JP2886021B2 - 安定な貼付剤 - Google Patents

安定な貼付剤

Info

Publication number
JP2886021B2
JP2886021B2 JP6013693A JP6013693A JP2886021B2 JP 2886021 B2 JP2886021 B2 JP 2886021B2 JP 6013693 A JP6013693 A JP 6013693A JP 6013693 A JP6013693 A JP 6013693A JP 2886021 B2 JP2886021 B2 JP 2886021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
patch
fabric
layer
film
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6013693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06271462A (ja
Inventor
修文 日高
敏史 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teysan Pharmaceuticals Co Ltd filed Critical Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
Priority to JP6013693A priority Critical patent/JP2886021B2/ja
Publication of JPH06271462A publication Critical patent/JPH06271462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2886021B2 publication Critical patent/JP2886021B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は徐放化された経皮投与用
医薬貼付剤に関し、更に詳しくは、本発明は特定の布
帛、薬物を含有する粘着剤層、及びフイルムとからな
る、安全性の高い、徐放性に優れた取り扱いやすい貼付
剤に関する。
【0002】本発明は循環器系疾患、なかでも特に狭心
症、不整脈等の心疾患の予防及び改善に有用な硝酸エス
テル類含有貼付剤に関する。
【0003】本発明はまた更年期障害、骨粗鬆症、アル
ツハイマー痴呆症等の閉経後の女性に多く観察される障
害の予防、及び改善に有用なエストラジオール含有貼付
剤に関する。
【0004】本発明は、更に、術後、各種癌、心筋梗塞
症、麻酔補助、腰痛症、慢性関節リウマチ、外傷、抜歯
後等の鎮痛、特に各種癌に伴う疼痛の鎮痛に有用なブプ
レノルフィン含有貼付剤に関する。
【0005】
【従来の技術】医薬品の開発においては、優れた薬効を
もつ新規な化合物を開発することと同時に、これら新規
化合物や既に医薬品として使用されている化合物の効果
を、更に高めるために剤型を変更したり、投与形態を最
適化することが種々検討されている。
【0006】例えば、医薬品の体内における有効持続時
間のパラメーターでもある半減期の短い医薬品の持続時
間を長くするという目的から、医薬品を最小有効濃度以
上、最大安全濃度以下の濃度即ち、有効血中濃度減で薬
効成分が長時間に亘って人体へ吸収されるようないわゆ
る徐放化製剤の開発が活発に行われている。
【0007】徐放化製剤の一例として、軟膏、スプレー
塗布など経皮吸収用製剤がある。これらの製剤は目分量
で皮膚へ塗るため、投与量が一定せず、また衣服等に軟
膏などが付着し汚れるといった問題がある。
【0008】かかる欠点の改善策として薬物を、粘着剤
中に一定量含有させ、一定の大きさに成型したテープ
剤、貼付剤がある(例えば特開昭57―116011号
公報、特開昭58―134020号公報参照)。
【0009】テープ剤、貼付剤を用いる方法によれば、
軟膏やスプレー塗布等の方法で起る多くの問題点が解決
できる。
【0010】また薬物を経皮的に投与したときは、肝臓
で薬物の代謝を受け薬効が消失するいわゆる肝代謝を受
ける割合が経口的に投与した場合に比較して顕著に軽減
できることも判っており、したがってテープ剤、貼付剤
(以下貼付剤と称す)は薬物が経皮吸収する性質を有し
ている場合、非常に優れた薬物投与形態である。
【0011】しかしながら、かかる貼付剤が多用される
につれて従来の貼付剤についていくつかの問題があるこ
とも明らかとなってきた。
【0012】かかる問題のうち、最も発生頻度が多いの
が貼付剤を貼った患者の貼付部位に発生する皮膚カブレ
である。一般に、徐放性製剤は慢性疾患の患者に投与す
ることが多く、したがって貼付剤を繰り返し長期間に亘
って貼付するため皮膚カブレも発生し易く、しかも一度
皮膚カブレが発生するとその患部は拡大し易いという問
題がある。ある統計によると貼付剤による皮膚カブレの
発生は全患者の20〜50%である。
【0013】貼付剤の別の問題は薬物血中濃度の変動で
ある。血中濃度変動の要因は貼付剤側の要因、ヒト皮膚
側の要因、ヒト代謝機能の要因等と複雑であり、そのた
め薬物血中濃度の一定化は容易ではない。
【0014】また別の問題は取扱い性に関するものであ
る。即ち、貼付剤による皮膚カブレを軽減するために貼
付剤の支持体を出来るだけ薄くしたり、柔軟性を高くし
たり、貼付剤を小さくする工夫により皮膚カブレは多少
軽減できたが、該貼付剤を患者の所定の位置に正しく貼
付するのが非常に難しいという問題も生じている。例え
ば、近年狭心症等の循環器系疾患の治療薬として硝酸エ
ステル類を有効成分とする貼付剤が広く用いられている
が、上記のような諸問題、なかでも皮膚カブレの問題が
大きく、薬物血中濃度が安定的に維持され、かつ、かか
る問題のない貼付剤が望まれている。
【0015】かかる問題は、従来副作用としての子宮癌
の発生から敬遠されていたが、経皮投与することにより
この問題を解決できることが分かり、近年女性の更年期
障害や骨粗鬆症の治療薬として脚光をあびつつあるエス
トラジオールやプロゲステロン及びその誘導体の場合も
事情は同じである。エストラジオール含有貼付剤は閉経
に伴って起る卵胞ホルモンの減少を補うものであり、治
療期間は数ケ月乃至数年に及ぶものであるから、患者の
コンプライアンスが高いこともまた必須の要件である。
特に貼付剤の場合、貼付時の違和感、皮膚カブレの発生
が最も大きな問題点であるにもかかわらず、従来の技術
ではこの点に対する配慮が不十分であった。
【0016】さらに、本発明者らは、かかる貼付剤の検
討過程において、実用的に重要な特性があることを発見
した。即ち、それは貼付剤の貼付時の安定性、より具体
的には形態保持性である。形態が保持されないことは、
経皮吸収性のバラツキともなり、患者は安心してかかる
貼付剤を使用できない。
【0017】上述のように、従来技術においては、患者
のコンプライアンスの比較的高い経口剤の場合にはBA
(Bio Availability)が低く、副作用発生が深刻であ
り、BAが高く、薬物血中濃度も安定している経皮吸収
型貼付剤においては違和感があり、皮膚カブレが発生す
るという問題があった。
【0018】従来技術の欠点の一つである違和感を改善
するためには、貼付剤の柔軟性をできるだけ高め、その
サイズを小さくすることが望ましい。しかしながら、柔
軟性をあまりに大きくすると貼付剤の取扱いが著しく困
難となり実用性に欠けることとなる。また、貼付剤のサ
イズは薬物の吸収量即ち、薬物血中濃度と比例関係にあ
るから、必要な薬物血中濃度が決まっている場合、貼付
剤のサイズを小さくするためには何らかの薬物の経皮吸
収性を高める手段が必須となる。そして、そのために薬
物の経皮吸収性を高める目的で吸収促進剤を使用する
と、かえって皮膚カブレを助長することが多いという問
題がある。一方、皮膚カブレを改善するためには、従来
から粘着剤の種類を適宜選択し、粘着剤中の残留モノマ
ーや残留溶媒を少くすることなどが検討されているが、
根本的には、貼付剤の水分蒸散性や酸素、炭酸ガス等の
通気性を高めることが望ましい。しかしながら、単に水
分蒸散性や酸素等の気体透過性を高めることも貼付剤の
密封性を減少させ、結果として薬物の経皮吸収性を減少
させることがある。
【0019】かかる事情は長期療養を必要とする癌等の
鎮痛剤として使用が検討されているモルヒネ、フェンタ
ニル、ブプレノルフィン等についても同じである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、前記した従来技術の問題点を排除して、薬物血
中濃度も安定しており、違和感がなく、皮膚カブレを顕
著に改善しており、且つ取扱いやすい貼付剤を提供する
ことにある。
【0021】かかる課題を解決すべく、本発明者らは鋭
意検討を重ねた結果、特定のフイルムと特定の布帛と特
定の粘着層を組合せた積層型の貼付剤により、かかる課
題の大半を解決できることを見出した。
【0022】しかし、かかる積層型の貼付剤についてさ
らに試験・評価検討を加えた結果、かかる積層型の貼付
剤を使用する態様によっては、フイルムと布帛の界面、
又は/及び布帛と粘着剤層の界面で層間剥離が起り、医
薬品としての商品価値が著しく損なわれることもあると
分かったのである。
【0023】したがって、本発明のその他の目的は安定
な貼付剤を提供することである。本発明のその他の目的
及び利点は以下の記述から明らかな通りである。
【0024】本発明に従えば、外皮に適用する貼付剤で
あって (イ)水分半透過性で、フイルムの実質的に直交する2
方向の強度が各々8〜85g/mm、及び実質的に直交
する2方向の伸度が各々30〜150%であって、該2
方向の伸度の比が1.0〜5.0(但し、該2方向の伸
度が同一でない場合には、小さい伸度の方を分母とす
る)であり、厚みが0.5〜4.9μmのフイルム(a
層) (ロ)単糸の平均直径が1〜30μmからなり、かつ、
目付が8〜100g/m 2 の布帛(b層) (ハ)薬物を含有した厚みが5〜100μmの粘着剤層
(c層)とを必須成分とし、貼付剤の上からa層、b
層、c層の順に積層されており、且つ、以下の(1)及
び(2)の特性を満足する貼付剤 (1)a層とb層の層間剥離力が b層の布帛が編物からなるときには10〜40g/m
mで b層の布帛が不織布又は織物からなるときは3〜30
g/mmであり、 (2)貼付剤からの水分蒸散性が2〜40mg/日・c
2 であるが得られる。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記したように、本発明
では、布帛、薬物を含有する粘着剤層、及び水分半透過
性のフイルムを用い、それらを巧みに利用することによ
り本発明の目的を達成できることを知見し、本発明に到
達した。
【0026】即ち、貼付剤の使用において最も問題とな
る皮膚カブレを防ぐためには、少なくとも貼付剤中に製
造工程で使用する有機溶媒が残留しないか/またはほと
んど残留しないこと、使用する粘着剤の皮膚刺激性が少
いことに加えて、貼付部位が過剰に蒸れないことが重要
である。また貼付部位に酸素が適度に供給され、皮膚生
理によって貼付部位で発生する炭酸ガスやアンモニアガ
スを透過させることが必要である。特に酸素、炭酸ガ
ス、アンモニア等の透過の困難性とも関連していると考
えられる貼付部位の過剰な蒸れを防ぐことが重要であ
る。
【0027】しかしながら貼付剤の本来の目的である薬
物を経皮的に十分な量吸収させるという点からは貼付部
位を密封して適度の蒸れを与えることが必須条件であ
り、ここに本発明の目的を達成する困難さがある。
【0028】本発明者らは、皮膚カブレの起る蒸れ状態
と薬物が経皮吸収されるために必要とされる蒸れの状態
について鋭意検討した結果、貼付部位皮膚の角質層が飽
和水分率となる以上に蒸れを多くしても(このとき余分
な水分は皮膚と貼付剤の界面で液滴状となる)薬物の経
皮吸収は速くならないこと、逆に角質層の水分率が飽和
点を越えると皮膚カブレは増大するという事実を知見し
た。このことから貼付剤として好ましい密封性とは、貼
付部位皮膚の角質層が常に飽和水分率近傍にあるように
維持せしめることであると考え、貼付部の剤型について
鋭意検討した。
【0029】その結果、皮膚カブレを大きくするような
過度の密封は起らず、しかも経皮吸収性は必要十分な量
を確保できるようにするには水分半透過性で厚みが0.
