JP2909683B2 - 硬貨直径判別装置 - Google Patents

硬貨直径判別装置

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JP2909683B2 JP8960292A JP8960292A JP2909683B2 JP 2909683 B2 JP2909683 B2 JP 2909683B2 JP 8960292 A JP8960292 A JP 8960292A JP 8960292 A JP8960292 A JP 8960292A JP 2909683 B2 JP2909683 B2 JP 2909683B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は公衆電話機、自動販売機
などに用いられ、硬貨軌道に配置した送受信コイルによ
って硬貨の直径を判別する硬貨直径判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば公衆電話機、自動販売機、自動券
売機などでは、硬貨投入口から投入された硬貨の真偽、
種類などを判別するために硬貨(以下、擬似貨も含めて
硬貨と記す)を硬貨軌道に沿って転動落下させ、この硬
貨選別軌道に沿って設けた材質検出装置、厚さ判別装
置、直径判別装置等によって、硬貨の材質、厚さ、直径
を検出して、硬貨の真偽、種類を判定して投入硬貨の判
別を行なっている。
【0003】このための従来の硬貨直径判別装置には、
図18に示すように硬貨軌道1に沿って二つのフォトト
ランジスタ2、3を配置し、硬貨Cの通過によってフォ
トトランジスタ2、3に発生する検知信号の時間差によ
って硬貨Cの直径を判別するものがある(特願昭47−
126605)。
【0004】しかしながら、この硬貨直径判別装置で
は、同一の直径の硬貨でも、硬貨の移動速度が大きいと
2つのフォトトランジスタ2、3による検知信号の時間
差は減少し、そのため実際よりも直径の小さな硬貨と判
別してしまい、逆に硬貨の移動速度が小さいと実際より
も直径の大きな硬貨と判別してしまう。
【0005】このような硬貨の移動速度による影響をな
くすものとして、従来より、硬貨に生ずる渦電流による
磁界を利用する硬貨直径判別装置が特願昭57−180
284で提案されている。
【0006】この硬貨直径判別装置は図19に示すよう
に、送信コイル4が生じる交番磁界によって、硬貨軌道
1を移動する硬貨Cの外周部に渦電流を発生させる。硬
貨軌道1と垂直方向に2つの受信コイル5、6を間隔を
おいて設ける。即ち、一方の受信コイル5は硬貨軌道1
のレール1aのすぐ上方に位置させ、他方の受信コイル
6は硬貨軌道1の垂直方向の上方に、即ち、硬貨Cの直
径に応じて通過位置が変化する位置に配置する。硬貨C
の渦電流による磁界は2つの受信コイル5、6で検出さ
れるが、図19に示すように、受信コイル6と硬貨Cの
外周部の位置関係が変わるから、2つの受信コイル5、
6の出力電圧の差は、硬貨Cの直径にほぼ比例して変化
する。従って、この2つの受信コイル5、6の差電圧に
よって、硬貨Cの直径を判別している。
【0007】この図19の従来の硬貨直径判別装置で
は、硬貨軌道1に対して垂直に配置した2つの受信コイ
ル5、6の差電圧を用いているため、硬貨の移動速度に
よる前記した誤判別はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図19
に示す従来の硬貨直径判別装置では、受信コイル5、6
の出力電圧の差は硬貨の直径だけに依存するのではな
く、硬貨の厚さ及び硬貨の導電率によっても変化するた
め、高精度な直径を判別できないという問題があった。
【0009】本発明の目的は、以上に述べたような問題
点を解決し、硬貨の移動速度の影響なく、且つ硬貨の導
電率や厚さの影響なく、高精度な直径判別ができるよう
にした硬貨直径判別装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の請求項1の硬貨直径判別装置は、硬貨軌道の
