JP2908215B2 - トルクコンバータ - Google Patents

トルクコンバータ

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JP2908215B2 JP33185893A JP33185893A JP2908215B2 JP 2908215 B2 JP2908215 B2 JP 2908215B2 JP 33185893 A JP33185893 A JP 33185893A JP 33185893 A JP33185893 A JP 33185893A JP 2908215 B2 JP2908215 B2 JP 2908215B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの動力を流体
の媒介により入力軸から出力軸へ伝達するトルクコンバ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流体の媒介によって入力軸から出
力軸へ動力を伝達させるトルクコンバータは、出力軸に
トランスミッションを接続して車両の自動変速機として
使用されるもので、図4の如く、図示しないエンジンか
らの入力軸1に取付けられたポンプ羽根車2と、出力軸
3に取付けられたタービン羽根車4と、前記ポンプ羽根
車2とタービン羽根車4との間に設けられた案内羽根車
5とを備えている。そして、各羽根車2,4,5が向か
い合わせに配置されており、各羽根車2,4,5間を流
体(オイル)が循環する。これが最も多く使われている
3要素1段形トルクコンバータである。
【0003】このトルクコンバータは、図4のように、
オイルが矢印方向にポンプ羽根車2、タービン羽根車
4、案内羽根車5の順番で循環し、入力軸1の回転方向
に対して出力軸3が同一方向に回転する正転用1段トル
クコンバータとされている。
【0004】また、これに対して3要素1段形トルクコ
ンバータには、図5のように、出力軸3側からポンプ羽
根車2、案内羽根車5、タービン羽根車4の順で各羽根
車2,4,5が配置された逆転用1段トルクコンバータ
が有り、この順番でオイルが循環して入力軸1の回転方
向に対して出力軸3が逆方向に回転するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、正転用
および逆転用1段トルクコンバータのうち、実用化され
ているのは正転用1段トルクコンバータの方である。ま
た、逆転用1段トルクコンバータは、ポンプ羽根車2に
対してタービン羽根車4を逆転させる出力トルクは大き
く、性能としても最大80%程度の能力を発揮できるこ
とが理論上明らかにされているものの、正転用1段トル
クコンバータに比べて、性能が落ちるため、実用化には
至っていなかった。
【0006】そして、正転用1段トルクコンバータは、
一般には出力軸3に接続されたトランスミッションのギ
アを後進ギアに切換えることにより、逆転すなわち車両
の後進を可能にしていた。ところが、この正転用1段ト
ルクコンバータの性能は、トランスミッションを接続し
ているので、トルクコンバータの出力軸3から車両のド
ライブシャフトへの動力の伝達は効率が悪く、逆転用1
段トルクコンバータ単体の性能と比べると、かなり低下
すると考えられる。しかも自動変速機として複雑で大き
く、重量も重いといった問題を抱えている。
【0007】本発明は、上記に鑑み、トルクコンバータ
の出力軸の正転および逆転を可能にして車両の前後進の
切換えを瞬時に行えるトルクコンバータの提供を目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1の如く、エンジンからの入力軸に取付けらた
ポンプ羽根車13と、出力軸11に取付けられたタービ
ン羽根車14と、前記ポンプ羽根車13とタービン羽根
車14との間に設けられた案内羽根車15とを備え、前
記入力軸の回転により前記各羽根車13〜15間を流体
が循環して前記エンジンからの動力を前記出力軸11へ
伝達するトルクコンバータにおいて、前記タービン羽根
車14は、前記ポンプ羽根車13の羽根24と同じ向き
の羽根33を有する正転タービン羽根車26と、該正転
タービン羽根車26の羽根33と逆向きの羽根39を有
する逆転タービン羽根車27とから構成され、前記出力
