JP2893873B2 - 光ファイバ用ガラス母材製造用加熱炉 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材製造用加熱炉

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光ファイバ用ガラス母材等の多孔質ガラス
母材を加熱処理するための加熱炉およびそれを使用する
光ファイバ用多孔質ガラス母材の加熱処理方法に関す
る。
[従来の技術] 光ファイバ用ガラス母材を生産する代表的な方法に
は、気相軸付け法や外付け法などの方法がある。これら
の方法により最初に円柱状或いは円筒状の光ファイバ用
多孔質ガラス母材を作り、次に、このファイバ用多孔質
ガラス母材をアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスおよび
/または塩素系ガスもしくはフッ素系ガスなどの雰囲気
下、加熱炉中で加熱処理(加熱、脱水焼結など)して、
透明で高純度な光ファイバ用ガラス母材に変える。
このような加熱処理に使用する加熱炉の運転条件は、
母材に添加するドーパントの種類および含有率によって
異なるが、温度範囲は、通常、約1200〜1600℃である。
また、高温下では不純物が母材に混入し易いので、不純
物混入を極力低減するために、一般的には高純度石英製
の炉芯管が使用されている。
しかしながら、このような高純度石英製の炉芯管は、
高温下ではガラス状態から結晶状態へと移行する「失
透」と呼ばれる現象が生じて急速に脆くなり、耐久性に
乏しいという問題がある。
このような石英製炉芯管の耐久性の問題を解決するた
め、灰分20ppm未満のカーボン材表面にガス不透過性の
(例えばカーボン、SiCなどの)コーティングを施す方
法がある(特願平1-167695および特願平1-232378など参
照)が、カーボン基材とコーティング層との熱膨張率の
差(熱膨張率のミスマッチ)に起因する応力によって亀
裂が生じ、所期の目的であるガス不透過性の機能を果た
さなくなる場合がある。
また、コーティング層の厚さは、上述のような熱膨張
率のミスマッチ故に100μm以上の厚さとするのは困難
であり、機械的衝撃等によってコーティング層に亀裂が
生じることがあった。
上述のような従来の技術の問題点を以下にまとめる: (1)石英製炉芯管を用いた場合、1400℃以上で炉芯管
が軟化変形し、また、1200℃以上で結晶(クリストバラ
イト)が生成するため、結晶転移温度以下(300℃以
下)に炉温を下げることができず、一旦加熱したら連続
して使用しなければならないという問題がある。
(2)カーボン基材上にガス不透過性コーティングを施
した場合は、基材とコーティング層の熱膨張率のミスマ
ッチに起因して発生する応力によりコーティングに亀裂
が生じ、ガス不透過性機能を有さなくなる。
[発明が解決しようとする課題] 従って、本発明が解決しようとする課題は、上述のよ
うな従来技術の欠点を解決して光ファイバ用多孔質石英
ガラス母材を長期間にわたって安定して加熱処理できる
加熱炉および加熱処理方法を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記課題を解決するための手段として、カ
ーボン基材の炉芯管を有して成り、光ファイバ用多孔質
ガラス母材を加熱処理する加熱炉であって、炉芯管は少
なくとも内側表面にガス不透過性コーティング層を有
し、該コーティング層は表面コーティング層およびカー
ボン基材中に含浸されている含浸コーティング層からな
ることを特徴とする加熱炉を提供する。
炉芯管は、少なくとも加熱処理により高温となり消耗
し易いカーボン基材の内側表面部分にガス不透過性コー
ティング層を有する必要があるが、所望により他の表面
部分にもガス不透過性コーティング層を有してよい。
更に、本発明は、上述のような炉芯管を有する加熱炉
を使用することを特徴とする光ファイバ用多孔質石英ガ
ラス母材を加熱処理する方法を提供する。
本明細書において、「加熱処理」なる語は、ガラス母
材の加熱を伴う処理を意味し、例えば通常の加熱、脱
水、ドーピング、乾燥などを包含する操作を含むものと
して使用する。
本明細書で使用する「含浸」 なる語は、多孔質のカ
ーボン基材の孔内に、コーティングする物質が侵入した
状態を意味するものとして使用している。また、以下に
使用する「含浸コーティング」とはコーティング層の少
なくとも一部分が含浸状態にあるようにコーティングす
ること、即ち、コーティング層が表面コーティング層お