近傍に配置され、硬貨軌道を移動する硬貨に交番磁界を
印加する送信コイルと、前記硬貨軌道に沿って硬貨の移
動方向の前後に所定距離隔てて配置され、前記送信コイ
ルの磁界および該磁界を受けて発生する硬貨内の渦電流
が作り出す磁界によって誘起される誘起信号をそれぞれ
出力する第1、第2の受信コイルと、前記第1、第2の
受信コイルに誘起された誘起信号から、前記渦電流によ
る起電力を選択的に取り出す第1、第2の信号抽出手段
と、前記第1、第2の信号抽出手段によって抽出された
信号の少なくとも立ち上がりタイミングおよびピークタ
イミングを検出するタイミング検出手段と、前記タイミ
ング検出手段によって検出された各タイミングに基づい
て、硬貨の先端が前記第1の受信コイルの前端に達した
ときから該硬貨の中心が前記第1の受信コイルと第2の
受信コイルとの間の中心位置に達するまでの時間を算出
する第1の時間測定回路と、前記タイミング検出手段に
よって検出された各タイミングに基づいて、硬貨の中心
が前記第1の受信コイルの中心に達したときから該硬貨
の中心が前記第1の受信コイルと第2の受信コイルとの
間の中心位置に達するまでの時間、または硬貨の中心が
前記第1の受信コイルの中心に達したときから前記第2
の受信コイルの中心に達するまでの時間を算出する第2
の時間測定回路と、前記第1、第2の時間測定回路によ
って算出された時間の比を求める割算手段と、前記割算
手段によって求めた時間比に基づいて硬貨の直径を判定
する判定手段とを備えている。また、本発明の請求項2
の硬貨直径判別装置は、硬貨軌道の近傍に配置され、硬
貨軌道を移動する硬貨に交番磁界を印加する送信コイル
と、前記硬貨軌道に沿って硬貨の移動方向の前後に所定
距離隔てて配置され、前記送信コイルの磁界および該磁
界を受けて発生する硬貨内の渦電流が作り出す磁界によ
って誘起される誘起信号をそれぞれ出力する第1、第2
の受信コイルと、前記第1、第2の受信コイルに誘起さ
れた誘起信号から、前記渦電流による起電力を選択的に
取り出す第1、第2の信号抽出手段と、前記第1、第2
の信号抽出手段によって抽出された信号同士の差を出力
する差動手段と、前記差動手段から出力される差動信号
の立ち上がりタイミング、ゼロクロスタイミングおよび
前記第1、第2の信号抽出手段によって検出された信号
のピークタイミングを検出するタイミング検出手段と、
前記タイミング検出手段によって検出された各タイミン
グに基づいて、硬貨の先端が前記第1の受信コイルの前
端に達したときから該硬貨の中心が前記第1の受信コイ
ルと第2の受信コイルとの中心位置に達するまでの時間
を算出する第1の時間測定回路と、前記タイミング検出
手段によって検出された各タイミングに基づいて、硬貨
の中心が前記第1の受信コイルの中心に達したときから
該硬貨の中心が前記第1の受信コイルと第2の受信コイ
ルとの間の中心位置に達するまでの時間を算出する第2
の時間測定回路と、前記第1、第2の時間測定回路によ
って算出された時間の比を求める割算手段と、前記割算
手段によって求めた時間比に基づいて硬貨の直径を判定
する判定手段とを備えている。
【0011】
【作用】このようにしたため本発明の硬貨直径判別装置
では、送信コイルから発生した交番磁界によって硬貨軌
道を移動する硬貨に渦電流が流れ、新たにこの渦電流に
よる磁界が発生する。送信コイル近傍に硬貨の移動方向
に沿って配置された第1、第2の受信コイルには、送信
コイルによる交番磁界と硬貨の渦電流による交番磁界が
鎖交し、2つの交番磁界による起電力が発生する。起電
力は硬貨の移動に伴い変化する。受信コイルに誘起され
る起電力のうち渦電流による起電力を選択的に取り出す
と、硬貨の通過に伴って1つのピークを持つ電圧波形が
検出される。この信号の電圧レベルは硬貨の直径だけで
なく厚さ及び導電率によっても変化するが、この信号の
立上がり、立下がり、ピークなどの時間は直径にのみ依
存するから、これらの時間情報から硬貨の通過時間を算
出し、この通過時間に基づいて硬貨の直径を判別する。
【0012】
【実施例】まず、本発明の硬貨直径判別装置による直径
