JP2886950B2 - 水溶性食物繊維の製造法 - Google Patents

水溶性食物繊維の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、穀類の外皮、麦芽根、木材などの植物繊維
質原料から、ヘミセルロースを主成分とする水溶性食物
繊維を製造する方法に関し、特に水に溶解させたときに
透明性に優れた水溶性食物繊維の製造法に関する。
「従来の技術」 近年、健康食品として食物繊維が注目されている。こ
の食物繊維とは、セルロース、ヘミセルロース、リグニ
ン、ペクチン等を主成分とするもので、従来のいわゆる
粗繊維(Crude Fiber)とは区別され、穀物などに含ま
れている植物細胞壁及び細胞内容物に含まれる植物性の
難消化性成分だとされている。このような食物繊維減と
しては、広く穀類や豆類の外皮(一般に“ふすま”ある
いは“ぬか”と呼ばれる)が注目されており、これらが
血清コレステロールの増減、肥満、糖尿病の予防、虫垂
炎、台帳癌、食品中の毒性物質の排除促進等に相関関係
があることが認められつつある。しかし、穀類や豆類の
外皮は、そのままでは水に溶けず、微粉化しても口中で
食感を損なうなどの欠点があった。
このような理由から、穀類や豆類の外皮からヘミセル
ロースを抽出して水溶性の食物繊維を得ようとする試み
がなされている。ヘミセルロースは、穀類や豆類の外皮
などをアルカリ処理することによって抽出することがで
きる。また、こうして抽出されたヘミセルロースは、血
清コレステロールの上昇抑制作用を発揮することが見出
されている(特公昭59−1689号参照)。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、アルカリ抽出して得られるヘミセルロ
ースは、水に溶解させたときに濁りを生じるため、飲食
品に添加した場合、その透明性を損なうという欠点があ
った。
したがって、本発明の目的は、穀類の外皮などの植物
繊維質原料から、水に溶かしたときに透明度の高い、ヘ
ミセルロースを主成分とする水溶性食物繊維の製造法を
提供することにある。
「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本発明の水溶性食物繊維の
製造法は、植物繊維質原料をアルカリ抽出し、この抽出
物をエキソ型のグルコシダーゼで処理することを特徴と
する。
また、本発明の水溶性食物繊維の他の製造法は、植物
繊維質原料をアルカリ抽出し、抽出物をキシラーゼ及び
エキソ型のグルコシダーゼで処理することを特徴とす
る。
以下、本発明について好ましい態様を挙げて更に詳細
に説明する。
本発明において、植物繊維質原料としては、穀類の外
皮、麦芽根、木材などのキシランを含む農林産廃棄物が
好ましく使用されるが、これらから澱粉質、蛋白質、脂
質、無機質等を除去して調製したもの、すなわちセルロ
ース、ヘミセルロースを主成分とし、若干のリグニンを
含むものがより好ましく使用される。ここで、穀類の外
皮としては、例えばとうもろこしの外皮、米ぬか、小麦
ふすま、大麦ふすまなどが好ましく使用される。
穀類の外皮、麦芽根、木材などの原料から澱粉質、蛋
白質、脂質、無機質等を除去する方法としては、酵素処
理、化学的処理、物理的処理などを採用することがで
き、また、これらを組み合わせて処理してもよい。
酵素処理としては、例えばα−アミラーゼ、グルコア
ミラーゼ等の澱粉分解酵素、リパーゼ等の脂質分解酵
素、セルラーゼ等の繊維素分解酵素を、pH3〜9、温度3
0〜100℃の条件下で作用させて処理する方法などが挙げ
られる。また、化学的処理としては、原料に鉱酸、有機
酸などの水溶液を添加し、pH2〜5の条件下に加熱する
方法や、食品用界面活性剤を添加し、pH3〜8の条件下
に熱処理する方法などが挙げられる。更に、物理的処理
としては、例えば原料をホモジナイザー、ハンマーミル
等の粉砕機で粉砕した後、篩別する方法などが挙げられ
る。
