JP2905638B2 - 過給機付エンジンの吸気装置 - Google Patents

過給機付エンジンの吸気装置

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JP2905638B2
JP2905638B2 JP6622592A JP6622592A JP2905638B2 JP 2905638 B2 JP2905638 B2 JP 2905638B2 JP 6622592 A JP6622592 A JP 6622592A JP 6622592 A JP6622592 A JP 6622592A JP 2905638 B2 JP2905638 B2 JP 2905638B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気通路に過給機を備
えるとともに、エンジン低負荷時に過給気をリサーキュ
レートするためのリサーキュレーション通路を備え、こ
のリサーキュレーション通路に圧力応動式の制御弁を設
けた過給機付エンジンの吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平2−283816号
公報に示されるように、吸気通路に、エンジン出力軸に
より駆動される機械式過給機を備えるとともに、低負荷
時に過給気をリサーキュレートするための通路および制
御弁を具備した吸気装置は知られている。
【0003】この公報に示されている吸気装置は、吸気
通路のスロットル弁下流に機械式過給機が配置され、さ
らにその下流に過給気を冷却するためのインタークーラ
が配置されるとともに、インタークーラより下流の吸気
通路と過給機上流の吸気通路との間にリサーキュレーシ
ョン通路(過給バイパス通路)が設けられ、この通路に
制御弁が設けられている。上記制御弁は、スロットル弁
下流の吸気圧力が導かれる圧力応動式のアクチュエータ
により駆動されて、低負荷時には開かれ、エンジン負荷
が高くなるにつれて閉じられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
過給機付エンジンの吸気装置においては、アクセル操作
に応じてスロットル弁の開度が変化するとともに、それ
に伴う吸気通路内の圧力変化に応じて上記制御弁が自動
的に作動することにより、エンジントルクが調整される
が、このようなアクセル操作に対応するトルク調整とは
別に、トルクダウン等の制御が要求される場合がある。
例えば低μ路等で車輪がスリップ状態となったときに
は、適度にスリップが抑制される状態にまでトルクダウ
ンすることが要求される。また、自動変速機を備えた車
両におけるリバースレンジや1速での走行時、車速が過
度に高くなったとき等にもエンジントルクを規制するこ
とが望まれる。このような場合に従来では、例えばスロ
ットル弁を電気的に駆動するアクチュエータを設けてこ
れを制御するなど、広範囲のトルク制御を可能にするた
めの装置を別途必要とし、構造が複雑になっていた。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑み、過給機に対
して具備されているリサーキュレーション通路の制御弁
等を有効に利用して、簡単な構造でトルクダウン等の制
御を効果的に行うことができる過給機付エンジンの吸気
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明(請求項1記載)は、吸気通路に過給機
を設けるとともに、吸気通路の過給機下流側と上流側と
を連通するリサーキュレーション通路を形成し、このリ
サーキュレーション通路に、吸気通路内の圧力に応動し
てエンジン低負荷側で開く制御弁を設けた過給機付エン
ジンであって、上記制御弁の弁体に連結したダイヤフラ
ムの両側に第1,第2の圧力室を形成し、上記第1圧力
室にエンジン負荷に応じて変化する吸気通路内圧力を導
入し、かつ、上記第2圧力室に対して一定圧導入状態と
これとは異なる全閉用作動圧導入状態とに切換可能な切
換手段を設け、上記一定圧導入状態のときは制御弁が高
負荷時にも微小な隙間を残す非全閉状態となり上記全閉
用作動圧導入状態のときは少なくとも高負荷時に制御弁
が全閉状態となるように制御弁の作動特性を設定し、一
方、上記制御弁をバイパスする補助通路を設け、この補
助通路に常閉の補助弁を配置し、この補助弁を開作動す
る補助弁作動手段を設けたものである。
