JP2903911B2 - 自動変速機用油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機用油圧制御装置

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JP2903911B2
JP2903911B2 JP4297013A JP29701392A JP2903911B2 JP 2903911 B2 JP2903911 B2 JP 2903911B2 JP 4297013 A JP4297013 A JP 4297013A JP 29701392 A JP29701392 A JP 29701392A JP 2903911 B2 JP2903911 B2 JP 2903911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変速過渡期に締結要素
への油圧を作り出す自動変速機用油圧制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、3速,4速で締結されるハイクラ
ッチと、2速,4速で締結されるバンドブレーキを有す
る自動変速機用油圧制御装置において、ハイクラッチの
締結室側油路とバンドブレーキの解放室側油路とを共通
とする共通油路を設け、この共通油路の油圧変化により
ハイクラッチの締結容量とバンドブレーキの解放時の締
結容量を調整する装置としては、例えば、日産フルレン
ジ電子制御A/T(RE4R01A)が知られている。
【0003】また、変速タイミング手段を第1,第2チ
ェック弁と遮断弁と3個のオリフィスにより構成し、フ
ロントクラッチが締結されセカンドブレーキが解放され
る2速から3速へのシフトアップ時と、フロントクラッ
チが解放されセカンドブレーキが締結される3速から2
速へのシフトダウン時とで、締結・解放の動作タイミン
グを要求に応じて調整する自動変速機用油圧制御装置と
して、特開昭55−24221号公報に開示されている
ものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
自動変速機用油圧制御装置にあっては、締結容量の調整
を共通油路により行なうようにしているため、ハイクラ
ッチとバンドブレーキに対する締結容量が一義的に決ま
ってしまい、いろいろな負荷条件や環境条件下を考えた
場合、変速時に締結側と解放側とで妥協的な容量調整と
なってしまい、ハイクラッチとバンドブレーキの最適な
締結容量調整が行なえるとはいい難い。
【0005】後者の自動変速機用油圧制御装置にあって
は、オリフィスの個数による油圧立ち上がり時間を遅れ
調整することで変速の掛け替えタイミングを取るように
しているため、油圧の立ち上がり立ち下がり特性の油粘
度依存性が非常に大きく、粘度の高低によりタイミング
を取る遅れ時間にバラツキが生じる。
【0006】特に、低温時で油の粘度が高い環境下で
は、変速の掛け替えタイミング取りが困難で、変速ショ
ックが出易い。
【0007】なお、従来、変速の掛け替えタイミングを
ワンウェイクラッチを用いて取るようにする手法が知ら
れているが、ワンウェイクラッチを用いた場合、重量
的,コスト的,スペース的に不利となる。
【0008】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、第1の目的とするところは、変速過渡期に締結要
素への油圧を作り出す自動変速機用油圧制御装置におい
て、重量的,コスト的,スペース的に有利としながら、
いろいろな負荷条件や環境条件にかかわらず変速ショッ
クや変速遅れのない高い変速品質の実現を図ることにあ
る。
【0009】第2の目的とするところは、変速掛け替え
タイミングのより最適化を図ることにより第1の目的を
達成することにある。
【0010】第3の目的とするところは、変速容量調整
のより最適化を図ることにより第1の目的あるいは第2
の目的を達成することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1記載の自動変速機用油圧制御装置では、
第1締結要素の締結室側油路と第2締結要素の解放室側
油路とを共通とし、第1締結要素が締結され第2締結要
素が解放される掛け替え変速時に同じ特性による油圧が
供給される共通油路と、掛け替え変速過渡期に最適な締
結容量が得られるように第1締結要素の解放室側の油圧