植物繊維質原料をアルカリ抽出する方法は、公知の方
法で行なうことができる。例えば上記の植物繊維質原料
を、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどのアルカ
リ水溶液に懸濁させ、所定の温度及び時間で処理すれば
よい。好ましい一例としては、植物繊維質原料100重量
部に、水酸化カルシウム0.8重量部、水1000重量部に加
え、125℃にて15分間処理することにより、ヘミセルロ
ースを抽出することができる。
本発明の一つの方法では、こうして得られたアルカリ
抽出液を固液分離し、清澄濾過し、必要に応じてpHを調
整した後、エキソ型のグルコシダーゼを添加して酵素反
応させる。
エキソ型のグルコシダーゼは、グルコシド結合を非還
元末端より順次切断する加水分解酵素であって、例えば
マルターゼ、トランスグルコシダーゼ、グルコアミラー
ゼ等のα−グルコシダーゼと、セルラーゼ等のβ−グル
コシダーゼとが知られている。アルカリ抽出液をこれら
の酵素で処理することにより、いずれの場合も水に溶か
したときの透明度が向上した水溶性食物繊維が得られる
が、例えばセルラーゼで処理した場合には、ヘミセルロ
ースの一部が、単糖又はオリゴ糖にまで分解してしま
い、食物繊維含量がやや低下する傾向がある。本発明で
は、水に溶かしたときの透明度を向上させる効果が高
く、かつ、食物繊維含有の高いものが得られるという理
由から、特にグルコアミラーゼが好ましく用いられる。
エキソ型のグルコシダーゼとしては、例えば、グルコ
アミラーゼとして「グルクザイム」(商品名、天野製薬
(株)製)、「AMG」(商品名、ノボ生化学工業(株)
製)、「スミチーム#2000」(商品名、新日本化学工業
(株)製)等、その他のα−グルコシダーゼとしてトラ
ンスグルコシターゼ(天野製薬(株)製)等、β−グル
コシダーゼとしてセルラーゼである「サイトラーゼ12
3」(商品名、ゼネンコ社製)、「ノボザイム188」(商
品名、ノボ生化学工業(株)製)等が市販されている。
また、エキソ型のグルコシダーゼの添加量及び反応条
件は、酵素の種類により異なるが、例えばグルコアミラ
ーゼの場合、力価として15単位/g以上、好ましくは35単
位/g以上添加し、pH3.5〜5.0、好ましくは4.0〜5.0、温
度40〜70℃、好ましくは55〜60℃の条件下で、1時間以
上、好ましくは2〜48時間反応させるのが好ましい。
なお、グルコアミラーゼの力価の測定は、可溶性澱粉
を基質としてPH4.8、40℃の反応条件下で1分間に1μm
olのグルコシド結合を切断する酵素量を1単位として行
なう。
本発明のもう一つの方法においては、アルカリ抽出液
を、キシラナーゼ及びエキソ型のグルコシダーゼで酵素
反応させる。
キシラナーゼによる処理と、エキソ型のグルコシダー
ゼによる処理とは、どちらを先に行なってもよく、ある
いは、両者を同時に添加して酵素反応させてもよい。し
かし、キシラナーゼでの処理を行なうと、反応液の粘度
が低くなり、後の処理工程が容易になるので、キシラナ
ーゼでの処理を行なった後、エキソ型のグルコシダーゼ
での処理を行なう方が好ましい。
キシラナーゼでの処理を先に行なった後、エキソ型の
グルコシダーゼで処理する方法は、以下のようにして行
なう。
すなわち、前記アルカリ処理した抽出液を、好ましく
は50〜60℃に冷却し、必要に応じて硫酸、塩酸等でpHを
調整した後、キシラナーゼを添加して反応させる。キシ
ラナーゼの添加量は、抽出物の固形分1gあたりに対して
0.001〜10単位程度が好ましく、反応時間は、3〜96時
間程度が好ましい。なお、キシラナーゼの力価の測定
は、トウモロコシよりアルカリで抽出したヘミセルロー
スを基質として、pH7、60℃の反応条件下で、1分間に
1μmolのキシロースに相当する還元糖を生成する酵素
量を1単位とする。
本発明で用いるキシラナーゼは、エキソ型のものより
エンド型のもののほうが好ましく、カビ起源のもので