【0007】第2の発明(請求項2記載)は、上記第1
の発明において、上記切換手段および上記補助弁作動手
段を制御する制御手段を備え、この制御手段に、車輪の
スリップ状態に応じてトルクダウン要求量を設定する設
定手段と、このトルクダウン要求量に応じ、上記切換手
段を制御することによる制御弁の全閉状態から非全閉状
態への切換えと上記補助弁作動手段を制御することによ
る上記補助弁の開作動とのうちの一方ないし双方を行う
トルクダウンコントロール手段とを設けたものである。
【0008】第3の発明(請求項3記載)は、上記第2
の発明において、上記制御弁を強制的に全開状態に切換
可能とする強制全開用切換手段を設け、トルクダウン要
求量が大きいときにこの強制全開用切換手段を作動させ
るようにしたものである。
【0009】第4の発明(請求項4記載)は、上記第1
の発明において、自動変速機のレンジおよび変速段に応
じ、変速段が1速のときには上記制御弁を非全閉状態と
するかまたは上記補助弁を開き、リバースレンジにある
ときは制御弁を非全閉状態とするとともに上記補助弁を
開くように、上記切換手段および補助弁作動手段を制御
するトルク規制手段を設けたものである。
【0010】
【作用】第1の発明の構成によると、制御弁が吸気通路
内圧力に応動する構造となっていることにより通常はエ
ンジン負荷の変化に応じて自動的にリサーキュレーショ
ン量が調整されるが、これに加え、制御信号に応じた切
換手段の作動および上記補助弁作動手段の作動により、
リサーキュレーション量が変更可能となり、これによっ
てトルク制御が可能となる。
【0011】第2の発明の構成によると、上記のリサー
キュレーション量の変更可能な構造がトラクション制御
に利用され、スリップ状態に応じたトルク調整が行われ
る。
【0012】第3の発明の構成によると、リサーキュレ
ーション量変更によるトルク調整の範囲が広げられる。
【0013】第4の発明の構成によると、リサーキュレ
ーション量の変更可能な構造が自動変速機の1速時およ
びリバースレンジ時のトルク制限に利用される。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例による過給機付エンジンの吸気
装置の全体構造を示し、この図において、1は複数のシ
リンダ2を備えたエンジン本体、3は上記エンジン本体
1に対する吸気通路であり、この吸気通路3には吸気を
加圧供給する過給機4が設けられている。この過給機4
はリショルム型過給機等の機械式過給機であって、その
回転軸端部に設けられたプーリ等の伝動用部分4aが図
外のエンジン出力軸にベルト等を介して連結されること
により、エンジン出力軸で駆動されるようになってい
る。また、エンジンの各シリンダ2の吸気ポートに設け
られている吸気弁(図示せず)のバルブタイミングは、
一般のエンジンと比べて閉時期がかなり遅くなるように
設定され、これにより、低負荷時にポンピングロスが低
減されるとともに、高負荷時には吸気過給と吸気冷却と
吸気弁遅閉じとの作用で有効に充填効率が高められるよ
うになっている。
【0015】吸気通路3における過給機4の上流には、
アクセルペダルの操作等によって開度が調節されるスロ
ットル弁5が設けられ、さらに吸気通路3の上流端側に
はエアクリーナ6が配置されている。また、吸気通路3
における過給機4の下流には、過給気を冷却するインタ
ークーラ7が設けられている。インタークーラ7より下
流の吸気通路3にはサージタンク8が形成され、このサ
ージタンク8の下流の分岐吸気通路9がエンジン本体1
の各シリンダ2の吸気ポートに連なっている。
【0016】上記吸気通路3に対し、過給機4の下流側
と上流側とを連通するリサーキュレーション通路11が
設けられ、当実施例では、吸気通路3における過給機4
の直下流部と直上流部とを連通するようにリサーキュレ
ーション通路11が形成されている。このリサーキュレ
ーション通路11には、低負荷時に開いて過給気をリサ
ーキュレートする制御弁15が設けられている。なお、
上記リサーキュレーション通路11に加え、非過給領域
での過冷却防止のために、図1に二点鎖線で示すように
上記インタークーラ7をバイパスするインタークーラバ
イパス通路12を設けるとともに、このインタークーラ
バイパス通路12を非過給領域で開く開閉弁(図示せ
ず)を設けてもよい。
【0017】上記制御弁15は、リサーキュレーション
