JP2904676B2 - 剥離用コーティング組成物 - Google Patents
剥離用コーティング組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は剥離用コーティング組成
物、特にはペインタブルで重剥離の特性を与える剥離用
コーティング組成物に関するものである。
物、特にはペインタブルで重剥離の特性を与える剥離用
コーティング組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般の紙、加工紙あるいはプラス
チックフィルムなどの基材表面に加熱硬化性オルガノポ
リシロキサン組成物からなる硬化皮膜を形成させ、これ
ら基材と粘着性物質との剥離を容易にしたり、基材同士
の密着を防止することは公知とされ、このオルガノポリ
シロキサン組成物としてはその硬化反応機構から例えば
付加反応型のものと縮合反応型のものとが知られてい
る。
チックフィルムなどの基材表面に加熱硬化性オルガノポ
リシロキサン組成物からなる硬化皮膜を形成させ、これ
ら基材と粘着性物質との剥離を容易にしたり、基材同士
の密着を防止することは公知とされ、このオルガノポリ
シロキサン組成物としてはその硬化反応機構から例えば
付加反応型のものと縮合反応型のものとが知られてい
る。
【0003】しかしながら、現在知られている剥離性シ
リコーン組成物の大半は感圧あるいは感熱接着ラベル、
テープ、壁紙、移し絵などのように剥離力が比較的小さ
くてもその目的を達成することができる用途には好適に
応用することができるが、反面これら剥離力の小さい剥
離性シリコーン組成物は塗布・硬化した面の臨界表面張
力が小さいために筆記性がなく、また感圧型あるいは感
熱型の粘着テープや粘着シートを製造する場合、感圧型
あるいは感熱型の粘着剤を剥離性シリコーン樹脂面に塗
布する際において粘着剤塗布面にしばしば、はじき現象
が生じ、良好な塗布面を形成させることができないとい
う不利を有する。
リコーン組成物の大半は感圧あるいは感熱接着ラベル、
テープ、壁紙、移し絵などのように剥離力が比較的小さ
くてもその目的を達成することができる用途には好適に
応用することができるが、反面これら剥離力の小さい剥
離性シリコーン組成物は塗布・硬化した面の臨界表面張
力が小さいために筆記性がなく、また感圧型あるいは感
熱型の粘着テープや粘着シートを製造する場合、感圧型
あるいは感熱型の粘着剤を剥離性シリコーン樹脂面に塗
布する際において粘着剤塗布面にしばしば、はじき現象
が生じ、良好な塗布面を形成させることができないとい
う不利を有する。
【0004】また、感圧型あるいは感熱型の粘着シート
に使用する粘着剤の接着力が比較的弱い場合、あるいは
用途的に工程紙やアスファルト包装紙などのように大き
な剥離力を必要とする場合においては剥離能が過剰とな
り、前者においては粘着シートを使用する以前に粘着シ
ートが剥離層より自然に剥離しその使用に著しい制約を
受け、実際にはそれらに応用することはほとんど困難と
されている。さらに、感圧型の粘着テープを実際に荷物
等に貼着する場合、隅部あるいは十字貼り箇所のような
二重貼りされた部分は、テープ背面のシリコーン樹脂層
の剥離能が大き過ぎるため、接着が困難であるという問
題があり、また、剥離能が大きいシリコーン樹脂組成物
は一般に摩擦係数が小さく、例えば梱包された荷物を積
み重ねた場合、シリコーン樹脂層同士が接触し、荷すべ
りが起こり易いという欠点がある。ほかにも、剥離能の
大きいシリコーン組成物を紙、フィルム等に適用するに
際しては静電気が発生し、加工時においてトラブルが発
生し易いという不利を有する。
に使用する粘着剤の接着力が比較的弱い場合、あるいは
用途的に工程紙やアスファルト包装紙などのように大き
な剥離力を必要とする場合においては剥離能が過剰とな
り、前者においては粘着シートを使用する以前に粘着シ
ートが剥離層より自然に剥離しその使用に著しい制約を
受け、実際にはそれらに応用することはほとんど困難と
されている。さらに、感圧型の粘着テープを実際に荷物
等に貼着する場合、隅部あるいは十字貼り箇所のような
二重貼りされた部分は、テープ背面のシリコーン樹脂層
の剥離能が大き過ぎるため、接着が困難であるという問
題があり、また、剥離能が大きいシリコーン樹脂組成物
は一般に摩擦係数が小さく、例えば梱包された荷物を積
み重ねた場合、シリコーン樹脂層同士が接触し、荷すべ
りが起こり易いという欠点がある。ほかにも、剥離能の
大きいシリコーン組成物を紙、フィルム等に適用するに
際しては静電気が発生し、加工時においてトラブルが発
生し易いという不利を有する。
【0005】他方、上記したような問題を解決する目的
で剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物において、該
組成物中のシロキサンのけい素原子に結合する有機基の
種類や各成分の配合比を種々変化させることが試みられ
ているが、これら組成物は硬化性に劣るほか、これから
得られる皮膜は残留接着性および耐ブロッキング性に劣
るという不利を有している。
で剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物において、該
組成物中のシロキサンのけい素原子に結合する有機基の
種類や各成分の配合比を種々変化させることが試みられ
ているが、これら組成物は硬化性に劣るほか、これから
得られる皮膜は残留接着性および耐ブロッキング性に劣
るという不利を有している。
【0006】また、前記シロキサン組成物にウレタン樹
脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂あるいはエチレン・
プロピレン・非共役ジエン三元共重合体を混合したり、
ポリビニルアルコール、メチルセルロースを添加した
り、シリカなどの充填剤を配合したりして剥離性を改良
することが行われているが、これらにおける最大の欠点
はシリコーンとの相溶性が悪く、これにより硬化性が著
しく劣ったり、未反応シリコーン樹脂あるいはこれに混
合した諸成分が粘着剤面に移行し使用上において種々の
制限を受け実用的でないという欠点を有している。
脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂あるいはエチレン・
プロピレン・非共役ジエン三元共重合体を混合したり、
ポリビニルアルコール、メチルセルロースを添加した
り、シリカなどの充填剤を配合したりして剥離性を改良
することが行われているが、これらにおける最大の欠点
はシリコーンとの相溶性が悪く、これにより硬化性が著
しく劣ったり、未反応シリコーン樹脂あるいはこれに混
合した諸成分が粘着剤面に移行し使用上において種々の
制限を受け実用的でないという欠点を有している。
【0007】これらの問題を改良した例として、縮合型
シリコーンにエチルセルロースを混合した組成物が提案
されている(特公昭 60-1899号公報参照)が、成分のエ
チルセルロースが硬化しないため塗膜の耐溶剤性が不足
するという欠点があった。また、シリコーン系以外の剥
離用コーティング剤としての長鎖アルキル系ポリマーは
ペインタブル性を有するものの剥離レベルが重過ぎ、し
かも硬化塗膜でないため耐溶剤性も不足するという欠点
があった。
シリコーンにエチルセルロースを混合した組成物が提案
されている(特公昭 60-1899号公報参照)が、成分のエ
チルセルロースが硬化しないため塗膜の耐溶剤性が不足
するという欠点があった。また、シリコーン系以外の剥
離用コーティング剤としての長鎖アルキル系ポリマーは
ペインタブル性を有するものの剥離レベルが重過ぎ、し
かも硬化塗膜でないため耐溶剤性も不足するという欠点
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のような状況か
ら、本発明はペインタブルで適度の重剥離の特性を与
え、耐溶剤性等のその他の特性も満足する剥離用コーテ
ィング組成物を提供しようとしてなされたものである。
ら、本発明はペインタブルで適度の重剥離の特性を与
え、耐溶剤性等のその他の特性も満足する剥離用コーテ
ィング組成物を提供しようとしてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、硬化性を有す
るシロキサン変性アクリル系ポリマーを用いた組成物に
よればよいことを見出して本発明に至った。すなわち、
本発明は (1)1分子中にけい素原子に直結したビニル基を少な
くとも2個有する、アクリル系モノマーとアクリル基又
はメタクリル基とビニル基の両方を有するシロキサンと
を共重合させたシロキサン変性アクリル系ポリマー、 (2)1分子中にけい素原子に直結した水素原子を少な
くとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン及び (3)付加反応触媒からなることを特徴とする剥離用コ
ーティング組成物に関するものである。
題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、硬化性を有す
るシロキサン変性アクリル系ポリマーを用いた組成物に
よればよいことを見出して本発明に至った。すなわち、
本発明は (1)1分子中にけい素原子に直結したビニル基を少な
くとも2個有する、アクリル系モノマーとアクリル基又
