JP2895099B2 - 光検出器 - Google Patents

光検出器

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は波長多重光伝送システムにおいて、入射され
た光の中の特定の波長の信号光を選択的に検出する光検
出器に関する。
[従来の技術] 従来この種の光検出器は、入射光を分波して信号光を
取出し、これをフォトダイオード等の光電変換器を用い
て受信していた。
第7図は従来の光検出器の構成を示す図である。
基板71上に構成されたリッジ型の導波路73にはそれぞ
れ異なる波長の信号光を反射させる回折格子741〜743
形成されている。光ファイバ77より入射される多重化さ
れた信号光は、その波長がブラッグ条件を満足する回折
格子によって反射される。各反射位置には、同様に形成
された回折格子761〜763をそれぞれ具備するフォトダイ
オード等の光検出部751〜753が形成されており、各信号
光の検出が行なわれる。
また、入射光を分波するものとして回折格子の代わり
に干渉フィルタを配置し、特定波長の光のみを透過、も
しくは反射させるものもある。
上述した光検出器においては、分波を行なうために長
い光路を必要とし、その領域も広い面積を要するため、
光検出器が大きいものとなってしまうという欠点があ
る。また、長い光路によって生じる光吸収損失や種々の
部品を挿入することによって生じる反射散乱損失も大き
なものとなってしまうという欠点があり、波長分解能も
低く、高密度集積化も成されていなかった。
このような欠点を解決するために提案された光検出器
としては、特願平1−56142号や特願平1−59825号のも
のがある。これらに記載されたものは、基板に垂直な方
向に伝搬定数の異なる2つの第1と第2の導波層(第1
導波層、804と第2導波層806、第1導波層901と光吸収
層902)を形成し、所望の波長の光において、各導波層
間に光学的結合が生じるように、グレーティング(回折
格子807,907)を形成することにより、所望の波長の光
を第1の導波層から第2の導波層へ移行させ、分波させ
る波長フィルタおよび、光検出器である。
特願平1−59825号に記載されたものは第8図に示す
ように第2導波層806の一部を除去し、第2の導波層で
ある光検出層に置き換えたものであり、特願平1−5614
2号に記載されたものは第9図に示すように第2の導波
層自体を光吸収層902として光検出層としたものであ
る。
これらのいずれのものにおいても、グレーティングが
形成される位置は、第10図に示す第1、第2の導波層を
それぞれ導波する偶モード1001、奇モード1002が重なる
領域とされている。
上記各提案によれば、集積化に適し、高効率で、かつ
鋭い波長選択性を有する光検出器を得ることができる。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来例のうち、第7図に示したものにおいては、
製造されるものが大きくなり、反射散乱損失も大きなも
のになってしまうという欠点がある。第8図および第9
図に示したものにおいては、これらの欠点は解消される
ものの、光検出層である第2の導波層806,902には、第1
0図に示すように第1の導波層804,901を導波する奇モー
ド1002がおよんでおり、非選択波長の光も若干光検出層
で検出されてしまう。このため極めて高い波長選択比ま
たは波長間クロストークが要求される場合には、設計、
製作に高度な技術を必要であるという欠点があった。
さらに、第8図に示したものにおいては、第2導波層
と同一の層に光検出部である吸収層809が形成されるた
め、一旦、エッチング後、再成長を行なう必要があり、
作製工程が増加し、作製時間も長くなるという欠点があ
った。
本発明は、上記従来技術が有する種々な欠点を解消す
ることのできる光検出器を実現することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の光検出記は、基板と、該基板上に形成された
第1の導波層と、前記基板上に第1の導波層と積層され
て形成された第2の導波層と、前記第1の導波層中を伝
搬する光の内、特定の波長域の光を第2の導波層に結合
させる回折格子と、光を吸収する光検出層と、該光検出
層で吸収された光を電気信号に変換して出力する出力手
段とを具備し、前記第1の導波層を中心とする第1の導
波モードと第2の導波層を中心とする第2の導波モード
とが異なるように形成され、前記回折格子は前記第1及
び第2の導波モードが重なり合う領域に形成され、且
つ、前記光検出層は該光検出層を中心とする第3の導波
モードが第1の導波モードと多く重ならず、第2の導波
モードと多く重なる様に前記第2の導波層の前記第1の
導波層とは反対の側に積層されて形成されたことを特徴
とする。
この場合、前記光検出層は光導電性を有する材料から
形成され、前記出力手段は光検出層の上面に形成された
