JP2910784B2 - エアゾール缶詰の製造方法 - Google Patents
エアゾール缶詰の製造方法Info
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- Vacuum Packaging (AREA)
Description
本発明は、酸素によって品質が劣化され易い食品、医
薬品、化粧品、家庭用品、工業用品が内容物として充填
されているエアゾール缶詰の製造方法に関するものであ
る。
薬品、化粧品、家庭用品、工業用品が内容物として充填
されているエアゾール缶詰の製造方法に関するものであ
る。
エアゾール缶詰は、一般に、開口した缶体内に空間を
残して内容物を充填し、内容物の噴出経路を開閉するエ
アゾールバルブを開口部に取付けて缶体内部に空間が残
余した密閉系を構成した後、缶体内部に噴出経路を通じ
て噴射剤を圧入するという方法で製造されており、内容
物を噴射剤の圧力で噴出孔から噴出させるもので、簡単
に内容物が容器から取り出せる便利な保存パックであ
る。内容物が酸素によって劣化しやすいものである場
合、エアゾール缶内の酸素はできる限り少ない状態にし
なければならない。 従来、エアゾール缶内の酸素を減少させる方法とし
て、例えば特開昭61−217353号公報に記載されている真
空脱気の方法がある。 内容物が食品である場合は、エアゾール缶内の酸素の
割合を特に低くする必要がある。そのため、真空脱気す
る前工程として、例えば窒素ガス、炭酸ガス等の不活性
ガスを吹き付けて、エアゾール缶内における空間部分の
ガス置換を行なう方法も知られている。例えば濃縮コー
ヒー液を充填したエアゾール缶詰では、コーヒーの風味
の劣化等を防ぐために缶内残存酸素量が極めて少ないこ
とが望まれる。濃縮コーヒーを充填したエアゾール缶詰
の製造に前記方法を適用し、缶内残存酸素量を所望程度
にまで減少させるには、不活性ガスを高速で吹き付け、
その後、600〜700mmHg程度の高真空脱気をしなければな
らない。このようにすると缶内の空間部分の酸素は、1/
100〜1/300程度に減少できる。
残して内容物を充填し、内容物の噴出経路を開閉するエ
アゾールバルブを開口部に取付けて缶体内部に空間が残
余した密閉系を構成した後、缶体内部に噴出経路を通じ
て噴射剤を圧入するという方法で製造されており、内容
物を噴射剤の圧力で噴出孔から噴出させるもので、簡単
に内容物が容器から取り出せる便利な保存パックであ
る。内容物が酸素によって劣化しやすいものである場
合、エアゾール缶内の酸素はできる限り少ない状態にし
なければならない。 従来、エアゾール缶内の酸素を減少させる方法とし
て、例えば特開昭61−217353号公報に記載されている真
空脱気の方法がある。 内容物が食品である場合は、エアゾール缶内の酸素の
割合を特に低くする必要がある。そのため、真空脱気す
る前工程として、例えば窒素ガス、炭酸ガス等の不活性
ガスを吹き付けて、エアゾール缶内における空間部分の
ガス置換を行なう方法も知られている。例えば濃縮コー
ヒー液を充填したエアゾール缶詰では、コーヒーの風味
の劣化等を防ぐために缶内残存酸素量が極めて少ないこ
とが望まれる。濃縮コーヒーを充填したエアゾール缶詰
の製造に前記方法を適用し、缶内残存酸素量を所望程度
にまで減少させるには、不活性ガスを高速で吹き付け、
その後、600〜700mmHg程度の高真空脱気をしなければな
らない。このようにすると缶内の空間部分の酸素は、1/
100〜1/300程度に減少できる。
しかし、この不活性ガスの高速吹き付けの作業により
作業環境が酸欠状態になり易いため、エアゾール缶内の