または第2締結要素の締結室側の油圧を外部指令により
制御する第1電子油圧制御弁とを設け、変速掛け替えタ
イミングと掛け替え変速過渡期の容量調整とをそれぞれ
独立に制御する構成とした。
【0012】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、ワンウェイクラッチの関与しない変速時に使用する
2つの第1締結要素a及び第2締結要素bと、両締結要
素a,bのうち第1締結要素aの締結室側油路と第2締
結要素bの解放室側油路とを共通とし、第1締結要素a
が締結され第2締結要素bが解放される掛け替え変速時
に同じ特性による油圧が供給される共通油路cと、両締
結要素a,bのうち第1締結要素aの解放室側の油圧ま
たは第2締結要素bの締結室側の油圧を、上記掛け替え
変速過渡期に最適な締結容量が得られるように外部指令
により制御する第1電子油圧制御弁dとを備えている。
【0013】上記第2の目的を達成するため請求項2記
載の自動変速機用油圧制御装置では、図1のクレーム対
応図に示すように、請求項1記載の自動変速機用油圧制
御装置において、前記共通油路cに、油路供給油圧を外
部指令により制御する第2電子油圧制御弁eを設けた。
【0014】上記第3の目的を達成するため請求項3記
載の自動変速機用油圧制御装置では、図1のクレーム対
応図に示すように、請求項1記載または請求項2記載の
自動変速機用油圧制御装置において、前記第1電子油圧
制御弁dは、エンジン回転数またはタービン回転数また
は出力軸トルクを検出するセンサfを具備し、これらの
センサfのうちいずれかのセンサ出力の変化をトリガー
として油圧を制御する弁とした。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0016】例えば、ワンウェイクラッチが関与しない
で第1締結要素aが締結され第2締結要素bが解放され
る掛け替え変速時には、まず、両締結要素a,bのうち
第1締結要素aの締結室側油路と第2締結要素bの解放
室側油路とを共通とする共通油路cから所定の油圧が供
給され、第1締結要素aの締結と第2締結要素bの解放
とが、同じ特性による油圧によりなされる。これによっ
て、第1締結要素aの締結と第2締結要素bの解放とを
異なる油圧により行なう場合の様に掛け替えタイミング
のズレが生じないで、うまく変速の掛け替えタイミング
が取られる。
【0017】そして、この掛け替え変速過渡期には、第
1電子油圧制御弁dにおいて、両締結要素a,bのうち
第1締結要素aの解放室側の油圧または第2締結要素b
の締結室側の油圧が、変速時に最適な締結容量が得られ
るように外部指令により制御される。
【0018】このように、掛け替えタイミング制御と締
結容量制御が分離され、この制御分離により締結容量制
御側では、掛け替えタイミングについては考慮すること
なく、しかも、制御自由度の高い電子制御により油圧制
御を行なうようにすることで、最適の掛け替えタイミン
グ制御と最適の締結容量制御との両立が可能となり、い
ろいろな負荷条件や環境条件にかかわらず変速ショック
や変速遅れのない高い変速品質を実現できる。
【0019】請求項2記載の発明の作用を説明する。
【0020】この発明では、共通油路cに、油路供給油
圧を外部指令により制御する第2電子油圧制御弁eを設
けたことで、オリフィスやアキュムレータを用いて共通
油路cの油圧を一義的に制御する場合に比べ、その制御
自由度により油の粘度や負荷条件などに対応した油圧制
御とすることができ、変速掛け替えタイミングのより最
適化が図られる。
【0021】請求項3記載の発明の作用を説明する。
【0022】この発明では、第1電子油圧制御弁dを、
エンジン回転数またはタービン回転数または出力軸トル
クを検出するセンサfを具備し、これらのセンサfのう
ちいずれかのセンサ出力の変化をトリガーとして油圧を
制御する弁としたことで、締結容量制御を行なうにあた
って、センサ出力の変化により締結容量の変化を間接的
に監視しながらの制御とすることができ、締結容量の変
化に応じた締結容量制御や締結容量の変化に追従する締
結容量制御を行なうことで、変速容量調整のより最適化
が図られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0025】図2は請求項1,3記載の本発明に対応す