も、バクテリヤ起源のものでも使用できるが、バクテリ
ヤ起源のキシラナーゼの方が純度が高いのでより好まし
い。
また、キシラナーゼは、作用至適pHが、酸性のものか
らアルカリ性のものまであり、必要に応じてpHを調整す
ることによりいずれも使用可能であるが、抽出物のpHが
アルカリ性であることから、アルカリ側に至適pHを有す
るアルカリキシラナーゼがより好ましい。このようなア
ルカリキシラナーゼとしては、例えば特公昭50−13357
に記載されたキシラナーゼが挙げられる。
このアルカリキシラナーゼは、通常のキシラナーゼが
pH4〜5の酸性側に至適pHがあるのに対して、中性〜ア
ルカリ性まで作用pH範囲が広いので、アルカリ抽出後に
pH調整を必要としないか、わずかな酸の使用ですむ。ま
た、耐熱性も強いので使いやすい。
なお、本発明においては、上記のような通常のキシラ
ナーゼ、アルカリキシナラーゼの他に、キシラナーゼを
含有する市販のセルラーゼを単独又は上記キシナラーゼ
と併用して用いることもできる。例えばゼネンコ社製の
セルラーゼなどにおいては、キシラナーゼとしての活性
も認められるため、本発明のキシラナーゼとして使用す
ることが可能である。
こうしてアルカリ抽出液にキシラナーゼを反応させて
得られた反応液を、前記方法によりエキソ型のグルコシ
ダーゼで処理する。
アルカリ抽出液を、エキソ型のグルコシダーゼだけで
処理して得られた反応液、又は、アルカリ抽出液を、エ
キソ型のグルコシダーゼ及びキシナラーゼで処理して得
られた反応液は、例えば加熱して酵素を失活させた後、
遠心分離等により固液分離し、必要に応じて清澄濾過
し、更に好ましくは、脱色、脱塩処理し、濃縮、乾燥し
て、ヘミセルロースを主成分とする水溶性食物繊維を得
ることができる。
また、植物繊維質原料をアルカリ処理して得られた抽
出物を固液分離し、清澄濾過した後、pH調整して、エキ
ソ型のグルコシダーゼ、又はエキソ型のグルコシダーゼ
及びキシラナーゼで処理し、酵素失活、脱色、脱塩処理
し、濃縮、乾燥することもできる。
こうして得られたヘミセルロースを主成分とする水溶
性食物繊維は純度が高く、少量で優れた生理活性効果が
期待できる。また、水溶性で、水に溶解させたとき、透
明性に優れているので、例えば、透明果汁、お茶、紅
茶、スープ、透明な機能性飲料、透明な清涼飲料水、ゼ
リー、プリンなどの飲食品に添加しても飲食品の透明性
を損なうことがない。
「作用」 本発明によれば、植物繊維質原料からアルカリ抽出し
たヘミセルロースを、エキソ型のグルコシダーゼで処理
することにより、水に溶解させたときの透明性に優れ、
光沢のある水溶性食物繊維が得られる。また、ヘミセル
ロースがより高純度化されるので、水に溶かしたときの
粘度上昇も少なくなる。
植物繊維質原料からアルカリ抽出したヘミセルロース
を、エキソ型のグルコシダーゼで処理することにより、
上記のような効果が得られる理由は、詳細にはわかって
いないが、次のように推測される。すなわち、夾雑タン
パク質又はペクチン様多糖に結合しているグルコース残
基にエキソ型のグルコシダーゼが作用すると夾雑タンパ
ク又はペクチン様多糖の立体構造が変化して溶解性が下
がり、凝固沈殿する。更に、この凝固沈殿過程で白濁物
質が抱き込まれるように共沈する。こうしてヘミセルロ
ース以外の不純物が除去され、透明度が向上すると考え
られる。
また、エキソ型のグルコシダーゼでの処理に加えてキ
シラナーゼでの処理を行なうと、ヘミセルロースが低分
子化するので、適度なブロック単位に切断されたヘミセ
ルロースを主成分とする水溶性食物繊維を得ることがで
き、水に溶解させたとき、透明性に優れ、しかも粘度上
昇の少ない水溶性食物繊維が得られる。また、キシラナ
ーゼで処理することにより、上記のように低粘度化する
ため、濾過をはじめとした後の製造工程も容易となる利
点が得られる。
「実施例」 実施例1 トウモロコシのウェットミリングで得られた外皮を水
洗して夾雑物を除いて脱水した後、1重量%濃度の水酸
