JP2909581B2 - 小ねぎ不用部除去装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、味味噌、うど
ん、ラ−メンなどの薬味として使用される小ねぎの不用
部除去装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ねぎの洗浄などに関する装置としては、
例えば、実公昭６０−３０９５９号公報や実公平７−３
３６７３号公報などに開示されているようなものがある
が、いずれも、ねぎの葉部を掴み、根部のみを装置で洗
浄し、手元に残った不要な葉の残葉処理は手作業で行な
わなければならないという欠点があった。

【０００３】小ねぎは、味噌汁、うどん、ラ−メンなど
の薬味として使用されるので、新鮮であることが要求さ
れ、そのために、小ねぎ生産者は、早朝、例えば、午前
３時頃には起床し、小ねぎ畠から小ねぎを収穫し、直ち
に洗浄、選別、束取り作業などを行ない、午前中には市
場に出荷するというように、極めて時間に拘束された作
業を強制されており、小ねぎ生産者にとっては、安定出
荷の可否が大きな死活問題になっている。これら一連の
作業において、最も時間がかかるのが、洗浄、残葉処理
などの選別作業である。従来は、圧縮空気と水及び水圧
を利用した簡単な機械で、作業者が小ねぎの葉部分を握
り、根部を前記機械に入れ、根部の皮むき、根洗い、及
び泥落としを行なっていたが、作業者の手元には老化し
た不要の葉が残り、これらの不要な葉は、作業者が手作
業で除去し、選別していたので、この残葉処理作業に時
間がかかることと、根部の皮むきなども作業者の手加減
によって行なわれていたから、ばらつきが生じ、商品価
値を損ねるという欠点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の技
術で記述した欠点を解消するためになされたもので、小
ねぎの根部の皮むき、根洗い及び泥落とし、不用な葉を
除去する残葉処理作業を連続して機械的に行うことがで
きる小ねぎ不用部除去装置の提供を目的とするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上下一対の第
一挟持ベルトに小ねぎの中間部を挟持させ、横方向に移
動させながら、小ねぎの根部に向かって流体を噴出し、
小ねぎの根部の皮むき、根洗い及び泥落しをする第一機
構部と、該第一機構部を通過したのち、上下一対の第二
挟持ベルトに小ねぎの根部を挟持させ、少し横方向に移
動したところで、小ねぎの中間部を、前記第一挟持ベル
トから解放し、根部のみを挟持し、移動させながら、小
ねぎの葉部に向かって圧縮空気を噴出させ、不要の葉を
除去する第二機構部とから構成されており、また第二機
構部においては、不要の葉を除去したのち、小ねぎの葉
部を根部と同一レベルになるように次第に持ち上げるこ
とができるように構成されている。

【０００６】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態の一例を示
す図面を参照しながら説明するに、図１は本発明の主要
部を平面図で示し、図２は挟持ベルトなどの関係を理解
し易いように側面図で示したもので、図１〜図２におい
て、１は平コンベア−で矢印の方向に移動しており、根
元を揃えて、この平コンベア−１の上に並べられた小ね
ぎ２は、平コンベア−１と同じ速度で、同一方向に移動
している上下一対の第一挟持ベルト３、３’に、その中
間部を挟持され、横方向に移動しつつ、根部に向かって
ノズル４から圧縮空気、ノズル５から水を噴出され、小
ねぎ２の根部の皮むき、根洗い及び泥落しがなされる第
一機構部６（図１、図２において一点鎖線で示してい
る）を通過する。なお、圧縮空気噴出用のノズル４及び
水噴出用のノズル５は上下に配設され、上下方向から小
ねぎ２の根部に向かって、噴出できるようになってい
る。

【０００７】前記第一機構部６を通過したのち、上下一
対の第二挟持ベルト７，７’に小ねぎ２の根部を挟持さ
せ、少し横方向に移動したところで、小ねぎ２の中間部
を、第一挟持ベルト３，３’から解放し、小ねぎ２の根
部のみを挟持し、移動させながら、ノズル８から圧縮空
気を小ねぎ２の葉部に向かって噴出させ、老化した不要
の葉を除去する第二機構部９（図１、図２において一点
鎖線で示している）を通過させ、集積用の平コンベアー
１０に移動させる。不要葉を除去したのちの小ねぎ２の
堅さ、即ち腰の強さは、季節、天候、水分保有量などの
違いによって、ばらつきがあり、例えば、腰が弱い場合
には、小ねぎ２の葉がたれ下がったり、下方へ撓んだり
するので、第二機構部９においては、小ねぎ２の根部の
方から葉部の方へ向かって軽くしごきながら、前記たれ
下がりや撓みを修正しつつ、全体として下に下がってい
る小ねぎ２の葉部を根部と同一レベルになるように、図
１、図３に示すように、傾斜し且つ下流に行くに従って
第二挟持ベルト７，７’から離れる丸ベルト１１を設け
ている。丸ベルト１１は第二挟持ベルト７，７’と同一
速度で移動し、その最上端が第二挟持ベルト７，７’と
同一レベルになるようにセットされ、前記たれ下がりや
撓みを修正しつつ、全体として下に下がっている小ねぎ
２の葉部を次第に持ち上げることができるようになって
いる。

