなる
こととする。
【0013】さらに、上記第1導電膜はクロムからなる
こととする。
【0014】この液晶表示装置の端子の形成方法におい
ては、完成後に接続端子となる端子部を第1導電膜と第
2導電膜の多層膜で形成し、その上に絶縁膜を形成し、
端子部を絶縁膜から露呈した後第1導電膜上の第2導電
膜を除去するので、絶縁膜形成工程および絶縁膜除去工
程で端子部の第1導電膜が汚染されることがなく、その
後第1導電膜上に形成される第3導電膜が剥がれること
がない。
【0015】さらに、絶縁膜を除去する工程と端子部の
第2導電膜を除去する工程は、同じレジストを用いるの
で、製造工程が短縮できる。
【0016】また、第3導電膜は酸化膜である透明導電
膜からなるので、端子の腐蝕を防止することができる。
【0017】また、信号線も第1導電膜と第2導電膜の
多層膜で同時形成するので、特別な工程を増やすことな
く信号線の断線を防止することができる。
【0018】さらに、第2導電膜をアルミニウムを主成
分とする導電膜で形成することにより、特別な工程を増
やすことなく信号線の配線抵抗を低減することができ、
信号伝達速度の高速化を図ることができる。
【0019】さらに、第1導電膜をクロムからなる導電
膜で形成することにより、クロムは透明導電膜からなる
第3導電膜との接着性が良好なので、第3導電膜と第1
導電膜のコンタクト不良が更に改善される。
【0020】また、絶縁膜をプラズマCVD装置により
窒化シリコン膜で形成する場合は、第2導電膜をアルミ
ニウム−パラジウム、アルミニウム−シリコン、アルミ
ニウム−シリコン−チタンまたはアルミニウム−シリコ
ン−銅の中から選ばれる導電膜で形成することにより、
絶縁膜形成工程で第2導電膜にヒロックが発生するのを
防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明を適用すべきアクティブ
・マトリックス方式のカラー液晶表示装置の液晶表示部
の一画素を図3(要部平面図)で示し、図3のII−II切
断線で切った断面を図4で示す。また、図5(要部平面
図)には、図3に示す画素を複数配置した液晶表示部の
要部を示す。
【0022】図3〜図5に示すように、液晶表示装置
は、下部透明ガラス基板SUB1の内側(液晶側)の表
面上に、薄膜トランジスタTFTおよび透明画素電極I
TOを有する画素が構成されている。下部透明ガラス基
板SUB1はたとえば1.1mm程度の厚さで構成され
ている。
【0023】各画素は、隣接する2本の走査信号線(ゲ
ート信号線または水平信号線)GLと、隣接する2本の
映像信号線(ドレイン信号線または垂直信号線)DLと
の交差領域内(4本の信号線で囲まれた領域内)に配置
されている。走査信号線GLは、図3および図5に示す
ように、列方向に延在し、行方向に複数本配置されてい
る。映像信号線DLは、行方向に延在し、列方向に複数
本配置されている。
【0024】各画素の薄膜トランジスタTFTは、画素
内において3つ(複数)に分割され、薄膜トランジスタ
(分割薄膜トランジスタ)TFT1、TFT2およびT
FT3で構成されている。薄膜トランジスタTFT1〜
TFT3のそれぞれは、実質的に同一サイズ(チャネル
長と幅が同じ)で構成されている。この分割された薄膜
トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞれは、主にゲ
ート電極GT、絶縁膜GI、i型(真性、intrinsic、
導電型決定不純物がドープされていない)シリコン(S
i)からなるi型半導体層AS、一対のソース電極SD
1およびドレイン電極SD2で構成されている。なお、
ソース・ドレインは本来その間のバイアス極性によって
決まり、この液晶表示装置の回路ではその極性は動作中
反転するので、ソース・ドレインは動作中入れ替わると
理解されたい。しかし以下の説明でも、便宜上一方をソ
ース、他方をドレインと固定して表現する。
【0025】前記ゲート電極GTは、図6(所定の製造
工程における要部平面図)に詳細に示すように、走査信
号線GLから行方向(図3および図6において下方向)
に突出するT字形状で構成されている(T字形状に分岐
されている)。つまり、ゲート電極GTは、映像信号線
DLと実質的に平行に延在するように構成されている。
ゲート電極GTは、薄膜トランジスタTFT1〜TFT
3のそれぞれの形成領域まで突出するように構成されて
いる。薄膜トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞれ
のゲート電極GTは、一体に(共通ゲート電極として)
構成されており、同一の走査信号線GLに連続して形成
されている。ゲート電極GTは、薄膜トランジスタTF
Tの形成領域において大きい段差をなるべく作らないよ
うに、単層の第1導電膜g1で構成する。第1導電膜g
1は、たとえばスパッタで形成されたクロム(Cr)膜
を用い、1100Å程度の膜厚で形成する。
【0026】このゲート電極GTは、図3、図4および
図7に示されているように、i型半導体層ASを完全に
覆うよう(下方からみて)それより大き目に形成され
る。したがって、下部透明ガラス基板SUB1の下方に
蛍光灯等のバックライトを取り付けた場合、この不透明
のCrゲート電極GTが影となって、半導体層ASには
バックライト光が当たらず、前述した光照射による導電
現象すなわちTFTのオフ特性劣化は起きにくくなる。
なお、ゲート電極GTの本来の大きさは、ソース・ドレ
イン電極SD1、SD2間をまたがるに最低限必要な
(ゲート電極とソース・ドレイン電極の位置合わせ余裕
分も含めて)幅を持ち、チャネル幅Wを決めるその奥行
き長さはソース・ドレイン電極間の距離(チャネル長)
Lとの比、すなわち相互コンダクタンスgmを決定する
ファクタW/Lをいくつにするかによって決められる。
【0027】この液晶表示装置におけるゲート電極の大
きさはもちろん、上述した本来の大きさよりも大きくさ
れる。
【0028】ゲート電極GTのゲートおよび遮光の機能
面からだけで考えれば、ゲート電極GTおよびその配線
GLは単一の層で一体に形成してもよく、この場合不透
明導電材料としてSiを含有させたAl、純Al、およ
びPdを含有させたAl等を選ぶことができる。
【0029】前記走査信号線GLは、第1導電膜g1お
よびその上部に設けられた第2導電膜g2からなる複合
膜で構成されている。この走査信号線GLの第1導電膜
g1は、前記ゲート電極GTの第1導電膜g1と同一製
造工程で形成され、かつ一体に構成されている。第2導
電膜g2はたとえばスパッタで形成されたアルミニウム
(Al)膜を用い、900〜4000Å程度の膜厚で形
成する。第2導電膜g2は、走査信号線GLの抵抗値を
低減し、信号伝達速度の高速化(画素の情報の書込特
性)を図ることができるように構成されている。
【0030】また、走査信号線GLは、第1導電膜g1
の幅寸法に比べて第2導電膜g2の幅寸法を小さく構成
している。すなわち、走査信号線GLは、その側壁の段
差形状をゆるやかにすることができるので、その上層の
絶縁膜GIの表面を平坦化できるように構成されてい
る。
【0031】絶縁膜GIは、薄膜トランジスタTFT1
〜TFT3のそれぞれのゲート絶縁膜として使用され
る。絶縁膜GIは、ゲート電極GTおよび走査信号線G
Lの上層に形成されている。絶縁膜GIはたとえばプラ
ズマCVDで形成された窒化珪素膜を用い、3000Å
程度の膜厚で形成する。前述のように、絶縁膜GIの表
面は、薄膜トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞれ
の形成領域および走査信号線GL形成領域において平坦
化されている。
【0032】i型半導体層ASは、図7(所定の製造工
程における要部平面図)で詳細に示すように、複数に分
割された薄膜トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞ
れのチャネル形成領域として使用される。複数に分割さ
れた薄膜トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞれの
