JP2880236B2 - ダンシル修飾シクロデキストリン - Google Patents
ダンシル修飾シクロデキストリンInfo
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- JP2880236B2 JP2880236B2 JP7106390A JP7106390A JP2880236B2 JP 2880236 B2 JP2880236 B2 JP 2880236B2 JP 7106390 A JP7106390 A JP 7106390A JP 7106390 A JP7106390 A JP 7106390A JP 2880236 B2 JP2880236 B2 JP 2880236B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はダンシル修飾シクロデキストリンに関する。
[従来の技術] 従来、有機化合物の物理化学的検出方法として、紫外
可視分光法、蛍光法、電気化学法などが用いられている
が、いずれも検出対象となる化学物自体が分光学的ある
いは電気化学的な活性を有する必要があった。
可視分光法、蛍光法、電気化学法などが用いられている
が、いずれも検出対象となる化学物自体が分光学的ある
いは電気化学的な活性を有する必要があった。
一方、シクロデキストリン(以下、CDと称することが
ある)は、ドーナツ形の立体構造を有し、その中心空孔
内に様々なゲスト化合物を取り込んで包接化合物を形成
することが知られている。その用途も、食品、医薬品、
農薬、化粧品、トイレタリー用品、プラスチック製品な
ど広範囲にまたがっている。
ある)は、ドーナツ形の立体構造を有し、その中心空孔
内に様々なゲスト化合物を取り込んで包接化合物を形成
することが知られている。その用途も、食品、医薬品、
農薬、化粧品、トイレタリー用品、プラスチック製品な
ど広範囲にまたがっている。
しかし、CDはそれ自体が分光学的に不活性であり、更
にゲスト化合物を取り込んで包接化合物を形成しても光
学的吸収や蛍光発生などの点で変化を示さず、化合物検
出に適用できるものではなかった。
にゲスト化合物を取り込んで包接化合物を形成しても光
学的吸収や蛍光発生などの点で変化を示さず、化合物検
出に適用できるものではなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は種々検討の結果、本来的には光学的吸収や
蛍光性を示さないCDを化学的に修飾することにより、CD
に蛍光活性を付与すると共に、ゲスト化合物の共存下で
蛍光強度が変化する性質を付与することができることを
見いだした。従って、本発明の目的は、ゲスト化合物の
存在、形状や大きさを認識することができるセンサ化合
物として利用可能な新規の蛍光性シクロデキストリンを
提供することにある。
蛍光性を示さないCDを化学的に修飾することにより、CD
に蛍光活性を付与すると共に、ゲスト化合物の共存下で
蛍光強度が変化する性質を付与することができることを
見いだした。従って、本発明の目的は、ゲスト化合物の
存在、形状や大きさを認識することができるセンサ化合
物として利用可能な新規の蛍光性シクロデキストリンを
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的は、本発明により、 一般式(I) (式中、nは5〜8の整数であり、mは0または1であ
り、そしてRは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル
基、または置換された炭素数1〜4の低級アルキル基で
ある) で表される化合物(以下、ダンシル修飾CDと称すること
がある)によって達成することができる。
り、そしてRは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル
基、または置換された炭素数1〜4の低級アルキル基で
ある) で表される化合物(以下、ダンシル修飾CDと称すること
がある)によって達成することができる。
前記の一般式(I)において、nは好ましくは6〜7
であり、mは好ましくは1である。
であり、mは好ましくは1である。
基Rの低級アルキル基は、例えば、メチル基、エチル
基、i−プロピル基、またはi−若しくはs−ブチル基
である。置換された低級アルキル基R上の置換基は、例
えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルバモイル基、
アミノ基、ジアミノメチルアミノ基、メルカプト基、メ
チルチオ基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、イン
ドール基、またはイミダゾール基である。従って、置換
された低級アルキル基Rは、例えば、ヒドロキシメチル
基、ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基、カルボ
キシエチル基、カルバモイルメチル基、カルバモイルエ
チル基、アミノブチル基、ジアミノメチルアミノプロピ
ル基、メルカプトメチル基、メチルチオエチル基、フェ
ニルメチル基、ヒドロキシフェニルメチル基、インドー
ルメチル基、またはイミダゾールメチル基である。好ま
しい基Rは、水素原子である。
基、i−プロピル基、またはi−若しくはs−ブチル基
である。置換された低級アルキル基R上の置換基は、例
えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルバモイル基、
アミノ基、ジアミノメチルアミノ基、メルカプト基、メ
チルチオ基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、イン
ドール基、またはイミダゾール基である。従って、置換
された低級アルキル基Rは、例えば、ヒドロキシメチル
基、ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基、カルボ