【０００８】第二機構部９における、圧縮空気の吹き付
けは、小ネギ２の中間部が前記第一挟持ベルト３、３’
から解放され、根部が前記第二挟持ベルト７、７’だけ
に挟まれ、葉先が下に下がる、この時に吹き付けるのが
効果的である。なお、圧縮空気を噴出するノズル８の数
について限定的ではないが、小ねぎの種類に応じて巾広
く適用できるように、個複数設置しておくことが好まし
い。

【０００９】前記第一機構部６を通過した小ねぎ２は、
根部の皮むき、根洗い及び泥落しはなされているが、中
間部が前記第一挟持ベルト３、３’に挟まれているか
ら、老化した葉は、小ねぎ２に残されたままになってい
る。従来は、この状態で、作業者が残葉処理を手作業で
行ない選別していたのである。なお、本発明において
は、第一機構部６から第二機構部９へ移る過程におい
て、小ねぎ２の中間部と根部とが同時に挟持され移動で
きるように構成されているから、小ねぎ２の根部と中間
部は同一速度で移動し、一方に偏ることがなく、平滑に
移動するので、第二機構部９における残葉処理を容易、
かつ確実にする。また、第二機構部９においては、前記
丸ベルト１１の作用によって、残葉処理された小ねぎ２
は、集積用の平コンベア−１０に整列して出てくるの
で、後の作業がし易くなる。

【００１０】図４は、図１において、第二機構部９を移
動中の小ねぎ２のＡ、Ｂ、Ｃ点の通過時における状態を
示したもので、図４（ａ）は圧縮空気を噴出される直前
の状態を示し、図４（ｂ）は圧縮空気を噴出され、不要
の葉が除去されたのちの状態を示し、図４（ｃ）は丸ベ
ルト１１によって、葉先が根部と同じレベルに持ち上げ
られ、集積用の平コンベアー１０に出てくる直前の状態
を示している。

【００１１】

【発明の効果】この発明は上述のように構成されている
ので、つぎのような効果を呈する。 根部の皮むき、根洗い及び泥落としを機械的に行なう
ことができるので、作業時間を短縮できるとともに、作
業者による皮むきなどのばらつきがなくなり商品価値を
高めることができる。 これまで最も手間がかかっていた残葉処理作業を機械
作業によって行なうことができるようになったので、作
業能率は著しく向上し、この作業に費やしていた労働力
を出荷作業などの他の作業に集約できるようになるか
ら、これまで問題点であった小ねぎの安定出荷が可能に
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例を示す平面図

【図２】図１に対応して、挟持ベルトなどの関係を示す
側面図

【図３】第二挟持ベルトと丸ベルトの関係を示す側面図

【図４】第二機構部を通過中の小ねぎの状態を示す説明
図

【符号の説明】

１ 平コンベア− ２ 小ねぎ ３、３’第一 挟持ベルト ４ 圧縮空気噴出ノズル ５ 水噴出ノズル ６ 第一機構部 ７、７’第二挟持ベルト ８ 圧縮空気噴出ノズル ９ 第二機構部 １０ 集積用平コンベア− １１ 丸ベルト

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】小ねぎを載置移動する第一機構部と小ねぎ
   の中間部を挟持する第１挟持ベルト部及び該第１挟持ベ
   ルト部と一部重複し小ねぎの根部を挟持する第２挟持ベ
   ルト部からなり該第２挟持ベルト部において根部から葉
   部に向かって圧縮空気を噴出する噴出機構を有し第２挟
   持ベルト部において下流に行くに従って第２挟持ベルト
   部から離れ且つ端部が第２挟持ベルトと同じ高さになる
   ように順次上昇した丸ベルトを有する小ねぎ不用部除去
   装置。