JP2898619B1 - 温度補正機能付膜式ガスメータ - Google Patents

温度補正機能付膜式ガスメータ

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JP2898619B1
JP2898619B1 JP10009803A JP980398A JP2898619B1 JP 2898619 B1 JP2898619 B1 JP 2898619B1 JP 10009803 A JP10009803 A JP 10009803A JP 980398 A JP980398 A JP 980398A JP 2898619 B1 JP2898619 B1 JP 2898619B1
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Abstract

【要約】 【課題】 家庭用膜式ガスメータのガス使用量を高精度
に計量する。 【解決手段】 第1計量空間28aには、第1計量膜2
6aが往復変位可能に設けられており、第1計量膜26
aには、磁石64が連結されている。変位検出センサ6
5は、磁石64の接近ごとに第1計量膜26aの変位検
出信号を発生し、温度センサ63はガスの温度を検出す
る。マイコン56には、温度によって発生するガスの体
積の機械的な計量誤差が予め求められて記憶されてい
る。マイコン56は、変位検出信号に応じてガスの体積
を求め、温度センサ63の出力に応答してボイル・シャ
ールの法則および前記機械的な計量誤差に基づいて前記
求めたガスの体積を補正する。計量膜の低温での硬化な
ど機械的な計量誤差を考慮した温度補正によって、ガス
の使用量が高精度に計量される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用のガス使用
量の計量に用いられる温度補正機能付膜式ガスメータに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から家庭用のガス使用量の計量に
は、膜式ガスメータが使用されている。図11は、従来
の膜式ガスメータの概略構成を示す模式図である。膜式
ガスメータ1のハウジング3には、一対の計量空間4が
形成されており、各計量空間4内には計量空間4を2つ
の計量室5a,5bに仕切る計量膜7が設けられてい
る。各計量室5a,5bは、ガス流路8を介してガス供
給口9およびガス排出口10と連通しており、ガス流路
8にはガス流路8を開閉する弁体11が設けられてい
る。ガスの消費によって、2つの計量室5a,5b内の
ガス圧力に圧力差が生じると計量膜7は、圧力の低い計
量室に向かって変位する。計量膜7の変位は、図示しな
いクランク機構を介して弁体11に伝えられ、弁体11
は計量膜7が計量空間4内を繰返して往復変位するよう
にガス流路8を開閉する。これによって、ガス供給口9
から供給されたガスは、計量空間4を通過してガス排出
口10から排出される。また計量膜7の変位は、図示し
ない計数表示器に伝えられ、計量空間4を通過したガス
の体積の積算値が表示される。なお家庭用に供給される
ガスの圧力は、たとえば大気圧+200mmH2Oであ
る。
【0003】一方、工業用のガス使用量の計量には、主
として羽根車式ガスメータが使用されている。羽根車式
ガスメータは、複数の羽根を持った回転体がガス流路に
設けられ、ガスの運動エネルギによって羽根車を回転さ
せるように構成されている。羽根車の回転は羽根車の軸
から歯車列を経て計数表示器に伝えられ、ガス流路を通
過したガスの体積の積算値が表示される。なお工業用に
供給されるガスの圧力は、たとえば大気圧+10,00
0mmH2Oである。
【0004】通常ガス料金は、予め定める基準圧力およ
び基準温度から成る基準状態におけるガス使用量に基づ
いて設定されている。前記基準圧力は、たとえば大気圧
であり、前記基準温度は、たとえば20℃である。前述
のように、工業用に供給されるガスの圧力は非常に高圧
であり、大気圧の約2倍に達する。したがって、計量さ
れたガスの体積と基準状態におけるガスの体積との間に
は大きな差があり、料金算定に不具合が生じる。このた
め、工業用のガス使用量の計量においては、計量された
ガスの体積がボイル・シャールの法則に基づいて基準状
態におけるガスの体積に補正され、補正された補正ガス
体積が積算され、前記求めた補正積算値が料金算定用の
ガス使用量として用いられている。
【0005】これに対して、家庭用に供給されるガスの
圧力は大気圧に近い圧力であり、工業用に比べて非常に
低い。したがって計量されたガスの体積と基準状態にお
けるガスの体積との差が工業用に比べて非常に小さく、
補正をしなくても料金算定に不具合が生じない。このた
め、家庭用のガス使用量の計量においては、計量された
ガスの体積が補正されないでそのまま積算され、前記求
めた積算値が料金算定用のガス使用量として用いられて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、家庭用
のガス使用量の計量においては補正をしなくても料金算
定に必要な精度が得られるので、計量されたガスの体積
の補正は行われない。しかしながら、より正確な計量を
行うことは必要であり、将来的にはそのような家庭用ガ
スメータの採用が期待される。通常、家庭用の膜式ガス
メータは屋外に設置されることが多く、この場合には季
節によって数十度の温度変動があるばかりでなく、1日
