JP2892267B2 - 液晶性化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

液晶性化合物、液晶組成物および液晶素子

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JP2892267B2 JP5318958A JP31895893A JP2892267B2 JP 2892267 B2 JP2892267 B2 JP 2892267B2 JP 5318958 A JP5318958 A JP 5318958A JP 31895893 A JP31895893 A JP 31895893A JP 2892267 B2 JP2892267 B2 JP 2892267B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶性化合物、それを
含む液晶組成物および液晶素子に関するものである。特
にカイラルスメクチック相における自発分極を用いた光
学素子等を構成する機能性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶素子としては、例えばエム・
シャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリ
ッヒ(W.Helfrich)著“アプライド・フィジ
ックス・レターズ”(“Applied Physic
s Letters”)第18巻、第4号(1971年
2月15日発行)第127頁〜128頁の“ボルテージ
・ディペンダント・オプティカル・アクティビィティー
・オブ・ア・ツイステッド・ネマチック・リキッド・ク
リスタル”(“Voltage Dependent
Optical Activity of a Twi
sted Nematic Liquid Cryst
al”)に示されたツイステッド・ネマチック(twi
sted nematic)液晶を用いたものが知られ
ている。しかしながら、このTN液晶は、画素密度を高
くしたマトリクス電極構造を用いた時分割駆動の時、ク
ロストークを発生する問題点があるため、画素数が制限
されていた。
【0003】また、電界応答が遅く視野角特性が悪いた
めにディスプレイとしての用途は限定されていた。ま
た、各画素に薄膜トランジスタを形成する工程が極めて
煩雑な上、大面積の表示素子を作成することが難しい問
題点がある。
【0004】この様な従来型の液晶素子の欠点を改善す
るものとして、双安定性からなる液晶素子の使用が、ク
ラーク(Clark)およびラガウェル(Lagerw
all)により提案されている。(特開昭56−107
216号公報、米国特許第4367924号明細書等) この双安定性からなる液晶としては、一般にカイラルス
メクティックC相(Sm* C)またはH相(Sm* H)
からなる強誘電性液晶が用いられている。この強誘電性
液晶は、自発分極からなるために非常に速い応答速度か
らなる上に、メモリー性のある双安定状態を発現させる
ことができる。さらに、視野角特性もすぐれていること
から、大容量、大面積のディスプレイ用材料として適し
ていると考えられる。しかし、実際に液晶セルを形成す
る場合、広い面積にわたってモノドメイン化することは
困難であり、衝撃によりマルチドメイン化しやすいこと
から大画面の表示素子を作るには技術上の問題があっ
た。
【0005】また、高分子液晶をメモリー媒体として用
いる例が知られている。例えば、ブィ・シバエフ(V.
Shibaev)、エス・コストロミン(S.Kost
romin)、エヌ・プラーテ(N.Pla´te)、
エス・イワノフ(S.Iva ov)、ブィ・ヴェスト
ロフ(V.Vestrov)、アイ・ヤコブレフ(I.
Yakovlev)著の“ポリマー・コミュニケーショ
ンズ”(“Polymer Communicatio
ns”)第24巻、第364頁〜365頁の“サーモト
ロピック・リキッドクリスタリン・ポリマーズ.14”
(“Thermotropic Liquid Cry
stalline Polymers.14”)に示さ
れる熱書き込みメモリーを挙げることができる。
【0006】しかしながら、この方法は読みとりとして
光の散乱を利用しているのでコントラストが悪く、かつ
高分子化に伴なう応答速度の遅れという問題もあって実
用化には至っていない。
【0007】また、特開昭63−72784号公報、特
開昭63−99204号公報、特開昭63−16100
5号公報等には、強誘電性を有する高分子液晶が開示さ
れている。
【0008】しかしながら、これらの高分子液晶は、ネ
マチック液晶、あるいは強誘電性を有するカイラルスメ
クチック液晶のものであっても、低分子の液晶に比べる
と粘性が高いため大幅に応答性が劣っていた。そこで、
前記高分子液晶に低分子化合物、低分子液晶等を減粘剤
としてブレンドして用いることが試みられているが、こ
のブレンドした高分子液晶組成物を用いても、ポリマー
としてのフィルム性が悪く大面積化が困難になったり、
相溶性がなく相分離が生じたりして、良好な高分子液晶
素子を作成することができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の問題点を改善するためになされたものであり、
その目的は、光学素子等に用いられる機能性材料とし
て、大面積化が可能であり、かつ低粘性で、応答特性が
良好な液晶性化合物、それを含む液晶組成物およびそれ
等を用いた液晶素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は下記
一般式(I)で示される液晶性化合物である。
【0011】
【化17】
【0012】(式中、R1,R2,R3はメチル基もしく
は液晶性残基を示す。但し、1〜R3のうち少なくとも
1つは液晶性残基を示す。n=1〜10、m=0〜10
(但し、n+m≧1)、L=1〜100の整数を示す。
また、R1〜R3のうち少なくとも1つは末端フレキシブ
ル鎖として、下記の構造の光学活性基を有する。
【0013】