判別の基本原理を説明する。
【0013】図1に示すように硬貨Cは硬貨軌道10の
レール11上を自重によって転動落下しつつ移動する。
硬貨軌道10の近傍には、送信コイル12及び硬貨軌道
10に沿った方向に配置された同一形状の第1、第2の
受信コイル13、14が設けられている。送信コイル1
2に交流信号を印加すると、交番磁界が送信コイル12
から発生する。この交番磁界中を硬貨Cが通るとき、図
2に示すように硬貨Cの中に渦電流が円周方向に流れ、
この渦電流による交番磁界が発生する。
【0014】硬貨Cが第1、第2の受信コイル13、1
4を通過するとき、受信コイル13、14には、送信コ
イル12による交番磁界と硬貨Cの渦電流による交番磁
界が鎖交し、これらの2つの交番磁界による起電力が発
生する。第1、第2の受信コイル13、14に誘起され
る起電力のうち渦電流による起電力を選択的に取り出す
と、渦電流による起電力は硬貨Cの移動によって変化す
るから、第1、第2の受信コイル13、14からはそれ
ぞれ1つのピークを持つ電圧波形が検出される。
【0015】発明者らはこの電圧波形を有限要素法を用
いた数値計算により定量的に求めた。
【0016】図3〜5は有限要素法を用いた数値計算の
例を示す図である。図3〜5において、(a)は送信コ
イル12と硬貨Cの位置関係を、(b)はその位置にお
いて硬貨Cに流れる渦電流の分布を示している。
【0017】図3の(b)は送信コイル12と硬貨Cの
中心の距離が50mmの時の硬貨C内に流れる渦電流を
示している。渦電流は時計方向に回転しており、さらに
送信コイル近傍で強く流れている様子がみてとれる。図
4の(b)は送信コイル12と硬貨Cの中心の距離が2
5mmの時の渦電流の流れを示している。硬貨C内には
2つの渦電流の流れがあることが分かる。図5の(b)
は送信コイル12と硬貨Cの中心が一致したときの渦電
流の流れを示している。渦電流の流れは図3の場合とは
逆に反時計方向に回っている。このような数値計算を中
心間距離を微小に変化させ行うことにより渦電流の分布
と、渦電流により生じる磁界分布と、磁界が誘起する起
電力波形を系統的に把握した。
【0018】このような数値計算より求めた第1、第2
の2つの受信コイル13、14に渦電流により誘起され
る起電力の検出波形の一例を図6に示す。
【0019】即ち、図6において横軸は受信コイル1
3、14間の中心を零としたときの硬貨Cの中心の位置
を表し、縦軸は受信コイル13、14に生じる起電力を
表している。図6において符号a、bは、硬貨Cが硬貨
軌道10に沿って第1、第2の受信コイル13、14を
通過する際の硬貨Cの渦電流の磁界によってそれぞれ第
1、第2の受信コイル13、14に生じる起電力を示し
ている。また、符号Cは、第1の受信コイル13と第2
の受信コイル14の差動出力の波形を示している。
【0020】第1の受信コイル13の出力波形aの立ち
上がり時間T1 は、図7に示すように硬貨Cが第1の受
信コイル13の中に入った瞬間であり、立ち下がり時間
2は硬貨Cが第1の受信コイル13を出た瞬間であ
り、第2の受信コイル14の出力波形bの立上がり時間
3 は、硬貨Cが第2の受信コイル14の中に入った瞬
間であり、立下がり時間T4 は硬貨Cが第2の受信コイ
ル14を出た瞬間であり、立ち上がり立ち下がりの傾き
が急峻であることがわかった。
【0021】そして、2つの受信コイル13、14の差
動出力波形の立ち上がり時間は、第1の受信コイル13
の出力波形の立ち上がり時間と同じであり、ゼロクロス
時間T5 は硬貨Cが2つの受信コイル13、14の中心
に来た時である。
【0022】2つの受信コイル13、14の出力波形に
おいてピーク電圧は硬貨の直径と材質と厚みに依存する
が、立ち上がり時間とピーク時間と立ち下がり時間は、
材質、厚みに依らず硬貨Cの直径と速度に依存し、さら
に2つの波形の時間差は直径に依らず速度のみに依存す
る時間を示すことがわかった。また、同様に差動出力の
波形の立ち上がり時間とゼロクロス時間と立ち下がり時
間は、硬貨の直径が一定であれば常に速度依存による時
