JP2879576B2 - ダイズ退緑斑紋ウイルスス由来dna配列 - Google Patents

ダイズ退緑斑紋ウイルスス由来dna配列

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ダイズ退緑斑紋ウイルスのプロモーター配
列、ウイルスコートタンパク質コード配列及び逆転写酵
素コード配列に関する。
[従来の技術] ダイズ退緑斑紋ウイルス(以下、SoyCMVと言うことが
ある)は、1984年に日本で初めてダイズから分離された
植物ウイルスである。このウイルスは2本鎖DNAを遺伝
情報として持ち、それが1分子の環状DNAであることよ
り、caulimovirusグループに属するウイルスであること
がわかっている。
caulimovirusグループに属するウイルスは、SoyCMVを
含めて現在13種知られているが、その中でDNA塩基配列
が決定されているのは、カリフラワーモザイクウイルス
(以下、CaMVと言うことがある)のいくつかの株と、カ
ーネーション・エッチド・リングウイルス(以下CERVと
言うことがある)及びフィグウォルト・モザイクウイル
ス(以下、FMVと言うことがある)のみである。この3
種のうち、プロモーター領域が確認され、植物ベクター
の遺伝子発現用プロモーターとして利用されているの
は、CaMVの35Sプロモーターと19Sプロモーターのみであ
る。
[発明が解決しようとする問題点] 前述のように、DNA塩基配列が決定されているのは限
られた種のみであるため、caulimovirusグループに属す
るウイルスの遺伝子情報は少ない。このことはDNAウイ
ルスの遺伝子レベルの解析からその植物への感染に対す
る防御策を考える上での大きな壁となっている。従っ
て、新たなcaulimovirusグループに属するウイルスのDN
A塩基配列の解明が望まれている。
また、植物ベクター用プロモーターとして用いられて
いるDNAウイルスのDNA塩基配列はCaMVのプロモーターに
限られており、新たなプロモーターの発見が望まれてい
る。
[問題点を解決するための手段] 本願発明者らは、SoyCMVの全塩基配列を決定すること
に成功し、該配列を種々解析した。その結果、有用なプ
ロモーター配列を同定し、かつ、これを含むDNA配列を
分離することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ダイズ退緑斑紋ウイルスゲノム
の第689塩基から第1066塩基までの配列、すなわち、下
記式[I]で示される配列若しくは該配列に含まれる配
列を有しプロモーター活性を有するDNA、又はこれらの
配列中の1個若しくは数個の塩基が置換され若しくは欠
失し、若しくは1個若しくは数個の塩基が挿入された配
列を有し、かつ、プロモーター活性を有するDNAを提供
する。
さらに、本発明は、上記本発明のDNA配列を含む組換
えプラスミドを提供する。
[発明の効果] 本発明により、ダイズやタバコ等植物細胞内で機能す
るプロモーター配列を含む新規なDNA配列が提供され
た。これらの、プロモーターは、植物細胞内で遺伝情報
の発現を行なわせる能力を有するので、遺伝子工学的手
法による植物細胞内での有用物質の生産や病害抵抗性等
の新形質を付与したダイズ等植物の育種等に利用するこ
とができる。また、本発明により、SoyCMVのコートタン
パク質をコードする領域を含むDNA配列が提供された。
この配列は、後述のように、その少なくとも一部がSoyC
MVゲノム由来のDNAの複製に関与する。また、この配列
をダイズの染色体ゲノムに組み込むことによって、SoyC
MV病抵抗性ダイズを育種することができる。
[発明の具体的説明] SoyCMVの全塩基配列は図1に示されている。また、図
2には、SoyCMVのゲノムの遺伝子地図が、図3にはSoyC
MVのゲノムの制限酵素地図が示されている。図1に示す
ように、SoyCMVのDNAは8175塩基対から成り、また、図
2に示すように、α鎖にG1、β鎖にG2、G3の不連続部位
を持つ。G1部位にはカリフラワーモザイクウイルスCaMV
のG1部位と相同で、tRNAi metの3′末端と相補的な12塩
基の配列がある。また、α鎖には9つのオープンリーデ
ィングフレームが存在する。
図2中、黒ぬりの三角形で示す箇所がプロモーター配