【化18】 は炭素原子数1〜12のアルキル鎖を示す。) 前記一般式(I)で示される液晶性化合物は、式中に下
記の構成単位
【0014】
【化19】 を有するが、該構成単位において
【0015】
【化20】 との配列の順序は問わず任意でよく、また両単位を少な
くとも一つずつ有する化合物であるものが好ましい。
【0016】また、本発明は、前記一般式(I)で示さ
れる液晶性化合物を少なくとも1種含有する液晶組成
物、および前記液晶性化合物あるいは液晶組成物を一対
の電極基板間に配置してなることを特徴とする液晶素子
である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
よれば、シロキサン基を有する液晶性化合物においてト
リフルオロメチル基を有する光学活性基を用いることに
より、耐衝撃性に優れ大面積化が可能な、低粘性で、応
答特性の良好な液晶性化合物およびそれを含む液晶組成
物を得ることが可能となった。
【0018】より具体的には下記一般式(I)で表わさ
れる液晶性化合物により、前記問題点を改善したもので
ある。
【0019】
【化21】
【0020】前記一般式(I)において、R1,R2,R
3はメチル基もしくは液晶性残基を示し、R1〜R3のう
ち少なくとも1つは液晶性残基を示す。n=1〜10、
m=0〜10(但し、n+m≧1)、L=1〜100の
整数を示す。また、R1〜R3のうち少なくとも1つは末
端フレキシブル鎖として、下記の構造の光学活性基を有
する。
【0021】
【化22】 は炭素原子数1〜12のアルキル鎖を示す。
【0022】前記一般式(I)で表わされる液晶性化合
物において、特に好ましい化合物としては、下記の一般
式(Ia)および一般式(Ib)で示される化合物が挙
げられる。
【0023】
【化23】
【0024】
【化24】 前記一般式(I)、(Ia)および(Ib)において用
いられる液晶性残基はより具体的には下記一般式(I
I)で表わされるものである。
【0025】
【化25】
【0026】(式中、Aは環構造を2個以上含むメソー
ゲン基、Bはフレキシブル鎖、Cはスペーサフレキシブ
ル鎖を示す。X及びYは
【0027】
【化26】 より選ばれる結合性基を示し、P及びQは0または1で
ある。)
【0028】また、前記一般式(II)におけるメソー
ゲン基としては、より具体的には下記に示すようなもの
があるが、これに限定されるものではない。
【0029】
【化27】
【0030】前記メソーゲン基の構造の例から単独で用
いても、組み合わせて用いてもよい。又、それぞれの骨
格にシアノ基,ハロゲン基,メトキシ基,トリフルオロ
メチル基,メチル基等の置換基を設けてもよい。
【0031】また、末端フレキシブル鎖,スペーサフレ
キシブル鎖としては次のようなものがあるが、それぞれ
単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。また、この例に限定されるものではない。
【0032】末端フレキシブル鎖
【0033】
【化28】 (式中、R は炭素原子数1〜12のアルキル鎖を示
す。)
【0034】スペサーフレキシブル鎖
【0035】
【化29】
【0036】本発明の液晶性化合物は、前記末端フレキ
シブル鎖とメソーゲン基を結合させ、スペーサフレキシ
ブル鎖をさらに結合させ、次に主鎖と結合させることに
よって合成される。このとき主鎖に結合させるスペーサ
フレキシブル鎖の原料は、末端に未反応の不飽和結合を
有していることが必要であり、この不飽和結合とシロキ
サン化合物を塩化白金酸により縮合することで本発明の
液晶性化合物が得られる。
【0037】本発明の液晶性化合物はメソーゲン基がジ
メチルシロキサン基で結合されたものであることから高
速応答性に優れている。ジメチルシロキサン・ユニット
が長ければ高速応答性は更に向上されるが、あまり長い
と液晶性を阻害するために液晶温度領域が減少してしま
う。そのため前記一般式(I)においてnは0〜10が
好ましい。さらに添加して液晶組成物としてSmC
相の拡大と高速応答性を得るためにはnは1〜5が好ま
しい。
【0038】本発明の液晶性化合物の合成方法の一例を
下記に示す。
【0039】[液晶モノマーの合成]光学活性な1,
1,1−トリフルオロ−2−オクタノール1と別途調製
した液晶コアとを結合させ、液晶モノマーを合成した。
【0040】
【化30】
【0041】
【化31】
【0042】
【化32】
【0043】得られた液晶ポリマーは、THF/メタノ
ール系の再沈殿を行うことにより精製した。
【0044】本発明の液晶性化合物は、種々の液晶性残
基と組み合わせて用いることが可能である。このような
共重合液晶性化合物は、一般的にはポリアルキルハイド
ロジェンシロキサン,ポリアリールハイドロジェンシロ
キサン主鎖に、ビニル基末端を有する側鎖成分をグラフ
ト反応的にハイドロシリレーション付加することにより
得ることができる。
【0045】本発明の液晶性化合物において組み合わせ
て用いられる他の構造の液晶性残基の含有量は1〜98
mol%が好ましく、さらに好ましくは5〜95mol
%の範囲で用いられる。1mol%未満では組み合わせ
る効果が十分でなく、98mol%を越えると本発明の
液晶性化合物の特性が失なわれるため好ましくない。
【0046】本発明の液晶成化合物の具体例としては次
のようなものがある。
【0047】
【化33】
【0048】
【化34】
【0049】
【化35】
【0050】
【化36】
【0051】
【化37】
【0052】本発明の液晶性化合物において組み合わせ
て用いられる他の構造の液晶性残基の含有量は1〜98
mol%が好ましく、さらに好ましくは5〜95mol
%の範囲で用いられる。1mol%未満では組み合わせ
る効果が十分でなく、98mol%を越えると本発明の
液晶性化合物の特性が十分に発揮できないために好まし
くない。
【0053】この共重合液晶性化合物の数平均分子量
は、好ましくは、500〜1,000,000、さらに
好ましくは600〜500,000である。500未満
であると共重合液晶性化合物の耐衝撃性が悪くなり、支
障が生じる場合があり、1,000,000を越えると