空間部分のガス置換率を高める作業は困難である。ま
た、不活性ガスのロスが多いためにガスコストも高くな
る。さらに、不活性ガス吹き付けを行なった後、真空脱
気を行なうための設備、装置を必要とする問題もある。 本発明は、前記の問題を解決し、缶内の残存酸素量を
簡単かつ十分に減少できるエアゾール缶詰の製造方法を
提供することを目的としている。
作業環境が酸欠状態になり易いため、エアゾール缶内の
空間部分のガス置換率を高める作業は困難である。ま
た、不活性ガスのロスが多いためにガスコストも高くな
る。さらに、不活性ガス吹き付けを行なった後、真空脱
気を行なうための設備、装置を必要とする問題もある。 本発明は、前記の問題を解決し、缶内の残存酸素量を
簡単かつ十分に減少できるエアゾール缶詰の製造方法を
提供することを目的としている。
前記目的を達成するためのエアゾール缶詰の製造方法
を、実施例に相当する第1図および第2図により以下に
説明する。 エアゾール缶詰を製造するにあたり、当初、缶体1と
エアゾールバルブ5は別個に供給される。缶体1は上部
が開口した状態になっている。その開口から缶体1に空
間3を残して内容物2を充填する。次に開口に内容物2
の噴出経路6・7・8を開閉するエアゾールバルブ5を
取付けて、第1図に示すような缶体1の内部に空間3が
残余した密閉系を構成する。この缶体1の内部に噴出経
路6・7・8を通じて不活性ガスを圧入する。 ここでエアゾールバルブ5を開弁すると、第2図の矢
印に示す経路6・7・8を通って缶体1の空間3内の気
体が噴出する。缶体1の空間3内の圧力が大気圧に近く
なったら、または噴出が停止したら、噴出経路6・7・
8を通じて噴射剤を圧入する。
を、実施例に相当する第1図および第2図により以下に
説明する。 エアゾール缶詰を製造するにあたり、当初、缶体1と
エアゾールバルブ5は別個に供給される。缶体1は上部
が開口した状態になっている。その開口から缶体1に空
間3を残して内容物2を充填する。次に開口に内容物2
の噴出経路6・7・8を開閉するエアゾールバルブ5を
取付けて、第1図に示すような缶体1の内部に空間3が
残余した密閉系を構成する。この缶体1の内部に噴出経
路6・7・8を通じて不活性ガスを圧入する。 ここでエアゾールバルブ5を開弁すると、第2図の矢
印に示す経路6・7・8を通って缶体1の空間3内の気
体が噴出する。缶体1の空間3内の圧力が大気圧に近く
なったら、または噴出が停止したら、噴出経路6・7・
8を通じて噴射剤を圧入する。
金属缶体1の内部に不活性ガスを圧入すると、空間3
に残っていた空気と混合する。空気と不活性ガスの混合
気体は、エアゾールバルブ5を開弁することにより噴出
してゆく。したがって空間3に残る混合気体は、不活性
ガスと空気が混合していて、そこに含まれる酸素も極め
て少なくなる。空気と不活性ガスの混合気体を大気圧
(1気圧)になるまで噴出すると、不活性ガスの圧入圧
力をAとしたとき、最終的に空間3に残存する酸素量
は、当初の酸素量の1/Aになる。
に残っていた空気と混合する。空気と不活性ガスの混合
気体は、エアゾールバルブ5を開弁することにより噴出
してゆく。したがって空間3に残る混合気体は、不活性
ガスと空気が混合していて、そこに含まれる酸素も極め
て少なくなる。空気と不活性ガスの混合気体を大気圧
(1気圧)になるまで噴出すると、不活性ガスの圧入圧
力をAとしたとき、最終的に空間3に残存する酸素量
は、当初の酸素量の1/Aになる。
以下、本発明を適用するエアゾール缶詰の製造方法の
実施例を、図面を参照して説明する。 第1図は本発明の製造方法で製造したエアゾール缶詰