列の存在する箇所である。これは、コンピューターを駆
使してプロモーター配列の指標として知られているTATA
T/AAT/A配列を検索することにより突き止められた。プ
ロモーター部分は、図2に示すように、オープンリーデ
ィングフレーム(以下、ORFと言うことがある)Ia、I
I、III中に1つづつ、ORF V中に3つ、ORF VIIの上流に
1つ存在する。。ORF Ia中に存在するプロモーター部分
を含むDNA配列は、例えばSoyCMVのゲノムをAcc I-Bgl I
Iで消化することにより得ることができる。この場合、
得られる断片は第6721塩基から第60塩基までのヌクレオ
チドから成る。ORF II中に存在するプロモーター部分を
含むDNA配列は、例えばSoyCMVのゲノムをXba I-Xba Iで
消化することにより得ることができる。この場合、得ら
れる断片は第48塩基から第575塩基までのヌクレオチド
から成る。ORF III中に存在するプロモーター部分を含
むDNA配列は、例えばSoyCMVのゲノムをHind III-Xba I
で消化することにより得ることができる。この場合、得
られる断片は第689塩基から第1066塩基までのヌクレオ
チドから成る。ORF V中に存在するプロモーター部分を
含むDNA配列は、例えばSoyCMVのゲノムをHind III-Sca
Iで消化することにより得ることができる。この場合、
得られる断片は第3416塩基から第4439塩基までのヌクレ
オチドから成る。ORF VIIの上流に存在するプロモータ
ー部分を含むDNA配列は、例えばSoyCMVのゲノムをSal I
-Acc IIで消化することにより得ることができる。この
場合、得られる断片は第5460塩基から第6720塩基までの
ヌクレオチドから成る。
本発明のプロモーター配列を含むDNA断片は、これを
適当なベクターに組み込むことによって、ダイズやタバ
コ等、植物中での遺伝情報の発現に利用することができ
る。プロモーター配列を含むDNA配列を、常法に従い、
プロモーター検索用プラスミドベクター、例えばpBI121
(クローンテック社製)のβ−グルクロニダーゼ遺伝子
(GUS)の上流に連結することによってプロモーターを
有するプラスミドベクターを得ることができる。
プロモーター活性は、例えば以下のようにして測定す
ることができる。すなわち、タバコ又はササゲプロトプ
ラストを常法(日比忠明、組織培養3:107-113,1977)に
よって分離し、これに電気的遺伝子導入法によって上記
の新規プロモーターを有するプラスミドベクターを導入
する。プラスミドを導入したプロトプラストは、プロト
プラスト維持用培地で36時間培養した後、細胞抽出物を
とり、蛍光色素を用いたβ−グルクロニダーゼアッセイ
を行なうことによってプロモーター活性測定を行なう
(Jefferson et al.,EMBOJ.6:3901-3907,1987)。
上記ORF III中にはさらに、翻訳エンハンサー領域が
存在する。このエンハンサー領域は、SoyCMVゲノムの第
930塩基から第1066塩基までの配列中、特には第1010塩
基から第1036塩基までの配列中に存在し、TMVのエンハ
ンサーと特に相同性が高い領域はTTGCAAAA、ATACAAAA又
はTTAGAAGAの塩基配列を有する。
コートタンパク質をコードする遺伝子は、図2に示す
ORF IVに存在する。ORF IVによってコードされるアミノ
酸配列が図4に示されている。図4に示すアミノ酸配列
をコードするDNA断片は、SoyCMVゲノムの第1225塩基か
ら第2544塩基までのヌクレオチドから成る。ORF IVを含
むDNA断片は、図3の制限酵素地図からも明らかなよう
に、例えばSoyCMVゲノムを制限酵素Hind III-Hind III
で消化することにより分離することができる。
逆転写酵素をコードする遺伝子は、ORF Vに存在す
る。ORF Vによってコードされるアミノ酸配列をコード
するDNA断片は、SoyCMVゲノムの第2537塩基から第4759
塩基までのヌクレオチドから成り、この断片は、図3の
制限酵素地図から明らかなように、SoyCMVゲノムを制限
酵素Acc I-Sac Iで消化することにより得ることができ
る。
さらに、本発明は、上記本発明のDNA配列を含む組換
えプラスミドを提供する。該組換えプラスミドは特に限