粘度の上昇に伴ない、外部場に対する応答性が悪くなる
場合がある。
【0054】共重合液晶性化合物に本発明の液晶性残基
と組み合わせて用いることが可能な他の液晶性残基の具
体例としては下記のようなものが挙げられる。ネマチッ
ク液晶相を発現しやすい構造としては、例えば
【0055】
【化38】
【0056】
【化39】
【0057】
【化40】
【0058】等が挙げられる。コレステリック液晶を発
現しやすい構造としては、例えば
【0059】
【化41】
【0060】
【化42】
【0061】*は不斉炭素原子を表わす。等が挙げられ
る。
【0062】カイラルスメクチック相を発現しやすい構
造としては、例えば
【0063】
【化43】
【0064】
【化44】
【0065】
【化45】
【0066】
【化46】
【0067】
【化47】
【0068】
【化48】
【0069】
【化49】
【0070】
【化50】
【0071】
【化51】
【0072】
【化52】
【0073】
【化53】
【0074】
【化54】
【0075】
【化55】
【0076】
【化56】
【0077】
【化57】
【0078】
【化58】
【0079】
【化59】
【0080】本発明の液晶性化合物を、他の液晶性化合
物もしくは液晶組成物に添加することにより容易にSm
相の温度領域を拡大できる。しかも得られた本発
明の液晶組成物は応答速度の低下がなく、良好な特性を
有する。
【0081】本発明の液晶組成物に配合される液晶性化
合物の例としては次のようなものがある。低分子液晶の
具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0082】
【化60】
【0083】
【化61】
【0084】
【化62】
【0085】
【化63】
【0086】
【化64】
【0087】
【化65】
【0088】
【化66】
【0089】
【化67】
【0090】
【化68】
【0091】
【化69】
【0092】また、本発明の液晶性化合物が光学活性基
を有する場合には、非光学活性液晶性化合物に添加し、
含有させることによっても、SmC 相の温度領域を
拡大し、応答速度を向上することが可能となる。
【0093】このようにして用いることが可能な非光学
活性液晶性化合物としては次に示すようなものがある。
これらの非光学活性液晶性化合物がSmC 相を有し
ていることが液晶温度巾の点がより好ましい。しかしこ
れに限定されるものではない。
【0094】
【化70】
【0095】
【化71】
【0096】
【化72】
【0097】
【化73】
【0098】
【化74】
【0099】
【化75】
【0100】
【化76】
【0101】さらに、ブレンドされる低分子化合物とし
ては、特に制限することなく一般に高分子液晶にブレン
ドされているものを用いることができるが、例えば長
鎖,短鎖のアリファティックな化合物,シロキサン化合
物,ビフェニル化合物等が挙げられる。
【0102】本発明に係わる液晶組成物中に含有される
本発明の液晶性化合物の量は、通常5重量%以上、好ま
しくは10重量%以上、さらに好ましくは15〜90重
量%が望ましい。5重量%未満では成形性、強度、成膜
性が不十分の場合がある。
【0103】なお、本発明に係わる液晶性化合物および
その液晶組成物には、色素、光安定化剤、可塑剤、光吸
収剤等を添加することができる。
【0104】本発明の液晶性化合物及び組成物の液晶相
は、ネマチック相,コレステリック相,スメクチック
相,カイラルスメクチック相等あらゆる液晶相が可能で
ある。ネマチック液晶であるならばTN液晶等として応
用ができ、コレステリック液晶であるならば、選択反射
波長を有する薄膜等として応用ができ、またカイラルス
メクチック液晶であるならば双安定性を有する強誘電性
液晶として応答性のすぐれた液晶素子として応用がで
き、いずれも大面積の液晶素子を容易に得ることが可能
である。特に、強誘電性である場合、ネマチック液晶等
では不可能なミリ秒以下の応答が可能であり、液晶素子
の性能はすぐれている。
【0105】本発明においては、ガラス、プラスチック
又は金属等の任意の材料からなる基板の上に、本発明の
液晶性化合物もしくは液晶組成物を塗布等の方法でフィ
ルムを形成するが、基板上にITO膜などの透明電極や
パターン化された電極を形成することもできる。
【0106】本発明において、液晶性化合物および液晶
組成物の配向方法としては、配向制御膜を用いる方法、
液晶相でシェアを加える方法、延伸を行う方法、磁場・
電場を加える方法等がある。配向処理は以下の例があげ
られる。 (1)水平配向(液晶性化合物又は液晶組成物の分子軸
方向を基板面に対して水平に配向させる)
【0107】ラビング法 基板上に溶液塗工法又は蒸着あるいはスパッタリング等
により、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、ジルコニア、フッ化マグネシウム、酸化セ
リウム、フッ化セリウム、シリコン窒化物、シリコン炭
化物、ホウ素窒化物などの無機絶縁物質やポリビニルア
ルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステ
ルイミド、ポリパラキシレリン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン
樹脂、ユリア樹脂やアクリル樹脂などの有機絶縁物質の
被膜を形成し、その後、その表面をビロード、布や紙で
一方向に摺擦(ラビング)して配向制御膜を形成する。
【0108】斜方蒸着法 SiO等の酸化物あるいはフッ化物又はAu,Alなど
の金属およびその酸化物を基板の斜めの角度から蒸着し
て配向制御膜を形成する。 斜方エッチング法 で示した有機あるいは無機絶縁膜を斜方からイオンビ
ームや酸素プラズマを照射することによりエッチングし
て配向制御膜を形成する。
【0109】延伸高分子膜の使用 ポリエステルあるいはポリビニルアルコール等の高分子
膜を延伸する。 グレーティング法 フォトリソグラフィーやスタンパーやインジェクション
を使用して基板表面上に溝を形成する。この場合、液晶