はメタクリル基とビニル基の両方を有するシロキサンと
を共重合させたシロキサン変性アクリル系ポリマー、 (2)1分子中にけい素原子に直結した水素原子を少な
くとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン及び (3)付加反応触媒からなることを特徴とする剥離用コ
ーティング組成物に関するものである。
【0010】以下、本発明の剥離用コーティング組成物
について詳細に説明する。本発明において使用される
(1)成分としての1分子中にけい素原子に直結したビ
ニル基を少なくとも2個有するシロキサン変性アクリル
系ポリマーは、アクリル系モノマーとアクリル基又はメ
タクリル基とビニル基の両方を有するシロキサンとを共
重合させることにより得られる。
について詳細に説明する。本発明において使用される
(1)成分としての1分子中にけい素原子に直結したビ
ニル基を少なくとも2個有するシロキサン変性アクリル
系ポリマーは、アクリル系モノマーとアクリル基又はメ
タクリル基とビニル基の両方を有するシロキサンとを共
重合させることにより得られる。
【0011】ここに使用されるアクリル系モノマーにつ
いては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等のアルキルアクリレート、メトキシ
エチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等の
アルコキシアルキルアクリレート、アルキルチオアクリ
レート、シアノアルキルアクリレートなどが例示され
る。この中でメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレートが好適に使用される。
いては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等のアルキルアクリレート、メトキシ
エチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等の
アルコキシアルキルアクリレート、アルキルチオアクリ
レート、シアノアルキルアクリレートなどが例示され
る。この中でメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレートが好適に使用される。
【0012】また、アクリル基又はメタクリル基とビニ
ル基の両方を有するシロキサンに関しては、例えば一般
式
ル基の両方を有するシロキサンに関しては、例えば一般
式
【化1】 (ここに、R1は非置換又は置換の一価炭化水素基、R2〜
R4は同種あるいは異種の非置換又は置換の一価炭化水素
基、R5は水素原子又はメチル基、nは0〜3の整数)で
示される化合物が挙げられ、
R4は同種あるいは異種の非置換又は置換の一価炭化水素
基、R5は水素原子又はメチル基、nは0〜3の整数)で
示される化合物が挙げられ、
【0013】特には次式[I]
【化2】 で示される化合物が好ましく、
【0014】また、一般式
【化3】 (ここに、R1は水素原子又はメチル基、R2は同種あるい
は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基でR2の少なく
とも1つはビニル基、mは0〜3の整数、nは0〜4の
整数)で示される化合物が挙げられる。
は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基でR2の少なく
とも1つはビニル基、mは0〜3の整数、nは0〜4の
整数)で示される化合物が挙げられる。
【0015】シロキサン変性アクリル系ポリマーは、上
述のアクリル系モノマーとアクリル基又はメタクリル基
とビニル基の両方を有するシロキサンとを共重合させる
ことにより得られるが、この共重合は乳化重合あるいは
溶液重合によって行うことができる。例えば乳化重合を
行う場合、乳化剤としてアニオンもしくはノニオン系の
界面活性剤を用い、これと水及びモノマーを重合機に仕
込み、重合開始剤として水溶性の過酸化物、過硫酸塩を
用い、これに亜硫酸塩、アスコルビン酸等の還元剤と微
量の硫酸第一鉄を併用することで、低温でかつ大きな反
応速度で重合を行うことができる。重合後は常法に従っ
て塩析を行い、水洗、乾燥すれば目的のポリマーが得ら
れる。
述のアクリル系モノマーとアクリル基又はメタクリル基
とビニル基の両方を有するシロキサンとを共重合させる
ことにより得られるが、この共重合は乳化重合あるいは
溶液重合によって行うことができる。例えば乳化重合を
行う場合、乳化剤としてアニオンもしくはノニオン系の
界面活性剤を用い、これと水及びモノマーを重合機に仕