5〜4.9μmのフイルムを用いることが大切であるこ
と、そして皮膚カブレを助長せず、水分蒸散性をも悪化
させず、貼付剤の柔軟性は維持して、なおかつ貼付剤の
取扱い性を改善するには単糸の平均直径が1〜30μm
からなり、且つ、目付が8〜100g/m2 の布帛を積
層して用いることがよいこと、さらに薬物を含有する厚
みが5〜100μmの粘着剤層をこの布帛に積層して用
いるのがよいことを見出した。
【0030】しかも、かかる材料を単純に積層するので
はなく、各層間の層間剥離力についても所定の範囲とす
ることにより、従来にない皮膚カブレが少なく、十分な
経皮吸収性も確保され、取扱い性も良好であり、しかも
長時間貼付しても製剤形態のくずれのない安定な貼付剤
に到達したものである。
【0031】即ち、本発明は、外皮に適用する貼付剤で
あって (イ)水分半透過性で、フイルムの実質的に直交する2
方向の強度が各々8〜85g/mm、及び実質的に直交
する2方向の伸度が各々30〜150%であって、該2
方向の伸度の比が1.0〜5.0(但し、該2方向の伸
度が同一でない場合には、小さい伸度の方を分母とす
る)であり、厚みが0.5〜4.9μmのフイルム(a
層) (ロ)単糸の平均直径が1〜30μmからなり、かつ、
目付が8〜100g/m 2 の布帛(b層) (ハ)薬物を含有した厚みが5〜100μmの粘着剤層
(c層)とを必須成分とし、貼付剤の上からa層、b
層、c層の順に積層されており、且つ、以下の(1)及
び(2) (1)a層とb層の層間剥離力が b層の布帛が編物からなるときには10〜40g/m
mであり b層の布帛が不織布又は織物からなるときは3〜30
g/mmである (2)貼付剤からの水分蒸散性が2〜40mg/日・c
2 であるの特性を満足する貼付剤である。
【0032】驚くべきことに本発明の貼付剤によって、
かかる貼付剤を貼付した患者の置かれる外的環境や運動
状態により皮膚発汗の程度が多少変化しても、貼付部位
の皮膚角質層の水分率をほとんど同じ値に保つことがで
きたのである。
【0033】皮膚カブレを防ぐためには貼付剤中の残留
溶媒を極力少くすること、具体的には貼付剤製造の工程
で使用する全溶媒の残留量が粘着剤重量に対して100
ppm以下、好ましくは50ppm以下であることが望
ましい。貼付剤においてはこれら残留溶媒のほとんどは
粘着剤溶液から粘着剤層を作る時に残留するものである
が、粘着剤層の残留溶媒を減少する方法としては高温下
の加熱による方法、加熱下に真空吸引する方法、得られ
た粘着剤層を水、メタノール、エタノール等の溶媒で洗
浄抽出する方法等が用いられ、工業的には高温下の加熱
による方法が最も多く用いられる。しかしながら貼付剤
の粘着剤層として用いる程度の厚みを持つ粘着剤層(ポ
リマー層)から残留溶媒100ppm以下の粘着剤層を
得るためにはかなり厳しい乾燥条件を採用することが必
要である。
【0034】粘着剤層に薬物が混入されている場合は、
かかる厳しい乾燥条件を採用すると薬物の変質、分解を
伴い問題となることが多く、また薬物として蒸発性の薬
物を用いる場合には高温では薬物が蒸発するので通常の
乾燥条件より、むしろ温和な条件を採用せざるを得ず、
残留溶媒の少い安全性の高い貼付剤を得ることが困難で
ある。
【0035】しかも、本発明の貼付剤は季節を問わず、
通常の日常の行動をとり、屈伸運動をしたり、発汗した
りしても、フイルム面と布帛面や布帛面と粘着剤層面の
層間剥離もほとんど起こらない安定性の高い、見た目に
も美しい、高い患者のコンプライアンスの期待できる貼
付剤となるのである。
【0036】本発明において使用する水分半透過性のフ
イルムは柔軟なフイルムであって該フイルムの水分透過
性を単独にて試験するときに37℃での水分透過量が1
〜1000mg/日・cm2 のものをいい、フイルムの
厚みが0.5〜4.9μmであるものが好ましい。特に
好ましいものは、厚みが0.5〜4.9μm、実質的に
直交する2方向の強度が各々8〜85g/mm、および
実質的に直交する2方向の伸度が各々30〜150%で
あって該2方向の伸度の比が1.0〜5.0(但し、該
2方向の伸度の比が同一でない場合には小さい伸度の方
を分母とする)である。皮膚カブレを減少させるために
は、まず第一に製剤の物理的刺激を少なくすることが重
要である。このためには使用するフイルムの厚みが小さ
い程刺激は減少するので、厚みは4.9μm以下であ
り、4.0μm以下、なかでも3.5μm以下がこの傾
向が顕著となるので好ましい。一方貼付剤はヒトの皮膚
に貼付して使用するので、ヒトの活動に伴うヒトの皮膚
の伸縮運動にある程度追随できることが必要である。あ
まりに極薄の場合にはフイルムが破断したり、あるいは
皮膚の伸縮運動にほとんど追随しない場合には皮膚刺激
が大きくなったりする。厚みを0.5μm未満に小さく
しても、その物理的刺激はあまり変わらなかったばかり
か製造に不便になりがちであるという不都合が増大す
る。
【0037】貼付剤に支持体としてフイルム層を設ける
目的は貼付部位の密封性を高めて経皮吸収を促進するこ
と、粘着面を被覆して衣類や皮膚の他の場所に粘着剤が
付着するのを防止すること等のためである。フイルムの
厚みが小さくなる程密封性も小さくなり、5μm未満で
は密封性が減少する傾向にあるが、1μm以下なかでも
0.5μm未満では貼付剤として十分な密封性を得るこ
とが困難となる。
【0038】またフイルムの強度については実質的に直
交する2方向の強度が各々85g/mmを超えると、い
かに厚みが薄くても物理的刺激が十分に小さくなく、一
方、8g/mm未満であると貼付時や貼付して使用中に
製剤が破損しやすくなり、安心して使用しにくくなりが
ちである。
【0039】フイルムの伸度については、実質的に直交
する2方向の伸度が各々150%を超えると取扱い性が
悪く、一方、該伸度が30%未満では物理的刺激が大き
くなるし、貼付時の破断が起りやすくなる。
【0040】更に本発明者の検討結果によれば、該2方
向の伸度の比が1.0〜5.0(但し、各伸度が同一の
場合には小さい伸度の方を分母とする)、なかでも1.
