JP2889403B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2889403B2
JP2889403B2 JP3196714A JP19671491A JP2889403B2 JP 2889403 B2 JP2889403 B2 JP 2889403B2 JP 3196714 A JP3196714 A JP 3196714A JP 19671491 A JP19671491 A JP 19671491A JP 2889403 B2 JP2889403 B2 JP 2889403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、映像信号の記録およ
び再生を行なうヘリカルスキャン型磁気記録再生装置に
関し、特に、時間軸変動を改善する磁気記録再生装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】VTR(ビデオテープレコーダ)やカメ
ラ一体型VTR等の、映像信号を記録および再生する磁
気記録再生装置は、信号の記録および再生のために、記
録媒体の機械的な移動を利用しているため、再生映像信
号に時間的な揺らぎ、すなわち時間軸の変動が生じる。
このような時間軸変動は、たとえば、記録媒体として磁
気テープを用いる装置において、テープ・ヘッド系によ
って生じる。
【0003】すなわち、VTRにおいて、磁気テープの
走行速度やヘッドが取付けられた回転ドラムの回転速度
が厳密に一定に保持されず微妙に変動するので、磁気テ
ープからヘッドが読取った映像信号の波形は、本来の波
形に対して時間軸方向に変動が生じたものとなる。
【0004】時間軸方向にこのような変動分(ジッタ成
分)を含む映像信号によって得られた再生画像には、ジ
ッタと呼ばれる水平方向の揺らぎが生じる。このため、
時間軸方向の変動分を含む映像信号は見苦しい画面を提
供する。
【0005】そこで、VTRやカメラ一体型VTRは、
磁気テープから読取られた映像信号(以下、再生映像信
号と呼ぶ)の時間軸方向の変動(以下、時間軸誤差と称
す場合もある)を補正するための時間変動除去装置(タ
イムベースコレクタ)を有する。
【0006】図12は、時間軸変動除去装置の基本構成
を示す概略ブロック図である。図12を参照して、時間
軸変動除去装置は、基本的に、再生映像信号を、この再
生映像信号に含まれる時間軸誤差と同一の時間軸誤差を
有するクロック信号に従うタイミングでメモリに一旦書
込み、その後、時間軸誤差を含まない安定なクロック信
号に従うタイミングでこのメモリから読出すことによっ
て、再生映像信号の時間軸誤差を補正する。
【0007】以下、図12を参照しながら時間軸変動除
去装置の基本構成について説明する。
【0008】A/D変換器310は、再生映像信号を、
書込みクロック発生回路340から発生されるクロック
信号に応答してサンプリングしてデジタルデータに変換
する。
【0009】A/D変換器310によって変換されたデ
ジタルデータはメモリ320に、書込みクロック発生回
路340から出力されるクロック信号に応答して書込ま
れた後、メモリ320から、読出しクロック発生回路3
50から出力されるクロック信号に応答して読出され
る。
【0010】D/A変換器330は、メモリ320から
読出されたデジタルデータを、読出しクロック発生回路
350から出力されるクロック信号に応答して元のアナ
ログ信号に変換し出力する。
【0011】書込みクロック発生回路340は、再生映
像信号から同期信号を分離し、分離した同期信号に基づ
いて、再生映像信号に含まれる時間軸誤差と同一の時間
軸誤差を有する、時間軸変動のあるクロック信号を発生
する。
【0012】A/D変換器310において、再生映像信
号はこの時間軸変動のあるクロック信号の立上り(また
は、立下り)に応答してサンプリングされ、サンプリン
グされた再生映像信号電圧はそれぞれデジタルデータに
変換される。これらのデジタルデータが、メモリ310
において、前述の時間軸変動のあるクロック信号の立上
り(または立下り)に応答して各アドレスに書込まれ
る。したがって、メモリ320の各アドレスには、画面
上で水平方向に等間隔な位置にある複数の画素から得ら
れた映像信号電圧が書込まれる。
【0013】図13は、A/D変換器310における再
生映像信号のサンプリングの様子を示す波形図である。
図14は画面上の画素配列を示す図である。次に、図1
3および図14を参照しながら、メモリ320に画面上
で空間的に等間隔な位置にある画素の再生映像信号電圧
が書込まれる原理について簡単に説明する。
【0014】映像信号は、図13(a)に示されるよう
に、画面500上の各水平走査線から得られた本来の映
像信号部分と、各水平走査線の映像信号部分の始め、す
なわち水平帰線期間に挿入されるカラーバースト信号と
を含む。カラーバースト信号は、NTSC(Natio
nal Television System Com
mitee)方式の複合映像信号から色信号を復調する
ために必要な、基準位相を有する色副搬送波であり、N
TSC方式の映像信号に含まれる信号中で最も正確な時
間情報を担う。
【0015】画面500は、水平走査線に対応する画素
行600によって構成され、各画素行600がn個の同
じ大きさの微小な画素P1〜Pnから構成されると考え
られる。
【0016】各水平走査線の映像信号に時間軸誤差がな
ければ、n個の画素P1〜Pnの輝度情報および色情報
は、対応する水平走査線の映像信号において図13にお
ける×の位置の映像信号電圧に代表される。したがっ
て、各水平走査線の映像信号をn個の画素P1〜Pnの
色情報および輝度情報としてメモリ320に書込むに
は、各水平走査線の映像信号を、図13(b)に示され
るように、各画素の幅に対応する時間期間を1周期と
し、かつ、立上りタイミングがすべて図13(a)にお
ける×の位置に一致するような位相を有するクロック信
号の立上りに同期してサンプリングすればよい。
【0017】しかし、各水平走査線の映像信号に時間軸
誤差があり、たとえば画素P2およびP3の映像信号電
圧が対応する水平走査線の映像信号(図13(a))に
おいて×よりも若干後の位置(図中○で示す)に現われ
る場合、各水平走査線の映像信号を図13(b)に示さ
れるクロック信号に応答してサンプリングすると、画素
P1の映像信号電圧としてサンプリングされる映像信号
上の位置と、画素P2の映像信号電圧としてサンプリン
グされる映像信号上の位置との時間的な間隔a,画素P
2の映像信号電圧としてサンプリングされる映像信号上
の位置と、画素P3の映像信号電圧としてサンプリング
される映像信号上の位置との時間的な間隔b,画素P3
の映像信号電圧としてサンプリングされる映像信号上の
位置と、画素P4の映像信号電圧としてサンプリングさ
れる映像信号上の位置との時間的な間隔cとは、画面5
00上で隣接する2つの画素の空間的な距離と一致しな
い。このため、メモリ200には、画面500上におい
て空間的に等間隔にないn個の画素の映像信号電圧が1
水平走査線分の映像信号として記憶される。
【0018】そこで、この場合には、各水平走査線の映
像信号を、図13(c)に示されるようなクロック信
号、すなわち、図13(b)に示されるクロック信号
が、画素P2およびP3の映像信号電圧としてサンプリ
ングされる映像信号上の位置を含む部分に対応する期間
にのみ、位相を遅らせた信号の立上りに応答してサンプ
リングする。この位相の遅れの大きさは、画素P2およ
びP3の映像信号電圧としてそれぞれサンプリングされ
る映像信号上の2つの位置と、この映像信号に時間軸誤
差がない場合に画素P2およびP3の映像信号電圧とし
てそれぞれサンプリングされるべき2つの位置とのずれ
の大きさdに一致するように設定される。したがって、
メモリ320に各水平走査線の映像信号として記憶され
るデジタルデータは、画面500において空間的に等間
隔な位置にあるn個の画素の映像信号電圧となる。
【0019】再度図12を参照して、書込みクロック発
生回路340は、再生映像信号に時間軸変動が生じてい
ない期間には、所定の基準位相を有するクロック信号
(たとえば図13(b))を出力し、再生映像信号に時
間軸変動が生じている期間には、この基準位相に対して
時間軸変動の大きさおよび方向に応じた位相差を有する
クロック信号(たとえば図13(c))を出力する。こ
れによって、メモリ320に常に、画面500上におい
