JP2908547B2 - 鍼用加温器具 - Google Patents

鍼用加温器具

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conductive
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は,鍼治療のとき用いられる加温器具であり,
患部や患部に留置した鍼を加温することにより鍼効果を
高める装具に関するものである。
【従来の技術】
東洋医学の治療法として重要な鍼治療は,生体のアン
バランス(「虚実」)を刺鍼を用いた「補瀉」によって
調整する医療技術である。 ところが,このような鍼の治療において,「補法」を
行うためには鍼体そのもの又は刺鍼部位を加温する必要
がある。 その加温方法は従来鍼体の上部に「モグサ」を付着さ
せ,それに着火して鍼体を加温し,人体深部に熱を伝え
る方法が行われてきた。 また,近年,背部の重要な「ツボ」に対する「補法」
として、発熱電球を多数有する箱型の加熱装置を用いた
り,赤外線ランプを用いたりして刺鍼部の加温が行われ
てきた。
【発明が解決しようとする課題】
上記の加温方法では次の問題があった。 ・「モグサ」を用いた場合,被治療者が熱傷をおこす虞
があり,また,発煙のために治療者・被治療者ともに苦
痛を訴えることが多かった。 ・症状に適した加温温度を正確かつ安全に確保しにくか
った。 ・人体屈曲部に効率的な加温がしにくい。 ・加温装置の形態,すなわち,重量・容積等の面で取扱
いにくいものであった。
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべく,鍼用加温器具にシー
ト状発熱体又は筒状発熱体の使用を提案するものであ
る。 本発明は,樹脂含浸された導電性布帛からシート状に
形成されてなる発熱体であって,該発熱体が,(イ)発
熱温度を40℃から80℃までの任意の温度に設定され得る
ものであり,(ロ)鍼を刺入した周囲の体表面を加温す
ることによって,鍼体を介して人体深部を加温すること
を特徴とする鍼用加温器具,又は,該発熱体が筒状に形
成されてなる発熱体であって,該発熱体が,鍼体頭部に
装着されたときこれを加温し、加温された鍼体を介して
人体深部を加温することを特徴とする鍼用加温器具を要
旨とする。
【作用】
本発明において,導電性布帛を用いる。これは導電性
布帛を発熱させて,症状に適した加温温度を正確かつ安
全に確保するためである。本発明の導電性布帛になる発
熱体としては,導電糸の布帛・導電剤を塗布した布帛・
導電性の不織布や紙・ニクロム線・蒸着アルミフイルム
等が考えられるが,これらから選択する場合,医療用加
温シートであればよいが,次の点に考慮を払うと導電糸
の布帛が最も好ましい。 ・鍼治療に取扱いやすく,かつ,何度も使用できるよう
に,可撓性に富み,屈曲に対する耐疲労性優れているこ
と。 ・鍼治療の優れた効果が得られるように,均整のとれた
温度分布を示すこと。 ・鍼治療に長期間使用でき得るように,電気化学的に安
定であること,すなわち,腐蝕しないこと。 ・消毒・滅菌が容易であること。 本発明の発熱体は安全面を考慮して,発熱温度が80℃
以下である。 本発明において,導電性布帛に樹脂含浸させて用いる
が,これは電気絶縁性を良くするため,また樹脂の粘着
性を生かし人体屈曲部に効率的に接触させるためであ
る。 本発明でシート状発熱体を用いるときは,主として腰
背部に纏まって分布する多数の「ツボ」に刺入された鍼
を同時に加温することができる。そして皮膚表面下の
「ツボ」を40〜50℃まで加温することができ,また,加
温器具の形態が小さく甚だ取扱いが簡便である。さらに
また人体屈曲部へ効率的な加温もやりやすい。 本発明で筒状発熱体を用いるときは,主として四股に
分布する「ツボ」に刺入された各々の鍼を加熱する場合
である。鍼を加温し,人体の突出部や細端部等の加温が
治療時に可能となる。この場合も加温器具の形態が小さ
く甚だ取扱いが簡便である。
【実施例】
本発明を実施例により図面を用いて具体的に説明す
る。 (実施例1) 導電性布帛の導電糸として,接着性鞘部を有する芯鞘
複合糸に,カーボン系導電材を分散させた樹脂を加熱コ
ーティング加工した3層構造糸を用いた。その太さは20
00デニール,引張強力2.7Kg,切断伸度30%,電気抵抗
150Ω/cm であった。 織物は,縦方向にナイロンマルチフイラメントからな
る1260デニール単糸を10本/cmと主電極につながるマル
チフイラメントの銅線のリード線を12cmあたり1本の間
隔で織り込み,横方向にナイロンマルチフイラメントか
らなる1260デニール単糸9本/cmと上記導電糸1本/cmを
織り込んだ構成とした。 この導電性布帛を塩化ビニル樹脂に浸漬で含浸させ
た。 上記シート状発熱体を2cm×15cmの大きさに切断し第
1図のようにシート状発熱体1の数枚をコントロールボ
ツクス2にリード線3で繋いだ加温器具を作成した。 (実施例2) 織物は、縦方向にナイロンマルチフイラメントからな
る1260デニール単糸を10本/cmと主電極につながるマル
チフイラメントの銅線のリード線を2cmあたり1本の間
隔で織り込み,横方向にナイロンマルチフイラメントか
らなる1260デニール単糸9本/cmと実施例1で用いた導
電糸1本/cmを織り込んだ構成とした。 この導電性布帛を直径1.5mmで長さ30mmの塩化ビニル
樹脂製チユーブに巻付け,塩化ビニル樹脂コヒテイング
した。第2図のようにリード線3で繋いで外径3.5mmで
長さ30mmの筒状発熱体4の加温器具を作成した。
【発明の効果】
本発明は、導電性布帛からなるシート状発熱体からな
る加温器具であるので,皮膚表面下に存在する「ツボ」
を40〜50℃まで加温する効果があり,治療箇所へ正確か
つ安全な加温が可能である。また加温操作において形態
性,すなわち,重量・容積等の面で簡便である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の説明図であり,第2図は実施例2の
説明図である。 1……シート状発熱体,2……コントロールボツクス,3…
…リード線,4……筒状発熱体。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂含浸された導電性布帛からシート状に
    形成されてなる発熱体であって,該発熱体が,(イ)発
    熱温度を40℃から80℃までの任意の温度に設定され得る
    ものであり,(ロ)鍼を刺入した周囲の体表面を加温す
    ることによって,鍼体を介して人体深部を加温すること
    を特徴とする鍼用加温器具。
  2. 【請求項2】樹脂含浸された導電性布帛から筒状に形成
    されてなる発熱体であって,該発熱体が,鍼体頭部に装
    着されたときこれを加温し,加温された鍼体を介して人
    体深部を加温することを特徴とする鍼用加温器具。
  3. 【請求項3】発熱体の内径が1〜2mmであり,かつ長さ
    が15〜30mmである請求項(2)記載の鍼用加温器具。
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