2個の電極から成り、これらの電極間の抵抗値の変化か
ら光を検出するとしてもよい。
また、前記光検出層は光導電性を有する材料から形成
され、前記出力手段は光検出層の上面に形成された3個
の電極から成り、これらの電極が前記光検出層を基板と
したFET構造を形成するとしてもよい。
また、前記出力手段が前記光検出層をi層とするPin
フォトダイオード構造から成ることとしてもよい。
さらに、前記光検出層は、前記第2の導波層上に他の
層を挟んで積層されていることとしてもよい。
[作用] 第8図および第9図に示した従来のものと同様に、第
1および第2の導波層は積層された形態のものとなるの
で、それらの材料によっても伝搬定数を異ならせること
ができ、この間に生じる伝搬定数差を大きなものとする
ことができる。このため、該2つの導波層間に生じる光
パワーの移行は回折格子によるものが支配的となり、鋭
い波長選択性が得られる。さらに、本発明のものでは、
光検出層が、自己を中心とする第3の導波モードが第1
の導波モードと多く重なることがなく、かつ、第2の導
波モードと多く重なるものとなる位置に形成されてい
る。このため、該光検出層にて検出される光は第2の導
波モードのもの、すなわち、第2の導波層を伝搬するも
のがほとんどとなり、第1の導波層を伝搬する非選択波
長光の吸収が低減されるので極めて高い波長選択比また
は波長間クロストークを得ることができる。また、半導
体層が積層された構造であるので、その製造プロセスは
一般の半導体素子とほぼ同様であり、再現性も良い。
[実施例] 第1図は本発明の第1の実施例の構成を示す図、第2
図(a)は第1の実施例の上面に形成される電極の構成
を示す上面図である。
まず、本実施例の構造について説明する。
本実施例は、GaAsである基板1上に、厚さ0.5μmのG
aAsであるバッファ層104、厚さ1.5μmのAl0.5Ga0.5As
であるクラッド層105、GaAsとAl0.4Ga0.6Asとが交互に
積層されて多重量子井戸(MQW)とされた厚さ0.15μm
の第1導波層101、厚さ1.1μmのAl0.5Ga0.5Asであるク
ラッド層106、GaAsとAl0.2Ga0.8Asとが交互に積層され
てMQWとされた厚さ0.2μmの第2導波層102、厚さ0.25
μmのAl0.4Ga0.6Asである回折格子層107、厚さ0.25μ
mのn−GaAs(n=1×1017cm-3)である光検出層108
を分子線エピタキシャル(MBE)法により順に成長させ
ている。次に、フォトレジストを用いたフォトリソグラ
フィー法によってレジストマスク作製後、アンモニア
水、過酸化水素水の混合エッチャントによる選択エッチ
ングを行ない、光検出層108を図面の右側部分である光
検出領域109を残して、除去した。このとき光吸収層109
の下はAl0.4Ga0.6Asの回折格子層107であるため、Alの
特性に依存する選択エッチングを容易に行なうことがで
きる。
つづいて、再びレジストマスクを作製し、反応性イオ
ンビームエッチング(RIBE)法により第2図(a)に示
すように、光検出領域109、導入領域111をつらなる位置
に導波光閉じ込め用のリッジ導波路201を形成した。さ
らに同様の工程により、リッジ導波路201の長手方向に
直角にピッチ30μm、領域長550μmの回折格子202を形
成した。この回折格子202は、Al0.4Ga0.6Asである回折
格子層107をエッチングすることにより得ている。した
がって深さは0.25μmである。
さらに、光入力時に、第1導波層101のみが光と結合
するように、ブリッジ導波路201の前方の第2導波層102
をエッチングにより除去した(第1図参照)。このと
き、リッジ端面203を第2図(a),(b)に示すよう
にリッジ導波路201の長手方向に対して、斜めにエッチ
ングし、第2導波層102への結合をさらに、低いものと
した。
次に、プラズマCVD(ケミカル・ベイパー・デポジシ
ョン)法により、上面にSi3N4膜を0.3μmの厚さに成膜
させた。そして、第2図(a)に示すように光検出領域
109の一部に電極用窓あけするためのレジストマスク作
製後、これを用いたドライエッチングによりSi3N4膜の
一部を除去した。次にAu/Au−Geからなる電極膜を成膜
させ、フォトリソグラフィー法により第2図(a)に示
すように第1図中に示す光検出層108に接する2つの電
極204、205を形成した。この2つの電極204、205の配置
は、波長選択された導波光が各電極204、205間の下の光
検出層108にて結合するように、リッジ導波路201の長手
方向をはさんで対向するように設けられている。光の進
行方向に対する電極長は本実施例のもので100μmであ
る。
波長選択領域110の長さは回折格子202の長さに相当
し、本実施例では550μm、光検出領域109の長さは電極
の長さに相当し、本実施例では100μmである。
上述の手順にて作製した素子を切断後、試料ホルダー