キシエチル基、カルバモイルメチル基、カルバモイルエ
チル基、アミノブチル基、ジアミノメチルアミノプロピ
ル基、メルカプトメチル基、メチルチオエチル基、フェ
ニルメチル基、ヒドロキシフェニルメチル基、インドー
ルメチル基、またはイミダゾールメチル基である。好ま
しい基Rは、水素原子である。
本発明のダンシル修飾CDは、例えば、CDとダンシルア
ミノ酸またはダンシルとから調製することができる。CD
は、グルコース単位がα−1,4−結合でn+1個結合し
た環状オリゴ糖である。このCDをダンシルアミノ酸また
はダンシルで修飾するには、まずCDの6−位ヒドロキシ
基の1個をアミノ基で置換し、続いてそのアミノ基とダ
ンシルアミノ酸のカルボキシル基またはダンシルの反応
性誘導体とを結合させればよい。
ミノ酸またはダンシルとから調製することができる。CD
は、グルコース単位がα−1,4−結合でn+1個結合し
た環状オリゴ糖である。このCDをダンシルアミノ酸また
はダンシルで修飾するには、まずCDの6−位ヒドロキシ
基の1個をアミノ基で置換し、続いてそのアミノ基とダ
ンシルアミノ酸のカルボキシル基またはダンシルの反応
性誘導体とを結合させればよい。
CDの6−位ヒドロキシ基のアミノ化は、例えば、塩基
性有機溶媒(例えば、ピリジン)中で、CDを適当なスル
ホニル化剤(例えば、p−トルエンスルホニルクロライ
ド、2−ナフタレンスルホニルクロライド)でスルホニ
ル化してからアジ化(例えば、アジ化ナトリウムで)
し、そして還元触媒(例えば、活性炭上のパラジウム)
の存在下で還元すればよい。
性有機溶媒(例えば、ピリジン)中で、CDを適当なスル
ホニル化剤(例えば、p−トルエンスルホニルクロライ
ド、2−ナフタレンスルホニルクロライド)でスルホニ
ル化してからアジ化(例えば、アジ化ナトリウムで)
し、そして還元触媒(例えば、活性炭上のパラジウム)
の存在下で還元すればよい。
CDに導入されたアミノ基とダンシルアミノ酸のカルボ
キシル基との反応は、非プロトン性溶媒(例えば、ジメ
チルホルムアミド、またはジメチルスルホキシド)中
で、低温(例えば、0℃〜−20℃)条件下で実施するの
が好ましい。また、アミノ化CDとダンシル反応性誘導体
(例えば、ハロゲン化ダンシル、特にダンシルクロリ
ド)との反応は、例えば、アミノ化CDの炭酸水素ナトリ
ウム水溶液にダンシルクロリドのジメチルホルムアミド
溶液を加えることによって行うことができる。
キシル基との反応は、非プロトン性溶媒(例えば、ジメ
チルホルムアミド、またはジメチルスルホキシド)中
で、低温(例えば、0℃〜−20℃)条件下で実施するの
が好ましい。また、アミノ化CDとダンシル反応性誘導体
(例えば、ハロゲン化ダンシル、特にダンシルクロリ
ド)との反応は、例えば、アミノ化CDの炭酸水素ナトリ
ウム水溶液にダンシルクロリドのジメチルホルムアミド
溶液を加えることによって行うことができる。
本発明のダンシル修飾CDは、例えば、水単独または水
と少量(5〜15%)の有機溶媒、例えばグリコール類
(例えば、エチレングリコール)、非プロトン性極性溶
媒(例えばジメチルスルホキシド)との混合液中で、53
5〜540nmにピークを有する蛍光を示す。この系中にゲス
ト化合物が共存すると、このピーク強度が変化、即ち、
低下または増加する。このピーク強度の変化は、ゲスト
化合物の濃度、形状または大きさなどに依存する。
と少量(5〜15%)の有機溶媒、例えばグリコール類
(例えば、エチレングリコール)、非プロトン性極性溶
媒(例えばジメチルスルホキシド)との混合液中で、53
5〜540nmにピークを有する蛍光を示す。この系中にゲス
ト化合物が共存すると、このピーク強度が変化、即ち、
低下または増加する。このピーク強度の変化は、ゲスト
化合物の濃度、形状または大きさなどに依存する。
本発明のダンシル修飾CDは、CDが本来取り込むことの
できる任意の化合物をゲスト化合物として取り込み、包
接化合物を形成することができる。本発明のダンシル修
飾CDにおけるゲスト化合物は、光学的に不活性な化合物
であることが好ましい。このようなゲスト化合物として
は、ステロイド、特には分子量約270〜約720のステロイ
ド、例えば天然ステロイド、例えばステリン、ビタミン
D、胆汁酸、男性ホルモン、女性ホルモン、副ジン皮質
ホルモン、植物毒、ガマ毒、ステロイドアルカロイド、
トリメチルステロイドまたは合成ステロイド;テルペ
ン、特には分子量136〜156のモノテルペン、例えば、各
種のテルペン炭化水素、アルコール、アルデヒドまたは
ケトン;アルカロイド、特には分子量約320〜約420のア
ルカロイド、例えば、キニーネ、パパペリンまたはヨヒ
ンピン;またはアミノ酸、特には分子量約110〜約210の
アミノ酸、例えば、トリプトファン、フェニルアラニ
ン、チロシン、ロイシンまたはバリンを挙げることがで
きる。
できる任意の化合物をゲスト化合物として取り込み、包
接化合物を形成することができる。本発明のダンシル修
飾CDにおけるゲスト化合物は、光学的に不活性な化合物
であることが好ましい。このようなゲスト化合物として
は、ステロイド、特には分子量約270〜約720のステロイ
ド、例えば天然ステロイド、例えばステリン、ビタミン
D、胆汁酸、男性ホルモン、女性ホルモン、副ジン皮質
ホルモン、植物毒、ガマ毒、ステロイドアルカロイド、
トリメチルステロイドまたは合成ステロイド;テルペ
ン、特には分子量136〜156のモノテルペン、例えば、各
種のテルペン炭化水素、アルコール、アルデヒドまたは
ケトン;アルカロイド、特には分子量約320〜約420のア
ルカロイド、例えば、キニーネ、パパペリンまたはヨヒ
ンピン;またはアミノ酸、特には分子量約110〜約210の
アミノ酸、例えば、トリプトファン、フェニルアラニ
ン、チロシン、ロイシンまたはバリンを挙げることがで
きる。
本発明のダンシル修飾CDを用いて、光学的に不活性な
ゲスト化合物の分析、即ち、検出および定量を行うこと
ができる。分析を実施するには、本発明のダンシル修飾
CDを1×10-9〜1×10-4M(好ましくは1×10-7〜1×1