のうちでも同様の温度差を生じることがある。したがっ
て、従来よりもさらに正確な計量を行うには、温度補正
を行う必要がある。本発明者らは、前記温度補正につい
て詳細な研究を行った結果、次のような知見を得ること
ができた。
【0007】(1)ボイル・シャールの法則に基づいて
計量ガス体積を温度補正すれば、家庭用膜式ガスメータ
の計量精度を向上することができる。しかしながら、前
記補正を行っても計量誤差が若干残存する。 (2)前記補正後に残存する計量誤差は、計量膜などの
機械抵抗の温度依存性に基づくものであり、さらに計量
精度を高めるには前記機械的な計量誤差を補正すること
が必要である。
【0008】本発明は、前記知見に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は、家庭用のガス使用量を周囲
温度に拘わらず高精度に計量することのできる温度補正
機能付膜式ガスメータを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス供給口と
ガス排出口とを有し、かつ一対の計量空間が形成されて
おり、さらにガス供給口、各計量空間およびガス排出口
を連通するガス流路が形成されているハウジングと、各
計量空間内にそれぞれ設けられ、各計量空間を2つの計
量室に仕切り、計量室間のガスの圧力差によって各計量
空間内を往復変位する計量膜と、計量膜の変位に応じて
ガス流路を開閉し、各計量室にガスを分配するガス分配
手段と、ガスの温度を検出する温度検出手段と、計量膜
が計量空間内を往復変位するごとに変位検出信号を発生
する変位検出手段と、変位検出手段の出力に基づいて計
量空間を通過したガスの体積を求め、温度検出手段の出
力に基づいて前記求めたガスの体積を補正して補正ガス
体積を求め、前記求めた補正ガス体積を積算して補正積
算値を求め、少なくとも前記求めた補正積算値を信号と
して出力する演算手段と、演算手段の出力に基づいて出
力信号に対応する数値を表示する表示手段とを含み、前
記演算手段は、前記求めたガスの体積を積算して非補正
積算値を求め、前記求めた補正積算値および前記求めた
非補正積算値のいずれか一方を選択的に出力することを
特徴とする温度補正機能付膜式ガスメータである。
【0010】本発明に従えば、温度検出手段はガス温度
を検出し、変位検出手段は計量膜の変位検出信号を発生
する。また演算手段は、変位検出信号に基づいてガスの
体積を求め、検出ガス温度に基づいて前記求めたガスの
体積を補正し、補正ガス体積を積算して補正積算値を信
号として出力する。さらに表示手段は、補正積算値を表
示する。これによって、検出したガスの温度に基づいて
ガスの体積が計量誤差を打ち消すように補正されるの
で、従来よりも正確な計量を行うことができる。また温
度補正は、ボイル・シャールの法則に基づく補正に止ま
らず、温度変動に伴う全ての計量誤差を対象として行う
ことができるので、ボイル・シャールの法則に基づく補
正のみが行われる場合よりも計量精度をさらに向上させ
ることができる。
【0011】
【0012】また、常時補正積算値を出力し、選択によ
って非補正積算値を出力することができるので、ガスの
使用量に関する適確な情報を迅速、かつ確実に把握する
ことができる。
【0013】また本発明の前記演算手段による補正ガス
体積の算出は、温度によって発生するガスの体積の機械
的な計量誤差を予め求め、ボイル・シャールの法則およ
び前記求めた機械的な計量誤差に基づいて行われること
を特徴とする。
【0014】本発明に従えば、ガスの体積の補正がボイ
ル・シャールの法則に基づいて行われるばかりでなく、
温度によって発生するガスの体積の機械的な計量誤差に
基づいて行われるので、温度が低温になるほど計量膜が
硬化して弾性の低下をきたしても、機械的な変形抵抗の
増大に伴う計量誤差が打ち消される。したがって、機械
的な計量誤差を考慮していない膜式ガスメータよりも計
量精度を向上させることができる。
【0015】また本発明の前記変位検出手段は、計量膜
に連結され、計量膜の変位に応じて変位する永久磁石片
と、計量空間の外方にハウジングの側壁を挟んで永久磁
石片と対向して設けられ、永久磁石片の接近に応じて計
量膜の変位検出信号を発生する変位検出センサとを含ん
で構成されることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、変位検出手段の永久磁石
片は計量膜に連結され、計量膜の変位に応じて変位し、
変位検出センサは、計量空間の外方に永久磁石片と対向
して設けられ、永久磁石片の接近に応じて計量膜の変位
検出信号を発生する。これによって、計量膜の変位に追
随して永久磁石片が変位検出センサに近接/離反するの
で、変位検出センサは計量膜の変位を検出して変位検出
信号を発生することができる。また計量膜の変位は、計
量空間を通過するガスの体積に比例するので、変位検出
手段は簡単な構成でガスの体積を表す信号を発生するこ
とができる。
【0017】また本発明は、計量膜の変位に応じて回転
する複数の表示リールを有し、前記表示リールによって
計量空間を通過したガスの体積の積算値を表示する計数
表示手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、ガス使用量を機械的に表
示する計数表示手段が設けられているので、ガス使用量
を電気的に表示する表示手段に不具合が生じてもガスの