に固定し、各電極204、205にリード線をボンディング
し、外部へ取り出した。
このように、本実施例の光検出器は、第1図および第
2図(a)に示すように、導波層(第1導波層101、第
2導波層102、光検出層108)が層方向に3層積層され、
これらによる方向性結合器が構成されている。各導波層
101、102および光検出層108は、厚さや組成が異なるよ
うに形成されているので、各々を導波する光の伝搬定数
は異なるものとなる。第2導波層102に形成された回折
格子202は、光結合される波長を選択するためのもの
で、そのピッチにより選択される波長域が決定される。
さらに、光検出領域109では第2導波層102上に光検出
層108が形成されているので選択波長の光が吸収され
て、キャリアが発生する。このため、各電極204、205の
間の抵抗値は、光伝導性により発生したキャリアの量に
応じて低下するので、これを検出することにより選択波
長光の検出を行なうことができる。
第1図中のTE0〜TE1は、各領域における導波モードの
光電界分布を示すもので、導波光の進行方向に光強度を
示している。
本実施例中の各領域109〜111では、各々異なる半導体
層が積層されているので、成立する導波モードも異なる
ものになっている。
光導入領域111での導波モードは、基板モード、つま
りTE0モードのみが成立する。波長選択領域110では、第
2導波層102に中心強度を有する偶モード(TE0モード)
および第1導波層101に中心強度を有する奇モード(TE1
モード)が成立する。
光検出領域109ではその積層構成に依存して、2つ以
上のモードが成立し、第1図に示すようにTE0,TE1,TE2
の3つのモードが成立する。各モードの導波光は、前述
したように光検出層で、吸収されるが、このときの吸収
係数は、各モードの光電界分布が、光検出層108へどれ
だけおよんでいるかに依存して大きく異なるものであ
る。
次に、本実施例の動作について、第1図および第2図
(a),(b)を参照し、第1導波層101に入射される
光信号112が、回折格子202によって選択される受信を行
なう波長λのものとしゃ断したい波長λのものとを
含むものとして説明する。
第1導波層101に入射した導波光101は、光導入領域11
1においてはTE0モードとなって導波される。次に、波長
選択領域110においては、波長λのものは回折格子202
によって選択されて第2導波層102に中心強度を有するT
E0モードと強く結合し、波長λのものは第1導波層10
1に中心強度を有するTE1モードと強く結合して導波され
る。続く光検出領域109においては、波長λのものはT
E0,TE1モードと強く結合し、波長λのものはTE2モー
ドと強く結合する。このとき、光検出層108は光を吸収
してキャリアが発生するが、このときに吸収される光は
光検出層108が光電界分布の中心であり、吸収係数の高
いTE0,TE1モードのもの、すなわち、波長λのものが
ほとんどとなる。波長λのものに関しては、光電界分
布が第1導波層101を中心とし、光検出層108におよんで
いないために吸収係数の低いTE2モードとして導波され
ているため、ほとんど吸収されない。
第2図(b)は、光検出層108にて吸収された光の量
を検出する回路の一例を示すものである。
電極204、205間に抵抗R1および電流計206を介して直
流電源V1を接続し、供給電流値の変化を電流計206で計
ることにより、電極204、205間の抵抗値の変化を検出す
ることができ、光検出層108にて吸収された光の量を検
出することができる。
第3図は波長0.80μmから0.86μmの光を入射光112
として第1導波層101へ導入し、各波長毎の検出電流比
を測定したものである。図示するように中心の検出ピー
クでの半値全幅は77Åとなっている。また、波長0.83μ
mと波長0.85μm間のクロストークは約20dBであった。
第4図は本発明の第2の実施例の外観を示す斜視図で
ある。
本実施例は、第1の実施例が光伝導性を利用して光検
出を行なっていたのに対し、FET構造電極を用いて光検
出を行なったものである。作製工程および構造は、上面
に形成される電極構造以外は第1の実施例のものと同様
であり、同一番号を付し、説明は省略する。
本実施例における電極は第1の実施例において設けた
2個の電極の間にさらに、第3の電極を設けた構造とな
っている。
すなわち、第4図に示すように電極は全部で3個設け
られており、それぞれ、ドレイン電極401、ゲート電極4
02、ソース電極403とされている。ドレイン電極401、ソ
ース電極403はAu/Au−Ge膜かならなり、その間に設けら
れるゲート電極402はAl膜からなっている。
ゲート電極402と光検出層108はショットキー接触とさ
れており、ゲート電極402直下の光検出層は空乏層とな
っている。ドレイン電極401に正電圧、ソース電極403に
負電圧を印加した状態で、ゲート電極402に−2Vから−5
V程度の負電圧を印加すると空乏層が広がり、ピンチオ