の断面図、第2図はその使用状態の要部を示す断面図で
ある。 エアゾール缶詰の製造に先立ち、金属缶体1、エアゾ
ールバルブ5、内容物2、不活性ガスおよび噴射剤を準
備しておく。なお各図において、金属缶体1にエアゾー
ルバルブ5が取付けられたものとして描かれているが、
当初は、夫々別体のものである。 金属缶体1は缶胴内径が50mm、缶高が150mmのアルミ
ニウム製で絞りしごきにより成形され、上部が開口して
いる。エアゾールバルブ5は、バルブカップ9にガスケ
ット11を介してバルブハウジング10が機密に取付けられ
た構造である。バルブカップ9の中心部にはガスケット
11で機密を保たれながら噴出ステム12が摺動可能に嵌挿
し、噴出ステム12の下部はばね13でバルブハウジング10
に支えられて上方に付勢されている。バルブハウジング
10には孔6があり、その内部と外部が通じている。噴出
ステム12は、中央孔8があり、さらに中央孔8から側孔
7が貫通している。第1図の状態で側孔7はガスケット
11で塞がれ、エアゾールバルブ5は閉じた状態になって
いる。内容物2として濃縮コーヒー液を用意し、また不
活性ガスとして高圧の窒素ガス源、噴射剤として高圧の
炭酸ガス源を夫々用意する。 上記の準備が整ったら、金属缶体1の上部開口より濃
縮コーヒー液を160ml充填してから、金属缶体1にエア
ゾールバルブ5を取付ける。この取付けは、金属缶体1
の上部開口にエアゾールバルブ5のバルブカップ9を嵌
め合わせ、クリンチする(かしめる)ことにより気密に
取付けられる。このとき金属缶体1内の上部空間3は約
100mlである。 次に噴出ステム12に高圧窒素ガス源を接続してから、
噴出ステム12を押し下げると、孔7に対するガスケット
11の閉塞が外れるため、高圧窒素ガス源から缶体1の内
部に窒素ガスが圧入されてゆく。缶内の圧力が10気圧に
なったら窒素ガスを停止し、噴出ステム12を押し下げた
状態から戻す。圧入された窒素ガスと空間3に残留して
いた空気が高圧状態で混合する。 噴出ステム12から高圧窒素ガス源を外し、噴出ステム
12を再度押し下げると、第2図に示すように、缶体1の
内部が外界と連通する。そのため空間3にある窒素ガス
と空気の高圧な混合気体が矢印に示す経路を通って噴出
する。噴出が停止するまで放置してから噴出ステム12を
離すと、ばね13により噴出ステム12が押し戻され、孔7
がガスケット11で塞がれてエアゾールバルブ5は閉じた
状態に戻る。 前記と同様な窒素ガスの圧入→混合気体の噴出→エア
ゾールバルブ5の閉塞工程を、もう一度繰返す。 次に噴出ステム12に高圧炭酸ガス源を接続し、缶内の
圧力が6気圧になるまで炭酸ガスを圧入する。 このようにして本発明の製造方法により内容物2とし
て濃縮コーヒー液が充填されたエアゾール缶詰ができあ
がる。このエアゾール缶詰で内容物2である濃縮コーヒ
ー液を使うときには、エアゾール缶詰を上下反転して倒
立状態で噴出ステム12を押すとエアゾールバルブ5側に
滞留した内容物2が放出される。 このエアゾール缶詰は、空間3に残存する酸素量は極
めて僅かである。窒素ガスを10気圧まで圧入してから大
気圧(1気圧)まで噴出させる操作を2回繰返している
ので、残存する酸素量は当初の1/100である。金属缶体
1内の空間3は約100mlであるから、大気圧に換算した
残存酸素の量は約0.2mlである。この量は空間3の体積
の1/500であり、従来の方法によって酸素を減少させる
よりもより高い減少率が得られた。 上記実施例では、不活性ガスの圧入から不活性ガスと
空気の混合気体を噴出させる工程を2回繰返している