i型半導体層ASは、画素内において一体に構成されて
いる。すなわち、画素の分割された複数の薄膜トランジ
スタTFT1〜TFT3のそれぞれは、1つの(共通
の)i型半導体層ASの島領域で構成されている。i型
半導体層ASは、非晶質シリコン膜または多結晶シリコ
ン膜で形成し、約1800Å程度の膜厚で形成する。
【0033】このi型半導体層ASは、供給ガスの成分
を変えてSi34からなる絶縁膜GIの形成に連続し
て、同じプラズマCVD装置で、しかもその装置から外
部に露出することなく形成される。また、オーミックコ
ンタクト用のPをドープしたN+型半導体層d0(図
4)も同様に連続して約400Åの厚さに形成される。
しかる後、下部透明ガラス基板SUB1はCVD装置か
ら外に取り出され、写真処理技術により、N+型半導体
層d0およびi型半導体層ASは図3、図4および図7
に示すように独立した島状にパターニングされる。
【0034】このように、画素の複数に分割された薄膜
トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞれのi型半導
体層ASを一体に構成することにより、薄膜トランジス
タTFT1〜TFT3のそれぞれに共通のドレイン電極
SD2がi型半導体層AS(実際には、第1導電膜g1
の膜厚、N+型半導体層d0の膜厚およびi型半導体層
ASの膜厚とを加算した膜厚に相当する段差)をドレイ
ン電極SD2側からi型半導体層AS側に向って1度乗
り越えるだけなので、ドレイン電極SD2が断線する確
率が低くなり、点欠陥の発生する確率を低減することが
できる。つまり、この液晶表示装置では、ドレイン電極
SD2がi型半導体層ASの段差を乗り越える際に画素
内に発生する点欠陥が3分の1に低減できる。
【0035】また、この液晶表示装置のレイアウトと異
なるが、i型半導体層ASを映像信号線DLが直接乗り
越え、この乗り越えた部分の映像信号線DLをドレイン
電極SD2として構成する場合、映像信号線DL(ドレ
イン電極SD2)がi型半導体層ASを乗り越える際の
断線に起因する線欠陥の発生する確率を低減することが
できる。つまり、画素の複数に分割された薄膜トランジ
スタTFT1〜TFT3のそれぞれのi型半導体層AS
を一体に構成することにより、映像信号線DL(ドレイ
ン電極SD2)がi型半導体層ASを1度だけしか乗り
越えないためである(実際には、乗り始めと乗り終わり
の2度である)。
【0036】前記i型半導体層ASは、図3および図7
に詳細に示すように、走査信号線GLと映像信号線DL
との交差部(クロスオーバ部)の両者間まで延在させて
設けられている。この延在させたi型半導体層ASは、
交差部における走査信号線GLと映像信号線DLとの短
絡を低減するように構成されている。
【0037】画素の複数に分割された薄膜トランジスタ
TFT1〜TFT3のそれぞれのソース電極SD1とド
レイン電極SD2とは、図3、図4および図8(所定の
製造工程における要部平面図)で詳細に示すように、i
型半導体層AS上にそれぞれ離隔して設けられている。
ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれは、
回路のバイアス極性が変ると、動作上、ソースとドレイ
ンとが入れ替わるように構成されている。つまり、薄膜
トランジスタTFTは、FETと同様に双方向性であ
る。
【0038】ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の
それぞれは、N+型半導体層d0に接触する下層側か
ら、第1導電膜d1、第2導電膜d2、第3導電膜d3
を順次重ね合わせて構成されている。ソース電極SD1
の第1導電膜d1、第2導電膜d2および第3導電膜d
3は、ドレイン電極SD2のそれぞれと同一製造工程で
形成される。
【0039】第1導電膜d1は、スパッタで形成したク
ロム膜を用い、500〜1000Åの膜厚(この液晶表
示装置では、600Å程度の膜厚)で形成する。クロム
膜は、膜厚を厚く形成するとストレスが大きくなるの
で、2000Å程度の膜厚を越えない範囲で形成する。
クロム膜は、N+型半導体層d0との接触が良好であ
る。クロム膜は、後述する第2導電膜d2のアルミニウ
ムがN+型半導体層d0に拡散することを防止する、所
謂バリア層を構成する。第1導電膜d1としては、クロ
ム膜の他に、高融点金属(Mo、Ti、Ta、W)膜、
高融点金属シリサイド(MoSi2、TiSi2、TaS
2、WSi2)膜で形成してもよい。
【0040】第1導電膜d1を写真処理でパターニング
した後、同じ写真処理用マスクであるいは第1導電膜d
1をマスクとしてN+型半導体層d0が除去される。つ
まり、i型半導体層AS上に残っていたN+型半導体層
d0は第1導電膜d1以外の部分がセルフアラインで除
去される。このとき、N+型半導体層d0はその厚さ分
は全て除去されるようエッチされるのでi型半導体層A
Sも若干その表面部分でエッチされるが、その程度はエ
ッチ時間で制御すればよい。
【0041】しかる後、第2導電膜d2がアルミニウム
のスパッタリングで3000〜5500Åの膜厚(この
液晶表示装置では、3500Å程度の膜厚)に形成され
る。アルミニウム膜は、クロム膜に比べてストレスが小
さく、厚い膜厚に形成することが可能で、ソース電極S
D1、ドレイン電極SD2および映像信号線DLの抵抗
値を低減するように構成されている。第2導電膜d2
は、薄膜トランジスタTFTの動作速度の高速化および
映像信号線DLの信号伝達速度の高速化を図ることがで
きるように構成されている。つまり、第2導電膜d2
は、画素の書込特性を向上することができる。第2導電
膜d2としては、アルミニウム膜の他に、シリコン(S
i)や銅(Cu)やパラジウム(Pd)を添加物として
含有させたアルミニウム膜で形成してもよい。
【0042】第2導電膜d2の写真処理技術によるパタ
ーニング後、第3導電膜d3がスパッタで形成された透
明導電膜(ITO:ネサ膜)を用い、1000〜200
0Åの膜厚(この液晶表示装置では、1200Å程度の
膜厚)で形成される。この第3導電膜d3は、ソース電
極SD1、ドレイン電極SD2および映像信号線DLを
構成するとともに、透明画素電極ITOを構成するよう
になっている。
【0043】ソース電極SD1の第1導電膜d1、ドレ
イン電極SD2の第1導電膜d1のそれぞれは、上層の
第2導電膜d2および第3導電膜d3に比べてチャネル
形成領域側を大きいサイズで構成している。つまり、第
1導電膜d1は、第1導電膜d1と第2導電膜d2およ
び第3導電膜d3との間の製造工程におけるマスク合せ
ずれが生じても、第2導電膜d2および第3導電膜d3
に比べて大きいサイズ(第1導電膜d1〜第3導電膜d
3のそれぞれのチャネル形成領域側がオンザラインでも
よい)になるように構成されている。ソース電極SD1
の第1導電膜d1、ドレイン電極SD2の第1導電膜d
1のそれぞれは、薄膜トランジスタTFTのゲート長L
を規定するように構成されている。
【0044】このように、画素の複数に分割された薄膜
トランジスタTFT1〜TFT3において、ソース電極
SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれの第1導電膜d
1のチャネル形成領域側を第2導電膜d2および第3導
電膜d3に比べて大きいサイズで構成することにより、
ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれの第
1導電膜d1間の寸法で、薄膜トランジスタTFTのゲ
ート長Lを規定することができる。第1導電膜d1間の
離隔寸法(ゲート長L)は、加工精度(パターンニング
精度)で規定することができるので、薄膜トランジスタ
TFT1〜TFT3のそれぞれのゲート長Lを均一にす
ることができる。
【0045】ソース電極SD1は、前記のように、透明
画素電極ITOに接続されている。ソース電極SD1
は、i型半導体層ASの段差形状(第1導電膜g1の膜
厚、N+型半導体層d0の膜厚およびi型半導体層AS
の膜厚とを加算した膜厚に相当する段差)に沿って構成