る第1実施例の油圧制御装置が適用された前進4速の自
動変速機のギヤトレーンを示す概略図である。
【0026】図2において、1はトルクコンバータ、2
はオイルポンプ、3はインプットシャフト、4はバンド
ブレーキ、5はリバースクラッチ、6はハイクラッチ、
7はフロントサンギヤ、8はフロントピニオン、9はフ
ロントインターナルギヤ、10はフロントプラネットキ
ャリア、11はリヤサンギヤ、12はリヤピニオン、1
3はリヤインターナルギヤ、14はリヤプラネットキャ
リア、15はフォワードクラッチ、16はフォワードワ
ンウェイクラッチ、17はオーバランクラッチ、18は
ローワンウェイクラッチ、19はロー&リバースブレー
キ、20はパーキングポール、21はパーキングギヤ、
22はアウトプットシャフトである。
【0027】図3はギヤトレーンに用いられた各締結要
素の略号並びに機能をあらわした締結要素機能表であ
る。
【0028】これら締結要素のうち2個のワンウェイク
ラッチは機械的に作動するが、他のクラッチやブレーキ
は油圧コントロールユニットにより作り出される制御油
圧により作動する。
【0029】図4は各締結要素のセレクト位置及びシフ
ト位置における締結作動状態を示す締結作動表である。
【0030】この締結作動表で、Dレンジ3速及び4速
で締結されるハイクラッチ6が請求項記載の第1締結要
素の相当し、Dレンジ2速及び4速で締結されるバンド
ブレーキ4が請求項記載の第2締結要素に相当する。
【0031】そして、ハイクラッチ6は、クラッチピス
トンを押す締結室のみを有し、この締結室への油圧によ
り締結容量が決まり、締結室の油をドレーンすることで
リターンスプリングによるスプリング力により解放され
る。
【0032】バンドブレーキ4は、サーボピストンの両
側に形成された2速締結室(サーボアプライ室;略称S
/A)と3速解放室(サーボリリース室;略称S/R)
と、オーバドライブサーボピストンを押す4速締結室と
を有して構成され、2速締結室と3速解放室とに同時に
油圧が作用する時には解放室側の受圧面積が大きいので
バンドブレーキ4は解放される。
【0033】図5は第1実施例の油圧制御装置を示す油
圧制御回路図である。
【0034】図5において、30は第1シフトバルブ、
31は第2シフトバルブ、32は第1シフトソレノイ
ド、33は第2シフトソレノイド、34は3方向デュー
ティ減圧弁(第1電子油圧制御弁に相当)、35はアキ
ュムレータ、36,37はワンウェイバルブ、38,3
9はオリフィス、40はライン圧油路、41はパイロッ
ト圧油路、42は制御圧油路、43はサーボアプライ圧
油路、44は共通油路である。
【0035】前記第1シフトバルブ30は、バルブ穴3
0aに摺動可能に設けられたスプール30bと、該スプ
ール30bを図面下方向に付勢するスプリング30c
と、前記バルブ穴30aに形成されたポート30d,3
0e,30f,30g,30h,30i,30j,30
k,30m,30n,30p,30r,30s,30t
を有して構成されている。このスプール30bは、1速
時及び4速時に第1シフトソレノイド32(ON)から
のパイロット圧Pp により図面左半分位置とされ、2速
時及び3速時に第1シフトソレノイド32(OFF)か
らポート30tの油がドレーンされることで図面右半分
位置とされる。
【0036】前記第2シフトバルブ31は、バルブ穴3
1aに摺動可能に設けられたスプール31bと、該スプ
ール31bを図面下方向に付勢するスプリング31c
と、前記バルブ穴31aに形成されたポート31d,3
1e,31f,31g,31h,31i,31j,31
k,31m,31nを有して構成されている。このスプ
ール31bは、1速時及び2速時に第2シフトソレノイ
ド33(ON)からのパイロット圧Pp により図面左半
分位置とされ、3速時及び4速時に第2シフトソレノイ
ド33(OFF)からポート31nの油がドレーンされ
ることで図面右半分位置とされる。
【0037】前記3方向デューティ減圧弁34は、弁ソ
レノイド34aへ図外のATコントローラから出力され
るデューティ指令により一定圧であるパイロット圧Pp
を調圧し、この油圧をスプールの一端に作用させ、ライ
ン圧PL を減圧制御することで第2締結要素であるバン
ドブレーキ4の2速締結室へ導かれる制御圧Pc を作り
出すバルブで、1速から2速あるいは2速から3速への
変速過渡期にPWM制御(パルス幅変調制御)により制