0〜3.0であるフイルムを用いた場合は、貼付した時
の貼り心地が良いので好ましい。この比が5.0を超え
るもの、即ち、ある方向の伸度が極端に小さなフイルム
を用いた場合にあっては、その方向への皮膚の伸縮にフ
イルムが充分追随し得ず、つっぱり感が出て貼り心地が
悪かったり、剥がれ易くなったり、破損しやすくなった
りする問題を生じ易く、適当とはいえない。
【0041】したがって、本発明のフイルムは、水分半
透過性で厚みが0.5〜4.9μm、実質的に直交する
2方向の強度が各々8〜85g/mm、および実質的に
直交する2方向の伸度が各々30〜150%であって、
該2方向の伸度の比が1.0〜5.0(但し、各伸度が
同一でない場合には小さい伸度の方を分母とする)が好
ましい。なかでも厚みが3.5μm以下、特に0.5〜
2.0μm、強度が8〜85g/mm、および伸度が4
5〜150%で、伸度の比が1.0〜3.0であるフイ
ルムが好ましい。
【0042】本発明でいう強度とは、日本薬局方「絆創
膏」の引張り強度測定法に従って、切断までの最大荷重
を求めそれを単位mm当りの荷重に換算したもの(g/m
m)を示し、伸度は引張る前の長さ、切断時の長さの伸
び率(%)を示す。また直交する2方向とは、いわゆる
縦方向と横方向のことをいう。
【0043】本発明においては、かかるフイルムは、さ
らに好ましくは経時安定性が良好で、しかもヒト皮膚に
貼付した場合にアレルギー反応を起こしにくい等安全性
の高いものであることが望ましい。かかるフイルムとし
てはポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフ
ィン;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフ
タレートのようなポリエステル;ナイロン6やナイロン
66のようなポリアミド;エチレン―酢酸ビニル共重合
体等からなるフイルムを用いることができる。これらの
フイルムは単体で用いてもよく、複合したりまた積層し
て用いてもよい。
【0044】これらのフイルムのうち、ポリエステルフ
イルムが好ましい。ポリエステルフイルムは、一般的に
熱や光に対する安定性がよく、薬物の吸着や、薬物との
相互作用が少なく、またヒトに対する安全性が高い。ポ
リエステルフイルムのなかでもポリエチレンテレフタレ
ートからなるフイルムが好ましい。
【0045】本発明においては、特にフイルムの厚みが
3.5μm以下、強度が各々8〜85g/mm、かつ伸
度が各々45〜150%である極薄フイルムを用いると
きは、貼付剤を長時間安定して貼付できる。
【0046】本発明においては前述のフイルム層として
特にポリエステルフイルムを用いるのが好ましいが、こ
のポリエステルフイルム中にはその滑り性を改良する目
的で少割合の固型微粒子を存在させることがある。しか
しながら従来、かかる固型微粒子が本発明のような貼付
剤においてどのような影響を及ぼすものであるかについ
て充分な知見はなかった。
【0047】本発明者らはかかる点について鋭意検討の
結果、該ポリエステルフイルム層に存在する固型微粒子
量が0.01〜1重量%であり、その平均粒子径が0.
01〜3.0μmであり、かつ該平均粒子径が実質的に
ポリエステルフイルムの厚みの1.5倍を超えないこと
が臨床有効量の薬物を吸収させつつ、特に皮膚カブレを
減少させる点で重要であることを見出した。
【0048】このような固型微粒子としては、例えば、
(1)二酸化硅素、(2)アルミナ、(3)二酸化硅素
分を30重量%以上含有する硅酸塩、アルミノシリケート
化合物、(4)マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チ
タンから選ばれる一種以上の金属の酸化物、(5)カル
シウム、バリウムから選ばれる一種以上の金属の硫酸
塩、(6)リチウム,ナトリウム,カルシウムから選ば
れる一種以上の金属の燐酸塩、(7)カルシウム,バリ
ウム,亜鉛,マンガンから選ばれる一種以上の金属のテ
レフタル酸塩、(8)マグネシウム,カルシウム,バリ
ウム,鉄,コバルト,マンガン,ニッケル等から選ばれ
る一種以上の金属のチタン酸塩、(9)カルシウム,マ
グネシウムから選ばれる一種、(10)炭素、(11)
ガラス、(12)架橋化ポリスチレンの如き無機あるい
は有機の固体微粒子を例示できる。勿論、これらの使用
は一種又は二種以上の混合であってもよい。
【0049】かかる固型微粒子量が0.01重量%に満
たない範囲にあっては、皮膚カブレを減少させる効果が
不充分となりがちのため好ましくなく、また1重量%を
超える範囲にあっては薬物の経皮吸収性が充分満足され
なくなる場合を生じたりして貼付剤として好ましくない
場合がある。またその平均粒子径が0.01μmに満た
ない範囲のものにあっては皮膚カブレを減少させる効果
が不充分で取扱い性が充分満足されない場合があり、ま
た3.0μmを超えたりフイルムの厚みの1.5倍を超
える範囲にあっては、前述と同様に薬物の経皮吸収性が
充分満足されない場合を生ずる。これはかかる場合にあ
っては、この固型微粒子とフイルム層の間のボイド等に
起因して水分蒸散性や通気性が大きくなりすぎるためで
はないかとも考えられる。
【0050】本発明に用いる布帛は目付が8〜100g
/m2 である。本発明で布帛を用いる理由の1つは、貼
付剤の水分蒸散性を2〜40mg/日・cm2 に確保す
ることを容易とすることである。即ち、布帛は水分蒸散
性にとってほとんど抵抗とならないので製剤の水分蒸散
性の設計が容易となる。布帛を用いる2つ目の理由は、
柔軟で薄いフイルムを用いた貼付剤の取扱い性を改善す
ることである。布帛を用いる3つ目の理由は、柔軟な薄
いフイルムと薬物を含有した厚みが5〜100μmの粘
着剤層からのみなる貼付剤はわずかの応力で破断した
り、変形したりし易いが、これを防ぐことができ、且つ
貼付剤の製造が容易となることなどである。
【0051】特に理由の1つ目と2つ目は重要である。
布帛の目付が8g/m2 未満となると、目的とする水分
蒸散性を達成することが困難となりがちであるし、取扱
い性も不充分になりがちだからである。
【0052】一方、布帛の目付が100g/m2 を超え
ると水分蒸散性が大きくなりすぎるので好ましくない。
これは水分が布帛を通って製剤の断面方向(側面)に逃
げるためである。しかも布帛の目付が100g/m2
超えると、貼付剤の厚みが大きくなるために貼付時に貼
付剤が貼付部位から剥れて脱落(ハガレ)しやすくな
る。布帛の目付が大きくなったときのハガレの原因は、
貼付剤の端面、特に角部が衣類等にこすられて、該衣類
等にとられるためと考えられる。特に好ましい布帛の目
付は10〜60g/m2 である。
【0053】かかる布帛において、布帛を構成する繊維
の単糸の太さが重要である。一般に繊維状物の平均直径
は、小さいものは0.5μm以下のものから、大きいも
のは1000μmを越えるものまで任意に製造可能であ
り、用途により使い分けられている。
【0054】本発明者らのこれまでの検討によれば、貼
付剤に使用する場合でも、この単糸の太さは皮膚刺激に
影響することが分かっており、本発明の布帛を構成する
繊維の単糸の平均直径は1〜30μmである。1μm未
満のときは、本発明の貼付剤の取扱い性を確保するため
に布帛の目付を8g/m2 とした場合、断面方向からの
水分の蒸散性が大きくなりすぎる傾向がみられ、またあ
まりに繊維が細いために繊維切れ等が頻発し貼付剤の製
造工程において困難を生じる。
【0055】一方、単糸の平均直径が30μmより大き
くなると、いかに布帛の目付を小さくしても、皮膚刺激
が大きくなる。特に好ましい単糸の平均直径の範囲は5
〜25μmである。
【0056】本発明においては、かかる布帛は織物、編
物、不織布等の形態で用いることができるが、特に公知
の編物や不織布の構造とすることで布帛自体に伸縮性が
大きくなり、この伸縮性のためと考えられるが、同じ単
糸の糸を用いて同じ目付の織物とした場合よりも、より
皮膚刺激性が少ないので好ましい。本発明においては、
かかる布帛は1つの織物、編物、不織布の構造としても
よいが、かかる布帛を積層して用いることもできる。ま
た使用する単糸も異なる種類の単糸を混合して用いるこ
ともできる。この場合、布帛を構成する単糸の大部分は
上述した範囲になければならない。
【0057】本発明の布帛を構成する単糸としては、そ
の大部分を外周方向に貫通した孔を有する中空繊維でな
いもの、例えば異形、中実、中空繊維等を用いることが
できる。
【0058】また本発明において用いる単糸の大部分が
外周方向に貫通した孔を有する中空繊維(微多孔中空繊
維)を用いるとき、経済性の課題はあるものの本発明の
目的をより容易に達成できる。