通路11に介設された弁体収容部16内に位置する弁体
17と、この弁体17にロッド22を介して連結された
ダイヤフラム21を有するダイヤフラム装置20とで構
成され、吸気通路3内の圧力変化に応じて作動されるよ
うになっている。すなわち、上記弁体収容部16は、弁
体17に片側(図で右側)から過給機下流の吸気圧力P
2 を作用させるとともに、反対側から過給機上流でスロ
ットル弁下流の圧力P1 を作用させるように形成され、
また、上記ダイヤフラム装置20は、ダイヤフラム21
の一側方(図の左側)に設けられた第1圧力室23と、
ダイヤフラム21の他側方に設けられた第2圧力室24
と、上記ダイヤフラム21に対してその変位量に応じた
復元力を付与するスプリング25,26とを有してい
る。
【0018】上記第1圧力室23には、過給機下流の吸
気通路3に通じる導通路31が接続されて、通常は過給
機下流の吸気圧力P2 が第1圧力室23に導入されるよ
うになっている。上記導通路31中には、強制全開用切
換手段としての三方電磁弁32が介設され、この三方電
磁弁32により、第1圧力室23にバキュームタンク3
3から負圧が導入される状態への切換えが可能となって
いる。上記バキュームタンク33は、チェックバルブ3
4を介し、スロットル弁下流の吸気通路もしくはバキュ
ームポンプ等の負圧源(図示せず)に接続されている。
【0019】また、第2圧力室24に対し、一定圧導入
状態とこれとは異なる全閉用作動圧導入状態とに切換可
能な切換手段が設けられ、当実施例ではこの切換手段と
して、第2圧力室24に通じる導通路35に三方電磁弁
36が設けられている。そしてこの三方電磁弁36を介
し、第2圧力室24がスロットル弁上流の吸気通路3と
バキュームタンク33とに選択的に連通されるようにな
っている。なお、上記ダイヤフラム21と弁体17とは
受圧面積が等しくなっている。
【0020】さらに吸気通路3に対し、過給圧が過大に
上昇したとき等に過給気をリリーフするため、上記制御
弁15の弁体17をバイパスしてその両側のリサーキュ
レーション通路11をつなぐリリーフ用の補助通路40
と、この通路40を開閉するリリーフ弁(補助弁)41
が設けられている。このリリーフ弁41は、弁体42
と、これに連結されたダイヤフラム43と、その片側に
位置する圧力室44およびスプリング45を有し、常閉
とされるとともに、その圧力室44が導通路46および
補助弁作動手段としての三方電磁弁47を介してスロッ
トル弁上流の吸気通路3とバキュームタンク33とに選
択的に連通可能となっている。
【0021】そして、通常はスロットル弁上流の吸気通
路3内の圧力が上記圧力室44に導入された状態に保た
れ、上記リリーフ弁41に過給機下流の吸気圧力P2
作用し、その圧力がスプリング45等による設定圧力以
上に過大上昇したときにリリーフ弁41が開かれるよう
になっている。またこのような過給圧過大上昇時以外で
も、上記三方電磁弁47の切換作動によって圧力室44
に負圧が導入されると、強制的にリリーフ弁41が開か
れるようになっている。
【0022】上記各三方電磁弁32,36,47はコン
トロールユニット50により制御される。このコントロ
ールユニット50には、スロットル弁5の開度を検出す
るスロットル開度センサ51からの信号、エンジン回転
数を検出する回転数センサ52からの信号、後述のトラ
クション制御のためのスリップ情報を示す信号53等が
入力されている。スリップ情報を示す信号53は、例え
ば車両の駆動輪速と従動輪速との差によって駆動輪のス
リップ量を調べることができるように上記駆動輪速およ
び従動輪速を検出するセンサからの信号等であればよ
い。
【0023】図2は基本的制御による場合の吸気通路内
の圧力に応じた上記制御弁15の開度変化の特性を、横
軸に過給機下流の吸気圧力P2 (ブースト)をとって示
しており、この特性について説明しておく。
【0024】過給機下流の圧力P2 が上記弁体17に片
側から作用するとともにアクチュエータ20の第1圧力
室23に導入されてダイヤフラム21にも作用している
状態では、これらの力は互いに打ち消し合う。また、一
対のスプリング25,26がダイヤフラムを両側から押
圧しているが、弁体17と弁座との間に微小な隙間
(0.5mm程度)が残された小開度位置でスプリング2
5,26による荷重が0となるように、予め設定されて
いる。そして、上記アクチュエータ20の第2圧力室2