間を示すことがわかった。
【0023】図7においてL1 は第1の受信コイル13
の出力波形のピーク位置(即ち第1の受信コイル13の
中心位置)と2つの受信コイル13、14の中心位置と
の距離、L2 は2つの受信コイル13、14の中心位置
から受信コイル13の端点までの長さである。
【0024】まず硬貨Cの移動速度Vを求める。2つの
受信コイル13、14の出力波形a、bのピ−ク時間を
それぞれT6 、T7 とし、差動出力波形cの立ち上がり
時間とゼロクロス時間をそれぞれT1 、T5 とする(な
お、T6 、T7 はそれぞれ出力波形a、bの立上がり時
間または立下がり時間でもよい。)。前記2つの出力波
形a、bと前記差動出力波形cの時間情報のうち、2つ
の受信コイル13、14のピーク時間T6 、T7 と差動
出力波形のゼロクロス時間T5 の相対的な時間は、2つ
の受信コイル13、14の形状が決まれば常に一定の時
間を示す。このため予め定められた値であるL1 と2つ
の受信コイル13、14の差動出力波形cのゼロクロス
時間T5 と受信コイル13の出力波形aのピ−ク時間T
6 から硬貨移動速度Vは、 V=L1 /(T5 −T6 ) (1) なる式を用いて求まる。
【0025】次に、前記硬貨移動速度Vを用いて、硬貨
Cの直径Dを求める。即ち、硬貨Cが移動してきて第1
の受信コイル13にさしかかり、2つの受信コイルの中
心に来るまでの時間は、(T5 −T1 )である。この時
間内に硬貨Cが移動する距離(硬貨Cの中心の移動距
離)は、硬貨Cの半径(D/2)と予め定められた値L
2 (2つの受信コイル13、14の中心から第1の受信
コイル13の端点までの長さに補正係数を乗じた値)を
足し合わせた距離であり、(D/2+L2 )となる。硬
貨Cの移動速度は前記(1)式より既に求まっているの
で、硬貨Cが移動してきて第1の受信コイル13に入
り、2つの受信コイルの中心に来るまでの距離は、 D/2+L2 =V(T5 −T1 ) (2) となる。ここで硬貨Cの直径を求めるために(2)式を
変形すると、 D=2{V(T5 −T1 )−L2 } (3) となる。前記(1)式を前記(3)式に代入すると、 D=2{(T5 −T1 )L1 /(T5 −T6 )−L2 } (4) となる。
【0026】この(4)式はL1 、L2 を定数とし、変
数は(T5 −T1 )/(T5 −T6)だけである。即
ち、硬貨Cの直径は、(T5 −T1 )/(T5 −T6
の値によって一義的に定まることがわかる。従って、
(T5 −T1 )と(T5 −T6 )の比率から硬貨Cの直
径を判別できる。この(4)式では時間差の比率をとっ
ているため、硬貨Cの移動速度分が相殺されているた
め、硬貨Cの移動速度と無関係に直径が判別できる。
【0027】このように、硬貨Cの直径を、硬貨移動速
度に依存する時間情報を用いて正確に判定することがで
きる。
【0028】前記した直径判別の原理に基づいた本発明
の硬貨直径判別装置の実施例を以下に説明する。
【0029】硬貨軌道10は、図8〜10に示すように
鉛直面に関して傾斜して設けられた基板15と、この基
板15と一定間隔をおいた平行なカバー板16と、カバ
ー板16に取付けられた水平線に関して傾斜したレール
11とによって構成されている。投入口から硬貨軌道1
0へ落下した硬貨Cは、レール11に周端面C′が接触
し、基板15に腹面C″が接触した状態で、傾斜したレ
ール11に沿って転動落下して行く。
【0030】基板15には、穴15aが設けられ、この
穴15a内に送信コイル12と第1、第2の受信コイル
13、14が設けられている。
【0031】即ち、穴15aにはフェライトコア17が
固定され、フェライトコア17には矩形に設けられた溝
17a、17b、17c内に、それぞれ巻かれた矩形の
送信コイル12、2つの受信コイル13、14が嵌め込
まれている。硬貨軌道10のレール11、基板15、カ
バー板16は非磁性材料で形成されている。
【0032】送信コイル11と2つの受信コイル13、
14は、同一平面にあり、第1、第2の受信コイル1
3、14は送信コイル12の磁束を等量受ける位置と形