性化合物又は液晶組成物はその溝方向に配向する。
【0110】シェアリング 液晶性化合物又は液晶組成物を液晶状態以上の温度でず
り応力を加えて配向する。 延伸 一軸延伸または二軸延伸により配向する。ポリエステ
ル、ポリビニルアルコール等の基板とともに共延伸して
もよい。
【0111】(2)垂直配向(液晶性化合物又は液晶組
成物の分子軸方向を基板面に対して垂直に配向させる)
【0112】垂直配向膜を形成する。
【0113】基板表面上に有機シランやレシチンやポリ
テトラフルオロエチレン等の垂直配向性の層を形成す
る。 斜方蒸着 (1)−で述べた斜方蒸着法で基板を回転させながら
蒸着角度を適当に選択することにより垂直配向性を与え
ることができる。また、斜方蒸着後、で示した垂直配
向剤を塗布してもよい。
【0114】このように配向処理したあと、たとえば電
極を有する上部基板をもうけてスイッチング素子を得る
ことができる。
【0115】このようにして得た液晶素子は、表示素
子、記憶素子等として用いられる。強誘電性からなるカ
イラルスメクチック相をもつ液晶性化合物又は液晶組成
物を使用した液晶素子を用いると、高速のスイッチング
が可能で、また、双安定性からなることからメモリー性
が良好な大面積の表示素子、記憶素子等として使用する
ことが可能である。また双安定性を実現するために、ら
せんの解消を行うには膜厚を薄くする方法があり、具体
的には10μm以下がよい。
【0116】図1は本発明の液晶素子の一例を示し、図
1(a)は本発明の液晶素子の平面図、図1(b)はそ
のAA’線断面図である。同図1において、本発明の液
晶素子は、ガラス板又はプラスチック板などからなる一
対の基板1,1′(少なくとも一方の基板が複屈折を有
する)をスペーサ4で所定の間隔に保持し、この一対の
基板1,1′をシーリングするために接着剤6で接着し
たセル構造を有しており、さらに基板1の上には複数の
透明電極2からなる電極群(例えば、マトリクス電極構
造のうちの走査電圧印加用電極群)が、例えば帯状パタ
ーンなどの所定パターンで形成されている。また、基板
1′の上には前述の透明電極2と交差させた複数の透明
電極2’からなる電極群(例えば、マトリクス電極構造
のうちの信号電圧印加用電極群)が形成されている。
【0117】この様な透明電極2’を設けた基板1’に
は、例えば、一酸化珪素,二酸化珪素,酸化アルミニウ
ム,ジルコニア,フッ化マグネシウム,酸化セリウム,
フッ化セリウム,シリコン窒化物,シリコン炭化物,ホ
ウ素窒化物などの無機絶縁物質やポリビニルアルコー
ル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエステルイミ
ド,ポリパラキシレリン,ポリエステル,ポリカーボネ
ート,ポリビニルアセタール,ポリ塩化ビニル,ポリア
ミド,ポリスチレン,セルロース樹脂,メラミン樹脂,
ユリア樹脂やアクリル樹脂などの有機絶縁物質を用いて
被膜形成した配向制御膜5を設けてもよい。
【0118】この配向制御膜5は、前述の如き無機絶縁
物質又は有機絶縁物質を被膜形成した後に、その表面を
ビロード、布や紙で一方向に摺擦(ラビング)すること
によって得られる。また、他にSiOやSiO など
の無機絶縁物質を基板1′の上に斜め蒸着法によって被
膜形成することによって配向制御膜5を得ることもでき
る。
【0119】また、さらに別の具体例ではガラス又はプ
ラスチックからなる基板1′の表面あるいは基板1’の
上に前述した無機絶縁物質や有機絶縁物質を被膜形成し
た後に、該被膜の表面を斜方エッチング法によりエッチ
ングすることにより、その表面に配向制御効果を付与す
ることができる。
【0120】配向制御膜5の膜厚は一般に100Å〜1
μm、好ましくは500Å〜5000Åの範囲に設定す
ることができる。この絶縁層は液晶層3に微量に含有さ
れる不純物等のために生ずる電流の発生を防止できる利
点をも有しており、従って動作を繰り返し行っても液晶
化合物を劣化させることがない。
【0121】また、本発明の液晶素子では前述の配向制
御膜5と同様のものをもう一方の基板1に設けることが
できる。7は偏光子、8は検光子を示す。
【0122】その他の配向法としては、一軸延伸,二軸
延伸,インフレーション延伸等の延伸法やシェアリング
による再配列が行われる。単独ではフィルム性がなく延
伸が困難なものはフィルムにサンドイッチすることで共
延伸することができる。また、磁場・電場による配向も
行なわれ、前記の他の配向方法と組み合わせることも可
能である。
【0123】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0124】実施例1 次の(1)〜(5)の各工程により(+)−1,1,
3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジ−4′−
[4″−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチ
ル)−フェニルオキシカルボニル]ビフェニルオキシウ
ンデカニル=トリシロキサンを合成した。
【0125】(1)10−ウンデセニル−p−トルエン
スルホン酸エステルの合成 10−ウンデセン−1−オール3.40g(20.0m
M)に乾燥ピリジン4.32g(54.0mM)を加
え、0℃で10分間攪拌した。この溶液にp−トルエン
スルホン酸クロリド3.80g(20.0mM)を加
え、その後室温で4時間攪拌した。反応終了後、2M塩
酸を加え反応液を酸性にし、エーテルで抽出した。この
抽出液に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、エー
テルを留去して10−ウンデセニル−p−トルエンスル
ホン酸エステル6.20g(19.1mM)を得た。収
率95.5%
【0126】(2)p−(10−ウンデセニル)オキシ
ビフェニルカルボン酸エチルエステルの合成 10−ウンデセニル−p−トルエンスルホン酸エステル
6.20g(19.1mM)とp−ヒドロキシビフェニ
ルカルボン酸エチルエステル4.62g(19.1m