よび含浸コーティング層から成るようにすることを意味
する。
従来の加熱炉の炉芯管表面に施されたコーティングと
本発明の加熱炉の炉芯管の表面に施されたコーティング
層との差異を明らかにするために、第1図(a)および
第1図(b)に炉芯管部分の模式断面図を示す。
第1図(a)は従来の炉芯管の場合であり、表面コー
ティング層1および炉芯管基材本体2から成り、これら
の間には、基材とコーティング層が合致していない部分
が存在する。第1図(b)は本発明の炉芯管の場合であ
り、厚さL2の表面コーティング層1と炉芯管基材本体2
との間に厚さL1の含浸コーティング層3が存在する。
本発明の加熱炉の炉芯管では、2000℃以下では変形が
起こらないカーボン基材を使用する。また、コーティン
グ層の一部分がカーボン基材中に含浸されるように処理
されているので、基材とコーティング層との密着性が大
幅に改善されることになり、上記問題を解決できる。
含浸コーティング層の厚さは、特に限定されるもので
はないが、基材との密着性および機械的強度などを考慮
すると、カーボン基材として使用するカーボンの平均粒
子径の少なくとも5倍であるのが好ましい。
本発明の炉芯管の基材として使用できるカーボン材
は、密度が少なくとも1.6g/cm3以上の等方性カーボンが
好ましい。異方性のカーボン材では、熱膨張の軸方向の
差によるコーティングクラックが生じ易い。例えば密度
が1.75g/cm3程度の一般的なカーボン材の場合、平均粒
子径は15〜20μmである。従って、本発明の炉芯管では
カーボン基材中に含浸された含浸コーティングの厚さは
少なくとも100μmであるのが好ましい。このような含
浸コーティング層が存在すると、それより炉芯管表面に
近い表面コーティング層が腐食または消耗した場合であ
っても、炉芯管基材に高密度領域が存在することにな
り、ガス不透過性が保持されるという利点も生じる。
本発明の炉芯管のコーティング層に使用する材料とし
ては、耐熱性、純度および光ファイバ母材の高純度化や
屈折率制御に用いるハロゲン系ガスに耐え得るものであ
れば特に限定されるものではない。このような観点か
ら、例えば熱分解カーボンのようなグラファイト構造も
しくはアモルファス構造のカーボンまたはβ‐SiCもし
くはアモルファスSiCをコーティング材として使用でき
る。
含浸コーティングは、多孔質基材の気孔中にコーティ
ング物質を侵入させることにより行う。
含浸コーティングするには、例えば減圧雰囲気かつ低
温にて、気相反応の速度が律速となる条件を用い気相蒸
着する手法(CVI法、化学気相含浸法)、多孔質材へ液
相のコーティング材(SiCであればSiCl2(C2H5)2等、カ
ーボンであれば、PVC(ポリ塩化ビニル))を浸漬した
後、高温熱分解し、含浸領域を有するコーティングを得
る方法(液相浸漬法)などを適用できる。純度の点を考
慮すると、気相蒸着法(CVD法)によって表面コーティ
ング層および含浸コーティング層を形成するのが特に好
ましい。
例えば、以下のような条件でコーティング層を形成で
きる: SiC含浸コーティング 全圧30torr、Si(CH3)Cl3/H2=1/2、温度1350℃にて、
20時間コーティング層を形成すると、含浸コーティング
層の厚さは400μm、表面コーティング層の厚さは50μ
mとなる。
SiC通常コーティング 全圧760torr、Si(CH3)Cl3/H2=1/10、温度1350℃に
て、3時間コーティング層を形成すると、厚さ60μmの
SiCコーティング層が得られる。
熱分解カーボン含浸コーティング 全圧1torr、CH4/H2=1/3、温度1500℃にて、40時間
含浸コーティングした後、全圧50torr、CH4/H2=1/3、
温度1800℃にて、10時間表面コーティングすると、含浸
コーティング層の厚さは200〜300μm、表面コーティン
グ層の厚さは30μmとなる。
熱分解カーボン通常コーティング 全圧50torr、CH4/H2=1/3、温度1800℃にて、10時間
コーティング層を形成すると、厚さ30μmのコーティン
グ層が得られる。
含浸コーティング層の厚さ(L1)は、CVI法を例にと
れば、コーティング形成時の全圧Pと、基材の気孔径R
および蒸着反応速度Kによって決まる。
含浸コーティング層の厚さL1は気孔径Rの0.5乗、反
応速度Kの−1乗および全圧Pより定義し得る分子の平
均自由行程((P)0.5に比例)の0.5乗に比例した関数で
示される。すなわち、カーボン基材の気孔径と全圧、温
度で含浸コーティング層厚さL1が求められる。表面コー