状になっており、かつ硬貨軌道10に沿って硬貨移動方
向の前後の位置にあり、送信コイル12の中心位置と2
つの受信コイル13、14の中心位置が一致するよう
に、且つ、移動中の最小径の硬貨が同時に2つの受信コ
イル13、14に重なるような間隔をおいて設置してあ
る。このように送信コイル11、2つの受信コイル1
3、14を差動一面形に構成すれば外乱の影響を受けに
くく、かつ、出力波形の立上りや立下りが急峻となり正
確な時間情報を検出できる。
【0033】図11は前記構成の送信コイル12、受信
コイル13、14を用いた硬貨直径判別装置の電気回路
の構成を示している。
【0034】図11において送信コイル12にはコンデ
ンサ20が接続され共振回路となり、2つの受信コイル
13、14にはそれぞれコンデンサ21、22が接続さ
れて共振回路となっている。送信コイル12に、抵抗2
3と直列接続した発振器24の出力(図12の(イ))
を加えて交番磁界を発生させる。
【0035】硬貨が受信コイル13、14に存在しない
場合には、受信コイル13、14には、送信コイル12
による交番磁界が鎖交して起電力が発生し、交流信号が
出力される。硬貨が受信コイル13、14を通過する際
には、送信コイル12の交番磁界によって、硬貨に渦電
流が生ずるので、この送信コイル12の交番磁界と硬貨
の渦電流による交番磁界とが2つの受信コイル13、1
4に鎖交して2つの交番磁界による交流信号が出力され
る。渦電流による起電力は硬貨の移動に伴って変化す
る。
【0036】第1、第2の受信コイル13、14の出力
信号はバッファアンプ25、26でそれぞれ増幅され
(図12の(ロ))、サンプルホールド回路27、28
へ送られる。サンプルホールド回路27、28では、サ
ンプルパルス発生回路29から作られる送信コイル12
の信号から位相が90°だけ遅れたサンプルパルス(図
12の(ハ))によってサンプリングされ、バッファア
ンプ25、26からの信号が直流化される。
【0037】硬貨が受信コイル13、14に到達してい
ない場合、2つの受信コイル13、14に発生する交流
信号は変化しないが、硬貨が受信コイル13、14を通
過する場合、受信コイル13、14からの出力信号は図
12の(ロ)(バッファアンプの出力信号)に示すよう
にこの通過に伴って渦電流による磁界成分によって位相
及び振幅が変化するので、これをサンプリングパルスで
サンプルホールドすると、図12の(ニ)に示すように
電圧レベルの変化として現われる。
【0038】なお、サンプリングパルスの位相を送信コ
イル12の信号から90°遅れさせるのは、硬貨がない
時に受信コイル13、14に発生する起電力と、硬貨の
渦電流の磁界によって受信コイル13、14に発生する
起電力との間に90°の位相差があり、硬貨の渦電流の
磁界による受信コイル13、14の起電力を取り出すに
は、位相を90°遅らせるのが最適だからである。
【0039】従って、硬貨の通過によって、2つのサン
プルホールド回路27、28からは、それぞれ図13の
(a)、(b)に示すように時間ずれのあるほぼ同じ波
形の信号が発生する(図13の波形(a)は図12の波
形(ニ)を時間軸を縮めて表したものである)。
【0040】2つのサンプルホールド回路27、28の
出力信号は、差動アンプ30に入力されて図12の
(c)に示す差動出力信号が出力される。このように差
動出力を作り出すことにより外乱の影響がほぼ取り除か
れる。
【0041】レベル検知回路31はこの差動出力信号の
立ち上がり時間T1 及びゼロクロス時間T5 にそれぞれ
パルス信号(図13の(d)及び(e))を出力する。
【0042】一方、サンプルホールド回路27からの信
号(図13の(a))を微分回路32で微分して、この
信号のピーク時間T6 にパルス信号(図13の(f))
を出力する。
【0043】一方の時間測定回路34では、前記差動波
形cの前記立ち上がり時間T1 でのレベル検知回路31
からのパルス信号(図13の(d))によって、前回の
時間データがリセットされて、新らたに時間測定が開始