て空間的に等間隔な位置にある複数の画素の映像信号が
書込まれる。
【0020】読出しクロック発生回路350は、再生映
像信号とは独立な外部同期信号に基づいて、時間軸変動
のない安定なクロック信号を発生してメモリ320およ
びD/A変換器330に与える。したがって、メモリ3
20に一旦書込まれた空間的に等間隔な位置にある複数
の画素の映像信号は、一定の時間間隔で、メモリ320
から読出された後D/A変換器330によって、滑らか
なアナログ信号に変換される。この結果、D/A変換器
330からは、前記複数の画素の映像信号電圧が、これ
らの画素の画面500上における空間的な位置関係に対
応する時間間隔で滑らかにつなぎ合わされた映像信号、
つまり時間軸補正された映像信号が出力される。
【0021】図15は、従来の時間軸変動除去装置の具
体的な構成を示すブロック図である。以下、図15を参
照しながら従来の時間軸変動除去装置の構成および動作
について説明する。再生映像信号は輝度信号およびクロ
マ信号の両方を含むものとする。
【0022】A/D変換器710は、再生映像信号に含
まれる輝度信号(再生輝度信号)を、ライトタイミング
発生器810の出力信号の立上がり(または立下がり)
に応答してサンプリングし、サンプリングした電圧をデ
ジタルデータに変換する。このデジタルデータはDRA
M(ランダムアクセスメモリ)730に与えられる。
【0023】同様に、A/D変換器720は、再生映像
信号に含まれるクロマ信号(再生クロマ信号)を、ライ
トタイミング発生器810の出力信号の立上がり(また
は立下がり)に応答してサンプリングし、サンプリング
した電圧をデジタルデータに変換する。このデジタルデ
ータはDRAM740に与えられる。
【0024】DRAM730は、A/D変換器710の
出力データを、ライトタイミング発生器810の出力信
号の立上がり(または立下がり)に応答して順次取込み
各アドレスに記憶した後、リードタイミング発生器80
0の出力信号の立上がり(または立下がり)に応答して
それぞれのアドレスから順次記憶データを読出してD/
A変換器750に与える。
【0025】同様に、DRAM740は、A/D変換器
720からのデータを、ライトタイミング発生器810
の出力信号の立上がり(または立下がり)に応答して順
次取込み各アドレスに記憶した後、リードタイミング発
生器800の出力信号の立上がり(または立下がり)に
応答してそれぞれのアドレスから記憶データを順次読出
してD/A変換器760に与える。
【0026】D/A変換器750は、DRAM730か
らのデータをリードタイミング発生器800の出力信号
の立下がり(立下がり)に応答して元のアナログ電圧に
変換してバッファ回路770に与える。
【0027】同様にして、D/A変換器760は、DR
AM740からのデータを、リードタイミング発生器8
00の出力信号の立上がり(または立下がり)に応答し
て元のアナログ電圧に変換してバッファ回路780に与
える。
【0028】一方、同期分離回路820は再生輝度信号
からこれに含まれる垂直同期信号および水平同期信号を
分離する。分離された垂直同期信号および水平同期信号
は単安定マルチバイブレータ(MMV)830に入力さ
れる。
【0029】単安定マルチバイブレータ830は、与え
られる同期信号の立上がり(または立下がり)に同期し
て一定期間その出力電圧をハイレベルに保持するように
動作する。これによって、MMV830からは、再生輝
度信号に含まれる同期信号の位相変動が除去されて、一
定の周波数および安定した位相を有する信号が出力され
る。
【0030】位相比較回路840は、MMV830への
入力信号の位相と、MMV830の出力信号の位相とを
比較し、これらの信号間の位相差に比例した大きさの電
圧を電圧制御発振器850に与える。
【0031】再生映像信号が時間軸誤差を含む場合、再
生輝度信号における垂直同期信号間の間隔,水平同期信
号間の間隔が本来の長さとは異なったものとなる。この
ため、再生輝度信号中の水平同期信号の位相は再生映像
信号に含まれる時間軸誤差に応じて変動する。
【0032】したがって、位相比較回路840の出力電
圧は、再生輝度信号に含まれる水平同期信号の位相変動
に追従して変動する。電圧制御発振器850は、位相比
較回路840の出力電圧の大きさに比例した周波数の信
号をライトタイミング発生器810に与える。それゆ
え、ライトタイミング発生器810が電圧制御発振器8
50から受ける信号の周波数は、再生輝度信号に含まれ
る水平同期信号の位相変動に追従して変動する。
【0033】ライトタイミング発生器810は、一定周
波数のクロック信号を、電圧制御発振器850の出力周
波数の変化に追従して位相を変化させながらA/D変換
器710および720ならびにDRAM730および7
40に与える。したがって、A/D変換器710におけ
る再生輝度信号のサンプリング点、および、A/D変換
器720における再生クロマ信号のサンプリング点に
は、いずれも、画面上において互いに等間隔にある複数
の画素の映像情報を表わす成分が表われる。さらに、D
RAM730および740における各アドレスへのデー
タ書込タイミングは、それぞれ、A/D変換器710お
よび720におけるサンプリングタイミングに同期した
ものとなる。
【0034】それゆえ、DRAM730および740に
はそれぞれ、画面上において互いに等間隔な位置にある
複数の画素の再生輝度信号電圧および再生クロマ信号電
圧が、各水平走査線の再生輝度信号および再生クロマ信
号として一旦記憶される。
【0035】リードタイミング発生器800は、外部か
ら与えられる所定の基準信号に基づいて、ライトタイミ
ング発生器810の出力信号の周波数と同じ周波数を有
し、かつ、時間軸変動のない安定した位相変化を示すク
ロック信号を発生して、DRAM730および740な
らびにD/A変換器750および760に与える。
【0036】それゆえ、D/A変換器750および76
0からはそれぞれ、DRAM730に一旦記憶された、
画面上において等間隔な位置にある複数の画素の再生輝
度信号電圧がつなぎ合わされて平滑化されたアナログ信
号および、DRAM740に一旦記憶された、画面上に
おいて互いに等間隔な位置にある複数の画素の再生クロ
マ信号電圧がつなぎ合わされ平滑化されたアナログ信号
が出力される。
【0037】バッファ回路770および780はそれぞ
れ、D/A変換器750および760の出力信号をバッ
ファリングしてY/Cミックス回路790に与える。
【0038】Y/Cミックス回路790は、バッファ回
路770および780からそれぞれ与えられるアナログ
信号を合成して、時間軸補正された再生映像信号として
出力する。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
時間軸変動除去装置は、再生映像信号から、画面上にお
いて水平方向に互いに等間隔に配列された複数の画素の
映像信号電圧を各水平走査線の再生映像信号として抽出
する必要があるため、再生映像信号をデジタル信号に変
換するためのA/D変換器,デジタル信号に変換された
映像信号を一旦記憶するためのメモリ,メモリにおける
データ書込タイミングおよびデータ読出タイミングを再
生映像信号に含まれる時間軸誤差に応じて変化させるた
めの制御回路,メモリから読出されたデジタル信号をア
ナログ信号に再変換するためのD/A変換器など、価格
的にも高価でかつ、多くの消費電力を必要とする、複雑
な構成の回路を必要とする。
【0040】それゆえに、本発明の目的は、上記のよう
な問題点を解決し、比較的安価に、かつ容易に再生映像
信号に含まれる時間軸誤差を低減することができる磁気
記録再生装置を提供することである。
【0041】
【0042】
【0043】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、この発明に係る磁気記録再生装置は、再生
時に同期信号を含む映像信号が記録された磁気テープか
ら映像信号を読取り、かつ記録時に、同期信号を含む映
像信号を磁気テープに記録する磁気ヘッドを有する回転
ドラムと、所定の基準同期信号を発生する基準同期信号
発生手段と、回転ドラムの回転位相を検出する検出手段
と、記録時に被写体を撮像する撮像手段と、撮像手段の
撮像出力と基準同期信号発生手段により発生された基準
同期信号とに基づいて映像信号を作成する映像信号作成
手段と、回転ドラムの回転位相を制御する位相制御手段
とを備える。この位相制御手段は、再生時に、基準同期