込み、重合開始剤として水溶性の過酸化物、過硫酸塩を
用い、これに亜硫酸塩、アスコルビン酸等の還元剤と微
量の硫酸第一鉄を併用することで、低温でかつ大きな反
応速度で重合を行うことができる。重合後は常法に従っ
て塩析を行い、水洗、乾燥すれば目的のポリマーが得ら
れる。
【0016】このシロキサン変性アクリル系ポリマー中
のビニル基量は0.003mol/100g未満だと硬化が著しく遅
く、また、密着性等も悪化し、逆に10mol /100gを超え
ると硬化後のコーティング膜の経時安定性がそこなわれ
るため、0.003mol/100g〜10mol /100gとすることが好
ましく、より好ましくは0.005mol/100g〜3mol /100g
の範囲である。
のビニル基量は0.003mol/100g未満だと硬化が著しく遅
く、また、密着性等も悪化し、逆に10mol /100gを超え
ると硬化後のコーティング膜の経時安定性がそこなわれ
るため、0.003mol/100g〜10mol /100gとすることが好
ましく、より好ましくは0.005mol/100g〜3mol /100g
の範囲である。
【0017】(2)成分としてのオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンは、分子中に少なくとも2個のけい素
原子に直結した水素原子を含有するものであることが必
要とされるが、これは直鎖状、分岐状、環状のいずれで
あってもよい。なお、けい素原子に直結する水素原子以
外の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基
等のアリール基、β−フェニルエチル基、β−フェニル
プロピル基等のアラルキル基、クロロメチル基、3,3,3-
トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基な
どが例示される。具体的な(2)成分としては、α,ω
−ビス(ジメチルハイドロジェンシリル)ポリジメチル
シロキサン、α,ω−ビス(トリメチルシリル)ポリメ
チルハイドロジェンポリシロキサン、α,ω−ビス(ト
リメチルシリル)ポリ(メチルハイドロジェン)(ジメ
チル)シロキサン共重合体などが例示される。
ンポリシロキサンは、分子中に少なくとも2個のけい素
原子に直結した水素原子を含有するものであることが必
要とされるが、これは直鎖状、分岐状、環状のいずれで
あってもよい。なお、けい素原子に直結する水素原子以
外の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基
等のアリール基、β−フェニルエチル基、β−フェニル
プロピル基等のアラルキル基、クロロメチル基、3,3,3-
トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基な
どが例示される。具体的な(2)成分としては、α,ω
−ビス(ジメチルハイドロジェンシリル)ポリジメチル
シロキサン、α,ω−ビス(トリメチルシリル)ポリメ
チルハイドロジェンポリシロキサン、α,ω−ビス(ト
リメチルシリル)ポリ(メチルハイドロジェン)(ジメ
チル)シロキサン共重合体などが例示される。
【0018】上記(2)成分の配合量は、(1)成分 1
00重量部に対し 0.1〜40重量部、特に2〜30重量部とす
ることが好ましい。(2)成分が 0.1重量部より少ない
と硬化性が悪くなり、40重量部より多いと粘着物質との
剥離性が不安定となる場合が生じる。なお、ビニル基に
対する HSi≡基のモル比は通常 0.5〜10の範囲で目的に
応じて調整することができる。
00重量部に対し 0.1〜40重量部、特に2〜30重量部とす
ることが好ましい。(2)成分が 0.1重量部より少ない
と硬化性が悪くなり、40重量部より多いと粘着物質との
剥離性が不安定となる場合が生じる。なお、ビニル基に
対する HSi≡基のモル比は通常 0.5〜10の範囲で目的に
応じて調整することができる。
【0019】本発明の組成物を構成する(3)成分の付
加反応触媒としては、貴金属系触媒が好適で、例えば白
金黒、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィンコンプレッ
クス、ロジウム−オレフィンコンプレックスなどが例示
される。これらは、(1)成分と(2)成分の合計量に
対し白金又はロジウム量で通常5〜1000ppm(重量比)の
範囲において使用されるが、この量は反応性、経済性及
び所望の硬化速度等に応じて適宜増減することができ
る。
加反応触媒としては、貴金属系触媒が好適で、例えば白