が、更に多くの回数を繰返せば、それだけ空間3の残存
酸素を減らすことができる。勿論、内容物2の性質によ
っては、残存酸素をさほど減らさなくてもよい場合に
は、前記の工程は1回でよい。 残存酸素の量は、圧入される不活性ガスの圧力が高い
程、少なくなる。したがって、不活性ガスを圧入する圧
力は、缶体の変形許容圧力を越えない範囲でなるべく高
い方が好ましい。エアゾール缶は法律で14気圧で変形し
ないこと及び16気圧で破裂しないことと定められてお
り、このような金属缶体を使用すれば、上記実施例での
不活性ガスを圧入する圧力10気圧を変形許容圧力の14気
圧にまで高めることによって、残存酸素量はさらに減少
できる。 上記実施例では、空間3の不活性ガスと空気の混合気
体は、缶内の圧力と大気圧の差により噴出して排気され
るが、噴出ステム12に排気装置を接続すれば、さらに能
率的な排気が行なえる。 なお上記実施例では、エアゾール缶詰を倒立状態にす
ると内容物2が放出可能になるが、エアゾール缶詰に
は、エアゾールバルブと繋ったディップチユーブの先端
が内容物に漬かっており、正立状態のままでエアゾール
バルブを開弁すれば、ディップチユーブを通ってエアゾ
ールバルブから内容物が放出するものがある。この種の
エアゾール缶詰の場合には、窒素ガスと空気の高圧な混
合気体を噴出させる工程でエアゾール缶を倒立状態にし
て、エアゾールバルブを開弁する。このように行なう
と、ディップチユーブにたまっていた内容物が僅かに放
出されるだけで、問題となる量の内容物が工程途中で放
出されてしまうことがない。
実施例を、図面を参照して説明する。 第1図は本発明の製造方法で製造したエアゾール缶詰
の断面図、第2図はその使用状態の要部を示す断面図で
ある。 エアゾール缶詰の製造に先立ち、金属缶体1、エアゾ
ールバルブ5、内容物2、不活性ガスおよび噴射剤を準
備しておく。なお各図において、金属缶体1にエアゾー
ルバルブ5が取付けられたものとして描かれているが、
当初は、夫々別体のものである。 金属缶体1は缶胴内径が50mm、缶高が150mmのアルミ
ニウム製で絞りしごきにより成形され、上部が開口して
いる。エアゾールバルブ5は、バルブカップ9にガスケ
ット11を介してバルブハウジング10が機密に取付けられ
た構造である。バルブカップ9の中心部にはガスケット
11で機密を保たれながら噴出ステム12が摺動可能に嵌挿
し、噴出ステム12の下部はばね13でバルブハウジング10
に支えられて上方に付勢されている。バルブハウジング
10には孔6があり、その内部と外部が通じている。噴出
ステム12は、中央孔8があり、さらに中央孔8から側孔
7が貫通している。第1図の状態で側孔7はガスケット
11で塞がれ、エアゾールバルブ5は閉じた状態になって
いる。内容物2として濃縮コーヒー液を用意し、また不
活性ガスとして高圧の窒素ガス源、噴射剤として高圧の
炭酸ガス源を夫々用意する。 上記の準備が整ったら、金属缶体1の上部開口より濃
縮コーヒー液を160ml充填してから、金属缶体1にエア
ゾールバルブ5を取付ける。この取付けは、金属缶体1
の上部開口にエアゾールバルブ5のバルブカップ9を嵌
め合わせ、クリンチする(かしめる)ことにより気密に
取付けられる。このとき金属缶体1内の上部空間3は約
100mlである。 次に噴出ステム12に高圧窒素ガス源を接続してから、
噴出ステム12を押し下げると、孔7に対するガスケット
11の閉塞が外れるため、高圧窒素ガス源から缶体1の内
部に窒素ガスが圧入されてゆく。缶内の圧力が10気圧に
なったら窒素ガスを停止し、噴出ステム12を押し下げた
状態から戻す。圧入された窒素ガスと空間3に残留して