化カルシウム溶液中に懸濁し、90℃で1時間加温して抽
出処理を行なった。
この抽出処理液を遠心分離により清澄化し、その濾液
を中和した後、2重量%のキシラナーゼを添加して60℃
で30時間反応させた。なお、キシラナーゼとしては、特
公昭50−13357号に記載されたものを同様に調製して用
いた。反応終了後、90℃で30分間加熱して酵素を失活さ
せた。
次に、この処理液を各種の市販の酵素で処理して、フ
ロックの形成状態をみた。ここで、フロックの形成と
は、ある特定の酵素で処理すると、初め濁っていた反応
液の上層が時間と共に透明感を増し、下層にフロック
(沈殿)が生じる現象を意味している。すなわち、酵素
反応と凝集作用が同時に起こって発生する現象である。
このフロックは、濾過又は遠心分離によって容易に分離
でき、それによって上清液の透明度が向上するので、フ
ロック形成があるかないかは、上清液の透明度の上昇に
つながる指標となる。
試験した酵素は、以下の通りである。
「クライスターゼL−1」(商品名、大和化成(株)
製)…液化型α−アミラーゼ 「クライスターゼT−5」(商品名、大和化成(株)
製)…耐熱性α−アミラーゼ β−アミラーゼ(長瀬産業(株)製) G4生成酵素(キリンビール(株)製) 「ペクチナーゼA」(商品名、天野製薬(株)製)…
ペクチナーゼ 「ペクチナーゼG」(商品名、天野製薬(株)製)…
ペクチナーゼ 「セルラーゼA」(商品名、天野製薬(株)製)…セ
ルラーゼ 「セルラーゼT」(商品名、天野製薬(株)製)…セ
ルラーゼ 「スミチームT」(商品名、新日本化学(株)製)…
糖化型αアミラーゼ トランスグルコシダーゼ(天野製薬(株)製) 「グルクザイム」(商品名、天野製薬(株)製)…グ
ルコアミラーゼ 「アミログルコシダーゼ」(商品名、ノボ生化学工業
(株)製)…グルコアミラーゼ 「サイトラーゼ123」(商品名、ゼネンコ社製)…セ
ルラーゼ(セルラーゼ製剤であるがグルコアミラーゼを
含んでいる) 「ノボザイム188」(商品名、ノボ生化学工業(株)
製)…β−ダルコシダーゼ又はセロビアーゼ この結果を表1に示す。
以上の結果から、グルコアミラーゼである「グルクザ
イム」、「アミログルコシダーゼ」、α−グルコシダー
ゼであるトランスグルコシダーゼ、セルラーゼである
「サイトラーゼ123」はフロックを形成し、他の酵素は
フロックを形成しないことがわかる。すなわち、植物繊
維質原料のアルカリ抽出物を、エキソ型のグルコシダー
ゼで処理すると、フロックを形成し、その上清は透明に
なることがわかる。
実施例2 トウモロコシのウエットミリングにより得られる外皮
を水洗して、夾雑物を除去し、脱水した後、1重量%濃
度の水酸化カルシウム溶液中に懸濁させ、90℃で、1時
間加熱してアルカリ抽出を行なった。
この抽出液を遠心分離により清澄化し、塩酸を用いて
pHを4.8に調整した後、1重量%のグルコアミラーゼ
(「アミログルコシダーゼ」、商品名、ノボ生化学工業
(株)製)を添加して、10時間反応させた。
次いで、この反応液を、80℃に加熱して、酵素失活さ
せた後、脱色、脱塩、濃縮し、20重量%濃度の液状品を
得た。この液状品の一部を、噴霧乾燥機により熱風温度
200℃で乾燥して、水溶性食物繊維の粉末品を得た。
実施例3 実施例2と同様にして得たアルカリ抽出液を、遠心分
離により清澄化し、塩酸を用いて中和した後、2重量%
のキシナラーゼ(実施例1と同じもの)を添加し、60℃
で30分間反応させた。
この反応液に、塩酸を添加してpH4.8に調製した後、
1重量%のグルコアミラーゼ(「アミログルコシダー
ゼ」、商品名、ノボ生化学工業(株)製)を添加して10
時間反応させ、実施例2と同様に、酵素を失活させ、脱
色、脱塩、濃縮し、噴霧乾燥して、水溶性食物繊維の粉
末品を得た。
実施例4 実施例3において、グルコアミラーゼの代わりにセル
ラーゼ(「サイトラーゼ123」、商品名、ゼネンコ社
製)1重量%を用いた他は、実施例3と同様にして水溶
性食物繊維の粉末品を得た。