ティング層厚さL2は、反応速度と時間で求まるものであ
る。
従って、コーティング形成時の上述のような操作条件
を適宜変更することにより、種々の厚さの表面コーティ
ング層および含浸コーティング層を形成することができ
る。
また、表面コーティング層と含浸コーティング層は、
一般に連続して製造することになるので、2つのコーテ
ィング層を厳密に区分できるものではないが、本明細書
においては便宜的に基材気孔に侵入しているコーティン
グ部を含浸コーティング層とし、基材表面より上にコー
ティングされた部分を表面コーティング層とすることに
より2つのコーティング層を区分して各々の厚さを測定
する。これらの層の厚さは、例えばコーティングを形成
した基材表面部分を切断してSEM(走査型電子顕微鏡等
で観察することにより容易に測定できる。
また、近年、カーボン材として機械的強度を増したカ
ーボンファイバをカーボンマトリックスとするカーボン
材が(例えば、日本カーボン社からC/Cコンポジットと
して)市販されており、これにコーティング材を含浸コ
ーティングすることにより機械的に更に強い炉芯管が得
られる。
次に、本発明に至った実験例について具体的に説明す
る。
実施例1 耐熱衝撃性実験(SiC含浸コーティング) Si(CH3)Cl3を原料とした、減圧CVD法によりβ−SiCを
比重1.75g/cm3の等方性カーボン基材に含浸コーティン
グした。含浸コーティング層厚さ400μm、表面コーテ
ィング層厚さ50μmとした。
このSiCを含浸コーティングしたカーボン材をN2雰囲
気中、600℃〜1700℃の温度範囲で、100℃/分の昇降温
を30回行った。カーボン材表面には亀裂は認められず、
ガス透過率はN2基準で1×10-9cm2/sec未満であり、実
用上問題はなかった。
比較実験例1 耐熱衝撃性実験(SiC通常コーティン
グ) 実験例1と同じカーボン基材表面にCVD法によりβ−S
iCをコーティングして厚さ50μmの表面コーティング層
を施した。
このSiCコーティング基材を実験例1と同様に繰り返
し熱処理を行ったところ、コーティング面に亀裂が生じ
た。
実験例2 耐熱衝撃性実験(グラファイト含浸コーティ
ング) CH4を原料とした、減圧CVD法により、実験例1と同じ
カーボン基材に、熱分解カーボングラファイトを含浸コ
ーティングし、含浸コーティング層厚さ500μm、表面
コーティング層厚さ35μmとした。
このコーティング基材を実験例1と同様に加熱処理を
繰り返したが、亀裂は認められなかった。また、加熱処
理後のガス透過率は、N2基準で2×10-9〜3.5×10-9cm2
/secと良好であった(即ち、ガス透過率が小さい)。
比較実験例2 耐熱衝撃性実験例(グラファイト通常コ
ーティング) 実験例1と同じ基材に、CVD法により厚さ35μmの熱
分解カーボンの表面コーティング層を施した。
これに実験例1と同様に加熱処理を繰り返したとこ
ろ、コーティング層に亀裂が生じ、ガス透過率はN2基準
で5×10-2cm2/secとカーボン基材とほぼ同じ値となっ
た。
実験例3 耐ガス性実験(グラファイト含浸コーティン
グ) 実験例2で使用したグラファイト含浸コーティング基
材を800℃で、O2800ppmを含むN2下で1時間処理し、表
面コーティング層を25μm酸化除去した。
このコーティング基材のガス透過率を測定したとこ
ろ、N2基準で2×10-8〜8×10-8cm2/secと良好であっ
た。
比較実験例3 耐ガス性実験(グラファイト通常コーテ
ィング) 比較実験例2で使用したグラファイトコーティング基
材を実験例3と同様に酸化処理した。
このコーティング基材のガス透過率はN2基準で3×10
-4cm2/secであり、初期の2×10-8cm2/secに比べ非常に
悪くなっていた(即ち、ガス透過率が大きい)。
比較実験例4 耐ガス性実験(グラファイト含浸コーテ
ィング) 減圧CVD法により形成した熱分解カーボン含浸コーテ
ィング層(厚さ20μm)および熱分解カーボン表面コー
ティング層(厚さ30μm)を有するカーボン基材を実験
例3と同様に処理した。
コーティング基材のガス透過率を測定したところ、N2
基準で6×10-5cm2/secであり、ガス透過性が悪化して
いた。
上記実験例および比較実験例の結果から、含浸コーテ
ィングすることにより耐熱衝撃性および耐ガス性が向上
することが判る。
実施例1(SiC含浸コーティング基材炉芯管) 模式的断面図を第2図に示すように、炉芯管基材13の
内側表面に減圧CVD法によるSiC表面コーティング層50μ