信号発生手段により発生された基準同期信号と検出手段
の検出出力とに基づいて回転ドラムの回転位相を制御
し、かつ、記録時に、映像信号作成手段により作成され
た映像信号に含まれる同期信号と検出手段の検出出力に
基づいて回転ドラムの回転位相を制御する。映像信号作
成手段は、撮像手段の撮像出力を遅延する、遅延時間可
変の遅延手段を含む。そして、この磁気記録再生装置は
時間軸変動除去のために時間軸変動除去手段を有する。
時間軸変動除去手段は、再生時に、読取られた映像信号
を遅延手段に供給する手段と、基準同期信号発生手段に
より発生され基準同期信号の位相を変位させる、変位量
可変の変位手段と、再生時に、遅延手段の遅延出力から
同期信号を抽出する抽出手段と、再生時に、抽出手段に
より抽出された同期信号と変位手段により位相が変位さ
れた基準同期信号との間の位相差を検出し、検出した位
相差に応じて、遅延手段における遅延時間を変化させる
とともに、変位手段における変位量を、検出した位相差
が保たれるように調整する手段とを含む。
【0044】
【作用】本発明にかかる磁気記録再生装置は上記のよう
に構成されるので、再生映像信号が、常に、この再生映
像信号に含まれる同期信号の位相の基準同期信号の位相
差からのずれに応じた長さの時間期間遅延される。再生
映像信号に含まれる同期信号の位相は、再生映像信号に
生じた時間軸変動に応じて変動する。したがって、遅延
手段から出力された再生映像信号において、画面上の各
画素の映像情報を表わす成分が現れる位置は、遅延され
る前の再生映像信号に含まれる時間軸誤差に応じて変化
する。
【0045】
【実施例】図1は本発明の一実施例のカメラ一体型VT
Rの部分構成を示す概略ブロック図である。図1には、
再生映像信号の時間軸補正に関与する部分が中心に示さ
れる。このカメラ一体型VTRにおいて再生映像信号の
時間軸補正はVTR部100内で行なわれる。
【0046】図11は、再生映像信号に生じた時間変動
と、再生映像信号に含まれる水平同期信号の位相との関
係について説明するための波形図である。以下、図11
を参照しながら本発明にかかる時間変動除去装置の時間
軸変動除去の原理について説明する。
【0047】磁気テープからの映像信号再生時に、磁気
テープの走行速度や磁気ヘッドが取付けられたドラムの
回転速度・回転位相などにドラムサーボ1やテープ走行
系29によって制御しきれないようなむらがあり、再生
映像信号(図11(b))において、ある1水平走査線
の映像信号が本来の1水平走査期間よりも長い期間に現
われ、この水平走査線を構成するk番目以降の画素の映
像情報を表わす成分Pkが本来の時刻よりも遅い時刻に
現われた場合を想定する。
【0048】このような場合、再生映像信号中の水平同
期信号(図11(d))の位相は、時間軸変動のない本
来の再生映像信号(図11(a))中の水平同期信号
(図11(c))の位相よりも、k番目以降の画素の映
像信号電圧が本来現われるべき位置と実際に現われた位
置とのずれの大きさに応じた分Tだけ遅れる。
【0049】そこで、再生映像信号中の水平同期信号の
位相と、時間軸変動のない再生映像信号に現われる水平
同期信号と見なせる正確な水平同期信号の位相とを常時
比較し、これらの信号間の位相差が0となるように、再
生映像信号を図11(e)に示されるように遅延すれ
ば、この遅延された再生映像信号において、k番目以降
の画素の映像信号成分は本来の再生映像信号において現
われる位置にほぼ現われる。一方、実際の再生映像信号
中の水平同期信号と本来の再生映像信号中の水平同期信
号との間の位相差が0である期間には、実際の再生映像
信号を遅延しなければ、k番目依然の画素の映像信号電
圧は本来の時刻に現われる。このように、実際の再生映
像信号中と水平同期信号と本来の再生映像信号中の水平
同期信号との間の位相差に応じて、実際の再生映像信号
に対する遅延時間を変化させれば、各水平走査線の映像
信号において、その水平走査線を構成するそれぞれの画
素の映像信号成分が本来現われるべき時刻に現われるよ
うに、実際の再生映像信号を補正することができる。
【0050】以下、図1を参照しながら、このカメラ一
体型VTRにおける磁気テープからの映像信号再生時の
動作について説明する。
【0051】モータ25が、磁気テープ23を巻き付け
られたドラム24を回転させる。ドラム24の周縁に
は、磁気テープ23からRF(Radio Flequ
ency)信号を読取るための磁気ヘッド(図示せず)
が取付けられている。磁気テープ23は所定の方向に一
定速度で走行させられる。磁気テープの走行速度および
走行方向はテープ走行系29によって制御される。
【0052】図3は、複合映像信号の一般波形を示す図
である。図4は、ヘリカルスキャン型VTRにおける磁
気テープ上の記録トラックパターンを示す図である。
【0053】図3(a)を参照して、複合映像信号は、
各フィールドの映像信号成分と各フィールドの映像信号
の終了位置から次のフィールドの映像信号の開始位置ま
での期間、すなわち垂直帰線消去期間に挿入される、垂
直同期信号成分および水平同期信号成分とを含む。(図
3(a)には、カラーバースト信号は示されない。)図
5は、垂直帰線消去期間における信号波形を示す図であ
る。図5を参照して、水平同期信号は、1H(Hは1水
平走査期間)ごとに発生するパルス(水平同期パルス)
である。一方、各垂直同期信号は、水平同期の2倍の周
期で発生する幅の狭いパルスであるいわゆる垂直同期パ
ルスと、水平同期パルスの周期の2倍の周期で発生し、
幅が水平周期パルスの2分の1である、いわゆる等価パ
ルスとを含む。等価パルスは、垂直同期パルスが現われ
る3Hの時間期間Aの前後の3Hの時間期間Bに挿入さ
れている。
【0054】図4を参照して、磁気テープ23には、そ
の走行方向に対して一定の角度で互いに平行な複数のト
ラック230が形成されている。各トラック230に
は、1フィールド分の映像信号成分と、この映像信号成
分の開始位置の直前の垂直帰線消去期間に挿入される水
平同期信号成分および垂直同期信号成分が記録されてい
る。したがって、これらのトラック230には、それぞ
れ、同一位置に垂直同期信号が記録されている。
【0055】図1のドラム24が回転することによっ
て、このドラム24の周縁に取付けられた磁気ヘッド2
8がこれらのトラック230を1本ずつ順次に、図4に
おける矢印の方向にトレースする。
【0056】そこで、磁気テープ23から元の複合映像
信号を再生するには、1垂直走査期間ごとに磁気ヘッド
28がトラック230上の垂直同期の信号の記録位置を
トレースするように、図1のドラム24の回転速度およ
び回転位相を制御しなければならない。
【0057】そこで、再度図1を参照して、この制御の
ために、FG(FlequencyGenerato
r)およびPG(Pulse Generator)
と、ドラムサーボ1とが設けられる。
【0058】FG27は、ドラム24の回転速度を検出
するために、モータ25に取付けられて、モータ25の
回転速度に比例した周波数の信号を出力する。PG26
は、ドラム24の回転位相を検出するために、モータ2
5に取付けられて、モータ25の回転位相に応じた位相
を有する信号を出力する。
【0059】図4において磁気ヘッド28が記録トラッ
ク230のどこをトレースしているかは、図1のドラム
24の回転位相から知ることができる。
【0060】PG26は、磁気ヘッド28がトラック2
30上の所定の位置に達した時点でパルス信号を出力す
る。通常、この所定の位置は、垂直同期信号の記録位置
よりも6.5Hに対応する距離だけ離れた位置に設定さ
れる。したがって、磁気ヘッド28が、別途発生させた
正確な垂直同期信号に同期したタイミングでトラック2
30上の垂直同期信号の記録位置をトレースしていれ
ば、PG26からは、図3(b)に示されるように、磁
気ヘッド28が記録トラック230から、元の映像信号
(図3(a))の垂直同期信号よりも、6.5Hだけ前
の信号を読取った時点で、パルス信号が出力される。し
かし、磁気ヘッド28がトラック230上の垂直同期信
号の記録位置を前記正確な垂直同期信号に同期したタイ
ミングとは異なるタイミングでトレースしていると、P
G26の出力パルスは、再生映像信号の垂直同期信号よ
りも6.5Hだけ離れた位置とは異なる位置に現われ
る。
【0061】つまり、トラック24の回転位相が、各ト
ラック230を磁気ヘッド28によって適正なタイミン