M)にジメチルホルムアミド6mlを加え、よく攪拌し
た。この溶液に60%水素化ナトリウム0.77g(1
9.3mM)を加え、7時間加熱還流した。反応終了
後、ジメチルホルムアミドを留去し、水を加えてからエ
ーテルで抽出した。このエーテル抽出液に無水硫酸ナト
リウムを加えて乾燥した後、エーテルを留去し、カラム
クロマト(展開溶媒:塩化メチレン)で分離精製して、
p−(10−ウンデセニル)オキシビフェニルカルボン
酸エチルエステル6.46g(16.4mM)を得た。
収率86%
【0127】(3)p−(10−ウンデセニル)オキシ
ビフェニルカルボン酸の合成 p−(10−ウンデセニル)オキシビフェニルカルボン
酸エチルエステル6.46g(16.4mM)と、水酸
化ナトリウム2.18g(54.6mM)を水4mlで
溶かしたものとメタノール30mlを50℃で3時間加
熱攪拌した。反応終了後、蒸留水を20ml加えてから
メタノールを留去し、6M塩酸で溶液を酸性にした。こ
うして生成したp−(10−ウンデセニル)オキシビフ
ェニルカルボン酸をろ過し、デシケイター中で減圧乾燥
した。こうしてp−(10−ウンデセニル)オキシビフ
ェニルカルボン酸5.56g(15.2mM)を得た。
収率92.8%
【0128】(4)(−)−p−(10−ウンデセニ
ル)オキシビフェニルカルボン酸−p′−(1−トリフ
ルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニルエステル
の合成 p−(10−ウンデセニル)オキシビフェニルカルボン
酸1.43g(3.9mM)を塩化チオニル8mlと共
に、3時間加熱還流した後、未反応の塩化チオニルを留
去して酸塩化物を得た。
【0129】次にトリエチレンジアミン0.87g
(7.80mM)を乾燥ベンゼン5mlに溶かした溶液
に(+)−p−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキ
シメチル)フェノール([α] 27 29.3°(c
0.60,CH Cl ))1.16g(4.0
mM)を加え、上記の酸塩化物中に攪拌下に滴下した。
滴下終了後50℃で2時間加熱した。これに60%水素
化ナトリウム0.19g(4.70mM)を乾燥ベンゼ
ンと共に加え、さらに2時間加熱還流した。反応終了
後、2M塩酸で溶液を酸性にし、ベンゼンで抽出した。
【0130】この抽出液に無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥した後、ベンゼンを留去し、カラムクロマト(展開
溶媒:ベンゼン)で分離精製し、さらにヘキサン4ml
で再結晶し、(−)−p−(10−ウンデセニル)オキ
シビフェニルカルボン酸−p′−(1−トリフルオロメ
チルヘプチルオキシメチル)フェニルエステル(3.1
5mM)を得た。収率81%,[α] 27 21.1
°(c 0.49,ベンゼン)
【0131】
【化77】
【0132】(5)(+)−1,1,3,3,5,5−
ヘキサメチル−1,5−ジ−4′−[4″−(1−トリ
フルオロメチルヘプチルオキシメチル)−フェニルオキ
シカルボニル]ビフェニルオキシウンデカニル=トリシ
ロキサンの合成 (−)−p−(10−ウンデセニル)オキシビフェニル
カルボン酸−p′−(1−トリフルオロメチルヘプチル
オキシメチル)フェニルエステル0.313g(0.5
mM)と乾燥トルエン0.5mlを混ぜ、攪拌しながら
塩化白金酸イソプロパノール溶液(1M溶液)を3mg
(約0.002mM)を加えた。約3分間攪拌してか
ら、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキ
サン0.067g(0.5mM)を加え、100℃で7
時間加熱した。さらに(−)−p−(10−ウンデセニ
ル)オキシビフェニルカルボン酸−p′−(1−トリフ
ルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニルエステル
0.10g(0.16mM)を追加し、100℃で4時
間加熱した。
【0133】反応終了後、生成物をカラムクロマト(展
開溶媒:塩化メチレン:ヘキサン=1:1)で分離精製
し、さらにヘキサン5mlで再結晶して(+)−1,
1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジ−4′
−[4″−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメ
チル)−フェニルオキシカルボニル]ビフェニルオキシ
ウンデカニル=トリシロキサン0.298g(0.21
mM)を得た。収率64%,[α] 28 17.6°
(c 0.63, CH Cl ) 相転移温度
【0134】
【数1】
【0135】
【化78】
【0136】実施例2 実施例1にて合成した(+)−1,1,3,3,5,5
−ヘキサメチル−1,5−ジ−4′−[4″−(1−ト
リフルオロメチルヘプチルオキシメチル)−フェニルオ
キシカルボニル]ビフェニルオキシウンデカニル=トリ
シロキサンを5μm厚のITO電極を有するPIラビン
グセルに封入し、90℃で応答速度を測定したところ1
73μsec(4V/μm)だった。
【0137】実施例3 (+)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,
5−ジ−4′−[4″−(1−トリフルオロメチルヘプ
チルオキシメチル)−フェニルオキシカルボニル]フェ
ニルオキシウンデカニル=トリシロキサン1重量部に対
して(+)−4−デシルオキシ安息香酸−4′−(2″
−フルオロオクチルオキシ)−フェニルエステル9重量
部を添加したところ、91〜62℃でSmC 相を示
した。
【0138】実施例4 次の(1)〜(3)の各工程により(+)−1,1,
3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジ−4−
[4″−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチ
ル)−フェニルカルボニルオキシ]ビフェニルオキシウ
ンデカニル=トリシロキサンを合成した。
【0139】
【化79】
【0140】(1)p−(10−ウンデセニル)オキシ
ハイドロキシビフェニルの合成 10−ウンデセニル−p−トルエンスルホン酸エステル
2.60g(8.02mM)とジヒドロキシビフェニル
3.0g(16.0mM)にブタノール3mlを加え、
よく攪拌した。この溶液に、水銀化ナトリウム0.41
g(9.74mM)をブタノール6mlで溶かしたもの
を加え、110℃で7時間加熱還流した。反応終了後、
ブタノールを留去し、水を加えてからエーテルで抽出し
た。このエーテル抽出液に無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥した後、エーテルを留去し、カラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒:塩化メチレン)で分離精製して、p−
(10−ウンデセニル)オキシハイドロキシビフェニル
1.55g(3.82mM)を得た。収率47.6%
【0141】(2)(−)−p−(1−トリフルオロメ
チルヘプチルオキシメチル)安息香酸−p’−(10−
ウンデセニルオキシ)ビフェニルエステルの合成 (+)−p−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシ
メチル安息香酸0.64g(2.1mM)を塩化チオニ
ル3mlと共に、1時間30分加熱還流した後、未反応
の塩化チオニルを留去して酸塩化物を得た。
【0142】次にトリエチレンジアミン0.45g
(4.0mM)を乾燥ベンゼン3mlに溶かした溶液に
p−(10−ウンデセニルオキシ)ハイドロキシビフェ
ニル0.81g(2.0mM)を加え、上記の酸塩化物
中に攪拌下に滴下した。滴下終了後50℃で2時間加熱
した。これに60%水素化ナトリウム0.08g(2.
0mM)を乾燥ベンゼンと共に加え、さらに2時間加熱
還流した。反応終了後、2M塩酸で溶液を酸性にし、ベ
ンゼンで抽出した。この抽出液に無水硫酸ナトリウムを
加えて乾燥した後、ベンゼンを留去し、カラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:ベンゼン)で分離精製し、さら
にヘキサン2mlで再結晶して、(−)−p−(1−ト
リフルオロメチルヘプチルオキシメチル)安息香酸−
p′−(10−ウンデセニルオキシ)ビフェニルエステ
ル1.1g(1.72mM)を得た。収率86%.
[α] 26 22.9°(c 0.511,CHCl
)。
【0143】
【数2】
【0144】(3)(+)−1,1,3,3,5,5−
ヘキサメチル−1,5−ジ−4′−[4″−(1−トリ
フルオロメチルヘプチルオキシメチル)−フェニルカル
ボニルオキシ]ビフェニルオキシウンデカニル=トリシ
ロキサンの合成 (−)−p−1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメ
チル安息香酸−p′−(10−ウンデセニルオキシ)ビ
フェニルエステル0.32g(0.5mM)と乾燥トル
エン0.5mlを混ぜ、攪拌しながら塩化白金酸イソプ
ロパノール溶液(1M溶液)を3mg(約0.002m
M)を加えた。約3分間攪拌してから、1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン0.067g(0.5m
M)を加え100℃で7時間加熱した。さらに(−)−
p−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチル)
安息香酸−p′−(10−ウンデセニルオキシ)ビフェ
ニルエステル0.11g(0.15mM)を追加し、1
00℃で4時間加熱した。
【0145】反応終了後、生成物をカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:塩化メチレン:ヘキサン=1:1)
で分離精製し、さらにヘキサン3mlで再結晶して
(+)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,
5−ジ−4′−[4″−(1−トリフルオロメチルヘプ
チルオキシメチル)−フェニルカルボニルオキシ]ビフ
ェニルオキシウンデカニル=トリシロキサン0.27g
(0.2mM)を得た。収率60%、[α] 26
7.8°(c0.544,CH Cl )。
【0146】実施例5 次の(1),(2)の工程により1,1,3,3,5,
5−ヘキサメチル−1,5−ジ−4−[4″−(1−ト
リフルオロメチルオクチルオキシカルボニル)−フェニ
ルオキシカルボニル]フェニルオキシウンデカニル=ト
リシロキサンを合成した。
【0147】
【化80】
【0148】(1)p−(10−ウンデセニル)オキシ
安息香酸−p′−(1−トリフルオロメチルオクチルオ
キシカルボニル)フェニルエステルの合成 p−(10−ウンデセニル)オキシ安息香酸0.44g
(1.5mM)を塩化チオニル2mlと共に、2時間加
熱還流した後、未反応の塩化チオニルを留去して酸塩化
物を得た。
【0149】一方、p−(1−トリフルオロメチルオク
チルオキシカルボニル)フェノール0.44g(1.5
mM)に、トリエチレンジアミン0.34g(3.0m
M)を乾燥ベンゼン3mlに溶かした溶液を加え、氷冷
しながら攪拌した。この溶液に、先に調製した酸塩化物
のベンゼン溶液を滴下した。滴下終了後50℃で2時間
攪拌した後、これに60%水素化ナトリウム40mgを
乾燥ベンゼンと共に加え、さらに2時間加熱還流した。
反応終了後、2M塩酸で溶液を酸性にし、エーテルで抽
出した。この抽出液に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥
した後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(展
開溶媒:ベンゼン)で分離精製し、p−(10−ウンデ
セニル)オキシ安息香酸−p′−(1−トリフルオロメ
チルオクチルオキシカルボニル)フェニルエステル0.