され、差動波形cのゼロクロス時間T5 でのレベル検知
回路31からのパルス信号(図13の(e))によって
1 からT5 までの経過時間(T5 −T1 )がラッチさ
れる(図13の(g))。
【0044】他方の時間測定回路33では、第1の受信
コイル13側からの出力波形aのピーク時間T6 での微
分回路32からのパルス信号(図13の(f))によっ
て、前回の時間データがリセットされて、新らたに時間
測定が開始され、差動波形cのゼロクロス時間T5 での
レベル検知回路31からのパルス信号(図12の
(e))によってT6 からT5 までの経過時間(T5
6 )がラッチされる(図13の(h))。
【0045】割算回路35は2つの時間測定回路33、
34からの出力を受けて割算した(T5 −T1 )/(T
5 −T6 )を出力する。差動信号cのゼロクロス時T5
でのレベル検知回路31からのパルス信号によって2つ
の時間測定回路34、33はラッチをかけられ、判定回
路36はこのパルス信号を受けたときに判定動作をスタ
ートする。このときの割算回路の出力(T5 −T1 )/
(T5 −T6 )は、前記(4)式で説明したように硬貨
Cの直径を判定するデータであり、しかも2つの時間差
の比なので、硬貨Cの通過速度の硬貨直径判定への影響
は相殺されている。
【0046】このように差動信号cのゼロクロス時T5
において、判定回路36は、記憶回路37に予め記憶さ
れている数種の硬貨の固有の数値範囲と比較して、いず
れかの硬貨の範囲内であればその特定された硬貨である
と判断し、どの硬貨の範囲内でもなければ疑似硬貨であ
ると判断し、図13の(j)に示すように、判定信号を
出力する。このようにして、真の硬貨か否か、あるいは
硬貨の種類が判定され、この判定信号に基づいて硬貨振
分け装置38によって硬貨が収納方向、排出方向などに
振り分けられる。
【0047】前記実施例では(T5 −T1 )/(T5
6 )によって直径判別しているが、別の方法で硬貨C
の直径を求めることもできる。即ち、図7において、L
3 は受信コイル13、14の出力波形のピーク値間の距
離で、前記したL1 の2倍である。予め定められた値で
あるL3 と、2つの受信コイル13、14の出力波形
a、bの各ピ−ク時間T6 、T7 から硬貨の移動速度V
は、 V=L3 /(T7 −T6 ) (5) なる式を用いて求まる。前記(1)式と前記(5)式は
同じ値になる。これは前記(1)式のときに説明したよ
うに、2つの受信コイルの出力波形のピーク時間の相対
的な時間は、2つの受信コイル形状によって一義的に決
まるためである。よって前記(5)式を前記(3)式に
代入すれば、 D=2{(T5 −T1 )L3 /(T7 −T6 )−L2 } (6) となる。(6)式はL2 、L3 を定数とし、変数は(T
5 −T1 )/(T7 −T6 )だけである。従って、硬貨
Cの直径は、(T5 −T1 )/(T7 −T6 )の値によ
って一義的に定まり、直径が判別できる。
【0048】図14はこの原理によって硬貨の直径を判
別する本発明の実施例を示している。
【0049】図14において、バッファアンプ25、2
6、サンプルホールド回路27、28、サンプリングパ
ルス発生回路29、差動アンプ30、レベル検知回路3
1、微分回路32は、図11の実施例のものと同一であ
る。
【0050】この実施例では、第2の受信コイル14側
の出力波形bのピーク時間T7 に、微分回路40からパ
ルス信号(図15の(f′))を出力し、このパルス信
号によって、時間測定回路41をラッチする。このた
め、時間測定回路41からは、図11の実施例の場合の
時間(T5 −T6 )の代りに、時間(T7 −T6 )がラ
ッチされて出力され(図15の(h))、割算回路42
からの出力は、このラッチ時T7 において、もう1つの
時間測定回路33からの出力(T5 −T1 )(図15の
(g))を(T7 −T6 )(図15の(h))で割算し
た値(T5 −T1)/(T7 −T6 )となる(図15の
(j))。判定回路43は、この値(T5−T1 )/
(T7 −T6 )を、予め記憶回路44に記憶させておい