されている。具体的には、ソース電極SD1は、i型半
導体層ASの段差形状に沿って形成された第1導電膜d
1と、この第1導電膜d1の上部にそれに比べて透明画
素電極ITOと接続される側を小さいサイズで形成した
第2導電膜d2と、この第2導電膜から露出する第1導
電膜d1に接続された第3導電膜d3とで構成されてい
る。ソース電極SD1の第1導電膜d1は、N+型半導
体層d0との接着性が良好であり、かつ主に第2導電膜
d2からの拡散物に対するバリア層として構成されてい
る。ソース電極SD1の第2導電膜d2は、第1導電膜
d1のクロム膜がストレスの増大から厚く形成できず、
i型半導体層ASの段差形状を乗り越えられないので、
このi型半導体層ASを乗り越えるために構成されてい
る。つまり、第2導電膜d2は、厚く形成することでス
テップカバレッジを向上している。第2導電膜d2は、
厚く形成できるので、ソース電極SD1の抵抗値(ドレ
イン電極SD2や映像信号線DLについても同様)の低
減に大きく寄与している。第3導電膜d3は、第2導電
膜d2のi型半導体層ASに起因する段差形状を乗り越
えることができないので、第2導電膜d2のサイズを小
さくすることで露出する第1導電膜d1に接続するよう
に構成されている。第1導電膜d1と第3導電膜d3と
は、接着性が良好であるばかりか、両者間の接続部の段
差形状が小さいので、確実に接続することができる。
【0046】このように、薄膜トランジスタTFTのソ
ース電極SD1を、少なくともi型半導体層ASに沿っ
て形成されたバリア層としての第1導電膜d1と、この
第1導電膜d1の上部に形成され、第1導電膜d1に比
べて比抵抗値が小さく、かつ第1導電膜d1に比べて小
さいサイズの第2導電膜d2とで構成し、この第2導電
膜d2から露出する第1導電膜d1に透明画素電極IT
Oである第3導電膜d3を接続することにより、薄膜ト
ランジスタTFTと透明画素電極ITOとを確実に接続
することができるので、断線に起因する点欠陥を低減す
ることができる。しかも、ソース電極SD1は、第1導
電膜d1によるバリア効果で、抵抗値の小さい第2導電
膜d2(アルミニウム膜)を用いることができるので、
抵抗値を低減することができる。
【0047】ドレイン電極SD2は、映像信号線DLと
一体に構成されており、同一製造工程で形成されてい
る。ドレイン電極SD2は、映像信号線DLと交差する
列方向に突出したL字形状で構成されている。つまり、
画素の複数に分割された薄膜トランジスタTFT1〜T
FT3のそれぞれのドレイン電極SD2は、同一の映像
信号線DLに接続されている。
【0048】前記透明画素電極ITOは、各画素毎に設
けられており、液晶表示部の画素電極の一方を構成す
る。透明画素電極ITOは、画素の複数に分割された薄
膜トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞれに対応し
て3つの透明画素電極(分割透明画素電極)ITO1、
ITO2およびITO3に分割されている。透明画素電
極ITO1は、薄膜トランジスタTFT1のソース電極
SD1に接続されている。透明画素電極ITO2は、薄
膜トランジスタTFT2のソース電極SD1に接続され
ている。透明画素電極ITO3は、薄膜トランジスタT
FT3のソース電極SD1に接続されている。
【0049】透明画素電極ITO1〜ITO3のそれぞ
れは、薄膜トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞれ
と同様に、実質的に同一サイズで構成されている。透明
画素電極ITO1〜ITO3のそれぞれは、薄膜トラン
ジスタTFT1〜TFT3のそれぞれのi型半導体層A
Sを一体に構成してある(分割されたそれぞれの薄膜ト
ランジスタTFTを一個所に集中的に配置してある)の
で、L字形状で構成している。
【0050】このように、隣接する2本の走査信号線G
Lと隣接する2本の映像信号線DLとの交差領域内に配
置された画素の薄膜トランジスタTFTを複数の薄膜ト
ランジスタTFT1〜TFT3に分割し、この複数に分
割された薄膜トランジスタTFT1〜TFT3のそれぞ
れに複数に分割した透明画素電極ITO1〜ITO3の
それぞれを接続することにより、画素の分割された一部
分(たとえば、薄膜トランジスタTFT1)が点欠陥に
なるだけで、画素の全体としては点欠陥でなくなる(薄
膜トランジスタTFT2およびTFT3が点欠陥でな
い)ので、画素全体としての点欠陥を低減することがで
きる。
【0051】また、前記画素の分割された一部の点欠陥
は、画素の全体の面積に比べて小さい(この液晶表示装
置の場合、画素の3分の1の面積)ので、前記点欠陥を
見にくくすることができる。
【0052】また、前記画素の分割された透明画素電極
ITO1〜ITO3のそれぞれを実質的に同一サイズで
構成することにより、画素内の点欠陥の面積を均一にす
ることができる。
【0053】また、前記画素の分割された透明画素電極
ITO1〜ITO3のそれぞれを実質的に同一サイズで
構成することにより、透明画素電極ITO1〜ITO3
のそれぞれと共通透明画素電極ITOとで構成されるそ
れぞれの液晶容量(Cpix)と、この透明画素電極IT
O1〜ITO3のそれぞれに付加される透明画素電極I
TO1〜ITO3とゲート電極GTとの重ね合せで生じ
る重ね合せ容量(Cgs)とを均一にすることができる。
つまり、透明画素電極ITO1〜ITO3のそれぞれは
液晶容量および重ね合せ容量を均一にすることができる
ので、この重ね合せ容量に起因する液晶LCの液晶分子
に印加されようとする直流成分を均一とすることがで
き、この直流成分を相殺する方法を採用した場合、各画
素の液晶にかかる直流成分のばらつきを小さくすること
ができる。
【0054】薄膜トランジスタTFTおよび透明画素電
極ITO上には、保護膜PSV1が設けられている。保
護膜PSV1は、主に薄膜トランジスタTFTを湿気等
から保護するために形成されており、透明性が高くしか
も耐湿性の良いものを使用する。保護膜PSV1は、た
とえばプラズマCVDで形成した酸化珪素膜や窒化珪素
膜で形成されており、5000〜11000Åの膜厚
(この液晶表示装置では、8000Å程度の膜厚)で形
成する。
【0055】薄膜トランジスタTFT上の保護膜PSV
1の上部には、外部光がチャネル形成領域として使用さ
れるi型半導体層ASに入射されないように、遮蔽膜L
Sが設けられている。図3に示すように、遮蔽膜LS
は、点線で囲まれた領域内に構成されている。遮蔽膜L
Sは、光に対する遮蔽性が高い、たとえばアルミニウム
膜やクロム膜等で形成されており、スパッタで1000
Å程度の膜厚に形成する。
【0056】したがって、薄膜トランジスタTFT1〜
TFT3の共通半導体層ASは上下にある遮光膜LSお
よび大き目のゲート電極GTによってサンドイッチにさ
れ、外部の自然光やバックライト光が当たらなくなる。
遮光膜LSとゲート電極GTは半導体層ASより大き目
でほぼそれと相似形に形成され、両者の大きさはほぼ同
じとされる(図では境界線が判るようゲート電極GTを
遮光膜LSより小さ目に描いている)。
【0057】なお、バックライトを上部透明ガラス基板
SUB2側に取り付け、下部透明ガラス基板SUB1を
観察側(外部露出側)とすることもでき、この場合は遮
光膜LSはバックライト光の、ゲート電極GTは自然光
の遮光体として働く。
【0058】薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極G
Tに正のバイアスを印加すると、ソース−ドレイン間の
チャネル抵抗が小さくなり、バイアスを零にすると、チ
ャネル抵抗は大きくなるように構成されている。つま
り、薄膜トランジスタTFTは、透明画素電極ITOに
印加される電圧を制御するように構成されている。
【0059】液晶LCは、下部透明ガラス基板SUB1
と上部透明ガラス基板SUB2との間に形成された空間
内に、液晶分子の向きを設定する下部配向膜ORI1お
よび上部配向膜ORI2に規定され、封入されている。
【0060】下部配向膜ORI1は、下部透明ガラス基
