JP2900258B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
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  • Textile Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、ベルト層に高弾性アラミド繊維を有効利用
することにより、転動抵抗を減少させると共に、高速
性、耐久性、および操縦安定性を向上させた空気入りラ
ジアルタイヤに関する。
〔従来技術〕
自動車の普及、高速道路の充実と共に、タイヤのラジ
アル化が進み、乗用車用のラジアル化率は的90%、トラ
ック、バス用タイヤのラジアル化率は50%強にも達して
いる。
このように、ラジアルタイヤが普及してきたのは、そ
の独特なラジアル構造により耐摩耗性、耐高速性、操縦
安定性が従来のバイアスタイヤに比べて優れていること
に起因している。
良く知られているラジアル・プライ・タイヤの構造
は、トレッド部とそのトレッド部の両肩で、それに連ら
なる一対のサイド部とサイド部の内周にそれぞれ形成し
た一対のビード部をそなえ、タイヤの半径方向にコード
を配列してなるカーカス層、及びカーカス層を取巻くベ
ルト層より構成されている。
前記カーカス層、ベルト層はビード部と共にタイヤの
強度を保持する重要な役割をもっている。
そして、一般的に、ベルト層はタイヤ周方向に対しコ
ードを10°〜30°に配列した2層以上のプライから成
り、また、カーカス層はタイヤ周方向に対しほぼ90°に
配列された1層または2層のプライから形成されてい
る。
ラジアルタイヤの特徴は、前記ベルト層、カーカス層
にある。カーカス層はタイヤに柔軟性を与え、ベルト層
はカーカス層を拘束し、それは、あたかも桶の“タガ”
のような役割をもっている。このベルト層により、トレ
ッド踏面部がかためられるため、トレッド踏面部の動き
が押さえられ、前記良好なタイヤ特性が得られる。
昭和48年のオイルショック以来、省エネルギーが叫ば
れ、自動車においてもその低燃費性は大きな車両特性と
なり、従来タイヤに比べ、良好なタイヤ特性をもつラジ
アル・プライ・タイヤにおいても様々な角度から改善が
要求されている。
自動車における低燃費性は、エンジンの熱効率を向上
させることと、いかに走行抵抗を低減化させることがで
きるかによる。
自動車にとって重要部品の一つであるタイヤは、走行
抵抗に大きく影響するもので、前記低燃費化の一翼をに
なうものである。
この車両の走行抵抗は、一般に、各軸受摩擦などの
機械的損失に起因する転動抵抗、空気抵抗、勾配抵
抗、加速抵抗、およびタイヤ転動抵抗、と大別する
ことができる。このうち前記のタイヤ転動抵抗の占め
る割合は、車両の速度によって変化するが、空気抵抗の
小さい100km/h以下の速度域では50%以上に達すると言
われている。
タイヤの転動抵抗は更にそのメカニズムから分析する
と、(a)ヒステリシス・ロス、(b)摩擦抵抗、
(c)空気抵抗に分けられ、このうち前記ヒステリシス
・ロスはタイヤ転動抵抗の90%以上を占めると言われて
いる。
このヒステリシス・ロスを低減させることが、前記タ
イヤ転動抵抗を低減化するのに極めて有効であることは
言うまでもない。
そして、このヒステリシス・ロスによって生ずる転動
抵抗は、次式によって表わされることが一般的に知られ
ている。
転動抵抗=H/2πr ここで、 H=ΣUi・sinδ・Vi r=タイヤ半径 Ui:タイヤ各部の歪エネルギー sinδ:タイヤ各部のエネルギー損失量 Vi:タイヤ各部の体積 これから、ヒステリシス・ロスを小さくする要因をタ
イヤ半経を一定として考えると、ヒステリシス・ロスは
Ui、sinδ、Viに影響を受けることがわかる。
Uiは、タイヤ形状、その他、外的要因によって影響を
受け易く、また、それを定量的に把握することはむずか
しい。このため、ヒステリシス・ロスを小さくする手段
として、現在、一般的に用いられているのはsinδ、Vi
を小さくする方法が取られている。
これまでにsinδ、Viを小さくする方法として取られ
てきたのはsinδについては低発熱トレッド、コンパウ