グおよび速度でトレースさせるようなものであれば、P
G26からパルスが出力されるタイミングと、前記正確
な垂直同期信号が発生されるタイミングとの間には、一
定の関係が成立つ。しかし、ドラム24の回転位相が、
各トラック230を磁気ヘッド28に前記適正なタイミ
ングおよび速度でトレースさせないようなものであれ
ば、PG26からパルスが出力されるタイミングと、前
記正確な垂直同期信号が発生されるタイミングとの間に
前記一定の関係が成立たなくなる。したがって、PG2
6の出力信号と正確な垂直同期信号とに基づいて、磁気
ヘッド28が各トラック230をトレースし始めるタイ
ミングが適正なタイミングからどの程度ずれているか、
すなわち、ドラム24の回転位相が適正な位相からどの
程度ずれているかを判断することができる。
【0062】そこで、ドラムサーボ1は、PG26の出
力信号の位相と、SSG(同期信号発生器)201によ
って別途発生された正確な垂直同期信号の位相とを比較
し、これらの信号間の位相差に応じてドライバ2を制御
する。すなわち、ドライバ2は、ドラムサーボ1によっ
て制御されてモータ25の回転速度をわずかに速めたり
わずかに遅くしたりしながら、ドラム24の回転位相を
前述のような適正な位相に制御する。
【0063】ドラム24の回転速度が、各トラック23
0を磁気ヘッド28が適正な速度でトレースし得るよう
な適正な速度範囲にある場合には、このようなドラムサ
ーボ1の動作によってドラム24の回転位相が適正な位
相に調整される。しかし、ドラム24の回転速度がこの
ような適正な速度範囲から大きくずれている場合には、
このようなドラムサーボ1の動作によってドラム24の
回転位相を適正な位相に強制することが不可能となる。
【0064】そこで、このような場合には、ドラムサー
ボ1は、FG27の出力周波数に基づいてドラム24の
速度を検出して、検出した速度に応じてドライバ2を制
御する。つまり、ドライバ2は、ドラムサーボ1によっ
て制御されて、モータ25の速度をある程度大きく変化
させて、ドラム24の回転速度を、ドラムサーボ1にお
けるPG26の出力信号に基づく位相制御によって調整
可能となるような範囲に強制する。
【0065】ドラムサーボ1における位相制御のための
位相比較には、このように、安定した周波数および位相
を有する基準信号が必要となる。この基準信号には、こ
のように、一般に、ドラムサーボ1内に設けられる水晶
発振器(図示せず)の出力信号や、クロマ信号を作成す
るための映像回路内に設けられる基準発振器(図示せ
ず)から出力される3.58MHZ の信号を分周した信
号などが用いられる。しかし、本実施例では、前述のよ
うに、SSG201の出力信号が用いられる。
【0066】切換回路22は、ビデオカメラ部200内
のSSG201の出力信号と、磁気テープ23に映像信
号を記録する際に記録されるべき映像信号から抽出され
た同期信号(垂直同期信号および水平同期信号)とのう
ちのいずれか一方を選択的にドラムサーボ1に与える。
映像信号再生時には、切換回路22は、SSG201の
出力信号をドラムサーボ1に与える。
【0067】SSG201の出力信号は、時間軸変動除
去回路150にも入力される。時間変動除去回路150
は、SSG201の出力信号に基づいて再生映像信号の
時間軸変動を除去するように動作する。
【0068】磁気テープ23をトレースした磁気ヘッド
28の出力信号はヘッドアンプ3によって増幅される。
磁気テープ23の各トラック230には、複合映像信号
が、FM変調された輝度信号に低域変換されたクロマ信
号が重畳された形で記憶されている。このため、磁気ヘ
ッド28の出力信号の高域側および低域側にはそれぞ
れ、FM変調された輝度信号(以下、FM輝度信号と呼
ぶ)および低域変換されたクロマ信号(以下、低域変換
クロマ信号と呼ぶ)が含まれる。
【0069】そこで、ハイパスフィルタ4は、ヘッドア
ンプ3の出力信号のうち高域成分のみを通過させること
によって、ヘッドアンプ3の出力からFM輝度信号のみ
を抽出する。一方、ローパスフィルタ5は、ヘッドアン
プ3の出力のうち低域成分のみを通過させることによっ
て、ヘッドアンプ3の出力信号から低域変換クロマ信号
のみを抽出する。
【0070】リミッタ9は、FM輝度信号のレベル変動
を除去して復調回路10に与える。復調回路10は、リ
ミッタ9からのFM輝度信号を復調して、FM変調前の
元の輝度信号を得る。復調された輝度信号(以下、再生
輝度信号と称す)は時間変動除去回路150によって、
その時間軸誤差を除去された後ノイズキャンセラ12に
与えられる。
【0071】ノイズキャンセラ12は、再生画像の画質
を改善すべく、入力される輝度信号のノイズを除去し
て、Y/Cミックス回路13に与える。
【0072】一方、ローパスフィルタ5が抽出した低域
変換クロマ信号(以下、再生クロマ信号と称す)は、時
間変動除去回路150によって、その時間軸誤差を補正
された後、変換回路7に与えられる。
【0073】変換回路7は、入力される低域変換クロマ
信号を、低域変換前の元の搬送周波数を有するクロマ信
号に戻してバンドパスフィルタ8に与える。
【0074】バンドパスフィルタ8は、変換回路7から
のクロマ信号から、磁気テープ23に記録される前の元
の複合映像信号を得るのに必要な成分のみを抽出してY
/Cミックス回路13に与える。
【0075】Y/Cミックス回路13は、ノイズキャン
セラ12から与えられる輝度信号と、バンドパスフィル
タ8から与えられるクロマ信号とを合成して、元の複合
映像信号を再生する。
【0076】次に、時間軸変動除去回路150の構成お
よび動作について具体的に説明する。
【0077】時間軸変動除去回路150において、SS
G201の出力信号は水平同期抽出回路17に与えられ
る。水平同期抽出回路17は、SSG201の出力信号
から水平同期信号成分のみを抽出して位相シフト回路1
8に与える。
【0078】位相シフト回路18は、水平同期抽出回路
17からの水平同期信号成分の位相を、バッファフィル
タ21の出力信号に応じた分だけ遅らせて位相比較器1
6に与える。
【0079】位相比較器16は、位相シフト回路18の
出力信号の位相と、水平同期抽出回路15の出力信号の
位相とを比較し、これらの信号間の位相差に応じた電圧
レベルの信号をバッファフィルタ19および21に与え
る。
【0080】バッファフィルタ19は、位相比較回路1
6の出力信号のうち所定の周波数成分のみを抽出して位
相シフト回路18に与える。
【0081】CCD(Charge Coupled device) 遅延素子
6は、ローパスフィルタ5が出力する再生クロマ信号
を、電圧制御発振器20の出力周波数に応じた長さの時
間期間分遅延して変換回路7に与える。
【0082】CCD遅延素子11は、復調回路10が出
力する再生輝度信号を、電圧制御発振器20の出力周波
数に応じた長さの時間期間分遅延して、ノイズキャンセ
ラ12および同期分離回路14に与える。
【0083】同期分離回路14は、CCD11によって
遅延された再生輝度信号から同期信号(垂直同期信号お
よび水平同期信号)成分を分離抽出する。
【0084】水平同期抽出回路15は、同期分離回路1
4によって分離された同期信号成分から、水平同期信号
成分のみを抽出し、抽出した水平同期信号成分を位相比
較回路16に与える。
【0085】したがって、位相比較回路16において、
SSG201が出力する正確な水平同期信号と、再生映
像信号に含まれる水平同期信号との間の位相差が検出さ
れる。この結果、CCD遅延素子6および11はいずれ
も、入力される信号を、この信号の時間情報を表わす水
平同期信号の位相に応じた長さの時間だけ遅延する。こ
の結果、CCD遅延素子6および11からそれぞれ出力
される再生クロマ信号および再生輝度信号はいずれも、
時間軸誤差を補正されたものとなる。
【0086】以下、この時間変動除去回路150の動作
について、図6ないし図8を参照しながらより詳細に説
明する。
【0087】図6は、この時間変動除去回路150内の
主要な回路の出力信号波形を示す図である。図7は、C
CD遅延素子の一般的な特性を示すグラフである。図8
は、電圧制御発振器の一般的な特性を示すグラフであ
る。
【0088】水平同期抽出回路17は、たとえばMMV
等の発振器を含む。この発振器が、SSG201の出力
信号(図6(a))の立下がりに同期して、等価パルス
のパルス幅よりも長く水平同期パルスのパルス幅よりも
短い一定の時間期間だけハイレベルの電位を出力するよ