使用量を確実に表示することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る温度補正機能付膜式ガスメータの構成を簡略化して示
す正面図であり、図2は図1に示す温度補正機能付膜式
ガスメータの側面図である。温度補正機能付膜式ガスメ
ータ14は、家庭用のガス使用量の計量に用いられるガ
スメータであり、ガスメータ本体15と、温度補正装置
16と、計数表示手段である計数カウンタ17とを含ん
で構成される。ガスメータ本体15は、ガスの計量容器
であり、内部空間をガスが通過する。ガスメータ本体1
5のハウジング19は、上部ハウジング20と、下部ハ
ウジング21とから成り、上部ハウジング20の上部に
は、ガス供給口23と、ガス排出口24とが形成されて
いる。温度補正装置16は、下部ハウジング21の前面
(図2の左側)に設けられ、計量ガス体積を温度補正し
てガス使用量を電気的に表示する。計数カウンタ17
は、上部ハウジング20の前面に設けられ、ガス使用量
を機械的に表示する。なお、ガスメータ本体15、温度
補正装置16および計数カウンタ17の構成については
後述する。
【0020】図3は図2に示すガスメータ本体15の構
成を簡略化して示す正面図であり、図4は図3に示すガ
スメータ本体15の側面図であり、図5は図3に示すガ
スメータ本体15の平面図である。ガスメータ本体15
は、ハウジング19と、第1および第2計量膜26a,
26bと、ガス分配装置27とを含んで構成される。ハ
ウジング19の下部ハウジング21には、第1計量空間
28aおよび第2計量空間28bが対をなして形成され
ており、各計量空間28a,28bには、第1および第
2計量膜26a,26bがそれぞれ設けられている。こ
れによって、第1計量空間28aは、第1計量室29と
第2計量室30とに仕切られ、第2計量空間28bは、
第3計量室31と、第4計量室32とに仕切られる。な
お、以後第1計量膜26aおよび第2計量膜26bを総
称するときには計量膜26と呼ぶ。
【0021】ハウジング19の上部ハウジング20に
は、第1弁座33aおよび第2弁座33bが第1計量空
間28aおよび第2計量空間28bの上方にそれぞれ形
成されており、各弁座33a,33bには第1ガス流路
34a,34b、第2ガス流路35a,35bおよび第
3ガス流路36a,36bがそれぞれ形成されている。
なお図4には、添字bを付したガス流路のみを図示して
おり、添字aを付したガス流路は図示していない。第1
ガス流路34a,34bは、第1計量室29および第3
計量室31にそれぞれ連通しており、第2ガス流路35
a,35bは第2計量室30および第4計量室32にそ
れぞれ連通している。また第3ガス流路36a,36b
は、ガス排出口10に連通している。
【0022】計量膜26は、たとえば合成ゴムなどの可
撓性材料から成り、計量室間のガスの圧力差によって各
計量空間28a,28b内を往復変位する。計量膜26
には金属製膜板38が取付けられており、膜板38の外
方側表面には連結部材39が取付けられている。膜板3
8、連結部材39および計量膜26は、ボルト40およ
びナット41によって固定されている。
【0023】ガス分配装置27は、第1および第2揺動
翼43a,43bと、第1および第2翼軸44a,44
bと、リンク手段45と、第1および第2弁体46a,
46bとを含んで構成される。第1揺動翼43aは、第
1計量室29に設けられ、遊端部が前記連結部材39に
ピン48を介して連結されており、基端部には第1翼軸
44aが挿通されて結合されている。第2揺動翼43b
は、第4計量室32に設けられ、第1揺動翼43aと同
様の構成を有し、基端部には第2翼軸44bが挿通され
て結合されている。第1および第2翼軸44a,44b
は縦の軸線を有し、ハウジング19に軸線まわりに回転
自在に取付けられている。
【0024】リンク手段45は、2対のレバー49と、
クランク軸50と、一対の弁体レバー51とを含んで構
成され、相互にピン結合されている。レバー49の一端
部(図5の左側)は、第1および第2翼軸44a,44
bの上端部に連結されており、他端部はクランク軸50
に固定されている調整板52にピン結合されている。弁
体レバー51の一端部は調整板52にピン結合されてお
り、他端部は、第1および第2弁体46a,46bにピ
ン結合されている。第1および第2弁体46a,46b
は、前記第1および第2弁座33a,33b上に摺動変
位自在に設けられ、摺動変位によって第1〜第3ガス流
路34a,34b,35a,35b,36a,36bを
開閉して第1〜第4計量室29,30,31,32にガ
スを分配する。第1および第2計量膜26a,26bの
変位は、第1および第2揺動翼43a,43bを介して
第1および第2翼軸44a,44bを角変位させる。前
記角変位は、リンク手段45のレバー49を介してクラ
ンク軸50を回動させ、弁体レバー51を介して第1お
よび第2弁体46a,46bを摺動変位させる。
【0025】再び図1および図2を参照して、前記温度
補正装置16は、温度検出手段である温度検出器53
と、変位検出手段である変位検出器54と、函体61
と、基準温度設定器58と、演算手段であるマイクロコ
ンピュータ56と、表示手段である液晶表示器57と、
表示切替スイッチ59と、直流電源60とを含んで構成
される。
【0026】温度検出器53は、温度センサ63と、比
較電圧回路と、差動増幅回路とから成る。温度センサ6
3はたとえばダイオードであり、下部ハウジング21の