御圧Pc が調圧される。
【0038】前記共通油路44は、第1締結要素である
ハイクラッチ6の締結室側油路と第2締結要素であるバ
ンドブレーキ4の解放室側油路とを共通とする油路で、
この油路の油圧制御は、油路の途中に設けられたアキュ
ムレータ35,ワンウェイバルブ36,37及びオリフ
ィス38,39により行なわれる。
【0039】次に、作用を説明する。
【0040】[1速時]Dレンジ1速時には、第1シフ
トソレノイド32及び第2シフトソレノイド33がいず
れもON状態であり、第1シフトバルブ30のスプール
30b及び第2シフトバルブ31のスプール31bは共
に図面左半分の位置にある。
【0041】したがって、サーボアプライ圧油路43は
ドレーンポート31gに連通し、共通油路44はドレー
ンポート31jに連通し、バンドブレーキ4とハイクラ
ッチ6は解放状態となっている。
【0042】[1→2変速時]Dレンジの1速から2速
への変速時には、第1シフトソレノイド32がONから
OFFへと切り換わり、第1シフトバルブ30のスプー
ル30bは、図面左半分の位置から図面右半分の位置へ
移動する。
【0043】したがって、サーボアプライ圧油路43
は、ポート30iとポート30jを介して制御圧油路4
2に連通し、3方向デューティ減圧弁34により作り出
された制御圧Pc がバンドブレーキ4の2速締結室S/
Aに供給される。
【0044】この1→2変速過渡期にバンドブレーキ4
の2速締結室S/Aに供給される制御圧Pc は、1→2
変速過渡期に変速ショックのない最適な油圧特性を予め
設定しておき、1→2変速指令に基づき設定されている
油圧特性が得られるように3方向デューティ減圧弁34
をPWM制御することで作り出される。
【0045】[2速時]Dレンジ2速時には、第1シフ
トソレノイド32はOFF状態で第2シフトソレノイド
33はON状態であり、第1シフトバルブ30のスプー
ル30bは図面の右半分の位置にあり、第2シフトバル
ブ31のスプール31bは図面の左半分の位置にある。
【0046】したがって、バンドブレーキ4は、サーボ
アプライ圧油路43への油圧で締結状態となり、ハイク
ラッチ6は共通油路44がドレーンポート31jに連通
していることで解放状態となっている。
【0047】[2→3変速時]Dレンジの2速から3速
への変速時には、第2シフトソレノイド33がONから
OFFへと切り換わり、第2シフトバルブ31のスプー
ル31bは、図面左半分の位置から図面右半分の位置へ
移動する。
【0048】したがって、共通油路44は、第2シフト
バルブ31のポート31mとポート31k及び第1シフ
トバルブ30のポート30nを介してライン圧油路40
に連通し、ライン圧PL が共通油路44を経過してハイ
クラッチ6の締結室とバンドブレーキ4の3速解放室S
/Rに供給される。
【0049】この2→3変速過渡期にハイクラッチ6の
締結室とバンドブレーキ4の3速解放室S/Rに供給さ
れる油圧は、共通油路44にオリフィス38を有するこ
とで油圧の立ち上がりが抑えられ、しかも、アキュムレ
ータ35を有することでアキュムレータピストンがスト
ロークする間、アキュムレータ背圧によりピストンが受
ける力と平衡する油圧(棚圧)が作り出される。
【0050】こうして、徐々に共通油路44の油圧が上
昇し、全く同じ油圧特性により、一方のハイクラッチ6
が締結に向かい、他方のバンドブレーキ4が解放に向か
うことになり、変速の掛け替えタイミングをうまく取る
ことができる。
【0051】また、この2→3変速過渡期に解放される
バンドブレーキ4の締結容量は、前記棚圧による3速解
放圧と、制御圧Pc による2速締結圧とのバランスによ
り決まることで、この変速過渡期に3方向デューティ減
圧弁34をPWM制御することで、バンドブレーキ4の
締結容量を2→3変速時に変速ショックを抑えるように
制御することができる。
【0052】ここで、重要なことは、変速の掛け替えタ
イミングを共通油路44で取るようにしたことで、バン
ドブレーキ4の締結容量を、掛け替えタイミングを考慮
することなく締結容量のみに着目して独立に制御するこ
とができることであり、下記のような制御則とすること
で、あらゆる条件下で、変速ショックのない望ましい変
速品質を得ることができる。
【0053】[2→3変速時の2速締結圧制御則の第1
例]図6の油圧特性図に示すように、共通油路44の共