比較例 実施例3において、グルコアミラーゼによる処理をし
ない他は、実施例3と同様にして水溶性食物繊維の粉末
品を得た。
試験例 実施例2、3、4及び比較例で得られた水溶性食物繊
維について、水に溶解させたときの濁度と、食物繊維含
量を測定し、比較した。
なお、濁度は、5重量%水溶液を調製し、660μm(1
cmセル)の吸光度を測定した。
また、食物繊維含量は、酵素重量法(プロスキー法)
により測定した。
その結果を表2に示す。
以上の結果からわかるように、グルコアミラーゼでの
処理を行なった実施例2、3で得られた水溶性食物繊維
は、水に溶解させたときの濁度が低く、著しく透明性に
優れており、食物繊維含量の低下もなかった。
また、グルコアミラーゼの代わりにセルラーゼを用い
て処理した実施例4の場合、食物繊維含量が低くなる
が、濁度は低く、透明性には優れる。食物繊維含量が低
くなるのは、セルラーゼの反応により、低分子化され、
単糖又はオリゴ糖にまで分解されてしまうためと考えら
れる。
一方、エキソ型のグルコシダーゼの処理を行なわない
比較例の場合、食物繊維含量の低下はないが、濁度が高
く、不透明である。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明によれば、植物繊維質原
料をアルカリ抽出後、グルコアミラーゼで処理すること
により、水に溶解させたとき、透明性が高く、光沢のあ
る水溶性食物繊維を得ることができる。
また、グルコアミラーゼでの処理に加えて、キシラナ
ーゼで処理することにより、ヘミセルロースを適度に低
分子化することができ、水に溶解した状態で更に低粘度
のものとなり、濾過をはじめとする製造工程が容易とな
り、また、飲料などに添加したときに粘度上昇を抑制し
て食感を損なうことを防止できる。
したがって、本発明で得られた水溶性食物繊維は、透
明果汁、お茶、紅茶、スープ、透明な機能性飲料、透明
な清涼飲料水、ゼリー、プリンなど、各種の透明な飲食
品の添加剤として特に好ましく利用することができる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物繊維質原料をアルカリ抽出し、この抽
    出物をエキソ型のグルコシダーゼで処理することを特徴
    とする水溶性食物繊維の製造法。
  2. 【請求項2】植物繊維質原料をアルカリ抽出し、この抽
    出物をキシラナーゼ及びエキソ型のグルコシダーゼで処
    理することを特徴とする水溶性食物繊維の製造法。
  3. 【請求項3】前記キシラナーゼとして、バクテリア起源
    のアルカリキシラナーゼを用いる請求項2記載の水溶性
    食物繊維の製造法。
  4. 【請求項4】前記エキソ型のグルコシダーゼとしてグル
    コアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダー
    ゼから選ばれた少なくとも1種を用いる請求項1〜3の
    いずれか1つに記載の水溶性食物繊維の製造法。
  5. 【請求項5】前記植物繊維質原料として、とうもろこし
    の外皮、米糠、小麦ふすま、大麦ふすま、麦芽根、木材
    から選ばれた少なくとも一種を用いる請求項1〜4のい
    ずれか1つに記載の水溶性食物繊維の製造法。
  6. 【請求項6】前記植物繊維質原料として、とうもろこし
    の外皮、米糠、小麦ふすま、大麦ふすま、麦芽根、木材
    から選ばれた少なくとも一種から、澱粉質、蛋白質、脂
    質、無機質等を除去したものを用いる請求項1〜4のい
    ずれか1つに記載の水溶性食物繊維の製造法。
  7. 【請求項7】前記アルカリ抽出物を前記酵素で処理した
    後、脱色処理し、脱塩処理し、更に濃縮して乾燥する請
    求項1〜6のいずれか1つに記載の水溶性食物繊維の製
    造法。
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