いた空気が高圧状態で混合する。 噴出ステム12から高圧窒素ガス源を外し、噴出ステム
12を再度押し下げると、第2図に示すように、缶体1の
内部が外界と連通する。そのため空間3にある窒素ガス
と空気の高圧な混合気体が矢印に示す経路を通って噴出
する。噴出が停止するまで放置してから噴出ステム12を
離すと、ばね13により噴出ステム12が押し戻され、孔7
がガスケット11で塞がれてエアゾールバルブ5は閉じた
状態に戻る。 前記と同様な窒素ガスの圧入→混合気体の噴出→エア
ゾールバルブ5の閉塞工程を、もう一度繰返す。 次に噴出ステム12に高圧炭酸ガス源を接続し、缶内の
圧力が6気圧になるまで炭酸ガスを圧入する。 このようにして本発明の製造方法により内容物2とし
て濃縮コーヒー液が充填されたエアゾール缶詰ができあ
がる。このエアゾール缶詰で内容物2である濃縮コーヒ
ー液を使うときには、エアゾール缶詰を上下反転して倒
立状態で噴出ステム12を押すとエアゾールバルブ5側に
滞留した内容物2が放出される。 このエアゾール缶詰は、空間3に残存する酸素量は極
めて僅かである。窒素ガスを10気圧まで圧入してから大
気圧(1気圧)まで噴出させる操作を2回繰返している
ので、残存する酸素量は当初の1/100である。金属缶体
1内の空間3は約100mlであるから、大気圧に換算した
残存酸素の量は約0.2mlである。この量は空間3の体積
の1/500であり、従来の方法によって酸素を減少させる
よりもより高い減少率が得られた。 上記実施例では、不活性ガスの圧入から不活性ガスと
空気の混合気体を噴出させる工程を2回繰返している
が、更に多くの回数を繰返せば、それだけ空間3の残存
酸素を減らすことができる。勿論、内容物2の性質によ
っては、残存酸素をさほど減らさなくてもよい場合に
は、前記の工程は1回でよい。 残存酸素の量は、圧入される不活性ガスの圧力が高い
程、少なくなる。したがって、不活性ガスを圧入する圧
力は、缶体の変形許容圧力を越えない範囲でなるべく高
い方が好ましい。エアゾール缶は法律で14気圧で変形し
ないこと及び16気圧で破裂しないことと定められてお
り、このような金属缶体を使用すれば、上記実施例での
不活性ガスを圧入する圧力10気圧を変形許容圧力の14気
圧にまで高めることによって、残存酸素量はさらに減少
できる。 上記実施例では、空間3の不活性ガスと空気の混合気
体は、缶内の圧力と大気圧の差により噴出して排気され
るが、噴出ステム12に排気装置を接続すれば、さらに能
率的な排気が行なえる。 なお上記実施例では、エアゾール缶詰を倒立状態にす
ると内容物2が放出可能になるが、エアゾール缶詰に
は、エアゾールバルブと繋ったディップチユーブの先端
が内容物に漬かっており、正立状態のままでエアゾール
バルブを開弁すれば、ディップチユーブを通ってエアゾ
ールバルブから内容物が放出するものがある。この種の
エアゾール缶詰の場合には、窒素ガスと空気の高圧な混
合気体を噴出させる工程でエアゾール缶を倒立状態にし
て、エアゾールバルブを開弁する。このように行なう
と、ディップチユーブにたまっていた内容物が僅かに放
出されるだけで、問題となる量の内容物が工程途中で放
出されてしまうことがない。
以上詳細に説明したように本発明のエアゾール缶詰の
製造方法によれば、不活性ガスの高速吹き付けの作業が
不要になる。エアゾールバルブから不活性ガスを直接缶
内へ圧入するため、不活性ガスの損失が非常に僅かであ
り、従来より大幅な使用量の削減が可能である。しかも
確実かつ簡単に缶内の酸素量を効率よく減少できる。 さらにエアゾールバルブから噴出される不活性ガスと