板SUB1側の保護膜PSV1の上部に形成される。
【0061】上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶
側)の表面には、カラーフィルタFIL、保護膜PSV
2、共通透明画素電極(COM)ITOおよび前記上部
配向膜ORI2が順次積層して設けられている。
【0062】前記共通透明画素電極ITOは、下部透明
ガラス基板SUB1側に画素毎に設けられた透明画素電
極ITOに対向し、隣接する他の共通透明画素電極IT
Oと一体に構成されている。この共通透明画素電極IT
Oには、コモン電圧Vcomが印加されるように構成され
ている。コモン電圧Vcomは、映像信号線DLに印加さ
れるロウレベルの駆動電圧Vdminとハイレベルの駆動
電圧Vdmaxとの中間電位である。
【0063】カラーフィルタFILは、アクリル樹脂等
の樹脂材料で形成される染色基材に染料を着色して構成
されている。カラーフィルタFILは、画素に対向する
位置に各画素ごとに構成され、染め分けられている。す
なわち、カラーフィルタFILは、画素と同様に、隣接
する2本の走査信号線GLと隣接する2本の映像信号線
DLとの交差領域内に構成されている。各画素は、カラ
ーフィルタFILの個々の所定色フィルタ内において、
複数に分割されている。
【0064】カラーフィルタFILは、つぎのように形
成することができる。まず、上部透明ガラス基板SUB
2の表面に染色基材を形成し、フォトリソグラフィ技術
で赤色フィルタ形成領域以外の染色基材を除去する。こ
の後、染色基材を赤色染料で染め、固着処理を施し、赤
色フィルタRを形成する。次に、同様な工程を施すこと
によって、緑色フィルタG、青色フィルタBを順次形成
する。
【0065】このように、カラーフィルタFILの各色
フィルタを各画素と対向する交差領域内に形成すること
により、カラーフィルタFILの各色フィルタ間に、走
査信号線GL、映像信号線DLのそれぞれが存在するの
で、それらの存在に相当する分、各画素とカラーフィル
タFILの各色フィルタとの位置合せ余裕寸法を確保す
る(位置合せマ−ジンを大きくする)ことができる。さ
らに、カラーフィルタFILの各色フィルタを形成する
際に、異色フィルタ間の位置合せ余裕寸法を確保するこ
とができる。
【0066】すなわち、この液晶表示装置では、隣接す
る2本の走査信号線GLと隣接する2本の映像信号線D
Lとの交差領域内に画素を構成し、この画素を複数に分
割し、この画素に対向する位置にカラーフィルタFIL
の各色フィルタを形成することにより、前述の点欠陥を
低減することができるとともに、各画素と各色フィルタ
との位置合せ余裕寸法を確保することができる。
【0067】保護膜PSV2は、前記カラーフィルタF
ILを異なる色に染め分けた染料が液晶LCに漏れるこ
とを防止するために設けられている。保護膜PSV2
は、たとえばアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂
材料で形成されている。
【0068】この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板
SUB1側、上部透明ガラス基板SUB2側のそれぞれ
の層を別々に形成し、その後下部透明ガラス基板SUB
1と上部透明ガラス基板SUB2とを重ね合せ、両者間
に液晶LCを封入することによって組み立てられる。
【0069】前記液晶表示部の各画素は、図5に示すよ
うに、走査信号線GLが延在する方向と同一列方向に複
数配置され、画素列X1,X2,X3,X4,…のそれぞれ
を構成している。各画素列X1,X2,X3,X4,…のそ
れぞれの画素は、薄膜トランジスタTFT1〜TFT3
および透明画素電極ITO1〜ITO3の配置位置を同
一に構成している。つまり、画素列X1,X3,…のそれ
ぞれの画素は、薄膜トランジスタTFT1〜TFT3の
配置位置を左側、透明画素電極ITO1〜ITO3の配
置位置を右側に構成している。画素列X1,X3,…のそ
れぞれの行方向の次段の画素列X2,X4,…のそれぞれ
の画素は、画素列X1,X3,…のそれぞれの画素を前記
映像信号線DLに対して線対称で配置した画素で構成さ
れている。すなわち、画素列X2,X4,…のそれぞれの
画素は、薄膜トランジスタTFT1〜TFT3の配置位
置を右側、透明画素電極ITO1〜ITO3の配置位置
を左側に構成している。そして、画素列X2,X4,…の
それぞれの画素は、画素列X1,X3,…のそれぞれの画
素に対し、列方向に半画素間隔移動させて(ずらして)
配置されている。つまり、画素列Xの各画素間隔を1.
0(1.0ピッチ)とすると、次段の画素列Xは、各画
素間隔を1.0とし、前段の画素列Xに対して列方向に
0.5画素間隔(0.5ピッチ)ずれている。各画素間
を行方向に延在する映像信号線DLは、各画素列X間に
おいて、半画素間隔分(0.5ピッチ分)列方向に延在
するように構成されている。
【0070】このように、液晶表示部において、薄膜ト
ランジスタTFTおよび透明画素電極ITOの配置位置
が同一の画素を列方向に複数配置して画素列Xを構成
し、画素列Xの次段の画素列Xを、前段の画素列Xの画
素を映像信号線DLに対して線対称で配置した画素で構
成し、次段の画素列を前段の画素列に対して半画素間隔
移動させて構成することにより、図9(画素とカラーフ
ィルタとを重ね合せた状態における要部平面図)で示す
ように、前段の画素列Xの所定色フィルタが形成された
画素(たとえば、画素列X3の赤色フィルタRが形成さ
れた画素)と次段の画素列Xの同一色フィルタが形成さ
れた画素(たとえば、画素列X4の赤色フィルタRが形
成された画素)とを1.5画素間隔(1.5ピッチ)離
隔することができる。つまり、前段の画素列Xの画素
は、最っとも近傍の次段の画素列の同一色フィルタが形
成された画素と常時1.5画素間隔分離隔するように構
成されており、カラーフィルタFILはRGBの三角形
配置構造を構成できるようになっている。カラーフィル
タFILのRGBの三角形配置構造は、各色の混色を良
くすることができるので、カラー画像の解像度を向上す
ることができる。
【0071】また、映像信号線DLは、各画素列X間に
おいて、半画素間隔分しか列方向に延在しないので、隣
接する映像信号線DLと交差しなくなる。したがって、
映像信号線DLの引き回しをなくしその占有面積を低減
することができ、又映像信号線DLの迂回をなくし多層
配線構造を廃止することができる。
【0072】この液晶表示部の構成を回路的に示すと、
図10(液晶表示部の等価回路図)に示すようになる。
図10に示すXiG,Xi+1G,…は、緑色フィルタ
Gが形成される画素に接続された映像信号線DLであ
る。XiB,Xi+1B,…は、青色フィルタBが形成
される画素に接続された映像信号線DLである。Xi+
1R,Xi+2R,…は、赤色フィルタRが形成される
画素に接続された映像信号線DLである。これらの映像
信号線DLは、映像信号駆動回路で選択される。Yiは
前記図5および図9に示す画素列X1を選択する走査信
号線GLである。同様に、Yi+1,Yi+2,…のそ
れぞれは、画素列X2,X3,…のそれぞれを選択する走
査信号線GLである。これらの走査信号線GLは、垂直
走査回路に接続されている。
【0073】前記図4の中央部は一画素部分の断面を示
しているが、左側は下部透明ガラス基板SUB1および
上部透明ガラス基板SUB2の左側縁部分で外部引出配
線の存在する部分の断面を示している。右側は、透明ガ
ラス基板SUB1およびSUB2の右側縁部分で外部引
出配線の存在しない部分の断面を示している。
【0074】図4の左側、右側のそれぞれに示すシール
材SLは、液晶LCを封止するように構成されており、
液晶封入口(図示していない)を除く透明ガラス基板S
UB1およびSUB2の縁周囲全体に沿って形成されて
いる。シール材SLは、たとえばエポキシ樹脂で形成さ
れている。
【0075】前記上部透明ガラス基板SUB2側の共通
透明画素電極ITOは、少なくとも一個所において、銀
ペースト材SILによって、下部透明ガラス基板SUB