定されないが、大腸菌あるいは酵母中で複製するものが
好ましい。大腸菌あるいは酵母用のプラスミドベクター
は多く知られており、また、市販のものも多く存在する
ので、これらの公知のプラスミドベクターに常法によ
り、上記本発明のDNA配列を組み込むことにより本発明
の組換えプラスミドを得ることができる。本発明の組換
えプラスミドは、これを大腸菌あるいは酵母等の宿主に
形質転換し、宿主を増殖させることにより、本発明のDN
A配列を大量に調製することができ、また、本発明のDNA
配列がコードするコートタンパク質や逆転写酵素を大量
に調製することができる。
本発明の各DNA配列及びそれを含む組換えプラスミド
は例えば、以下のようにして得ることができる。
SoyCMVを機械的に接種したインゲンマメの感染葉によ
りSoyCMVは抽出される。抽出はCaMVで行なわれた方法を
改変した方法で行なうことができる(Iwaki et al,Plan
t Desease 68:1009-1011,1984)。SoyCMVからのDNAの抽
出はCaMVで行なわれた方法(Shepherd,R.J.et al.,Viro
logy 41:339-347,1970)で、プロナーゼの代わりに1%
SDS存在下でプロテイナーゼKを用いて行なうことがで
きる(Hibi et al.,日植病報52:785-792,1986)。
SoyCMVのゲノムDNAは、その塩基配列中に1箇所だけ
存在する制限酵素部位としてSac I切断部位を有するこ
とが本願発明者らによって判明した。また、上記したよ
うに制限酵素地図も作成されている。従って、このよう
な制限酵素部位を利用することによって、本発明のDNA
配列のクローニングを有利に実施することができる。
SoyCMVのDNAのクローニングは、例えば以下のように
行なうことができる。すなわち、上記方法で得られたSo
yCMVゲノムの全DNAを制限酵素Sac Iで消化し、他方、同
様にSac I部位をただ1箇所有するプラスミドベクタ
ー、例えばpUC8(TAKARA社より市販)などをSac Iで消
化する。消化後に得られる両者のDNAを通常のライゲー
ションバッファー中でT4DNAリガーゼの存在下に常法に
より反応させて連結する。得られるプラスミドを用いて
大腸菌を形質転換し、抗生物質耐性のような、プラスミ
ドベクターの選択マーカーに基づいて形質転換体を選出
し、形質転換体から通常の方法、例えばアルカリ抽出法
により目的とするDNA配列を含む組換え体プラスミドを
得ることができる。
[実施例] 以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明す
る。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。なお、特に断りがない限り、各操作は、T.Mani
atisら、“Molecular Cloning.A Laboratory Manual",
(1982),Cold Spring Harborの記載に従って行なっ
た。
(1) SoyCMVゲノムDNAの抽出 SoyCMVゲノムDNAの抽出は、CaMVで行なわれた方法(S
hepherd,R.J.et al.,上掲)で、プロナーゼに代えて1
%SDS存在下でプロテイナーゼKを使用して行なった。
(2) SoyCMVゲノムDNAのクローニング 上記のようにして得られたSoyCMVの全DNAを、制限酵
Sac Iで消化し、他方、Sac IでプラスミドベクターpU
C8を消化した。消化後に得られた両者のDNAをライゲー
ションバッファー中でT4DNAリガーゼの存在下に反応さ
せて連結した。
得られた組換えプラスミドを用いて大腸菌を形質転換
した(塩化カルシウム法)。アンピシリンをマーカーと
して形質転換体を選択し、アルカリ抽出法によってSoyC
MVゲノムDNAを含む組換えプラスミドを得た。
(3) 塩基配列の決定 得られた組換えプラスミドDNAを、Sal I、Eco RV、Pv
u II、Dra I、Acc I、Stu I、Xba I、Bgl II、Rsa I、E
co RI、Hinc II、Taq I及びXho Iの制限酵素で消化し、
クローニングベクターpUC118及びpUC119(共にTAKARA社
製)にサブクローニングを行なった。