0-5M)の濃度で含む水溶液または水性有機溶媒に、被検
試料を挿入する。ダンシル修飾CDの濃度が1×10-9Mよ
りも低いと蛍光強度変化の測定が困難であり、1×10-4
Mを越えると、ダンシル修飾CDの会合が起きるので好ま
しくない。水性有機溶媒に用いる有機溶媒としては、非
プロトン溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド)、メチルアルコールまたはエチ
レングリコールなどを挙げることができる。有機溶媒
は、水中に50容量%以下、好ましくは30容量%以下の量
で存在させることができる。有機溶媒の比率が50容量%
を越えると、ゲスト化合物の共存による蛍光のピーク強
度の変化が起こりにくくなるので好ましくない。
ゲスト化合物の分析、即ち、検出および定量を行うこと
ができる。分析を実施するには、本発明のダンシル修飾
CDを1×10-9〜1×10-4M(好ましくは1×10-7〜1×1
0-5M)の濃度で含む水溶液または水性有機溶媒に、被検
試料を挿入する。ダンシル修飾CDの濃度が1×10-9Mよ
りも低いと蛍光強度変化の測定が困難であり、1×10-4
Mを越えると、ダンシル修飾CDの会合が起きるので好ま
しくない。水性有機溶媒に用いる有機溶媒としては、非
プロトン溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド)、メチルアルコールまたはエチ
レングリコールなどを挙げることができる。有機溶媒
は、水中に50容量%以下、好ましくは30容量%以下の量
で存在させることができる。有機溶媒の比率が50容量%
を越えると、ゲスト化合物の共存による蛍光のピーク強
度の変化が起こりにくくなるので好ましくない。
ダンシル修飾CD含有液と試料との接触は約60℃以下
(好ましくは5〜40℃)で、撹拌しながら数秒から数分
間行う。両者の接触温度が60℃を越えると、ゲスト化合
物の共存による蛍光のピーク強度の変化が起こりにくく
なるので好ましくない。両者の接触pHは、3〜11好まし
くは5〜11である。pHが3より低いとダンシル修飾CDが
分解するので好ましくなく、11を越えるとCD部位で二級
水酸基の解離が起きるので好ましくない。pHの調整に
は、塩酸または水酸化ナトリウムを用いることができ
る。
(好ましくは5〜40℃)で、撹拌しながら数秒から数分
間行う。両者の接触温度が60℃を越えると、ゲスト化合
物の共存による蛍光のピーク強度の変化が起こりにくく
なるので好ましくない。両者の接触pHは、3〜11好まし
くは5〜11である。pHが3より低いとダンシル修飾CDが
分解するので好ましくなく、11を越えるとCD部位で二級
水酸基の解離が起きるので好ましくない。pHの調整に
は、塩酸または水酸化ナトリウムを用いることができ
る。
蛍光強度の測定は、励起波長350〜380nmで、510〜560
nmにおけるピーク強度の変化を観察することによって行
う。
nmにおけるピーク強度の変化を観察することによって行
う。
[作用] 次に、本発明のダンシル修飾CDによって、共存するゲ
スト化合物の形状や大きさなどを分析することができる
理由を説明するが、この理由は現段階では推論であり、
本発明はこの理由によって限定されるものではない。
スト化合物の形状や大きさなどを分析することができる
理由を説明するが、この理由は現段階では推論であり、
本発明はこの理由によって限定されるものではない。
一般に、ダンシル誘導体は水溶液中では弱い蛍光しか
示さないが、酵素やミセルの疎水的環境では強い蛍光を
示す。この事実は、本発明のダンシル修飾CDにおいて、
ダンシル単位がCDの中心空孔内の疎水的環境にある場合
には、ダンシル単位がCD中心空孔外の親水的環境にある
場合と比較して、強い蛍光を発することを示唆するもの
である。
示さないが、酵素やミセルの疎水的環境では強い蛍光を
示す。この事実は、本発明のダンシル修飾CDにおいて、
ダンシル単位がCDの中心空孔内の疎水的環境にある場合
には、ダンシル単位がCD中心空孔外の親水的環境にある
場合と比較して、強い蛍光を発することを示唆するもの
である。
即ち、本発明のダンシル修飾CD上のダンシル残基は、
ゲスト化合物の不在下で疎水的中心空孔内に存在する。
一方、ゲスト化合物が共存すると、そのゲスト化合物を
包接する際に、ダンシル残基が疎水的中心空孔内から空
孔外の親水的環境へ移動する。このダンシル残基が接す
る環境変化に伴って、蛍光強度の大きな低下が起きるも
のと思われる。
ゲスト化合物の不在下で疎水的中心空孔内に存在する。
一方、ゲスト化合物が共存すると、そのゲスト化合物を
包接する際に、ダンシル残基が疎水的中心空孔内から空
孔外の親水的環境へ移動する。このダンシル残基が接す
る環境変化に伴って、蛍光強度の大きな低下が起きるも
のと思われる。
また、ゲスト化合物の中には、それが本発明のダンシ
ル修飾CDに包接される際に、蛍光強度を増加させるもの
がある。これは、CDの中心空孔の広さがゲスト化合物と
比較して大きい場合に、ダンシル残基がゲスト化合物に
伴われて中心空孔内に一層密接に取り込まれることによ
るものと思われる。
ル修飾CDに包接される際に、蛍光強度を増加させるもの
がある。これは、CDの中心空孔の広さがゲスト化合物と
比較して大きい場合に、ダンシル残基がゲスト化合物に
伴われて中心空孔内に一層密接に取り込まれることによ
るものと思われる。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
例1:ダンシルグリシン修飾β−CDの調製 N,N−ジメチルホルムアミド60mlとダンシルグリシン1
gとの混合物を約−10℃に冷却し、その混合物にジシク
ロヘキシルカルボジイミド0.75gを添加し、30分間撹拌
した。次に、6−デオキシ−6−アミノ−β−シクロデ
キストリン1.1gを加え、更に30分間撹拌した。反応液を
室温に戻し、一晩撹拌を続けた。続いて、反応液を濃縮
し、多量のアセトンを加え、得られた沈殿を別した。
