JP2915363B2 - 空間探索システム - Google Patents
空間探索システムInfo
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Description
び空間探索システムに関する。この発明は特に、透視投
影などを用いる場合のように、ビューボリュームが直方
体ではない場合にそのビューボリュームに対する任意の
オブジェクトのクリッピングを行う方法およびシステム
に関する。
世界では、クリッピングと呼ばれる処理が知られてい
る。例えば町の風景を遠くから眺めるとき、建物など多
くのオブジェクトが視野に入る。この風景を眺める者が
町に近づくに従い、視野に入るオブジェクトの数は減
る。視野空間はビューボリュームと呼ばれる。クリッピ
ングとは、各オブジェクトを可視部分、すなわちビュー
ボリュームに含まれる部分と不可視部分に分割した上で
後者を除去する処理をいう。この処理により、視点の位
置に応じた自然な映像を画面に表示することができる。
示手順を示す図で、図2はビューボリュームとオブジェ
クトの関係を示す図である。図1のごとく、まずビュー
ボリュームの特定(S2)とオブジェクトデータの読込
(S4)を行う。これらは独立した手続であり、いずれ
を先に行ってもよいし、並列に処理してもよい。ここで
はビューボリュームの特定(S2)を先に説明する。
点Oの位置、視線ベクトルV、前方クリッピング面4の
位置、後方クリッピング面6の位置のほか、水平方向の
視野角、および垂直方向の視野角によって特定すること
ができる。ビューボリュームの特定は、オブジェクトを
入れるための容器を定めることに相当する。図2では、
三次元空間に存在するオブジェクトを二次元の画面に表
示するために、投影法として透視投影が用いられてい
る。その結果、ビューボリューム2が視点Oを頂点とす
る四角錘台となる。別の投影法として平行投影がある
が、平行投影はいわゆる3面図を作成する際などに有効
であっても、奥行き感の表現ができないため、視点に依
存する自然な映像の生成には向かない。
ジェクトデータの読込が行われる(S4)。読み込まれ
たデータについて座標変換が行われる(S6)。この変
換はもとのオブジェクトの座標を透視投影するための線
形射影変換である。透視変換の方法自体は既知であり、
例えば「画像と空間」(出口光一郎著、昭晃堂.ISBN-7
856-2125-7、5章)などに記載されている。座標変換の
時点では、いずれのオブジェクトがビューボリューム2
に含まれるか不明なため、システムが有するすべてのオ
ブジェクトに関するデータが座標変換の対象となる。図
2には座標変換後の2つのオブジェクト8、10の位置
が示されている。
の場合、ビューボリューム2から外れるオブジェクト8
が除去され、ビューボリューム2内部に存在するオブジ
ェクト10が残される。このクリッピングをすべてのオ
ブジェクトについて行い、ビューボリューム2内部に一
部または全部が含まれるオブジェクトにラスタライズ処
理を施す(S10)。ラスタライズはCGの世界ではレ
ンダリングとも呼ばれるもので、オブジェクトの表面に
必要なテクスチャ(模様)や色をつける作業である。こ
の結果、本来見えるべきオブジェクトが見えるべき位置
に適切な大きさで表示され、自然な映像が得られる。
法では、いったんすべてのオブジェクトに対する座標変
換を行うため、処理に長い時間を要した。最近はコンピ
ュータパワーが急激に伸びたとはいえ、例えば、ドライ
ビングシミュレーションやフライトシミュレーションな
ど、視点が頻繁かつ高速に変化する場合にもビューボリ
ューム内の三次元オブジェクトをリアルタイムに表示す
ることが要求される。CGに対する要請はコンピュータ
パワーの伸びを上回る状況にあり、処理時間が三次元C
Gのひとつのネックとなっている。
うために、メモリ容量も問題となる。例えば、前述のド
ライビングシミュレーションがある都市全体をカバーし
なければならない場合、オブジェクトは膨大な数にな
る。複雑な設備をもつ工場のウォークスルー映像を得る
場合も同様である。従来一般的な方法では、これらのオ
ブジェクトすべてに対してオンメモリで座標変換を行う
ため、ある程度大容量の三次元データに対する可視的シ
ミュレーションは諦めざるをえない状況であった。
のであり、その目的は、ビューボリュームに含まれる三
次元のオブジェクトを高速に探索することにある。また
本発明の別の目的は、そうした探索を少ないメモリ量で
実現することにある。