うに動作する。これによって、SSG201の出力信号
から、等価パルスおよび垂直同期パルスならびに、SS
G201の出力信号の立下がりから前記一定の時間期間
内に含まれるノイズが除去される。すなわち、この発振
器からは、図6(b)の示されるように、水平同期信号
の立下がりに同期して立上がり、かつ、水平同期信号と
同じ周波数を有する信号が出力される。次に、位相シフ
ト回路18が、水平同期抽出回路17の出力信号(図6
(b))がハイレベルである期間の長さを、バッファフ
ィルタ21の出力電圧に応じた長さの時間期間t1に変
化させて図6(c)に示されるような信号を得る。次
に、位相シフト回路18は、この信号(図6(c))の
立下がりに同期して立上がる、図6(d)に示されるよ
うな信号を作成して、位相比較器16に与える。したが
って、位相比較器16には、SSG201が出力する水
平同期信号よりも、バッファフィルタ21の出力電圧に
応じた長さの時間期間t1分だけ位相の遅れた信号が入
力される。
【0089】位相比較回路16は、たとえば、位相シフ
ト回路18の出力信号の周波数よりも十分に高い一定の
周波数でクロックパルスを出力するクロックパルス発生
器160と、カウンタ161と、サンプルホールド回路
162とを含む。
【0090】カウンタ161は、位相シフト回路18の
出力信号の立上がりに同期して、クロック発生回路16
0の出力パルスの数をカウントし始め、位相シフト回路
18の出力信号の立下がりに同期してこのカウント動作
を停止するとともにカウント値を0にリセットする。カ
ウンタ161は、そのカウント値に比例したレベルの電
圧をサンプルホールド回路162に出力する。したがっ
て、カウンタ161の出力電圧は、図6(e)に示され
るような、位相シフト回路18の出力信号(図6
(d))の各立上がり時刻から位相シフト回路18の出
力信号の立下がり時刻まで時間に比例して上昇する。
【0091】サンプルホールド回路162はカウンタ1
61の出力電圧を、水平同期抽出回路15の出力信号の
立上がりに同期してサンプリングし、サンプリングした
電圧を、水平同期抽出回路15の出力信号の次の立上が
り時刻まで出力し続ける。このサンプルホールド回路1
62の出力電圧(以下、位相誤差電圧と呼ぶ)がバッフ
ァフィルタ19および21に与えられる。
【0092】したがって、水平同期抽出回路15の出力
信号の立上がりタイミングが、位相シフト回路18の出
力信号の立上がりタイミングと一致すれば、サンプルホ
ールド回路162の出力電圧は0Vである。しかし、水
平同期抽出回路15の出力信号の立上がりタイミング
が、位相シフト回路18に出力信号の立上がりタイミン
グよりも遅いと、サンプルホールド回路162は、カウ
ンタ161の出力電圧が上昇しつつある時刻にこれをサ
ンプリングするので、サンプルホールド回路162の出
力電圧は0Vよりも高くなる。水平同期抽出回路15の
出力信号の立上がりタイミングが位相シフト回路18の
出力信号の立上がりタイミングから大きくずれているほ
ど、サンプルホールド回路162は、カウンタ161の
出力電圧が高くなった時点でこれをサンプリングするの
で、サンプルホールド回路162の出力電圧は高くな
る。すなわち、位相誤差電圧は、水平同期抽出回路15
の出力信号と位相シフト回路18の出力信号との間の位
相差に比例した大きさとなる。
【0093】このため、位相比較回路16の出力信号
は、水平同期抽出回路15の出力信号の位相と位相シフ
ト回路18の出力信号の位相との差の変動に応じてレベ
ル変動する。しかし、位相比較回路16の出力信号は、
後述するような原因で、水平同期抽出回路15の出力信
号と位相シフト回路18の出力信号との間の位相差によ
るレベル変動以外の余分な信号成分を含む。そこで、バ
ッファフィルタ19および21が、位相比較回路16の
出力信号からこのような余分な信号成分を除去する。こ
の結果、電圧制御発振器20および位相シフト回路18
のいずれにも、水平同期抽出回路15の出力信号と位相
シフト回路18の出力信号との間の位相差の変動のみを
表わす位相誤差電圧信号が与えられる。
【0094】図8を参照して、電圧制御発振器20の出
力周波数fは、これに制御電圧として供給される電圧V
に比例して高くなる。したがって、位相誤差電圧が高い
ほど、すなわち水平同期抽出回路15の出力信号の位相
が位相シフト回路18の出力信号の位相から大きく遅れ
るほど、CCD遅延素子6および11には高い周波数の
信号が供給される。
【0095】図9は、CCD遅延素子の基本構成を示す
平面図および断面図である。図9を参照して、CCD遅
延素子は、基本的には、半導体基板900上に形成され
た複数段の電極910を含む。これら複数段の電極91
0に外部から、互いに少しずつ位相がずれており、か
つ、同一周波数の電圧信号を駆動電圧としてそれぞれ供
給することによって、入力信号電圧に比例した量の電荷
を半導体基板表面に沿って複数段の電極910下をこれ
らの電極の配列方向に沿って転送することができる。し
たがって、CCD遅延素子による入力信号の遅延時間τ
は、これら複数段の電極にそれぞれ与えられるクロック
信号の周波数をfで表わし、電極910の段数をNで表
わした場合、N/fで表わされる。
【0096】すなわち、図7を参照して、CCD遅延素
子の信号遅延時間τは、このCCD遅延素子を駆動する
信号の周波数fに逆比例する。図1において、電圧制御
発振器20の出力信号が、CCD遅延素子6および11
を駆動する信号である。したがって、水平同期抽出回路
15の出力信号の位相シフト回路18の出力信号に対す
る位相の遅れが大きく位相誤差電圧が高いほど、再生輝
度信号がCCD遅延素子11によって遅延される時間お
よび、再生クロマ信号がCCD遅延素子6によって遅延
される時間は短くなる。
【0097】さて、位相誤差電圧が0Vであるとき電圧
制御発振器20の出力周波数は最小となるので、このと
きCCD遅延素子6および11における遅延時間は最大
となる。一方、位相シフト回路18は、水平同期抽出回
路17の出力信号の位相を、バッファフィルタ21の出
力電圧に比例した分だけ進める。具体的には、位相誤差
電圧が0Vであるとき、位相シフト回路18は、水平同
期抽出回路17の出力信号の位相を、電圧制御発振器2
0の出力周波数が最大であるときのCCD遅延素子6お
よび11の各々における信号遅延時間(以下、基本遅延
時間という)に相当する分だけ進める。したがって、位
相誤差電圧が0Vとなるのは、CCD遅延素子11によ
って遅延される前の再生輝度信号中の同期信号の位相
と、SSG201が出力する同期信号の位相とが一致す
る場合のみである。
【0098】たとえば、CCD遅延素子11のよって遅
延された再生輝度信号中の同期信号のSSG201が出
力する同期信号に対する位相の遅れが、CCD遅延素子
11における基本遅延時間に相当するものから、この基
本遅延時間に相当するものよりも大きくなった場合を想
定する。
【0099】このような場合、CCD遅延素子11によ
って遅延された再生輝度信号中の同期信号、すなわち同
期分離回路14の出力信号は、図6(g)に示されるよ
うに、SSG201の出力する同期信号(図6(a))
よりも、CCD遅延素子11における基本遅延時間t1
以上に大きく遅れた位相を有するものとなる。しかし、
このとき位相誤差電圧はそれまでと同じ大きさ、すなわ
ち0Vである。したがって、位相シフト回路18の出力
信号(図6(d))の位相は、SSG201が出力する
水平同期信号の位相よりもCCD遅延素子11における
基本遅延時間分t1だけ進んだ位相となる。
【0100】一方、水平同期抽出回路15は、水平同期
抽出回路17と同様に動作して、同期分離回路14の出
力信号から垂直同期パルスおよび等価パルスならびにノ
イズを除去して、水平同期パルスのみを抽出する。この
結果、水平同期抽出回路15からは、図6(h)に示さ
れるように、CCD遅延素子11が出力する水平同期信
号の立下がりに同期して立上がる信号となる。
【0101】したがって、水平同期抽出回路15の出力
の立上がりタイミングは、位相シフト回路18の出力信
号の立上がりタイミングよりも時間t2だけ遅れる。こ
れは、サンプルホールド回路162におけるサンプリン
グタイミングが、図6(i)に示されるように、位相シ
フト回路18の出力信号(図6(d))の立上がりタイ
ミング、すなわち、カウンタ161がクロック発生器1
60の出力パルスのカウントを開始するタイミングより
も時間t2だけ遅れることを意味する。したがって、位