4にスロットル弁上流の圧力P0 が導入されている状態
では、弁体17に対して閉方向に作用するスロットル弁
下流の圧力P1 と、ダイヤフラム21に対して弁体開方
向に作用するスロットル弁上流の圧力P0 と、弁体17
およびダイヤフラム21の受圧面積Sと、上記スプリン
グ25,26による荷重が0となる位置を基準とした弁
体17の開方向変位量xと、スプリングのバネ定数kと
から、次の関係式が成立する。
【0025】(P0 −P1 )S=k・x この関係式中、S、kは一定の値であるので、スロット
ル弁上流の圧力P0 とスロットル弁下流の圧力P1 との
圧力差(P0 −P1 )に応じて弁体17が変位する。そ
して、上記圧力差が所定値以上になると、弁体17の変
位量が全開相当量(弁体と弁座との間の開口面積が他の
部分の通路面積に見合う程度となる量)以上となって、
制御弁15が全開となる。
【0026】そして、所定高負荷までの運転領域で、上
記関係式が成立する制御状態(圧力室23,24にP
2 ,P0 が導入される状態)が保たれるようにしておけ
ば、図2のように、スロットル開度が小さくて上記ブー
ストが低い低負荷領域では上記圧力差(P0 −P1 )が
大きいため制御弁が全開となり、スロットル開度が大き
くなる(ブーストが上昇する)とそれにつれて上記圧力
差が小さくなることにより、上記ブーストが大気圧より
も低い所定圧力Paのところから制御弁15のバルブ開
度が次第に小さくなり、上記ブーストが大気圧よりもか
なり高くなり全負荷に近づくと制御弁15が略全閉状態
となる。
【0027】ただし、圧力室23,24にP2 ,P0
導入される状態が保たれている限り、高負荷領域でも微
小の隙間δは残される(図2中の二点鎖線A)が、ブー
ストが所定圧力Pbを超えるような所定高負荷運転状態
に達すると、上記第2圧力室24に通じる導通路35に
設けられた三方電磁弁36がコントロールユニット50
からの制御信号で作動されて、上記第2圧力室24に負
圧が導入される状態に切換えられる。これにより、高負
荷時には、弁体閉方向に作用する力が増強され、強制的
に制御弁15が全閉状態とされる(実線B)。
【0028】また、このような基本的制御のほかに、コ
ントロールユニット50によって三方電磁弁32,3
6,47が切換えられると、制御弁15およびリリーフ
弁41の状態が種々変化し、これによって過給気リサー
キュレートの調整が可能となるもので、図3乃至図7は
高負荷時において上記三方電磁弁32,36,47の切
換制御を行うことにより得られる制御弁15およびリリ
ーフ弁41の各種状態を示している。
【0029】すなわち、図3は基本的制御による高負荷
時の状態を示し、三方電磁弁32が過給機下流圧力P2
を導入する状態、三方電磁弁36がバキュームタンク3
3から負圧を導入する状態、三方電磁弁47がスロット
ル弁上流圧力P0 を導入する状態とされることにより、
制御弁15が全閉とされるとともにリリーフ弁41も原
則的に閉とされ、過給機4から吐出された過給気の全量
がエンジンに供給される。この状態から三方電磁弁36
がスロットル弁上流圧力P0 を導入する状態に切換えら
れると、図4に示すように、制御弁15が微小隙間を有
する状態に変化し、微小隙間から少量の過給気リサーキ
ュレートが行われる。
【0030】図3の状態から三方電磁弁47がバキュー
ムタンク33から負圧を導入する状態に切換えられる
と、図5に示すように、制御弁15は全閉であるがリリ
ーフ弁41が開となる。そして、このときのリリーフ弁
開口量が上記制御弁15の微小隙間の開口量より大きく
なるように予め設定しておくことにより、図4の状態よ
りある程度多い過給気リサーキュレートが行われる。三
方電磁弁36がスロットル弁上流圧力導入状態とされる
とともに三方電磁弁47が負圧導入状態とされると、図
6のように、制御弁15が微小隙間を有し、かつリリー
フ弁41が開となり、図5の状態よりさらにいくらか多
い過給気リサーキュレートが行われる。
【0031】また、三方電磁弁32が負圧を導入する状
態とされると、図7のように、第1圧力室23に負圧が
導入されることによって制御弁15が強制的に全開とさ
れ、これにより、過給気リサーキュレートが最も多くさ
れる状態となる。
【0032】図8は、横軸をエンジン回転数として、ス
ロットル弁全開時における上記図3〜図7の各状態での
軸トルクを示し、線Taは図3の状態での軸トルク、線
Tbは図4の状態での軸トルク、線Tcは図5の状態で