システムは、直方体ではないビューボリュームに含まれ
るオブジェクトを三次元空間で探索するシステムであ
り、ビューボリュームを特定するためのパラメータを受
け付けるパラメータ受付部と、基準直方体を算出する基
準直方体算出部と、対象直方体をオブジェクトごとに算
出する対象直方体算出部と、基準直方体に対して各対象
直方体のクリッピングを行うクリッピング部と、前記ク
リッピング部で選び出された各対象直方体に対し画面表
示に必要な座標変換を行った後、前記ビューボリューム
に対する詳細なクリッピングを行い、この詳細なクリッ
ピングの結果をラスタライズする手段とを含む。ここで
「直方体ではないビューボリューム」として、上述の四
角錘台の例があるがそれ以外の形状でもよい。
により基準直方体が算出される。基準直方体はビューボ
リュームが内接するような直方体であり、その3辺は
x、y、z軸に平行にとる。したがって、基準直方体の
8個の頂点のx、y、x座標の最大値および最小値(x
smax、xsmin、ysmax、ysmin、zsmax、zsmin
と表記)の6個の数値で基準直方体を記述することがで
きる。
直方体が算出される。対象直方体はオブジェクトが内接
するような直方体で、オブジェクトiは同様に6個の数
値、ximax、ximin、yimax、yimin、zimax、
ziminで記述できる。次にクリッピング部において、
これら6個ずつの数値をもとに、基準直方体に対して各
対象直方体のクリッピングが行われる。そして、クリッ
ピング部で選び出された各対象直方体に対し画面表示に
必要な座標変換を行った後、前記ビューボリュームに対
する詳細なクリッピングを行い、この詳細なクリッピン
グの結果をラスタライズする。
体という概念を導入することにより、従来のようにクリ
ッピングのためにすべてのオブジェクトの座標変換を行
う必要がなくなる。基準直方体と対象直方体の算出自体
は極めて容易であり、計算量の大幅な低減が可能とな
る。クリッピングも単なる座標の比較で済むため、リア
ルタイム処理に好適である。
ば6−dツリー(6 dimensional tree)が利用される。
6−dツリーは一般にk−dツリーと呼ばれるものにお
いてキーkが6の場合に相当する。k−dツリーはバイ
ナリサーチに利用される二分木に探索のキーをk個持た
せたツリーである。二次元領域の探索にk−dツリーを
利用する技術は知られているが、ここではこれを三次元
領域の探索に拡張して用いる。
ブジェクトに対応する各対象直方体がノードとなり、上
述のximax等の6個の数値が各ノードのキーとなる。
クリッピング部は、この6−dツリーに対し、基準直方
体の6個の数値xsmaxを探索の条件としてクリッピン
グを行う。
準備しておくことにより、クリッピングの条件に合うオ
ブジェクトを非常に短時間で探索することができる。ま
た、ツリーの各ノードは6個の数値を記憶していればよ
いため、データ量も少ない。このため、一連の処理で必
要になるメモリ容量も小さくてよい。
方体算出部において基準直方体が前記ビューボリューム
の外形により適合するよう基準直方体が複数の直方体に
分割される。これらをそれぞれ「副基準直方体」と呼ぶ
ことにする。ビューボリュームが四角錘台の場合、頂点
に近い側を小さな副基準直方体、遠い側を大きな副基準
直方体で近似することに相当する。しかる後、前記クリ
ッピング部にて、これら複数の副基準直方体に対して各
対象直方体のクリッピングが行われる。
も副基準直方体の合計体積のほうが小さくなるため、探
索の無駄を減らすことができる。
ピング部は、複数の副基準直方体のうち視点に近いもの
に対して先にクリッピングを行う。視点に近いオブジェ
クトほど画面において重要度が高い場合が多い。本態様
では、そうしたオブジェクトを先に画面に表示し、比較
的重要度の低い遠くのオブジェクトの表示の優先度を下
げることができる。リアルタイム性を確保するために、
ある程度遠くのオブジェクトについてはクリッピングを
行わず、表示しない構成とすることも可能となる。
は、ビューボリュームを特定するためのパラメータを受
け付けるパラメータ受付部と、特定されたビューボリュ
ームが内接し、かつその3辺がそれぞれx、y、z軸に
平行な基準直方体を算出する基準直方体算出部と、オブ
ジェクトが内接し、かつその3辺がそれぞれx、y、z
軸に平行である対象直方体をオブジェクトごとに算出す
る対象直方体算出部と、基準直方体に対して各対象直方
体のクリッピングを行うクリッピング部と、前記クリッ