37g(0.65mM)を得た。収率43%。
【0150】
【化81】
【0151】(2)1,1,3,3,5,5−ヘキサメ
チル−1,5−ジ−4′−[4″−(1−トリフルオロ
メチルオクチルオキシカルボニル)−フェニルオキシカ
ルボニル]フェニルオキシウンデカニル=トリシロキサ
ンの合成 p−(10−ウンデセニル)オキシ安息香酸−p′−
(1−トリフルオロメチルオクチルオキシカルボニル)
−フェニルエステル0.12g(0.21mM)と乾燥
トルエン0.2mlを混ぜ、攪拌しながら塩化白金酸イ
ソプロパノール溶液(1M溶液)を3mg(約0.00
2mM)を加えた。約3分間攪拌してから、1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン0.028g(0.
21mM)を加え100℃で7時間加熱した。さらにp
−(10−ウンデセニル)オキシ安息香酸−p′−(1
−トリフルオロメチルオクチルオキシカルボニル)フェ
ニルエステル0.024g(0.036mM)を追加
し、100℃で5時間加熱した。
【0152】反応終了後、生成物をカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:塩化メチレン:ヘキサン=1:1)
で分離精製し、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル
−1,5−ジ−4′−[4″−(1−トリフルオロメチ
ルオクチルオキシカルボニル)−フェニルオキシカルボ
ニル]フェニルオキシウンデカニル=トリシロキサン
0.09g(0.07mM)を得た。収率64%。
【0153】実施例6 次の(1),(2)の工程により、下記化合物Bを合成
した。
【0154】
【化82】
【0155】(1)化合物の合成 窒素置換したナスフラスコに1,1,3,3,5,5,
7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1.18
6g(4mM)、1,3,5,7−テトラメチルシクロ
テトラシロキサン0.962g(4mM)、1,1,
1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン0.160
g(1mM)を加え攪拌し、そこに触媒としてトリフル
オロメタンスルホン酸を1滴加えた。その後、室温で2
0hr攪拌した。反応終了後、エーテルを10ml加
え、1%炭酸水素ナトリウム水溶液で3回反応液を洗浄
した。このエーテル層を無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥
し、溶媒を留去した後、真空ポンプで減圧し、低分子成
分を留去した。収量1.979g(収率85.7%)
【0156】(2)化合物の合成 窒素置換したナスフラスコに、化合物28.9mgと
別途合成した液晶([α] =22.9°(C:
0.511 CHCl )141mg(0.22m
M)を加え、ここに塩化白金酸触媒のトルエン溶液3m
lを加えた。その後、100℃で40hr反応させた。
反応終了後、溶媒を留去し、ベンゼン5ml、活性炭1
00mgを加えて室温で3hr攪拌した。この溶液をセ
ライト濾過して触媒を除いた。溶媒を留去して得られた
生成物をテトラヒドロフラン(THF)0.75mlに
溶かし、メタノール20mlに再沈殿させた。これを2
回繰り返して、得られた生成物をデシケータの中で乾燥
させ、化合物を得た。
【0157】収 量104mg(収率66%) 分子量Mn=1.8×10 〜1.9×10 (G
PC PSt換算) [α] =16.2°(C:0.526 CHCl
) [α]435 =39.2°(C:0.526 CHC
【0158】
【数3】
【0159】実施例7 実施例6において合成した化合物をITO電極を有す
るガラス基板に塗布し、同様のITO電極を重ね合わせ
てシェアリングにより、液晶性化合物を配向させた。自
発分極Ps,応答時間τ,チルト角θについて印加電圧
4V/Mmにて測定した。測定結果を表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】(注)Tc−TはSmAからSmC*への
転移温度と測定温度の差を示す。
【0162】実施例8 次の工程により下記化合物を合成した。
【0163】
【化83】
【0164】窒素置換したナスフラスコに、実施例6に
て合成した化合物28.9mgと別途合成した化合物
([α] =29.1(C:0.531 CHCl
))143mg(0.22mM)を加え、ここに塩化
白金酸触媒トルエン溶液3mlを加えた。その後、10
0℃で40hr反応させた。反応終了後、溶媒留去し、
そこにベンゼン5ml、活性炭100mgを加えて室温
で3hr攪拌した。この溶液をセライト濾過して触媒を
除いた。溶媒を留去して、得られた生成物をTHF0.