た数種の硬貨の固有の数値範囲と比較して、いずれかの
硬貨の範囲内であればその特定された硬貨であると判断
し、どの硬貨の範囲内でもなければ疑似硬貨であると判
断する。
【0051】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は各部の構成において種々の変形が可能なことは勿論で
あり、例えば、図11、図14の各実施例で用いている
差動波形のゼロクロス時間T5 は、2つの波形a、bの
各ピーク時間T6 、T7 から(T7 +T6 )/2として
求めることもできるから、この演算を行なう演算回路を
用いることによって、差動アンプを用いずに硬貨直径の
判別をすることもできる。
【0052】また、送受信コイルの形状は図9の矩形に
限らず、図16に示すように円形の送信コイル12′と
半円形の受信コイル13′、14′にしてもよく、ある
いは図17に示すように円形の送信コイル12″と円形
の受信コイル13″、14″にしてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の硬貨直径判
別装置では、第1、第2の受信コイルに誘起される信号
から渦電流による起電力を選択的に抽出し、抽出した信
号の立上がり、立下がり、ピーク等の各タイミングを検
出し、硬貨の通過時間と通過時間の比を求め、この通過
時間の比に基づいて硬貨の直径を判別しているので、硬
貨の移動速度の影響を受けることなく、また、硬貨の厚
さや材質の影響を受けることなく、高精度な直径判別が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による硬貨と送受信コイルの
関係を示す概略構成図である。
【図2】硬貨に生じる渦電流による磁界を示す図であ
る。
【図3】硬貨と送信コイルとの位置関係と有限要素法に
よる解析硬貨に生じる渦電流を示す図である。
【図4】硬貨と送信コイルとの位置関係と有限要素法に
よる解析硬貨に生じる渦電流を示す図である。
【図5】硬貨と送信コイルとの位置関係と有限要素法に
よる解析硬貨に生じる渦電流を示す図である。
【図6】2つの受信コイルの出力波形と差動波形を示す
図である。
【図7】2つの受信コイル形状から硬貨の直径を求める
ための図である。
【図8】本発明の一実施例の硬貨軌道の断面図である。
【図9】図8におけるA−A矢視図である。
【図10】図9におけるB−B断面図である。
【図11】本発明の一実施例のブロック図である。
【図12】図11のブロック図の各部の出力波形を示す
図である。
【図13】図11のブロック図の各部の出力波形を示す
図である。
【図14】本発明の他の実施例のブロック図である。
【図15】図14のブロック図の各部の出力波形を示す
図である。
【図16】本発明の他の実施例による送受信コイルの形
状を示す側面図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例による送受信コイ
ルの形状を示す側面図である。
【図18】従来の硬貨直径判別装置の原理図である。
【図19】従来の硬貨直径判別装置の原理図である。
【符号の説明】
10 硬貨軌道 11 レール 12 送信コイル 13 第1の受信コイル 14 第2の受信コイル 15 基板 15a 穴 16 カバー板 17 フェライトコア 24 発振器 25、26 バッファアンプ 27、28 サンプルホールド回路 29 サンプリングパルス発生回路 30 差動アンプ 31 レベル検知回路 32 微分回路 33、34 時間測定回路 35 割算回路 36 判定回路 37 記憶回路 38 硬貨振分け装置 40 微分回路 41 時間測定回路 42 割算回路 43 判定回路 44 記憶回路