フ増体では、ドレイン−ソース間に流れる電流は0とな
る。
この状態で、波長選択領域110から、第2導波層102を
伝搬してくる導波光が、光検出領域109に達すると、該
導波光は光検出層108に吸収されてキャリアが発生す
る。発生したキャリアのうちのホールはゲート電極402
に吸い込まれて空乏層が押し上げられるため、ドレイン
−ソース間にチャネル電流が流れる。このとき、上述の
キャリアのうちの電子はドレイン電極401へ流入する光
電流となる。
つまり導波光が光検出層に入射してこない状態におい
ては、ドレイン−ソース電極間はピンチオフ状態であ
り、ドレイン電流は発生しない。しかし、導波光が入射
されると、空乏層変化によるチャネル電流およびキャリ
ア発生による光電流が生じ、結果として、ドレイン電流
が発生し、光の検出が行なわれる。
この場合、ゲート電圧を適当な値に制御することによ
り、波長間のクロストークを向上させたり、検出電流を
増幅させることが可能である。また、第1の実施例と異
なり検出動作をFET構造を用いて行なっていることによ
り、GHz以上の高速応答も可能な光検出器を得ることが
できた。
第5図は本発明の第3の実施例の構造を示す図であ
る。
本実施例は、光検出機構として、光検出層をi−層と
してPinフォトダイオードを形成した例を第5図に示
す。
まず、本実施例の構造について説明する。
n+−GaAsである基板501上に、厚さ0.5μmのn−GaAs
であるバッファ層502、厚さ1.5μmのn−Al0.5Ga0.5As
であるクラッド層503、厚さ0.1μmのn−Al0.3Ga0.7As
である第1導波層504、厚さ1.3μmのn−Al0.5Ga0.5As
であるクラッド層505、n−GaAsとn−Al0.3Ga0.7Asと
が交互に積層されて多重量子井戸とされた厚さ0.2μm
の第2導波層506、厚さ0.15μmのn−Al0.4Ga0.6Asで
ある回折格子層507、厚さ0.275μmのi−GaAsである光
検出層508、厚さ1.0μmのp−Al0.5Ga0.5Asであるクラ
ッド層509、厚さ0.5μmのp+−GaAsであるキャップ層51
0を分子線エピタキシャル(MBE)法を用いて順に成長さ
せた。その後、フォトリソグラフィー法を用いて、光検
出領域109を保護したレジストマスク作製後、硫酸、過
酸化水素水、水の混合エッチャントによりp+−GaAs、キ
ャップ層510、p−AlGaAsクラッド509層をエッチングし
た。つづいて、アンモニア水、過酸化水素水の混合エッ
チャントに切り替えて、i−GaAs光検出層508を選択エ
ッチングした。このとき、i−GaAs光検出層508の下地
はAlのコンテンツが40%のn−Al0.4Ga0.6Asからなる回
折格子層507であるため、エッチングはi−GaAs層で、
止めることができる。
続けて、第1の実施例と同様の工程により、波長選択
領域110を形成した。回折格子のピッチは22μm、長さ
は690μm、深さは0.15μmとした。そして光検出領域1
09を除いて、Si3N4である保護膜511を成膜した。
この後、キャップ層510上にAu/Crから成る電極512を
形成し、基板501の裏面にAu/Au−Geから成る電極513を
形成した。
本実施例のものにおいては、第1導波層504に入力し
てきた光信号514のうち、選択される波長のもののみが
波長選択領域110で第2導波層506と結合する。この後光
検出領域109に導入後、第2導波層上部の光検出層i−G
aAs508で吸収される。光検出領域109は、p−i−n構
造となっており、電極512、513間には逆バイアスが印加
されている。そのため、吸収により生じたキャリアは電
流信号として検出される。
第6図は本実施例のものにおいて取り出される信号電
流の波長特性を示す図である。
本実施例では第1の実施例と比較してコルゲーション
の深さを浅く、かつ導波層の間隔を広く設定しているた
め、結合長が長くなっているが、半値全幅は約50Åと狭
いものとなった。
以上の各実施例はすべて光検出層を第2導波層の上層
部に積層して形成したものであるが、無論、光検出層を
第2導波層の横、すなわち、平面上に並列して形成して
も本発明の目的は達成される。つまり、信号光が、第2
導波層から、光検出層へ結合し、かつ第1導波層から光
検出層へ結合しない各層の配置であれば、光検出層と導
波層の空間的位置関係は特に問題とはならない。
また、構成する材料としては、GaAs系材料から構成さ
れていたが、検出波長に合わせてInGaAsなど他のIII−
V族化合物半導体や、Si,Geなどの半導体や、GdTeなどI
I−VI族化合物半導体などから構成することも無論可能
である。
さらに、回折格子の形成される層は、光吸収層、導波
層を中心に成立する導波モード(偶モードおよび奇モー
ド)が重なり合う領域ならばいずれでも良い。
[発明の効果] 本発明は以上説明したように構成されているので、以