ピング部で選び出された各対象直方体に対し画面表示に
必要な座標変換を行った後、前記ビューボリュームに対
する詳細なクリッピングを行い、この詳細なクリッピン
グの結果をラスタライズする手段とを含む。ここで「ビ
ューボリュームを特定するためのパラメータ」は上述の
視点位置等である。
リッピング結果に従い、基準直方体に含まれるオブジェ
クトのみについて画面表示に必要な座標変換処理を行
う。このため、計算量の軽減、計算途上で利用すべきメ
モリの容量低減が可能となる。
間探索システムを適宜図面を参照しながら説明する。
る。ここではスタンドアロンのワークステーション一台
を主たる構成とする。本発明では高速な空間探索が可能
となるため、通常のワークステーション程度でもリアル
タイムの探索と表示が可能になる。
ョン20とそれに内蔵または外付けされる記憶部30か
らなる。記憶部30は、それぞれオブジェクトの6−d
ツリー、およびオブジェクトの座標データを記憶してい
る。
画すべき領域の指定を受け付けるパラメータ受付部22
をもつ。描画すべき領域はビューボリュームとして把握
される。このため、ユーザには視点位置などビューボリ
ュームを特定するためのパラメータの入力を指示する。
ビューボリュームを特定するためのパラメータは空間探
索部24に送られる。空間探索部24は、このパラメー
タをもとにクリッピングを行う。この際、記憶部30に
記憶されたオブジェクトデータを参照する。空間探索の
結果はラスタライズ部26に通知される。
もとに必要なオブジェクトに関するデータを記憶部30
から読み出し、既知のラスタライズ処理を行った後、画
面に表示する。
リーの理解のために、1−dツリー、2−dツリー、6
−dツリーの順に説明する。なお、こうしたk−dツリ
ーを平面探索に利用する技術については、例えば、J.L.
Bentley著「Multidimensional binary search trees us
ed for associative searching. Communication of the
ACM 18.509-517 1975」や J.B.Rosenberg著「Geograph
ical data structures compared: A study of data str
uctures supporting region querys. IEEE Trans. on C
AD, Vol. CAD-4, No.1, 53-67, Jan.1985」に記述され
ている。本実施形態では、その技術を拡張して空間探索
に応用するものである。
る。図4に1−dツリーの例を示す。ここではa〜fで
表す6個のノードがあり、各ノードはひとつずつキー
(数値データ)をもっている。ルートはノードd、その
チャイルド(chdとも表記)はノードfとeである。ま
た、リーフ、すなわち木の末端のノードはノードb、
c、aである。このツリーの生成規則は以下のとおりで
ある。
た、ptree;root=left_chd(x)とptree;root=righ
t_chd(x)は、それぞれノードxの左側および右側の
チャイルドをルートとする部分木 ptree に含まれる任
意のノードを示す。
になる。例えば、 条件: K<3 という探索条件が与えられたとき、ノードfとノードb
が条件を満たすものとして選び出される。この際、まず
ルートのノードdが前記条件を満たすかどうかが判定さ
れる。ノードdのキーは3で前記条件の上限を超えるた
め、この時点でこのノードの右側のチャイルドをルート
とする部分木に含まれるノードに対するチェックが全く
不要になる。こうして、与えられた探索条件とキーの大
小関係から所望のノードを高速に見つけ出すことができ
る。
られたとき、所望のノードを高速に見い出すことのでき
るツリーである。これら2つのキーは本来互いに無関係
であるため、それらをひとつのツリーに組み込む工夫が
必要である。
8個のノードa〜hがあり、各ノードはそれぞれ2つの
キーをもっている。ここでは便宜的に、上のキーを「0
番目のキー」、下を「1番目のキー」と名付ける。ま
た、ルートのノードdの深さ(Dとも表記)を0、二段
目のノードfおよびeの深さを1、以降、n段目の深さ
を(n−1)と定義し、 dpt=D mod k なる数、dptを定義する。kはキーの数で、ここでは
2であるため、dptは0、1の繰り返しになる。この
ツリーの生成規則は以下のとおりである。
ーK(x,dpt)について、 K(x,dpt)≧K(ptree;root=left_chd(x),dp