前面側側壁の下部内表面に取付けられている。温度セン
サ63は、温度によって内部抵抗が変化するダイオード
特性を利用しているので、温度センサの出力電圧に基づ
いて温度を検出することができる。なお温度センサ63
の第1計量膜26a側には、壁膜板66が設けられてお
り、第1計量膜26aの変位を規制するとともに、温度
センサ63を保護している。比較電圧回路は2水準の比
較電圧を設定し、温度測定範囲をローレンジとハイレン
ジとに区分してA/D変換の分解能を高める回路であ
る。本実施の形態では、たとえばローレンジの温度範囲
は−20〜20℃であり、ハイレンジの温度範囲は20
〜60℃である。なおローレンジとハイレンジの切換え
は、温度センサ63の出力電圧に基づいて自動的に行わ
れる。差動増幅回路は、温度センサ63の出力電圧と比
較電圧との差を増幅する。
【0027】変位検出器54は、永久磁石片64と、変
位検出センサ65とから成る。永久磁石片64(以後、
「磁石」と略称する)は、前記第1揺動翼43aの遊端
部に取付けられ、第1揺動翼43aとともに揺動変位す
る。前述のように、第1揺動翼43aは、第1計量膜2
6aに連結部材39を介して連結されているので、磁石
64は第1計量膜26aの往復変位に応じて揺動変位す
る。変位検出センサ65は、たとえばリードスイッチで
あり、第1計量空間28aの前面側外方に下部ハウジン
グ21の前面側側壁を挟んで磁石64と対向して設けら
れる。本実施の形態のリードスイッチ65は通常時オフ
状態であり、磁石64が接近すると磁束によってオン状
態となり、磁石64が離反するとオフ状態に戻る。した
がって、リードスイッチ65は磁石64の接近すなわち
第1計量膜26aの接近に応じて第1計量膜26aの変
位検出信号を発生することができる。後述のように、第
1計量膜26aが往復変位するごとに第1および第2計
量空間28a,28b内のガスが送り出されるので、変
位検出信号に基づいてガスの体積を計量することができ
る。このように変位検出器54は、簡単な構成でガスの
体積を表す変位検出信号を確実に発生することができ
る。なお、磁石64とリードスイッチ65とに挟まれた
下部ハウジング21の前面側側壁には、外方に突出した
凹所67が形成されており、磁石64と側壁との衝突が
回避されるように構成されている。
【0028】函体61は金属製の収納ケースであり、下
部ハウジング21の前面側にねじ止めされている。基準
温度設定器58は、函体61の前面に設けられる選択ス
イッチであり、予め定める温度補正の基準温度を選択的
に手動で設定する。前記基準温度は、たとえば0,1
5,20℃であり、通常20℃が設定される。
【0029】前記マイクロコンピュータ56(以後、
「マイコン」と略称する)は、たとえば8ビットシング
ルチップマイコンであり、温度検出器53および変位検
出器54の出力に基づいて、後述のように計量ガス体積
の温度補正演算などを行う。マイコン56はメモリを有
しており、メモリには前記温度補正のためのプログラム
が記憶されている。また前記プログラムには、計量ガス
体積を温度補正して補正ガス体積を求める補正式が組込
まれている。前記補正式は、温度によって発生する計量
ガス体積の機械的な計量誤差を予め求め、ボイル・シャ
ールの法則および前記求めた機械的な計量誤差に基づい
て次のようにして算出される。
【0030】前記予め求められる機械的な計量誤差は、
駆動系の機械抵抗の温度依存性に基づくものであり、多
数の実験結果に基づいて温度の関数として表される。前
記駆動系の機械抵抗は、たとえば計量膜26の変形抵
抗、およびグリス類の潤滑抵抗などである。前記機械的
な計量誤差をTs(%)、温度検出器53で検出したガ
スの温度をT(℃)とすると、機械的な計量誤差Ts
は、(1)式によって表される。 Ts = −0.07T …(1)
【0031】なお、合成ゴム製計量膜26およびグリス
類は、温度低下に伴って硬化するので、前記機械抵抗は
温度低下に伴って増大し、特に0℃未満の温度領域にお
いて計量誤差を増大させる。したがって、機械的な計量
誤差Tsは、0℃未満の温度領域に限定して算出され、
0℃以上の温度領域で通常考えられるガス温度(60℃
以下)の範囲では、無視できる機械的な計量誤差であ
る。
【0032】またボイル・シャールの法則に基づいて温
度補正したガスの体積を中間補正ガス体積とすると、中
間補正ガス体積は(2)式によって求められる。ただし
(2)式において、Vm:中間補正ガス体積(m3),
V:計量ガス体積(m3),To:基準温度(℃)であ
る。なお(2)式は、ガス温度Tの全温度領域に対して
適用できる。
【0033】
【数1】
【0034】さらに前記補正式は、補正ガス体積をVo
とすると(3)式によって表される。なお補正ガス体積
Voは、前記ボイル・シャールの法則および前記求めた
機械的な計量誤差に基づいて温度補正されたガス体積で
ある。 Vo = Vm(1+Ts) …(3)
【0035】液晶表示器57(以後、「LCD」と略称
する)は、函体61の前面に設けられ、マイコン56の
出力に基づいて出力信号に対応する数値を液晶表示す
る。表示切替スイッチ59は、たとえばリードスイッチ
であり、LCD57の表示内容を切換える。表示切替ス
イッチ59は、函体61の内部に収納されている内部ス
イッチであり、外観から目視することができない。表示
切替スイッチ59の切換操作は、函体61の前面に磁石
を押し当てリードスイッチをオン状態にすることによっ