軸11に対して前記正転タービン羽根車26および逆転
タービン羽根車27をそれぞれ切り離しあるいは接続さ
せる正逆切換手段48が設けられたものである。
【0009】そして、前記正逆切換手段48は、前記出
力軸11に対して前記正転タービン羽根車26または逆
転タービン羽根車27を固定させるクラッチ49と、該
クラッチ49により前記正転タービン羽根車26が前記
出力軸11と接続中に前記逆転タービン羽根車27の回
転を停止させる正転用固定クラッチ50と、前記クラッ
チ49により前記逆転タービン羽根車27が前記出力軸
11と接続中に前記正転タービン羽根車26の回転を停
止させる逆転用固定クラッチ51とが設けられている。
【0010】また、前記案内羽根車15は、前記正転タ
ービン羽根車26と前記ポンプ羽根車13との間に設け
られた第一案内羽根車40と、逆転タービン羽根車27
と前記ポンプ羽根車13との間に設けられた第二案内羽
根車41とから構成されている。
【0011】
【作用】上記課題解決手段において、出力軸11を正転
させるとき、クラッチ49により正転タービン羽根車2
6を出力軸11に接続する。それに連動して正転用固定
クラッチ50が作動して逆転タービン羽根車27が固定
される。
【0012】入力軸が回転すると、各羽根車13〜15
の各羽根24,46b,39,33,46aに流れる流
体は、ポンプ羽根車13の回転によりポンプ羽根車13
の羽根24に沿って第二案内羽根車41方向に流れて、
第二案内羽根車41に流入する。第二案内羽根車41は
固定されているので、第二案内羽根車41に与える流体
の流体力は、入力回転軸方向の反力としてポンプ羽根車
13に与えられる。ポンプ羽根車13はその反力を受け
てポンプ効果が増大し、流体を増速させて、そのまま第
二案内羽根車41、逆転タービン羽根車27を通過して
正転タービン羽根車26に流入する。そして、逆転ター
ビン羽根車27から正転タービン羽根車26に流入する
ときの流体の流体力は、正転タービン羽根車26の回転
力となって、正転タービン羽根車26をポンプ羽根車1
3と同じ方向に回転させる。さらに、正転タービン羽根
車26から第一案内羽根車40へ流体が流れ、固定され
ている第一案内羽根車40によってもたらされる正転方
向の反力が、正転タービン羽根車26の回転力に加えら
れ、出力軸11の正転方向のトルクが増大する。
【0013】また、出力軸11を逆転させるときは、ク
ラッチ49により逆転タービン羽根車27が出力軸11
に接続される。それに連動して逆転用固定クラッチ51
が作動して正転タービン羽根車26が固定される。
【0014】入力軸が回転すると、各羽根車13〜15
の各羽根24,46b,39,33,46aに流れる流
体は、ポンプ羽根車13の羽根24に第二案内羽根車4
1の方向に流れて、第二案内羽根車41に流入し、ポン
プ羽根車13は第二案内羽根41による入力軸回転方向
の反力が与えられてポンプ効果が増大し、流体を増速さ
せて逆転タービン羽根車27に流入する。このときの流
体の流体力は、逆転タービン羽根車27の回転力となっ
て、逆転タービン羽根車27をポンプ羽根車13と逆方
向に回転させる。さらに、流体が逆転タービン羽根車2
7から固定されている正転タービン羽根車26に流入し
て、正転タービン羽根車26によってもたらされる逆転
方向の反力が、逆転タービン羽根車27の回転力に加え
られ、出力軸11の逆転方向のトルクが増大する。
【0015】
【実施例】本実施例のトルクコンバータは、トランスミ
ッションを接続して車両の自動変速機として使用される
ものであって、図1の如く、トランスミッション(図示
せず)に接続された出力軸11に回転自在に設けられて
いる。そして、トルクコンバータ(以下、トルコンと称
す)は、トルコンカバー12内に、図示しないエンジン
からの動力によって入力軸(図示せず)を介して回転す
るポンプ羽根車(以下、ポンプと称す)13と、出力軸
11に取付けられたタービン羽根車(以下、タービンと
称す)14と、前記ポンプ13とタービン14との間に
設けられた案内羽根車(以下、ステータと称す)15と
を備え、各羽根車13〜15間を流体(本実施例ではオ
イル)が循環して入力軸から出力軸11へ動力が伝達さ
れる。
【0016】前記トルコンカバー12は、断面視Ω形に