1側に形成された外部引出配線に接続されている。この
外部引出配線は、前述したゲート電極GT、ソース電極
SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれと同一製造工程
で形成される。
【0076】前記配向膜ORI1およびORI2、透明
画素電極ITO、共通透明画素電極ITO、保護膜PS
V1およびPSV2、絶縁膜GIのそれぞれの層は、シ
ール材SLの内側に形成される。偏光板POLは、下部
透明ガラス基板SUB1、上部透明ガラス基板SUB2
のそれぞれの外側の表面に形成されている。
【0077】図11はこの発明を適用すべき他のアクテ
ィブ・マトリックス方式のカラー液晶表示装置の液晶表
示部の画素の要部およびシール部周辺部の断面図、図1
2は図11に示した液晶表示装置の液晶表示部の一画素
を示す要部平面図、図13は図12のA−A切断線で切
った部分の断面図、図14は図12に示す画素を複数配
置した液晶表示部の要部平面図、図15〜図17は図1
2に示す画素の所定の製造工程における要部平面図、図
18は図14に示す画素とカラーフィルタとを重ね合せ
た状態における要部平面図である。
【0078】この液晶表示装置においては、液晶表示部
の各画素の開口率を向上することができるとともに、液
晶にかかる直流成分を小さくし、液晶表示部の点欠陥を
低減しかつ黒むらを低減することができる。
【0079】この液晶表示装置は、図12に示すよう
に、液晶表示部の各画素内のi型半導体層ASを薄膜ト
ランジスタTFT1〜TFT3毎に分割して構成されて
いる。つまり、画素の複数に分割された薄膜トランジス
タTFT1〜TFT3のそれぞれは、独立したi型半導
体層ASの島領域で構成されている。
【0080】また、薄膜トランジスタTFT1〜TFT
3のそれぞれに接続される透明画素電極ITO1〜IT
O3のそれぞれは、薄膜トランジスタTFT1〜TFT
3と接続される辺と反対側の辺において、行方向の次段
の走査信号線GLと重ね合わされている。この重ね合せ
は、透明画素電極ITO1〜ITO3のそれぞれを一方
の電極とし、次段の走査信号線GLを他方の電極とする
保持容量素子(静電容量素子)Caddを構成する。この
保持容量素子Caddの誘電体膜は、薄膜トランジスタT
FTのゲート絶縁膜として使用される絶縁膜GIと同一
層で構成されている。
【0081】ゲート電極GTは、図3等に示した液晶表
示装置と同様、i型半導体層ASより大き目に形成され
るが、この液晶表示装置では薄膜トランジスタTFT1
〜TFT3が独立したi型半導体層ASごとに形成され
ているため、各薄膜トランジスタTFTごとに大き目の
パターンが形成される。
【0082】また、上部透明ガラス基板SUB2の走査
信号線GL、映像信号線DL、薄膜トランジスタTFT
に対応する部分にブラックマトリックスパターンBMが
設けられているから、画素の輪郭が明瞭になるので、コ
ントラストが向上するとともに、外部の自然光が薄膜ト
ランジスタTFTに当たるのを防止することができる。
【0083】図12に記載される画素の等価回路を図1
9(等価回路図)に示す。図19において、前述と同様
に、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTお
よびソース電極SD1で形成される重ね合せ容量であ
る。重ね合せ容量Cgsの誘電体膜は絶縁膜GIである。
Cpixは透明画素電極ITO(PIX)および共通透明
画素電極ITO(COM)間で形成される液晶容量であ
る。液晶容量Cpixの誘電体膜は液晶LC、保護膜PS
V1および配向膜ORI1、ORI2である。Vlcは中
点電位である。
【0084】前記保持容量素子Caddは、薄膜トランジ
スタTFTがスイッチングするとき、中点電位(画素電
極電位)Vlcに対するゲート電位変化ΔVgの影響を低
減するように働く。この様子を式で表すと次式となる。
【0085】
【数1】 ΔVlc={(Cgs/(Cgs+Cadd+Cpix)}×ΔVg ここで、ΔVlcはΔVgによる中点電位の変化分を表わ
す。この変化分ΔVlcは液晶に加わる直流成分の原因と
なるが、保持容量素子Caddの保持容量を大きくすれば
する程その値を小さくすることができる。また、保持容
量素子Caddは放電時間を長くする作用もあり、薄膜ト
ランジスタTFTがオフした後の映像情報を長く蓄積す
る。液晶LCに印加される直流成分の低減は、液晶LC
の寿命を向上し、液晶表示画面の切り替え時に前の画像
が残るいわゆる焼き付きを低減することができる。
【0086】上述したように、ゲート電極GTは半導体
層ASを完全に覆うよう大きくされている分、ソース・
ドレイン電極SD1、SD2とのオーバラップ面積が増
え、したがって寄生容量Cgsが大きくなり中点電位Vlc
はゲート(走査)信号Vgの影響を受け易くなるという
逆効果が生じる。しかし、保持容量素子Caddを設ける
ことによりこのデメリットも解消することができる。
【0087】また、2本の走査信号線GLと2本の映像
信号線DLとの交差領域内に画素を有する液晶表示装置
において、前記2本の走査信号線GLのうちの一方の走
査信号線GLで選択される画素の薄膜トランジスタTF
Tを複数に分割し、この分割された薄膜トランジスタT
FT1〜TFT3のそれぞれに透明画素電極ITOを複
数に分割したそれぞれ(ITO1〜ITO3)を接続
し、この分割された透明画素電極ITO1〜ITO3の
それぞれにこの画素電極ITOを一方の電極とし前記2
本の走査信号線GLのうちの他方の走査信号線GLを容
量電極線として用いて他方の電極とする保持容量素子C
addを構成することにより、前述のように、画素の分割
された一部分が点欠陥になるだけで、画素の全体として
は点欠陥でなくなるので、画素の点欠陥を低減すること
ができるとともに、前記保持容量素子Caddで液晶LC
に加わる直流成分を低減することができるので、液晶L
Cの寿命を向上することができる。とくに、画素を分割
することにより、薄膜トランジスタTFTのゲート電極
GTとソース電極SD1またはドレイン電極SD2との
短絡に起因する点欠陥を低減することができるととも
に、透明画素電極ITO1〜ITO3のそれぞれと保持
容量素子Caddの他方の電極(容量電極線)との短絡に
起因する点欠陥を低減することができる。後者側の点欠
陥はこの液晶表示装置の場合3分の1になる。この結
果、前記画素の分割された一部の点欠陥は、画素の全体
の面積に比べて小さいので、前記点欠陥を見にくくする
ことができる。
【0088】前記保持容量素子Caddの保持容量は、画
素の書込特性から、液晶容量Cpixに対して4〜8倍
(4・Cpix<Cadd<8・Cpix)、重ね合せ容量Cgsに
対して8〜32倍(8・Cgs<Cadd<32・Cgs)程度
の値に設定する。
【0089】また、前記走査信号線GLを第1導電膜
(クロム膜)g1に第2導電膜(アルミニウム膜)g2
を重ね合せた複合膜で構成し、前記保持容量素子Cadd
の他方の電極つまり容量電極線の分岐された部分を前記
複合膜のうちの一層の第1導電膜g1からなる単層膜で
構成することにより、走査信号線GLの抵抗値を低減
し、書込特性を向上することができるとともに、保持容
量素子Caddの他方の電極に基づく段差部に沿って確実
に保持容量素子Caddの一方の電極(透明画素電極IT
O)を絶縁膜GI上に接着させることができるので、保
持容量素子Caddの一方の電極の断線を低減することが
できる。
【0090】また、保持容量素子Caddの他方の電極を
単層の第1導電膜g1で構成し、アルミニウム膜である
第2導電膜g2を構成しないことにより、アルミニウム
膜のヒロックによる保持容量素子Caddの他方の電極と
一方の電極との短絡を防止することができる。
【0091】前記保持容量素子Caddを構成するために
重ね合わされる透明画素電極ITO1〜ITO3のそれ
ぞれと容量電極線の分岐された部分との間の一部には、
前記ソース電極SD1と同様に、分岐された部分の段差
形状を乗り越える際に透明画素電極ITOが断線しない
ように、第1導電膜d1および第2導電膜d2で構成さ
れた島領域が設けられている。この島領域は、透明画素