の軸トルク、線Tdは図6の状態での軸トルク、線Te
は図7の状態での軸トルクを、それぞれ示している。こ
のように、制御弁15およびリリーフ弁41の状態が種
々変更されると、同じスロットル開度でもリサーキュレ
ーション量が変わることによりエンジントルクが変化
し、図3の状態を基準にすれば、図4から図7の4段階
にトルクダウンが可能となる。
【0033】そこで、このようなトルク変更可能な構造
を利用して上記コントロールユニット50によりエンジ
ントルクの制御が行われ、当実施例では、トラクション
制御を行うように、コントロールユニット50からなる
制御手段が、スリップ状態に応じてトルクダウン要求量
を設定する設定手段54と、このトルクダウン要求量に
応じ、上記各三方電磁弁32,36,47の切換制御を
行うトルクダウンコントロール手段55とを含む構成と
なっている。なお、図8に示すような各種バルブ状態で
の軸トルクの特性は、スロットル開度をパラメータとし
て予め調べられ、マップとしてコントロールユニット5
0内に記憶されており、このマップから、その時の運転
状態(スロットル開度およびエンジン回転数)と要求ト
ルクダウン量とに応じ、制御すべきバルブ状態を選定す
ることができるようになっている。
【0034】上記設定手段54およびトルクダウンコン
トロール手段55としての機能は、予めコントロールユ
ニット50に記憶されているプログラムに基づいた図9
のフローチャートに示す制御により達成される。このフ
ローチャートに示す処理を説明すると、コントロールユ
ニット50は、先ずステップS1でスロットル開度、エ
ンジン回転数およびスリップ情報についての信号を読み
込み、ステップS2で、駆動輪スリップ量が所定値以上
等のトラクション制御条件となったか否かを判定する。
トラクション制御条件にない場合は、ステップS3で、
前述の基本的制御を行う。
【0035】トラクション制御条件となった場合、ステ
ップS4で、その時の運転状態およびスリップ量に応
じ、スリップ量を適度に抑制することができるように要
求トルクダウン量を設定する。続いてステップS5で、
上記要求トルクダウン量に応じてバルブ状態を決定す
る。つまり、予め調べられて記憶されているトルク特性
のマップに基づき、現在の運転状態およびバルブ状態を
基準にして、近似的に要求トルクダウン量だけ低いトル
クレベルとなるバルブ状態を調べる。
【0036】そしてステップS6で、決定したバルブ状
態とするように、三方電磁弁32,36,47に切換作
動信号を出力する。
【0037】以上のような当実施例の吸気装置による作
用を、次に説明する。
【0038】基本的には、リリーフ弁41が閉じられた
状態で、制御弁15が運転状態に応じて図2に示すよう
な特性で開度変化する。これにより、スロットル弁5が
閉もしくは小開度となっている低負荷時には、上記リサ
ーキュレーション通路11の制御弁15が全開とされ
て、過給機4によって吐出された空気のうちの余剰分が
リサーキュレーション通路11を通って過給機上流側へ
リサーキュレートされ、吸気量が調整されるとともに過
給機下流と上流との圧力差が小さくされて過給機4での
エネルギー損失が低減される。スロットル弁5が次第に
開かれることで上記ブーストが上昇すると、上記制御弁
15の開度が徐々に小さくなって、自動的にリサーキュ
レーション量が調整される。そして、ブーストが過給領
域内の所定圧力Pbに近づくと略全閉状態となり、ま
た、上記所定圧力Pb以上の領域では、強制的に制御弁
15が全閉とされて、過給性能が高められる。
【0039】一方、駆動輪がスリップしてトラクション
制御を行うべき状態となると、図9中のステップS4〜
S6の処理により、上記基本制御状態から、リサーキュ
レーション量を増加するように制御弁15およびリリー
フ弁41の状態が変更されることでトルクダウンされ、
スリップが抑制される。この場合、制御弁15の状態の
変更とリリーフ弁41の状態の変更との組合せで多段階
のトルク変更が可能となるので、要求トルクダウン量に
応じた制御を行うことができる。
【0040】なお、上記装置において、三方電磁弁32
による強制全開用切換手段を省略しても、図3から図6
までの複数段階のトルク変更が三方電磁弁36,47の
切換により可能であるが、強制全開用切換手段を設けれ
ば、より広範囲のトルク制御が可能となる。
【0041】また、トラクション制御においては、上記