【0059】かかる中空繊維は、例えば、特開昭56―
20612号公報、特開昭56―20613号公報、特
開昭56―43420号公報等に記載された方法によっ
て製造することができる。
【0060】本発明の布帛を構成する繊維の材質として
は、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエス
テル;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;ポ
リウレタン、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等、任意のものを選ぶ
ことができる。これらのなかでもポリエステルが好まし
く、特にポリエチレンテレフタレートがヒトに対する安
全性が高いこと、熱、光、温度に対する安定性に優れて
いること、薬物との相互作用がないこと、薬物溶液を中
空繊維に含浸させるとき使用する溶媒によって変性され
にくいこと等の理由から好ましい。
【0061】かかる繊維は単一で用いてもよく、2つ以
上の複数で用いてもよい。
【0062】本発明で用いる薬物の例を挙げれば、硝酸
イソソルビド、ニトログリセリンの如き冠血管拡張剤に
使用される硝酸エステル類;メントール、カンファー、
サルチル酸メチルの如きサリチル酸エステル類;エスト
ラジオール、ノルエチステロン、プロゲステロンやその
誘導体のようなホルモン剤;モルヒネ、フェンタニル、
塩酸ブプレノルフィンやその誘導体のような鎮痛剤;ク
ロニジン、ニフェジピン、カプトリルやその誘導体のよ
うな心疾患薬などを挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。
【0063】薬物の使用量は、用いる薬物の薬理作用の
強さ、皮膚への吸収性などによって適宜決定されるが、
通常粘着剤総量に対して0.1〜20重量%である。か
かる薬物は粘着剤層中に粘着剤と相溶して存在してもよ
く、また薬効に影響しない限りにおいてはその一部が結
晶となって析出していてもよい。
【0064】1つの貼付剤に含有されるべき該薬物の量
は1μgから200mgまで任意に変えることができ
る。即ち、一般に医薬品に使用される薬物は経口や注射
剤として投与されるが、その場合に臨床的に有効となる
薬物投与量は多くの文献に示してある(例えば、医薬品
要覧第4版、薬業時報社(1988))。したがって貼
付剤の場合も、1つの貼付剤に含有されるべき薬物量は
経口剤や注射剤で使用される量から推定できる。通常は
貼付剤の場合、製剤中に残存する量が多くなるので経口
剤等に比して投与量は多くなりがちである。しかし肝代
謝の大きい硝酸薬のような場合は貼付剤に使用する薬物
量は経口剤より少なくなる場合もある。したがって貼付
剤1枚中の薬物量は経口剤や注射剤の1日投与量の5分
の1以上乃至10倍以下である。貼付剤1枚当りに含有
されるべき薬物の含量を具体例で示せば、硝酸イソソル
ビドの場合では貼付剤の大きさは20〜60cm2 であ
り、硝酸イソソルビドは1枚当り5〜100mgであ
る。ニトログリセリンの場合では貼付剤の大きさは5〜
50cm2 であり、ニトログリセリンが1枚当り1〜2
0mg含有される。エストラジオールの場合、製剤の大
きさは10〜60cm2であり、1枚当り0.2〜10
mg含有される。塩酸ブプレノルフィンの場合、製剤の
大きさは10〜100cm2 であり、製剤1枚当り1〜
10mg含有される。もちろん、薬効に支障のない範囲
であれば薬物が上に示した参考例より多くてもさしつか
えない。
【0065】以上により、本発明の貼付剤に含まれる薬
物の量や、貼付剤のサイズがより明らかになるであろ
う。
【0066】本発明で使用する粘着剤としては、通常の
感圧粘着剤が用いられ、例えばシリコンゴム、ポリイソ
プレンゴム、スチレン―ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ルゴム、天然ゴム等を主成分とするゴム系粘性組成物;
ポリビニルアルコール、エチレン―酢酸ビニル共重合の
ようなビニル系粘性組成物;シリコン系粘着剤、ポリウ
レタン弾性体、ポリエステル弾性体、ポリブタジエン弾
性体などを主成分とする粘性組成物;アクリル系樹脂等
の中から選択することができる。なかでもアクリル系樹
脂が好ましく、特に皮膚刺激性がより少く、適度の粘着
性、接着性と高度の内部集力、かつ優れた耐溶剤性とい
う観点から、(1)炭素数4以上のアルキル基の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも80〜9
8モル%、(2)アクリル酸及び/またはメタクリル酸
2〜20モル%を共重合したアクリル系樹脂が特に好ま
しい。炭素数4以上のアルキル基の(メタ)アクリル酸
エステルの例としては、例えばブチル(メタ)アクリレ
ート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチ
ル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレー
ト、デシル(メタ)アクリレート、2―エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの粘着剤
は1種あるいは2種以上を複合して用いてもよい。
【0067】また、かかるアクリル系粘着剤には公知の
有機又は無機の架橋剤が0.01〜10重量%含有され
ていてもよい。
【0068】本発明においては、これらの粘着剤は薬物
の種類に応じて組合せることもでき、例えば高い相溶性
を有する粘着剤をバッキングのフイルム層の近くに設
け、薬物との相溶性はさして高くないが皮膚刺激性は少
ない粘着剤を皮膚と接触している面に用いるという組み
合わせとして、皮膚刺激性が少なく、徐放性に優れた貼
付剤とすることができる。
【0069】本発明の粘着剤層の厚みは5〜100μm
である。粘着剤層の厚みが大きいと残留溶媒の量が極端
に高くなる傾向があるため特に好ましくは厚み60μm
以下である。逆に粘着剤層が薄くなるとヒト皮膚に対す
る粘着力も低下し、貼付剤の使用時安定性が低下するこ
とから、10μm以上が好ましい。
【0070】本発明の貼付剤の製造方法の1つ目の方法
は、フイルムと布帛を常温下又は加熱下に圧力をかけて
接着させてフイルムと布帛の積層物を得、しかるのちに
薬物を含有した粘着剤溶液を積層物の布帛面の上に塗工
して乾燥する方法である。
【0071】フイルムと布帛を圧力かけて接着させると
きに両者の間に接着性を助ける液状物、固状物、膜状物
等の接着助剤を用いてもよく、かかる助剤には薬物が含
有されていてもよい。
【0072】製造方法の2つ目の方法は、予め薬物を含
有させた粘着剤溶液を離型フイルムの上に塗工して乾燥
後の厚みが5〜100μmとなる薬物含有粘着剤層を
得、この薬物含有粘着剤層を製造方法の1つ目の方法で
得たフイルムと布帛の積層物の布帛面に圧着させる方法
である。
【0073】製造方法の3つ目の方法は、予め薬物を含
有した粘着剤溶液を離型フイルムの上に塗工して乾燥後
の厚みが5〜100μmとなる薬物含有粘着剤層の2層
(薬物含有粘着剤層A、Bとする)を得る。このとき薬
物含有粘着剤層A、Bは異なる粘着剤を用いてもよく、
厚みが異なってもよく、薬物の含有量が異なってもよ
く、含有される薬物の種類が異なってもよく、薬物含有
粘着剤層A、Bのいずれか1つには実質的に薬物を含有
しなくてもよい。かくして得られた薬物含有粘着剤層2
層のうちの1層(A層)とフイルムを圧着し、しかるの
ち該A層のフイルムを圧着していない面上に布帛を圧着
して3層積層物(C層)を得、次にC層の布帛の自由と
なっている面上に薬物含有接着剤層(B層)を圧着して
もよい。
【0074】製造方法の4つ目の方法は製造方法の3つ
目の方法で述べた方法であるが、粘着剤層を作るときに
薬物を含有させるか、又は薬物を含有させないで粘着剤
層2層(A層、B層)を作り、これを積層して製造方法
の3つ目の方法で述べた3層積層物(C層)を得、しか
るのち、溶媒に溶解した薬物を3層積層物の布帛の上に
滴下、浸漬、接触させる等により塗工、溶媒を蒸発によ
り除いて、薬物を含有した3層積層物(D層)を得、こ
のD層の布帛の上に薬物を含有するか、含有しない粘着
剤層B層を圧着する方法である。かくして得られた貼付
剤は、裁断する前か後に必要に応じて加熱、真空吸引等
により品質の均質化を図ってもよい。
【0075】同業者が容易に想定できるように製造方法
の4つ目の方法で得られたD層の布帛上に薬物を含有し
た粘着剤の溶液を塗工して加熱し溶媒を除いて直接粘着
剤層B層に相当する粘着剤層を作ることも可能である。
また、上述した製造方法で粘着剤層を多層積層すること
も必要に応じて採用できる。