t) 規則2.任意のノードxのdpt番目のキーK(x,dp
t)について、 K(x,dpt)<K(ptree;root=right_chd(x),dp
t) この規則を図5で説明する。まず、ルートのノードdに
ついて、dpt=0と決まる。したがって、規則1、2
は以下のように書き換えることができる。
「7」は、ノードdの左側のチャイルドであるノードf
をルートとする部分木のすべてのノードの0番目のキー
以上である。実際に、それらのノードのキーは「5」
「4」「3」であり、正しい。
「7」は、ノードdの右側のチャイルドであるノードe
をルートとする部分木のすべてのノードの0番目のキー
よりも小さい。実際に、それらのノードのキーは「9」
「11」「8」「13」であり、正しい。
のノードは、0番目のキーを根拠として関連づけられて
いる。
ドeについてdpt=1であるため、規則1、2は以下
のように書き換えられる。
「5」は、ノードeの左側のチャイルドであるノードc
をルートとする部分木のすべてのノードの1番目のキー
以上である。実際に、それらのノードのキーは「3」
「1」であり、正しい。
「5」は、ノードeの右側のチャイルドであるノードa
をルートとする部分木のすべてのノードの1番目のキー
よりも小さい。実際に、そのノードのキーは「8」であ
り、正しい。
のノードは、1番目のキーを根拠として関連づけられて
いる。以下同様に、dpt=0であるノードはそれ以下
の全ノードと0番目のキーで関連づけられ、dpt=1
であるノードはそれ以下の全ノードと1番目のキーで関
連づけられている。2−dツリーには2つのキーが含ま
れるものの、ノードを特定しさえすれば(1)の二分木
と把握することができる。
係を示す図である。ここでは、0番目のキーをx軸、1
番目のキーをy軸にとっている。まず図6のごとく、ル
ートであるノードdにより、x=7で二分されている。
ノードd以下の全ノードは二分された領域のいずれかに
属する。
り、それらが属する領域がそれぞれy=7、5で二分さ
れている。図8ではノードb、c、aにより、各領域が
再びx=4、11、8で二分されている。以下、どのよ
うなキーをもつノードが新たに登録されても、それは図
6等に示す二次元領域のいずれかの領域にプロットされ
るため、必ず2−dツリーのいずれかのリーフとして接
続することができる。したがって、複数のノードのうち
いずれをルートに据えても、必ずすべてのノードをツリ
ーに入れることができる。
り、2つのキーに対する条件による領域探索が可能にな
る。例えば、 条件0:0番目のキー>7 条件1:1番目のキー>6 という2つの探索条件が与えられたとき、ノードaのみ
が条件を満たすものとして選び出される。この際、まず
ルートのノードdが条件0を満たすかどうかがチェック
される。ノードdの0番目のキー「7」は条件0の下限
に満たないため、この時点でノードdの左側のチャイル
ドであるノードf以下のノードが考慮が外れる。
のノードについて条件1がチェックされる。ノードeの
1番目のキー「5」は条件1の下限に満たないため、こ
の時点でノードeの左側のチャイルドであるノードc以
下のノードが考慮が外れる。以下、同様のチェックを繰
り返すことでノードの候補が効率的に絞り込まれてい
く。
条件とすることができた。その意味で、ノードをxy平
面上の所望の領域に含まれる点とみなして探索すること
が可能であった。キーを4個に拡張すれば、各ノードに
ついてxmin、xmax、ymin、ymaxを記述することがで
きるため、ノードをxy平面上の矩形領域として定義す
ることができる。
本実施形態ではこれらのキーを前述の第iオブジェクト
に関するximax等に当てる。すなわち、0〜5番目の
キーを順にximin、yimin、zimin、ximax、yi
max、zimaxとする。ツリーの生成規則は2−dツリー
と同様であり、図示はしない。ただし、 dpt=D mod k のkが6である点で異なる。こうして生成されたツリー
に含まれる各ノードは、xyz空間内に体積をもつ領
域、すなわち直方体として定義することができる。生成
された6−dツリーに対する探索は後述する。
ローチャートである。同図において図1同等の工程につ
いては同じ符号を与える。システム動作の開始前に、オ
ブジェクトデータに関する6−Dツリーが予め図3の記
憶部30、オブジェクトデータ自体は記憶部30に格納
されているものとする。
ーザにビューボリュームの特定を促す(S2)。このた