沈殿物をアセトンで洗浄してから水を加え、水不溶分を
除き、水可溶分を集めた。この水可溶分を濃縮し、アセ
トンで再び沈殿させ、乾燥してから、更にメチルアルコ
ールで洗浄してメチルアルコール可溶分を除いた。メチ
ルアルコール不溶分を少量の水に溶解し、CM−セファデ
ックスカラム(2.5×40cm)に通した。最初に不純物が
溶出し、その後で目的生成物が溶出した。これを集めて
濃縮し、アセトンで再び沈殿し、目的の標記生成物110m
gを得た。目的生成物の理化学的性質は以下のとおりで
ある。
gとの混合物を約−10℃に冷却し、その混合物にジシク
ロヘキシルカルボジイミド0.75gを添加し、30分間撹拌
した。次に、6−デオキシ−6−アミノ−β−シクロデ
キストリン1.1gを加え、更に30分間撹拌した。反応液を
室温に戻し、一晩撹拌を続けた。続いて、反応液を濃縮
し、多量のアセトンを加え、得られた沈殿を別した。
沈殿物をアセトンで洗浄してから水を加え、水不溶分を
除き、水可溶分を集めた。この水可溶分を濃縮し、アセ
トンで再び沈殿させ、乾燥してから、更にメチルアルコ
ールで洗浄してメチルアルコール可溶分を除いた。メチ
ルアルコール不溶分を少量の水に溶解し、CM−セファデ
ックスカラム(2.5×40cm)に通した。最初に不純物が
溶出し、その後で目的生成物が溶出した。これを集めて
濃縮し、アセトンで再び沈殿し、目的の標記生成物110m
gを得た。目的生成物の理化学的性質は以下のとおりで
ある。
Rf=0.05(n−ブタノール/エタノール/水=5:4:3) IRスペクトル(KBr):3350,2930,1705,1665,1575,1550,
1413,1365,1330,1232,1155,1080,1030,945,850,795,75
5,705,578(cm-1) NMR(ジメチルスルホキシド−d6)δ: 2.84(6H,s,NMe2), 3.2ー3.75(44H,br,CH2およびCDxH),4.5(6H,m,O
6H),4.85(7H,s,C1H),5.65ー5.9(14H,br,O2HおよびO
3H),7.26(1H,d,ArH),7.60(2H,br,ArH),8.28(1H,
d,ArH),8.45(1H,d,ArH) 元素分析: 理論値(C56H87O38N3S・H2O) C:46.63%、H:6.08%、 N:2.91%、S:2.22% 実測値: C:46.47%、H:6.25%、 N:2.23%、S:1.93% MS(FAB):1424([M+H]+) 例2:ダンシルグリシン修飾γ−CDの調製 N,N−ジメチルホルムアミド45mlとダンシルグリシン
0.56gとの混合物を−6℃に冷却し、その混合物にジシ
クロヘキシルカルボジイミド0.42gを添加し、30分間撹
拌した。次に、6−デオキシ−6−アミノ−γ−シクロ
デキストリン0.70gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに
溶解した溶液を加え、更に30分間反応させた。反応液を
室温に戻して48時間撹拌を続けた。減圧下でN,N−ジメ
チルホルムアミドを除き、反応液に水を加え、クロロホ
ルムで抽出した。クロロホルム可溶分を除き、水相を濃
縮し、濃縮液に多量のアセトンを加え、得られた沈殿を
別した。沈殿物をアセトンで洗浄し、乾燥してから少
量の水に溶解し、CM−セファデックスC−50カラム(4
×25cm)で精製した。このカラムでは、最初に不純物が
溶出し、その後で目的生成物が溶出した。目的生成物を
含む画分を集めて濃縮し、アセトンで再び沈殿させ、得
られた沈殿物を取し、乾燥させた。こうして目的の標
記生成物191.5mgを得た。目的生成物の理化学的性質は
以下のとおりである。
1413,1365,1330,1232,1155,1080,1030,945,850,795,75
5,705,578(cm-1) NMR(ジメチルスルホキシド−d6)δ: 2.84(6H,s,NMe2), 3.2ー3.75(44H,br,CH2およびCDxH),4.5(6H,m,O
6H),4.85(7H,s,C1H),5.65ー5.9(14H,br,O2HおよびO
3H),7.26(1H,d,ArH),7.60(2H,br,ArH),8.28(1H,
d,ArH),8.45(1H,d,ArH) 元素分析: 理論値(C56H87O38N3S・H2O) C:46.63%、H:6.08%、 N:2.91%、S:2.22% 実測値: C:46.47%、H:6.25%、 N:2.23%、S:1.93% MS(FAB):1424([M+H]+) 例2:ダンシルグリシン修飾γ−CDの調製 N,N−ジメチルホルムアミド45mlとダンシルグリシン
0.56gとの混合物を−6℃に冷却し、その混合物にジシ
クロヘキシルカルボジイミド0.42gを添加し、30分間撹
拌した。次に、6−デオキシ−6−アミノ−γ−シクロ
デキストリン0.70gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに
溶解した溶液を加え、更に30分間反応させた。反応液を
室温に戻して48時間撹拌を続けた。減圧下でN,N−ジメ
チルホルムアミドを除き、反応液に水を加え、クロロホ
ルムで抽出した。クロロホルム可溶分を除き、水相を濃
縮し、濃縮液に多量のアセトンを加え、得られた沈殿を
別した。沈殿物をアセトンで洗浄し、乾燥してから少
量の水に溶解し、CM−セファデックスC−50カラム(4
×25cm)で精製した。このカラムでは、最初に不純物が
溶出し、その後で目的生成物が溶出した。目的生成物を
含む画分を集めて濃縮し、アセトンで再び沈殿させ、得
られた沈殿物を取し、乾燥させた。こうして目的の標
記生成物191.5mgを得た。目的生成物の理化学的性質は
以下のとおりである。
Rf=0.39(n−ブタノール/エタノール/水=5:4:3) IRスペクトル(KBr):3350,2930,1670,1572,1550,1412,
1330,1240,1155,1080,1027,940,852,788,758,705,575