金黒、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィンコンプレッ
クス、ロジウム−オレフィンコンプレックスなどが例示
される。これらは、(1)成分と(2)成分の合計量に
対し白金又はロジウム量で通常5〜1000ppm(重量比)の
範囲において使用されるが、この量は反応性、経済性及
び所望の硬化速度等に応じて適宜増減することができ
る。
【0020】本発明の組成物は、まず(1)成分のポリ
マーを適当な有機溶剤に溶解させた後、この溶液へ
(2)、(3)成分の所定量を均一に混合することによ
り得られるが、(1)成分のポリマーが液体として得ら
れる場合、単純に(1)〜(3)成分の所定量を均一に
混合することにより調製することができる。本発明の組
成物には必要に応じてオルガノビニルポリシロキサン、
反応制御剤、光重合開始剤、シリカ、コロイダルシリカ
などの無機質充填剤あるいは顔料などを添加配合しても
よい。
マーを適当な有機溶剤に溶解させた後、この溶液へ
(2)、(3)成分の所定量を均一に混合することによ
り得られるが、(1)成分のポリマーが液体として得ら
れる場合、単純に(1)〜(3)成分の所定量を均一に
混合することにより調製することができる。本発明の組
成物には必要に応じてオルガノビニルポリシロキサン、
反応制御剤、光重合開始剤、シリカ、コロイダルシリカ
などの無機質充填剤あるいは顔料などを添加配合しても
よい。
【0021】本発明の組成物を実際に使用するにあたっ
ては、例えば上記のようにして調製した組成物をそのま
まあるいはこれを適当な有機溶剤で希釈したのち、ロー
ルコート、リバースコートあるいはグラビアコートなど
の塗布方法を採用して基材に0.05〜5g/m2塗工し、80〜
180 ℃で 5〜60秒間加熱及び/又は紫外線(例えば 80w
/cm×2灯)を 0.1〜2秒間照射することにより、基材
への密着性にすぐれ、適度の剥離性、ペインタブル性
(筆記性)を有する硬化塗膜を得ることができる。
ては、例えば上記のようにして調製した組成物をそのま
まあるいはこれを適当な有機溶剤で希釈したのち、ロー
ルコート、リバースコートあるいはグラビアコートなど
の塗布方法を採用して基材に0.05〜5g/m2塗工し、80〜
180 ℃で 5〜60秒間加熱及び/又は紫外線(例えば 80w
/cm×2灯)を 0.1〜2秒間照射することにより、基材
への密着性にすぐれ、適度の剥離性、ペインタブル性
(筆記性)を有する硬化塗膜を得ることができる。
【0022】
〈シロキサン変性アクリル系ポリマーの合成〉温度計、
攪拌機を備えた2Lのフラスコ中の純水987g、ラウリル
硫酸ナトリウム10重量%水溶液50g に、エチルアクリレ
ート50g 、ブチルアクリレート25g 、メトキシエチルア
クリレート25g を、よく窒素置換しながら仕込み、さら
にパーブチルHF[日本油脂(株)製、商品名]0.4gを
仕込んだ。窒素置換を十分行い、攪拌しながら5℃まで
冷却してから、アスコルビン酸の5重量%水溶液10g と
硫酸第1鉄の 0.1重量%水溶液1gを加え、よく攪拌を行
った。1〜2分で温度上昇が観測され重合の開始が認め
られた。ついで、エチルアクリレート200g、ブチルアク
リレート100g、メトキシエチルアクリレート100g、前記
式[I]で示される化合物5g、ラウリル硫酸ナトリウム
10重量%水溶液50g 、アスコルビン酸1.5g、純水100g
を、内温を10℃に保ちながら3時間かけて滴下し、さら
に10℃で2時間熟成させた。これによりシロキサン変性
アクリル系ポリマーの溶液を得た。
攪拌機を備えた2Lのフラスコ中の純水987g、ラウリル
硫酸ナトリウム10重量%水溶液50g に、エチルアクリレ
ート50g 、ブチルアクリレート25g 、メトキシエチルア
クリレート25g を、よく窒素置換しながら仕込み、さら
にパーブチルHF[日本油脂(株)製、商品名]0.4gを
仕込んだ。窒素置換を十分行い、攪拌しながら5℃まで
冷却してから、アスコルビン酸の5重量%水溶液10g と
硫酸第1鉄の 0.1重量%水溶液1gを加え、よく攪拌を行
った。1〜2分で温度上昇が観測され重合の開始が認め
られた。ついで、エチルアクリレート200g、ブチルアク
リレート100g、メトキシエチルアクリレート100g、前記
式[I]で示される化合物5g、ラウリル硫酸ナトリウム
10重量%水溶液50g 、アスコルビン酸1.5g、純水100g
を、内温を10℃に保ちながら3時間かけて滴下し、さら
に10℃で2時間熟成させた。これによりシロキサン変性
アクリル系ポリマーの溶液を得た。
【0023】この溶液をステンレスジョッキに移し、ポ
リエチレンオキサイド150g、純水750gを添加して均一に