ンドの採用、また、タイヤのベルト層の剛性を高める事
により踏面の変形を小さくしエネルギー損失を小さくす
る方法、また、Viについては各部材の軽量化である。ト
レッドコンパウンドを低発熱化すると、湿潤路特性が低
下し、ウェット路面に於ける安全性が低下し、安易にこ
の方法を取ることができない。また、タイヤのベルト層
の剛性を高くする方法は、乗心地が悪化する為、限度が
ある。
また、各部材の軽量化は効果があるが、しかし、単純
に各部材の重量を軽減するだけでは、耐久性が低下する
だけでなく、タイヤの基本性能が低下してしまうので、
現行、基本性能を維持し、各部材を軽量化することはむ
ずかしいことは周知の事実である。これらのむずかしい
条件の中で、タイヤの軽量化を計るには、従来の材料に
匹敵する特性をもつ新材料で、しかも、軽量な新材料が
要求されていた。
現在、一般に用いられているラジアルタイヤのうち乗
用車用ラジアル・プライ・タイヤの構造は、タイヤ周方
向に対し、コードをほぼ90°に配列したカーカス層とタ
イヤ周方向に対しコードを15°〜30°に配列したベルト
層より構成されている。
そして、カーカス部材としては、ナイロン、ポリエス
テル等の有機繊維コードが用いられている。ベルト層に
は、スチールコードが主として用いられている。
スチールコードは初期モジュラスが前記有機繊維コー
ドより大きく、このため、ベルト層の剛性が高められ、
前記乗用車用ラジアル・プライ・タイヤの優れた特性を
保持する上で重要な材料となっている。
しかし、一方、スチールコードは重量当りの引張強さ
が極めて低いので、タイヤ重量、特にベルト層の重量が
大きくなり、このためスチール・ベルトの重量はタイヤ
全体の重量の15〜17%を占めている。
即ち、ベルト層の重量を如何に低減するかと言うこと
が、タイヤ転動抵抗を減らす上に重要となっている。
軽量化という面で考えれば、ベルト材として前記有機
繊維コードがあるが、これらは引張弾性率がスチールコ
ードより低いため、ベルト層の剛性が不足し、操縦安定
性、耐摩耗性が低下し、また、高温時のモジュラス低下
により、高速走行時の耐久性が悪くなり、スチールコー
ドの代用として使用できない。従って、スチールコード
に代りうる軽量かつ高強度、高弾性な繊維素材の開発が
望まれていた。
近年、有機繊維材料の中でも比較的引張弾性率の高い
アラミド繊維をタイヤベルト材に用いることでタイヤの
軽量化を図り、転動抵抗を低減させるとともに、ベルト
材の軽量化により高速走行時の遠心力を低減させ、高速
耐久性の向上や乗心地性の向上をはかる試みがなされて
いる。このアラミド繊維の代表的なものとして、ポリ−
P−フェニレンテレフタルアミド鎖を主成分とするデュ
ボン社製ケプラー や帝人社製テクノーラ が挙げられ
る。これらのアラミド繊維は引張強度が約280kg/mm2
スチールと同等の強度であり、引張弾性率は約6000kg/m
m2、また、比重は1.4〜1.5のレベルにある。このような
アラミド繊維をラジアルタイヤのベルト層に用いた例
は、「ポリマーの友」21(5)292(1984)、特開昭59
−75805号公報等でいくつか開示されている。
しかしながら、上述の如く、これらアラミド繊維の引
張弾性率は、スチールの約18000kg/mm2に対しては大幅
に低く、飛躍的なタイヤ性能の向上が得られていないの
が現状である。最近では、これらアラミド繊維の中でも
引張弾性率が10000kg/mm2〜20000kg/mm2とスチールに匹
敵するものが開発されている。このような高弾性アラミ
ド繊維としては、デュポン社製のケブラー49 、ケブラ
ー149 が代表的なものである。これら高弾性アラミド
繊維は、航空宇宙関連のFRP用として主に用いられてい
るものである。これら高弾性アラミド繊維がタイヤのベ
ルト層に従来用いられなかったのは、下記の理由からで
ある。高価格である。引張弾性率は極めて高いが圧
縮強度は従来の低弾性アラミド繊維と比較しやや劣る。
破断伸度が低く、大変形下で使用されるタイヤにおい
て耐疲労性が悪い。引張弾性率は極めて高いが繊維故
に曲げ剛性が低い。耐疲労性を改善する目的で撚りコ
ードとした場合、引張弾性率の低下が著しい。
これらの諸問題を解決して高弾性アラミド繊維を有効