(cm-1) NMR(ジメチルスルホキシド−d6:D2O=4:1)δ: 3.25(6H,s,NMe2), 3.4ー4.2(50H,br,CH2およびCDxのC2H〜C6H),4.4ー
4.5(23H,br,O2H,O3H,O6H),5.2ー5.35(8H,br,C1H),
7.65(1H,d,ArH),7.98(2H,q,ArH),8.45(1H,d,Ar
H),8.62(1H,d,ArH),8.86(1H,d,ArH) 元素分析: 理論値(C62H95N3S) C:46.94%、H:6.04%、 N:2.65%、S:2.02% 実測値: C:46.86%、H:6.10%、 N:2.60%、S:2.35% MS(FAB):1586([M+H]+) 例3 2.21×10-6Mのダンシルグリシン修飾β−CD(前記例
1で調製した化合物)の10%ジメチルスルホキシド水溶
液2.5mlを蛍光セルに取り、励起波長370nmに設定して、
535nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、ゲスト化
合物のジメチルスルホキシド溶液を添加した。このジメ
チルスルホキシド溶液の添加量は、全体量の1%以内と
した。ゲスト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を
用いた。ここで、ゲスト化合物無添加での蛍光強度を
I0、添加後の蛍光強度をI、添加前後の蛍光強度差をΔ
I(=I0−I)とする。結果を第1表に示す。
1330,1240,1155,1080,1027,940,852,788,758,705,575
(cm-1) NMR(ジメチルスルホキシド−d6:D2O=4:1)δ: 3.25(6H,s,NMe2), 3.4ー4.2(50H,br,CH2およびCDxのC2H〜C6H),4.4ー
4.5(23H,br,O2H,O3H,O6H),5.2ー5.35(8H,br,C1H),
7.65(1H,d,ArH),7.98(2H,q,ArH),8.45(1H,d,Ar
H),8.62(1H,d,ArH),8.86(1H,d,ArH) 元素分析: 理論値(C62H95N3S) C:46.94%、H:6.04%、 N:2.65%、S:2.02% 実測値: C:46.86%、H:6.10%、 N:2.60%、S:2.35% MS(FAB):1586([M+H]+) 例3 2.21×10-6Mのダンシルグリシン修飾β−CD(前記例
1で調製した化合物)の10%ジメチルスルホキシド水溶
液2.5mlを蛍光セルに取り、励起波長370nmに設定して、
535nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、ゲスト化
合物のジメチルスルホキシド溶液を添加した。このジメ
チルスルホキシド溶液の添加量は、全体量の1%以内と
した。ゲスト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を
用いた。ここで、ゲスト化合物無添加での蛍光強度を
I0、添加後の蛍光強度をI、添加前後の蛍光強度差をΔ
I(=I0−I)とする。結果を第1表に示す。
第1表に示したように、ダンシル修飾β−CDは、ステ
ロイド化合物の内、ウルソデオキシコール酸、ケノデオ
キシコール酸に対し、それぞれ63.3%および41.9%の高
い感度を示した。これに対し、ケトステロイドであるコ
ルチコステロン、コルチゾン、ヒドロコルチゾンおよび
プレドニゾロンに対しては、3%以下の蛍光強度しか示
さない。リトコール酸は水溶性が乏しく、この濃度では
溶解が困難であったので、0.01mMで測定した。リトコー
ル酸は、この希釈濃度においても14.8%の蛍光変化を示
し、本発明のダンシル修飾β−CDでよく検知されるゲス
ト化合物であることが判明した。ステロイド以外のゲス
ト化合物は感度が低いので、1mMの濃度で測定した。そ
の中で、l−ボルネオールが45.1%の蛍光変化を示し、
最も感度が高かったが、その他の化合物は0.1mMのウル
ソデオキシコール酸が示す蛍光変化の程度よりも低かっ
た。
ロイド化合物の内、ウルソデオキシコール酸、ケノデオ
キシコール酸に対し、それぞれ63.3%および41.9%の高
い感度を示した。これに対し、ケトステロイドであるコ
ルチコステロン、コルチゾン、ヒドロコルチゾンおよび
プレドニゾロンに対しては、3%以下の蛍光強度しか示
さない。リトコール酸は水溶性が乏しく、この濃度では
溶解が困難であったので、0.01mMで測定した。リトコー
ル酸は、この希釈濃度においても14.8%の蛍光変化を示
し、本発明のダンシル修飾β−CDでよく検知されるゲス
ト化合物であることが判明した。ステロイド以外のゲス
ト化合物は感度が低いので、1mMの濃度で測定した。そ
の中で、l−ボルネオールが45.1%の蛍光変化を示し、
最も感度が高かったが、その他の化合物は0.1mMのウル
ソデオキシコール酸が示す蛍光変化の程度よりも低かっ
た。
例4 2.66×10-6Mのダンシルグリシン修飾γ−CD(前記例
2で調製した化合物)の10%ジメチルスルホキシド水溶
液2.5mlを蛍光セルに取り、励起波長370nmに設定して、
540nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、ゲスト化
合物のジメチルスルホキシド溶液を添加し、同様に蛍光
強度を測定した。その他の操作や感度の評価は、前記の
例3と同様に行った。結果を第2表に示す。
2で調製した化合物)の10%ジメチルスルホキシド水溶
液2.5mlを蛍光セルに取り、励起波長370nmに設定して、
540nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、ゲスト化
合物のジメチルスルホキシド溶液を添加し、同様に蛍光
強度を測定した。その他の操作や感度の評価は、前記の
例3と同様に行った。結果を第2表に示す。
第2表に示したように、ダンシル修飾γ−CDは、ステ
ロイド化合物、特にウルソデオキシコール酸、ケノデオ