混合し、80℃まで加熱した。次に硫酸ナトリウム200gを
少量ずつ分けて加え、激しく攪拌すると、白色固体が析
出した。これを大量の水で水洗し、60℃のオーブン中で
1日乾燥させることによりポリマー370gが得られた。こ
のポリマーをSi-ACMとする。このポリマー中にはNM
R分析によりアクリルシリコーン単位が入っていること
が確認された。
リエチレンオキサイド150g、純水750gを添加して均一に
混合し、80℃まで加熱した。次に硫酸ナトリウム200gを
少量ずつ分けて加え、激しく攪拌すると、白色固体が析
出した。これを大量の水で水洗し、60℃のオーブン中で
1日乾燥させることによりポリマー370gが得られた。こ
のポリマーをSi-ACMとする。このポリマー中にはNM
R分析によりアクリルシリコーン単位が入っていること
が確認された。
【0024】また、式[I]で示される化合物の代り
に、式[II]
に、式[II]
【化4】 で示される化合物を用い、前記と同様にして合成を行
い、ポリマー365gを得た。このポリマーをSi-ACMとす
る。
い、ポリマー365gを得た。このポリマーをSi-ACMとす
る。
【0025】〈実施例1〉先の合成例で得られたシロキ
サン変性アクリル系ポリマーSi-ACMの5重量%トルエ
ン溶液をあらかじめ調製し、この溶液20重量部(以下、
重量部を部と省略する)に、25℃の粘度が20csの両末端
トリメチルシリル封鎖メチルハイドロジェンポリシロキ
サン0.0069部及び制御剤として2-メチル−2-トリメチル
シロキシ−3-ブチン0.03部を添加してよく混合した。こ
れを溶液Aとする。
サン変性アクリル系ポリマーSi-ACMの5重量%トルエ
ン溶液をあらかじめ調製し、この溶液20重量部(以下、
重量部を部と省略する)に、25℃の粘度が20csの両末端
トリメチルシリル封鎖メチルハイドロジェンポリシロキ
サン0.0069部及び制御剤として2-メチル−2-トリメチル
シロキシ−3-ブチン0.03部を添加してよく混合した。こ
れを溶液Aとする。
【0026】〈比較例1〉また、Si-ACMに関しても上
記と同様の操作を行って溶液を得た。これを溶液Bとす
る。 〈比較例2〉平均構造式MVD7758DV 240MV(式中のMVはジ
メチルビニルシロキサン単位、D はジメチルシロキサン
単位、DVはメチルビニルシロキサン単位)で示されるシ
リコーンポリマー15部、平均構造式MVD7958DV 40MV で示
されるシリコーンポリマー15部、実施例1と同じメチル
ハイドロジェンポリシロキサン 0.9部、制御剤として2-
メチル−2-トリメチルシロキシ−3-ブチン 1.0部及びト
ルエン68.1部をよく混合して溶液を得た。これを溶液C
とする。
記と同様の操作を行って溶液を得た。これを溶液Bとす
る。 〈比較例2〉平均構造式MVD7758DV 240MV(式中のMVはジ
メチルビニルシロキサン単位、D はジメチルシロキサン
単位、DVはメチルビニルシロキサン単位)で示されるシ
リコーンポリマー15部、平均構造式MVD7958DV 40MV で示
されるシリコーンポリマー15部、実施例1と同じメチル
ハイドロジェンポリシロキサン 0.9部、制御剤として2-
メチル−2-トリメチルシロキシ−3-ブチン 1.0部及びト
ルエン68.1部をよく混合して溶液を得た。これを溶液C
とする。
【0027】溶液A〜Cに触媒として塩化白金酸のビニ
ルシロキサン錯体を白金換算で100ppm添加し、硬化性、
剥離力及びペインタブル性を調べた。結果を表1に示
す。なお、各項目は下記の方法により測定を行った。 硬化性:組成物の所定量を薄膜状フィルム又はシート状
の基材の表面に塗布した後、所定温度の熱風循環式乾燥
炉中で所定時間加熱し、塗工面を指でこすって脱落及び
くもりの有無を調べた。○:脱落、くもりともなし、
×:脱落してはげてしまう 剥離力:溶液A〜Cの各々をポリエチレンラミネート紙
に所定量塗工し、硬化皮膜を形成させた後、25℃、60%
RHの恒温恒湿下に1日放置する。次に硬化皮膜面にルミ
ラー31Bテープ(日東電工社製)を貼り付け、70℃、
20g/cm2 の条件で3時間圧着する。室温(25℃)に戻し
て30分後に、引張試験機を用いて引張速度0.3m/分で 1
80°剥離試験を行い剥離力を求める。 ペインタブル性:剥離力の場合と同様に基材表面に硬化
皮膜を形成させ、硬化皮膜面に市販の油性マジックイン
キを用いて字を書き、インキのはじきの有無を調べた。
○:はじきなし、××:はじき著しい
ルシロキサン錯体を白金換算で100ppm添加し、硬化性、
剥離力及びペインタブル性を調べた。結果を表1に示