形成され、その前部にはエンジンからの入力軸にギアを
介して接続されるドライブギア16が設けられており、
カバー12の中心には出力軸11が配置されている。そ
して、カバー12の前部が自動変速機本体(図示せず)
に固定された固定軸17にベアリング18を介して回転
自在に外嵌され、後部が自動変速機本体に固定された固
定ホルダ19にベアリング20を介して回転自在に外嵌
されており、エンジンからの動力によりトルコンカバー
12が回転する。
【0017】前記ポンプ13は、ドーナツ状に形成され
ており、前記トルコンカバー12の後部内側に接続され
湾曲形成された外壁(シェル)22と、該シェル22よ
り小さく湾曲形成された内壁(コアリング)23と、シ
ェル22とコアリング23とをつなぐ羽根24とから形
成されている。そして、ポンプ13は、トルコンカバー
12の回転と同期して回転するもので、シェル22とコ
アリング23との間はオイルが流れる循環路25とされ
ている。そして、該循環路25に、オイルを循環させる
前記羽根24が一定の傾斜で複数枚取付けられており、
該羽根24はシェル22に固定され、羽根24にコアリ
ング23が固定されている。
【0018】前記タービン14は、ドーナツ状に形成さ
れ、前記トルコンカバー12内にポンプ13と対向して
配置されている。そして、タービン14は、入力軸の回
転方向に対して出力軸11を正転させる正転タービン2
6と、入力軸の回転方向に対して出力軸11を逆転させ
る逆転タービン27とに分割され、それぞれ独立して回
転する。
【0019】前記正転タービン26は、出力軸11に近
い側に配されており、内側には前側に向かって少し突出
したフランジ28が設けられ、該フランジ28が出力軸
11にベアリング29を介して回転自在に外嵌されてい
る。正転タービン26は、湾曲形成されたシェル30と
コアリング31との間のオイル循環路32に、ポンプ1
3の羽根24と同じ向きの羽根33が複数枚取付けられ
ている。
【0020】前記逆転タービン27は、正転タービン2
6の外側に配されており、前部には段々状のフランジ3
4が突設され、該フランジ34が固定軸17にベアリン
グ35を介して回転自在に外嵌されている。そして、正
転タービン26と同様に湾曲形成されたシェル36とコ
アリング37との間のオイル循環路38に、正転タービ
ン26の羽根33と逆向きの羽根39が複数枚取付けら
れている。
【0021】前記ステータ15は、ドーナツ状に形成さ
れており、正転タービン26とポンプ13との間に設け
られた第一ステータ40と、逆転タービン27とポンプ
13との間に設けられた第二ステータ41とから構成さ
れている。そして、第一ステータ40はその内側の固定
ホルダ19に取付けられ、第二ステータ41は板状の連
結体42により第一ステータ40に接続されている。第
一ステータ40は正転タービン26に流体力を与えて作
動させ、第二ステータ41は逆転タービン27に流体力
を与えて作動させ、それぞれの湾曲形成されたシェル4
3a,43bとコアリング44a,44bとの間のオイ
ル循環路45a,45bには、逆転タービン27と同じ
向きの羽根46a,46bが複数枚取付けられている。
【0022】前記ポンプ13、タービン14およびステ
ータ15の各循環路25,45b,38,32,45a
は、断面視円環状になるようにつながっており、カバー
12内に図示しない油圧回路から固定ホルダ19に形成
された油路47を介してオイルが供給され、ポンプ13
が回転することにより、オイルが循環路25,45b,
38,32,45aを矢印方向に循環する。
【0023】そして、本実施例のトルクコンバータは、
車両の前後進切換レバー(図示せず)の切換えにより出
力軸11が正転あるいは逆転して前進および後進するも
ので、出力軸11に対して正転タービン26および逆転
タービン27をそれぞれ切り離しあるいは接続させる正
逆切換手段48が設けられている。該正逆切換手段48
は、出力軸11に対して正転タービン26または逆転タ
ービン27を固定するクラッチ49と、該クラッチ49
により正転タービン26が出力軸11と接続中に逆転タ
ービン27の回転を停止させる正転用固定クラッチ50
と、クラッチ49により逆転タービン27が出力軸11
と接続中に正転タービン26の回転を停止させる逆転用
固定クラッチ51と、クラッチ49と正転用固定クラッ