【0076】また本発明で使用するフイルムや布帛や粘
着剤層が、すべてほとんど同じ平面積を持っている必要
もなく、これらのいずれかが製剤の一部を構成していて
もよく、不連続な複数の層となっていてもよい。
【0077】予想されるように、本発明の貼付剤の製造
法は上記に限定されるものではない。
【0078】本発明の貼付剤は、貼付剤からの水分蒸散
性が2〜40mg/日・cm2 である。
【0079】本発明の貼付剤の場合には布帛を使用する
ので、貼付剤からの水分蒸散性をこの範囲にするために
は、通常考慮される貼付剤の粘着剤層、布帛、フイルム
を経るフイルム外表面、即ち平面方向からの水分蒸散性
に加えて、貼付剤の粘着剤層〜布帛を通して貼付剤の側
面、即ち断面方向からの水分蒸散性も考慮に入れる必要
がある。
【0080】本発明の貼付剤において、布帛の目付が前
記の範囲のものであっても目付が大きい程、一般に取扱
い性はよくなる。また、使用する粘着剤層の厚みが同じ
で加圧条件が同じであれば、目付が大きい程断面方向の
水分蒸散性も大きくなる。したがって取扱い性の面から
布帛の目付を決定した場合、経皮吸収性を確保するため
に断面方向の水分蒸散性が過多とならない範囲にするた
めには、使用する粘着剤層の厚みを大きくして粘着剤層
と布帛との圧着条件を大きくすることが好ましい。特に
粘着剤層を溶液に溶かした粘着剤溶液を布帛の上に塗工
する方法を採用するときは、粘着剤が布帛の中に入り込
んだ状態で粘着剤層が形成されるので、断面方向の水分
蒸散性は同じ厚みの粘着剤層を圧着した場合より小さく
なる。
【0081】逆に、貼付時の製剤の剥れを防止するとい
う観点からは布帛は薄い方が好ましいので、得られる貼
付剤の取扱い性を損なわない範囲で目付を小さくした場
合は好ましい水分蒸散性を確保するためには粘着剤層を
薄くするか、又は/及び布帛と粘着剤層の加圧接着条件
を弱くするのが好ましいことになる。
【0082】本発明の貼付剤は、経皮吸収性の点でも貼
付剤全体としての水分蒸散性に大きく依存しており、通
常の製剤の大きさである10〜150cm2 の場合、水
分蒸散性は2〜40mg/日・cm2 である。40mg
/日・cm2 を超えると十分な経皮吸収性が得られにく
い。逆に2mg/日・cm2 未満では皮膚刺激性の小さ
い製剤とはならない。
【0083】本発明の貼付剤のフイルム層等には、必要
に応じて微孔や切断線を設けることもできるが、かかる
場合は後記のような水分蒸散性の試験法によって測定し
た値がこの範囲にあればよい。
【0084】皮膚カブレ防止という点からは水分蒸散性
は40mg/日・cm2 以上大きい程良好となるが、十
分な経皮吸収性を維持しつつ、皮膚カブレも減少させる
ためには、酸素や炭酸ガス等の気体透過性の比較的低い
フイルムを通して(即ち平面方向に)、水分を蒸散させ
るのに加えて、酸素や炭酸ガス透過性のよい粘着剤層や
布帛層を通して(即ち断面方向に)水分を蒸散させるこ
とがより好ましいという知見から、貼付剤からの水分蒸
散性のかなりの部分を断面方向にも逃散させるようにす
るのが好ましい。
【0085】そこで本発明の貼付剤においては、大きさ
が10〜150cm2 の貼付剤1枚当り断面方向の水分
蒸散性を25〜180mg/日となるようにするのがよ
り好ましい。本発明においては、さらに本発明が目標と
する主要な特性である貼付剤を長時間貼付した後での安
定性を確保するために、本発明の貼付剤中のフイルム
(a層)と布帛(b層)との層間剥離力をb層の布帛が
編物からなるときは10〜40g/mmであり、b層の
布帛が不織布又は織物からなるときは3〜30g/mm
とする。
【0086】かかるa層とb層との層間剥離力は、例え
ば本発明の貼付剤の製造に際し、その条件を以下のよう
に制御することによってもたらされる。
【0087】かかる製造条件のうち、主要なものの1つ
は、フイルム状のものを積層加圧するときに使われる公
知のラミネーターの加圧条件である。
【0088】例えば、ラミネーターに使用するロールの
硬さ、ロールの径、ロールを通過する速度、ロールにか
かるプレス圧力、ロールを通過するときの温度等により
制御することにより、上記の層間剥離を有する貼付剤を
得ることができる。
【0089】特に本発明の貼付剤の場合、破断しやすい
薄いフイルムを用い、特定の布帛を用い、特定の粘着剤
を用いているが、それにも拘らず、経皮吸収性が高く、
皮膚低刺激性で、かつ取扱い性がよく、しかも医薬製剤
に要求される特定の品質規格内にあって、さらに品質の
バラツキの少ない貼付剤、すなわち、それらをバランス
させた上で、しかも貼付したときに従来に比べ、より層
間剥離することのない、安定な持続放出性の貼付剤であ
るという特徴がある。
【0090】本発明の貼付剤においては、フイルムと布
帛の間の層間剥離力は10g/mm以上であることが好
ましい。
【0091】医療用の貼付剤の場合、フイルムも、布帛
も、そして粘着剤も安全性が高いものでなくてはならな
い。しかも、これらの材料は使用する薬物に対して悪影
響のないものでなくてはならない。
【0092】そして、その上に柔軟な基材であって皮膚
刺激のないものでなければならない等厳しい制約条件が
つけられる。
【0093】これらの制約条件をすべて満足した上で、
本発明の第1の目的である貼付剤としての皮膚カブレの
少なさ、高い経皮吸収性、取扱い性のよさを満足し、し
かも極めて長時間貼付した時にでも層間剥離を起こさな
い貼付剤を提供するというものは非常に困難な検討であ
った。
【0094】驚くべきことに、本発明においては前記特
定のフイルム(イ)、特定の布帛(ロ)、粘着剤層
(ハ)及び(1)フイルムと布帛の層間剥離力及び
(2)貼付剤からの水分蒸散性を特定の数値範囲とする
ことによって、そのような貼付剤の提供が可能となった
のである。
【0095】かかる本発明に到達するに際して、以下の
知見が大きく関与している。
【0096】即ち、フイルムと布帛の間の層間剥離力と
して必要とされる層間剥離力については、その測定法を
完成させたことがその1つ目である。文献でも接着面の
剥離力を測ることは知られている。しかし本発明の場合
の困難さはフイルムが0.5〜4.9μmという非常に
薄いものの層間剥離力を考えるとき、この値に対して十
分に強いものではなく弱いフイルムを用いているため、
通常の方法では測定できなかった。これについては後述
する簡便で再現性の高い方法を完成させた。2つ目は患
者に製剤を貼付したときに、この剥離力をいくらにした
らよいかという問題であった。検討の過程で本発明者ら
が知見したことは、患者(特にヒト患者の場合)に貼付
剤を1〜3日間貼付したときに貼付剤のうける条件は非
常に過酷であるという事実である。
【0097】その中には、本発明の製剤構成において長
時間使用するからこそ問題が明らかになるというものが
多い。例えば、貼付剤は温度として室温ではなく32〜
37℃になり、湿度はほぼ100%近くとなり、時とし
て発汗のために水が貼付剤内面にたまり、そして入浴や
シャワーのため、40℃を越える温度と100%の湿度
となり、しかもこれらの条件にあって運動動作により繰
り返しの応力を受け、さらに貼付部位によっては体のそ
の部位の伸縮、特に伸びにより、強い引張り張力を受
け、さらに衣服によって貼付剤の表面や角部はこすり応
力を受けているのである。
【0098】これらの応力の多くは貼付剤が最も普通の
剤型である単純で薄いフイルム型であるときにはほとん
ど考えなくてよかった問題である。また部厚い製剤であ
っても、それぞれに微妙な役割をもたせていないとき
は、患者の皮膚との粘着力を十分にとればほとんど問題
は起らない。
【0099】特に本発明の貼付剤の場合は、ある強い伸
ばしによる応力がかかった場合に、フイルムの応力伸度
が小さいにもかかわらず布帛は応力伸度が大きいと、繰
り返し応力がかかると容易にフイルムと布帛の界面が剥
離するということである。ここに布帛とフイルムを組合
せる困難さの1つがある。
【0100】製造の容易さや、フイルムや布帛や粘着剤
選択を、その安全性や経皮吸収性や、取扱いやすさの面
からのみ実施しやすくするという実用上の観点からは、
フイルムと布帛、布帛と粘着剤の間の層間剥離力は弱い
程よいから、実用的な貼付剤をつくり、管理するために
はこれらの層間剥離力をどこにするかは極めて重要であ
ることが分かる。しかも、貼付剤は患者が長時間使用し
ても安定であることは重要な要因であるから、できるだ
け層間剥離力を大きくしたいという考えもなりたつ。
【0101】本発明の構成の貼付剤は、特定のフイル
ム、特定の布帛、及び特定の粘着剤層という新しい剤型
であり、したがって問題の解決についても、本発明者ら
による鋭意検討が必要であったのである。
【0102】その結果、層間剥離力について以下の好ま