めにユーザが入力する各種パラメータはパラメータ受付
部22で受け取られ、空間探索部24に送られる。これ
とは別に、記憶部30からオブジェクトデータが読み込
まれる(S4)。
ュームに関する基準直方体と各オブジェクトに関する対
象直方体の算出を行う(S20)。
をそれぞれ示す図である。図10のごとく、基準直方体
にはビューボリューム2がちょうど内接している。基準
直方体の6面のうち2面はビューボリューム2の前方ク
リッピング面および後方クリッピング面で決まり、残る
4面はそれら2面から自動的に決まる。一方、図11の
ごとく、対象直方体62にはオブジェクト60がちょう
ど内接する。対象直方体の各辺は基準直方体の対応各辺
に平行である。実際にはオブジェクト60はビューボリ
ューム2に比べて相当小さい場合が多いが、ここでは拡
大して描いている。なお、直方体を求めることはビュー
ボリュームに関するxsmin等、およびオブジェクトに
関するximin等を決めることに等しく、以降はこれら
の数値で処理がなされる。
対する各対象直方体のクリッピングを行う(S22)。
クリッピングは6−dツリーに対する条件探索という形
で実施される。例えば、ある対象直方体全体が基準直方
体に完全に入る場合、探索の条件は、 条件0:0番目のキーximin≧xsmin 条件1:1番目のキーyimin≧ysmin 条件2:2番目のキーzimin≧zsmin 条件3:3番目のキーximax≦xsmax 条件4:4番目のキーyimax≦ysmax 条件5:5番目のキーzimax≦zsmax の6つとなる。なお、本来クリッピングとはひとつのオ
ブジェクトについても可視部分と不可視部分を分割する
ことをいうが、本実施形態は座標変換の前にクリッピン
グを行うことで計算量の削減を図るものであるから、こ
の時点で詳細なクリッピングを行うものではない。した
がって、ここでは少しでも可視部分が存在しうるオブジ
ェクトはすべて拾い上げる。例えばy方向およびz方向
は完全に基準直方体に入るが、x方向の一部がはみ出す
対象直方体は、条件0のみを、 条件0:0番目のキーximin<xsmin とするか、または条件3のみを、 条件3:3番目のキーximax>xsmax とすることで探索可能である。y方向またはz方向のみ
がはみ出す場合を考え併せれば、結局、条件0〜5のう
ち任意の1つを不参照にすることにより、一方向がはみ
出す場合も含めた探索が可能となる。同様に、二方向に
はみ出す場合も含めた探索は、 (条件0か3を不参照)×(条件1か4を不参照)+
(条件0か3を不参照)×(条件2か5を不参照)+
(条件1か4を不参照)×(条件2か5を不参照) で可能である。三方向にはみ出す場合も含めれば、 (条件0か3を不参照)×(条件1か4を不参照)×
(条件2か5を不参照) で探索できる。以上を総合し、逆に参照すべき条件の組
合せを考えれば、 (条件0か3)×(条件1か4)×(条件2か5) (式1) の8通りでよいことがわかる。以下、これら8通りの各
組合せについて2−dツリーのときと同様の過程を経て
基準直方体に含まれうる対象直方体を拾い出す。
は、基準直方体より長い辺をもつ対象直方体である。例
えば非常に高い建物は、場合によりz方向で基準直方体
の両側にはみ出す場合がある。そうした特殊なケースも
考慮するなら、条件2と条件5が、 条件2:2番目のキーzimin<zsmin 条件5:5番目のキーzimax>zsmax となる。これらが同時に成り立つことを条件6と名付け
れば、式1の(条件2か条件5)を(条件2か条件5か
条件6)と変更すればよい。x、y方向についても同様
である。以上で本実施形態のクリッピングは終了する。
たオブジェクトのみについて座標変換を行う(S2
4)。クリッピング段階でオブジェクトは十分絞り込ま
れているため、座標変換の計算量は大幅に低減される。
座標変換後、詳細なクリッピングを行い、その結果をラ
スタライズ部26に通知する。ラスタライズ部26は描
画に必要なオブジェクトのみに関するデータを記憶部3
0から取り寄せ、ラスタライズを実行する(S10)。
しかる後、画面表示を行う。
ムによれば、従来非常に長い時間を要した座標変換の計
算負荷を低減でき、リアルタイムの三次元描画システム
を実現することができる。また、予め6−dツリーを準
備することにより、必要なオブジェクトデータの特定も
高速化できる。さらに、計算過程が単純になるため、ワ
ークエリアとして確保すべきメモリも減らすことができ
る。