に利用すれば、タイヤのベルト層の軽量化およびベルト
層の周方向の引張剛性の向上により、転動抵抗のさらな
る低減とタイヤ高速耐久性の向上、操縦安定性の向上が
期待できる。本発明者は、種々の検討の結果、引張弾性
率が10000kg/mm2以上の特性を有する高弾性アラミド繊
維をラジアルタイヤのベルト層として最適化することで
従来の所謂低弾性アラミド繊維をベルト層に用いたタイ
ヤに比較し、耐久性を維持しながら優れた転動抵抗性と
高速耐久性、操縦安定性を有するタイヤを提供出来るこ
とを見い出した。
〔発明の目的〕
本発明は、転動抵抗を減少させると共に高速性、耐久
性、操縦安定性を向上せしめた空気入りラジアルタイヤ
を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
上記目的を達成するために、本発明は、ポリ−p−フ
ェニレンテレフタルアミドからなる引張弾性率が10000k
g/mm2以上、引張強度250kg/mm2以上の高弾性アラミド繊
維に下記式で表わされる撚り係数Kが1000〜2200の範囲
の撚りを付与してコードとなし、これを接着剤を付与し
た後に乾燥熱処理後、1.5〜2.0g/dの張力下で180℃〜25
0℃の温度で熱処理して動的弾性率が7.0〜13.0MPaのゴ
ムに埋設し、厚さが前記コードの径の1.5〜2.8倍のシー
ト状物となし、このシート状物を少なくとも1層のベル
ト層として用いることを特徴とする空気入りラジアルタ
イヤを要旨とする。
K:撚り係数 T:撚り数(T/10cm) D:コードの総デニール数 以下、本発明の構成につき詳しく説明する。
本発明で用いられる高弾性アラミド繊維とは、基本的
にポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(p−フェニ
レンジアミンとテレフタル酸から得られるポリアミドか
らなる繊維で、引張強度が250kg/mm2以上、引張弾性率
が10000kg/mm2以上の特性を有するものである。この高
弾性アラミド繊維として現在市販されているものには、
デュポン社製ケブラー49 とケブラー149 がある。ケ
ブラー49 は、引張強度が約280kg/mm2、引張弾性率が
約13000kg/mm2である。ケブラー149 は、引張強度が約
270kg/mm2、引張弾性率が約19000kg/mm2の特性を有して
いる。従来のアラミド繊維、例えば、デュポン社製ケブ
ラー の引張強度約280kg/mm2、引張弾性率が約6000kg/
mm2に比較し、引張弾性率が約2〜3倍高い。
しかし、これら高弾性アラミド繊維は、従来の低弾性
アラミド繊維に比較し、前述のように伸度が低く、また
分子がより剛直なために耐屈曲疲労性が悪い。したがっ
て、タイヤの補強に用いるには、適切な撚りを付与して
やる必要がある。即ち、下記式で表わされる撚り係数K
が1000〜2200の範囲にある撚りを付与してコードとす
る。ここでKが1000未満であるとコードの収束性が低下
し、接着性が低下し、また、屈曲疲労抵抗性も低下し、
タイヤの耐久性も低下する。一方、Kが2200超の場合、
特にこのような高弾性繊維においては弾性率の低下がよ
り著しく、従来の低弾性アラミド繊維に近い弾性率とな
ってしまう結果、転動抵抗の低減や操縦安定性の向上が
はかれない。
K:撚り係数 T:撚り数(回/10cm) D:コードの総デニール数 このようにして得られたコードには、接着剤を付与し
た後に乾操熱処理後、0.8g/d以上の張力で熱処理を施
す。ここで、接着剤の付与は撚りコードにする前に施し
てもよいが0.8g/d以上の張力下での熱処理はコードにし
てから行なうことが必須である。この熱処理温度は180
〜250℃が好ましい。熱処理時に与える張力が0.8g/d以
上としたのは、張力が0.8g/d未満の場合には撚りを付与
した結果として生ずる撚りによる応力負荷時の構造伸び
を充分に抑えることができないために、高弾性アラミド
繊維を用いたといえどもその弾性を有効に利用すること
ができないからである。ここでの張力は、1.0〜2.0g/d
の範囲、さらには1.5〜2.0g/dの範囲がそのような観点
でより好ましい。張力があまりにも高いと処理時のコー