電極ITOの面積(開口率)を低下しないように、でき
る限り小さく構成する。
【0092】このように、前記保持容量素子Caddの一
方の電極とその誘電体膜として使用される絶縁膜GIと
の間に、第1導電膜d1とその上に形成された第1導電
膜d1に比べて比抵抗値が小さくかつサイズが小さい第
2導電膜d2とで形成された下地層を構成し、前記一方
の電極(第3導電膜d3)を前記下地層の第2導電膜d
2から露出する第1導電膜d1に接続することにより、
保持容量素子Caddの他方の電極に基づく段差部に沿っ
て確実に保持容量素子Caddの一方の電極を接着させる
ことができるので、保持容量素子Caddの一方の電極の
断線を低減することができる。
【0093】前記画素の透明画素電極ITOに保持容量
素子Caddを設けた液晶表示装置の液晶表示部は、図2
1(液晶表示部を示す等価回路図)に示すように構成さ
れている。液晶表示部は、画素、走査信号線GLおよび
映像信号線DLを含む単位基本パターンの繰返しで構成
されている。容量電極線として使用される最終段の走査
信号線GL(または初段の走査信号線GL)は、図21
に示すように、共通透明画素電極(Vcom)ITOに接
続する。共通透明画素電極ITOは、前記図4に示すよ
うに、液晶表示装置の周縁部において銀ペースト材SL
によって外部引出配線に接続されている。しかも、この
外部引出配線の一部の導電層(g1およびg2)は走査
信号線GLと同一製造工程で構成されている。この結
果、最終段の走査信号線GL(容量電極線)は、共通透
明画素電極ITOに簡単に接続することができる。
【0094】このように、容量電極線の最終段を前記画
素の共通透明画素電極(Vcom)ITOに接続すること
により、最終段の容量電極線は外部引出配線の一部の導
電層と一体に構成することができ、しかも共通透明画素
電極ITOは前記外部引出配線に接続されているので、
簡単な構成で最終段の容量電極線を共通透明画素電極I
TOに接続することができる。
【0095】また、液晶表示装置は、先に本願出願人に
よって出願された特願昭62−95125号に記載される直流
相殺方式(DCキャンセル方式)に基づき、図20(タ
イムチャート)に示すように、走査信号線DLの駆動電
圧を制御することによって、さらに液晶LCに加わる直
流成分を低減することができる。図20において、Vi
は任意の走査信号線GLの駆動電圧、Vi+1はその次
段の走査信号線GLの駆動電圧である。Veeは走査信
号線GLに印加されるロウレベルの駆動電圧Vdmin、
Vddは走査信号線GLに印加されるハイレベルの駆動
電圧Vdmaxである。各時刻t=t1〜t4における中点
電位Vlc(図19参照)の電圧変化分△V1〜△V4は、
画素の合計の容量(Cgs+Cpix+Cadd)をCとする
と、次式のようになる。
【0096】
【数2】△V1=−(Cgs/C)・V2
【0097】
【数3】 △V2=+(Cgs/C)・(V1+V2)−(Cadd/C)・V2
【0098】
【数4】 △V3=−(Cgs/C)・V1+(Cadd/C)・(V1+V2)
【0099】
【数5】△V4=−(Cadd/C)・V1 ここで、走査信号線GLに印加される駆動電圧が充分で
あれば(下記[注]参照)、液晶LCに加わる直流電圧
は、次式で表される。
【0100】
【数6】 △V3+△V4=(Cadd・V2−Cgs・V1)/C このため、Cadd・V2=Cgs・V1とすると、液晶LC
に加わる直流電圧は0になる。
【0101】[注]時刻t1、t2で走査線Viの変化分
が中点電位Vlcに影響を及ぼすが、t2〜t3の期間に中
点電位Vlcは信号線Xiを通じて映像信号電位と同じ電
位にされる(映像信号の十分な書き込み)。液晶LCに
かかる電位は薄膜トランジスタTFTがオフした直後の
電位でほぼ決定される(薄膜トランジスタTFTのオフ
期間がオン期間より圧倒的に長い)。したがって、液晶
LCにかかる直流分の計算は、期間t1〜t3はほぼ無視
でき、薄膜トランジスタTFTがオフ直後の電位、すな
わち時刻t3、t4における過渡時の影響を考えればよ
い。なお、映像信号Viはフレームごと、あるいはライ
ンごとに極性が反転し、映像信号そのものによる直流分
は零とされている。
【0102】つまり、直流相殺方式は、重ね合せ容量C
gsによる中点電位Vlcの引き込みによる低下分を、保持
容量素子Caddおよび次段の走査信号線GL(容量電極
線)に印加される駆動電圧によって押し上げ、液晶LC
に加わる直流成分を極めて小さくすることができる。こ
の結果、液晶表示装置は液晶LCの寿命を向上すること
ができる。もちろん、遮光効果を上げるためにゲートG
Tを大きくした場合、それに伴って保持容量素子Cadd
の保持容量を大きくすればよい。
【0103】この直流相殺方式は、図22(液晶表示部
を示す等価回路図)で示すように、初段の走査信号線G
L(または容量電極線)を最終段の容量電極線(または
走査信号線GL)に接続することによって採用すること
ができる。図22には便宜上4本の走査信号線GLしか
記載されていないが、実際には数百程度の走査信号線G
Lが配置されている。初段の走査信号線GLと最終段の
容量電極線との接続は、液晶表示部内の内部配線あるい
は外部引出配線によって行なう。
【0104】このように、液晶表示装置は、初段の走査
信号線GLを最終段の容量電極線に接続することによ
り、走査信号線GLおよび容量電極線の全べてを垂直走
査回路に接続することができるので、直流相殺方式(D
Cキャンセル方式)を採用することができる。この結
果、液晶LCに加わる直流成分を低減することができる
ので、液晶LCの寿命を向上することができる。
【0105】図1、図2によりこの発明に係るアクティ
ブ・マトリックス方式のカラー液晶表示装置の製造方法
について説明する。まず、図1(a)に示すように、70
59ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基板SU
B1上に膜厚が1100Åのクロムからなる第1導電膜
g1をスパッタリングにより設ける。つぎに、エッチン
グ液として硝酸第2セリウムアンモニウム溶液を使用し
た写真蝕刻技術で第1導電膜g1を選択的にエッチング
することによって、走査信号線GLの第1層、ゲート電
極GTおよび保持容量素子Caddの電極を形成すると同
時に、ドレイン端子1の第1層、映像信号線DLの一部
を設ける。この場合、図23にも示すように、第1導電
膜g1からなる映像信号線DLの一部の端部が絶縁膜G
I内に位置するようにする。つぎに、レジストを剥離液
S502(商品名)で除去したのち、O2アッシャーを
1分間行なう。つぎに、膜厚が1000Åのアルミニウ
ム−パラジウム(Pd)、アルミニウム−シリコン、ア
ルミニウム−シリコン−チタン(Ti)、アルミニウム
−シリコン−銅(Cu)等からなる第2導電膜g2をス
パッタリングにより設ける。つぎに、エッチング液とし
てリン酸と硝酸と酢酸との混酸を使用した写真蝕刻技術
で第2導電膜g2を選択的にエッチングすることによ
り、走査信号線GLの第2層を形成すると同時に、ドレ
イン端子1および映像信号線DLの一部の第1導電膜g
1上にも第2導電膜g2を設ける。この場合、図23に
も示すように、ドレイン端子1および映像信号線DLの
一部の第1導電膜g1上の第2導電膜g2の端部が絶縁
膜GIの端部から約10μm外側に位置するようにす
る。つぎに、ドライエッチング装置にSF6ガスを導入
して、シリコン等の残渣を除去したのち、レジストを除
去する。つぎに、プラズマCVD装置にアンモニアガ
ス、シランガス、窒素ガスを導入して、膜厚が3500
Åの窒化シリコン膜を設けたのち、プラズマCVD装置
にシランガス、水素ガス、ホスフィンガスを導入して、
膜厚が2100Åのi型非晶質シリコン膜を設け、膜厚
が300ÅのN+型シリコン膜を設ける。つぎに、ドラ
イエッチングガスとしてSF6、CCl4を使用した写真
蝕刻技術でN+型シリコン膜、i型非晶質シリコン膜を
選択的にエッチングすることにより、i型半導体層AS
を形成する。つぎに、レジストを除去したのち、レジス