mおよびSiC含浸コーティング層800μm(双方のコーテ
ィングを併せて参照番号11で表示)を有するカーボン基
材製炉芯管12および炉芯管が貫通しているヒーター14を
有して成る加熱装置10を用いて多孔質ガラス母材21を加
熱処理した。
炉芯管に多孔質ガラス母材21(SiO2、外径120mm、嵩
密度0.3g/cm3)を挿入し、炉温1100℃とした。脱水−高
純度化ガスとしてSiCl4300cc/分およびHe10l/分を供給
し、上記多孔質ガラス母材を下降速度8mm/分でヒーター
(長さ300mm)部分を通過せしめた。
引き続いて、炉温を1340℃に上げてHe10l/分およびSi
F4400cc/分の割合で供給し、多孔質ガラス母材を3mm/分
の速度でヒーター部分を通過させてガラス母材にフッ素
を添加した。
次いで、炉温を1620℃へ上げ、供給ガスをHe10l/分と
し、10mm/分の速度でガラス母材を通過させ透明ガラス
化した。
得られたガラス母材の含水量は0.005ppm未満(赤外吸
光光度計によるSiOH(3675cm-1)吸収の測定)であっ
た。得られたガラス母材に直径8mmの孔を開けてH2/O2
ガラス旋盤にて直径25mmに加熱延伸した。その後、無水
合成石英ガラスから成る直径5mmのガラスロッドを挿入
し、溶融一体化して非屈折率差0.34%のコア/クラッド
比5.2のプリフォームを得た。
このプリフォームを外径15mmに加熱延伸後、外径35m
m、孔径16.5mmのフッ素添加ガラスパイプに挿入して加
熱一体化し、非屈折率差0.34%、コア/クラッド比12.2
のプリフォームを製造した。尚、上記フッ素添加ガラス
パイプもこのSiCコート炉で作製したものである。
上記プリフォームを線引きし、外径125μmの純SiO2
コアシングルモードファイバを作製した。このファイバ
の伝送損失を測定したところ、波長1.55μmにて0.178d
B/kmの損失を示した。
上述の手順で40本の母材を処理したところ、損失の平
均は0.1748dB/kmであった。また、40本の処理の間、10
本毎に炉を80℃/分の速度で室温まで降温したが、コー
ティングの破損は認められなかった。
比較例1(SiC通常コーティング基材炉芯管) 加熱炉の炉芯管12にCVD法によるSiC表面コーティング
層(厚さ50μm)のみを施したカーボン基材炉芯管(含
浸コーティング層なし)を使用して、実施例1と同一の
手順で石英ガラスに対し0.34%の非屈折率差を有するフ
ッ素添加石英ガラス母材10本を作製した。
得られたフッ素添加石英ガラス母材を用い、純SiO2
アシングルモードファイバを5本製造した。平均の伝送
損失は、波長1.55μmにて0.1752dB/kmであった。
その後、炉温を80℃/分の割合で室温まで降温したと
ころ、炉芯管ヒーター部に亀裂が認められた。
この炉芯管を用いてフッ素添加ガラス母材を1本作製
してファイバ化したところ、第4図中、線IIで示すよう
に、不純物(Fe2+,Cu2+)による損失増が確認された。
また、比較のため、実施例1により得られたファイバの
損失を線Iで示している。
実施例2(グラファイト含浸コーティング基材炉芯管) 第2図の加熱炉の炉芯管として、減圧CVD法によりグ
ラファイトを含浸コーティングしたカーボン基材炉芯管
(グラファイトコーティング層厚さ50μm、グラファイ
ト含浸層厚さ1200μm)を有する加熱炉を使用して実施
例1と同様の手順でフッ素添加石英ガラス母材を製造し
た。
この間、ガラス母材を10本処理する毎に炉温を100℃
/分の割合で室温まで降温したが炉芯管に損傷は認めら
れなかった。
得られたフッ素添加石英ガラス母材を用いて純SiO2
アシングルモードファイバを製造したところ、平均損失
は波長1.55μmにて0.1735dB/kmであった。
また、実験的に外部のコーティングの一部をO2l%、
N299%以下で800℃で加熱処理することにより、酸化消
耗させた後、ガラス母材処理を行ったが炉芯管内ガスの
外部への漏れは認められなかった。
実施例3(グラファイト含浸コーティング基材炉芯管) 第3図に模式的に示すような断面構造を有する加熱炉
10の炉芯管として、内側表面にグラファイトを含浸コー
ティングしたカーボン基材炉芯管12(減圧CVD法により
形成、グラファイト表面コーティング層厚さ35μm、グ
ラファイト含浸コーティング層厚さ1300μm)を使用し
た。
多孔質母材21を予備室25に挿入した後、予備室内にN2
20lを供給して10分間ガス置換を行った。その後、内蓋2
6を開いて炉芯管内へ母材を挿入した。炉温1080℃、脱