空気の混合気体は、別の装置で吸引、排出することがで
きるので、作業場に不活性ガスが放出されないため酸欠
状態にならない。この操作は、簡単な装置で極めて容易
にできる。また不活性ガスの圧入工程は、従来の噴射剤
圧入装置をそのまま使用できるので、特別に設備装置を
必要としない。 総じて本発明のエアゾール缶詰の製造方法によれば、
簡便かつ安価な設備装置により、缶内に残存する酸素が
極めて少ないエアゾール缶詰を、低コストで製造するこ
とができる。したがって食品等の酸化されやすい内容物
が充填されるエアゾール缶詰の製造方法として最適であ
る。
製造方法によれば、不活性ガスの高速吹き付けの作業が
不要になる。エアゾールバルブから不活性ガスを直接缶
内へ圧入するため、不活性ガスの損失が非常に僅かであ
り、従来より大幅な使用量の削減が可能である。しかも
確実かつ簡単に缶内の酸素量を効率よく減少できる。 さらにエアゾールバルブから噴出される不活性ガスと
空気の混合気体は、別の装置で吸引、排出することがで
きるので、作業場に不活性ガスが放出されないため酸欠
状態にならない。この操作は、簡単な装置で極めて容易
にできる。また不活性ガスの圧入工程は、従来の噴射剤
圧入装置をそのまま使用できるので、特別に設備装置を
必要としない。 総じて本発明のエアゾール缶詰の製造方法によれば、
簡便かつ安価な設備装置により、缶内に残存する酸素が
極めて少ないエアゾール缶詰を、低コストで製造するこ
とができる。したがって食品等の酸化されやすい内容物
が充填されるエアゾール缶詰の製造方法として最適であ
る。
第1図は本発明の方法により製造されたエアゾール缶詰
の実施例の断面図、第2図はその使用状態の要部を示す
断面図である。 1…缶体、2…内容物 3…空間、5…エアゾールバルブ 6、7、8…孔、9…バルブカップ 10…バルブハウジング 11…ガスケット、12…噴出ステム
の実施例の断面図、第2図はその使用状態の要部を示す
断面図である。 1…缶体、2…内容物 3…空間、5…エアゾールバルブ 6、7、8…孔、9…バルブカップ 10…バルブハウジング 11…ガスケット、12…噴出ステム
Claims (3)
- 【請求項1】開口した缶体内に空間を残して内容物を充
填し、内容物の噴出経路を開閉するエアゾールバルブを
前記開口に取付けて缶体内部に空間が残余した密閉系を
構成し、前記により密閉している缶体内部に該噴出経路
を通じて噴射剤を圧入するエアゾール缶詰の製造方法に
おいて、内容物が充填され密閉している缶体内部に該噴
出経路を通じて不活性ガスを圧入してから、該エアゾー
ルバルブを開弁して缶体の空間にある気体を噴出させ、
その噴出が停止した後、該噴出経路を通じて噴射剤を圧
入することを特徴とするエアゾール缶詰の製造方法。 - 【請求項2】請求項第1項記載の製造方法で、不活性ガ
スを圧入してから該エアゾールバルブを開弁して金属缶
体内の空間にある気体を噴出させ、噴出が停止したら閉
弁するまでの操作を複数回繰返すことを特徴とするエア
ゾール缶詰の製造方法。 - 【請求項3】請求項第1項記載の缶体に圧入する不活性
ガスの缶体内における圧力が、缶体の変形許容圧力に近
く、かつその変形許容圧力を越えないことを特徴とする
エアゾール缶詰の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2242613A JP2910784B2 (ja) | 1990-09-14 | 1990-09-14 | エアゾール缶詰の製造方法 |
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