チ50またはクラッチ49と逆転用固定クラッチ51を
それぞれ連動させて作動する駆動装置52とを備えてい
る。
【0024】該駆動装置52は、各クラッチ49,5
0,51へ圧油を供給する油圧ポンプ(図示せず)と、
該油圧ポンプからの圧油を前後進切換レバー(図示せ
ず)の切換えによりクラッチ49と正転用固定クラッチ
50またはクラッチ49と逆転用固定クラッチ51への
圧油供給を切換える電磁バルブ53とから構成されてい
る。そして、前進時にはクラッチ49と正転用固定クラ
ッチ50を作動させ、後進時にはクラッチ49と逆転用
固定クラッチ51を作動させる。
【0025】前記クラッチ49は、油圧式クラッチとさ
れ、正転タービン26のフランジ28と逆転タービン2
7のフランジ34との間に摺動自在に設けられたクラッ
チ板54と、出力軸11に外嵌固定されたハブ55の鍔
部55aに埋設されたクラッチシリンダ56とから構成
されている。
【0026】前記クラッチ板54は、リング状に形成さ
れており、正転タービン26のフランジ28と出力軸1
1のハブ55の鍔部55aとを接続させる正転板54a
と、逆転タービン27のフランジ34とハブ55の鍔部
55aとを接続させる逆転板54bとが突設されてい
る。そして、前進時には、クラッチ板54が正転タービ
ン26のフランジ28側に移動して、正転板54aが正
転タービン26のフランジ28に圧接され、逆転板54
bがハブ55の鍔部55aに圧接される。また、後進時
には、クラッチ板54が逆転タービン26のフランジ3
4側に移動して、逆転板54bが逆転タービン27のフ
ランジ34に圧接され、正転板54aがハブ55の鍔部
55aに圧接される。
【0027】前記クラッチシリンダ56は、駆動装置5
2から供給される圧油によりクラッチ板54を押圧する
もので、電磁バルブの切換えにより、出力軸11に形成
された正転用油路57または逆転用油路58に圧油が供
給されて、クラッチシリンダ56が正転板54a側ある
いは逆転板54b側へ移動してクラッチ板54を押圧す
る。
【0028】前記正転用固定クラッチ50は、前記クラ
ッチ49の作動に連動して逆転タービン27を固定軸1
7に固定させるもので、逆転タービン27のフランジ3
4の鍔部34aと固定軸17との間に設けられたリング
状のクラッチ板59と、固定軸17に埋設されクラッチ
板59に離接自在なクラッチピストン60とから構成さ
れ、クラッチピストン60は付勢体(図示せず)によっ
てクラッチ板59から離間する方向に付勢されている。
そして、固定軸17には、電磁バルブ53から正転用固
定クラッチ50へ至る油路61が形成されており、電磁
バルブ53の切換えによって正転用油路57への圧油供
給と同時に圧油が油路61を介してクラッチピストン6
0に供給され、クラッチピストン60がクラッチ板59
の方向に移動してクラッチ板59を押圧する。
【0029】前記逆転用固定クラッチ51は、前記クラ
ッチ49の作動に連動して正転タービン26を固定ホル
ダ19に固定させるもので、正転タービン26のフラン
ジ28の鍔部28aと固定ホルダ19との間に設けられ
たリング状のクラッチ板62と、固定ホルダ19に埋設
されクラッチ板62に離接自在なクラッチピストン63
とから構成されている。そして、固定ホルダ19には、
電磁バルブ53からの油路64が形成されており、該油
路64には、逆転用油路58への圧油供給と同時に圧油
が供給され、クラッチピストン63がクラッチ板62を
押圧する。
【0030】上記構成において、車両の前後進切換レバ
ーがニュートラル状態のとき、トルコンは、入力軸を介
してエンジンのアイドリングによってカバー12が回転
し、それによってポンプ13が回転しており、各クラッ
チ49,50,51は作動していないので、出力軸11
と各タービン26,27とは接続されておらず、出力軸
11の回転は停止している。
【0031】次に、前後進切換レバーを前進にすると、
電磁バルブ53が作動して正転用油路57へ圧油が供給
され、クラッチシリンダ56が移動してクラッチ板54
の正転板54aを押圧し、正転タービン26が出力軸1
1に接続される。それに連動して固定軸17の油路61
へ圧油が供給され、正転用固定クラッチ50が作動して
逆転タービン27が固定軸17に固定される。
