JP2905026B2 - 転炉の着火検出方法 - Google Patents

転炉の着火検出方法

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JP2905026B2
JP2905026B2 JP7078993A JP7078993A JP2905026B2 JP 2905026 B2 JP2905026 B2 JP 2905026B2 JP 7078993 A JP7078993 A JP 7078993A JP 7078993 A JP7078993 A JP 7078993A JP 2905026 B2 JP2905026 B2 JP 2905026B2
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furnace
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洋一郎 折野
天次 瀬戸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転炉の着火検出方法に
関し、特に簡便に着火現象を検出し得る着火検出方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】炉内に装入した溶銑中に酸素を吹き込ん
で精錬するLD転炉に於て、予め求めた脱炭曲線に基づ
いて供給するべき酸素の量及び時間を計算によって定
め、これによって出鋼のタイミングを決めるようにして
いる。この際、溶銑中の炭素と吹き込んだ酸素とが反応
を開始するタイミングの検出が必要である。従来、燃焼
焔の発生を目視にて確認し、酸素の供給量の積算を開始
することが一般的であった。そのため、オペレータが炉
口状況を監視する必要があった。
【0003】ITVカメラで燃焼焔を撮像し、画像処理
を行って輝度変化から着火検出を行う方法が提案されて
いるが、機器が高価であるために設備費用が嵩むうえ、
頻繁に保守整備を要するために維持管理が厄介である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の不都合を解消するべく案出されたものであ
り、その主な目的は、着火検出を簡便に行い得る転炉の
着火検出方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、溶銑に酸素を吹き込む転炉吹錬に於て、前
記溶銑中の炭素と吹き込んだ酸素とが反応して燃焼を開
始するタイミングを検出するために、集音マイクからの
炉内音響を変換して得た音圧値の変化、炉口圧力検出器
から得た炉口圧力値の変化、並びに炉頂に設けたガス分
析計で検出した転炉排ガス中の炭酸ガス濃度の変化から
求めた脱炭速度値を供給酸素量に応じて補正した値の少
なくともいずれか一つに基づいて着火検出を行うことを
特徴とする転炉の着火検出方法を提供することによって
達成される。
【0006】
【作用】このような構成によれば、着火の際に一種のフ
ィルタ効果によって音圧が降下するので、この現象をと
らえて着火検出が行え、また着火の前後で炉口圧力が上
昇、降下するので、この現象をとらえて着火検出が行え
る。さらに、着火すると炭酸ガス濃度が上昇する現象を
とらえて着火検出が行えるが、これには幾分かタイムラ
グがあるので、供給酸素量に応じた補正値を用いると良
い。
【0007】
【実施例】以下に添付の図面に示された具体的な実施例
に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】図1は、本発明が適用されたLD転炉の全
体的な設備構成を示している。本設備は、溶銑、および
スクラップを装入する炉体1と、炉体1内の溶銑2を精
錬するべく溶銑中に酸素を吹き込むためのランス3と、
炉体1から発生した排ガスを処理するためのOG式排ガ
ス処理設備4とからなっている。
【0009】排ガス処理設備4は、排ガス中の固形物を
除去するための集塵機5・6、炉内の排ガスを導出する
ための誘引ファン7、および低濃度のCOガスを燃焼・
放散するための煙突8を有している。そしてOGフード
部9に炉口圧力計10および炉内音圧計11が設けら
れ、かつ炉体1で発生した転炉排ガスの成分を分析する
ためのガス分析計12が炉頂に設けられている。
【0010】次に本発明による着火検出フローについて
図2および図3を参照して説明する。
【0011】炉内音圧計11は、集音マイクから入力し
た10〜2KHzの炉内の音響信号に或るバンドパスフ
ィルタをかけて音圧に変換するものであり、図2に示す
ように、着火の際に一種のフィルタ効果によって音圧が
降下する現象をとらえて着火検出を行う。