通油路圧は、アキュムレータ35によって決まる棚圧で
あり、この棚圧が上昇すると、図6のエンジン回転数特
性に示すように、バンドブレーキ4の解放に伴ってエン
ジンの空吹けが開始される。
【0054】そこで、2→3変速指令時、まず2速締結
圧を一定の傾きαで低下させる指令を3方向デューティ
減圧弁34に出力する。
【0055】そして、エンジンの空吹けが開始する時点
Aを、エンジン回転センサからのセンサ信号をトリガー
することで検知する。この空吹け開始時点Aを検知した
ら、傾きβに切り換える指令を3方向デューティ減圧弁
34に出力する。
【0056】エンジン回転数が3速時回転数に達する変
速終了時点Bを検知したら、2速締結圧をドレーンす
る。
【0057】なお、共通油路圧は、アキュムレータ35
により決まる時点C(変速終了時点Bに遅れ時間を加え
た時点)ライン圧レベルまで上昇し、変速制御が終了す
る。
【0058】これによって、簡単な制御則としながら、
出力軸トルク特性に示すように、変速ショックの小さい
2→3変速が実現される。
【0059】さらに、2速締結圧が一定以上低下し、か
つ、共通油路圧の棚圧が一定以上のレベルになると、2
速締結圧によらずバンドブレーキ4は解放状態となるた
め、この変速終了時には、2速締結圧が最大圧となる指
令を3方向デューティ減圧弁34に出力する。
【0060】[2→3変速時の2速締結圧制御則の第2
例]この第2例は、タービン回転数を検出するタービン
回転センサと自動変速機出力軸回転数を検出する自動変
速機出力軸回転センサとからのセンサ信号により時々刻
々と変化するギヤ比を算出する。
【0061】一方、2→3変速時に変速ショックのない
目標ギヤ比を時間の経過に応じて予め設定しておく。
【0062】そこで、2→3変速指令時、図7に示すよ
うに、まず2速締結圧を一定の傾きαで低下させる指令
を3方向デューティ減圧弁34に出力する。
【0063】そして、エンジンの空吹けが開始する時点
Aを、実ギヤ比をトリガーすることで検知する。この空
吹け開始時点Aを検知したら、点線で示す目標ギヤ比に
実線で示す実ギヤ比が一致するように2速締結圧をリア
ルタイムでフィードバック制御する指令を3方向デュー
ティ減圧弁34に出力する。
【0064】そして、実ギヤ比が3速ギヤ比に達する変
速終了時点Bを検知したら、2速締結圧をドレーンす
る。
【0065】なお、共通油路圧は、アキュムレータ35
により決まる時点C(変速終了時点Bに遅れ時間を加え
た時点)ライン圧レベルまで上昇し、変速制御が終了す
る。
【0066】これによって、出力軸トルク特性に示すよ
うに、変速ショックが非常に小さい高い変速品質による
2→3変速が実現される。
【0067】さらに、3速のギヤ比に実ギヤ比が一致す
る変速終了時には、2速締結圧によらずバンドブレーキ
4は解放状態となるため、2速締結圧が最大圧となる指
令を3方向デューティ減圧弁34に出力する。
【0068】以上、具体例の制御則では、エンジン回転
数とギヤ比による例を示したが、タービン回転数や出力
軸トルクをトリガーしてエンジン空吹け時点の検知や変
速終了時点を検知して制御してもよい。
【0069】次に、効果を説明する。
【0070】(1)変速過渡期にハイクラッチ6とバン
ドブレーキ4への油圧を作り出す自動変速機用油圧制御
装置において、ハイクラッチ6の締結室側油路とバンド
ブレーキ4の解放室側油路とを共通とする共通油路44
と、バンドブレーキ4の締結室側の油圧を外部指令によ
り制御する3方向デューティ減圧弁34とを設け、変速
掛け替えタイミングと変速時の容量調整とをそれぞれ独
立に制御する構成としたため、ワンウェイクラッチを用
いたタイミング制御に比べ重量的,コスト的,スペース
的に有利としながら、変速掛け替えタイミングと変速時
の容量調整との両立によりいろいろな負荷条件や環境条
件にかかわらず変速ショックや変速遅れのない高い変速
品質の実現を図ることができる。
【0071】(2)2速締結圧制御則の第1例では、3
方向デューティ減圧弁34を、エンジン回転数センサ出
力の変化をトリガーとして2速締結圧を制御する弁とし
たことで、バンドブレーキ4の解放時の締結容量制御を
行なうにあたって、センサ出力の変化により締結容量の
変化を間接的に監視しながら締結容量の変化に応じた締
結容量制御を行なうことで、簡単な制御則としながら変
速容量調整を行なうことができる。
【0072】(3)2速締結圧制御則の第2例では、3