水−高純度ガスとしてCl2400cc/分およびHe15l/分を炉
芯管内に供給しながら、下降速度10mm/分の速度でガラ
ス体がヒーター部分を通過するようにした。
次いで、ガスをHe15l/分に切換え、炉温を1650℃と
し、ガラス母材が下降速度5mm/分でヒーター部分を通過
するようにして母材を透明ガラス化した。
得られたガラス母材は、含水量0.005ppm未満であっ
た。このSiO2母材を抵抗加熱炉で延伸した後、非屈折率
差0.35%のフッ素添加ガラス管(無水)に挿入して加熱
一体化し、シングルモードファイバプリフォームを得
た。
得られたプリフォームを線引したところ、波長1.55μ
mにおいて伝送損失値は0.173dB/kmと良好であった。
比較例2(グラファイト通常コーティング基材炉芯管) 第2図の構造の加熱炉の炉芯管としてCVD法によりグ
ラファイトを内側表面に70μmコーティングしたカーボ
ン基材炉芯管を用いた。
この加熱炉を使用して実施例1と同様の手順でフッ素
添加ガラス母材を5本作製したところ、3本目以降の母
材の含水量が0.2ppmとなった。また、炉芯管のコーティ
ングの状態を調べた所、ヒーター部の上下にてコーティ
ングの亀裂が生じ、ガスが漏れているのが確認された。
[発明の効果] 以上、実施例および比較例から理解できるように、本
発明に従って含浸コーティングを施した炉芯管を有する
加熱炉を用いた場合、不純物や水分の混入しない光ファ
イバ用母材を安定して製造でき、更に、従来の石英炉や
表面コーティング炉に比べて昇降温に伴う熱破壊がない
ことから、長期にわたり炉芯管を使用できるので顕著な
経済的効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は、従来の炉芯管基材部分の模式断面図、
第1図(b)は、本発明の加熱炉に使用する炉芯管基材
部分の模式断面図、第2図および第3図は実施例または
比較例に使用した加熱炉の模式断面図、第4図は、実施
例および比較例において得られたファイバの伝送損失を
示すグラフである。 1……表面コーティング層、2……炉芯管基材本体、3
……含浸コーティング層、10……加熱炉、11……コーテ
ィング層、12……炉芯管、13……炉芯管基材、14……ヒ
ーター、21……ガラス母材、25……予備室、26……内
蓋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 眞秀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 金森 弘雄 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−201634(JP,A) 特開 平1−286981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03B 37/00 - 37/16 C04B 41/80 - 41/91

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボン基材の炉芯管を有して成り、光フ
    ァイバ用多孔質ガラス母材を加熱処理する加熱炉であっ
    て、炉芯管は少なくとも内側表面にガス不透過性コーテ
    ィング層を有し、該コーティング層は表面コーティング
    層およびカーボン基材中に含浸されているガス不透過性
    含浸コーティング層からなることを特徴とする加熱炉。
  2. 【請求項2】含浸コーティング層の厚さが少なくとも10
    0μmである請求項1記載の加熱炉。
  3. 【請求項3】ガス不透過性コーティング層は、グラファ
    イト構造もしくはアモルファス構造カーボンまたはβ−
    もしくはアモルファス構造炭化ケイ素である請求項1ま
    たは2記載の加熱炉。
  4. 【請求項4】カーボン基材が等方性カーボンまたはカー
    ボンファイバマトリックスを含んで成る請求項1〜3の
    いずれかに記載の加熱炉。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の加熱炉を
    使用して光ファイバ用多孔質ガラス母材を加熱処理する
    方法。
JP15895790A 1990-06-18 1990-06-18 光ファイバ用ガラス母材製造用加熱炉 Expired - Lifetime JP2893873B2 (ja)

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