ト2を設け、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
して窒化シリコン膜を選択的にエッチングすることによ
って、絶縁膜GIを形成する。つぎに、図1(b)に示す
ように、レジスト2を除去する前に、現像液NMD(商
品名)、リン酸と硝酸と酢酸との混酸を使用して、ドレ
イン端子1および映像信号線DLの一部の第1導電膜g
1上の第2導電膜g2を除去する。つぎに、図1(c)に
示すように、レジスト2を除去したのち、膜厚が600
Åのクロムからなる第1導電膜d1をスパッタリングに
より形成する。つぎに、写真蝕刻技術で第1導電膜d1
を選択的にエッチングすることにより、映像信号線D
L、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の第1層を
形成するとともに、ドレイン端子1の第2層を形成す
る。つぎに、レジストを除去する前に、ドライエッチン
グ装置にCCl4、SF6を導入して、N+型シリコン膜
を選択的にエッチングすることにより、N+型半導体層
d0を形成する。つぎに、レジストを除去したのち、O
2アッシャーを1分間行なう。つぎに、図2(d)に示す
ように、膜厚が3500Åのアルミニウム−パラジウム
(Pd)、アルミニウム−シリコン、アルミニウム−シ
リコン−チタン(Ti)、アルミニウム−シリコン−銅
(Cu)等からなる第2導電膜d2をスパッタリングに
より設ける。つぎに、写真蝕刻技術で第2導電膜d2を
選択的にエッチングすることにより、映像信号線DL、
ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の第2層を形成
すると同時に、ドレイン端子1の第1導電膜d1上にも
第2導電膜d2を設ける。この場合、図24にも示すよ
うに、ドレイン端子1の第2層を構成する第1導電膜d
1上の第2導電膜d2の端部が保護膜PSV1の端部の
外側に位置するようにする。つぎに、レジストを除去し
たのち、O2アッシャーを1分間行なう。つぎに、膜厚
が1200ÅのITO膜からなる第3導電膜d3をスパ
ッタリングにより設ける。つぎに、エッチング液として
塩酸と硝酸との混酸を使用した写真蝕刻技術で第3導電
膜d3を選択的にエッチングすることにより、映像信号
線DL、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の第3
層および透明画素電極ITO1を形成する。つぎに、レ
ジストを除去したのち、プラズマCVD装置にアンモニ
アガス、シランガス、窒素ガスを導入して、膜厚が1μ
mの窒化シリコン膜を設ける。つぎに、レジスト3を設
け、ドライエッチングガスとしてSF6を使用して窒化
シリコン膜を選択的にエッチングすることによって、保
護膜PSV1を形成する。つぎに、図2(e)に示すよう
に、レジスト3を除去する前に、現像液NMD、リン酸
と硝酸と酢酸との混酸を使用して、ドレイン端子1の第
1導電膜d1上の第2導電膜d2を除去する。つぎに、
膜厚が1200ÅのITO膜4をスパッタリングにより
設ける。つぎに、エッチング液として塩酸と硝酸との混
酸を使用した写真蝕刻技術でITO膜4を選択的にエッ
チングすることにより、ドレイン端子1の第3層を形成
する。
【0106】この液晶表示装置の製造方法においては、
第1導電膜g1により走査信号線GLの第1層、ゲート
電極GTおよび保持容量素子Caddの電極を形成すると
同時に、ドレイン端子1の第1層、映像信号線DLの一
部を形成するから、走査信号線GLの第1層、ゲート電
極GTおよび保持容量素子Caddの電極の形成、絶縁膜
GIの形成によって、下部透明ガラス基板SUB1の端
子1の第1層の下の表面が汚染されることはないので、
ドレイン端子1が剥がれることはない。また、第1導電
膜g1からなる映像信号線DLの一部の端部を絶縁膜G
I内に位置させているから、映像信号線DLが断線する
のを防止することができる。さらに、走査信号線GLの
第2層を構成すべき第2導電膜g2を形成すると同時
に、ドレイン端子1の第1層を構成する第1導電膜g1
の上に第2導電膜g2を設け、絶縁膜GIを形成したの
ち、ドレイン端子1の第1導電膜g1上の第2導電膜g
2を除去するから、ドレイン端子1の第1導電膜g1の
表面が汚染されることがないので、ドレイン端子1およ
び映像信号線DLの一部の第1導電膜g1と第1導電膜
d1とのコンタクト不良が生ずるのを防止することがで
きる。また、映像信号線DLの第2層を構成すべき第2
導電膜d2を形成すると同時に、ドレイン端子1の第2
層を構成する第1導電膜d1の上に第2導電膜d2を設
け、保護膜PSV1を形成したのち、ドレイン端子1の
第2層の上の第2導電膜d2を除去すれば、ドレイン端
子1の第2層を構成する第1導電膜d1の表面が汚染さ
れることがないので、ドレイン端子1の第1導電膜d1
とITO膜4とのコンタクト不良が生ずるのを防止する
ことができる。
【0107】図25、図26により他のアクティブ・マ
トリックス方式のカラー液晶表示装置の製造方法につい
て説明する。まず、図25(a)に示すように、下部透明
ガラス基板SUB1上に第1導電膜g1をスパッタリン
グにより設ける。つぎに、第1導電膜g1を選択的にエ
ッチングすることによって、走査信号線GLの第1層、
ゲート電極GT、ドレイン端子1の第1層、映像信号線
DLの一部および保持容量素子Caddの電極を形成する
と同時に、ドレイン端子1の第1層、映像信号線DLの
一部を設ける。つぎに、第2導電膜g2をスパッタリン
グにより設ける。つぎに、第2導電膜g2を選択的にエ
ッチングすることにより、走査信号線GLの第2層を形
成する。つぎに、レジストを除去し、窒化シリコン膜を
設けたのち、i型非晶質シリコン膜を設け、N+型シリ
コン膜を設ける。つぎに、N+型シリコン膜、i型非晶
質シリコン膜を選択的にエッチングすることにより、i
型半導体層ASを形成する。つぎに、レジストを除去し
たのち、レジスト2を設け、窒化シリコン膜を選択的に
エッチングすることによって、絶縁膜GIを形成する。
つぎに、レジスト2を除去する前に、塩酸と硝酸との混
酸を使用して、ドレイン端子1および映像信号線DLの
一部の第1導電膜g1の表面を処理する。つぎに、図2
5(b)に示すように、レジスト2を除去したのち、第1
導電膜d1をスパッタリングにより形成する。つぎに、
第1導電膜d1を選択的にエッチングすることにより、
映像信号線DL、ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2の第1層を形成するとともに、ドレイン端子1の第2
層を形成する。つぎに、レジストを除去する前に、N+
型シリコン膜を選択的にエッチングすることにより、N
+型半導体層d0を形成する。つぎに、図26(c)に示
すように、レジストを除去したのち、第2導電膜d2を
スパッタリングにより設ける。つぎに、第2導電膜d2
を選択的にエッチングすることにより、映像信号線D
L、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の第2層を
形成する。つぎに、レジストを除去したのち、第3導電
膜d3をスパッタリングにより設ける。つぎに、第3導
電膜d3を選択的にエッチングすることにより、映像信
号線DL、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の第
3層および透明画素電極ITO1を形成する。つぎに、
レジストを除去したのち、窒化シリコン膜を設ける。つ
ぎに、レジスト3を設け、窒化シリコン膜を選択的にエ
ッチングすることによって、保護膜PSV1を形成す
る。つぎに、レジスト3を除去する前に、塩酸と硝酸と
の混酸を使用して、ドレイン端子1の第2層を構成する
第1導電膜d1の表面を処理する。つぎに、図26(d)
に示すように、レジスト3を除去したのち、ITO膜4
をスパッタリングにより設ける。つぎに、ITO膜4を
選択的にエッチングすることにより、ドレイン端子1の
第3層を形成する。
【0108】この液晶表示装置の製造方法においては、
絶縁膜GIを形成したのち、塩酸と硝酸との混酸を使用