て行われる。なお、表示切替スイッチ59によって切換
えられる表示内容については後述する。直流電源60
は、たとえば3Vのリチウム電池から成り、2本のリチ
ウム電池が直列に配置されている。直流電源60のオン
/オフは、函体61の前面に設けられている電源スイッ
チ68によって行われる。また、函体61の前面には、
外部出力端子69が設けられており、外部出力端子69
を介してマイコン56の出力を外部に出力することがで
きる。外部出力端子69は、たとえばガスの使用量を集
中検針するときなどに用いられる。
【0036】前記計数カウンタ17は、複数の表示リー
ル74と、複数のピニオン75と、カウンタフレーム7
3と、図示しない歯車列とを含んで構成される。表示リ
ール74は、外周面に0〜9の数字が表示された数字車
であり、軸棒76によって軸線まわりに回転自在にかつ
軸線方向に間隔をあけて軸支されている。ピニオン75
は、軸棒77によって軸支された状態で、各表示リール
74間に配置され、一方の表示リール74の回転を1/
10に減少して他方の表示リール74に伝える。カウン
タフレーム73は、上部ハウジング20の前面側に設け
られ、軸棒76,77の各両端部をそれぞれ支持する。
前記ガス分配装置27のクランク軸50の回転は、歯車
列を介して複数の表示リール74のうち最小位の桁を示
す表示リール74に伝達される。前記表示リール74の
回転は、ピニオン75を介して上位桁を示す表示リール
74に順次伝達され、回転に応じた数字を表示する。前
述のようにクランク軸50は、計量膜26の変位に応じ
て回転するので、表示リール74は計量膜26の変位に
応じて回転する。したがって、表示リール74によって
計量空間を通過したガスの体積の積算値、すなわちガス
の使用量を機械的に表示することができる。
【0037】このように、ガスの使用量を機械的に表示
する計数カウンタ17が設けられているので、ガスの使
用量を電気的に液晶表示するLCDに不具合が生じても
ガスの使用量を確実に計量することができる。したがっ
て、ガスの使用量が把握できない無計量状態を回避する
ことができる。
【0038】図6は、図1に示す温度補正装置の電気的
構成を示すブロック図である。温度センサ63は、ガス
の温度を表す出力電圧を差動増幅回路79に送る。比較
電圧回路80は、設定されているローレンジ用またはハ
イレンジ用比較電圧を差動増幅回路79に送る。差動増
幅回路79は、前記出力電圧と比較電圧との差を増幅し
てマイコン56に送る。マイコン56は、差動増幅回路
79の出力に基づいて比較電圧が適正であるか否かを判
断し、不適正であれば比較電圧回路80の比較電圧を適
正電圧に設定する。変位検出センサ65は、往復変位す
る第1計量膜26aが接近するごとに変位検出信号を発
生してマイコン56に送る。基準温度設定器58は、基
準温度、たとえば20℃を設定して設定信号をマイコン
56に送る。
【0039】表示切替スイッチ59は、表示内容の変更
ごとに切換え指令信号をマイコン56に送る。第1クロ
ック発生回路83は、ガス温度に対応する出力電圧をA
/D変換するためのクロック周波数、たとえば8MHz
をマイコン56に送る。第2クロック発生回路84は、
たとえばLCD57を制御するためのクロック周波数
(32.768kHz)をマイコン56に送る。マイコ
ン56は、前記各出力に応答し、後述のようにガスの補
正積算値および非補正積算値を算出し、表示切替スイッ
チ59の指令する表示内容をLCD57に選択的に出力
する。またマイコン56は、補正積算値に対応したパル
ス信号を外部出力端子69に送る。LCD57は、マイ
コン56の出力に応答し、出力信号に対応する数値を液
晶表示する。
【0040】図7は、温度補正装置の動作を説明するた
めのフローチャートである。動作開始後、ステップa1
では、基準温度の設定が基準温度設定器58によって行
われる。基準温度は、通常20℃に設定される。ステッ
プa2では、ガス温度の検出が温度検出器53によって
行われる。ステップa3では、ガスの体積の計量が行わ
れる。ガス体積の計量は、変位検出センサ65の変位検
出信号に基づいて行われる。前述のように、変位検出セ
ンサ65は往復変位する第1計量膜26aが接近するご
とに変位検出信号を発生する。また後述のように第1計
量膜26aが1往復する間に、第1および第2計量空間
28a,28bの総容積の2倍に相当するガスが送り出
される。したがって、変位検出信号と第1および第2計
量空間28a,28bの総容積とに基づいてガスの体積
Vを計量することができる。
【0041】ステップa4では、補正ガス体積の算出が
行われる。補正ガス体積Voの算出は、次のようにして
行われる。 (a)検出されたガス温度Tが0℃未満のときには、前
記(1)式によって前記機械的な計量誤差Tsを求め
る。 (b)検出されたガス温度T、前記求めた計量ガス体積
V、前記設定した基準温度Toをボイル・シャールの法
則に基づく前記(2)式に代入して中間補正ガス体積V
mを求める。 (c)前記求めたTsおよびVmを、前記(3)式に代
入して補正ガス体積Voを求める。
【0042】ステップa5では、補正積算値の算出が前
記求めた補正ガス体積を積算することによって行われ
る。ステップa6では、非補正積算値の算出が、前記求
めた計量ガス体積を積算することによって行われる。ス
テップa7では、表示内容の選択が行われる。表示内容
としては、常時補正積算値が表示されているけれども、
表示切替スイッチ59を操作して非補正積算値およびガ