【0032】そして、アクセルを踏み込んでエンジンの
回転数を上げると、それに応じてポンプ13の回転数が
早くなり、オイルが各循環路25,45b,38,3
2,45aを循環することによって正転タービン26が
入力軸と同じ方向に回転する。
【0033】このとき、各羽根24,46b,39,3
3,46aに流れるオイルは、図2の如く、ポンプ13
の回転によりポンプ13の羽根24に沿って矢印方向に
流れて、第二ステータ41に流入する。第二ステータ4
1は固定されているので、第二ステータ41に与えるオ
イルの流体力は、入力軸回転方向の反力としてポンプ1
3に与えられる。ポンプ13はその反力を受けてポンプ
効果が増大し、オイルを増速させて、そのまま第二ステ
ータ41、逆転タービン27を通過して正転タービン2
6に流入する。そして、逆転タービン27から正転ター
ビン26に流入するときのオイルの流体力(図2中の周
方向速度vθ)は、正転タービン26の回転力となっ
て、正転タービン26をポンプ13と同じ方向に回転さ
せる。さらに、正転タービン26から第一ステータ40
へオイルが流れ、固定されている第一ステータ40によ
ってもたらされる正転方向の反力が、正転タービン26
の回転力に加えられ、出力軸11の前進方向のトルクが
増大する。そして、この得られるトルクが出力軸11か
らドライブシャフトに伝達されて車両が前進する。
【0034】また、車両を後進させるときは、前後進切
換レバーを後進にすると、逆転用油路58へ圧油が供給
され、クラッチシリンダ56が移動してクラッチ板54
の逆転板54bを押圧し、逆転タービン27が出力軸1
1に接続される。それに連動して固定ホルダ19の油路
64へ圧油が供給され、逆転用固定クラッチ51が作動
して正転タービン26が固定ホルダ19に固定される。
【0035】このとき、各羽根24,46b,39,3
3,46aに流れるオイルは、図3の如く、ポンプ13
の羽根24に沿って矢印方向に流れて、第二ステータ4
1に流入する。ポンプ13は、第二ステータ41による
入力軸回転方向の反力が与えられてポンプ効果が増大
し、オイルを増速させて逆転タービン27に流入する。
このときのオイルの流体力は、逆転タービン27の回転
力となって、逆転タービン27をポンプ13と逆方向に
回転させる。さらに、オイルが逆転タービン27から固
定されている正転タービン26に流入して、正転タービ
ン26によってもたらされる逆転方向の反力が、逆転タ
ービン27の回転力に加えられ、出力軸11の後進方向
のトルクが増大して、車両が後進する。
【0036】このように、タービン14を正転タービン
26および逆転タービン27とに分割して設け、クラッ
チ49によってそれぞれ個別に出力軸11に接続させる
ので、出力軸11の回転方向を入力軸の回転方向に対し
て正転、あるいは逆転させることができる。したがっ
て、トルコンによって直接出力軸11の回転方向を換え
ることができるので、トランスミッションのギアを切換
えて前後進の切換えを行うよりも、車両の前後進の切り
換えが瞬時に行える。また、トランスミッションの後進
ギアが不要になるので、自動変速機としての重量が減
り、トランスミッションの構造が簡単になって変速機の
小型化が実現できる。
【0037】さらに、車両を前進させる場合には、逆転
タービン27を固定させているので、正転タービン26
は逆転タービン27からの流体力、および第一ステータ
40による正転方向の反力によって回転力が大きくな
る。また、車両を後進させるときは、正転タービン26
を固定させているので、逆転タービン27は第二ステー
タ41による流体力、および正転タービン26による逆
転方向の反力によって回転力が大きくなる。したがっ
て、出力軸11に大きな前進および後進方向のトルクが
得られるので、従来のトルコンに比してエンジンからの
動力が効率よく出力軸11に伝達され、トルコンの性能
を低下させることはない。
【0038】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、上
記実施例では、流体としてオイルを使用したが、他の流
体でもよい。
【0039】また、上記実施例のトルクコンバータは、
車両の自動変速機として使用したが、船舶のプロペラ推
進軸継手として利用してもよい。さらに、工作機械の動
力伝達継手としても利用できる。