600bp以上のインサーションを持つクローンについて
はTAKARA社製のキロシーケンス用デリーションキットを
用い、添付されているマニュアル通りの操作を行ない、
欠損体を作製した。これで大腸菌K-12株MV1190を形質転
換し(塩化カルシウム法)、得られた形質転換株から一
本鎖ファージDNAを調製した。
一本鎖ファージDNAの調製は、TAKARA社製pUC118、pUC
119添付のマニュアル通り行なった。すなわち、形質転
換株を600nmにおける吸光度0.2まで培養し、ヘルパーフ
ァージM13K07をmoi約10で感染させ、選択用薬剤として
アンピシリンを加え、一夜(18時間)培養した。培養液
から菌体を沈殿させ、上清にポリエチレングリコール
(MW.6000)を加え、ファージを遠心により沈殿させ
た。得られたファージ粒子をフェノールにて処理し、一
本鎖DNAをエタノール沈殿で得た。これを用いてM13ジデ
オキシ法で塩基配列を決定した。
(4) オープンリーディングフレームの検索 上記のようにして得られたSoyMCVゲノム中のオープン
リーディングフレームを検索した。この検索は、各フレ
ームごとに読みとり開始コドン、読みとり終止コドンの
存在をコンピューターで確認することにより行なった。
その結果、図2に示すような9つのORFが確認された。
(5) プロモーター部位の検索 (5)−1 プロモーター部分の切り出し 得られた全塩基配列からプロモーター一般に見られる
特徴配列であるTATAT/AAT/A配列を指標としてプロモー
ター部分をコンピューターを用いて検索し、7カ所のプ
ロモーター領域を見出した。その中の一つをHind III-X
ba I(689-1066)で切り出し、CLONTECH社製のpBI221の
CaMVプロモーターを取り除いた部分(Hind III-Xba Iサ
イト)に挿入した。
このプラスミド(pBI241)で大腸菌を形質転換し、ア
ンピシリン耐性をマーカーとして形質転換体を選択し、
形質転換体からアルカリ抽出法により目的とするpBI241
を大量に得た。pBI241はエタノール沈殿後、1mg/mlの濃
度で無菌液に溶解させた。
(5)−2 電気的遺伝子導入法によるタバコプロトプ
ラストへの遺伝子導入 常法(日比忠明、組織培養、上掲)により分離したタ
バコプロトプラストを、100μM塩化マグネシウムを含
む0.5Mのマンニトール溶液に5x105個/mlの濃度になるよ
うに懸濁した。これに10−40μg/mlの濃度になるように
pBI241DNAを加え、さらにキャリアDNAとしてサケ精子DN
Aを50μg/ml加えた。
電気的遺伝子導入装置を用い、800V/cm、10回のパル
スを上記のDNAを加えたタバコプロトプラスト懸濁液に
印加し、DNAをタバコプロトプラストに導入した。導入
後のプロトプラストは2.5x105個/mlになるようにプロト
プラスト維持用培地(日比忠明、組織培養、上掲)に撒
き、36時間培養後、CLONTECH社のマニュアル通りの方法
でアッセイ(蛍光色素を用いたβ−グルクロニダーゼア
ッセイ)を行ない、プロモーター活性の測定を行なっ
た。
その結果、ORF III上のプロモーターを含む断片、Hin
d III-Xba I(689-1066)を挿入したプラスミド(pBI24
1)は、導入されたタバコプロトプラスト内で強いプロ
モーター活性を示し(図6)、その活性の強さはCaMV35
Sプロモーターの活性(pBI221)と同等以上であった。
両者のプロモーター部位の塩基配列を比較してみる
と、CAATやTATA配列の位置はほとんど同じであったが、
エンハンサーシグナルに違いが見られた。すなわち、Ca
MVプロモーター(pBI221)は、真核生物に特徴的な転写
エンハンサーシグナル(transcriptional enhancer sig
nal)がCAAT上流に見られたが、SoyCMVプロモーター(p
BI241)にはそのようなエンハンサーシグナルはみられ
なかった。一方、SoyCMVには、タバコモザイクウイルス
(TMV)及びアルファルファモザイクウイルス(AlMV)
のリーダー配列上にあると報告されている(Gallieet a
l.,Nucleic Acid Res.,15:3257-3273,1987;Jobling et
al.,Nature 325:622-625,1987)翻訳エンハンサーシグ