ス温度を選択し、一定時間表示することができる。ステ
ップa8では、選択された表示内容の表示が行われる。
前記表示は、マイコン56から表示制御信号をLCD5
7に送ることによって行われ、選択された表示内容が液
晶表示される。表示完了後、温度補正装置16の一連の
動作が終了する。
【0043】このように、計量ガス体積の補正は、ボイ
ル・シャールの法則に基づいて行われるばかりでなく、
温度に依存する機械的な計量誤差に基づいて行われる。
したがって、合成ゴムから成る計量膜26が0℃未満の
温度で硬化して弾性の低下をきたしても、機械的な変形
抵抗の増大に伴う計量誤差を打ち消すように補正するこ
とができる。また、グリス類が0℃未満の温度で硬化し
て潤滑抵抗の増大をきたしても、同様に補正することが
できる。この結果、機械的な計量誤差を考慮していない
膜式ガスメータに比べて計量精度を向上させることがで
きる。さらにまた、補正積算値および非補正積算値が選
択的に液晶表示されるので、たとえば料金算定用のガス
使用量を知りたいときには、従来と同じ非補正積算値を
表示させ、それよりも正確なガス使用量を知りたいとき
には、補正積算値を表示させることができる。したがっ
て、ガスの使用量に関する適確な情報を迅速かつ確実に
把握することができる。
【0044】なお、本実施の形態では、機械的な計量誤
差を考慮して温度補正を行っているけれども、他の計量
誤差を考慮して温度補正を行ってもよい。
【0045】図8は、温度補正機能付膜式ガスメータの
ガス計量動作を説明するための模式図であり、図8
(1)〜図8(4)はガスの計量動作を動作順に示す模
式図である。図8(1)に示される状態では、第2ガス
流路35bが開放されており、第1ガス流路34bと第
3ガス流路36bとが連通されている。これによって、
ガス供給口23からのガスが第4計量室32内へ流入し
て第2計量膜26bが矢符D1方向に変位するので、第
3計量室31内のガスは第1ガス流路34bおよび第3
ガス流路36bを経由してガス排出口24から排出され
る。また第1計量膜26aは、第2計量室30の容積が
最大となる位置、すなわち矢符C1方向に移動して左死
点にあり、第1〜第3ガス流路34a,35a,36a
は、第1弁体46aによって塞がれている。したがって
第1計量室29は、ガスの排出が完了した状態であり、
第2計量室30はガスの流入が完了した状態である。さ
らにこの状態は、磁石64が変位検出センサ65に最も
接近した状態であるので、変位検出センサ65から変位
検出信号が発信され、前記温度補正装置16のマイコン
56に送られる。なお、温度補正装置16の動作につい
ては、前述したとおりであるので説明は省略する。
【0046】次に第1および第2弁体46a,46bが
図8(2)に示されるように変位すると、第1ガス流路
34aが開放されるとともに、第2ガス流路35aと第
3ガス流路36aとが連通される。これによって、ガス
供給口23からのガスが第1計量室29内へ流入するの
で、第1計量膜26aは矢符C2方向に変位し、第2計
量室30内のガスは、第2ガス流路35aおよび第3ガ
ス流路36aを経由してガス排出口24から排出され
る。また第2計量膜26bは、第4計量室32の容積が
最大となる位置、すなわち矢符D1方向に移動して左死
点にある状態であり、第1〜第3ガス流路34b,35
b,36bは、第2弁体46bによって塞がれている。
したがって、第3計量室31はガスの排出が完了した状
態であり、第4計量室32はガスの流入が完了した状態
である。
【0047】次に第1および第2弁体46a,46bが
図8(3)に示されるように変位すると、第1ガス流路
34bが開放されるとともに、第2ガス流路35bと第
3ガス流路36bとが連通される。これによって、第3
計量室31内にガス供給口23からのガスが流入するの
で、第2計量膜26bは矢符D2方向に変位し、第4計
量室32から押し出されたガスは第2ガス流路35bお
よび第3ガス流路36bを経由してガス排出口24から
排出される。また、第1計量膜26aは第1計量室29
の容積が最大となる位置、すなわち矢符C2方向に移動
して右死点にある状態であり、第1〜第3ガス流路34
a,35a,36aは第1弁体46aによって塞がれて
いる。したがって、第2計量室30はガスの排出が完了
した状態であり、第1計量室29はガスの流入が完了し
た状態である。
【0048】次に第1および第2弁体46a,46bが
図8(4)に示されるように変位すると、第2ガス流路
35aが開放されるとともに第1ガス流路34aと第3
ガス流路36aとが連通される。これによって、第2計
量室30内にガス供給口23からのガスが流入して第1
計量膜26aは矢符C1方向に変位するので、第1計量
室29から押し出されたガスは、第1ガス流路34aお
よび第3ガス流路36aを経由してガス排出口24から
排出される。また、第2計量膜26bは、第3計量室3
1の容積が最大となる位置、すなわち矢符D2方向に移
動して右死点にある状態であり、第1〜第3ガス流路3
4b,35b,36bは第2弁体46bによって塞がれ
ている。したがって、第4計量室32はガスの排出が完
了した状態であり、第3計量室31はガスの流入が完了
した状態である。さらに、図8(4)に示される状態か
ら進行して第1計量膜26aが左死点に達すると再び図
8(1)の状態に戻り、以後、同様の動作が繰返され
る。
【0049】このように第1および第2計量膜26a,