キシコール酸に対し、それぞれ20.5%および14.8%とい
う比較的高い感度を示した。その他のステロイド化合物
およびステロイド以外のゲスト化合物に対しては、本例
(例4)のダンシル修飾γ−CDの方が、前記例3のダン
シル修飾β−CDよりも感度が低いことがわかった。例え
ば、l−ボルネオールは、ダンシル修飾β−CDでは45.1
%の蛍光変化を示すのに対し、ダンシル修飾γ−CDでは
5.6%の蛍光変化しか示さなかった。但し、リトコール
酸に対しては、ダンシル修飾γ−CDの方が、ダンシル修
飾β−CDよりも、高い感度を示した。また、いくつかの
化合物について感度がゼロあるいはゼロに近い値であっ
たが、この事実は、ダンシル修飾γ−CDの分子認識特性
が大きいことを示している。即ち、感度の低い化合物が
かなりな程度混在していても、ウルソデオキシコール酸
やケノデオキシコール酸が選択的に検知される。
ロイド化合物、特にウルソデオキシコール酸、ケノデオ
キシコール酸に対し、それぞれ20.5%および14.8%とい
う比較的高い感度を示した。その他のステロイド化合物
およびステロイド以外のゲスト化合物に対しては、本例
(例4)のダンシル修飾γ−CDの方が、前記例3のダン
シル修飾β−CDよりも感度が低いことがわかった。例え
ば、l−ボルネオールは、ダンシル修飾β−CDでは45.1
%の蛍光変化を示すのに対し、ダンシル修飾γ−CDでは
5.6%の蛍光変化しか示さなかった。但し、リトコール
酸に対しては、ダンシル修飾γ−CDの方が、ダンシル修
飾β−CDよりも、高い感度を示した。また、いくつかの
化合物について感度がゼロあるいはゼロに近い値であっ
たが、この事実は、ダンシル修飾γ−CDの分子認識特性
が大きいことを示している。即ち、感度の低い化合物が
かなりな程度混在していても、ウルソデオキシコール酸
やケノデオキシコール酸が選択的に検知される。
例5 2.25×10-6Mのダンシルグリシン修飾β−CD(前記例
1で調製した化合物)の水溶液2.5mlを蛍光セルに取
り、以下の第3表に示す励起波長(nm)に設定して、53
5nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、ゲスト化合
物のジメチルスルホキシド溶液を0.1ミリモルの量とな
るように添加した。ゲスト化合物に対する感度の評価に
は、ΔI/I0を用いた。結果を第3表に示す。
1で調製した化合物)の水溶液2.5mlを蛍光セルに取
り、以下の第3表に示す励起波長(nm)に設定して、53
5nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、ゲスト化合
物のジメチルスルホキシド溶液を0.1ミリモルの量とな
るように添加した。ゲスト化合物に対する感度の評価に
は、ΔI/I0を用いた。結果を第3表に示す。
ストリキニーネ(No.5)はジメシルスルホキシドに対
する溶解度が悪いので、懸濁状態で行った。
する溶解度が悪いので、懸濁状態で行った。
例6 2.12×10-6Mのダンシルグリシン修飾β−CD(前記例
1で調製した化合物)の水溶液(水酸化ナトリウム水溶
液によって、pH=10.25に調整)2.5mlを蛍光セルに取
り、励起波長370nmに設定して、525nmの蛍光のピーク強
度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホキ
シド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。ゲ
スト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用いた。
結果を第4表に示す。
1で調製した化合物)の水溶液(水酸化ナトリウム水溶
液によって、pH=10.25に調整)2.5mlを蛍光セルに取
り、励起波長370nmに設定して、525nmの蛍光のピーク強
度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホキ
シド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。ゲ
スト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用いた。
結果を第4表に示す。
例7 3.49×10-6M(水分子4個を含有するとして計算)の
ダンシルグリシン修飾γ−CD(前記例2で調製した化合
物)の水溶液2.5mlを蛍光セルに取り、以下の第5表に
示す励起波長(nm)に設定して、540nmの蛍光のピーク
強度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホ
キシド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。
ゲスト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用い
た。結果を第5表に示す。
ダンシルグリシン修飾γ−CD(前記例2で調製した化合
物)の水溶液2.5mlを蛍光セルに取り、以下の第5表に
示す励起波長(nm)に設定して、540nmの蛍光のピーク
強度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホ
キシド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。
ゲスト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用い
た。結果を第5表に示す。
例8 3.00×10-6M(水分子4個を含有するとして計算)の
ダンシルグリシン修飾γ−CD(前記例2で調製した化合
物)の水溶液(水酸化ナトリウム水溶液によって、pH=
10.25に調整)2.5mlを蛍光セルに取り、以下の第6表に
示す励起波長(nm)に設定して、535nmの蛍光のピーク