ナル(translational enhancer signal)とRNAレベルで
部分的に相同な部位が3カ所存在することがわかった。
これらはTATA配列のそれぞれ15、60、85塩基対下流付近
にあった。特に3番目のものCTCTTAGAAGAACTATCTAAGAAA
GAA(1010-1036)はTMV-RNAの5′端配列と63%の相同
性を示した。この塩基配列はTMVの配列ではCAAの繰返し
が特徴的であるのに対し、GAAの繰返し配列があること
で特徴づけられる。これら3カ所の翻訳エンハンサー様
塩基配列の最も相同性の高い部分はそれぞれTTGCAAAA、
ATACAAA及びTTAGAAGAであり、TMV塩基配列とRNAレベル
で75%の相同性を示した(図7)。
このような翻訳エンハンサー様塩基配列は今回使用し
たCaMVプロモーター中には存在しなかった。
(6) コートタンパク質コード領域及び逆転写酵素コ
ード領域の検索 SoyCMVの各ORFがコードするアミノ酸配列と、CaMVのO
RFがコードするアミノ酸配列の相同性を比較した。その
結果、ORF Vを除いて全体的に相同性は極めて低いが、
以下の相同性を確認した。
i)ORF IaにはCaMVのORF Iと相同な9アミノ酸の配列
部位がある。
ii)ORF IVには、CaMVのIVのRNA結合ドメインと相同性
の高い14アミノ酸の配列がある。
iii)ORF VにはCaMVのORF Vのプロテアーゼドメイン及
び逆転写酵素ドメインと相同性の高い領域がある。
以上の結果より、ORF IVをコートタンパク質をコード
する遺伝子、ORF Vを逆転写酵素をコードする遺伝子と
判定した。
【図面の簡単な説明】
図1はSoyCMVゲノムの全塩基配列を示す。 図2はSoyCMVゲノムの遺伝子地図。 G1、G2、G3は不連続部位、太い矢印はORF、黒ぬりの三
角印はプロモーター部位を示す。 図3はSoyCMVゲノムの制限酵素地図。 図4はSoyCMVのORF IVを含む断片がコードするアミノ酸
配列を示す。 図5はSoyCMVのORF Vを含む断片がコードするアミノ酸
配列を示す。 図6は、SoyCMVのORF III中のプロモーター活性の測定
結果を示す。 白三角、黒三角はそれぞれpBI241を40及び20μg/mlで導
入した場合、白丸、黒丸はそれぞれpBI221を40及び20μ
g/mlで導入した場合、四角は対照としてプラスミドを導
入しない場合を示す。 図7は、SoyCMVの翻訳エンハンサー様配列を含むDNA領
域の塩基配列及びTMV及びAlMV-4のリーダー配列におけ
る塩基配列の相同性をRNAレベルで示した図である。白
抜きの長方形は共通配列を、星印はTMVとの相同配列を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 敬三郎 東京都杉並区阿佐谷北2―10―2 (56)参考文献 J.gen.Virol.(1987), Vol.68,p.159−167 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で示される配列若しくは該配
    列に含まれる配列を有しプロモーター活性を有するDN
    A、又はこれらの配列中の1個若しくは数個の塩基が置
    換され若しくは欠失し、若しくは1個若しくは数個の塩
    基が挿入された配列を有し、かつ、プロモーター活性を
    有するDNA。
  2. 【請求項2】上記式[I]で示される配列若しくは該配
    列に含まれる配列を有しプロモーター活性を有する請求
    項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】上記式[I]で示される配列を有する請求
    項2記載のDNA。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかのDNAを含む
    組換えプラスミド。
  5. 【請求項5】大腸菌又は酵母中で自己複製することがで
    きる請求項4記載の組換えプラスミド。
  6. 【請求項6】植物細胞中で遺伝子発現することができる
    請求項4記載の組換えプラスミド。
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