制御弁15およびリリーフ弁41の状態変更による多段
階のトルク制御とともに、その各段階の間のトルク微調
整のために空燃比制御、点火時期制御等のトルク調整手
段を併用してもよい。このようにする場合でも、併用す
る調整手段はトルクを比較的小さい範囲で微調整し得る
ものであればよく、トルクを広範囲に制御可能とする手
段を別途設ける必要はない。
【0042】また、上記トラクション制御のための設定
手段54およびトルクダウンコントロール手段55とし
ての処理に加え、またはこれに代え、自動変速機付車両
において自動変速機が1速のときやリバースレンジのと
きにトルクを規制するトルク規制手段を上記コントロー
ルユニット50により構成してもよい。この場合、図1
中に二点鎖線で示すように、自動変速機のコントローラ
(図示せず)からのレンジ、変速段の検出信号56がコ
ントロールユニット50に入力される。そして、この信
号に基づいてコントロールユニット50は、1速のとき
は他の変速段にある場合と比べて最大トルクをある程度
制限し、リバースレンジのときには1速時よりもさらに
最大トルクを制限するように制御する。具体的には、1
速時には上記制御弁15を非全閉状態とするか、または
リリーフ弁41を開き、リバースレンジのときには上記
制御弁15を非全閉状態とするとともにリリーフ弁41
を開くように制御する。
【0043】このようにすれば、リサーキュレーション
量を変更可能とする構造を利用して、1速時やリバース
レンジで必要以上にトルクが上昇することを防止するこ
とができる。
【0044】このほかにも、リサーキュレーション量を
変更可能とする構造は各種のトルク制御に利用すること
ができる。例えば、使用燃料がレギュラーガソリンかハ
イオクガソリンかを判別し、ハイオクガソリンの場合は
通常の運転状態に応じた三方電磁弁の制御を行うが、レ
ギュラーガソリンの場合は高負荷域でノッキングが生じ
易いため高負荷域でも三方電磁弁36をスロットル弁上
流圧力導入状態にして制御弁15を非全閉に保つような
制御を行ってもよい。また、最高車速の規制のため、最
高車速に達すると、三方電磁弁47を負圧導入状態とし
てリリーフ弁41を開くことによりトルクダウンするよ
うに制御してもよい。また、過給機下流の温度またはイ
ンタークーラ下流の温度が異常に高くなった場合に、上
記リリーフ弁41を開状態とするような異常時の制御も
可能である。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、過給機の下流
側と上流側とを連通するリサーキュレーション通路に、
吸気通路内圧力に応動してエンジン低負荷側で開く制御
弁を設け、その第2圧力室に対して一定圧導入状態とこ
れとは異なる全閉用作動圧導入状態とに切換可能な切換
手段を設け、上記一定圧導入状態のときは制御弁が高負
荷時にも微小な隙間を残すが全閉用作動圧導入状態のと
きは制御弁が全閉状態となるようにし、一方、上記制御
弁をバイパスする補助通路に配置した常閉の補助弁を開
作動する補助弁作動手段を設けているため、吸気圧力に
応じた自動的な制御弁の作動のほかに、上記切換手段の
切換作動および補助弁作動手段の作動によって過給気の
リサーキュレーション量を多段階に変更することができ
る。従って、上記リサーキュレーション量を調整するた
めの制御弁および補助弁を利用して、簡単な構造で多段
階にわたるエンジントルクの制御を行うことができる。
【0046】上記の構成において、請求項2に記載のよ
うに、上記切換手段および上記補助弁作動手段を制御す
る制御手段により、車輪のスリップ状態に応じて設定し
たトルクダウン要求量に応じ、上記切換手段を制御する
ことによる制御弁の全閉状態から非全閉状態への切換え
と上記補助弁作動手段を制御することによる上記補助弁
の開作動とのうちの一方ないし双方を行うようにする
と、上記制御弁および補助弁を利用して、車輪のスリッ
プを抑制するトラクション制御を効果的に行うことがで
きる。
【0047】さらに請求項3に記載のように、上記制御
弁を強制的に全開状態に切換可能とする強制全開用切換
手段を設け、トルクダウン要求量が大きいときにこの強
制全開用切換手段を作動させるようにすると、上記制御
弁および補助弁を利用したトルク制御をより一層広範囲
に行うことができる。
【0048】また、請求項4に記載のように、自動変速
機のレンジおよび変速段に応じ、変速段が1速のときや