強度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホ
キシド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。
ゲスト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用い
た。結果を第6表に示す。
ダンシルグリシン修飾γ−CD(前記例2で調製した化合
物)の水溶液(水酸化ナトリウム水溶液によって、pH=
10.25に調整)2.5mlを蛍光セルに取り、以下の第6表に
示す励起波長(nm)に設定して、535nmの蛍光のピーク
強度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホ
キシド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。
ゲスト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用い
た。結果を第6表に示す。
第5表および第6表に示すように、ダンシルグリシン
修飾γ−CDはアルカロイドに対して感度ゼロに近い値を
示しており、ウルソデオキシコール酸などの感度の大き
い化合物の検出に際し、これらアルカロイドが混在して
いても測定の支障にはならないことを保証している。
修飾γ−CDはアルカロイドに対して感度ゼロに近い値を
示しており、ウルソデオキシコール酸などの感度の大き
い化合物の検出に際し、これらアルカロイドが混在して
いても測定の支障にはならないことを保証している。
例9 2.35×10-6Mのダンシルグリシン修飾β−CD(前記例
1で調製した化合物)の水溶液2.5mlを蛍光セルに取
り、励起波長370nmに設定して、535nmの蛍光のピーク強
度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホキ
シド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。ゲ
スト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用いた。
結果を第7表に示す。
1で調製した化合物)の水溶液2.5mlを蛍光セルに取
り、励起波長370nmに設定して、535nmの蛍光のピーク強
度を測定した。次に、ゲスト化合物のジメチルスルホキ
シド溶液を0.1ミリモルの量となるように添加した。ゲ
スト化合物に対する感度の評価には、ΔI/I0を用いた。
結果を第7表に示す。
例10 ゲスト化合物としてのl−ボルネオールの濃度を変化
させ、その濃度変化に伴うダンシル修飾β−CDの感度変
化(蛍光スペクトルの変化)を測定した。その他の操作
は、前記例3と同様に実施した。結果を第1図に示す。
第1図の各曲線において、l−ボルネオールの濃度は、
曲線1が0mM、曲線2が0.083mM、曲線3が0.250mM、曲
線4が0.500mM、曲線5が0.832mM、そして曲線6が1.74
0mMである。
させ、その濃度変化に伴うダンシル修飾β−CDの感度変
化(蛍光スペクトルの変化)を測定した。その他の操作
は、前記例3と同様に実施した。結果を第1図に示す。
第1図の各曲線において、l−ボルネオールの濃度は、
曲線1が0mM、曲線2が0.083mM、曲線3が0.250mM、曲
線4が0.500mM、曲線5が0.832mM、そして曲線6が1.74
0mMである。
例11 ダンシルグリシン修飾β−CD(前記例1で調製した化
合物)のジメチルスルホキシド溶液(3.01×10-5M)0.2
5mlに、ジメチルスルホキシドと水とを適量加えて総量
2.5mlの溶液を調製した。この際、ジメチルスルホキシ
ド濃度が異なる水溶液9種類(10容量%毎に10容量%〜
90容量%まで)およびジメチルスルホキシド(100%)
の10種類の溶液とした。これらの溶液に、l−ボルネオ
ールの(0.5M)ジメチルスルホキシド溶液10μ(2m
M)を添加し、蛍光強度の変化を測定した。結果を第2
図に示す。第2図において○はl−ボルネオールを添加
する前でダンシルグリシン修飾β−CDだけを含む場合で
あり、●はl−ボルネオールを添加した後である。
合物)のジメチルスルホキシド溶液(3.01×10-5M)0.2
5mlに、ジメチルスルホキシドと水とを適量加えて総量
2.5mlの溶液を調製した。この際、ジメチルスルホキシ
ド濃度が異なる水溶液9種類(10容量%毎に10容量%〜
90容量%まで)およびジメチルスルホキシド(100%)
の10種類の溶液とした。これらの溶液に、l−ボルネオ
ールの(0.5M)ジメチルスルホキシド溶液10μ(2m
M)を添加し、蛍光強度の変化を測定した。結果を第2
図に示す。第2図において○はl−ボルネオールを添加
する前でダンシルグリシン修飾β−CDだけを含む場合で
あり、●はl−ボルネオールを添加した後である。
例12 2.97×10-6Mのダンシルグリシン修飾β−CD(前記例
1で調製した化合物)の10%ジメチルスルホキシド水溶
液2.5mlを蛍光セルに取り、励起波長370nmに設定して、
535nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、各種濃度
のゲスト化合物(l−ボルネオールまたはシクロヘキサ
ノール)を含むジメチルスルホキシド溶液を添加し、添
加前後の蛍光強度差を測定した。結果を第3図に示す。
第3図においては●はl−ボルネオールであり、○はシ
クロヘキサノールである。
1で調製した化合物)の10%ジメチルスルホキシド水溶
液2.5mlを蛍光セルに取り、励起波長370nmに設定して、
535nmの蛍光のピーク強度を測定した。次に、各種濃度
のゲスト化合物(l−ボルネオールまたはシクロヘキサ
ノール)を含むジメチルスルホキシド溶液を添加し、添
加前後の蛍光強度差を測定した。結果を第3図に示す。
第3図においては●はl−ボルネオールであり、○はシ
クロヘキサノールである。
[発明の効果] 本発明のダンシル修飾CDを用いると、分光学的に不活