【0040】そして、各クラッチ49,50,51は、
油圧によって作動させていたが、電気的に作動させても
よい。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、タービン羽根車を正転タービン羽根車および逆
転タービン羽根車とに分割して設け、クラッチによって
それぞれ個別に出力軸に接続させるので、出力軸の回転
方向を入力軸の回転方向に対して正転、あるいは逆転さ
せることができる。
【0042】したがって、トルクコンバータによって直
接出力軸の回転方向を換えることができるので、トラン
スミッションのギアを切換えて前後進の切換えを行うよ
りも、車両の前後進の切り換えが瞬時に行える。また、
トランスミッションの後進ギアが不要になるので、自動
変速機としての重量が減り、トランスミッションの構造
が簡単になって変速機の小型化が実現できる。
【0043】さらに、出力軸を正転させるときは、逆転
タービン羽根車を固定させているので、正転タービン羽
根車は逆転タービン羽根車からの流体力、および第一案
内羽根車による反力によって回転力が大きくなる。ま
た、出力軸を逆転させるときは、正転タービン羽根車を
固定させているので、逆転タービン羽根車は第二案内羽
根車による流体力、および正転タービン羽根車による反
力によって回転力が大きくなる。
【0044】したがって、出力軸に大きな正転および逆
転方向のトルクが得られるので、従来のトルクコンバー
タに比してエンジンからの動力が効率よく出力軸に伝達
され、トルクコンバータの性能を低下させないといった
優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるトルクコンバータの
断面図
【図2】出力軸の正転時における流体の流れを示す羽根
の展開図
【図3】出力軸の逆転時における流体の流れを示す羽根
の展開図
【図4】従来の正転用1段トルクコンバータの構成図
【図5】従来の逆転用1段トルクコンバータの構成図
【符号の説明】
11 出力軸 13 ポンプ 14 タービン 15 ステータ 24 ポンプの羽根 26 正転タービン 27 逆転タービン 33 正転タービンの羽根 39 逆転タービンの羽根 40 第一ステータ 41 第二ステータ 48 正逆切換手段 49 クラッチ 50 正転用固定クラッチ 51 逆転用固定クラッチ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの入力軸に取付けらたポン
    プ羽根車と、出力軸に取付けられたタービン羽根車と、
    前記ポンプ羽根車とタービン羽根車との間に設けられた
    案内羽根車とを備え、前記入力軸の回転により前記各羽
    根車間を流体が循環して前記エンジンからの動力を前記
    出力軸へ伝達するトルクコンバータにおいて、 前記タービン羽根車は、 前記ポンプ羽根車の羽根と同じ向きの羽根を有する正転
    タービン羽根車と、 該正転タービン羽根車の羽根と逆向きの羽根を有する逆
    転タービン羽根車とから構成され、 前記出力軸に対して前記正転タービン羽根車および逆転
    タービン羽根車をそれぞれ切り離しあるいは接続させる
    正逆切換手段が設けられたことを特徴とするトルクコン
    バータ。
  2. 【請求項2】 正逆切換手段は、出力軸に対して正転タ
    ービン羽根車または逆転タービン羽根車を固定するクラ
    ッチと、 該クラッチにより前記正転タービン羽根車が前記出力軸
    と接続中に前記逆転タービン羽根車の回転を停止させる
    正転用固定クラッチと、 前記クラッチにより前記逆転タービン羽根車が前記出力
    軸と接続中に前記正転タービン羽根車の回転を停止させ
    る逆転用固定クラッチとが設けられたことを特徴とする
    請求項1記載のトルクコンバータ。
  3. 【請求項3】 案内羽根車は、 正転タービン羽根車とポンプ羽根車との間に設けられた
    第一案内羽根車と、 逆転タービン羽根車と前記ポンプ羽根車との間に設けら
    れた第二案内羽根車とから構成されたことを特徴とする
    請求項1または2記載のトルクコンバータ。
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