しい範囲を見出し、本発明を完成させたのである。
【0103】即ち、フイルムの厚みが0.5〜4.9μ
mであり、フイルムの実質的に直交する2方向の強度が
各々8〜85g/mm、及び実質的に直交する2方向の
伸度が各々30〜150%であって、該2方向の伸度の
比が1.0〜5.0(但し、該2方向の伸度の比が同一
でない場合には小さい伸度の方を分母とする)であるフ
イルムであるとき、 (1)布帛が、単糸の平均直径が1〜30μmからな
り、且つ、目付が8〜100g/m2 の編物のときは、
フイルムと布帛の間の層間剥離力は10〜40g/mm
となる。更に好ましくは17〜40g/mmである。 (2)布帛が、単糸の平均直径が1〜30μmからな
り、且つ、目付が8〜100g/m2 の不織布又は織物
のときは、フイルムと布帛の間の層間剥離力は3〜30
g/mmとなる。
【0104】布帛が編物の場合よりも、不織布や織物の
場合の方が、必要とされる層間剥離力が小さい理由は、
編物に比較して不織布や織物は布帛自体の伸縮性が小さ
いためと考えられる。したがって、長時間貼付のときの
より長時間安定な貼付剤のためには布帛は編物よりも不
織布や織物が有利である。
【0105】しかし、貼付剤の皮膚刺激性という面では
布帛の伸縮性は大きい方が良好となる傾向が認められる
ので、全体のバランスの中で選択される。
【0106】かかる層間剥離力を有する本発明の貼付剤
は、前述の材料を用いて前述の方法で製造した貼付剤に
ついて、本発明の層間剥離力の試験法による試験するこ
とにより、適宜条件を設定して得ることができ、例えば
実施例で得られたものがある。
【0107】布帛とフイルムの層間剥離力を前述の如く
設定する意義は、別の比較に知見を説明すればより明ら
かとなろう。即ち、製剤の構成を布帛(b層)、フイル
ム(a層)、粘着層(c層)の順に積層した場合、布帛
が編物であるにもかかわらずb層とa層の層間剥離力が
4〜10g/mmであっても層間剥離力はほとんど問題
とならないのである。
【0108】本発明の貼付剤は、必要に応じてその他の
吸収促進剤、溶解助剤、拡散助剤、充填剤などを含有し
ていてもよい。
【0109】本発明で用いられる吸収促進剤又は拡散助
剤としては、前記に例示したものの他に例えばラウリル
硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナト
リウム、ジオクチルスルホコハク酸塩、ポリオキシアル
キルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩など
の界面活性剤;グリセリン、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、高級脂
肪酸アルコールなどのアルコール類;ジメチルスルホキ
シド及びアルキルメチル誘導体;サリチル酸、尿素、ジ
メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ラノリ
ン、アラントイン、スクアレン、カーボポール、ジイソ
プロピルアジペート、ピログルタミン酸ラウリルエステ
ル、ミリスチン酸イソプロピル、エチルラウレート、ニ
コチン酸メチル、ソルビトール及びドデシルピロリド
ン、メチルピロリドンのようなピロリドン誘導体、オリ
ーブ油、ヒマシ油、流動パラフィン、ワセリン、ゼラチ
ン、アミノ酸、ニコチン酸ベンジル、L―メントール、
カンファー、ドデシルアザシクロヘプタン―2―オンな
どを用いることができる。
【0110】かかる吸収促進剤又は拡散助剤は、粘着性
を損なわない範囲であればよく、粘着剤に対して0.1
〜30重量%の範囲で用いることができる。
【0111】また、貼付剤の中には、充填剤としては、
水、酸化チタン、炭酸カルシウム、石コウ、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、硅藻土、カーボンブラッ
ク、ベンガラ、各種の染顔料、流動パラフィン、ワセリ
ン、乳糖、香料、脱臭剤、着色剤、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等の合成樹脂
の粉末や成形物等が0.1〜30重量%含有されていて
もよい。かかる吸収促進剤、拡散助剤、充填剤等は2種
以上を併用して用いてもよい。
【0112】
【産業上の利用性】以上説明したように、本発明に従っ
た貼付剤は、所望の経皮吸収性(徐放性)を有しかつ皮
膚カブレの発生を顕著に防止した経皮投与用貼付剤とし
て利用することができる。また本発明に係る貼付剤は貼
付剤自体が非常に柔軟であり、皮膚刺激がほとんどな
く、また必要な密封性を維持しつつ、残留溶媒が少なく
しかも取扱い性に優れかつ安全性を高めた貼付剤であ
り、尚かつ長時間使用しても安定性の高い貼付剤として
広く利用されることになろう。
【0113】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を、さらに詳細
に説明する。実施例中の部は重量部を示し、実施例中に
出てくる特性は以下の方法で測定した。
【0114】(i)水分蒸散性の試験法 厚さ約10mmで大きさが約150mm×150mmの
ガラス板の中央部に直径40mm(面積12.56cm
2 )、深さ6mmのくぼみを作る。くぼみの中に蒸留水
3mlを入れる。
【0115】貼付剤1枚をとり離型フイルムを剥がして
粘着面が完全にくぼみを覆うように貼付剤をこのガラス
板に貼付する。このときの重量をW1 (mg)とする。
【0116】次に貼付剤を貼ったままのガラス板を37
℃の温風式恒温槽に入れ、24時間後のこのガラス板の
重量を測りW2 (mg)とする。
【0117】次に貼付剤のフイルム面(外側)に厚み約
30μmの粘着剤を用いてアルミ箔を密着して貼り合
せ、このアルミ箔で裏貼りした貼付剤の離型フイルムを
剥がして水3mlを入れたガラス板のくぼみを覆うよう
に貼り合せ、その重さW3 (mg)を測る。このものを
37℃の温風恒温槽に24時間入れたあとの重さをW4
(mg)とする。
【0118】このW3 ,W4 によって貼付剤の粘着剤層
ないし布帛層を通じて貼付剤の側面(断面方向)の水分
蒸散性を求める。またこのW1 〜W4 によって貼付剤の
粘着剤層、布帛およびフイルム層を経るフイルム外表面
(平面方向)の水分蒸散性を求める。
【0119】このとき水分蒸散量は以下の式により計算
するものとする。
【0120】
【数1】
【0121】なお、試験する貼付剤の大きさが50mm
×50mmより小さいときには、ガラス板の中央部のく
ぼみ直径は製剤の短い1辺の長さより約10mm小さい
ものを使用する。
【0122】また、貼付剤のフイルム(a層)に切断線
等があるときは、この切断線等のない貼付剤の部分で試
験を行うか、または切断線等を試験成績に影響しないよ
うに修復して試験をするものとする。
【0123】(ii)層間剥離力の側定法 日本薬局法の「絆創膏」の粘着力試験法に準ずるものと
する。貼付剤のフイルムの外面にあらかじめ市販の布テ
ープ(例えばテラオカテープ)を接着させたのち幅20
mmの短冊状に裁断したものを試験片とする。試験片と
なった貼付剤の粘着面をフェノール樹脂板上に粘着させ
た後、フイルムと布帛との界面(層間)を約5mm程度
剥離させる。層間をわずかに剥離した試験片を粘着力試
験法に準じて試験し、層間剥離力を求める。
【0124】貼付剤の粘着面の粘着力がフェノール樹脂
板に十分に強く粘着しないときは試験に影響しないよう
に工夫して他の粘着剤や接着剤を補助的に用いてもよ
い。
【0125】(iii )硝酸イソソルビドの血中濃度測定
3mlの採取血液より、血漿を分離した後、4mlのN
―ヘキサンで抽出し濃縮して、酢酸エチルを加えて10
0μlとし、GC―ECDにより定量した。
【0126】また、実施例で使用する中空繊維及び粘着
剤溶液は以下の方法で作成した。
【0127】(1)中空糸試料(1) テレフタル酸ジメチル297部、エチレングリコール2
65部、3,5―ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム53部(テレフタル酸ジメチルに対して
11.7モル%)、酢酸マンガン4水塩0.084部及
び酢酸ナトリウム3水塩1.22部を精溜塔付ガラスフ
ラスコに入れ、常法に従ってエステル交換反応を行い、
理論量のメタノールが留出した後反応生成物を精溜塔付
重縮合用フラスコに入れ、安定剤として正リン酸の56
%水溶液0.090部及び重縮合触媒として三酸化アン
チモン0.135部を加え、温度275℃で、常圧下2
0分、30mmHgの減圧下15分間反応させた後高真
空下で100分間反応させた。最終内圧は0.39mm
Hgであり、得られた共重合ポリマーの極限粘度は0.