相誤差電圧は、図6(f)に示されるように、それまで
の大きさ0Vから、カウンタ161が前記カウントを開
始してから時間t2だけ経過した時点でのカウンタ16
1のカウント値に対応する電圧vに上昇する。
【0102】これによって、電圧制御発振器20の出力
周波数はそれまでよりも高くなるので、CCD遅延素子
6および11における遅延時間τが、水平同期抽出回路
15の出力信号と位相シフト回路18の出力信号との間
の位相差に相当する時間t2だけ短くなる。これによっ
て、CCD遅延素子11から出力される同期信号の位相
はそれまでよりも進む。
【0103】したがって、CCD遅延素子11が出力す
る再生輝度信号に含まれる水平同期信号の位相は、それ
までの位相シフト回路18の出力信号の位相に一致する
方向に変化する。これによって、復調回路10が出力す
る再生輝度信号は、これに含まれる同期信号の位相がS
SG201が出力する同期信号の位相と一致するよう
に、CCD遅延素子11によって遅延される。
【0104】一方、バッファフィルタ21の出力電圧が
vに上昇することによって、位相シフト回路18は、水
平同期抽出回路17の出力信号の位相を、それまでより
も進めるように動作する。これによって、位相シフト回
路18の出力信号の位相は、SSG201の出力する水
平同期信号の位相を、CCD遅延素子11の変化後の遅
延時間の長さに相当する分だけ遅らせたものとなる。し
たがって、以後も、位相比較回路16においては、CC
D遅延素子11における遅延時間に相当する分だけ位相
を遅らされた再生輝度信号と、CCD遅延素子11にお
ける遅延時間に相当する分だけ位相を遅らされたSSG
201の出力水平同期信号とが位相比較される。これら
が一致すれば、位相誤差電圧は0Vとなるので、CCD
遅延素子6および11における信号遅延時間は、基本遅
延時間に戻る。これらが一致しなければ、前述のよう
に、位相誤差電圧がこれらの間の位相差に対応する分だ
け高くなり、CCD遅延素子11における信号遅延時間
が、復調回路10から出力される再生輝度信号中の同期
信号の位相がSSG201から出力される同期信号の位
相と一致するように、それまでよりも短くなる。
【0105】このように、位相比較回路16では、再生
映像信号に含まれる水平同期信号と、SSG201によ
り発生される正確な水平同期信号とが位相比較され、こ
れらの信号間の位相差に応じて、ローパスフィルタ5お
よび復調回路10からそれぞれ出力される再生クロマ信
号および再生輝度信号が遅延される。つまり、復調回路
10から出力される再生輝度信号中の同期信号の位相が
SSG201から出力される同期信号の位相よりもどの
程度遅れているかが検出され、復調回路10から出力さ
れる再生輝度信号中の同期信号の位相の遅れが大きいほ
ど、復調回路10から出力される再生輝度信号およびロ
ーパスフィルタ5から出力される再生クロマ信号はそれ
ぞれCCD遅延素子6および11において、あまり遅延
されずに変換回路7およびノイズキャンセラ12に与え
られる。
【0106】CCD遅延素子6および11における遅延
時間が短いことは、ローパスフィルタ5から出力される
再生クロマ信号および復調回路10から出力される再生
輝度信号がそれぞれ変換回路7およびノイズキャンセラ
12に、位相をあまり遅らされずに与えられることを意
味す。したがって、再生映像信号に含まれる時間軸誤差
によって、再生映像信号中の同期信号の位相が基準同期
信号の位相からずれると、このずれの大きさに比例した
分だけ、このずれと逆の方向に、再生映像信号の位相が
変位させられる。すなわち、再生映像信号に含まれる時
間軸誤差が補正される。この結果、Y/Cミックス回路
13から出力される再生複合映像信号は、テープ・ヘッ
ド系において再生映像信号に混入する時間軸誤差成分が
軽減されたものとなる。
【0107】さて、位相誤差電圧が、再生映像信号に含
まれる時間軸誤差に相当する大きさとなるのは、水平同
期抽出回路17の出力信号と水平同期抽出回路15の出
力信号との間の位相差が再生映像信号に含まれる時間軸
誤差に一致する場合である。したがって、位相比較回路
16がCCD遅延素子6および11における遅延時間を
再生映像信号に含まれる時間軸誤差が除去できる値に制
御する適正な位相誤差電圧を出力することができるの
は、再生映像信号に含まれる時間軸誤差がある程度小さ
い範囲にある場合のみである。このような範囲を位相比
較回路16の動作範囲という。
【0108】テープ走行系29の外乱によって、磁気テ
ープ23の走行速度が変動した場合にも、磁気テープ2
8が前述したような適正なタイミングで各記録トラック
230をトレースしなくなるので、SSG201により
発生される垂直同期信号とPG26の出力信号との間の
位相差が変動する。この位相差の変動が大きいと、この
変動によって再生映像信号に生じる時間軸誤差が、位相
比較回路16の動作範囲を逸脱する。しかし、PG26
の出力信号に生じるこのような非常に大きい位相変動に
よって再生映像信号に生じる位相変動(すなわち時間軸
誤差)は、位相比較回路16の動作によって除去可能な
時間軸変動成分に比べ比較的低い周波数の変動成分であ
る。再生映像信号の時間軸変動成分は位相比較回路16
の出力信号に伝搬される。このため、PG26の出力信
号に大きい位相変動が生じた場合、位相誤差電圧信号
は、再生映像信号に通常含まれるジッタ成分よりもかな
り低い周波数の信号成分を含む。そこで、このような通
常のジッタ成分以外の低周波成分を除去するためにバッ
ファフィルタ19および21が設けられる。
【0109】なお、水平同期抽出回路15の出力信号の
位相を、位相シフト回路18の出力信号の位相と一致す
るように再生映像信号の位相を変化させることは、再生
映像信号に、SSG201により発生される水平同期信
号と同程度の低周波成分が混入することを意味する。し
かしながら、このような低周波成分は再生複合映像信号
を受けるテレビジョン受像機(図示せず)において除去
可能であるので、このような低周波成分が再生複合映像
信号に混入することは再生画像に何ら悪影響を与えな
い。
【0110】次に、磁気テープ23に映像信号が記録さ
れる記録時におけるこのカメラ一体型VTRの動作につ
いて図1および図2を参照しながら説明する。図2は、
このカメラ一体型VTRのビデオカメラ部200の構成
を示す概略ブロック図である。
【0111】図2を参照して、レンズ系101は、被写
体(図示せず)からの反射光を取込んでCCD撮像素子
102の受光面上に照射する。これによって、撮像素子
102の受光面上に、被写体の光学像が結ばれる。
【0112】撮像素子102は、その受光面上に結ばれ
た光学像を、SSG201から出力される所定のタイミ
ングパルスに従って電気信号に変換して信号処理回路1
03に与える。
【0113】信号処理回路103は、撮像素子102か
らの電気信号を、被写体の輝度を表わす輝度信号Yと、
被写体の色を表わす2つの色差信号R−YおよびB−Y
とを作成する。
【0114】ローパスフィルタ105は、信号処理回路
103によって作成された輝度信号Yのうち所定の低周
波成分のみを抽出して垂直輪郭補償回路106に与え
る。
【0115】垂直輪郭補償回路106は、ローパスフィ
ルタ105の出力信号のうち、画像の垂直方向の輝度変
化部分に対応する成分を強調して加算器113に与え
る。
【0116】水平輪郭補償回路111は、垂直輪郭補正
回路106における信号処理の除上で中間的に生じた信
号を用いて、ローパスフィルタ105の出力信号のうち
画像の水平方向の輝度変化部分に対応する成分を強調し
てアンプ112に与える。
【0117】アンプ112は、水平輪郭補償回路111
の出力信号を増幅して加算回路113に与える。
【0118】垂直輪郭補償回路106は、2つのCCD
遅延素子108および109と、加算器125と、強調
回路110とを含む。
【0119】CCD遅延素子108は、ローパスフィル
タ105から出力される輝度信号を所定のクロック信号
によって制御されて1水平走査期間分遅延する。CCD
遅延素子109は、CCD遅延素子108によって遅延
された輝度信号をさらに前記クロック信号に制御されて
1水平走査期間分遅延する。
【0120】加算器125は、CCD遅延素子109の
出力信号、すなわち、2水平走査期間分遅延された輝度
信号と、CCD遅延素子108の出力信号、すなわち、
1水平走査期間分遅延された輝度信号とを合成すること
によって、画面の垂直方向における輝度変化部分に対応