性な有機化合物の検出および定量を、単純な蛍光強度変
化によって簡単に実施することができる。この検出およ
び定量には、酵素のような不安定な天然物質を用いる必
要がないので、センサデバイスを作成する場合にも、品
質管理等が容易になる。蛍光を用いる検出法では、光吸
収や電気化学的手法による検出と比較して、高感度を実
現することができるので、ゲスト化合物の希薄溶液にも
適用することができる。更に、本発明のダンシル修飾CD
は、ゲスト化合物の分子形状や大きさに依存した蛍光強
度変化を示すので、ゲスト化合物の分子形状や大きさを
測定ないし推定することができる。また、酵素センサが
特定化合物の検出しかできないのに対し、本発明のダン
シル修飾CDは広範な有機化合物に適用することができ
る。
性な有機化合物の検出および定量を、単純な蛍光強度変
化によって簡単に実施することができる。この検出およ
び定量には、酵素のような不安定な天然物質を用いる必
要がないので、センサデバイスを作成する場合にも、品
質管理等が容易になる。蛍光を用いる検出法では、光吸
収や電気化学的手法による検出と比較して、高感度を実
現することができるので、ゲスト化合物の希薄溶液にも
適用することができる。更に、本発明のダンシル修飾CD
は、ゲスト化合物の分子形状や大きさに依存した蛍光強
度変化を示すので、ゲスト化合物の分子形状や大きさを
測定ないし推定することができる。また、酵素センサが
特定化合物の検出しかできないのに対し、本発明のダン
シル修飾CDは広範な有機化合物に適用することができ
る。
第1図は、ゲスト化合物の濃度変化に伴う、本発明のダ
ンシル修飾β−CDの蛍光スペクトルの変化を示すグラフ
である。 第2図は、本発明のダンシル修飾β−CDの蛍光スペクト
ルの変化に対するジメチルスルホキシド濃度の影響を示
すグラフである。 第3図は、本発明のダンシル修飾β−CDにゲスト化合物
を添加した前後の蛍光強度比を示すグラフである。
ンシル修飾β−CDの蛍光スペクトルの変化を示すグラフ
である。 第2図は、本発明のダンシル修飾β−CDの蛍光スペクト
ルの変化に対するジメチルスルホキシド濃度の影響を示
すグラフである。 第3図は、本発明のダンシル修飾β−CDにゲスト化合物
を添加した前後の蛍光強度比を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(I) (式中、nは5〜8の整数であり、mは0または1であ
り、そしてRは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル
基、または置換された炭素数1〜4の低級アルキル基で
ある) で表される化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7106390A JP2880236B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | ダンシル修飾シクロデキストリン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7106390A JP2880236B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | ダンシル修飾シクロデキストリン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03273003A JPH03273003A (ja) | 1991-12-04 |
JP2880236B2 true JP2880236B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=13449695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7106390A Expired - Fee Related JP2880236B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | ダンシル修飾シクロデキストリン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2880236B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6582583B1 (en) | 1998-11-30 | 2003-06-24 | The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services | Amperometric biomimetic enzyme sensors based on modified cyclodextrin as electrocatalysts |
JP4559568B2 (ja) * | 1999-08-23 | 2010-10-06 | 昭彦 上野 | シクロデキストリン誘導体及びこれを利用した水の汚染度の測定方法 |
JP2005290066A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Nihon Hels Industry Corp | シクロデキストリンポリマーおよびこれを利用した水の汚染度の測定方法 |
CN108997513B (zh) * | 2017-06-07 | 2021-05-25 | 庄宸 | 改性环糊精及其应用 |
-
1990
- 1990-03-20 JP JP7106390A patent/JP2880236B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03273003A (ja) | 1991-12-04 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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