26bは、図8(1)〜図8(4)に示されるように第
1および第2計量空間28a,28b内で往復変位を繰
返し、1往復する間に第1および第2計量空間28a,
28bの総容積の2倍に相当するガス体積をガス排出口
24から送り出す。したがって、前述のように第1計量
膜26aに磁石64を取付け、磁石64が接近するごと
に変位検出信号を発生する変位検出センサ65を設ける
ことによって第1および第2計量空間28a,28bを
通過するガスの体積を計量することができる。
【0050】図9は、異なる温度補正機能を備えた膜式
ガスメータの計量誤差を対比して示すグラフである。図
9(1)は、ボイル・シャールの法則に基づく温度補正
機能を備えた膜式ガスメータの計量誤差をガス温度ごと
に示すグラフであり、図9(2)は図1に示す温度補正
機能付膜式ガスメータ14の計量誤差をガス温度ごとに
示すグラフである。図9の横軸には、基準温度(20
℃)におけるガス流量が示されており、縦軸には計量誤
差が示されている。図9中に示す記号は、ガス温度を表
す記号であり、記号□,+,○,△,×,▽は、ガス温
度60℃,40℃,20℃,0℃,−10℃,−20℃
をそれぞれ表す。また、図9中の直線U1は計量法「温
度換算装置組込ガスメータ」の検定公差の上限値を示
し、直線L1はその下限値を示す。
【0051】図9(1)から、ボイル・シャールの法則
に基づく温度補正を行ってもガス温度が低下するほど計
量誤差が大きくなること、ガス温度が−20℃の場合に
は計量誤差が許容誤差範囲から外れることなどが判る。
また、図9(2)から、ボイル・シャールの法則および
機械的な計量誤差に基づく温度補正を行えば計量誤差が
小さくなり、計量誤差が許容誤差内に収まることが判
る。したがって、本実施の形態の温度補正機能付膜式ガ
スメータ14の計量誤差は、機械的な計量誤差を考慮し
ていない膜式ガスメータの計量誤差よりも高精度であ
る。なお、前述のようにガス温度が0℃以上では、機械
的な計量誤差は無視されるので、ガス温度が0℃以上に
おける図9(2)の計量誤差は図9(1)の計量誤差と
同一である。
【0052】図10は、3種類の膜式ガスメータの計量
誤差を対比して示すグラフである。図10(1)は温度
補正機能を備えていない膜式ガスメータの計量誤差を示
すグラフであり、図10(2)はボイル・シャールの法
則に基づく温度補正機能を備えた膜式ガスメータの計量
誤差を示すグラフであり、図10(3)は図1に示す温
度補正機能付膜式ガスメータ14の計量誤差を示すグラ
フである。図10の横軸には、基準温度(20℃)にお
けるガス流量が示されており、縦軸には計量誤差が示さ
れている。各膜式ガスメータは、それぞれ10台準備さ
れ、そのデータは個別に図中に実線で示されている。な
お、図10(1)〜図10(3)に示す計量誤差は同一
条件で算出したものであり、ガス温度は−20℃であ
る。
【0053】図10(1)から、ガス温度が−20℃に
おいては温度補正なしでは計量誤差が大きいこと、図1
0(2)からボイル・シャールの法則に基づく温度補正
によって計量誤差が温度補正なしに比べて大幅に小さく
なること、図10(3)からボイル・シャールの法則お
よび機械的な計量誤差に基づく温度補正によってボイル
・シャールの法則のみに基づく温度補正に比べて計量誤
差が小さくなることなどが判る。したがって、本実施の
形態の温度補正機能付膜式ガスメータ14の計量精度
は、温度補正機能を備えていない膜式ガスメータおよび
ボイル・シャールの法則に基づく温度補正機能を備えた
膜式ガスメータの計量精度よりも高精度である。この結
果、本実施の形態の温度補正機能付膜式ガスメータ14
は高精度家庭用ガスメータとして好適に用いることがで
きる。
【0054】以上述べたように、本実施の形態では補正
積算値および非補正積算値がともに算出されるように構
成されている。しかしながら、本発明の他の実施の形態
として、非補正積算値を算出しないで補正積算値のみを
算出するように構成してもよい。また計数カウンタ17
とLCD57とがともに備えられているけれども、計数
カウンタ17を設けないでLCD57のみを備えるよう
に構成してもよい。さらにまた、工業用羽根車式ガスメ
ータに対して機械的な計量誤差に基づく温度補正を行う
ように構成してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、検出した
ガスの温度に基づいてガスの体積が補正されるので、従
来よりも正確な計量を行うことができる。また温度補正
は、ボイル・シャールの法則に基づく補正に止まらず温
度変動に伴う全ての計量誤差を対象として行うことがで
きるので、ボイル・シャールの法則に基づく補正のみが
行われる場合よりも計量精度をさらに向上させることが
できる。
【0056】また、補正積算値および非補正積算値のい
ずれか一方が選択的に出力されるので、ガスの使用量に
関する適確な情報を迅速かつ確実に把握することができ
る。
【0057】また本発明によれば、ガスの体積の補正は
ボイル・シャールの法則に基づいて行われるばかりでな
く、温度によって発生するガスの体積の機械的な計量誤
差に基づいて行われるので、機械的な計量誤差を考慮し
ていない膜式ガスメータよりも計量精度を向上させるこ
とができる。
【0058】また本発明によれば、変位検出手段は簡単
な構成でガスの体積を表す信号を確実に発生することが
できる。
【0059】また本発明によれば、ガス使用量を機械的