する成分を抽出して、強調回路110に与える。
【0121】強調回路110は、遅延される前の輝度信
号に、加算器125によって抽出された成分を重畳す
る。これによって得られた信号が、垂直輪郭補償のため
の処理を施された輝度信号として加算器113に与えら
れる。
【0122】CCD遅延素子108によって1水平走査
期間分遅延された輝度信号が水平輪郭補償回路111に
与えられる。
【0123】一方、色差信号R−YおよびB−Yは、同
時化回路107に入力される。一般に、各水平走査線の
色差信号R−YおよびB−Yは、1水平走査期間ごとに
交互に得られる。このため、色差信号R−Yと色差信号
B−Yとは時間的に1水平走査期間分ずれる。そこで、
同時化回路107が、これらの色差信号R−YおよびB
−Y間の時間的なずれをなくすように動作する。
【0124】同時化回路107において、切換回路11
5は、1水平走査期間ごとに色差信号R−YおよびB−
Yを交互に出力する。切換回路115の出力はCCD遅
延素子116に与えられるとともに、切換回路117お
よび118に与えられる。CCD遅延素子116は、切
換回路115の出力信号を1水平走査期間分遅延して切
換回路117および118に与える。
【0125】切換回路117は、CCD遅延素子116
の出力信号と切換回路115の出力信号とを1水平走査
期間ごとに交互にローパスフィルタ119に与える。同
様に、切換回路118は、CCD遅延素子116の出力
信号と切換回路115の出力信号とを1水平走査期間ご
とに交互にローパスフィルタ120に与える。切換回路
117がCCD遅延素子116の出力信号をローパスフ
ィルタ119に与えている期間、切換回路118は切換
回路115の出力信号をローパスフィルタ120に与え
る。
【0126】したがって、ローパスフィルタ119およ
び120にはそれぞれ、同一走査線の色差信号R−Yお
よびB−Yが同時に入力される。ローパスフィルタ11
9および120はそれぞれ、入力された色差信号R−Y
およびB−Yの所定の低周波成分を抽出する。
【0127】変調器121は、ローパスフィルタ119
によって抽出された色差信号R−Y成分を3.58MH
Z の低周波信号に帯域変換する。同様に、変調器122
は、ローパスフィルタ120によって抽出された色差信
号B−Y成分を3.58MH Z の低周波信号に帯域変換
する。
【0128】加算器123は、変調器121および12
2によってそれぞれ変換された信号を加算してバンドパ
スフィルタ124に与える。
【0129】バンドパスフィルタ124は、加算器12
3の出力信号のうちの所定の帯域成分のみを抽出する。
バンドパスフィルタ124によって抽出された成分が最
終的なクロマ信号として加算器113に与えられる。
【0130】加算器113は、バンドパスフィルタ12
4からのクロマ信号と、垂直輪郭補償のための処理を施
された輝度信号と、水平輪郭補償のための処理を施され
た輝度信号とを合成して加算器114に与える。
【0131】加算器114は、加算器113の出力信号
にさらに、SSG201が出力する同期信号を重畳す
る。これによって得られた信号がVTR部100に与え
られるべき最終的な複合映像信号(以下、記録用映像信
号と呼ぶ)である。
【0132】以上のようにしてビデオカメラ部200に
おいて作成された記録用映像信号は、図1の記録信号処
理回路31を介して、アンプ3および垂直同期抽出回路
30に与えられる。
【0133】垂直同期抽出回路30は、記録用映像信号
に含まれる垂直同期信号を抽出してビデオ同期信号とし
て切換回路22に与える。ヘッドアンプ3は、記録信号
処理回路31によって処理された記録用映像信号をドラ
ム24に取付けられた磁気ヘッド28に与える。
【0134】切換回路22は、再生時とは逆に、垂直同
期抽出回路30からの垂直同期信号をドラムサーボ1に
与える。
【0135】ドラムサーボ1は、記録用映像信号から抽
出された垂直同期信号、いわゆるビデオ同期信号を、再
生時におけるSSG201からの垂直同期信号と同様に
用いて、PG26およびFG27の出力に基づいて、磁
気ヘッド28が磁気テープ23に図4に示されるような
記録トラック230を形成するように、ドラム24の回
転位相および回転速度を制御するよう動作する。
【0136】すなわち、ドラムサーボ1は、磁気ヘッド
28に各垂直同期信号が供給される時刻よりも6.5H
だけ前の時刻にPG26からパルスが得られるように、
PG26の出力信号とビデオ同期信号との位相に応じて
ドライバ2を介してモータ25の回転位相を制御すると
ともに、FG27の出力周波数が所定の周波数範囲に保
持されるように、ドライバ2を介してモータ25の回転
速度を制御する。
【0137】テープ走行系29は磁気テープ23を一定
速度で走行させる。したがって、記録用映像信号は磁気
テープ23上に、それぞれの記録トラック230上の同
一位置に垂直同期信号が記録されるように、1フィール
ド分ずつ記録される。
【0138】上記実施例では、再生映像信号に含まれる
時間軸誤差を除去するために、再生クロマ信号および再
生輝度信号を遅延する素子6,11がVTR部100内
に設けられた。しかし、このような遅延のための素子と
して、ビデオカメラ部200内の素子が用いられてもよ
い。
【0139】図10は、そのような場合のカメラ一体型
VTRの全体構成を示す概略ブロック図であり、本発明
の他の実施例を示す。図10において、VTR部100
の構成は、再生映像信号の時間軸変動の補正に関与する
部分が中心に示される。
【0140】図10を参照して、VTR部100は、図
1に示されるそれと異なり、ローパスフィルタ5から出
力される再生クロマ信号を遅延するCCD遅延素子およ
び、復調回路10から出力される再生輝度信号を遅延す
るCCD遅延素子を含まない。本実施例のVTR部10
0の他の部分の構成は図1に示されるものと同様であ
る。ただし、図において、再生映像信号の時間軸変動の
補正に関与する部分以外の構成は簡単のため省略され
る。
【0141】一方、ビデオカメラ部200は、図2に示
される機能ブロックに加えて、5つの切換回路130〜
135を含む。
【0142】切換回路135は、記録時には、CCD遅
延素子108および109が各々入力信号を1水平走査
期間分遅延するように制御するための前述のクロック信
号をCCD遅延素子108および109に出力し、再生
時には、VTR部100内の電圧制御発振器20の出力
信号をCCD遅延素子108および109に与えるよう
に動作する。
【0143】切換回路131は、記録時には、ローパス
フィルタ105から出力される輝度信号をCCD遅延素
子108に与え、再生時には、VTR部100内のロー
パスフィルタ105から出力される再生クロマ信号をC
CD遅延素子108に与えるように動作する。
【0144】切換回路132は、記録時には、CCD遅
延素子108の出力信号を切換回路133に与え、再生
時には、CCD遅延素子108の出力信号をVTR部1
00内の変換回路7に与えるように動作する。
【0145】切換回路133は、記録時には、切換回路
132の出力信号をCCD遅延素子109に与え、再生
時には、VTR部100内の復調回路10から出力され
る再生輝度信号をCCD遅延素子109に与える。
【0146】切換回路134は、記録時には、CCD遅
延素子109の出力信号を加算器125に与え、再生時
には、CCD遅延素子109の出力信号をVTR部10
0内のノイズキャンセラ12に与える。
【0147】したがって、記録時には、従来どおり、ビ
デオカメラ部200において、ローパスフィルタ105
から出力される輝度信号が、垂直輪郭補償のために、C
CD遅延素子108および109によって1水平走査期
間分および2水平走査期間分遅延されて加算回路125
に与えられるとともに、CCD遅延素子108によって
1水平走査期間分遅延された信号が、水平輪郭補償回路
111に与えられる。この結果、水平輪郭補償回路10
6および水平輪郭補償回路111はそれぞれ、垂直輪郭
補償のための処理を施された輝度信号と、水平輪郭補償
のための処理を施された輝度信号とを出力することがで
きる。
【0148】一方、再生時には、VTR部100におい
て発生される再生クロマ信号および再生輝度信号がそれ
ぞれ、CCD遅延素子108および109を通過して、
変換回路7およびノイズキャンセラ12に与えられると
ともに、これらのCCD遅延素子108および109に
おける遅延時間は、VTR部100内の電圧制御発振器