75mlに溶かし、メタノール20mlに再沈殿させ
た。これを2回繰り返して、得られた生成物をデシケー
タの中で乾燥させ、化合物を得た。
【0165】収 量119mg(収率75%) 分子量Mn=2.0×10 (GPC PSt換算) [α] =24.5(C:0.485 CHCl
) [α]435 =54.4(C:0.485 CHCl
【0166】
【数4】
【0167】実施例9 実施例8において合成した化合物をITO電極を有す
るガラス基板に塗布し、同様のITO電極を重ね合わせ
てシェアリングにより、配向させた。30V/μmの電
圧を印加したところ70℃で分極反転によるスウィッチ
ングが観測され、分極反転電流より求めた自発分極は1
02nC/cm であった。
【0168】実施例10 実施例4で合成した下記の式で示される化合物9重量部
【0169】
【化84】
【0170】に対して実施例6で合成した化合物1重
量部を加えて液晶組成物を得た。この液晶組成物は56
℃から101℃でSmC* 相を示した。
【0171】次に、この液晶組成物を2μm厚のITO
電極を有するPIラビングセルに注入し、90℃で応答
時間を測定したところ384μs(4V/μm)と高速
であった。また、10gの硬質ゴムボールを10cmの
高さから上記セルに落下させたが、配向は乱れなかっ
た。
【0172】実施例11 実施例8で合成した化合物1重量部へ、実施例4の
(4)で合成した下記の式で示される化合物9重量部
【0173】
【化85】 を加えて液晶組成物を得た。この液晶組成物は90℃か
ら46℃でSmC* 相を示した。
【0174】次に、この液晶組成物を2μm厚のITO
電極を有するPIラビングセルに注入し、85℃で応答
時間を測定したところ420μs(4V/μm)であっ
た。また、10gの硬質ゴムボールを10cmの高さか
ら上記セルに落下させたが、配向は安定であった。
【0175】
【発明の効果】以上のように本発明の液晶性化合物およ
び液晶組成物は広い温度範囲でSmCを有し、かつ高
速応答性に優れている。
【0176】更に本発明によれば、低粘性を与えるシロ
キサン基、高速で優れた応答性を与えるトリフルオロメ
チル基を有する光学活性基を有する液晶性化合物を用い
ることにより、耐衝撃性に優れた応答性の良好なものが
得られた。したがって、本発明の液晶性化合物を液晶素
子に用いることにより、高速スイッチング能を有する大
面積の液晶素子の実現を可能にすることができる。
【0177】また、本発明の液晶組成物は、上記液晶性
化合物の低粘性の良好な特性を有し、かつ他の高分子化
合物,高分子液晶,低分子化合物または低分子液晶との
ブレンドによって、液晶温度範囲,自発分極,らせんの
センス等の物性を制御することができる。また、本発明
の液晶組成物は、高速スイッチング能を有する大面積の
液晶素子を作製する上で非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一例を示し、図1(a)は
液晶素子の平面図、図1(b)はそのAA′線断面図で
ある。
【符号の説明】
1,1′ 基板 2,2′ 透明電極 3 液晶層 4 スペーサ 5 配向制御膜 6 接着剤 7 偏光子 8 検光子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−160986(JP,A) 特開 昭64−6088(JP,A) 特開 平1−144491(JP,A) 特開 平6−72964(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 C08G 77/38 C09K 19/40 G02F 1/13 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される液晶性化合
    物。 【化1】 [式中、R1,R2,R3はメチル基もしくは下記一般式
    (II)で示される液晶性残基を示す。但し、1〜R3
    のうち少なくとも1つは液晶性残基を示す。n=1〜1
    0、m=0〜10(但し、n+m≧1)、L=1〜10
    0の整数を示す。但し、n+m=1のときR 2 はメチル
    基である。 【化2】 (Bは下記の構造の光学活性基を示す。 【化3】 4 は炭素原子数1〜12のアルキル鎖を示す。Aは 【化4】 からなる群より選ばれた少なくとも1種の基からなるメ
    ソーゲン基を示す。Cは 【化5】 からなる群より選ばれた少なくとも1種の基からなるス
    ペーサフレキシブル鎖を示す。X及びYは 【化6】 より選ばれる結合性基を示し、P及びQは0または1で
    ある。)]
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)で示される液晶性化合
    物が、下記の一般式(Ia)で示される化合物である請
    求項1記載の液晶性化合物。【化7】 (式中、R前記と同じものを示す。n=1〜10、
    m=0〜10(但し、n+m≧2)、L=1〜100の
    整数を示す。また、Rは末端フレキシブル鎖として、
    下記の構造の光学活性基を有していてもよい。【化8】 は炭素原子数1〜12のアルキル鎖を示す。)
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)で示される液晶性化合
    物が、下記の一般式(Ib)で示される化合物である請
    求項1記載の液晶性化合物。【化9】 (式中、R,R前記と同じものを示す。但し、
    およびRのうち少なくとも1つは前記と同じ液晶性
    残基を示す。また、RおよびRのうち少なくとも1
    つは末端フレキシブル鎖として、下記の構造の光学活性
    基を有する。【化10】 は炭素原子数1〜12のアルキル鎖を示す。)
  4. 【請求項4】 請求項1記載の液晶性化合物を少なくと
    も1種含有する液晶組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の液晶性化合物を一対の電
    極基板間に配置してなることを特徴とする液晶素子。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の液晶組成物を一対の電極
    基板間に配置してなることを特徴とする液晶素子。
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