に表示する計数表示手段が設けられているので、ガス使
用量を電気的に表示する表示手段に不具合が生じてもガ
スの使用量を確実に計量することができる。したがっ
て、ガスの使用量が把握できない無計量状態を回避する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である温度補正機能付膜
式ガスメータの構成を簡略化して示す正面図である。
【図2】図1に示す温度補正機能付膜式ガスメータの側
面図である。
【図3】図2に示すガスメータ本体15の構成を簡略化
して示す正面図である。
【図4】図3に示すガスメータ本体15の側面図であ
る。
【図5】図3に示すガスメータ本体15の平面図であ
る。
【図6】図1に示す温度補正装置の電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図7】温度補正装置の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図8】温度補正機能付膜式ガスメータのガス計量動作
を説明するための模式図である。
【図9】異なる温度補正機能を備えた膜式ガスメータの
計量誤差を対比して示すグラフである。
【図10】3種類の膜式ガスメータの計量誤差を対比し
て示すグラフである。
【図11】従来の膜式ガスメータの概略構成を示す模式
図である。
【符号の説明】
3,19 ハウジング 9,23 ガス供給口 10,24 ガス排出口 14 温度補正機能付膜式ガスメータ 15 ガスメータ本体 16 温度補正装置 17 計数カウンタ 26a 第1計量膜 26b 第2計量膜 27 ガス分配装置 28a 第1計量空間 28b 第2計量空間 29 第1計量室 30 第2計量室 31 第3計量室 32 第4計量室 33a 第1弁座 33b 第2弁座 34a,34b 第1ガス流路 35a,35b 第2ガス流路 36a,36b 第3ガス流路 43a 第1揺動翼 43b 第2揺動翼 44a 第1翼軸 44b 第2翼軸 46a 第1弁体 46b 第2弁体 53 温度検出器 54 変位検出器 56 マイクロコンピュータ 57 液晶表示器 58 基準温度設定器 59 表示切替スイッチ 61 函体 63 温度センサ 64 永久磁石片 65 変位検出センサ 73 カウンタフレーム 74 表示リール 79 差動増幅回路 80 比較電圧回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−304152(JP,A) 実開 平4−1413(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01F 3/22 G01F 1/00 G01F 15/02 - 15/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス供給口とガス排出口とを有し、かつ
    一対の計量空間が形成されており、さらにガス供給口、
    各計量空間およびガス排出口を連通するガス流路が形成
    されているハウジングと、 各計量空間内にそれぞれ設けられ、各計量空間を2つの
    計量室に仕切り、計量室間のガスの圧力差によって各計
    量空間内を往復変位する計量膜と、 計量膜の変位に応じてガス流路を開閉し、各計量室にガ
    スを分配するガス分配手段と、 ガスの温度を検出する温度検出手段と、 計量膜が計量空間内を往復変位するごとに変位検出信号
    を発生する変位検出手段と、 変位検出手段の出力に基づいて計量空間を通過したガス
    の体積を求め、温度検出手段の出力に基づいて前記求め
    たガスの体積を補正して補正ガス体積を求め、前記求め
    た補正ガス体積を積算して補正積算値を求め、少なくと
    も前記求めた補正積算値を信号として出力する演算手段
    と、 演算手段の出力に基づいて出力信号に対応する数値を表
    示する表示手段とを含み、 前記演算手段は、前記求めたガスの体積を積算して非補
    正積算値を求め、前記求めた補正積算値および前記求め
    た非補正積算値のいずれか一方を選択的に出力すること
    を特徴とする温度補正機能付膜式ガスメータ。
  2. 【請求項2】 前記演算手段による補正ガス体積の算出
    は、温度によって発生するガスの体積の機械的な計量誤
    差を予め求め、ボイル・シャールの法則および前記求め
    た機械的な計量誤差に基づいて行われることを特徴とす
    る請求項1記載の温度補正機能付膜式ガスメータ。
  3. 【請求項3】 前記変位検出手段は、 計量膜に連結され、計量膜の変位に応じて変位する永久
    磁石片と、 計量空間の外方にハウジングの側壁を挟んで永久磁石片
    と対向して設けられ、永久磁石片の接近に応じて計量膜
    の変位検出信号を発生する変位検出センサとを含んで構
    成されることを特徴とする請求項1または2記載の温度
    補正機能付膜式ガスメータ。
  4. 【請求項4】 計量膜の変位に応じて回転する複数の表
    示リールを有し、前記表示リールによって計量空間を通
    過したガスの体積の積算値を表示する計数表示手段が設
    けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の温度補正機能付膜式ガスメータ。
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