下に記載するような効果を奏する。
請求項1に記載のものにおいては、波長選択機能を光
検出機に兼備させることが可能な集積化に適した光検出
器を実現することができ、従来のものに比して波長選択
比および波長間クロストークがさらに優れた検出器を実
現することができる効果がある。
請求項2に記載のものにおいては、上記効果を有する
ものを簡単に実現することができる効果がある。
請求項3に記載のものにおいては、FET構造とされて
いるので、波長間のクロストークを向上させることや検
出電流を増幅させることが可能となり、かつ、GHz以上
の高速応答性を持たせることもできる効果がある。
請求項4に記載のものにおいてはPin構造とされて入
力光の量に応じた電流が流れるので、上記効果に加えて
検出が容易なものとなる効果がある。
また、上記いずれのものにおいても、波長多重通信シ
ステムに適用する光検出器として好適であり、他の機能
素子との集積化も容易なため将来の光IC、OEIC(光電子
IC)にも好適である。また、現在および今後の光情報電
送システム、光通信システム、光LAN、光コンピューテ
ィングなどに広く応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の構成を示す図、第2図
(a)は第1の実施例の上面に形成される電極の構成を
示す上面図、第2図(b)は第1の実施例を用いた検出
回路の一例を示す図、第3図は第1の実施例での検出電
流の波長特性を示す図、第4図は本発明の第2の実施例
の外観を示す斜視図、第5図は本発明の第3の実施例の
構造を示す図、第6図は第3の実施例での検出電流の波
長特性を示す図、第7図乃至第9図はそれぞれ従来例の
構成を示す図、第10図は第8図および第9図に示した従
来例の動作を説明するための図である。 1……基板、101,504……第1導波層、 102,502……第2導波層、104,502……バッファ層、 105……第1クラッド層、106……第2クラッド層、 107,507……回折格子層、108,508……光検出層、 109……光検出領域、110……波長選択領域、 111……導入領域、112,514……光信号、 201……リッジ導波路、202……回折格子、 203……リッジ端面、 204,205,512,513……電極、 206……電流計、401……ドレイン電極、 402……ゲート電極、403……ソース電極、 503,505,509……クラッド層、 510……キャップ層、511……保護膜、 R1……抵抗、V2……直流電源。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成された第1の導波
    層と、前記基板上に第1の導波層と積層されて形成され
    た第2の導波層と、前記第1の導波層中を伝搬する光の
    内、特定の波長域の光を第2の導波層に結合させる回折
    格子と、光を吸収する光検出層と、該光検出層で吸収さ
    れた光を電気信号に変換して出力する出力手段とを具備
    し、前記第1の導波層を中心とする第1の導波モードと
    第2の導波層を中心とする第2の導波モードとが異なる
    ように形成され、前記回折格子は前記第1及び第2の導
    波モードが重なり合う領域に形成され、且つ、前記光検
    出層は該光検出層を中心とする第3の導波モードが第1
    の導波モードと多く重ならず、第2の導波モードと多く
    重なる様に前記第2の導波層の前記第1の導波層とは反
    対の側に積層されて形成されたことを特徴とする光検出
    器。
  2. 【請求項2】前記光検出層は光導電性を有する材料から
    形成され、前記出力手段は光検出層の上面に形成された
    2個の電極から成り、これらの電極間の抵抗値の変化か
    ら光を検出することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の光検出器。
  3. 【請求項3】前記光検出層は光導電性を有する材料から
    形成され、前記出力手段は光検出層の上面に形成された
    3個の電極から成り、これらの電極が前記光検出層を基
    板としたFET構造を形成したことを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の光検出器。
  4. 【請求項4】前記出力手段が前記光検出層をi層とする
    Pinフォトダイオード構造から成ることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の光検出器。
  5. 【請求項5】前記光検出層は、前記第2の導波層上に他
    の層を挟んで積層されていることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の光検出器。
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