20の出力周波数によって制御される。すなわち、再生
映像信号に含まれる時間軸誤差を補正するために、再生
クロマ信号および再生輝度信号をそれぞれ遅延する2つ
の遅延素子として、ビデオカメラ部200において撮像
されて得られた輝度信号に対して輪郭補償を行なうため
のCCD遅延素子108および109が用いられる。
【0149】このように、ビデオカメラ部200内の一
部の回路が、ビデオカメラ部200における信号処理の
ためと、VTR部100における再生映像信号の時間軸
変動を除去するためとに兼用されると、カメラ一体型V
TRの内部回路の規模を増大させることなよく、再生映
像信号に含まれる時間軸誤差を除去することが可能とな
る。この結果、カメラ一体型VTRの製品コストの低下
および内部回路の構成の合理化が図れる。
【0150】上記実施例では、ビデオカメラ部200に
おいて垂直輪郭補償のための回路が2つのCCD遅延素
子108および109を含んで構成されたが、垂直輪郭
補償のための処理は、単一のCCD遅延素子を用いて行
なうことも可能である。そこで、このような場合には、
水平輪郭補償回路内のCCD遅延素子と、同時化回路1
07内のCCD遅延素子(図10におけるCCD遅延素
子116)とが図1におけるCCD遅延素子6および1
1としても用いられればよい。
【0151】なお、ビデオカメラ部200内の切換回路
131〜135およびVTR部100内の切換回路22
は、このカメラ一体型VTRの外部に取付けられた、磁
気テープ23への映像信号の記録および磁気テープ23
からの映像信号の再生のうちのいずれかをユーザが選択
するための操作スイッチ202に連動して出力信号を切
換える。一方、垂直輪郭補償回路106内のCCD遅延
素子108および109を制御するためのクロック信号
と、同時化回路107内の切換回路115,117,1
18を制御するための信号はSSG201から発生され
る。
【0152】上記いずれの実施例でも、再生輝度信号だ
けでなく再生クロマ信号に対しても前記時間軸誤差を除
去するための遅延が行なわれる。このため、再生クロマ
信号と再生輝度信号との間に時間的なずれがあった場
合、変換回路7に入力される再生クロマ信号とノイズキ
ャンセラ12に入力される再生輝度信号との間にはこの
ずれが存在しなくなる。したがって、上記各実施例の時
間変動除去回路150は、再生クロマ信号と再生輝度信
号との間の時間的なずれを除去する効果も有する。
【0153】さらに、再生クロマ信号と再生輝度信号と
に対してそれぞれその時間軸変動を除去するための遅延
を行なうことは、再生映像信号に含まれる種類の異なる
信号成分の各々の時間軸誤差を補正することを意味す
る。したがって、上記各実施例の時間変動除去回路15
0によれば、再生映像信号に含まれる時間軸誤差がより
有効に除去されるので、再生画像に現われるジッタがよ
り有効に低減される。
【0154】以上のように、実施例によれば、再生映像
信号に対する時間軸変動補正を、再生映像信号をデジタ
ル信号に変換することなく行なうことができるので、従
来の時間変動除去回路が必要とした複雑な回路(メモ
リ,A/D変換器,D/A変換器,メモリにおけるデー
タ書込タイミングおよびデータ読出タイミングを制御す
るための回路など)が不要となる。さらに、再生映像信
号に含まれた時間軸誤差の変化に、リアルタイムで応答
して、再生映像信号の位相を変化させることによって時
間軸補正が行なわれるため、従来と異なり再生映像信号
に含まれる時間軸誤差をリアルタイムで検出・除去でき
る。
【0155】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、磁気テ
ープから読出された再生映像信号に含まれる時間軸誤差
が、従来に比べ簡単な構成の回路を用いて、リアルタイ
ムで効果的に除去できる。また、本発明をカメラ一体型
VTR等の、再生時には使用されない遅延時間可変の遅
延素子を有する映像機器に適用すれば、再生映像信号の
時間軸誤差を除去するために再生映像信号を遅延する新
たな遅延素子を設ける必要がないので、より小さい規模
の回路で再生映像信号の時間軸誤差を除去することが可
能となる。したがって、再生画像に生じる横揺れを効果
的に解消することができる映像機器を比較的安価に提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のカメラ一体型VTRにおけ
るVTR部の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】図1のカメラ一体型VTRにおけるビデオカメ
ラ部の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】VTR部におけるPGからパルスが出力される
タイミングを説明するための波形図である。
【図4】磁気テープ上における記録トラックの形成パタ
ーンを示す図である。
【図5】複合同期信号の波形を示す図である。
【図6】図1における時間変動除去回路150の動作を
説明するための波形図である。
【図7】CCD遅延素子の特性を示すグラフである。
【図8】電圧制御発振器の特性を示すグラフである。
【図9】CCD遅延素子の基本構成を示す平面図および
断面図である。
【図10】本発明の他の実施例のカメラ一体型VTRの
全体構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本発明にかかる時間軸変動除去装置の時間軸
変動除去の原理を説明するための波形図である。
【図12】従来の時間軸変動除去装置の基本原理を示す
ブロック図である。
【図13】従来の時間軸変動除去装置における時間変動
除去の原理を説明するための波形図である。
【図14】各水平走査線が複数の画素によって構成され
るとして表わした画面の模式図である。
【図15】従来の時間変動除去回路の一般的な構成を示
す概略ブロック図である。
【符号の説明】
150 時間変動除去回路 6,11,108,109,116 CCD遅延素子 14 同期分離回路 15,17 水平同期抽出回路 16 位相比較回路 18 位相シフト回路 19,21 バッファフィルタ 20 電圧制御発振器 201 同期信号発生器 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生時に、同期信号を含む映像信号が記
    録された磁気テープから前記映像信号を読取り、かつ、
    記録時に、同期信号を含む映像信号を磁気テープに記録
    する磁気ヘッドを有する回転ドラムと、 所定の基準同期信号を発生する基準同期信号発生手段
    と、 前記回転ドラムの回転位相を検出する検出手段と、 前記再生時に、前記検出手段の検出出力と、前記基準同
    期信号発生手段により発生された基準同期信号とに基づ
    いて、前記回転ドラムの回転位相を制御し、かつ、前記
    記録時に、前記検出手段の検出出力と、前記磁気テープ
    に記録されるべき映像信号に含まれる同期信号とに基づ
    いて、前記回転ドラムの回転位相を制御する位相制御手
    段と、 前記読取られた映像信号に含まれる時間軸誤差を除去す
    る時間軸誤差除去手段と、 前記記録時に、被写体を撮像する撮像手段と、 前記記録時に、前記撮像手段の撮像出力と、前記基準同
    期信号発生手段により発生された基準同期信号とに基づ
    いて、前記磁気テープに記録されるべき映像信号を作成
    する映像信号作成手段とを備え、 前記映像信号作成手段は、前記撮像手段の撮像出力を遅
    延する、遅延時間可変の遅延手段を含み、 前記時間軸誤差除去手段は、 前記基準同期発生手段により発生された基準同期信号の
    位相を変位させる、変位量可変の変位手段と、 前記再生時に、前記読取られた映像信号を前記遅延手段
    に供給する手段と、 前記再生時に、前記遅延手段の遅延出力から、前記同期
    信号を抽出する抽出手段と、 前記再生時に、前記抽出手段により抽出された同期信号
    と、前記変位手段により変位された基準同期信号との間
    の位相差を検出し、検出した位相差に応じて、前記遅延
    手段における遅延時間を変化させるとともに、前記変位
    手段の変位 量を、前記検出した位相差が保たれるように
    調整する手段とを含む、磁気記録再生装置。
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