リバースレンジにあるときに上記切換手段および補助弁
作動手段を制御してトルクを規制すると、上記制御弁お
よび補助弁を利用して、1速時やリバースレンジ時に必
要以上のトルク上昇を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による吸気装置全体の概略図
である。
【図2】制御弁のバルブ開度特性を示す図である。
【図3】制御弁およびバイパス弁の第1の制御状態を示
す図である。
【図4】制御弁およびバイパス弁の第2の制御状態を示
す図である。
【図5】制御弁およびバイパス弁の第3の制御状態を示
す図である。
【図6】制御弁およびバイパス弁の第4の制御状態を示
す図である。
【図7】制御弁およびバイパス弁の第5の制御状態を示
す図である。
【図8】上記各種制御状態での軸トルクの特性を示す図
である。
【図9】トルク制御の一例を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 エンジン本体 3 吸気通路 4 過給機 5 スロットル弁 11 リサーキュレーション通路 15 制御弁 17 弁体 21 ダイヤフラム 23 第1圧力室 24 第2圧力室 32 強制全開用切換手段を構成する三方電磁弁 36 切換手段を構成する三方電磁弁 41 リリーフ弁 47 補助弁作動手段を構成する三方電磁弁 50 制御手段としてのコントロールユニット 54 設定手段 55 トルクダウンコントロール手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路に過給機を設けるとともに、吸
    気通路の過給機下流側と上流側とを連通するリサーキュ
    レーション通路を形成し、このリサーキュレーション通
    路に、吸気通路内の圧力に応動してエンジン低負荷側で
    開く制御弁を設けた過給機付エンジンであって、上記制
    御弁の弁体に連結したダイヤフラムの両側に第1,第2
    の圧力室を形成し、上記第1圧力室にエンジン負荷に応
    じて変化する吸気通路内圧力を導入し、かつ、上記第2
    圧力室に対して一定圧導入状態とこれとは異なる全閉用
    作動圧導入状態とに切換可能な切換手段を設け、上記一
    定圧導入状態のときは制御弁が高負荷時にも微小な隙間
    を残す非全閉状態となり上記全閉用作動圧導入状態のと
    きは少なくとも高負荷時に制御弁が全閉状態となるよう
    に制御弁の作動特性を設定し、一方、上記制御弁をバイ
    パスする補助通路を設け、この補助通路に常閉の補助弁
    を配置し、この補助弁を開作動する補助弁作動手段を設
    けたことを特徴とする過給機付エンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 上記切換手段および上記補助弁作動手段
    を制御する制御手段を備え、この制御手段に、車輪のス
    リップ状態に応じてトルクダウン要求量を設定する設定
    手段と、このトルクダウン要求量に応じ、上記切換手段
    を制御することによる制御弁の全閉状態から非全閉状態
    への切換えと上記補助弁作動手段を制御することによる
    上記補助弁の開作動とのうちの一方ないし双方を行うト
    ルクダウンコントロール手段とを設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の過給機付エンジンの吸気装置。
  3. 【請求項3】 上記制御弁を強制的に全開状態に切換可
    能とする強制全開用切換手段を設け、トルクダウン要求
    量が大きいときにこの強制全開用切換手段を作動させる
    ようにしたことを特徴とする請求項2記載の過給機付エ
    ンジンの吸気装置。
  4. 【請求項4】 自動変速機のレンジおよび変速段に応
    じ、変速段が1速のときには上記制御弁を非全閉状態と
    するかまたは上記補助弁を開き、リバースレンジにある
    ときは制御弁を非全閉状態とするとともに上記補助弁を
    開くように、上記切換手段および補助弁作動手段を制御
    するトルク規制手段を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の過給機付エンジンの吸気装置。
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