変形が可能である。
直方体50の関係からわかるように、基準直方体50内
であってビューボリューム2外である空間は、本来探索
が不要である。一般に視野角が大きいほど無駄な探索が
増す。そこで、ビューボリューム2を複数の直方体、つ
まり副基準直方体で近似してもよい。図12は2つの副
基準直方体でビューボリュームを近似した様子を示す図
である。ここではビューボリューム2の頂点に近い側を
小さな副基準直方体70、遠い側を大きな副基準直方体
72で覆っている。この方法によれば、探索の合計回数
が増えるものの、無駄な探索を減らすことができる。し
たがって、ある程度視野角が大きい場合に副基準直方体
を導入するなど、状況やアプリケーションに応じてこの
方法を採用すればよい。
探索を視点により近い副基準直方体から順に行ってもよ
い。図12の場合、まず小さいほうの副基準直方体70
に関するクリッピングを行い、その結果に応じて必要な
座標変換とラスタライズを行う。それと並行して大きい
ほうの副基準直方体72に対するクリッピングを行う。
この方法によれば、処理を並列化することができるた
め、リアルタイム処理に向く。また、視点に近いオブジ
ェクトを先に描画できるため、画像の重要部分を先に表
示する効果がある。
憶部30に格納されているとした。しかし、6−dツリ
ーは探索の際に頻繁に参照されるため、予めメモりにロ
ードしておいてもよい。
示す図である。
す図である。
ある。
ある。
ある。
ある。
すフローチャートである。
近似した様子を示す図である。
後方クリッピング面、20 ワークステーション、22
パラメータ受付部、24 空間探索部、26ラスタラ
イズ部、30 記憶部、50 基準直方体、60 オブ
ジェクト、62 対象直方体、70,72 副基準直方
体。
Claims (4)
- 【請求項1】 直方体ではないビューボリュームに含ま
れる三次元のオブジェクトを探索するシステムにおい
て、ビューボリュームを特定するためのパラメータを受け付
けるパラメータ受付部と、 特定されたビューボリュームが内接し、かつその3辺が
それぞれx、y、z軸に平行な基準直方体を算出する基
準直方体算出部と、 オブジェクトが内接し、かつその3辺がそれぞれx、
y、z軸に平行である対象直方体をオブジェクトごとに
算出する対象直方体算出部と、 基準直方体に対して各対象直方体のクリッピングを行う
クリッピング部と、 前記クリッピング部で選び出された各対象直方体に対し
画面表示に必要な座標変換を行った後、前記ビューボリ
ュームに対する詳細なクリッピングを行い、この詳細な
クリッピングの結果をラスタライズする手段 と、 を含むことを特徴とする空間探索システム。 - 【請求項2】 請求項1に記載のシステムにおいて、 前記クリッピング部は、各対象直方体をノードとし、か
つ各対象直方体の3軸方向の座標の最大値および最小値
の合計6個の数値が各ノードのキーであるようなツリー
に対し、基準直方体の3軸方向の座標の最大値および最
小値の合計6個の数値を探索条件に用いてクリッピング
を行うことを特徴とする空間探索システム。 - 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載のシステ
ムにおいて、 前記基準直方体算出部は、基準直方体が前記ビューボリ
ュームの外形に、より適合するよう基準直方体を複数の
直方体に分割し、前記クリッピング部は、これら複数の
直方体に対して各対象直方体のクリッピングを行うこと
を特徴とする空間探索システム。 - 【請求項4】 請求項3に記載のシステムにおいて、 前記クリッピング部は、前記複数の直方体のうち視点に
近い直方体に関して先にクリッピングを行うことを特徴
とする空間探索システム。
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1996
- 1996-11-05 JP JP29229696A patent/JP2915363B2/ja not_active Expired - Lifetime
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玉田ほか"多次元データ構造に基づく3次元仮想都市空間の管理と高速描画",電子情報通信学会論文誌 D−▲II▼,Vol.J78−D−▲II▼,No.8(1995年8月20日),p.1205−1213 |
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