ド切断や、繊維フィラメントの損傷が生ずる。
このようにして得られた接着処理済コードは、動的弾
性率が7.0〜13.0MPaの範囲にあるゴムに埋設される。動
的弾性率が7.0MPa未満の場合、高弾性アラミド繊維を用
いても充分なベルト層の剛性が得られない結果、操縦安
定性や高速性の改善がはかれない。一方、13.0MPa超の
場合、ゴムの発熱が大きくなり、発熱に起因するタイヤ
の高速性の低下を招く。このような観点から、ゴムの動
的弾性率としては9.0〜11.0MPaがより好ましい。なお、
ここで用いるゴムは、天然ゴム、スチレン−ブタジエン
共重合体ゴム(SBR)などのゴムにカーボンブラック等
の添加剤を配合したゴム組成物である。
本発明では、このようにコードをゴムに埋設して厚さ
が該コードの径の1.5〜2.8倍のシート状物となし、この
シート状物を少なくとも1層のベルト層として用いるの
である。ここで、コード径の1.5倍未満の厚さの場合、
ベルト剛性は上昇するがベルトコードの耐疲労性が極め
て低下し、タイヤの耐久性が悪化する。特に、本発明で
用いる高弾性アラミド繊維は、低弾性アラミド繊維に比
較して分子がより剛直故に耐疲労性に劣るので、ベルト
層の厚さをコード径の1.5倍以上にすることがタイヤ耐
久性を確保する上で必須である。一方、厚さを2.8倍超
にした場合、ベルト剛性が大幅に低下し、高弾性アラミ
ド繊維の利点を享受できない。以上のような観点から、
ベルト層一層の厚さは、コード径の1.8〜2.4倍がより好
ましい。
以下に実施例を示す。
〔実施例〕
本発明の空気入りラジアルタイヤのベルト層に用いる
高弾性アラミド繊維としてポリ−P−フェニレンテレフ
タルアミドを主成分とするデュポン社製ケブラー49
ケブラー149 を用い、比較として従来の低弾性アラミ
ド繊維としては同じくデュポン社製ケブラー を用い
た。
これらの繊維の原糸特性を表1に示す。
次いで表2に示すようにこれらの繊維に特定の撚りを
付与し、接着剤を塗布した後、乾燥熱処理し、さらに特
定の張力下で熱処理を施し、特定の動的弾性率のゴムに
埋設し、特定の厚さを有するベルト層を作製した。
このベルト層を用い、空気入りラジアルタイヤを製造
し、転動抵抗、高速耐久性、耐久性および操縦安定性を
評価した。この結果を表2に示す。
タイヤの仕様および評価方法は下記の通りである。
<タイヤ仕様> タイヤサイズ;205/60R15。タイヤ構造;ベルト層:表
2に示すコードを5cm当り55本の打ち込み本数で所定の
ゴムに所定厚さとなるように埋設したものを用いた。ベ
ルトの構造はコード角度がタイヤ周方向に対し20°とな
るようにカーカス層側にベルト層を配置し、その左右両
端をトレッド部側に折り曲げ、さらにこの各折曲部によ
ってトレッド部側ベルト層(カーカス層側ベルト層に交
差してなるタイヤ周方向に対し20°のコード角度を有す
る)の左右両端を被覆した所謂フォールデッドベルト構
造とした。
カーカス層;1000d/2ポリエステルコードを50本/5cmの
打込み数で、コード角度がタイヤ周方向に対し90°とな
るようにし、これを二層配置した。
第1図(A),(B)にタイヤ構造を示す。これらの
図において、左右一対のビードワイヤ3,3間にカーカス
層4が装架されており、トレッド1においてはカーカス
層4の上にベルト層5がタイヤ周方向EE′に環状に配置
されている。第1図(A)においては、第1図(B)に
示すように、下側ベルト層5dの両端部は上方に折り曲げ
られて折り返され、上側ベルト層5uの両端を覆ってい
る。2はサイドウォールである。
<タイヤ評価方法> 1.転動抵抗。
転動抵抗は、タイヤをドラム上で周速150km/hrで回転
させ、その後、ドラムを随行運転させ、ドラムの減衰速
度と時間の関係からタイヤとドラムの転がり抵抗を算出
し、無負荷時のドラムの回転抵抗を差し引いてタイヤ転
動抵抗とした。結果は指数で表わす(指数小が良い)。
2.高速耐久性。
JIS D 4320に準拠し、タイヤが破壊するまでの走行距
離を指数で表示した(指数大が良い)。
3.耐久性。
車にタイヤを装着し、アスファルト路面上で8の字旋
回を1000回行なった後にタイヤベルト部を取り出し、ベ
ルトコードの破断の有無を目視にて調査し、コード破断
の大のもの、中のもの、小のものをそれぞれ×、△、○
で表わした。
4.操縦安定性。
車にタイヤを装着し、テストドライバーによるフィー
リング評価を行った。フィーリング評価結果は、基準タ
イヤを100点とし、指数で表示した(指数大が良い)。
表2は比較6のタイヤを基準に評価した結果である。
発明2および比較1、比較6、比較7を比べると明らか
なように、高弾性アラミド繊維を用いた場合、熱処理時
の張力が低いと繊維の本来もつ高弾性が有効に利用され
ない結果、低弾性アラミド繊維を用いたタイヤとほとん
ど差のないタイヤ性能となる。
発明1、2および比較2、比較6、比較8を比べる
と、従来の低弾性アラミド繊維を用いた場合、コートゴ
ムの動的弾性率が低くても僅かに転動抵抗、操縦安定性
が低下するにとどまるのに対し、高弾性アラミド繊維を
用いた場合では、大きく低下し、低弾性アラミド繊維を
用いたタイヤとほとんど同じタイヤ性能となる。また、
同様に、動的弾性率が高すぎると、高弾性アラミド繊維
をベルトに用いた場合、耐久性が悪化傾向にあり、ま
た、ベルト層の発熱により期待されるほどの高速耐久性
が得られない(発明2、比較3、比較6、比較9)。コ
ード径とコートゴム厚さの比は、高弾性アラミド繊維を
用いた場合、小さすぎるとゴム量が低減できる結果、転
動抵抗が低減するが耐久性は大幅に悪化する。
操縦安定性も期待されるほど向上していない。これ
は、ベルト剛性は上がり、コーナリングパワーは大きく
なるが、剛性が大きすぎ、応答性が悪化したためと考え
られる。一方、低弾性アラミド繊維では、転動抵抗や操
縦安定性は僅かに良くなるが、むしろ高速耐久性がやや
低下する(発明2、比較4、比較6、比較10)。コード
径とコートゴム厚さの比が大きすぎると、耐久性を除い
てほとんど改良が得られないか、差のない結果である
(発明2、比較5、比較6、比較11)。発明1はさら
に、高弾性のアラミド繊維を用いた例であるが、発明2
と同様に優れた性能を示している。
以上のように、高弾性アラミド繊維をラジアルタイヤ
のベルト層に用い、その高弾性のメリットをタイヤ特性
で享受するためには、本発明で示したようなコードの張
力、コートゴムの動的弾性率、コード径とコートゴム厚
さの比を最適化することが必須である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、高弾性アラミド繊維をラジアル
タイヤのベルト層に用いた場合、本発明のベルト層とし
ての最適化を行なうことで、耐久性を保持しながら高弾
性アラミドの弾性を有効に利用でき、従来の低弾性アラ
ミド繊維をベルト層に用いたタイヤに比較し、優れた転
動抵抗性、高速耐久性、操縦安定性を有するタイヤを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)はタイヤの一部切欠き半断面斜視説明図、
第1図(B)は第1図(A)におけるベルト層の構造を
示す断面説明図、第2図はシート状物の厚さDとコード
径dを示す断面説明図である。 1……トレッド、2……サイドウォール、3……ビード
ワイヤ、4……カーカス層、5……ベルト層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ−P−フェニレンテレフタルアミドか
    らなる引張弾性率が10000kg/mm2以上、引張強度250kg/m
    m2以上の高弾性アラミド繊維に下記式で表わされる撚り
    係数Kが1000〜2200の範囲の撚りを付与してコードとな
    し、これを接着剤を付与した後に乾燥熱処理後、1.5〜
    2.0g/dの張力下で180℃〜250℃の温度で熱処理して動的
    弾性率が7.0〜13.0MPaのゴムに埋設し、厚さが前記コー
    ドの径の1.5〜2.8倍のシート状物となし、このシート状
    物を少なくとも1層のベルト層として用いることを特徴
    とする空気入りラジアルタイヤ。 K:撚り係数 T:撚り数(T/10cm) D:コードの総デニール数
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