402、軟化点は約200℃であった。反応終了後共重
合ポリマーを常法に従いチップ化した。
【0128】この共重合ポリマーのチップ15部と極限
粘度0.640のポリエチレンテレフタレートのチップ
85部とをナウタ・ミキサー(細川鉄工所製)中で5分
間混合した後、窒素気流中にて110℃で2時間、更に
150℃で7時間乾燥した後、二軸スクリュー式押出機
を用いて285℃で溶融混練してチップ化した。このチ
ップの極限粘度は0.535、軟化点は261℃であっ
た。
【0129】このチップを常法により乾燥し、紡糸口金
に巾0.05mm、径0.6mmである円形スリットの
2箇所が閉じた円弧状の開口部をもつものを使用し、常
法に従って紡糸し、外径と内径の比が2:1の中空繊維
(中空率25%)を作った。この原糸は300デニール
/24フィラメントであり、この原糸を用い常法に従っ
て延伸倍率4.2倍で延伸し、71デニール/24フィ
ラメントのマルチフィラメントを得た。本マルチフィラ
メントの単糸の平均直径は18μmであった。このマル
チフィラメントをメリヤス編地になし、常法により精
練、乾燥後、1%のカセイソーダ水溶液でかつ沸騰温度
にて2時間処理してアルカリ減量率20%、吸水速度3
秒、吸水率84%の編物を得た。得られた編物を縦方向
に1.5倍引き伸ばして100℃で1分間熱をかけてヒ
ートセットして目付17g/m2 の編物を得た。
【0130】得られた中空繊維は、該中空繊維断面全体
に散在し繊維方向に配列し、かつその少なくとも1部は
中空部まで連通している微細孔を有する中空繊維であっ
た。
【0131】(2)中空糸試料(2) 中空糸試料(1)の作成において得られたメリヤス編地
にアルカリ処理を行わないものであり、吸水速度は23
0秒、吸収率は38%の編物である。中空糸試料(1)
の場合と同様にしてヒートセットして得た編物の目付は
25g/m2 であった。
【0132】この中空繊維は外周方向に貫通した孔を有
さない。
【0133】(3)粘着剤溶液(1) 2―エチルヘキシルアクリレート97.5部、メタアク
リル酸2.5部、過酸化ベンゾイル1.0部及び酢酸エ
チル100部を還流冷却器、かきまぜ機を有する反応容
器に仕込み窒素雰囲気下60℃でゆっくり拡販しながら
9時間重合を続けた。重合転化率は99.9%であっ
た。
【0134】得られた重合体溶液に酢酸エチル500部
を加えて固形分濃度を約20%に調節した。
【0135】
【実施例1】固形分濃度20%の粘着剤溶液(1)50
0部に対し硝酸イソソルビド(ISDN)13部を加え
たのち、この混合液(M―1)の一部を用いてシリコー
ンコートした離型フイルムの上に乾燥後の粘着剤層の厚
みが15μmとなるように塗工し80℃で1分間、90
℃で1分間、130℃で2分間乾燥した。得られた粘着
剤層(粘着剤層a)中の酢酸エチル残存量は11ppm
であり、ISDNの含量は2.3g/m2 であった。
【0136】さらに、混合液(M―1)の一部を用いて
シリコーンコートした離型フイルムの上に乾燥後の粘着
剤層の厚みが40μmとなるように塗工し、80℃で2
分間、90℃で2分間、130℃で4分間乾燥した。得
られた粘着剤層(粘着剤層b)中の酢酸エチル残存量は
25ppmであり、ISDNの含量は6.0g/m2
あった。
【0137】次に厚さ2.5μm、直交する2方向の各
々の強度が35g/mm及び41g/mm、且つ伸度が
37%及び81%であり、平均直径0.45μmの合成
シリカ0.1重量%及び平均粒径0.75μmのタルク
を0.05重量%含むポリエチレンテレフタレートフイ
ルム(PETフイルム)の1面に粘着剤層aを圧着して
PETフイルムと粘着剤層aの積層物(積層物c)を得
た。
【0138】次に積層物cの自由となっている粘着層面
に、中空糸試料(1)を圧着し、積層物(積層物d)を
得た。
【0139】次に積層物cの自由となっている粘着剤層
面に、中空糸試料(1)を圧着し、積層物(積層物d)
を得た。次に、ロール径150mmのエチレン・プロピ
レンテトラマー(EPT)ゴムからなるロールとロール
径150mmのクロムメッキした金属ロールの間でニッ
プ加圧するようにしたラミネーターであり、両ロール間
の加圧圧力(加圧圧力P)が6kg/cm2 ・Gとなる
ようにしたロール間に積層物dのPETフイルム面(フ
イルム方向)がEPTゴムロールの方にあり、積層物d
の中空糸試料(1)の自由面には、粘着剤層bの粘着面
が圧着できるように通し、積層物dと積層物bの積層物
(積層物e)を得た。
【0140】このときロール間を通す速度(加圧速度)
は1.5m/分とした。また、ロール間を通すとき、粘
着剤層bの粘着面の他の面側には厚みが75μmのポリ
エチレンテレフタレートからなる離型フイルムを置いて
粘着面が金属ロールに粘着しないようにした。
【0141】かくして得られた積層物eは7.1cm×
7.1cmの大きさに裁断してISDNを1枚当り40
mg含有する狭心症用の貼付剤とした。
【0142】該貼付剤について水分蒸散性を測定したと
ころ平面方向14.0mg/日・cm2 であり、断面方
向は42mg/日であり、製剤全体としての水分蒸散量
は17.3mg/日・cm2 であった。
【0143】また、得られた貼付剤のフイルムと布帛の
間の層間剥離力は23g/mmであった。
【0144】該貼付剤を直径30mmの円形に裁断し、
平均体重1.77gの除毛したヘアレスラットの背部に
貼付し、所定時間に採血し、血漿中のISDNを測定し
た。結果を表1に示した。
【0145】
【比較例1〜3】フイルムの方向、加圧圧力Pと加圧速
度を変更した以外は実施例1に示した材料を用いて、同
じようにして貼付剤を得、それらに試験した結果を表1
に示した。
【0146】比較例1、2の貼付剤は、24時間貼付後
には、フイルム面と布帛との界面に一部ハガレ現象が認
められ、ヒトを対象とした臨床試験には適さないと判定
された。また、水分蒸散性の大きい比較例2は経皮収縮
性においても劣ることが分かった。
【0147】比較例3はハガレ現象が一番大きかった。
また経皮吸収性も劣った。
【0148】
【比較例4】固形分濃度20%の粘着剤溶液(1)50
0部に対し硝酸イソソルビド(ISDN)8.9部を加
えて混合液(M―2)をつくり、このM―2をシリコー
ンコートした厚み50μmのポリエチレンテレフタレー
トの上に乾燥後の厚みが40μmとなるように塗工し8
0℃で2分間、90℃で2分間、130℃で4分間乾燥
した。得られた粘着層中の酢酸エチル残存量は29pp
mであり、ISDNの含量は4.2g/m2 であった。
【0149】この粘着層を2等分して、一方を粘着剤層
aとし、もう一方を粘着剤層bとした。
【0150】次に厚さ2.5μm、直交する2方向の各
々の強度が35g/mm及び41g/mm、且つ伸度が
37%及び81%であり、ポリエチレンテレフタレート
フイルム(PETフイルム)の1面に粘着剤層aを圧着
してPETフイルムと粘着剤層aの積層物(積層物c)
を得た。
【0151】次に積層物cの自由となっている粘着剤層
面に、中空糸試料(1)を圧着し積層物(積層物d)を
得た。次に、ロール径150mmのエチレン・プロピレ
ンテトラマー(EPT)ゴムからなるロールと、ロール
径150mmのクロムメッキした金属ロールの間でニッ
プ加圧するようにしたラミネーターであり、両ロール間
の加圧圧力(加圧圧力P)が6kg/cm2 ・Gとなる
ようにしたロール間に積層物dのPETフイルム面(フ
イルムの方向)がPETゴムロールの方にあり、積層物
dの中空糸試料(1)の自由面には、粘着剤層bの粘着
面が圧着できるように通し、積層物dと積層物bの積層
物(積層物e)を得た。
【0152】このときロール間を通す速度(加圧速度)
は1.5m/分とした。また、ロール間を通すとき、粘
着剤層bの粘着面の他の面側には厚みが75μmのポリ
エチレンテレフタレートからなる離型フイルムをおいて
粘着面が金属ロールに粘着しないようにした。
【0153】かくして、得られた積層物eは7.1cm
×7.1cmの大きさに裁断してISDNを1枚当り4
0mg含有する狭心症用の貼付剤とした。
【0154】該貼付剤について水分蒸散性を測定したと
ころ、平面方向6.5mg/日・cm2 であり、断面方
向は20mg/日であり、製剤全体としての水分蒸散量
は8.1kg/日・cm2 であった。
【0155】また、得られた貼付剤のフイルムと布帛の
間の層間剥離力は41g/mmであった。
【0156】該貼付剤を直径30mmの円形に裁断し、
平均体重1.77gの除毛したヘアレスラットの背部に
貼付し、所定時間に採血し、血漿中のISDNを測定し
た。結果を表1に示した。
【0157】
【比較例5】中空糸試料(1)の代りに目付112g/
2 のポリエステル編物を用いた以外は実施例1と同じ
要領で貼付剤を得、それについて試験した結果を表1に
示した。この場合は皮膚刺激は少なかったが、経皮吸収
性が悪かった。
【0158】
【比較例6】実施例1のフイルムの代りに厚み10μm
のポリエチレンフイルムを用いた以外は実施例1と同じ
要領で貼付剤を得、それについて試験した結果を表1に
示した。
【0159】
【表1】
【0160】
【試験例1〜7】実施例1、及び比較例1〜7に示した
貼付剤の製造法においてISDNを全く含有しない、い
わゆるプラセボ貼付剤をつくり、大きさを3cm×3c
mとして健常人の背部に48時間貼付して皮膚刺激性、
製剤の皮膚からの脱落(ハガレ)、およびフイルムと布
帛の間の層間剥離(フイルムハガレ)を調べた結果を表
2に示した。
【0161】皮膚刺激の判定は無反応を0とし、わずか
に紅斑となったもの1、明らかな紅斑となったものを
2、丘診等が発生したものを3として10名の判定点の
合計で判定した。
【0162】
【試験例8】試験例の中空糸試料(1)の代りに、単糸
の平均直径35μmからなるポリエステルからなる糸を
用いて作った目付17g/m2 の織物を使って得たプラ
セボ製剤について試験した結果も表2に示した。
【0163】
【表2】
【0164】試験例2、3、4から層間剥離力が大きく
なるとフイルムハガレ(フイルムと布帛の面が剥離し、
フイルムが浮いたり、貼付剤から剥れてめくれたりす
る)が起こることが明らかとなった。これらの貼付剤に
おいても貼付後12時間までは全く問題ないものがほと
んどであり、長時間貼付で問題が大きくなった。またか
かるフイルムハガレは夏場と冬場では明らかに夏場がひ
どかった。
【0165】試験例5に示されるごとく、層間剥離力に
注力して、大きくした場合、本発明の第1の目的であっ
た皮膚カブレの現象という目的に問題が発生した。
【0166】また、試験例6では皮膚カブレは良好とな
ったが経皮吸収性が低くなり、さらに貼付剤が貼付部位
から脱落してハガレが発生した。
【0167】試験例7のようにフイルムを厚くしたり、
単糸の平均直径を太くしたときは皮膚刺激が大きくなっ
た。
【0168】
【試験例9〜12】試験例8で単糸の平均直径の影響が
顕著に出たので、目付17±1g/m2 に制限して通常
のポリエチレンテレフタレートからなる種々の太さの単
糸を使った編物をつくり、試験例1と同じプラセボ貼付
剤をつくり、試験例1の要領でヒト貼付試験を行なっ
た。結果は表3の如くであった。
【0169】但し、本プラセボ貼付剤の試作では加圧速
度は3m/分とした。いずれの貼付剤も層間剥離力は1
0〜40g/mmであり、水分蒸散性は2〜40mg/
日・cm2 であった。
【0170】
【表3】
【0171】
【試験例13】目付17g/m2 の中空糸試料(1)の
代りに、単糸の平均直径が15μmでポリエチレンテレ
フタレートを主体とする目付20g/m2 の不織布を用
いた以外は試験例2の方法でプラセボ製剤を得、試験し
た。
【0172】このプラセボ貼付剤の層間剥離力は6g/
mmであった。この貼付剤の皮膚カブレは5、ハガレは
0であった。編物の場合のハガレが30%であったこと
と比較すると大幅にハガレが減少した。
【0173】
【試験例14】試験例1(実施例1のプラセボ貼付剤)
において、中空糸試料(1)の代りに目付20g/
2 、単糸の平均直径が15μmのポリエチレンテレフ
タレートからなる不織布を用い、さらに粘着剤層aの厚
みを5μmとした以外は、試験例1の方法でプラセボ貼