して、ドレイン端子1の第1層および映像信号線DLの
一部を構成する第1導電膜g1の表面を処理するから、
ドレイン端子1の第1層および映像信号線DLの一部を
構成する第1導電膜g1の表面を洗浄することができる
ので、ドレイン端子1および映像信号線DLの一部の第
1導電膜g1と第1導電膜d1とのコンタクト不良が生
ずるのを防止することができる。さらに、保護膜PSV
1を形成したのち、塩酸と硝酸との混酸を使用して、ド
レイン端子1の第2層である第1導電膜d1の表面を処
理するから、ドレイン端子1の第2層を構成する第1導
電膜d1の表面を洗浄することができるので、ドレイン
端子1の第1導電膜d1とITO膜4とのコンタクト不
良が生ずるのを防止することができる。
【0109】以上、この発明を上記実施の形態に基づき
具体的に説明したが、この発明は上記実施の形態に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て種々変更可能であることはもちろんである。
【0110】たとえば、この発明は液晶表示部の各画素
を2分割あるいは4分割した液晶表示装置に適用するこ
とができる。ただし、画素の分割数があまり多くなる
と、開口率が低下するので、上述のように、2〜4分割
程度が妥当である。また、画素は分割しなくても、遮光
効果は得られる。さらに、上述実施の形態においては、
ゲート電極形成→ゲート絶縁膜形成→半導体層形成→ソ
ース・ドレイン電極形成の逆スタガ構造を示したが、上
下関係または作る順番がそれと逆のスタガ構造でもこの
発明は有効である。
【0111】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明に係る
液晶表示装置の端子の形成方法においては、端子部の第
1導電膜の上に第2導電膜を設け、保護膜を形成したの
ち、端子部の第1導電膜の上の第2導電膜を除去するか
ら、端子部の第1導電膜の表面が汚染されることがない
ので、端子部の第1導電膜と第3導電膜とのコンタクト
不良が生ずるのを防止することができる。
【0112】さらに、保護膜を形成する工程と端子部の
第2導電膜を除去する工程は、同じレジストを用いるの
で、製造工程が短縮できる。
【0113】このように、この発明の効果は顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るアクティブ・マトリックス方式
のカラー液晶表示装置の製造方法の説明図である。
【図2】この発明に係るアクティブ・マトリックス方式
のカラー液晶表示装置の製造方法の説明図である。
【図3】この発明を適用すべきアクティブ・マトリック
ス方式のカラー液晶表示装置の液晶表示部の一画素を示
す要部平面図である。
【図4】図3のII−II切断線で切った部分とシール部周
辺部の断面図である。
【図5】図3に示す画素を複数配置した液晶表示部の要
部平面図である。
【図6】図3に示す画素の所定の製造工程における要部
平面図である。
【図7】図3に示す画素の所定の製造工程における要部
平面図である。
【図8】図3に示す画素の所定の製造工程における要部
平面図である。
【図9】図5に示す画素とカラーフィルタとを重ね合せ
た状態における要部平面図である。
【図10】上記のアクティブ・マトリックス方式のカラ
ー液晶表示装置の液晶表示部を示す等価回路図である。
【図11】この発明を適用すべき他のアクティブ・マト
リックス方式のカラー液晶表示装置の液晶表示部の画素
の要部およびシール部周辺部の断面図である。
【図12】図11に示した液晶表示装置の液晶表示部の
一画素を示す要部平面図である。
【図13】図12のA−A切断線で切った部分の断面図
である。
【図14】図12に示す画素を複数配置した液晶表示部
の要部平面図である。
【図15】図12に示す画素の所定の製造工程における
要部平面図である。
【図16】図12に示す画素の所定の製造工程における
要部平面図である。
【図17】図12に示す画素の所定の製造工程における
要部平面図である。
【図18】第12図に示す画素とカラーフィルタとを重
ね合せた状態における要部平面図である。
【図19】図12に記載される画素の等価回路図であ
る。
【図20】直流相殺方式による走査信号線の駆動電圧を
示すタイムチャートである。
【図21】図14に示したアクティブ・マトリックス方
式のカラー液晶表示装置の液晶表示部を示す等価回路図
である。
【図22】図14に示したアクティブ・マトリックス方
式のカラー液晶表示装置の液晶表示部を示す等価回路図
である。
【図23】図1、図2で製造方法を説明した液晶表示装
置の一部の所定の製造工程における平面図である。
【図24】図1、図2で製造方法を説明した液晶表示装
置の一部の所定の製造工程における平面図である。
【図25】他のアクティブ・マトリックス方式のカラー
液晶表示装置の製造方法の説明図である。
【図26】他のアクティブ・マトリックス方式のカラー
液晶表示装置の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
SUB…透明ガラス基板 GL…走査信号線 DL…映像信号線 GI…絶縁膜 GT…ゲート電極 AS…i型半導体層 SD…ソース電極またはドレイン電極 PSV…保護膜 LS…遮光膜 LC…液晶 TFT…薄膜トランジスタ ITO(COM)…透明画素電極 g,d…導電膜 Cadd…保持容量素子 Cgs…重ね合せ容量 Cpix…液晶容量 BM…ブラックマトリックスパターン 1…ドレイン端子 4…ITO膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹野 晃 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日 立製作所 茂原工場内 (56)参考文献 特開 昭63−316084(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/136 500 G02F 1/1345

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶表示装置の一方のガラス基板上に、信
    号線および該信号線に接続する端子となる端子部を、第
    1導電膜と、該第1導電膜上に堆積され上記第1導電膜
    に対し選択エッチング可能な第2導電膜との多層膜によ
    り形成する工程と、 上記ガラス基板上に上記信号線および上記端子部を覆う
    絶縁膜を形成する工程と、 上記絶縁膜上にレジストを設け、上記端子部上の上記絶
    縁膜を除去する工程と、 上記絶縁膜上に上記レジストを残した状態で、上記絶縁
    膜と同じレジストを用いて、上記端子部の上記絶縁膜か
    ら露呈した上記第2導電膜を除去する工程と、 上記レジストを上記絶縁膜から除去する工程と、 上記端子部の上記第1導電膜の上記第2導電膜が除去さ
    れた部分に透明導電膜からなる第3導電膜を形成する工
    程とよりなる液晶表示装置の端子の形成方法。
  2. 【請求項2】上記第2導電膜はアルミニウムを主成分と
    する導電膜からなることを特徴とする請求項1記載の液
    晶表示装置の端子の形成方法。
  3. 【請求項3】上記第1導電膜はクロムからなることを特
    徴とする請求項2記載の液晶表示装置の端子の形成方
    法。
  4. 【請求項4】上記絶縁膜を形成する工程はプラズマCV
    D装置により窒化シリコン膜を形成し、 上記第2導電膜はアルミニウム−パラジウム、アルミニ
    ウム−シリコン、アルミニウム−シリコン−チタンまた
    はアルミニウム−シリコン−銅の中から選ばれる導電膜
    からなることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置
    の端子の形成方法。
  5. 【請求項5】上記第1導電膜はクロムからなることを特
    徴とする請求項4記載の液晶表示装置の端子の形成方
    法。
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