方向デューティ減圧弁34を、タービン回転センサと自
動変速機出力軸回転センサとからのセンサ信号により時
々刻々と変化する実ギヤ比の変化をトリガーとして目標
ギヤ比に一致させるフィードバック制御により2速締結
圧を制御する弁としたことで、バンドブレーキ4の解放
時の締結容量制御を行なうにあたって、実ギヤ比の変化
により締結容量の変化を間接的に監視しながら締結容量
の変化に追従した締結容量制御を行なうことで、変速容
量調整のより最適化が図られ、変速品質が常に高品質に
保たれる。
【0073】(第2実施例)まず、構成を説明する。
【0074】図8は請求項1,2,3記載の本発明に対
応する第2実施例の油圧制御装置を示す油圧制御回路図
である。
【0075】この第2実施例は、2速締結圧を電子制御
する第1の3方向デューティ減圧弁34に加え、共通油
路圧を電子制御する第2の3方向デューティ減圧弁45
(第2電子油圧制御弁に相当)を設け、第1実施例にお
いて共通油路44に設けたアキュムレータ35,ワンウ
ェイバルブ36,37及びオリフィス38,39を廃止
した例である。
【0076】また、第2の制御圧油路46の追加に伴っ
て第2シフトバルブ31のポートとして、ポート31
p,ポート31r,ポート31sを追加した。
【0077】尚、他の構成は、図5に示す第1実施例と
同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明
を省略する。
【0078】次に、作用を説明する。
【0079】[2→3変速時]Dレンジの2速から3速
への変速時には、第2シフトソレノイド33がONから
OFFへと切り換わり、第2シフトバルブ31のスプー
ル31bは、図面左半分の位置から図面右半分の位置へ
移動する。
【0080】したがって、共通油路44は、第2シフト
バルブ31のポート31rとポート31sを介して第2
の制御圧油路46に連通し、第2の3方向デューティ減
圧弁45で作り出された制御圧Pc2が共通油路44を経
過してハイクラッチ6の締結室とバンドブレーキ4の3
速解放室S/Rに供給される。
【0081】この2→3変速過渡期にハイクラッチ6の
締結室とバンドブレーキ4の3速解放室S/Rに供給さ
れる油圧は、第2の3方向デューティ減圧弁45で作り
出された制御圧Pc2となることで、この3方向デューテ
ィ減圧弁45に対するPWM制御により、油温やハイク
ラッチ6の締結容量を考慮した最適な油圧特性を自由に
作り出すことができる。
【0082】こうして、徐々に共通油路44の油圧が上
昇し、全く同じ油圧特性により、一方のハイクラッチ6
が締結に向かい、他方のバンドブレーキ4が解放に向か
うことになり、変速の掛け替えタイミングをうまく取る
ことができる。
【0083】また、この2→3変速過渡期に解放される
バンドブレーキ4の締結容量は、前記棚圧による3速解
放圧と、制御圧Pc による2速締結圧とのバランスによ
り決まることで、この変速過渡期に3方向デューティ減
圧弁34をPWM制御することで、バンドブレーキ4の
締結容量を2→3変速時に変速ショックを抑えるように
制御することができる。
【0084】したがって、第1実施例の効果に下記の効
果が追加される。
【0085】(4)共通油路44に、供給油路圧を外部
指令により制御する第2の3方向デューティ減圧弁45
を設けたため、オリフィス38,39やアキュムレータ
35を用いて共通油路44の油圧を一義的に制御する第
1実施例の場合に比べ、その制御自由度により油の粘度
や負荷条件などに対応した油圧制御とすることができ、
変速掛け替えタイミングのより最適化が図られる。
【0086】(5)第2の3方向デューティ減圧弁45
を設けたのに伴い、第1実施例において共通油路44に
設けたアキュムレータ35,ワンウェイバルブ36,3
7及びオリフィス38,39が廃止されるため、油圧制
御回路の簡略化を図ることができる。
【0087】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0088】例えば、実施例では、ハイクラッチとバン
ドブレーキへの適用例を示したが、クラッチとクラッチ
への適用やブレーキとブレーキへの適用であっても良
い。
【0089】実施例では、電子油圧制御弁として3方向
デューティ減圧弁の例を示したが、電流制御による比例
弁としても良い。
【0090】