付剤を得た。この貼付剤のフイルムと布帛の層間剥離力
は4g/mmであった。
【0174】また皮膚カブレは5、ハガレは10%であ
った。ハガレに関してはまだ許容範囲にあった。
【0175】
【実施例2】実施例1で得た粘着剤層a、粘着剤層b、
PETフイルムを用いて積層物cを得た。
【0176】積層物cの自由となっている粘着剤層面
に、単糸の平均直径18μmであり中空でないポリエチ
レンテレフタレートからなる目付17g/m2 の編物か
らなる布帛(布帛2)を圧着し積層物(積層物d2 )を
得た。
【0177】次に、ロール径150mmのエチレン・プ
ロピレンテトラマー(EPT)ゴムからなるロールとロ
ール径150mmのクロムメッキした金属ロールの間で
ニップ加圧するようにしたラミネーターであり、両ロー
ル間の加圧圧力(加圧圧力P)が6kg/cm2 ・Gと
なるようにしたロール間に積層物d2 のPETフイルム
面(フイルムの方向)がEPTゴムロームの方にあり、
積層物d2 の布帛の自由面には、粘着剤層bの粘着面が
圧着できるように通し、積層物d2 と積層物bの積層物
(積層物e2 )を得た。
【0178】このときロール間を通す速度(加圧速度)
は3m/分とした。また、ロール間を通すとき、粘着剤
層bの粘着剤面の他の面側には厚みが75μmのポリエ
チレンテレフタレートからなる離型フイルムをおいて粘
着面が金属ロールに粘着しないようにした。
【0179】かくして、得られた積層物e2 は7.1c
m×7.1cmの大きさに裁断してISDNを1枚当り
40mg含有する狭心症用の貼付剤とした。
【0180】該貼付剤について水分蒸散性を測定したと
ころ平面方向14.0mg/日・cm2 であり、断面方
向は28mg/日であり、製剤全体としての水分蒸散量
は16.2mg/にち・cm2 であった。
【0181】また、得られた貼付剤のフイルムと布帛の
間の層間剥離力は19g/mmであった。
【0182】該貼付剤を直径30mmの円形に裁断し、
平均体重17.7gの除毛したヘアレスラットの背部に
貼付し、所定時間に採血し、血漿中のISDNを測定し
た結果、貼付前0ng/ml、貼付1時間後60mg/
ml、貼付3時間後140ng/ml、貼付8時間後1
28mg/ml、貼付24時間後115ng/mlであ
った。
【0183】
【試験例15】実施例2のプラセボ貼付剤をつくり、試
験例1の要領で試験したところ、皮膚カブレ7、ハガレ
3%、フイルムハガレ10%であった。
【0184】本製剤は試験例1に比較すると皮膚カブレ
が多くなる傾向があったが、許容範囲と判定された。
【0185】試験例15(実施例1)は試験例1(実施
例1)に比較すると製造コストは安くなることが判っ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/70

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外皮に適用する貼付剤であって (イ)水分半透過性で、フイルムの実質的に直交する2
    方向の強度が各々8〜85g/mm、及び実質的に直交
    する2方向の伸度が各々30〜150%であって、該2
    方向の伸度の比が1.0〜5.0(但し、該2方向の伸
    度が同一でない場合には、小さい伸度の方を分母とす
    る)であり、厚みが0.5〜4.9μmのフイルム(a
    層) (ロ)単糸の平均直径が1〜30μmからなり、かつ、
    目付が8〜100g/m 2 の布帛(b層) (ハ)薬物を含有した厚みが5〜100μmの粘着剤層
    (c層)とを必須成分とし、貼付剤の上からa層、b
    層、c層の順に積層されており、且つ、以下の(1)及
    び(2)の特性を満足する貼付剤。 (1)a層とb層の層間剥離力が b層の布帛が編物からなるときには10〜40g/m
    mであり b層の布帛が不織布又は織物からなるときは3〜30
    g/mmである。 (2)貼付剤からの水分蒸散性が2〜40mg/日・c
    2 である。
  2. 【請求項2】 フイルムがポリエステルフイルムである
    請求項1記載の貼付剤。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフイルムが (1)平均粒子径が0.001〜3.0μmで (2)該平均粒子径が実質的に該ポリエステルフイルム
    の厚みの1.5倍を越えない固形微粒子を該ポリエステ
    ルフイルムの全量に対して0.01〜1.0重量%含有
    するフイルムである請求項2記載の貼付剤。
  4. 【請求項4】 布帛が編物であって、その縦横方向のル
    ープの数の和が15〜37ケ/cmである組織を有する
    編物である請求項1記載の貼付剤。
  5. 【請求項5】 布帛が不織布又は織物であって、その目
    付が8〜30g/m 2 である請求項1記載の貼付剤。
  6. 【請求項6】 単糸の平均直径が5〜25μmである請
    求項1記載の貼付剤。
  7. 【請求項7】 布帛を構成する繊維の大部分が外周方向
    に貫通した孔を有する中空繊維ではない請求項1記載の
    貼付剤。
  8. 【請求項8】 粘着剤層を構成する粘着剤の大部分がゴ
    ム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びアクリル系粘着
    剤から選ばれるものである請求項1記載の貼付剤。
  9. 【請求項9】 粘着剤層が2つ以上の層となっており、
    それぞれの粘着剤層は同一又は異なる粘着剤から構成さ
    れている請求項1記載の貼付剤。
  10. 【請求項10】 薬物が冠血管作用薬、ホルモン剤、鎮
    痛剤、抗アレルギー薬から選ばれた少なくとも1種の薬
    物である請求項1記載の貼付剤。
JP6013693A 1993-03-19 1993-03-19 安定な貼付剤 Expired - Fee Related JP2886021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6013693A JP2886021B2 (ja) 1993-03-19 1993-03-19 安定な貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6013693A JP2886021B2 (ja) 1993-03-19 1993-03-19 安定な貼付剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06271462A JPH06271462A (ja) 1994-09-27
JP2886021B2 true JP2886021B2 (ja) 1999-04-26

Family

ID=13133429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6013693A Expired - Fee Related JP2886021B2 (ja) 1993-03-19 1993-03-19 安定な貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2886021B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7501358B2 (en) 2005-04-13 2009-03-10 Nitto Denko Corporation Adhesive preparation

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003297073A1 (en) * 2002-12-13 2004-07-09 Euro-Celtique S.A. Transdermal buprenorphine dosage regimen for analgesia
KR20120091339A (ko) 2009-11-09 2012-08-17 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 비혼화성 물질을 사용한 의료 용품 및 제조 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7501358B2 (en) 2005-04-13 2009-03-10 Nitto Denko Corporation Adhesive preparation

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06271462A (ja) 1994-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1991016044A1 (fr) Emplatre
KR930001804B1 (ko) 첩부제 및 그의 제조방법
WO1987004343A1 (en) Sustained-release preparation
US5662925A (en) Transdermal delivery system with adhesive overlay and peel seal disc
EP2172194B1 (en) Transdermal drug delivery system for liquid active ingredient
WO1987000046A1 (en) Sustained releasing patch
JP5591685B2 (ja) 経皮吸収製剤
WO2003037393A1 (fr) Emplatre a support lamine
AU2009300184A1 (en) Transdermal extended-delivery donepezil compositions and methods for using the same
EP1450773B1 (de) Transdermales therapeutisches system mit verbessertem langzeittragekomfort
TW577750B (en) Patch containing isosorbide dinitrate
US4788064A (en) Transdermal delivery system
JP2837337B2 (ja) 貼付剤
JP2886021B2 (ja) 安定な貼付剤
WO2013047410A1 (ja) 持続型アルツハイマー病治療用貼付剤及びその製造方法
CN106361728B (zh) 经皮吸收制剂及制备经皮吸收制剂的方法
JP2886020B2 (ja) 皮膚刺激の少ない貼付剤
JP2505674B2 (ja) 貼付剤
JPH0825871B2 (ja) 貼付剤及びその製造法
JPH0525039A (ja) ビンポセチン類含有貼付剤
CA2150033A1 (en) Transdermal administration system containing acetylsalicylic acid for antithrombotic therapy and the prevention of cancer
JPH0477419A (ja) 貼付用の製剤
JPH0474118A (ja) 貼付剤
JPH0427211B2 (ja)
WO2018133010A1 (zh) 经皮吸收制剂及制备经皮吸收制剂的方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080212

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100212

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110212

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120212

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120212

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees