JP2899656B2 - 棒状スポット吸収材 - Google Patents

棒状スポット吸収材

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は外科手術時における局所的な出血を吸収・
除去するための棒状スポット吸収材に関する。
(従来の技術) 従来、外科手術時における局所的な出血を吸収・除去
することを目的として、綿ガーゼを棒状に成形したもの
が使用されているが、棒状に成形するのに手間がかかる
上、施術者の手に吸収血液が付着するという問題点があ
った。又、施術後、その綿ガーゼを患者の体内に置き忘
れるという事故を起こす危険性の指摘されていた。
(発明が解決しようとする課題) 一方、特開昭63−92346号、特開昭63−132654号、実
開昭63−88315号、実開昭59−167520号、実開昭54−422
24号各公報等には棒状の吸収材が提案されているが、い
ずれも棒状体端面のみではなく、棒体側面より吸液する
構造のものであり、施術者の手に吸収血液等が付着する
という問題点が解決されていなかった。
また、実開昭63−88316号、実開昭59−21778号各公報
には被覆材の一部に難透水性フィルム等を使用するとい
う提案があるものの、吸収材の側面より吸液する構造で
あることは変わらず、上記問題点は解決されていない。
この発明は、外科手術等における局所的な出血やその
他体液等をすみやかに吸収・除去し、かつ施術者が吸収
血液等による付着汚染を受けることを防止することので
きるスポット吸収材を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 一方向に引揃えられた捲縮長繊維集合体の長手方向の
外周に略一周、JISP8137の撥水度でR7以上の非透水性テ
ープが巻回され、その非透水性テープの重ね合わせ部が
水不溶性糊剤で接合され、連続棒状体となったものを所
定長に切断されてなるものであり、更に捲縮長繊維集合
体内部又は、上記集合体と非透水性テープ間にX線造影
糸を配置してなるものである。
(作用) この発明は上記構成をもち、その液滴の吸収原理は吸
収材内部にほぼ一方向に配列された繊維群により構成さ
れた空間に棒状吸収材端面から、毛細管現象で液滴が吸
液されるものであり、繊維が捲縮繊維であることにより
液滴の保持空間体積を効率的に確保することができ、又
繊維が長繊維であることにより吸収材から繊維の脱落の
ない、即ちリントフリーのものとなる。
この繊維集合体を形成する捲縮長繊維としては、レー
ヨン、ポリプロピレン、ポリエステル等の長繊維に公知
の捲縮付与手段を用いて捲縮を付与したものを使用する
ことができるが、安全性の点でアセテートの捲縮長繊維
が極めて好ましく使用される。
又、施術者の手等に吸収血液が付着して汚染すること
を防止するため、この発明の吸収材の長手方向の側外周
面に配置される非透水性テープとして、非透水性のある
単独あるいは複合化したフィルムテープや撥水性を付与
した紙テープを使用することもできるが、接着時の形態
安定性や内蔵器や脳表面への接触、損傷を考慮した場
合、不織布テープで非透水性を有するものが好ましく、
繊維基質自体が極めて疎水性であるポリプロピレン不織
布テープのうち非透水性を持つものが好適である。ここ
で、非透水性とは、実質的に水の透過のないもので、JI
SP8137の撥水度でR7以上のものをいう。そして、テープ
重ね合わせ部を接合する糊剤としは短時間での使用時に
おいては、でんぷん糊や酢酸ビニルエマルジョン糊等水
溶性のものも使用できるが、この発明においては吸水時
の安定性及び液中への不溶出等の面で水不溶性糊剤を用
い、エチレン/酢酸ビニル共重合体系のホットメルト糊
剤が取扱い性の点で好ましい。
更に、施術後、患者の体内に万一置き忘れた場合を考
慮して、この発明の吸収材の捲縮長繊維集合体の内部又
は捲縮長繊維集合体と非透水性テープの間に、X線で容
易に検出可能とするため、硫酸バリウム等の造影物質を
練り込み、被覆等により含有させた糸をX線造影糸とし
て配置させることは極めて好ましいである。又、この発
明の吸収材の長さは、エンピツタッチで容易に取扱うこ
とができるよう50〜150mmのものが望ましい。そして、
施術部への吸収材からの構成繊維の脱落が無く、局所的
な出血等をエンピツタッチで吸収材の端面から容易に吸
収除去すると共に、施術者への吸収血液等の付着のない
棒状の吸収材とすることができ、又体内に在留した場合
には、容易に検出することができるものである。
(実施例) 以上、この発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例1 第1図にこの発明の実施例の棒状スポット吸収材の側
断面図を示す、第2図にその長さ方向に垂直な断面図を
示した。図中(1)は非透水性テープであり、捲縮長繊
維集合体(2)の長手方向外周を略一周巻回される。
この捲縮長繊維集合体(2)は、2.5cmあたり20個の
捲縮を有する単繊維度3デニール、単繊維断面形状Y
型、トータルデニールが54000デニールのアセテート長
繊維捲縮トウを使用した。
この捲縮長繊維集合体(捲縮トウ)(2)を一般的に
シガレットフィルタ製造位置を用い、均一に開繊処理し
た後、硫酸バリウムを61重量%含有する直径0.65mmのX
線造影糸(4)(ロニイ社製)と共に円棒状に収束し、
その外周に坪量2.5g/m2、撥水度R9、巾32mmの特に非透
水性の高い(JISP8137の撥水度でR7以上)ポリプロピレ
ンスパンポンド不織布よりなる非透水性テープ(1)を
ほぼ一周巻回し、その重ね合せ部をエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体系のホットメルト糊材である水不溶性糊材
(3)により接合し、連続する棒状体とした後100mmの
長さに切断して、棒状スポット吸収材を得た。
この棒状スポット吸収材の直径は10mm、重量は1.0g/
本であり、5mmの深さに着色水を入れたシャーレに吸収
材を垂直に立ててその端面よりの吸水能力を測定したと
ころ、1分間で40gの水を吸水し、これを指で持ち上げ
ても指への着色は無く、吸収材の側面からの透水も無か
った。
実施例2 X線造影糸(4)を実施例1の捲縮トウ(2)を円棒
状に収束する際にテープに沿わせて捲縮トウ(2)とテ
ープ(1)の間に第3図に示すように挿入する以外は、
実施例1と同じ構成材料で、棒状スポット吸収材を製造
し、その吸水能力を測定したところ、実施例と同じ結果
を有する吸収材が得られた。
(発明の効果) この発明の棒状スポット吸収材は吸水能力に優れたも
のであり、エチレンオキサイドガスで減菌処理したもの
を外科医の実際の使用においてもスポット的な出血の吸
収除去に大きな効果が認められ、かつ施術者の手等を汚
染することのない取扱い使用性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例1の棒状スポット吸収材の
側断面図、第2図、第3図は、各々X線造影糸の配置の
異なる、この発明の吸収材の拡大断面図である。 1……非透水性テープ、2……捲縮長繊維集合体、3…
…水不溶性糊剤 4……X線造影糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−92346(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61F 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向に配列された捲縮長繊維集合体の長
    手方向の外周に略一周、JISP8137の撥水度でR7以上であ
    る非透水性テープが巻回され、その非透水性テープの重
    ね合わせ部が水不溶性糊剤で接合されて所定長に切断さ
    れてなる棒状スポット吸収材。
  2. 【請求項2】捲縮繊維集合体と非透水性テープの間にX
    線造影糸が配置されている請求項(1)記載の棒状スポ
    ット吸収材。
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