【発明の効果】請求項1記載の本発明にあっては、変速
過渡期に締結要素への油圧を作り出す自動変速機用油圧
制御装置において、第1締結要素の締結室側油路と第2
締結要素の解放室側油路とを共通とし、第1締結要素が
締結され第2締結要素が解放される掛け替え変速時に同
じ特性による油圧が供給される共通油路と、掛け替え変
速過渡期に最適な締結容量が得られるように第1締結要
素の解放室側の油圧または第2締結要素の締結室側の油
圧を外部指令により制御する第1電子油圧制御弁とを設
け、変速掛け替えタイミングと変速時の容量調整とをそ
れぞれ独立に制御する構成としたため、重量的,コスト
的,スペース的に有利としながら、いろいろな負荷条件
や環境条件にかかわらず変速ショックや変速遅れのない
高い変速品質の実現を図ることができるという効果が得
られる。
【0091】請求項2記載の本発明にあっては、共通油
路に、油路供給油圧を外部指令により制御する第2電子
油圧制御弁を設けたため、変速掛け替えタイミングのよ
り最適化を図ることにより、いろいろな負荷条件や環境
条件にかかわらず変速ショックや変速遅れのない高い変
速品質の実現を達成できるという効果が得られる。
【0092】請求項3記載の本発明にあっては、第1電
子油圧制御弁は、エンジン回転数またはタービン回転数
または出力軸トルクを検出するセンサを具備し、これら
のセンサのうちいずれかのセンサ出力の変化をトリガー
として油圧を制御する弁としたため、変速容量調整のよ
り最適化を図ることにより、いろいろな負荷条件や環境
条件にかかわらず変速ショックや変速遅れのない高い変
速品質の実現を達成できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機用油圧制御装置を示すクレ
ーム対応図である。
【図2】第1実施例の油圧制御装置が適用された自動変
速機のギヤトレーンを示す概略図である。
【図3】第1実施例の油圧制御装置が適用された自動変
速機の各締結要素の機能説明表を示す図である。
【図4】第1実施例の油圧制御装置が適用された自動変
速機の各変速位置での締結作動表を示す図である。
【図5】第1実施例の自動変速機用油圧制御装置を示す
回路図である。
【図6】2→3変速時における3方向デューティ減圧弁
での2速締結圧制御則の第1例を説明するためのタイム
チャートである。
【図7】2→3変速時における3方向デューティ減圧弁
での2速締結圧制御則の第2例を説明するためのタイム
チャートである。
【図8】第2実施例の自動変速機用油圧制御装置を示す
回路図である。
【符号の説明】
a 第1締結要素 b 第2締結要素 c 共通油路 d 第1電子油圧制御弁 e 第2電子油圧制御弁 f センサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワンウェイクラッチの関与しない変速時
    に使用する2つの第1締結要素及び第2締結要素と、 両締結要素のうち第1締結要素の締結室側油路と第2締
    結要素の解放室側油路とを共通とし、第1締結要素が締
    結され第2締結要素が解放される掛け替え変速時に同じ
    特性による油圧が供給される共通油路と、 両締結要素のうち第1締結要素の解放室側の油圧または
    第2締結要素の締結室側の油圧を、上記掛け替え変速過
    渡期に最適な締結容量が得られるように外部指令により
    制御する第1電子油圧制御弁と、 を備えていることを特徴とする自動変速機用油圧制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機用油圧制御装
    置において、 前記共通油路に、油路供給油圧を外部指令により制御す
    る第2電子油圧制御弁を設けたことを特徴とする自動変
    速機用油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載または請求項2記載の自動
    変速機用油圧制御装置において、 前記第1電子油圧制御弁は、エンジン回転数またはター
    ビン回転数または出力軸トルクを検出するセンサを具備
    し、これらのセンサのうちいずれかのセンサ出力の変化
    をトリガーとして油圧を制御する弁としたことを特徴と
    する自動変速機用油圧制御装置。
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