【0012】図3に示すように、炉内音圧を入力処理し
(ステップ1)、移動平均をとって音圧データを平滑化
し(ステップ2)、2秒毎の差を微分して変化率を算出
する(ステップ3)。そしてその値(ΔSPn)が0d
B/sec未満であるか否かを判別する(ステップ
4)。
【0013】これと同時に、移動平均をとった音圧の絶
対値(SPn)が所定値(α=90dB)未満であるか
否かを判別し(ステップ5)、これらの条件(ΔSPn
<0dB/sec、SPn<90dB)が同時に満たさ
れたならば、音圧に基づく着火判別信号を出力する(ス
テップ6)。
【0014】他方、炉口圧力計10は、炉口圧力を一定
に制御するための圧力検出器であり、図2に示すよう
に、着火の前後で圧力が上昇、降下する現象をとらえて
着火検出を行う。
【0015】図3に示すように、炉口圧力を入力処理し
(ステップ11)、移動平均をとってデータを平滑化し
(ステップ12)、2秒毎の差を微分して変化率を算出
する(ステップ13)。そしてその値(ΔPOn)が0
atm/secを超えるものか否かを判別する(ステッ
プ14)。
【0016】これと同時に、移動平均をとった圧力の絶
対値(POn)が所定値(β=大気圧)以上であるか否
かを判別し、これらの条件(ΔPOn>0atm/se
c、POn>β)が同時に満たされたならば、圧力に基
づく着火判別信号を出力する(ステップ16)。
【0017】上記2つの着火判別信号のいずれか一方が
出力されたならば、着火検出信号をプロセスコンピュー
タに出力する(ステップ7)。
【0018】脱炭速度は、炉頂に設けたガス分析計12
の測定値を基に、転炉排ガス中の炭酸ガス(CO+CO
2)濃度を計算して求めるものであるが、着火すると炭
酸ガス濃度が上昇する現象を利用して着火検出を行う。
【0019】図3に示すように、脱炭速度を入力処理し
(ステップ21)、移動平均をとってデータを平滑化し
(ステップ22)、脱炭速度の絶対値(CD)が所定値
(γ=1Kg/sec)を超えたことを判別したならば
(ステップ23)、着火判別信号を出力する(ステップ
24)。更に、ガス分析計12の設置位置が炉体1から
離れているため、炉体1からガス分析計12に到達する
までに約10秒前後のタイムラグがあるので、供給され
た酸素量に応じて着火のタイミングを補正した上で(ス
テップ25)、着火検出信号をプロセスコンピュータに
出力する(ステップ7)。この補正値は、ランス3から
の供給酸素圧力に対応した逆算時間を予め定めておき、
例えばランス3の酸素圧力が7kg/cm2の場合は9秒の
補正を行う。
【0020】このように、着火によって脱炭速度が必ず
増大するので、これを利用して着火検出のバックアップ
が行える。
【0021】
【発明の効果】このように本発明によれば、複数の炉内
状況の変化をとらえて着火現象を確認することができる
ので、信頼性を向上することができる。しかも一般に広
く用いられている汎用の検出器で検出可能な信号に基づ
いて着火検出を実現し得るため、装置構成や検出ロジッ
クを複雑化せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたLD転炉の全体的な設備構
成図。
【図2】着火時の炉内状況の各種変化を示す比較線図。
【図3】着火検出に関わるフロー図。
【符号の説明】
1 炉体 2 溶銑 3 ランス 4 排ガス処理設備 5・6 集塵機 7 誘引ファン 8 煙突 9 OGフード部 10 炉口圧力計 11 炉内音圧計 12 ガス分析計

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑に酸素を吹き込む転炉吹錬に於て、
    前記溶銑中の炭素と吹き込んだ酸素とが反応して燃焼を
    開始するタイミングを検出するための転炉の着火検出方
    法であって、 集音マイクからの炉内音響を変換して得た音圧値の変
    化、炉口圧力検出器から得た炉口圧力値の変化、並びに
    炉頂に設けたガス分析計で検出した転炉排ガス中の炭酸
    ガス濃度の変化から求めた脱炭速度値を供給酸素量に応
    じて補正した値の少なくともいずれか一つに 基づいて着
    火検出を行うことを特徴とする転炉の着火検出方法。
JP7078993A 1993-03-08 1993-03-08 転炉の着火検出方法 Expired - Lifetime JP2905026B2 (ja)

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JPH06256834A JPH06256834A (ja) 1994-09-13
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