フロントページの続き (72)発明者 児玉 典之 東京都港区南麻布五丁目10番27号 アン リツ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−275611(JP,A) 特開 昭52−496(JP,A) 特開 平1−251292(JP,A) 特開 昭61−183794(JP,A) 特開 昭48−19297(JP,A) 特開 平2−123493(JP,A) 実開 昭52−74197(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/72 G07D 5/00 - 5/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬貨軌道の近傍に配置され、硬貨軌道を移
    動する硬貨に交番磁界を印加する送信コイルと、 前記硬貨軌道に沿って硬貨の移動方向の前後に所定距離
    隔てて配置され、前記送信コイルの磁界および該磁界
    受けて発生する硬貨内の渦電流が作り出す磁界によって
    誘起される誘起信号をそれぞれ出力する第1、第2の受
    信コイルと、前記第1、第2の受信コイルに誘起された誘起信号か
    ら、前記渦電流による起電力を選択的に取り出す第1、
    第2の信号抽出手段と、 前記第1、第2の信号抽出手段によって抽出された信号
    の少なくとも立ち上がりタイミングおよびピークタイミ
    ングを検出するタイミング検出手段と、 前記タイミング検出手段によって検出された各タイミン
    グに基づいて、硬貨の先端が前記第1の受信コイルの前
    端に達したときから該硬貨の中心が前記第1の受信コイ
    ルと第2の受信コイルとの間の中心位置に達するまでの
    時間を算出する第1の時間測定回路と、 前記タイミング検出手段によって検出された各タイミン
    グに基づいて、硬貨の中心が前記第1の受信コイルの中
    心に達したときから該硬貨の中心が前記第1の受信コイ
    ルと第2の受信コイルとの間の中心位置に達するまでの
    時間、または硬貨の中心が前記第1の受信コイルの中心
    に達したときから前記第2の受信コイルの中心に達する
    までの時間を算出する第2の時間測定回路と、 前記第1、第2の時間測定回路によって算出された時間
    の比を求める割算手段と、 前記割算手段によって求めた時間比に基づいて硬貨の直
    径を判定する判定手段とを 備えた硬貨直径判別装置。
  2. 【請求項2】硬貨軌道の近傍に配置され、硬貨軌道を移
    動する硬貨に交番磁界を印加する送信コイルと、 前記硬貨軌道に沿って硬貨の移動方向の前後に所定距離
    隔てて配置され、前記送信コイルの磁界および該磁界
    受けて発生する硬貨内の渦電流が作り出す磁界によって
    誘起される誘起信号をそれぞれ出力する第1、第2の受
    信コイルと、前記第1、第2の受信コイルに誘起された誘起信号か
    ら、前記渦電流による起電力を選択的に取り出す第1、
    第2の信号抽出手段と、 前記第1、第2の信号抽出手段によって抽出された信号
    同士の差を出力する 差動手段と、前記差動手段から出力される差動信号の立ち上がりタイ
    ミング、ゼロクロスタイミングおよび前記第1、第2の
    信号抽出手段によって抽出された信号のピークタイミン
    グを検出するタイミング検出手段と、 前記タイミング検出手段によって検出された各タイミン
    グに基づいて、硬貨の先端が前記第1の受信コイルの前
    端に達したときから該硬貨の中心が前記第1の受信コイ
    ルと第2の受信コイルとの中心位置に達するまでの時間
    を算出する第1の時間測定回路と、 前記タイミング検出手段によって検出された各タイミン
    グに基づいて、硬貨の中心が前記第1の受信コイルの中
    心に達したときから該硬貨の中心が前記第1の受信コイ
    ルと第2の受信コイルとの間の中心位置に達するまでの
    時間を算出する第2の時間測定回路と、 前記第1、第2の時間測定回路によって算出された時間
    の比を求める割算手段と、 前記割算手段によって求めた時間比に基づいて硬貨の直
    径を判定する判定手段とを 備えた硬貨直径判別装置。
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