す。なお、各項目は下記の方法により測定を行った。 硬化性:組成物の所定量を薄膜状フィルム又はシート状
の基材の表面に塗布した後、所定温度の熱風循環式乾燥
炉中で所定時間加熱し、塗工面を指でこすって脱落及び
くもりの有無を調べた。○:脱落、くもりともなし、
×:脱落してはげてしまう 剥離力:溶液A〜Cの各々をポリエチレンラミネート紙
に所定量塗工し、硬化皮膜を形成させた後、25℃、60%
RHの恒温恒湿下に1日放置する。次に硬化皮膜面にルミ
ラー31Bテープ(日東電工社製)を貼り付け、70℃、
20g/cm2 の条件で3時間圧着する。室温(25℃)に戻し
て30分後に、引張試験機を用いて引張速度0.3m/分で 1
80°剥離試験を行い剥離力を求める。 ペインタブル性:剥離力の場合と同様に基材表面に硬化
皮膜を形成させ、硬化皮膜面に市販の油性マジックイン
キを用いて字を書き、インキのはじきの有無を調べた。
○:はじきなし、××:はじき著しい
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明によりペインタブルで重剥離の特
性を与える剥離用コーティング組成物が提供された。こ
の組成物によれば従来困難であったペインタブルで剥離
の重い剥離用コーティング膜を容易に形成させることが
できる。
性を与える剥離用コーティング組成物が提供された。こ
の組成物によれば従来困難であったペインタブルで剥離
の重い剥離用コーティング膜を容易に形成させることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 183/07 C08L 83/05 C08L 83/07 C09D 183/05
Claims (1)
- 【請求項1】(1)1分子中にけい素原子に直結したビ
ニル基を少なくとも2個有する、アクリル系モノマーと
アクリル基又はメタクリル基とビニル基の両方を有する
シロキサンとを共重合させたシロキサン変性アクリル系
ポリマー、 (2)1分子中にけい素原子に直結した水素原子を少な
くとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン及び (3)付加反応触媒からなることを特徴とする剥離用コ
ーティング組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12147793A JP2904676B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 剥離用コーティング組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12147793A JP2904676B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 剥離用コーティング組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329987A JPH06329987A (ja) | 1994-11-29 |
JP2904676B2 true JP2904676B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=14812128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12147793A Expired - Fee Related JP2904676B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 剥離用コーティング組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2904676B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008013613A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Momentive Performance Materials Japan Kk | 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物及びその塗工品 |
-
1993
- 1993-05-24 JP JP12147793A patent/JP2904676B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06329987A (ja) | 1994-11-29 |
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